映画 か行

August 21, 2018

この世界の片隅に



2017年 日本映画


広島近くの漁村で育ったすず(のん)。
親を手伝い、海苔を作り、絵が得意で空想好き。

18歳になったすずの元に縁談が舞い込む。

相手は幼い時に出会った北條周作。
地元から離れた造船の町・呉に嫁いだすずは、見知らぬ土地、見知らぬ人達の中で何とか暮らす。

だが、時代は戦時下。
着々と物は少なくなり、世情は不安定になり、人の心は荒んでいく。

何もない中、手間を惜しまず工夫に工夫を重ねて日々を生きるすず。

時間が経つほど、戦火はすずの暮らす呉に近づいていた・・・


まるで日本昔ばなしの様に、おっとりとしたすずの語り。

一方でどんどん悪くなる情勢。

人を好きになったり、小さなことで笑ったり、そんな普通の感性が踏みにじられていく。
当たり前の幸せが、当たり前の暮らしが、当たり前の心が壊れていく。

すずの世界が、歪んでいく。
すずの悲しみが、苦しみが、怒りが、胸に刺さる。


最終評価 A


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August 17, 2018

君の膵臓をたべたい



2017年・日本映画


高校の現国教師・志賀春樹(小栗旬)は、かつて自分の通った学校で教鞭をとる。

地味で目立たず、他人との関わりを避けていたかつての自分(北村匠海)。

老朽化で取り壊しが決まった図書館で、春樹はかつて自分と過ごした山内桜良(浜辺美波)の事を思い出す。

膵臓の病気で、余命数年の桜良。
クラスの人気者の秘密を偶然に知ってしまった日から、桜良は春樹に妙に関わりだす。

本を整理する春樹の周りを飛び回っては邪魔をし、彼氏でもないのに春樹を外に連れ回す。

「本当に死ぬの?」

そんな疑問が浮かぶほど、桜良は元気で、自分の病気を冗談にして屈託なく笑う。

急に接近する地味で目立たない男子と、人気者の女子。
桜良の行動は、クラスに波紋を起こす。

一方で、桜良の病状は着々と進んでいた・・・



桜良が自分の病気をネタにしてしまう気持ち、分かるな。

重病なら重病なほど、関わる相手に気を使って欲しくなくて、冗談にしてしまう。
何事も無かった日常を維持したくて、そうしてしまう。

秘密を知っても変わらなかった春樹が、桜良の求めた日常を与えた。
だから、桜良は春樹に近づいた。


決して「好き」とか「愛してる」という形でおさまるラブロマンスではなく、魂の深いところで繋がった2人。

そんな2人を浜辺美波と北村匠海が好演している。
演技が特別に上手いと言うわけではないのに、役にハマると言うのはある。
周囲のために無理に明るく振る舞う桜良と、浜辺美波のぎこちない演技が絶妙に良い。

そして、浜辺美波かわええ。

前半で仕込んでいた伏線というか、ネタ振りをあえて回収しない、ハズすって言うストーリーも良い。
高校生の日常で起こった全てがラストに繋がるなんて、そんなハズもなし。
このとっ散らかった感が、悪くない。


泣ける、と言うところには届きませんでしたが、良い作品でした。

まぁ、この内容で観客が泣けないなら、作品としては微妙なんですけどね。


最終評価 B+


で、結局、桜良ちゃんの膵臓病は何だったのですか?
膵臓癌?
桜良くらいの若年女性の膵臓癌発症率は、相当低いですけど、、。

桜良の疾患が何なのかは、ずっと気になってモヤってました。

原作読んでないから何とも言えないけど、映画の中の描き方だと「ハッキリ決まってないのかな?」という印象。
まぁ、良いけど。



以下、ネタバレ。

数々の物語の中で都合良く使われる「死に至る病」。

ギリギリまでピンピンしてて、キャッキャウフフして、急転する病状。
そんな展開かと思ってたら、変化球でした。

でも、そうよね。
死に至る病を抱えていたら、必ずその病気で死ぬわけもなし。

過去を振り返る春樹の
「甘えていたんだ。残りわずかな余命を彼女が全うできると思い込んでたんだ。」
ってセリフは、ドキッとさせられる。


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March 25, 2018

ゴースト・イン・ザ・シェル



2017年製作

「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL」の実写映画化。




ネットが深化し、人の暮らしの隅々にまで入り込んだ未来。
人は肉体を機械化(義体化)し、直接ネットと脳を接続することさえも可能になった。

全身義体の第一号となった少佐(スカーレット・ヨハンソン)は、公安9課のチームリーダーとしてサイバーテロと戦う最前線に身を置く。

最高の技術が詰まった肉体は、戦士として最強の力を少佐に与えた。
だが、時々見えてしまう幻覚や、靄がかかったような過去の記憶に少佐の心はかき乱される。

自分は誰なのか。
本当に人間なのか。

自分が破壊したゲイシャロボットと自分は何が違うのか・・・。

ロボットと人間の境界で彷徨う少佐。

そんな時に出会った謎のテロリスト・クゼ。
他人の脳さえもハッキングして利用するクゼを追う中で、少佐は自分の過去を奪った本当の敵を知ることになる・・・。



主役の少佐(素子ではない)役にスカーレット・ヨハンソン、公安9課の課長・荒巻にビートたけしを起用。

人が見えなくなる光学迷彩や電脳世界に直接ダイブするサイバーな世界観は、以前であれば実写化不可能だったけどCG技術の発達で比較的安く作れるようになったから作ろうぜ。な、作品。

攻殻機動隊から光学迷彩・少佐・公安9課・荒巻・バトーといった、言葉と設定だけを借りてきて、ストーリーは改変しまくった別物。
まぁ、素子をスカーレット・ヨハンソンが演じてる時点で、別物と割り切っているのだけど。

それなのにちょいちょい原作や前作からシーンを借りてきたりしているのが、微妙にイラっとくる。

これだけ改変してしまうなら、いっそ世界設定だけ使って公安9課や素子から完全に離れた作品にすればいいのに。

攻殻機動隊だからって和のテイストを盛る必要もないし。
しかも、フジヤマ・ゲイシャな間違った方向の和テイストが更にイラっとする。

まぁ、日本の実写映画化が壮大なコスプレ大会になりがちなのに比べれば、マシではあるが。
ストーリーもキャラクターも世界観もダウンサイジング感が強く、単純に残念。


個人的に一番の違和感はビートたけし演じる荒巻だった。

ここだけ非常にコスプレ感が強く、キャラクターもビートたけしと合ってない。
しかも、公安9課の頭脳のハズが、かなり前線で戦う武闘派になってしまっている。

戦う荒巻・・・、うーん、まぁ別物ベツモノ・・・と思うしかなし。



でも、ま、分かってた。

パッケージ見た段階、いや、実写化って話を聞いた時からダメだろうと思ってて、分かって観てるんだから仕方ない。
一応、中身を確認したいと思っただけだから。

フェアなフォローを入れておくとすれば、元々自分が他の攻殻機動隊作品のファンだから、最初から実写化にネガティブなイメージがあることは否めない。

まぁ、じゃあ攻殻機動隊のファンじゃない人間が観るのかって言う疑問もあるが。


最終評価 C+



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January 04, 2018

君の名は。

君の名は。
神木隆之介
2017-07-26


2016年・日本映画

新海誠 監督作品


東京ので暮らす立花瀧はある日、目が覚めたら田舎暮らしの女子高生だった。
あまりにもリアルな夢。
困惑しながら、とりあえず胸を揉んでみる。

困惑に満ちた一日が過ぎ、翌日目が覚めると、普通に自分の身体に戻っていた。
変な夢を見た。
それだけだったハズなのに、周囲の様子がおかしい。

「昨日のお前は変だった。」
口を揃える友人やバイト先の先輩たち。

一体どういうことなのか。


飛騨高山の町で暮らす宮水三葉はある日、目が覚めたら東京暮らしの男子高校生だった。
あまりにもリアルな夢。
困惑しながら、東京の高校生活を楽しんでみる。

困惑に満ちた一日が過ぎ、翌日目が覚めると、普通に自分の身体に戻っていた。
変な夢を見た。
それだけだったハズなのに、周囲の様子がおかしい。

「昨日のみつはは変だった。」
口を揃える友人や家族。

一体どういうことなのか。


夢の中の出来事の様に、目覚めてしまうと記憶は曖昧になる。

だけど、間違いなく入れ替わっている。


繰り返される入れ替わり。
瀧と三葉は互いの生活が侵されないようにルールを決め、携帯にその日にあった記録を残す。

だが、突然に入れ替わりが終わってしまう。

薄れていく記憶。
交換したはずの電話番号は繋がらず、瀧はかすかな記憶を頼りに町の風景を描き、その風景画だけを頼りに飛騨高山へと向かった。

そこで瀧は、三年前の隕石落下によって、三葉の住んでいた町が消滅していたことを知る・・・・。



2016年に話題をさらった「君の名は。」地上波初放送を観ました。
あまりにも話題になった作品で、リアルタイムでの上映前に流れていたトレーラーの知識と漏れ聞こえてくる感想でのネタバレに

「もう、べつにいっか。」

と思ってしまっていました。

残念、この2年の自分。

かなり自分の好みストライクだったです。「君の名は。」
話題作の後追い感想は、かなり恥ずかしいのですが、好みだったんだから仕方ない。

ぼんやりネタバレしてるのに、最後まで目が離せずに観きってしまいました。


ストーリーの核は「秒速5センチメートル」と同じ「遠くにいて、会いたいけど、会えない。」もどかしさ。
秒速では、幼さや距離だけが会えない理由だったけれど、この作品では互いに記憶が曖昧になってしまう夢だというのが大きな要素になってくる。
単に距離だけの問題だと「グダグダしてないで会いに行けよ。」となってしまう所が、そうすんなり会いに行かない理由に納得が出来る。

しかも秒速ではリアルで寂しいラストだったものが、ハッピーエンドになっていて。
「そうそう!これが観たいんだよ! 観たかったんだよ!」と。

もちろん美術は噂通りに素晴らしいのですが、その美術にこだわりまくった「言の葉の庭」は美術ばかりに目が行って、中身に共感するのがナカナカ難しかった。
それが、この作品では美術はあくまで美術として、ストーリーを盛り上げるための脇役に落ち着いている。

そして新海監督は、根っこの描きたいモノがファンタジーじゃなかったんだろな。
思いっきりファンタジーに振った「星を追う子ども」は、あまりにも宮崎駿を意識しすぎただけの凡作だった。
でも、ここでファンタジー要素と自分の作風との距離感を理解したんだと思う。

ストーリー、美術、ファンタジー。
男女の肉体精神入れ替わりという「転校生」ばりのベタなファンタジーシチュエーションと、過去の自分の作品が犯してしまった「一般ウケしない理由」を全て昇華させて再構築していく。

過去の作品を観てくると、「君の名は。」の断片がみてとれる。
そして、その断片が良い形になって戻ってきて、ハマったことがわかる。

ストーリー的には、御都合とかムチャクチャしてる部分とかあるんですが、それをテンポでねじ伏せていく手腕も上手い。
元々、映像と音楽を融合させるのが上手だった監督と、作品にマッチする楽曲を提供したRADWINPSの幸福な出会いに感謝。

まさに新海誠監督の映画監督としての成長、そしてタイミングが生み出した作品なのでしょう。



確かにこりゃあ、ヒットするわ。

流行るものには、それなりの意味があるなぁ。

やっぱ自分で観てみないとだな。
とりあえず、オリジナル版を観てみたい。


たぶん、過去からの引き出しを全部使ったであろう「君の名は。」。
次の作品で、新海誠監督の真価と今後が問われるんだろうなぁ。


最終評価 A+



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August 20, 2017

劇場版 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- DC




2015年・日本映画
サンジゲン制作


膨張する人類の前にあらわれた謎の敵・霧の艦隊。
旧式の艦艇の姿を模しながら、その中身は人類の及びもつかない超科学の力を持ち、人類は追い詰められていく。

世界の制海権と制空権そして通信を奪われた人類に残された希望は、霧を裏切った1艘の巡行潜水艦イ号401(イオナ)。

イオナがなぜ霧を裏切ったのかは分からない。
分かるのはイ号は士官学校で学ぶ千早群像を乗せ、霧の艦隊と戦うということだけ。

霧の艦隊たちは、メンタルモデルと称して人間の姿を模し、自分達にない人間の思考パターンを読み取ろうとする。

大戦艦ヒュウガ、巡洋艦タカオ、大戦艦キリシマとハルナ、そして、東洋方面艦隊の旗艦・大戦艦コンゴウ。
メンタルモデルたちは、千早群像とイオナにぶつかり、撃破され、驚き、感化されていく。

群像とイオナは、人類が霧と戦うための振動弾頭を持ってアメリカを目指す・・・。



この劇場版アルペジオDCは、前半丸々が放送済みアニメを切り貼りした総集編。

しかも、総集編の出来がかなり悪い。
初見の人には何が何だかわからず、アニメを見た人には必要ない典型総集編。
かなり雑にザックリまとめてるため、アニメの良さが伝わらない。


前半がタルいため、せっかくの新作後半に入った時に気持ちの切り替えが上手くいかないのが残念。

後半は、サービスシーンと、サービスシーンと、続編に出てくる敵さん達の自己紹介とラスボス紹介。

新キャラ・生徒会長(笑)のヒエイとの戦闘は、まぁまぁ見どころがあるけど、イオナ対火力に勝る敵艦隊パターンはちょっと限界。

「またこれかー。」となってしまう。

霧の皆様は、なんで複数大火力で何回もやられてしまうのか。
イオナが一番追い詰められたのは同型の姉妹艦2艘に追われた時って、どうなの。


劇場でコレを見せられた人たちは、単に「続編はよ!」としか思わなかったんだろうな。

その「続編はよ!」は、製作サイドの思うつぼ。

最終評価 B−




真面目な話。
劇場版後編を作るための資金集めとして前編は必要悪だったんだろな。
手元にあるありものを切り貼りして一本作って、そこで資金を集めて後編に回す。

製作者だって霞喰って生きてるわけじゃねぇと言う話。

ま、観る側には関係ないんだけどね。


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June 24, 2017

心が叫びたがってるんだ。

心が叫びたがってるんだ。 [Blu-ray]
水瀬いのり
アニプレックス
2016-03-30


2015年・日本映画
「あの日見た花の名前を、僕たちはまだ知らない。」の製作スタッフが再集結した、青春群像劇。


おしゃべり好きの少女・成瀬順は、綺麗なドレスを着て踊るお城の舞踏会に憧れる。
小学校の帰り道、憧れが詰まった山の上のお城(ラブホテル)から父と知らない女性が出てくるのを目撃する。

お城から出てきた父を白馬の王子と信じ、順は自分が見たものの意味も分からないままに、母にその事実を告げてしまった。

その結果、両親は離婚し、父は家を出て行った。
別れ際、必死で父を引き留めようとする順に父は言った。

「全部、おまえのせいじゃないか。」

ショックを受けて自分を責める順の目の前に、小さな卵の王子が現れる。
そして、卵の王子は「おしゃべりによる災厄」を避けるため順のおしゃべりを封印したのだった。


高校2年生になった順。
順はあの日から、言葉を発すると腹痛を起こしてしまう体質を抱えていた。
携帯のメールでしか他人と会話できず、町内でもクラスでも変な子扱い。

ある日、担任の音楽教師が高校主催の地域ふれあい交流祭の実行委員に、坂上拓実、田崎大樹、仁藤菜月、そして順を指名する。

高校生活をやる気なく過ごしていた坂上拓実。
甲子園を目指す野球部のエースだったのに肘を壊してしまった田崎大樹。
優等生の仁藤菜月。
そして、話せない成瀬順。

青春チョイスと揶揄される4人。
拓実と順は反発し、田崎はそもそも参加の意思もない。
当然、出し物もまとまらない。

拓実と関わる中で「歌なら腹痛を起こさない。」と知った順は、自分の本当に伝えたい言葉を歌にのせるミュージカルを出し物にしたいと考えだすのだった・・・。



大ヒットした「ここさけ」をやっと観ました。

誰もが心の中に抱えて言葉にしない、出来ない「本当に伝えたいこと」。

言葉に出来ない理由は、自分の殻。
相手を傷つけないため、自分を守るため、自分が勝手に作り上げた殻の中で、感情だけがグチャグチャになって、言葉にならなくなる。

そんなグチャグチャになって普通には言えない言葉も、歌にすれば吐き出せる。
歌にすれば、相手に届く。

拓実に恋をして、一生懸命に頑張る順が周囲を巻き込んでいく。
その中でそれぞれが少しずつ変わり、相手を認めていく。


大筋はとても好きなストーリーでした。


が、どうにもメインストーリーの周辺が気になってしまった。

まず順の父親。
小学生の娘が下校中に寄れる距離感のラブホで浮気すんなよ。
そんで、結果離婚ってなった時、娘に「おまえのせいだ。」とか、どんなよ。


そして、普通の高校生たちが1ヵ月ちょいでオリジナル台本のミュージカルを作って発表て。
台本、歌、振り付け、衣装、劇としての演劇、セット、照明、他にもミュージカルには要素が多い。
普通に既成の劇でも1ヵ月で形にするのは難しい。

