映画 わ行

February 19, 2016

ワールドウォーZ

ワールド・ウォーZ Blu-ray
ブラッド・ピット
KADOKAWA / 角川書店
2014-10-24


2013年・アメリカ映画

元国連捜査官のジェリー(ブラッド・ピット)と家族の乗った車が、渋滞にはまっていた。
すると、前方で爆発音が聞こえ、トレーラーが無数の車をはじき飛ばしてクラッシュし、パニック状態の群衆が通りになだれ込んでくる。

そのただならぬ状態から家族を守ろうと、妻子を連れて逃げるジェリー。
やがて、彼は人間を凶暴化させる未知のウイルスが猛スピードかつ世界的規模で感染拡大しているのを知る。

そんな中、元国連職員の技能と知識を買われたジェリーは、各国を回ってウイルスの感染原因を突き止めるよう依頼される。
yahoo映画より


主役にブラピをキャスティングし、お金をかけて作った、いつものゾンビ映画。

とにかくゾンビ、ゾンビ。

巨大な壁や高層ビルを大量のゾンビたちが重なり合う人柱で乗り越えてくるトコは、斬新で笑える。

それ以外は、まぁ、いつものゾンビ映画。


欧米人のゾンビ好きって何なんだろう。真面目に。
なぜブラピで、なぜ膨大なコストをかけてまでゾンビ映画を撮ろうと思うのか。


身近にある対ゾンビ武器は、バールだな。バール。

銃なんかではなく、バールで頭をぶん殴るのが正解らしい。

だから、何だ。


最終評価 B



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June 29, 2014

ワイルドスピード メガマックス

ワイルド・スピード MEGA MAX [DVD]
ヴィン・ディーゼル
ジェネオン・ユニバーサル
2012-02-03


2011年・アメリカ映画
とにかくカーアクションで魅せることに力を注いだシリーズの第五弾。


リオデジャネイロの闇を牛耳る実業家・レイエスの資金1億ドル。
この資金の流れを知ったブライアン(ポール・ウォーカー)は、今までに関わってきた仲間をリオに集めてこの資金の強奪に挑む。

作戦の中心は、もちろん最速ドライバー・ブライアンの腕。

情報を集め、車を集め、ブライアン達は着々と作戦を作り上げていく・・・。


カーアクションオンリーで、なーんも考えずに頭カラッポで観られるシリーズ作品。

と、思って観たのに・・・・
今回は案外のオーシャンズ的なスペシャリストを集めたクライムサスペンス仕立て。

そんなマトモなの求めてなかったのになぁ。

基本、ツッコんだら負けな頭カルイ系のアクションなのに、クライムサスペンスって無理がある。
しかも、今までのシリーズライバルたちが結集しての友情ものっぽく描いてるけど、思いっきり犯罪に手を染めての熱い友情って言われても、どうなの。

そしてクライマックス(ネタバレ)がヒドイ。

地下に設置された金庫(高さ3m、奥行き5mくらいの大型のもの)を車2台に繋いで引っ張り出し、それを引きずったままのカーチェイス。

慣性がどう、とか、物理法則がどう、とか、全部超越し過ぎ。

その大型金庫は発泡スチロールか何かで出来てるんですか?
金庫の下には車輪でも付いてるんですか?

いくらなんでも、やり過ぎ。

全編を通じて「なんだかなぁ。」な気持ちが拭えない。


シリーズが進むほどにヒドくなっていく、残念な作品。


最終評価 C



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April 25, 2014

ONEPIECE フィルムZ

ONE PIECE FILM Z (JUMP j BOOKS)
尾田 栄一郎
集英社
2012-12-17


2012年 日本映画

劇場版ONEPIECEの最新作。
新世界に入ったルフィたち麦わら海賊団を描いた最初の作品。

原作者である尾田栄一郎が制作総指揮。


ある夜、海軍の前線基地ファウス島が襲われる。
襲ったのは、元海軍大将のゼットが率いるNEO海軍なつ集団。

ゼットが海軍基地を狙うのは、莫大なエネルギーを秘めたダイナ岩を奪うためだった。

「全ての海賊を抹殺する。」
その目標を掲げたNEO海軍は、海賊の巣食う海ごと海賊を全て抹殺する作戦「グランリブート」へと走り出すのだった。

一方、魚人島での戦いを終えた麦わら海賊団は、新世界の海を行く。

NEO海軍がファウス島を吹き飛ばした火山活動を察知した航海士のナミは、震源地を避けようとする。
だが、冒険の匂いを嗅ぎつけたルフィは、指針をファウス島に向けるのだった。