それを、人数もそう多くないひとクラスでオリジナル台本・・・
しかも、途中でラストを変えたいとか言い出したり、本番で配役や手順を変えたりとか・・・

ぬーん。
一応、演劇をかじったことのある人間だと、どうにも嘘っぽさが先に来てしまってダメでした。

それに変な子扱いだった順が書いた台本で、本人主役で、本番直前に逃げ出しても受け入れてくれるクラスメイト・・・。

ぬーん。

無理がある。
無理があるなぁ。


最終評価 B




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March 07, 2017

言の葉の庭




2013年・日本映画
新海誠監督作品。

「君の名は。」でその名を知らしめた新海誠監督の作品。


靴職人を目指す高校一年生のタカオは、雨の降った午前に満員電車に乗ることを嫌い、近くの日本庭園にある東屋で靴のスケッチをする。

そこに、同じく雨宿りをするスーツを着た大人の女性。

朝早くからビールを飲み、つまみにはチョコレート。

同じように雨の日の午前中を同じ場所で過ごす2人は、少しずつ言葉を交わし、少しずつ距離を縮めていく。
タカオは学校の誰にも打ち明けたことのない、靴職人の夢を女性に話すようになる。

いつしかタカオは、雨の朝を待ちわびるようになっていく。


まず驚かされるのが、映像美。
果たしてこれはアニメなのかと目を疑うほど精緻に書き込まれた風景。
それだけでもう、世界に惹きこまれる。

本物よりも美しい、薄く煙る雨の日本庭園。
これは、もうアニメーションではなく芸術の域。


物語自体の中身については、良くも悪くもファンタジー。

高校一年生男子と大人の女性が、知り合い、惹かれ合い、そんな癒し・癒されるような関係になるかよ・・・と言う、まぁ、なんと言うか、高校生男子の妄想と言いますか・・・。

半笑うような、苦笑うような・・・。

相手女性の正体が分かってからの展開は「そんなベタな!」と言ってしまうレベルではあるものの、素直な展開なので嫌味さが無くて良いです。

男の子の妄想を煮込んで煮込んで、煮詰めて昇華したら出来ました。という作品。

でも、ここまで赤裸々に自分の妄想を映像にして、世界に晒すって、すげぇよね。


最終評価 B+





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January 07, 2017

傷物語掘[箏貶

IMG_3583


2017.01.06 日本映画

鉄血篇」「熱血篇」に続く、傷物語3部作の最終章。


3人のヴァンパイアハンターに四肢を奪われ、瀕死となった伝説の吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードを救ってしまった阿良々木暦は、その伝説の吸血鬼の眷属となった。

奪われた手足をキスショットに返せば、人間に戻れる。
その約束を信じ、3人のヴァンパイアハンターと戦い、手足を取り戻した暦。

完全体に戻ったキスショットとたわいなく笑いあい、心が通じたように感じたのもつかの間。
キスショットの「食事風景」を目の当たりにして、暦は自分が何をしてしまったのかを悟るのだった。

キスショットは、吸血鬼なのだ。

人間を喰らう吸血鬼。

自分が救ったキスショットが人を殺し、喰った。
自分のせいで人が死んだ。

その現実が、暦の精神を蝕んでいく・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今回の「冷血篇」、中身はかなりシンプル。

体育倉庫で女子高生の胸に触りたい男子高校生って話と、究極の不死力を持った存在同士のケンカとはこんな感じになりますって話の2本立て。

劇場版なので当然ですが、映像美がとにかく圧巻。
実写取り込みから、デフォルメまで、ありとあらゆる映像技法を惜しみなく使い、究極にくだらなくて、それでいて悲しい物語を描いています。

この傷物語の間、制作陣の愛を一身に受けた羽川の可愛さキレッキレぶりは半端ない。
男子高校生の、と言うか、人間の男性としての暦の願いを受け入れる覚悟のキメっぷりは、流石の全盛期。
暦をして「聖母」と言わしめてしまうのも分かる。

この時期の羽川を全盛期と言えばそうなのかも知れないけど、ある意味で単に人間らしい感覚と隔絶しちゃってると言えなくもない。

単に誰とも関わらずに生きて、無垢のままなだけ。

ただ、この時にここまでしてしまった男女関係が成就せず、しかも他の女に取られてしまうなんてね。
羽川でなくともブラック人格が出て来てしまうだろうよ。


そして、傷物語の主役であるキスショットもまた、幼年・少女・思春期・成熟期の女性の状態での魅力をいかんなく発揮。
キレッキレに可愛くて美しくて凄惨。

年齢の激しく移り変わる1人の女性を1人で演じきる、坂本真綾の演技力の凄さよ。
2歳程度の年齢差が声だけで分かるって、何よ。
どうなってんだ。

映像で観るキスショットの覚悟と願いは、美しい。


この2人のヒロインの魅力がヤバすぎる。


三部作を通じて、画面の色は赤と黒、そして白。

血と闇と純粋さ。

物語シリーズが進むほどに、ソリッドな部分を失い、ある意味で大人に、ある意味で普通になっていった暦と羽川。

その2人が1番ソリッドだった頃の物語。

皆がちょっとずつ不幸になり、ここに無事完結。


この作品、せめて前後篇の2部作にまとめていたら、もっと評価が上がったのに。
1話が1時間前後と短めの3部作にする必要は無かったんじゃないかなぁ。

まぁ、そうなるとヴァンパイアハンター戦でぶった切る事になったから、3部作は仕方ないのか?


最終評価 A



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September 08, 2016

劇場版 境界の彼方 未来篇

劇場版 境界の彼方 -I'LL BE HERE- 未来篇 [Blu-ray]
種田梨沙
ポニーキャニオン
2015-10-07


2015年・日本映画

最強最悪の妖夢・境界の彼方を宿し、不死の身体を持つ神原秋人。
唯一、境界の彼方を殺す力を持つ、呪われた血の一族・栗山未来。

2人は出会うべくして出会い、惹かれあった。

だが、互いが互いを傷つける存在であり、共には生きられない2人。
境界の彼方との戦いの中で一度は失われた未来の命。

奇跡的に還ってきた未来は、全ての記憶を失っていた。
呪われた血の一族であることさえ忘れた未来。

秋人は未来の幸福を願い、未来が何も知らないまま人間として生きることを望んだ。
その為に、可能な限り未来に関わらないように努め、そして冷たくした。

でも、未来はどうしても秋人に惹かれてしまう。

そんな時、妖夢と呼べない「何か」によって異界師たちが襲われる事件が起こる。
地域を治める名瀬の家を継いだ博臣は、その事件を追うのだが・・・・。


TVシリーズではそれほどハッピーエンドに終わらなかった秋人と未来に、本当のハッピーエンドを。
そんな感じの蛇足。

蛇足。

そう言わざるを得ないかなぁ。

前後篇になっていた劇場版。
前篇である「過去篇」は、かなりの劣悪版TVシリーズダイジェスト作品でした。

そして、それを受けて完全オリジナルで作られた後篇・・・・

いやぁ、作画は綺麗だなぁ。
流石は京都アニメーション。

いやぁ、劇場クオリティで描かれる未来は可愛いなぁ。
流石は京都アニメーション。

作画が綺麗。
ヒロインが可愛い。

褒められるのは、そこだけ。


なんだろなー。

個人的にはTVシリーズの最後で、未来が戻ってきたことでさえ余計だと思ってました。
良いじゃんか、未来は秋人の中の境界の彼方と一緒に消え去ったって事で。

何で未来が戻ってこれたのか、それが劇場版で分かるのかなーと淡い期待を抱いてました。
が、その辺の謎解き的なモノは一切なし。
てか、消え去った人間が戻ってきてるけど、その理由考えてないだろ?


作画が素晴らしいのに、シナリオがガタガタすぎ。

まぁ、でも劣悪ダイジェストの過去篇よりはよっぽどマシ。
と言うか、どうせ観るなら未来篇だけで良い。


境界の彼方、TVシリーズの途中までは結構好きだったのになぁ・・・。

ちゃんと続編・完結編にならない蛇足なら、作んないでくれよ!


最終評価 C+


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September 04, 2016

駆込み女と駆出し男



2015年・日本映画

時は江戸時代。
質素倹約を掲げる天保の改革で暮らしが締め付けられる江戸の街。

当時、離婚と言うのはあくまで男性の一存。
妻はどんなにひどい男だろうと、自分から縁を切ることは出来なかった。

だが唯一、女性の希望で縁切りが出来る幕府公認の東慶寺という寺があった。

どうしても夫と縁を切りたい女の、最後の駆け込み寺。

でも、誰もがいきなり東慶寺に転がりこめるワケではない。
その東慶寺の隣にある御用宿・柏屋にて、まず事情を聴き、夫を呼び出し通知する。

そして、女は東慶寺に入って男を絶って24ヶ月の間は身を修め、その後、夫に離縁状を持参させて寺を出ることが出来る。

様々な事情を抱えた女たちが、今日も柏屋に駆け込む。

そして、医者見習いで戯作者希望の男・信次郎(大泉洋)もまた、柏屋を取り仕切る叔母を頼って駆け込んできたのだった・・・。


男尊女卑当たり前の江戸時代。
とは言っても、ロクでもない男はいつの時代だっている。
そりゃあ、女側から離縁を願う縁もある。

そんな女たちの唯一の希望、たったひとつの駆け込み寺として実在した東慶寺。

まぁ、とは言っても男と女、しかも夫婦の間のことは複雑怪奇。
恨み憎しんだと口では言っても、どうにも切れない情が裏にあったりするもの。

愛憎と義理人情、そして粋と見栄。
様々な事情と感情が絡まり合う江戸時代の離縁を描く。


ただまず、んまーとにかく言葉遣いが難しい。
お江戸の単語を解説なしで使われるので、最初から全部聴き取れ意味もわかるなんて人は居ないんじゃないかとさえ思ってしまう。

それに早い。
耳慣れない古い言葉遣いでパパパッ、ポンポンポンと会話していくので、セリフを聞き取るのでいっぱいいっぱいになる。

しかも、やっとこ聞き取ったその内容も、ヤクザ者の啖呵や、見栄のために話を大げさにした脅し、その場を切り抜けるための口から出まかせナドナド。
迷信やら作り話やら、嘘大げさ紛らわしいが入り混じる内容なので、どれがストーリーの流れに関係あるのか、ただのオマケなのか分からずに混乱する。

結果、何が何やら分からないままストーリーが進んでしまい、表面をなぞるだけになってしまう。
幕府側が東慶寺を潰そうとしていた計画とか、散々思わせぶりに仕込んでたのに、最後にはどこいったのさ。

日本語なんだけど「字幕をくれ。」と普通に思いました。


でも一方で、キャスティングは素晴らしい。

弱気な医者見習いの洋さんは、もちろんハマり役。

洋さんの想い人となる鍛冶女のじょごを演じる戸田恵梨香も良い。
最初は田舎言葉丸出しで、まるで学がなかったじょごが、寺の暮らしの中で字を学び、身体を鍛えることでどんどんと洗練された女性になっていくのが美しかった。

裏のある問屋の愛人・お吟を演じた満島ひかりは、もう、日本を代表する女優で間違いない。
美しく、粋で、それでいて悪そうで、色気がある。

なによりこの作品を引き締めたのは、柏屋を仕切る源兵衛を演じる希木樹林。
女を取り返そうと詰めかける男たちに一歩も引かない監督者として、ユーモラスでありながら、凄みのある役柄がビシッと合ってました。


この作品は、字幕付きで2回観た方が良いのかも知れません。


最終評価 B+



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September 03, 2016

劇場版 境界の彼方 過去篇



2015年・日本映画

異形の存在・妖夢と人間との間に生まれた半妖の神原秋人は、学校の屋上で栗山未来と出会う。

「不愉快です」が口癖でどこか頼りない雰囲気の彼女は、妖夢を討伐する異界士で血を操る一族の末裔(まつえい)だったが、その能力は異界士の中でも異端とされていた。

秋人を邪悪な妖夢とみなし攻撃してくる彼女を、秋人はなぜか無視できず……。

yahoo映画より


京都アニメーション制作の「境界の彼方」劇場版。

「過去篇」と「未来篇」の2部構成になっているものの、この「過去篇」は完全にTV放送のダイジェスト版。
しかも、ダイジェストとして結構な粗悪品。

ストーリー要約を自分でする気力が起きませんでした。


触れ込みでは、栗山未来側から見た物語とのことだが、冒頭にお情け程度に栗山未来目線があるだけで、9割以上の本編は地上波の通り。

そして、TV版を観ていない人には何も分からない、観ていた人には観る価値のないダイジェストを延々とみせられ、エンディングを迎え、スタッフロールが流れ

最後の一瞬。
1分あるかないかの「未来篇」へのヒキがあって、終わる。

その1分あるかないかの新作のためだけにある作品。 コレ、要る?

レンタルでこの過去篇を観た僕でさえ、ちょっとイラっとする。
劇場で観た人の気持ちや如何に。


てか、京都アニメーションの劇場版は、本当にヒドい。

「境界の彼方」という作品は好きですが、このやり口は嫌い。


最終評価 C


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August 19, 2016

傷物語供’血篇

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2016.08.19・日本映画

桜が舞う三月二十五日、終業式の日の午後
私立直江津高校に通う高校二年生・阿良々木暦は
偶然に学校一の優等生・羽川翼と知り合う。
彼女の口から飛び出したのは
「金髪の吸血鬼」の噂だった。

「友達を作ると、人間強度が下がるから」と
学校で深い人間関係を築かないようにしているものの
気さくな翼のことを好ましく思う暦。

その夜、暦は噂の吸血鬼と遭遇する。
“怪異の王”キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード。
鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼。
四肢を切断され、周囲に血を撒き散らしながら助けを請う彼女を
彼は衝動的に助けてしまう。

その結果、自分が人間をやめることになるとは思わずに・・・。

ようこそ。夜の世界へー

阿良々木暦の地獄の春休みは、こうして幕を開ける。


「傷物語」三部作の第二作「熱血篇」を劇場にて公開初日初回に観賞。

前作の「鉄血篇」で、伝説の吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの眷属となってしまった阿良々木暦と、キスショットを瀕死にまで追いやった3人のヴァンパイアハンターとの戦いが今回のメイン部分となる。

その一方で、完璧なる委員長・羽川翼との関係性が深まっていく部分が、ストーリーの核となる。

この羽川の可愛さと異常さの際立ち方が、凄い。

暦にして「聖人」や「聖母」といわしめる羽川翼。
物語シリーズを経ていく中で「普通の女の子」を取り戻していく翼だが、この「傷物語」時点は完全無欠さを極めた全盛期。

優しく、可愛く、無防備で無垢で可憐で、すごく魅力的で、それでいてすごく怖い。
その突き抜けかたが、すごく怖い。

その怖い羽川が、暦に恋していく・・・いや、淡かった気持ちを濃くしていく過程が、すごく可愛く、切ない。
だって、この恋が実らないって知ってしまっているのだもの。

いやー、物語シリーズを時系列通りに観て言ったら、このプロローグ「傷物語」を最初に観てしまっていたら、暦が戦場ヶ原と付き合うことになる時の衝撃は半端ないだろうな。

傷物語時代の暦と翼、完全に相思相愛だろ!!!!