その矢先、麦わら海賊団は波間に漂うゼットを拾ってしまうのだった・・・。


作画最悪だったストロングワールドで、相当イタイ目を見てしまったONE PIECE映画。
制作総指揮が尾田栄一郎だとしても、それが作品のクオリティの保証になるとは限らないって証明でした。

漫画は漫画。アニメはアニメ。

多くの人が関わって出来るアニメは、総合芸術。
なので、尾田っちが居ても他がアレだと何ともならない。

まぁ、それでも地上波でやってれば観てもイイかなと思ってしまう、学習能力の無い原作ファン。


多分、前作が納得いかない人(尾田栄一郎)がいたんでしょう。
作画レベル、ストーリーともに随分とマシになっています。
CGの取り入れ方も相当にレベルアップしていて、アニメーションとの融合にあまり違和感を感じない。
戦闘シーンは、ゲームの海賊無双とかから相当の技術提供があったのかな? アニメーションと言うよりもなめらかな格闘ゲームのワンシーンの様になっていました。
良し悪しの話ではなく、そうなっていたという報告。


ストーリー的にも今回の作品は悪くなかったです。
魚人島を後にした直後という設定が生きていましたし、新世界編に入ってまだまだ世界の状況が未知数ってトコも上手く出てました。

敵役であるゼットもしっかりした背景があって、動機や行動にも無理がない。
特に旧青キジ・クザンとの関わり方とかが上手くて、本編に組み込んでも良いんじゃないかと思うレベル。

あと特筆に値するのが、麦わら海賊団全員の戦闘(見せ場)をやめて、戦闘に参加するのをルフィ・ゾロ・サンジの三人に絞ったコト。
実際、9人になった麦わら海賊団全員に2時間映画で見せ場を作るのは無理。
ソレをやろうとしたストロングワールドは、とっちらかって散々だった。

今回は内容が絞れていて、良かったです。


まぁ、あくまで元々ワンピースファンの人を対象にした作品なので、このクオリティがあれば充分なのかと思いました。


最終評価 B+




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October 23, 2012

ワイルドスピードX2

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2003年・アメリカ映画

マイアミの熱い夜。
若者たちがチューンナップカーを持ち寄って集まり、非合法なロードレースに熱狂する。

凄腕のドライバー・ブライアンはレースで勝って賞金を手にするが、その直後の一斉取締りで狙い撃ちにされ逮捕されてしまう。
だが、それは警察が彼の腕を見込んで囮捜査官として使いたいがゆえだった。

ブライアンは今までの前科を取り消すと言う警察の提案に乗り、国際的な麻薬とマネーロンダリング組織のボス・カーターのドライバーとして犯罪組織に潜り込むのだった・・・。


ドライブ、ドライバー、ドライビング。

ぶんぶんぶんのぶぃぶぃぶぃ。
GTR、スープラ、S2000、インプレッサ、とにかく極限チューニングカーで走りまくり、走りまくり、壊しまくり、走りまくる。

ストーリーに必然性とか必要性は薄いけど、でも、まぁ、そこに目くじらを立てるべき作品じゃない。
正直、ストーリーとかオマケ。
チューニングカーが爆走する映像を楽しむ為「ダケ」の映画。

カーアクションシーンに過剰なまでの映像加工が気にはなるものの、カーアクションシーンをより美しく格好良く見せることダケ考えた作品では仕方ないコト。
この映画はレーシングゲームの世界そのままなので、多少接触しても車は壊れもしないし、ドライバーに怪我も無い。
その嘘っぽさこそがこの作品のテイスト。