あと、暦がヴァンパイアハンターに勝つたびに成長していくキスショット百面相は、これはもうファン垂涎の可愛さでした。
あれはヤバイ。
ロリコンじゃなくても、ヤバイ。


前作もそうでしたが、この劇場版はTVシリーズが踏襲していた表現方法から一歩抜け出し、実写映像を利用したり、今までにない音の演出が入っていたりと、かなり凝っている。

日本アニメーションの映像美が、ここまで出来ますという、「どや!」感がある。


まぁ、観る人は観る。
観ない人は一生観ない。

でも、観る人にとっては、最高に楽しめる。

そんな作品。



三部作の最終章・冷血篇は、2017.01.06公開。

前売り買いました。


最終評価 A


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January 08, 2016

傷物語 I 鉄血篇

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2016年・日本映画

桜が舞う三月二十五日、終業式の日の午後
私立直江津高校に通う高校二年生・阿良々木暦は
偶然に学校一の優等生・羽川翼と知り合う。
彼女の口から飛び出したのは
「金髪の吸血鬼」の噂だった。

「友達を作ると、人間強度が下がるから」と
学校で深い人間関係を築かないようにしているものの
気さくな翼のことを好ましく思う暦。

その夜、暦は噂の吸血鬼と遭遇する。
“怪異の王”キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード。
鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼。
四肢を切断され、周囲に血を撒き散らしながら助けを請う彼女を
彼は衝動的に助けてしまう。

その結果、自分が人間をやめることになるとは思わずに・・・。

ようこそ。夜の世界へー

阿良々木暦の地獄の春休みは、こうして幕を開ける。



初日初回にて観てきました。
待望の「傷物語・鉄血篇」。

内容的には、もう8年も前に発刊された原作があるので、ストーリーのネタバレとかは、もうしてもしなくてもってトコでしょう。

今回、一冊の小説「傷物語」を三部作にするとは言っても、1作の時間は1時間強。
3部作で3時間というのは、まぁ、アニメシリーズの化物語が上下巻で12話だと思えば、内容的濃さは同じくらいでしょうか。

で、気になる内容はと言えば、過剰演出も、語り口も、いつもの物語シリーズです。

ただ、クオリティは保証モン。
完全に劇場版クオリティでした。

少しだけ幼い印象の羽川翼は、死ぬほど可愛く
少しだけやさぐれている阿良々木暦は、信じられないほど衝動的で
少しだけ饒舌な忍野メメは、笑ってしまうほど格好良く

キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードは、血が凍るほど美しい。

んー、流石。
ファン納得の作りです。

まぁ、演出過剰はいつものこととは言え、劇場スケールの過剰っぷりですから、ツッコミどころは満載。
でも、今更このシリーズにツッコミとかする人の方が野暮なんです。

やーい、野暮天。


ふーんだ。
良いんですよ。どうせ物語シリーズファンしか観ないんだから。

ファンが喜ぶ作品で、何が悪い。


次の熱血篇は、2016年夏。

楽しみです。


最終評価 A




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January 04, 2016

劇場版マクロスフロンティア サヨナラノツバサ



2009年・日本映画
劇場版マクロスフロンティアの後編。


巨大宇宙移民船団マクロスフロンティアを襲った地球外生物バジェラ。

シェリルと同じ舞台に立ち、フロンティアを救った歌姫としてスターダムを駆け上っていたランカは、脳が無いはずのバジェラの感情を感じていた。

シェリルとランカは、歌の振動によってバジェラと交信出来るウィルスを身体に宿す。
その能力を使ってバジェラを支配する計画が、もう1つの移民船団ギャラクシーで秘密裏に進められていた。

シェリルの活動の裏で蠢いていたギャラクシーの工作員たちが動き出す・・・


この後半からは完全にテレビ版を離れる。
テレビ版の後半の展開は、あまりにも共感できないワケわからない超展開で、ホントに好きじゃなかったので、この作り直しは個人的に大歓迎。

劇場版の映像のクオリティは、これでもかと言うほど高いし。
作り直し、バンザイ。

まぁ、劇場版も劇場版で、かなりの超展開。
正直、途中から何してんだか分からなくなりそうになる。

それでも、劇場版のネジの飛び具合は、中途半端じゃなく、本当にぶっ飛んでるのが良い。
正直ムチャクチャだけど、このぶっ飛びっぷりは好き。


後半のノリは突き抜けてる。

歌の通り、「のってっけーーーー!」って感じ。

ここまでやってくれるなら、前編のイツワリノウタヒメのタルさは大目に見るよ!


ただ、物語が全く進まないシェリルとランカのPVみたいなシーンが冒頭で続くのはどうかと思った。

そして、最終戦でコントみたいなの差し込むのやめれ。


最終評価 A


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November 14, 2015

きっと、星のせいじゃない。



2014年・アメリカ映画


13歳で発症した甲状腺ガンが肺に転移し、末期ガンになったヘイゼルは17歳。

死と向き合い鬱になったヘイゼルを心配した両親は、同じ境遇の若者が集まるサポートグループへとヘイゼルを送り出した。

そこでヘイゼルは骨肉腫で右足を失った青年・オーガスタスに出会う。
ひとめで惹かれ合う2人。

ヘイゼルは自分の愛書をオーガスタスに勧めた。

だが、その本は、結末が途切れている。
どうしても続きが気になったオーガスタスは作者にメールを送り、なんと、そのメールに返信が届く。

作者との繋がりを得たヘイゼルは、作者に真の結末について問いかける。

作者の答えは

「アムステルダムに来た時にはお会いしましょう。」

慈善団体の協力を得てヘイゼルはアムステルダムに行くことを願うが、彼女の身体は確実に病魔に蝕まれていた・・・


不治の病を抱えた女の子と、彼女に恋をした男の子。

よくある、と、切って捨てるのは簡単。
そのテーマを扱った作品は山ほどあるし、大抵は御涙頂戴の陳腐作品。

この作品も外見はそう。
だが、御涙頂戴では終わらない。

軽やかであり、美しく、それでいてズシンとした痛みがある。

自分の人生を諦め、残される親のために生きていたヘイゼルが、オーガスタスと出会い、自分の人生を取り戻す。
そこには優しさや思いやりだけじゃなく、現実の厳しさもある。

「この世は、夢工場じゃない。」

オーガスタスの言葉が胸に響く。

この世界は、本当に不平等で。
くそったれで。

だからこその美しさもある。


ただ、作中に出てくる作家のヴァン・ホーテン氏が少し不可解。
彼の抱えた悲しみもわかるけれど、その悲しみと彼の行動が上手く一致しない。

物語のキーマンのようで、何となく意味深なだけの人に見えてしまう。



重い病気を抱え、日常の何でもないことが自分の力で解決出来なくなる。
この苦しさを知る人間が、この作品を観て共感しない訳がない。


ただ、なんか最後で泣けない自分がいた。
不思議。


最終評価 A−

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September 16, 2015

ゴーン・ガール

ゴーン・ガール (字幕版)
ベン・アフレック
2015-03-05


2014年・アメリカ映画
デビッド・フィンチャー監督作品。


結婚5周年の記念日、妻のエイミー(ロザムンド・パイク)が失踪した。
誰もが羨む結婚生活に訪れた突然の異変。

夫のニック(ベン・アフレック)は警察を呼び、捜査が始まる。

初めは同情的だった周囲の状況が変わって行く。

次々に出てくる事実がニックを、追い詰めていく。

最初は不用意に撮られてしまった会見での笑顔の写真、ニックの知らないエイミーの交友関係、エイミーが隠れて買った護身用の銃。ニックの浮気。
そして、空疎だった2人の生活と、エイミーの中に溜まっていく不満が綴られた日記。

実はすれ違っていた2人の結婚生活が、白日の下に晒されていく。

証拠のすべてがニックを犯人だと言っていた・・・。



ただただラストまで目が離せない極上のサスペンス。

失踪した妻側から出てくる情報と食い違う夫の証言。
次々に出てくる証拠。

途中まではミスリードと逆転を使ったサスペンスにありがちな内容なのかと思いきや、最後までいくと背筋が凍る。


怖え。
この作品、心の底から怖え。

流石はデビッド・フィンチャー。

ただ恐怖煽って暗がりから飛び出してビックリさせるだけのホラーとは違う。
心の根っこにくる。


人間誰しもが求められる役割を演じて生きている。
だが、その仮面をこれほどまでに恐怖に染め上げた作品を知らない。

そして、この作品のテーマが結婚。
自分が良く知っていると思っているパートナーのことを、果たして自分はどれだけ知っているのかを問いかけてくる。

既婚者と未婚者で評価が変わるかも。


ネタバレ無しに語ることが不可能。

心震えるサスペンスが観たければ、是非。


最終評価 A+



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August 27, 2015

コナン・ザ・グレート

コナン・ザ・グレート(2枚組) (初回生産限定) [DVD]
アーノルド・シュワルツェネッガー
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
2012-04-21


1982年 アメリカ映画

古代アトランティスが滅びた後の暗黒時代。
コナン(アーノルド・シュワルツェネッガー)の生まれた小さな部族は襲われ、両親は殺された。

奴隷となったコナンは苦役に耐え、屈強な肉体を持つ青年と成長した。

コナンの肉体に目を付けた行商人に買われ、コナンは闘士となった。
そこでコナンは戦う術と知恵を身に付け、そして行商人の気まぐれで自由を得た。

自由を手にしたコナンは、復讐の旅に出る。


シュワルツェネッガー、若っ!

シュワルツェネッガー、ロンゲ!
しかも似合わねーww



ボディビルダーだったシュワルツェネッガーが俳優として認められるキッカケとなった作品。

とにかくシュワルツェネッガーの屈強なバディを見せつける。

とにかくシュワルツェネッガーは喋らない。

ストーリーは、まぁ、古代時代の摩訶不思議アドベンチャーな感じ。
予言と、セックスと、格闘と、神話。

順次出会うべき人に出会い、情報をもらい、仲間になり、シュワルツェネッガーがムッキムキ。

セックスも格闘も、いかにしてシュワルツェネッガーのムキムキバディを見せつけるかって作品。

とりあえず、でかいバスタードソードを振り回すシュワルツェネッガーはムキムキ格好良い。


映画業界がお金を持ってた時代の作品なので、今の時代にはない実写の味わいを楽しむことは出来る。
ただ、現代の映画と比べてしまうと、ストーリーも演出も微妙な内容。

まぁ、時間を割いてワザワザ観る作品でもない。


最終評価 B−

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August 25, 2015

神さまの言うとおり



2014年 日本映画


退屈な日常に飽きていた高校生の高畑瞬(福士蒼汰)は、こんな世界ぶっ壊してくれと神に願った。

そして、その言葉を後悔し、退屈な日常を返してくれと神に願う。


ある日、授業をしていた教師の頭を爆破して現れたダルマ。

そのダルマがはじめたのは、ダルマさんが転んだだった。

ルールは、古典的なダルマさんが転んだ。
だが、動いた時の罰則は頭部の爆破による死。

パニックの中、次々に頭が爆発して死んでいくクラスメイトたち。

瞬が生き延びる方法は、ダルマの背中のスイッチを押すことだけ。

命のカウントダウンがはじまる。


かなり突飛なシチュエーションの中で繰り広げられる極限のデスゲームの連続。

バンバン人が死ぬ。
あえてリアリティを持たせないようにその死にっぷりもかなり豪快。

まぁ、なんでもアリ系のトンデモワールドなので、極限のデスゲームの中で主人公があまりにも冷静だったり、女の子にときめいたりするのはスルーが吉。
果てしないトンデモワールドなので、どうせ理由付けや謎解きは無いものとして、期待しないのが吉。

だって普通の理由付けでは無理だもん、こんなの。


そんな理由付けやツッコミを脇に置いて見るなら、結構なジェットコースター感を楽しめる。


ただ、最後のオチが酷すぎる。
あえて御都合とは言わない。
なぜなら、ここまでが御都合オンパレードだったから。

でも、とにかく最後が酷い。
最後にかけてのクライマックスも酷い。

最後のゲームからオチにかけてが酷い。

なんだこのオチ。
なんだこのラスト。

ここまで引っ張ってコレか。

それまでがソコソコ良かった分、許せん。


ラストのぶん投げっぷりに怒り心頭。


最終評価 C

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August 11, 2015

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア [DVD]
古谷徹
バンダイビジュアル
2001-03-25


1988年・日本映画


増えすぎた人類が宇宙のコロニーに住むようになった宇宙世紀。

地球からコロニーを植民地のように支配する地球連邦政府への反感は、宇宙に住むスペースノイドの独立を掲げるジオン公国の反乱を招いた。

ジオン公国の起こした1年戦争から14年後。

新型機・ガンダムを駆って1年戦争の英雄となったアムロ・レイは、まだ戦場に立っていた。

アムロが戦うのは、スペースノイドたちに支持されて復興したネオ・ジオンを率いる総帥となったシャア・アズナブル。
シャアは、地球に巨大隕石を落とし、地球に人間が住めなくなるようにする寒冷化作戦を押し進めていた。

一部の特権階級が地球から宇宙を支配する世界を終わらせようとするシャア。
シャアはそれを粛清と呼んだ。

アムロは、シャアの主張を「人間が人間を裁く」エゴだと叫んだ。

シャアとアムロの最後の戦いが始まる。


ファースト、ゼータ、ダブルゼータ、逆襲のシャア。
ここまでが僕の中で「ガンダム」。
強いて言うなら、閃光のハサウェイまで。かな。

まぁ、確か良く出来たOVAシリーズとかはあるけど、それらはあくまでスピンオフと言うか、あくまでアナザーストーリー。

なーんて言うと、古いのかな?

でも、ガンダムってコンテンツはあまりにも派生品が多くなりすぎなので、個人個人で多少はこだわりを持っても良いと思う。


大人になったシャアとアムロの相克が見所の逆襲のシャア。

ファーストの頃は幼く、善悪もなく才能のおもむくままに戦っていたアムロが大人になり、不条理の多い人間社会と柔軟に折り合おうとする。

一方、ファーストの頃は現実と折り合いをつけ、自分の私怨を晴らすことに生きていたシャアが、まるで少年のような理想を掲げてネオ・ジオンを率いる。

成長して変わったアムロとシャアの対比で、まず魅せる。


そして、大人になった男たちの物語なので、当然、彼らの周囲には大人の女性たちが出てくる。
愛したり、利用されたり、一方通行だったり。
そんな愛憎の人間ドラマもまた、この「逆襲のシャア」の見せ場。


ファーストからの成長、因果、人間ドラマが、一点に集約していく。

この作品だけで全てを理解するのは、正直、不可能。
2015年現在に見返せば、そりゃあ荒削りなとこは沢山有る。

それでも、それらのツッコミを全部飲み込んだ上で、十分な見応えがある。

男の子的には、νガンダム、サザビー、ヤクト・ドーガといったマシンデザインが格好良すぎ。

何度観ても、ファーストから逆襲のシャアまでを見てきたファンにとっての満足感は格別。


最終評価 A+




色々書いたけど、シンプルに見ると。

ネオ・ジオン側は

シャアは周囲の女を上手く使いすぎ。
一方で、アムロとフェアなモビルスーツ戦で戦うために自分の不利も考えずに新技術を送るとか、革命で世界を変えたいとか、こどもすぎ。

クエス・パラヤ(一応、ヒロイン?)は、言うこと全部ワガママなこども過ぎるし、ウザすぎ。

強化ニュータイプのギュネイ・ガス(ヒロインに横恋慕くん)は、ただのクソガキすぎ。

てか、ネオ・ジオンの人間は、自分が言いたいことやってるだけのこどもばっかりか!


連邦側は

司令部バカすぎ、無能すぎ。

ケーラ(アムロの部下)は死亡フラグ立ちすぎ。

ハサウェイ(ブライトの息子)不憫すぎ。

アムロとブライトが一応マトモで安心する。
「ぶったね!親父にもぶたれたことないのにっ!」と言っていたアムロが大人になったもんだ。
そして、1年戦争当時19歳だったブライト、この時は33歳。相変わらずブライトの年齢設定はまじか。
33歳でロンド・ベルって艦隊を率いてるんだから、出世したんだねぇ。

ストーリー的には

最終兵器っぽかったアルパ・アジール弱すぎ。

サイコフレーム万能すぎ。



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May 15, 2015

かぐや姫の物語

かぐや姫の物語 [DVD]
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
2014-12-03


スタジオ・ジブリ製作。
高畑勲 監督作品。

御存知「竹取物語」に新解釈を加えた現代のかぐや姫。


竹を取り、竹細工を作って暮らしていた竹取翁と嫗。

ある日、翁は根元の輝く竹を見つけ、その中から小さな手のひらに乗る姫を見つける。

家に帰って嫗に見せると、姫はみるみる赤子になった。
そして老婆の嫗から乳が出るようになり、その乳を飲むとズシリと重くなる。
はっていたと思うと立ち、立ったと思うと歩く。

竹の子の様な驚くべき成長を見せる不思議な赤子を、竹取翁と嫗は愛して育てた。

そして、姫はそれはそれはこの世のものとは思えぬほど美しく成長したのだった。


とにかく、まずは映像美。
絵で表現出来る美しさの到達点。
まるで絵巻物が動くかの様な空気感と、なめらな動き。
日本アニメーションの極みにある。

帝さえも狂う姫の美しさに、息をのむ。


そして、ストーリーが深い。

姫を愛し、高貴な人に嫁ぐことが姫の幸せと信じ、姫自身の願いと幸せを見落としていく竹取翁。

その竹取翁の願いによって、山育ちから都の姫にされてしまった姫の苦しみが痛い。

変わっていく夫も愛している。
でも、姫の想いも知っている嫗。

こどもの幸せを願って良かれと思った事が、自分の価値観を押し付けていただけになってしまう。
そんな親のエゴが、痛い。

しかも、結局は金の力で姫を育て、宮中に食い込んだ竹取翁は足元を見られ、姫を傷付けられてしまう。


「美しく育った姫は、高貴な王子たちに求婚されました。」
この一文の裏にある意味を考えるだけで、慣れ親しんだはずの竹取物語が表情を変えていく。

女性の幸せが身分の高い男性との結婚だけだった時代。
その価値観に沿った選択肢を示そうとした竹取翁を、一方的に非難する事は出来ない。

でも、かぐや姫にとっての幸せは結婚ではなかった。
その不幸。

価値観は親子でも違う。


しかし、生き物として自分の幸福に正直な女性の前で、比較や見栄で幸せを測ろうとする男のなんと滑稽なことか。
嘘を吐く男、騙される男、女たらし。
かぐや姫の願いによって命を落とす男。
何もかも自分の思い通りになると思っている男。

男たちのエゴに晒され、涙を流し、震えるかぐや姫は、普通の女の子。
男たちのエゴがかぐや姫を傷付けていく。


ラストまで、間違いなく竹取物語なのに新鮮に感じた。

独創的な世界観。
宮監督の影にかくれがちだけど、高畑勲監督も凄かったんだな・・・。


最終評価 A+

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April 29, 2015

寄生獣 完結編

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2015年 日本映画

名作漫画「寄生獣」の実写映画化、その後編です。


人間に寄生し、人間に擬態し、人間を捕食する寄生生物が発生してから、少しの時間が過ぎた。

通常は頭部に寄生する寄生生物を右手に宿した高校生の泉新一(染谷将太)は、寄生生物との戦いの中で致命傷を負う。
新一の右手に宿る寄生生物・ミギー(声・阿部サダヲ)が「傷から体内に入って欠損した部分の代わりになる。」という大胆な機転でなんとか一命を取り留める。

だが、血中に混ざったミギーの破片によって、新一はまるで人間と寄生生物の間に居るような存在となってしまう。
寄生生物にさえ対抗できる超人的な身体能力と引き換えに、心は人間らしい感情をどこかに置き忘れてしまった新一。

その能力によって母親の仇を討つことには成功するのだった。
(ここまでが前作)


母親を殺され、復讐に燃える新一は見付けた寄生生物を殺して回る。
そんな新一の暴挙に、ミギーは懸念を示すが、新一は意に介さない。

一方で高い知能を持つ寄生生物・田宮良子(深津絵里)に導かれた寄生生物たちは集団となり、組織を作り出していく。

徐々に田村良子の統制を離れて動き出す寄生生物たちのコミュニティ。
そして、田宮良子が立てた市長の広川(北村一輝)の傍らには、田宮良子が生み出した最強の寄生生物・後藤(浅野忠信)がいた・・・・。


人間とは何なのか。

それを考えずに寄生獣は語れない。

寄生生物は生物として圧倒的な力を持つものの、人間より少数であり、生殖機能も持たない。
しかも、人間を捕食しなくても生命活動は維持できる。

食べて生きる、子を産む、育てる。
そんな生命としての当たり前が出来ない寄生生物たち。

心から湧き出る衝動によって人間を捕食する寄生生物たちは、自分のこの衝動がどこからくるのかと、自分の中に目を向けていく。

生命体としては欠陥だらけの寄生生物の存在によって、人間の核となる「何か」が浮き彫りになっていく。

「なぜ、自分たちは生まれたのか。」

田宮良子は、様々な実験を通してひとつひとつ自分の中に芽生えた疑問に答えを出し、その答えから次の疑問が生まれ、それを繰り返していく。
田村良子の思索の道程は、人間が何千年もの時間を使って考え続けてきたものと同じ。

そして最後には、自分が実験で産んでみた人間のこどもにひとつの答を見つけ出す。

そして田宮良子は自分を追い詰めた倉森に言う

「私たちをあまり虐めるな。」




原作ファンも納得の実写化でした。

ストーリーは、大胆にカットするべきはカットされ、変更するべきは変更されています。
それでも、核となる部分は変わらない。

この作品は間違いなく「寄生獣」。


実写化成功の大きなポイントは、キャスティング。

正直、原作の泉新一とは雰囲気の違う染谷将太が、こんなにも泉新一になるとは思ってなかった。
ミギーという存在しない存在が「そこに居る。」ことにまるで違和感を感じず、しかも寄生生物が自分の中に混ざってしまった心の動きを演じきった演技力は見事としか良いようがない。

そして田宮良子を演じた深津絵里。
本当に原作の田宮良子が現実に抜け出してきたらこうなるだろうな。と、思いました。
笑わないはずの寄生生物・田宮良子が、自分のこどもをあやし、意識せずに笑顔を作り、そんな自分に驚き、そして高笑いをしてみる。
この流れを演じきった深津絵里の役者としての凄さ。圧倒的。

他にも、作品のキーとなる主要登場人物に、浅野忠信、大森南朋、阿部サダヲ、北村一輝、新井浩文と、いちいちバチンとくるキャストが配されてるのが凄い。


ちょっと物足りなかったのは、橋本愛(ヒロインの村野里美役)くらいかな?
でも、原作の村野を現代の女子高生にすると、あんな感じなんでしょうか。


おしいのはVFXとCGは、寄生生物を「生き物」として描くにはまだ力不足ということかな。

グロテスクになり過ぎるので、わざと生々しくしてないのかも知れませんが、寄生生物たちの断面部分がもっとヌラヌラしてて欲しかった。
なんだかそこだけ作り物感が強かった。

あと後藤との戦闘が燃え盛るごみ焼却場所とかは、演出やり過ぎ。


言いたいこともあるけど、観にいって正解でした。


最終評価 A



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January 22, 2015

銀の匙 Silver Spoon

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2014年・日本映画
週刊少年サンデーにて連載中の人気漫画「銀の匙」の実写映画化作品。

原作は「鋼の錬金術師」でも有名な荒川弘。
僕はこの原作、かなりのファンです。

UHuhqIWECK4YrCV



最強に理不尽な青春!

札幌の有名進学中学でドロップアウトしてしまった八軒勇吾(中島健人)は、「寮に入って家から出られる。」その理由だけで担任教師の薦める大蝦夷農業高校に進学する。

大蝦夷農業高校・略してエゾノーは、農業畜産から加工まで一次産業なんでもござれ、その名の通りの農業高校。

周囲の新入生はみんな農家の跡取りや、それぞれに目標を持ったヤツばかり。
目的もやりたいことも無かった八軒は、クラスメイトの御影(広瀬アリス)に誘われるまま馬術部に入部する。

目的も夢もない。
そう自分を卑下していた八軒だったが、仲間との出会い、生き物を育てて食べるということ、現実の厳しさ、そういう今まで自分が見えていなかったことに気付き、八軒が変わっていく・・・


人気漫画の実写映画化。

まぁ、実写化するとこういうコトなのかなー。とは思いつつ観るものの。

心の中にずっと漂う、コレジャナイ感。


キャスティングの問題・・・じゃ、ないんだよね。

もちろん「エーーー。 」って言いたくなるキャスティングはあったものの、大部分は原作のイメージを壊さない。
むしろ、キャスティングは頑張ったと思う。

ジャニーズ起用の八軒・・・は、思ったほど悪くなかったし。
中村獅堂の中島先生も悪くなった。
吹石一恵の富士先生なんか、ミスキャストかと思ったらむしろ良かったもんね。
photo02


ストーリーも所々は変更点もあるものの、基本的には原作のトレースだし。


この「コレジャナイ感」の原因は何だろう?

で、原因は逆に中途半端に上手くいってしまった原作のトレースにあるのかな、と。


キャストも原作キャラに似てる。
ストーリーもほぼ同じ。
で、登場人物たちが原作通りのセリフを言うワケなのだけど、そこに込められた感情が違うと思うんですよ。

友人同士がふざける中で言った「バカヤロー。」や、相手のコトを考えすぎてしまった結果出てくる悪態。
裏にある相手への思いやりを抜きに言葉通りに言ってしまうと、本当にヒドイ言葉だったりする。
そういうのってありますよね。

それが、映画の中では字面通りに読まれてしまってる感じなんです。

映画版と原作では、表面は同じなんだけど意味が違うと言うか。
そういう違和感がずっとある。

原作と似てしまったせで、その違和感が逆に強くなってしまっていると言うか。
むしろコレが「全然似てない。」とかだったら、見過ごしてしまうようなズレなんだと思う。

結局は監督さんの解釈と、僕の中の解釈のズレってコトなのかも知れない。
演者さんの演技力の問題なのかも知れない。

とにかく、「そうじゃないだろー。」って想いが最後まで拭えない。


原作の根底にある「育てる、殺す、食べる、生きる。」っていうテーマが薄っぺらいのも、まぁ、2時間の青春娯楽作に盛り込むにはキャパオーバーは否めない。

ただ、ソコにスポットを当てたくなかったのか?と勘繰りたくなるくらい、食べものの扱いが雑だったのが残念。

せめてもう少し食べものを美味しそうに描いてくれないと、八軒が変わっていく意味合いがブレてしまうと思うのだけど・・・。


青春娯楽作としての完成度は、それほど低くない。
キャストも悪くない。

でも、コレを観るなら原作を読めば良い。原作を読んだなら観なくても良い。

そんな実写映画化でした。


映画は映画の表現で、原作を補完するような・・・ってのを期待して、ソレをクリアする作品ってのは本当にレアですね。


最終評価 B



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December 17, 2014

寄生獣 (実写劇場版)

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2014年・日本映画

染谷将太:主演  山崎貴:監督


地球上の誰かがふと思った
人間の数が半分になれば、いくつの森が焼かれずにすむのだろうか

地球上の誰かがふと思った
人間の数が100分の1になれば、たれ流される毒も100分の1になるだろうか

地球上の誰かがふと思った
生物(みんな)の未来を守らねば・・・



ある日、謎の寄生生物が地球に生まれた。
その生物がどこから来て、何の為に生まれたのか、誰も知らない。

その寄生生物は、他の生物の体内に潜り込み、神経の中枢である脳髄を奪い、その後は本能に任せてその生物を捕食する。

寄生生物の本能が「狙え」と定めた生物、人間。
変幻自在な寄生生物は、人間の頭部を奪い、人間に成りすまし、人間を殺し、捕食した。

高校生の泉新一(染谷将太)もまた、寄生する前の寄生生物に襲われる。
だが、必死の抵抗の末、新一を襲った寄生生物は脳髄を奪うことが出来ず、新一の右手に住むことになる。

ミギー(阿部サダヲ)と名付けられた寄生生物と、人間である新一の共生とも言える奇妙な関係がはじまる・・・。


先日、原作を読んだら、どーーーーしても観たくなってしまって、劇場実写版「寄生獣」を観てきました。

原作の世界観、ストーリー、テーマをそのままに、実写映画らしいスピード感や生々しさをプラスしている。
この作品は、名作漫画の数少ない実写成功例のひとつです。

前後編の作品の前編。

原作から見たストーリーとしては、新一の母親が寄生生物に殺され、一度は致命傷を負った新一がミギーによって命を救われ、母親の仇を討つところまで。

後編は、人類の反撃である市役所包囲網作戦から、新一と後藤の対決といった感じでしょうか。



この実写化、まず素晴らしいのはキャスティング。

原作の雰囲気を壊さない泉新一を演じる染谷将太。 絶賛。
CGとVFXを駆使したミギーとの掛け合い、はじめは弱々しい現代っ子が徐々に変わっていくという難しい役柄、現代っ子になった泉新一がそこに居た。

寄生生物を導く立場となる田宮良子に深津絵里。
他を統べる圧倒的な内的パワーと、一方で「寄生生物とは何か。」という問いに独り向き合う孤独感。その両方が滲み出ている。

新一の恋人役・村野里美に橋本愛。これが現代の女子高生らしく、悪くない。

合理的だけど残酷な言葉を、どこかコミカルに語る阿部サダヲのミギーも、悪くない。


そして、映画のパッケージに収める為の原作からの変更点も、許容範囲内。

結構変更点はあるのだけど、原作を知る人間でもすんなり観る事が出来ました。
原作を知らない人なら、こっちの方が分かりやすいかも知れないくらいに、スッキリした感じ。

流石に新一の父親不在ってのは、ちょっと今後の展開に違和感を感じそうだけど、その辺は後編の話。


あえて残念だった部分をあげるなら、細かい演出にもう少し丁寧さが欲しかったかな。

胸を貫かれ、自分の血の中で数日過ごした新一が、シャツを脱いだだけで綺麗な身体になってしまったり。
血の池ですっころんだ新一の背中が、その後のシーンでまったく汚れていなかったり。

あるべきはずの汚れが無さ過ぎる違和感。
まぁ、この辺は、血みどろ惨殺シーン満載の作品を描くうえで、意識的にキレイに描いたのかも知れないけどね。


人前でミギーが出てくるシーン。
もう少し遠慮気味に出てきてないと、流石にバレんじゃないの? とか。


あと、技術的な話なので限界はあるのかも知れないけど、ミギーの質感がもう少し人の肌っぽく出来なかったか。
まだ作り物感があったかなー。


細かくツッコめば、そりゃああるんだけど。
その辺は無視できるくらいに良い作品でした。

後編が公開される4.25が待ち遠しい!


最終評価 A



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December 08, 2014

キックアス2 ジャスティス・フォーエバー

キック・アス ジャスティス・フォーエバー [DVD]
アーロン・テイラー=ジョンソン
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
2014-12-03


2013年・アメリカ映画

マイナー作品ながら、ユニークな設定とキレのあるアクションシーンによってスマッシュヒットとなった作品「キックアス」の続編。


「映画やコミックの世界ではこれだけヒーローがいるのに、現実では何で誰もやらないのだろう?」

そんな素朴な疑問を抱えたサエない高校生のデイブは、自分がヒーローになろうと決意する。
ヒーローの名前は、キックアス。

キックアス活動の中、デイブは本当のヒーローとしての訓練を受けてヒットガールとして活動する少女ミンディ(クロエ・グレース・モレッツ)に出会う。

ミンディをヒットガールに育てた父親は、悪の組織と戦う中で死んだ。
その仇を討ち、デイブとミンディは普通の暮らしに戻った。
(以上が前作。)

ヒーロー活動をしない普通の暮らしに疑問を感じたデイブは、本物のヒーローになるべく、ミンディに頼み込んで身体を鍛えだす。

だが、一方のミンディは保護者となったマーカスにヒットガールの活動を禁じられてしまうのだった。

ミンディと仲違いし、独りになってしまったデイブはキックアスに憧れて結成された自警団ジャスティスフォーエバーに参加する。

その頃、父親のレッドミストをキックアスに殺されたと思い込んだバカ息子が、悪に目覚める。
マザーファッカーと自らを名付けたバカ息子は、キックアスを殺すために動き出す・・・


うーん、前作の良さが・・・

前作は、とにかくガムシャラにヒーローになろうとしたデイブのカラ回りした正義感に、初々しいアツさを感じた。

そして、想いだけで実力無しのデイブと、本物のヒーローの実力がありながら心の伴わないミンディのチグハグさが意外な味になっていた。

そこに加わったテンポ良く、キレのあるアクション。

この絶妙なバランスの上にある、スマッシュヒット作だった。

でも、今作は違う。
明らかに違う。

ヒーローごっこ遊びで沢山の人が死ぬだけのストーリーに成り下がってしまった。

有名になってしまったデイブの正義感は、鼻持ちならない奢りに変わってしまった。
彼が正義だと言って振るう暴力には、ほぼ共感出来ない。

そして、ミンディが話の中盤過ぎまでヒットガールであることを捨てようとフツーの女子高生になっている。
結果、この作品のウリだったキレのあるアクションが封印されてしまう。

しかも、ミンディの女子高生パートはタルい上に中途半端。

キックアスを狙うマザーファッカーの悪業がリアリティがまるでない。
必要性も無いのに人を殺しすぎ。

ヒーローがヒーローでなく、アクションも無く、現実味もない。


前作が奇跡の名作なら、今作は単なる駄作。

前作が奇跡のバランスの上にあったとすれば、今作はそのバランスがダメな方に傾いてしまった。


最終評価 C+

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September 08, 2014

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 「新編」叛逆の物語 



2013年・日本映画
シャフト製作


劇場版「魔法少女まどか☆マギカ」の第三弾。
TV版のダイジェストだった「魔法少女まどか☆マギカ (前編) 始まりの物語」「(後編) 永遠の物語」
この「叛逆の物語」は、その先の物語。

自分の願いの代償に、人の悪意や心の闇によって生み出された存在「魔女」と戦う宿命を背負うことになった少女たち。
命を懸け、存在を懸ける、あまりにも過酷な運命に翻弄された少女たちの因果。
歴史の中に数多存在した魔法少女たちが紡いだ因果の果て、生み出された最強の魔女・ワルプルギスの夜。

ワルプルギスの夜を前に、「過去から現在にわたる全ての魔法少女たちの解放。」を願った鹿目まどか。

自分の存在を代償にしたまどかの願いによって、世界は作り変えられ、魔法少女たちのルールが作り変えらた。
まどかが変えた世界で、苦しみ、憎しみ、命を散らした少女たちが生きる別の世界が生まれる。

魔女の代わりに生み出された魔獣・ナイトメアと戦うことになった魔法少女たち。

だが、その終わらないナイトメアとの戦いの中、魔法少女のひとり・暁美ほむらは違和感を感じる。

「私たちの戦いは、これで良かったんだっけ?」

その小さな疑問は棘となってほむらの心に突き刺さる。


可愛い絵柄、洒落た演出によって毒を増していく、相変わらずのダークファンタジー。
あまりにも救いの無い、呪いにも似た物語は、脚本・虚淵玄(ニトロプラス)の真骨頂。

世界の理(ことわり)を書き換えたり、作り変えたりする物語だけに、超展開はあって当たり前。
とは言え・・・・

辿り着くラスト、驚愕と言うか、衝撃と言うか、そういうのとは違う斜め上をいく「ここまでやるか」感。

でも、この観客置いてっちまうくらいの展開が、「魔法少女まどか☆マギカ」らしさ。
変な予定調和なハッピーエンドなんか用意しない潔さ、流石。


そして、映像作品としての完成度、半端ない。

可愛さ、グロさ、残酷さ、愛おしさ、そんなものがアニメで表現される驚き。
この作品は、アニメーション作品と言うか、ちょっとした前衛芸術だと思う。


違和感の答えに辿り着いてしまったほむらと、諸悪の根源・きゅうべえの対話。
まどがが生み出した新しい世界の中で、その神に近いまどかの力を利用しようとするインキュベーター・きゅうべえと、「まどかにもう一度会いたい。」と願う心を利用されたほむらの答え合わせ。

この対話の意味を一発で理解するのは結構大変。

でも、ナゼか大体意味が分かってしまう変態変換脳。

エヴァに始まった「視聴者に分かって貰わなくても構わない。」というスタンスの作品を観続けた結果がこの能力かと思うと、自分でもどうかと思う。


観る人間を選ぶことは間違いない作品だけど、ハマる人にとっては堪らない作品。


最終評価 A


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June 03, 2014

カオス

カオス<CHAOS> DTSスペシャル・エディション [DVD]
ジェイスン・ステイサム
ハピネット
2007-04-25


2005年 アメリカ・カナダ・イギリス映画


ローレンツ(ウェズリー・スナイプス)と名乗る男が率いる武装強盗団が銀行で立て籠もり事件を起こす。

周囲を警察に囲まれた犯人の要求は、停職謹慎中の刑事のコナーズ(ジェイソン・ステイサム)との交渉。
停職中だったコナーズには、お目付け役として正義感の強い新米刑事・デッカー(ライアン・フィリップ)が付けられた。

現場の指揮権を与えられたコナーズだったが、SWAT部隊がコナーズの指示を無視して銀行に突入。
犯人たちの仕掛けた爆発に巻き込まれ、混乱の中で犯人グループは逃げだした人質に紛れて一人残らず逃げてしまう。
警察のやり方を熟知した犯人たちによって、完全に裏をかかれてしまったのだ。

だが、その事件後の銀行を調べても、犯人たちは銀行からは何も盗んでいなかった。
犯人の目的は一体何なのか。
不可解な事件を、コナーズとデッカーが追う。

犯人を追う中で出てきた証拠の中には、警察が保管しているハズの押収品が発見される。
身内であるハズの警察の中に居る、裏切り者の存在。

信じられるのは誰なのか。
果たして、相棒である互いは信じられるのか。

疑心暗鬼の中で、捜査が進んでいく・・・・。


複雑に見える現象も、突き詰めていくと最終的には簡単な方程式で表せるというカオス理論。
ローレンツ博士によって提唱されたこの理論をテーマに、二転三転する状況を追うクライムサスペンス。

己の信じる正義の為に法を曲げる熟練刑事のコナーズと、正義感に基づいて法を順守しようとする新米刑事のデッカー。
コナーズは最初はデッカーをただのボンボンと見下し、デッカーはコナーズを悪い噂をまとった不良警官と思って信頼を寄せない。
その2人が、捜査の中で互いを認め合っていくっていう胸アツ展開は定番。

それなのに・・・っていう、どんでん返しで最後まで惹きつける。

ステイサムムービーだが、派手なアクションは控えめで、骨太なプロットを中心に展開するストーリーが秀逸。

格好良いのが、デッカーを演じるライアン・フィリップ。
鋭い目線と甘いマスク、そして大卒の新人刑事でありながら主犯格のローレンツが暗に示した「カオス理論」について指摘し、物語の中心となる「点と点を繋ぎ、ひとつの絵を描く」役割を果たしていく。

ステイサム映画って言ってるからコナーズを主役と思っちゃうんだけど、刑事ドラマとしてはデッカー君が主人公。

意外な良作に出会いました。


ただ、ラストは少し「むー。」っていうモヤモヤが残る。


最終評価 A−


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May 29, 2014

激突!

激突!スペシャル・エディション [DVD]
デニス・ウィーヴァー
ジェネオン・ユニバーサル
2012-04-13


1971年 アメリカ映画
スティーブン・スピルバーグの監督デビュー作品。


ハイウェイを走るディビット・マン(デニス・ウェーバー)は、大型タンクローリーの後ろについてしまう。
排気ガスを吹きだして走るタンクローリーは道を譲るそぶりもない。

タンクローリーを追い越したデイビットだったが、タンクローリーはそのディビットを更に追い越してくる。
イラついたディビットはアクセルを踏んで更にタンクローリーを追い越すのだったが、タンクローリーはディビットを追い上げ、クラクションを鳴らしてくる。

アクセルを踏んで一度は突き放したものの、次に停まったガソリンスタンドでまたあのタンクローリーと一緒になってしまう。

そのスタンドを出た後、追い付いてきたタンクローリーは煽り、追い越し、ブレーキング、蛇行、クラクション、ありとあらゆる嫌がらせをしてくるのだった。

何とか追い抜きをかけて振り切ったデイビットに、タンクローリーは更なる猛追をかけてくるのだった・・・・。


シンプルで短く、テンポ良く。

ドライバーであれば何かの拍子で起こりうる、他のドライバーとのいさかい。
その誰にでも起こりうるトラブルと相手ドライバーの顔が見えない気持ち悪さが相まって、恐怖感を増す。

キチガイってのはどこにでも居る↓。
「抜きつ抜かれつ…の末、クラクションに憤慨 車壊した男を逮捕」(現代のニュースより)
特に車の運転ってヤツは人の本性と言うか、暴力性を引き出してしまうトコがあるから、怖い。
その恐怖感を見事に描いている。

そして、絶妙なカメラアングルで映し出されたカーチェイスは、スピード感抜群。

ポイントを押さえたシンプルなストーリーは、40年以上の時が過ぎても色褪せない。
良い作品で、スピルバーグもこの作品がデビューなら、確かに次へのステップになっただろうなぁ。

しかし、道だけがあって周囲に何もないアメリカとかの原野ハイウェイとか、それだけで怖いのは僕だけだろうか。
事故っても、故障しても、何してもアウト。
この作品のタンクローリーじゃないけど、当て逃げくらいならされてもわからなそうだ。

最終評価 A



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April 15, 2014

荒野の七人

荒野の七人<特別編> [DVD]
ユル・ブリンナー
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


1960年 アメリカ映画

黒沢監督の「七人の侍」の舞台を開拓時代末期のメキシコにしてリメイクされた作品。
リメイクとは言え、スティーブ・マックイーンの出演したこちらも西部劇の名作のひとつと言われる。


メキシコの寒村。
この村は、毎年収穫の時期になると盗賊団の襲撃に怯えていた。
役人に訴えても村に常駐してくれるワケもなく、頼りにはならない。

盗賊団は40人の無法者。
農民が束になってもかなう相手ではない。

村民は自分たちの身を守るため、村じゅうの金を集めて身を守る方法を探しに町に出た。

そこで出会ったのは、知性と実力を兼ね備えた男・クリス(ユル・ブリンナー)。
追い詰められた農民たちの訴えを聞いたクリスは、たった20ドルの報酬でその依頼を受けた。

初めの仲間は、頭の切れるヴィン(スティーブ・マックイーン)。
そして、早撃ち、ナイフ使い、怪力、スナイパー、それにクリスたちの生き方に憧れる若造。
クリスは人脈と経験を基に6人のガンマンを集め、村を守る戦いに向かうのだった。


ダンディズム満点。
西部開拓時代の終焉にまとわりついた一抹の寂しさを、クリスやヴィンの生き方を通じて描く。

七人の侍と比較するなら、村人たちとの交流や静かな村の暮らしをザックリと削って銃撃戦のアクション多めにテンポ良くしてある感じ。


ただ、内容的にはあくまで西部劇レベルというか、軽いし、バカっぽいと言うか、薄い。

復讐だと息巻いて主人公たちを窮地に追い詰めた敵のボスが、話し合いでアッサリと武器付きで逃がしたり。
一度は裏切った農民たちが、スコップで盗賊団に殴りかかって撃ち殺されたり。
唐突に盗賊団に突っ込んでは撃ち殺される主人公の知人がいたり。
ワザワザ銃撃戦の中に飛び出してくる子供たちという演出があざとかったり。
しかも、その子役の演技があまりにもひどかったり。

なんだかなー、と言いたくなるシーンが多くて残念。

そして何より、原作通りの「最後の勝者は農民たちだ。」というラストが、あまりにも取ってつけた感がアリアリなのが頂けない。


今観ても迫力に飲まれてしまう「七人の侍」と比較出来る作品ではないかな。


最終評価 B−

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December 30, 2013

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ (後編) 永遠の物語



2012年・日本映画
製作は、「化物語」シリーズのシャフト。

2011年のオンエアから熱狂的なファンを持つアニメ作品「魔法少女まどか☆マギカ」。
その可愛らしいキャラクターデザインとは裏腹に、邪悪なまでに甘えの無いストーリーは、シニカルを通り越した、心に刺さるダークファンタジー。

その「まどか☆マギカ」を、再構成した劇場版三部作。
その第二作目。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

魔女と戦うことを宿命付けられた魔法少女たちの戦いは、哀しくも展開していく。

「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ (前編) 始まりの物語」のラスト、まどかの親友であり、魔法少女となった美樹さやかは人ではなくなった。

魔法少女は、魔女と戦う為に肉体を捨てて、魔力の結晶体ソウルジェムへと生まれ変わっていた。
今までの肉体は、単にグリーフシードによって動かされた操り人形。

その事実を知り、人への妬み・嫉みを抱えて、人を祟るようになった美樹さやかは、ソウルジェムを邪悪に染めていく。
さやか自身であるソウルジェムは、魔女の核となるグリーフシードへと変化する。
さやかは、魔女となった。

魔法少女。とは、魔女になる前の状態を指すから、魔法少女だったのだ。

全てを導いたのは、全ての原因は、彼女たちの願いを叶え、彼女たちを魔法少女にした存在。
インキュベーター・きゅうべえ。
だが、きゅうべえに悪意はない。ただ、人間と異なる理で動いているだけ。

美樹さやかを想う、まどかと魔法少女・佐倉杏子は、さやかを取り戻すために魔女・さやかのもとへと向かう・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

魔法少女として戦って死んだ、巴マミ。
魔法少女の真実を知って魔女となった、美樹さやか。
魔女となったさやかと共に命を散らした、佐倉杏子。

運命に翻弄された魔法少女たちは、儚く命を散らしていく。

残されたのは、謎の魔法少女・暁美ほむらと、鹿目まどか。

時を司る暁美ほむら。
何度も何度も同じ時間を繰り返し続けたほむらの物語で、心が苦しくなる。
全てを知り、全ての運命を知って孤独に戦い続けるほむら。
だが、まどかを想って時を超え続けたほむらによって、まどかに因果の糸が紡がれていく。

ほむらがまどかの宿命を作り出してしまう。

ほむらが生み出したまどかの宿命が世界を変える。



この永遠の物語までは、地上波オンエア内容の要約&ブラッシュアップ版。

TV版と共に、この完成されたストーリーから繋がる第三章とは、一体どんな物語なのか。

この期待値を受け止める作品であってほしい。


最終評価 A−

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December 23, 2013

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ (前編) 始まりの物語



2012年・日本映画
製作は、「化物語」シリーズのシャフト。

2011年のオンエアから熱狂的なファンを持つアニメ作品「魔法少女まどか☆マギカ」
その可愛らしいキャラクターデザインとは裏腹に、邪悪なまでに甘えの無いストーリーは、シニカルを通り越した、心に刺さるダークファンタジー。

その「まどか☆マギカ」を、再構成した劇場版三部作。
その第一作目。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

何でも願いをひとつ叶えてくれる。
でも、その代償として「魔法少女」となって人間を脅かす「魔女」と命がけで戦わなければならない。

中学2年生の鹿目まどかは、優しい家族に囲まれて育った心優しい少女。
まどかは自分には取り得がない、自分は役に立たないと思い、それゆえに、いつか誰かの役に立ちたいと思っていた。

ある日、まどかは夢の中で世界の終末を目の当たりにする。
そして、「その悪夢はまどかの力によって回避する事が出来る。」と、白いぬいぐるみの様な生物に語りかけられた。

翌日、暁美ほむらと言う少女がまどかのクラスに転入してくる。
まどかの夢の中で、「何か」と戦っていた少女・ほむら。
ほむらは、初対面のはずのまどかに「魔法少女になってはならない。」と警告する。

奇妙な警告に頭を悩ませるまどか。

その帰り道、まどかは白いぬいぐるみの様な生物「きゅうべえ」の助けを求める声を聞く。
きゅうべえを追っていたのは、ほむら。
きゅうべえを渡せと迫るほむらに迫られ、窮地に陥ったまどかを助けに入ったのは、まどかの親友・さやかだった。

その時、まどかとさやか、ほむらの周囲の世界が歪む。

周囲の風景が変わり、奇妙な、それでいて邪悪な「何か」に囲まれるまどかとさやかを助けたのは、同じ学校の3年生・巴マミだった。

ベテラン魔法少女・マミの手ほどきによって、魔法少女の世界を知っていくまどかとさやか。

2人は、自分自身の「願い」は何なのか、魔法少女になるべきなのか、命がけの戦いを目の当たりにする中で道に迷う・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この「始まりの物語」は、地上波オンエア内容の要約&ブラッシュアップ版。
中身はTV版と同じでも、絵のクオリティや演出には「金を掛けた」んでしょうね。
魔法少女と魔女との戦いのシーンは、より美しく、よりテンポ良く、より邪悪。

要点の抽出が上手いからか、ダイジェストと言うよりもテンポが高まった分、完成度が上った感じがする。

ストーリーはTV版の途中

きゅうべえ・ほむらとの出会い 

魔法少女・巴マミとの出会い

巴マミの死

親友・美樹さやかが魔法少女になる

佐倉杏子との出会いと対立

美樹さやかの精神崩壊と魔女化

まで。

この「始まりの物語」に関して言えば、どんなに上手く作っても完全にTV版のトレース。
なので、TV版を見た人間にはソレ以上でも、ソレ以下でもない。

ただ、TV版では「こういう終わりかー。」と思った作品なので、再構成三部作でどんな終わりが待っているのかを期待出来る第一作ではあったかな。

TV版を見てない人にも、「これから見るんだったら劇場版を見た方が良いよ。」と薦められる。

この「魔法少女まどか☆マギカ」は、絵柄とタイトルで「観ない。」人も多いかと思うけど、それは本当に間違い。
むしろ、「魔法少女」的な要素を求める人(少女たち)には絶対に合わない作品。

まだ観てない人は、騙されたと思って、観て欲しい。

「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ (後編) 永遠の物語」へと続く。


最終評価 A−



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December 17, 2013

劇場版 くまのがっこう ジャッキーとケイティ



2010年・日本映画
あいはらひろゆき 文、あだちなみ 絵の人気絵本シリーズ「くまのがっこう」の劇場版アニメ化作品。

このシリーズは、スピンオフの「がんばれ!ルルロロ」というTVアニメがあり、娘っちはどっちも大ファンです。

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あらすじ

くまのがっこうの くまのこたちは 1、2、3、4・・・ぜんぶで12ひき。
12ひきの くまのこの
11ばんめまでは みんな、おとこのこ
いちばんさいごの 12ばんめ
たったひとりの おんなのこが ジャッキーです。

好奇心をいっぱいに抱えた女の子・ジャッキー。
お兄ちゃんたちよりも早起きをしてしまったある朝、ごはんのパンを買いに向かう草原でジャッキーはケイティという少女に出会う。

すっかり意気投合したジャッキーとケイティ。
花畑でたっぷり遊んだ帰り道で雨に降られてしまう。

もともと体が弱いケイティは体調を崩してしまう。
心配するジャッキーはケイティのために遠い山まで花を摘みに向かうのだった・・・。


本編30分弱の作品。
たった30分とは言っても、スピンオフの「がんばれ!ルルロロ」は5分程度のミニミニアニメなので、結構しっかりした満足感がある。

それに、このシリーズのアニメ化テイストがクオリティ高い。
原作の絵本が持つ雰囲気をそのままに、それでいてアニメとしての完成度がある。

このシリーズは、登場キャラクターみんなが一生懸命に頑張ってて、みんなが幸せに丸く収まる。
観終わった後に「あぁ、良かったね。」と、何とも嬉しい気分にさせてくれる。

後味、良好。


最終評価 A−


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December 16, 2013

北のカナリアたち

北のカナリアたち  border=
吉永小百合
2013-05-10


2012年・日本映画


ある日、引退した教師・川島はる(吉永小百合)の元に刑事が現れる。
かつての教え子・ノブが殺人事件の重要参考人になっているという。
音信不通だったノブの今を知りたいと、はるはかつての教え子たちを訪ねた・・・。

たった6人の生徒とひとりの教師だけ。
北海道の最北端にある分校。

はるは生徒に慕われ、こどもたちに合唱の楽しさを教え、人前で歌う喜びを教えた。
だが、その幸せの日々はある事件をキッカケに終わりを告げる。

合唱コンクールで独唱を任された結花の声が出なくなる。
そして、気分転換にと海岸でバーベキューをしている途中、結花が海に落ち、助けに入ったはるの夫が帰らない人になってしまったのだ。

そして20年。
6人は全員がその時の事件を自分の責任だと感じ、背負って生きていた・・・。



まぁ、サユリスト(御高齢の方たち)の為の作品。

吉永小百合さん自身は、70歳になろうという人とは思えない若さと美しさはあるものの、流石に高齢者感が否めない・・・。
モノローグでのキスシーンとか、何とも言えない気分になる。


で、内容もサユリスト向け。

ずーーーっと、淡々と説明セリフが続く。
全部のセリフが、空々しいほどに説明的。

そして、吉永小百合の出会う人、出会う人が突然に内面告白を続けていく。

同じシーンを違う目線で語るサスペンス風味なものの、中身にサスペンスは一切なく。

延々と続いた白々しい展開のラストシーンでは、感動の押し付け感に胸焼けてしまう。


ぶっちゃけてしまえば、死期の迫った夫を支える清純派と思っていた先生が、実は不倫してて、その男と逢ってる時に夫が死んだと言う話なんだけど。
でも、吉永小百合とその役柄が合わないんだなぁ、コレが。

年齢、個性、どう考えても吉永小百合にこの役は無理がある。


松田龍平、宮崎あおい、森山未來と、周囲を固めるキャストは豪華。
でも、単に説明セリフを言い続ける役ばかりなので、話題性以上の必要性は特にない。


ある層に特化した作品なので、その層から外れる人にとってはタルイだけの作品。


最終評価 C+


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December 07, 2013

攻殻機動隊 ARISE border:1 Ghost Pain

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2013年・日本
原作・士郎正宗の人気作品「攻殻機動隊」
このARISE シリーズは、荒巻が率いる公安9課に9課のメンバーが集まる前の物語から始まる。

原作、劇場版「GHOST IN THE SHELL」・「イノセンス」、TVシリーズ・Stand Alone Complex に続く、第4の攻殻機動隊。


肉体の機械化(義体化)、脳のコンピューター化(電脳化)が当然になった未来。
幾度かの世界大戦により国家の在り方、社会の在り方も大きく変わり、人類はまだ新しい社会の明確な形を得られないままに人間の営みが続いていた。

公安9課の荒巻は、射殺された汚職容疑の軍人マムロの遺体から電脳を回収すべく遺体を掘り返していた。
そこで、軍の501部隊に所属する草薙素子三佐に出会う。

電脳戦に特化した草薙素子は、恩義のある上司・マムロにかけられた汚職疑惑を追っていた。

素子は、マムロにかけられた疑惑を追う中で、軍のレンジャー部隊に所属するバトー、警察の特捜刑事のトグサ、陸軍警察の潜入捜査官・パズに出会う。

そして素子は、自分の記憶、経験や感覚さえも偽りの情報であることに気付いていく・・・。


ん、んー。

微妙・・・。

攻殻機動隊ファンとしては、少数精鋭の公安9課に最強メンバーが集まるまでの物語ってコトで期待大だったのですが、期待が大きすぎたかな。

今までの3つの攻殻機動隊は、それぞれが別設定でも核の部分は同じテーマがあった。
この作品は、上辺の部分だけ攻殻機動隊人気にあやかって、核の部分は別の作品って感じがした。


原作、映画版、SACシリーズは、それぞれの世界観が独立してて、それぞれの完成度が感動的なまでに高かった。
それに続く「第4の攻殻機動隊」と言うには、ARISEのクオリティが「攻殻機動隊」に達していない。

音楽やテンポは雰囲気があるが、アニメーションがTVシリーズレベルで、新劇場版としては物足りない。
世界観やキャラクターも悪い意味でSACシリーズの踏襲でしかない。


何より、攻殻機動隊って作品の核である草薙素子の魅力が無い。

電脳戦では超ウィザード級のハッカーであり、単体戦闘能力も全身義体の能力を余すところなく発揮するスペシャルな戦士であり、その上で第六感的な直感力を持つ。
これが今までの草薙素子。

草薙素子の魅力は、その圧倒的な無敵さと、外的な最強さに隠れた儚さにあるのに、今回の素子は単に弱い。
この「ARISE」の素子は、電脳戦では優秀な戦士だが、他の登場人物たちに比べて圧倒的な「何か」を持つわけではない。

そうなってしまうと、大戦の中で伝説級の働きをした素子がカリスマ的なリーダーとして存在した今までの攻殻機動隊の公安9課と、今回のARISEで描かれる公安9課は、似て非なるものになってしまう。

その似て非なる公安9課に、トグサやバトーたちが集まってきても、それほどの高揚感はない。


そして、攻殻機動隊のもうひとつの魅力は、ある意味で電脳世界において孤高とも言える素子が、人間の次のステージである電脳世界に惹かれていってしまう危うさがある。

肉体や脳といった個人が個人である根拠を、電脳化や義体化が無意味にする。
記憶さえも外側から書きかえられる世界で、個人の認識が限りなく曖昧になっていき、素子にとっては現実世界よりも電脳世界の方がリアリティを持っていく。

それが、「人間とは何か?」 という深いテーマに結びついてこその攻殻機動隊。

それなのに、ARISEの素子は、記憶を書き換えられちゃう側なんだもん。興ざめっす。


「続きは観なくても別に良いかな。」
そんな風に感じました。

ちょっと期待値が高すぎた感が否めませんが、正直、ガッカリです。


最終評価 B−

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November 19, 2013

清須会議

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2013年・日本映画
三谷幸喜監督作品。

「これは戦だ。」

本能寺の変により織田信長が明智光秀に討たれた。
天下統一を目の前にした信長の死は、定まりかけた天下を回転させる。

信長亡き後の織田家を誰が継ぐのか。

信長の次男で血統も良いのに明らかにウツケの信雄(のぶかつ・妻夫木聡)なのか。
それとも、信雄よりも先に生まれ才能もソコソコなのに、血筋の悪さから三男にされた信孝(のぶたか・坂東巳之助)なのか。

かつての信長の居城・清須城。
そこで今後の織田家の命運を担う後継者を決める会議が開催される。

清州会議に参加すべく、織田家の家臣たちが全国から集まる。

この会議の命運を握るのは、織田家の宿将たち。

中国からの大返しで明智を討った羽柴秀吉(大泉洋)。
田舎大名時代から織田家を支えてきた筆頭家老の柴田勝家(役所広司)。
柴田と共に織田家の古参・丹羽長秀(小日向文世)。

勝家と長秀は三男・信孝を推し、秀吉は信雄を推す。

秀吉に恨みを抱える信長の妹・市(鈴木京香)は勝家をそそのかし。
市に恋心を抱く勝家は、純朴に市の願いを叶えようと動く。
なんとか勝家を盛り立てようとする長秀。
滝川一益の代わりに清州会議に出席することになった、利を追求する男・池田恒興(佐藤浩市)。

清洲城が、駆け引きの戦場と化す・・・。


良く言えば純で朴訥、悪く言えばバカな柴田勝家。
人情に厚いようでいて狡猾な秀吉。
対照的な2人が、両人ともに、織田信長の妹・お市に惚れている。

「初めて戦以外で夢中になれることを見つけたんだ。」と、旧友の丹羽長秀に漏らしてお市様にうつつを抜かす柴田勝家。
一方、自分の感情は一旦横に置いて、必要な手を必要な時に着々と進めていく羽柴秀吉。

コレでは勝家に勝ち目などありはしない。
この作品は歴史を下敷きにしている以上、結果は元々見えている。

それでも、やはり年甲斐もなく純な恋心でソワソワしちゃう勝家を、心のどこかで応援してしまうのが人情。

この作品、明らかに主人公は勝家。
それなのに、勝家は負けてしまう。

この無常。

清須会議に負けて、煮え湯を飲まされ、その仇に織田家の中に自分の居場所は無いとまで言われてしまった勝家。

でも、最後にはお市様を手に入れる。
その嬉しそうなコト。

お市様の口から「勝家と結婚する。」と聞かされ、うつむく秀吉を「お、聞いた?」と、無邪気に小突く勝家に観客は救われる。


でも、三谷作品にしては、あまりにもフツーの作品でした。

笑いに笑った「ザ・マジックアワー」から二作、この作品は三谷幸喜のウリである笑いが、ほぼなし。
三谷作品らしい軽妙さはあるものの、中身は至って真面目。

どこかで笑いを探してしまう三谷作品のファンは、どこか「あれー?」といった感想を持つ。

三谷ファンとしては、数々描かれてきた「清須会議」という舞台で、どんな風にドタバタなコメディが繰り広げられるのかを期待していたのですが、その点では肩透かし。

まじめかっ!

って、感じ。

しつこい位に過去の作品からのネタかぶせをしてきた悪習から解き放たれたと言えば聞こえは良いけど、物足りなさは隠せない。

で、ストーリーに目を移すと、いわゆる定番の「清須会議」の展開を踏襲。
今まで様々な作品で描かれてきたこの超有名な会議だけに、真新しさがない。

結果、「盛り上がりは? 笑いは?」と思っている間に終わってしまう。

役所広司、大泉洋、小日向文世、鈴木京香、浅野忠信、松山ケンイチ、妻夫木聡と、豪華なキャストの力で最後まで観られる作品ではあったものの、やや物足りなさが残る。

フツーに。
悪い作品ではない。け、ど、さ。
ちょっと残念。

期待してた三谷幸喜の「清須会議」、と、作品の間にはズレがあるのが不幸かな。

最終評価 B

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November 04, 2013

グッモーエビアン!

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2012年・日本映画

ロックじゃなけりゃ、家族じゃない

元パンクバンドのギタリストだった、シングルマザーのアキ(麻生久美子)。
アキを反面教師に、しっかり者に育った15歳のハツキ(三吉彩花)。

仲良く親友のように過ごしてきたアキとハツキの元に、放浪の男・ヤグ(大泉洋)が2年振りに帰ってきた。

幼い時から一緒に過ごしてきたけど、血の繋がった父親、では、ない男ヤグ。
その存在が、ハツキの心にトスリと重みを落とす。

帰って来て、そのまま自由気ままに過ごすヤグ。
そのヤグを許すアキ。
テキトーに楽しそうに過ごす2人を見ながら、なぜかイライラが募るハツキ。

そんな時、親友のトモ(能年玲奈)の両親が離婚し、ハツキと喧嘩したまま転校してしまう。
落ち込むハツキは、大人になろうと頑張るが、それもまた空回り。

進路でアキとヤグとぶつかってしまったハツキは、アキとヤグの過去を知る・・・。


家族はカタチなんかじゃない。

すごくハートウォームで、ポップな、あ、いや、ロックなストーリー。


モヤモヤと不安になる自分の人生に悩む15歳の真面目な少女・ハツキ。
その目の前に、現れたテキトーを絵に描いた様な大人・ヤグ。
そして、暮らすための仕事に疲れているハズの母・アキが、そのテキトーを許すことへの疑問が募る。

それでも、やっぱりヤグもアキも好きなハツキは、自分の心の中身を把握できなくてチリチリと痛む。

自分のことで精一杯になったハツキが、自分のことしか見えなくなって親友を傷つける。
その後悔から、アキとヤグの将来を真面目に考えた結果、今度はアキとヤグを傷つけてしまう。

真面目に頑張っているのに、上手くいかない15歳。

そんな15歳の繊細な心の揺らぎを、洋さんの楽しい演技と、麻生久美子さんのサラリとした空気感が包む。



麻生久美子と夫婦役をやってしまう大泉洋。

いいなぁ、洋さん。

この人の、上手いんだか下手なんだか分からない演技が好きなんだよなぁ。
何を演じてても洋さんにしか見えないんだけど、違和感が無い。
そのキャラクターが洋さんぽいのか、洋さんが上手いのか分からないトコが良いんだろうな。


最終評価 A−

洋さんと麻生久美子さんじゃなかったら、B+が妥当なんだけど。
好きな役者さんが2人主役級だったらワンランク上がっちゃうよね。


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October 28, 2013

鍵泥棒のメソッド

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2012年・日本映画
「アフタースクール」の内田けんじ監督作品


俳優志望の35歳・無職。
いつまでも売れない俳優の卵、そんな人生に絶望した桜井(堺雅人)。
自分の人生をリセットすべく自殺を試みるが、それにさえ失敗。

その後で出掛けた銭湯。
桜井の目の前で金の唸るほど入ったサイフを使っていた男・コンドウ(香川照之)が、石鹸で転んで昏倒。
その時、コンドウの手から滑り落ちたロッカーの鍵が桜井の足元に。

桜井は、どさくさの中で自分のロッカーの鍵とコンドウの鍵をすり替えてしまう。

コンドウのロッカーには、驚くほどの大金と、外車の鍵。
桜井はコンドウの金で今までの借金を返して回る。

そして、白々しくも荷物を返そうとコンドウの病室を訪れたが、頭を打ったコンドウは記憶喪失。
しかも、すり替えた桜井の鍵から出てきた荷物から、コンドウは自分を桜井だと思い込んでいるらしい。

桜井は、コンドウに成りすますことにしてしまう。

だが、コンドウの携帯が鳴って事態は急展開。
なんと、コンドウは殺し屋だったのだ・・・・。

一方、記憶を失って桜井になってしまったコンドウは、雑誌編集者の水嶋香苗(広末涼子)と出会う。

きわめて合理的な思考の持ち主の香苗は、あと2ヵ月で結婚すると決めた矢先。
なんと、香苗とコンドウは惹かれ合い、結婚することに・・・・。



優秀な殺し屋と入れ替わってしまった、人生グデグデの演劇青年。
そこに結婚を考える女性編集者が加わって、状況が二転三転。
サスペンスなのか、コメディなのか、あらゆる要素が転がり出して画面から目が離せない。

TVドラマの劇場版やら、何かのメディアミックスやら、リメイクやらが多い最近の邦画の中、完全オリジナルの脚本。

とにかく、その脚本が秀逸。

そして、その脚本を演じるのは、堺雅人、香川照之、広末涼子の演技派キャスト。
桜井とコンドウを追い詰めるヤクザの親分が荒川良々だななんて、脇役まで気が利いてる。

ダメ人間の桜井は、最後に逃げない本気を見せ。
殺し屋かと思わせていたコンドウは、一本筋の通った男で。
一途で真面目な香苗は、思わず応援したくなる可憐さ。

メインの3人が、それぞれに一生懸命に生きていて、応援したくなる。

しかも、この複雑なストーリーを完璧なハッピーエンドに持っていくなんて!!

ツカミ、展開、ラストまで、文句の付けようもない。


ドキドキして、クスリと笑って、グッと拳を握りたくなる爽快感。
観終わった後味最高。

文句なしの作品。


最終評価 A+



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October 16, 2013

ゴシカ

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2003年・アメリカ映画

女子刑務所の精神病棟に勤務するミランダ(ハル・ベリー)はある豪雨の夜、道の真ん中に立ちすくむ女性とすれ違う。
咄嗟に女性を避けたものの、声をかけたその女性は燃え上がり、気が付いた時にはミランダ自身が精神病棟の独居房の中に居た。

彼女を担当するのは、同僚だったグレアム博士(ロバート・ダウニー・Jr)。
グレアムの言葉にうながされ、冷静に最後の記憶を辿る、最愛の夫、雨の夜、雨に立ち尽くす女性・・・
記憶が混乱する。
思い出せない。

今まで自分が診察していた患者たちの居る精神病棟に収監されたミランダに、囚人のクロエ(ペネロペ・クルス)が新聞を差し出す。
一面には自分と夫の顔写真。

ミランダは、夫のダグを殺した容疑で逮捕されていたのだ・・・。

何かの間違いなのか、それとも何者かの陰謀なのか。
狂っているのは、周囲なのか、自分なのか、それさえも分からなくなっていく。

「自分はマトモだ。」と、叫べば叫ぶほどに異常者として扱われる環境で、自分さえも信じられないままにミランダは真実を求める。


これはホラーなのか、サスペンスなのか。

監禁虐待されて死んでいった少女たちの霊がミランダに事件の解決を求めるストーリーなのだけど・・・。

サスペンスっぽいけど、ホラー(幽霊)が絡んでいるので御都合の連続で緊迫感はない。
それでいて、ホラーとしては恐怖の要素がない。

終盤に入ってトントンと解決編に入って、事件の全貌は見えるのだけど・・・
あれ?夫を殺したのって、結局は誰?
あれ?ペネロペ・クルスを襲ってたのも今回の犯人だっけ?
あれ?

あれ?

あれー? 
本筋は一応の答えに辿り着くけど、他があまりにも雑に処理されてませんか?

でも、なんだかトントンと話が進んで丸く収まるっていう。


なんとも中途半端な作品。


最終評価 B−




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October 09, 2013

劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇

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2008年・日本映画

シモン、お前のドリルは天を突くドリルだ。


今石洋介・監督
アニメーション制作・GAINAX

新しく始まったアニメシリーズ「キルラキル」と同じ製作陣の作品。
キルラキルを観てたら、無性に観たくなって劇場版を鑑賞。

アニメシリーズ「天元突破グレンラガン」は、随分昔に観ましたが、好きなんですよねぇ。この無茶苦茶な勢い。

・・・・・・・・・・・・・・・

あらすじ

遥か未来。
人間は何百年もの間、地中に穴を掘って生活していた。
ジーハ村の少年シモンは、いつものように得意な穴掘りをしていると、光る小さなドリルと巨大な顔を見つける。兄貴分と慕うカミナに、その顔を見せようとしたその時、突如として村の天井が崩れ、巨大なロボットとライフルを持った少女・ヨーコが落ちてきた。
騒ぎの中、シモンは巨大な顔に光るドリルを差し込むと、その顔はロボット=ガンメンとなってその姿を現した。
シモン達は襲いかかる敵ガンメンを打ち破ると、勢いそのままに地盤を突き割り大空へと飛び出す。
眼前に広がる壮大な地上の風景に興奮を隠せない一行は、地下暮らしを投げ打って地上で旅する事を決意する。だが地上は獣人達が人間に対して侵攻を続ける戦場でもあった。

wikipedia より

・・・・・・・・・・・・・・・


俺を誰だと思っていやがる!!


いやー、この作品を観てると無駄に名言を並べたくなるなぁ。

理屈は要らない。感じろ!!

この言葉の通りの作品。


アニメシリーズの劇場版。
この紅蓮篇も当然ながらの総集編。


ジーハ村から旅立ったシモンとカミナ。
そして、無軌道な彼らの冒険に惹かれたヨーコも同行を申し出る。

シモン、カミナ、ヨーコは、地上に出た人類を滅ぼそうとする螺旋王が率いるガンメンたちと戦い続けた。
長い旅の中で仲間を増やし、螺旋王に対抗するグレン団へと成長していく。

だが、螺旋王の四天王との死闘の中、今までグレン団を率いてきたリーダー・カミナは命を落とす。

カミナを失った心の闇を抱えるシモンは、自暴自棄な戦いに身を投じる。
そんな時、シモンは廃棄されたゴミの中から少女・ニナに出会い、心を救われる。

カミナの死を乗り越えたシモンは、遂に四天王を倒す。


まぁ、内容は相当ダイジェストだけど、久しぶりに観たいなーと思った時には丁度良い。
シリーズファンのための作品なのだから、これで良いのだ。

そして、ヨーコは相変わらず魅力的。
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このどんだけも突き抜けたキャラデザが、あほう過ぎて大好き。


グレンラガン観てたら、あほうパトスが満ち満ちてきた。

くわー、ヨーコのフィギュア欲しくなってキターーーー!!


最終評価 B+



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September 27, 2013

怪盗グルーの月どろぼう

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2010年・アメリカ映画
「アイスエイジ」のクリストファー・メレダンドリ製作


何でも小さくしちゃうレーザー銃で月を盗もうと考えた怪盗グルー。
だが、肝心のレーザー銃を同業者のビクターに奪われてしまう。

鉄壁の防犯システムを持つビクターの屋敷に侵入する方法を考えるグルーは、ビクターの屋敷に入っていた3人の女の子に目を付けた。

ビクターの家に入っていったマーゴ、イディス、アグネスの3人は、孤児院で厳しい扱いを受けながらも養父母となる人が現れることを待っていた。
3人を利用しようと養父に名乗り出たグルーに引き取られ、グルーの秘密基地に連れてこられてしまう。

怪盗グルーの秘密基地で、3人とグルーとネファリオ博士、そして、バナナで造られた生命体・ミニオンたちの奇妙な共同生活が始まる。


日本語吹き替え版、グルーの声・笑福亭鶴瓶。
初めこそ「えぇ?鶴瓶?」と、思うものの、最後まで観ればいや、ハマリ役でした。

ストーリーは、悪人としては今一つ活躍出来ない怪盗グルーがこどもたちとの暮らしの中で、自分が本当に望んでいた幸せが何だったのかに気付いていくと言う、なんともベタな王道中の王道ストーリー。

でも、ソレはこどもには楽しいストーリーであり、そして、一緒に観ている大人にも優しく、嬉しくなるストーリー。
王道には王道の良さがある。


が、惜しいのは、タイトルの「月どろぼう」要素が完全にオマケになってしまっているコト。
バナナから作られたミニオンたちにストーリー的な必要性が一切無いコト。

それと、もう少しそれぞれのキャラクターが掘り下げてあればなぁ、とは思う。


まぁ、キャラクターの掘り下げは公開された続編で!!ってコトなのか?


最終評価 B



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August 16, 2013

桐島、部活やめるってよ

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2012年・日本映画。
早稲田大学在学中に第22回小説すばる新人賞を受賞した、朝井リョウのデビュー作の実写映画化。


田舎の高校。

部活に精を出す生徒。
帰宅部の生徒。
ゾンビ映画を撮る映画部の生徒。

運動が出来る、出来ない。
見た目が良い、悪い。
頭が良い、悪い。
明るい、暗い。

活発な運動部やイケてるヤツらがいる「上位」グループ。
オタク映画部が象徴する「下位」グループ。

高校の中にある、細分化された見えざるヒエラルキー。
異なる属性に所属する者同士は、互いに関わらないように、互いに見えないように、でも、相手の見えない場所では相手のことを見下して過ごす。
そして、同じ属性の中でも互いを上下に見て、相手によって態度を変える。

バレー部キャプテンの桐島。
超万能形と評され、イケてる上位グループの中でも一目置かれる存在。

その桐島が、誰にも理由を告げずに部活を辞める。

微妙なパワーバランスの中で暮らす高校生たちの生活に、桐島退部のニュースが、波紋を広げる。


「桐島」とは、何者なのか。

ある生徒にとっては、恋人。
ある生徒にとっては、親友であり、時に相手にされていないと感じる遠い存在。
ある生徒にとっては、仲間。
ある生徒にとっては、無関係。

何度も繰り返し、繰り返し、同じシーンを異なる目線から描く。
桐島本人を映さずに、異なるヒエラルキーに属する生徒たちの見る世界から桐島の人物像に迫る。

ひとつひとつのセリフで。
目線で。
表情で。

現代社会の縮図とも言える、高校生の複雑な人間関係を「桐島」と言うキーワードが、浮かび上がらせる。


イケてるグループに属し、野球部で期待されていたキクチ。
言葉にならない虚しさを抱え、部活をサボリ続けた結果、帰宅部になってしまう。

明らかにイケてないグループにいる、映画オタクのマエダ。
先生の反対を押し切って、仲間と撮りたかったゾンビ映画を撮る。

あるグループにとっては桐島退部で揺れた一週間も、あるグループにとってはただの日常。

イケてるのに虚しさを抱えるキクチと、イケてないけど充実しているマエダ。

この2人がこの作品の主役。
この2人の差は、自分の今立っている場所が、憧れの夢と地続きだと感じられているか、いないか。

見えないヒエラルキーを描く一方で、そんなヒエラルキーを無視して存在している別の定規を出してくる。


難しい作品ではある。
細やかな人物描写を積み重ねることで、複雑に絡み合う人間関係を描く。
リアリティの一方で、映画として分かりやすい起承転結はない。

最終的に、桐島はなぜ部活を辞めたのか、学校に来ないのかは分からない。
そして、桐島に関わった生徒たちの中に何が生まれたのか、変わったのかも分からない。

それでも、最後まで観ないではいられない。

自分の高校時代と重ねるものの、僕はこの作品の中のどのヒエラルキーにも属していなかったし、ここまでハッキリとした階層社会でもなかったように思う。
それは、僕が居た環境がたまたまそうだったのか、本当はヒエラルキーがあったのか、それとも時代が違うのかは分からない。
でも、高校時代には交わらない人間は多くいたことも事実だったな、と、かつてを思い出すばかり。


最終評価 A−



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July 21, 2013

風立ちぬ (最終評価後にネタバレあり)

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2013年・日本
宮崎駿最新作。スタジオジブリ製作

公開初日から一日遅れにて鑑賞。
僕がチケット予約を間違えてしまいました。

この作品の後半、何度も涙が流れました。
どこで、とか、何で、とかは良く分からないのですが、ただ涙が流れた。

面白い。とか、面白くない。とか、そういうものを超えて、感動していた。
それが、涙になっていました。



かつて日本で戦争があった。

大正から昭和へ、1920年代の日本は
不景気と貧乏、病気、そして大震災と
まことに生きるのに辛い時代だった。

そして、日本は戦争へ突入していった。
当時の若者たちは、そんな時代をどう生きたのか?

イタリアのカプローニへの時空を超えた尊敬と友情
後に神話と化した零戦の誕生
発行の少女菜穂子との出会いと別れ。

この映画は、実在の人物、堀越二郎の半生を描く・・・・。

生きねば。
―パンフレット冒頭より


美しい飛行機を造りたい。
その自分の生み出した飛行機が戦争に使われることは知っている。
その戦争は破滅に向かうだけの愚かなものだと知っている。
だけど、ただ美しい飛行機を造りたい。

少年時代から抱え続けた夢、それは、ある種の狂気さえも孕む夢。
それでもただ純粋に、狂っていく時代の中で人生を燃やし尽くし、零戦と言う稀代の名機を生み出した堀越二郎。

零戦を生み出すまでの設計士としての半生が物語の縦糸。

そして、彼が心から愛した女性は、結核を患う美しくも儚き令嬢・里見菜穂子。
彼女もまた、二郎との愛の為に残された命を精一杯に生きる。

残された時間が僅かな事を知り、それでも心から求める人との一瞬を生きた二郎と菜穂子の恋愛が物語の横糸。

この縦糸と横糸の織りなした物語は、あまりにも切なくて美しい。


花のように、散るからこその美。
限りがあるからこそ、命もまた美しい。

人間が生きるなんてことは、常に矛盾の連続。
矛盾を抱えながら、それでも愛する人の為、美しいものの為に生きた人の人生は、それ自体が美。

後の時代の人間が過去を振り返って、善悪を決めつけることは簡単。
でも、その一瞬に命を燃やす尽くした人たちの歩みが歴史になり、今、僕らが歩んでいるのはその歴史の続き。

震災、不景気と貧困。
今の日本は、かつて戦争に突入していった日本に重なると言う。

そんな時、かつての時代を生きた人たちが何を想い、どう生き、そして、それを自分たちがどう受け止めるべきなのか。
そこに右や左といったフィルターは要らない。ただ、ありのままを僕は知りたい。



確かに子供向け作品ではない、オトナジブリ。

宮崎駿監督の新しい境地であり、70歳を超えてこの感性を持ち続けることに感動を覚える。


最終評価 A+




ここからネタバレ。
これから鑑賞の方はご注意ください。

僕が特に涙したシーンは以下の三つです。

結核と知る菜穂子が喀血し、その知らせを受けた二郎が彼女の下へ飛んで行く。
そして、一切躊躇うことなく唇を重ねる。
その決意に。

人里離れた療養所で徐々に重くなっていく病状から、自分の余命が長くないと感じた菜穂子。
療養所を抜け出し、二郎の下へと向かう。
本当なら、仕事なんて投げ出してそんな菜穂子を看病したい二郎。
だが、夢の飛行機を投げ出すことも出来ない。
二郎は自分のエゴと知りつつ、仕事を続けながら菜穂子との限られた時間を精一杯に生きようとする。
互いに求め合い、愛し合う。
それなのに、時間は待ってくれない。
そんな限られた時間の中で、何気ないのに必死に相手を思いやる2人の姿に。

二郎の夢の飛行機が試験飛行をする日。
二郎を見送った菜穂子が、今日は体調が良いと言って散歩に出る。
でも、実は散歩ではなく、ひとり療養所へ戻る為に辛い身体をおして気丈に歩く姿に。
二郎に弱っていく自分の姿、死んでいく自分の姿を見せまいとする菜穂子の想いに。

とにかく、もう、後半は泣きっぱなしでした。


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June 06, 2013

岳 ‐ガク‐

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2011年・日本映画。
「山岳愛好家のバイブル」と呼ばれる原作漫画を実写映画化。


日本・北アルプス。

一歩間違えば命に関わる事故になる雪山。
山岳救助隊の人間に「山バカ」と呼ばれ、尊敬される島崎三歩(小栗旬)。
世界の巨峰を渡り歩き、山に生きる三歩は山岳救助ボランティアとして人の生死に向き合っていた。

ある日、山岳救助隊に山を知らない新人救助隊員・椎名久美(長澤まさみ)が配属されてくる。

久美は三歩の指導を受けて成長していくが、それで直ぐに人の命を救えるほど山は甘くはない。
実際の現場で遭難者を助けることが出来ず、自分自身も遭難しそうな目に遭い、久美は自信を失っていく。

そんな時、猛吹雪の山で多重遭難が起こり、久美もその救助に向かうのだった・・・・。


山は甘くない。

山を知らない人間のそんな甘い言葉なんか吹けば飛ぶ。

滑落した肉体は壊れて肉塊となり、救助した瞬間は生きていた命の灯は山を下りる前に掻き消える。
本当に過酷な山での救助活動。
そんな過酷な山岳救助を無償のボランティアでやる人達がいる。

多くの命を背負った三歩は、悲しみを心に秘めて笑う。


小栗旬、長澤まさみ、佐々木蔵之介、渡部篤郎。
実力派のキャストが見せる山の世界の人間ドラマ。


原作漫画のキャラクターを大事にした結果、ちょっと三歩に違和感を感じますが、作品を台無しにする程ではない。
山の素人の僕でさえ、リアリティを言えば細かいツッコミどころはあるんです。
救助隊も三歩も装備が綺麗すぎとか、でも、まぁ、その辺は良いのかなと。

そう思って、中盤までは観られるんですけどねー。

クライマックスにかけて、あっと言う間にアルプスを渡り歩いちゃう三歩がスーパーマン過ぎるのが、どーーしても違和感。
山にも入っていない状況(しかもスーツ着てる)で山の異変を感じ、誰よりも早く吹雪いた雪山の山頂で登山名簿を確認してしまう。

その他モロモロ、感動伏線を仕込む為にストーリーの中に大きな矛盾を作ってしまっている。

感動が吹き飛ぶ。
後半の御都合暴走で、前半の「山の厳しさ」がどこかにいく。

もう、どうでも良くなる。

んー、残念。


最終評価 B− (C+と迷いました・・・)




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March 13, 2013

映画 「けいおん!」

映画け~1

感情のコントロールが一旦バカになって、映画を観る気を無くしていました。

なので、なんつーか、映画リハビリ?

クリスマスに放送していた録画が残ってたので、リハビリに丁度良いヌルさかと思って「けいおん!」なぞ鑑賞してみました。

ちなみにアニメシリーズは、ぬる過ぎる内容が食傷を起こして、第二期の途中で放置プレイ中です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

軽音楽部に所属する5人の女子高生。

主人公・天然ドジっ子、ギターの唯。
クールな知性派、でもちょっと臆病なベースの澪。
元気で大雑把、ドラムの律。
おっとりしたお嬢様、キーボードの紬。
唯一の後輩、真面目な性格のリズムギターの梓。

彼女たちがガールズバンド「放課後ティータイム」として、活動したり、お茶を飲んだり、おしゃべりしたり。
特にコレとゆー事件が起こるワケでもなく、ただユルやかに続いた女子高生たちの日常。

でも、その日常にも終わりが近づいていた。

卒業を間近に控えた3年生たちは、ひとり軽音部に残る梓のコトを考え、卒業旅行に5人でロンドンへ行こうと計画する。

一方で、卒業する4人は梓に秘密で曲を作ろうと決心するのだった。

5人のロンドン旅行が始まる・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

高校生なのに卒業旅行ロンドンてどうなの?
とは、思うけどねー。
実際行くと、高いぜ? ロンドン。

しかも、多数泊の海外旅行に高校生だけで行くのに、親の許可が電話ワンコールでOKなの?

さらにツッコむなら、ちょーーーっとシリーズが進み過ぎた感アリかな。
キャラたちの「個性」と言うより「属性」が過剰になってて、「あざとさ」に見えてくる。
「いくら何でもそんなヤツぁ、居ねえだろ。」と、ね。

とか言っちゃって。
まぁ、楽しんだモン勝ちの「けいおん」に真面目にツッコんでも意味ナシ。
そーゆーのは置いといて。で、観るが吉。


ユルさとカルさは健在。
劇場版だけあって、ユルさのみのTVシリーズと違って起承転結の盛り上げ所もあるし、久しぶりに見るとシンプルに楽しい。
それに旅行先がロンドンだと、何となく懐かしい風景がたくさん散りばめられてて個人的にも楽しい。

顧問だからって一泊の為にロンドンに来ちゃう先生とか、御都合とかも多いけど、それも「けいおん」っぽさの一環として処理してみた。

高校卒業という切なさとか、ひとり高校に残る梓の切なさとか、そんなキュッとくる想いもあって一応ラストまで観られる作品になってました。


最終評価 B



「何だかんだ言っちゃて、それでも澪が好き?」

「澪ねー。キライじゃないけど、この作品の中で一番あざとさを感じるのは僕だけか?」

「さぁ? 変態たちの嗜好なんか知ったこっちゃないです。」

「じゃあ、なぜ聞いた。」

「確認。」


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December 08, 2012

怪物くん

怪物くん

藤子不二夫の名作「怪物くん」の実写映画化。

人間界での修行を終えた怪物ランドのプリンス・怪物くん(大野智(嵐))は、新大王の就任式に臨む。
だけど、「ニガニガ草が食べられない。」「大王の肖像画に鼻毛を描いた。」などと責められて、プッツン。

「大王なんか、なるかーーー!」と、ドラゴンを呼んで人間界へ逃げ出してしまう。

王子のお供はもちろん、狼男(上島竜兵(ダチョウ倶楽部))、ドラキュラ(八嶋智人)、フランケン(チェ・ホンマン)。

4人がドラゴンに乗って人間界を目指す途中で竜巻に巻き込まれ、落ちたのはインド的な国。
そこで伝説の英雄に祭り上げられた怪物くんは、さらわれた王女(川島海荷)を救いに向かう。

もちろん、念力で一瞬にして姫を助け出した怪物くん一行。
その祝いの席で待っていたのは、インド的な国の王的な人(上川隆也)が図った罠だった。

実は王的な人は怪物界では下層に扱われる岩石男だったのだ。
王族に生まれただけで王になり、下層に生まれたら下層のまま・・・。そんな怪物界の矛盾を怪物くんに突きつける岩石男。

だが、その岩石男さえ更なる黒幕・デモキン(松岡昌宏(TOKIO))の手先でしかなかった・・・。


藤子コミックの実写化というコトで、もちろん子供向けのコミックタッチ作品。
リアリティを一切追求しないその作品テイストが、微妙な演技力、演出、CGと相まってむしろいい感じ。
すごくお金をかけた学芸会的な。

てか、ソコを狙ってますよね?
わざとリアリティの無い発砲スチロールで作った大道具的な感じとか、出してますよね?

その狙い、完璧。

チェ・ホンマンが「うがっ」しか言わないの、最高。


まぁ、その狙いを分かった上で観る分には良いんじゃない? 楽しくて。


最終評価 B+


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November 04, 2012

コクリコ坂から

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2011年・日本
スタジオジブリ製作・宮崎吾郎監督。


東京オリンピックを翌年に控えた1963年の横浜。
祖母の営む女性ばかりの下宿屋を切り盛りする女学生・松崎海(声・長澤まさみ)は、毎朝、海から見える旗竿に信号旗を揚げ続けていた。
それは、船乗りだった亡き父親への信号。

忙しさで心を紛らわせるような海を祖母は気にかけていた。

そんなある日、海の前に飛び込んできた青年・風間俊(岡田准一)。

海たちの通う学校にある古い部室棟、通称「カルチェラタン」。
哲学部に天文学部、演劇部・・・、男臭い文化系住人の巣窟となって数十年の歴史を持つカルチェラタンは老朽化し、取り壊しの危機にあった。

週刊カルチェラタンを刊行し、取り壊し反対の先頭に立つ文芸部の風間に心を寄せる海。
互いに認め合い、カルチェラタン取り壊し反対運動の中で心を通わせだす海と風間。

だが、ある日を境に風間の態度が素っ気無くなる。

「嫌いになったなら、そう言って。」
芯の強い海の真っ直ぐな言葉を受けて、風間が告げる。

「僕らは兄妹だ。」

風間は、大好きだった亡き父の残した異母兄弟だった・・・。


坂本九の歌声が流れ、呼びかける時に「諸君。」と呼びかける時代。
男女の間には一定の距離があり、それでいて一定の敬意を抱えていた時代。
皆で声を合わせて歌うことが恥ずかしくなかった時代。
学生がどうしようもない現実の前で折れずに戦った時代。

古いものを壊すことを是とする時代の風潮と、古い時代の名残が色濃く残る街並みの中、高校生たちが「カルチェラタン」と言う過去からの伝統を守る為に力を合わせる。

その活動の中で心を通わせた海と風間。そして、2人にしか分かり合えない、それでいて、2人を引き裂く問題と向かい合う。
清々しさと、切なさの交じり合った海と風間の関係に、惹き付けられる。

「兄妹だとしても好き。」

その真っ直ぐな想いと、それを受けて台無しにしないハッピーエンド。
イマドキな妹萌えやお兄ちゃん愛とは一線を画した作品は、賞賛に値する。

多少、時代背景が美化され過ぎている気はするけれど、嫌味には感じない。


吾郎・・・成長したのね・・・(ホロリ)。

あの「ゲド戦記」を撮った宮崎吾郎氏の作品だと思うと、感慨を感じる。
と言うか、吾郎氏はファンタジーよりも丁寧な人物描写をさせた方が適正があったんでしょう。

「ゲド戦記」は親の七光と言うよりも、宮崎駿氏がファンタジー作品の巨匠ゆえに、息子の最初がファンタジー作品になってしまったゆー、いわば業だったのかな?

まぁ、スタッフロールだけ見ると「吾郎氏の作品か・・?」とゆー、疑念を感じないでもないですけどね。


最終評価 A

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October 10, 2012

隠し砦の三悪人 The Last Princess

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2008年・日本
「スターウォーズ」の元ネタになった黒澤明監督の名作「隠し砦の三悪人」をリメイク。

戦乱の世。
強勢の「山名」に対し、「早川」と「秋月」は同盟して対抗していた。
しかし「山名」は「秋月」へと攻め入り、城を落としてしまう。

だが、秋月を継ぐ姫と軍資金は城から姿を消していた。

機転を利かせて山名の労役から逃げ出した武蔵(松本潤)と新八(宮川大輔)は、山の中で秋月の隠し軍資金を見つけるが、六郎太(阿部寛)に捕まってしまう。

野武士に変装しているが、六郎太は実は秋月の侍大将・真壁六郎太。
そして、六郎太の連れていた弟・七郎丸こそ、男装した雪姫(長澤まさみ)だった。

何とか同盟国である「早川」へと逃げ延びなくてはならない雪姫と六郎太は、山名領を通り抜けると言う武蔵の提案を受け入れ、武蔵と新八を使って早川を目指すのだった・・・。


「裏切り御免」の使い方、間違ってね? 名セリフも驚く使われ方。

その他モロモロ、浅いよ。浅すぎるよ・・・。黒澤監督もガッカリだよ・・・。

戦国物の時代考証や演技、身分差、時代が生む哀切の一切合切を失わせたアイドル映画。
いちいち演出過剰。
活劇としての痛快さも、滑稽さも、一切ない。

ストーリーも原作から大胆に書き変えたと言うより、キャラと設定だけパクった同人誌レベル。
雪姫の行動も一国を背負ったとは思えない軽々しい行動ばかり、展開も随分と雑な御都合ばかり。
映像も中途半端なCG使い放題。

なんだこりゃ。と思ったら、監督は「ローレライ」の樋口真嗣かっ!!
この人の作品はなぁ・・・。

黒澤監督も、まさかこの作品のスタッフロールに名前が載るとは思わなかっただろうよ。
オリジナルでコレならまだしも「隠し砦の三悪人」を台無しにした分、更に評価を下げざるを得ないよね。


最終評価 C



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October 02, 2012

撃鉄 GEKITETZ ワルシャワの標的

ワルシャワの標的

2002年・アメリカ映画
スティーブン・セガール主演。

凄腕のフリー諜報員ジョナサン・コールド(スティーブン・セガール)は、フランスの富豪マルケから大金を積まれて依頼を受ける。
それは、ある小包をパリからドイツへと運ぶ簡単な仕事。
だが、その小包を受け取ると謎の男たちに襲撃され、銃撃戦となる。

襲撃者たちを撃退したジョナサンは、マルケに同行したデュノワが怪しいとメッセージを残して任務遂行の為にドイツへと向かうのだった・・・。


えーと、最初からずーーーっと、全ての登場人物の動機と目的が分からないままでした。

一応、頑張って筋をおってみたんだけど、どーーーしても分からない。

人が出てくる、撃たれる、死ぬ。
とにかく、出てきたら、撃たれて、死ぬ。
出てきたキャラ、出てきたキャラ、出てきては撃たれる、死ぬ。

どんな重要人物も殺して解決!!

建物は爆破。爆破、とにかく爆破。爆破で証拠隠滅!!

これの繰り返し。

で、急にポンと説明編に入って、御都合よろしく謎解きタイム。

んー、ここまで雑なストーリーも珍しい。
セガールアクションだからって、こりゃあないだろう。


最終評価 C

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September 13, 2012

くまのプーさん

くまのプーさん

2011年・アメリカ映画
ウォルト・ディズニー生誕110周年記念作品。


おっとり食いしん坊、くまのプー。虎のティガー。ラビットにカンガルーのカンガ、ピグレット、オウル、ルー、イーヨ。
クリストファー・ロビン少年の心の中に広がる100エーカーの森に住むのは彼の友達たち。

その日の朝、くまのプーはおなかを減らせていました。
でも、家にはプーの大好きなハチミツがありません。
ハチミツを探して友達のところへ遊びに行くと、ロバのイーヨがしっぽを失くして困っています。
そこで、プーさんと仲間たち、そしてクリストファー・ロビンは「イーヨのしっぽを探すコンテスト」を開く事にしました。
賞品はハチミツひと壺。
ハト時計にマフラー、風船。色々なモノを探してくるものの、何だかしっくりきません。
そんなとき、ロビンが怪獣スグモドルに連れ去られてしまって、さぁ大変。
プーたちはロビンを助け出すため、みんなで力を合わせますが・・・。


プーは何てウマシカなんだろうww
でも、そのウマ鹿っぷりが very so cute ! とゆー、あざとさw

さて、内容は無いような例によって例の如くのザ・おっとり平和ストーリー。

演出として本の世界(字と挿絵)とアニメの世界が行ったりきたりするのは何とも上手い。
それに、伝統の手書きアニメーションのなめらかさは、流石はディズニー。

一緒に観ていた娘っちは、長編アニメだというのに最初から最後まで(スタッフロールまで)ガッツリ食いついてましたので、ディズニー作品としては成功なんでしょう。


ただ、大人が観てると、眠くなるのよね。コレ。

プーのしゃべりかたがおっとりと間延びしてて、しかも、内容が無いようですのでね。

まぁ、こどもが観て食いつき、大人が観ると眠くなる。
古き良きアニメーションの王道。
流石は、ディズニー。


最終評価 B



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August 05, 2012

劇場版ナルト ブラッド・プリズン

ブラッド


いや、地上波でやってたので、つい。
少年ジャンプ読者なんで、つい。

まぁ、夏休みですからねぇ。
今、新作劇場版公開中ですからねぇ。


濡れ衣を着せられ、忍の牢獄・鬼灯城へと送られてしまったナルト。

それは、鬼灯城を管理する草隠の里の陰謀。

鬼灯城と草隠に伝わる「極楽の匣」。
何でも願いを叶えると言う「極楽の匣」を開くためには、必要な莫大なチャクラが必要。
そのチャクラを得るために、九尾の人柱力を宿すナルトが必要だったのだ。

ナルトはチャクラを縛る天牢の術をかけられた身で、城主・無為に挑むのだった・・・。


この「劇場版」ってヤツは、原作が好きな人がそのパラレルワールドを楽しむ為にある。

必殺技、人気のキャラクターたちの見せ場、良い感じのセリフを盛り込むコトから逆算して作られたストーリー。
ご都合展開はお約束であり、御愛嬌。

そんな劇場版ジャンプアニメらしい作品。

まぁまぁ、そんな劇場版の中では見れる方のストーリーだし、そういう作品だって分かってて観てるワケだから、観客も共犯。

まぁ、作品としては期待以上でもなく、期待以下でもなく。


最終評価 B

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July 15, 2012

キス × kiss × キス

キスキスキス


ただいまのキス
口移しのキス
誘惑のキス
禁断のキス

男と女のキス物語。
甘いキス 切ないキス エロティックなキス・・・
美しい映像で恋愛を疑似体験!
見て感じる!何度もときめく!!
新感覚kissエンターテインメント!!
BeeTV より

BeeTV で製作された「キス」のシチュエーションの映像集。

jam films みたいなオムニバスムービーなのかと思って借りてみた。のだが・・・。

チープなテロップの入る3分程度の短編映像が連続で流れるだけのモノだった。
しかも、内容はずーーーっとキスしてるだけ。

2つ見て限界に達する。

嫁様より 「何か、もっと有意義な時間の使い方すれば?」と言われる始末。

僕もそう思う。


てか、このDVDはどの層に対して売ってるモノなの?

欲求不満女子? ←偏見に満ちた発言


最終評価 映画じゃなかったし、最後まで観てないし。

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