この方向性へ突き抜けたトコにこの作品の価値がある。

女性は基本ハダカに近く、男はみんな粗野で女好き。
セックス、スピード、バイオレンス。
この作品がどこ層へアピールしてるかは一目瞭然。ヤングマガジン路線一直線。

あー、楽しかった。で、鑑賞後に何も残さないのが、バカの美学。


最終評価 B

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September 19, 2012

ワン・ミス・コール

ワンミスコール

2008年・アメリカ映画。
大ヒットしたジャパニーズホラー「着信アリ」のハリウッドリメイク作品。

心理学を専攻する女子大生のベス(シャニン・サモン)は、友人のレアン(アズーラ・スカイ)と同級生のシェリーの死を悼んでいた。
すると、レアンの携帯が鳴る。

発信者は、死んだはずのシェリー。
しかも、着信は月曜日。 今日は金曜日なのに・・・。

3日後の日付で録音されていた留守電には、レアン自身の声で意味不明なメッセージが残されていた。

その日から、レアンは不気味な顔の人たちの気配を常に感じるようになり、どんどんとレアンは精神的に不安定になっていく。
異変に気付いたベスは3日後の月曜日にレアンの元へと急いだが、その時にはもうレアンは歩道橋から列車へと飛び込んでいた。

そして、次に電話を受けたのはレアンの元彼氏のブライアン。
やはりブライアンもその呪いの着信時刻に命を落とす。

次々に自分の周囲で死者からの着信を受けた人間が死んでいく。
ベスは警察に相談するが、妄想扱いされてしまう。
だが、シェリーの兄のジャック刑事だけは別だった。

そんな時、やはり同じ大学のテイラーに呪いの電話がかかってくるのだった・・・。


ハリウッドってのは、なんとホラー作りの下手なことか!!

驚くほどに怖くない。

怖がらせ方が雑ってか、即物的?
まぁ、即物的は即物的なりに、ビクッとしたりはするんだけど、あくまで「ビックリ」とか、ビジュアル的な気持ち悪さのレベルを出ない。

アメリカの方は、精神に迫るってアプローチが出来ないのかな?
それとも文化的な違いなんだろうか?
そもそも恐怖を感じる対象とか、感じ方が違うのか?

そんなコトを勘繰ってしまうほどに、怖くないホラー。

ホラーで答え合せしちゃダメなんだよ。
そんで、正解に辿り着いちゃダメなんだよ。
いや、そもそも心霊現象で合理的な答えに辿り着くって考え方に疑問があるなぁ。

しかも、都合よく主人公だけ生き延びるって、どうよ。
まぁ、主人公の過去と重ねて・・・な意味合いなんだろうけど、オチまでいくとそれにも疑問が残る。
そのオチも深読みすればって話で、普通に観れば単に御都合になっちゃってるかな。

まぁ、最終的にはサスペンス的な感じでちょっと盛り上がったけどね。


最終評価 B−


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August 18, 2012

私は貝になりたい

私は貝になりたい


太平洋戦争末期。
戦火が本土に及んだ昭和19年。

高知で理髪店を営む清水豊松(中居正広)は妻(仲間由紀恵)と息子でささやかながら幸せに暮らしていた。
だが、そんな清水の元に召集令状が届く。

国内での訓練のさなか町を焼いたB29の編隊。
地上からの対空砲火によって撃墜されたB29から脱出した米兵を捕えた清水の部隊は、瀕死で言葉も喋れない捕虜を処刑することにする。

足が悪く、気の弱い清水は、以前から上官から目の敵にされていた。
そして、この機会に性根を叩き直すとの名目で処刑者に選ばれてしまう。

「上官の命令は内容の如何を問わず、天皇陛下の命令である。」

部隊の仲間が並ぶ中、そう上官に恫喝され、殴られ、やらなければ銃殺と銃口を向けられる。
清水は震える足に力を込め、目をつむり、捕虜に向けて銃剣を突き出した。

そして、終戦を迎える。

高知に帰って平穏に暮らす清水を米軍のMPが逮捕する。罪状は、捕虜の殺害。

BC級戦犯として軍法会議にかけられた清水に下された判決は、絞首刑。

そして清水は拘置所で刑の執行を待つ身となった。


黒澤作品「羅生門」「七人の侍」を手がけた脚本家・橋本忍のライフワークとも言える作品。
1958年のTVドラマ版、59年の映画版、94年に再ドラマ化、そして50年の時を経て2008年の映画化により完成をみる。

とにかく中居君の演技が良くて、引き込まれていく。

戦中に起こった軍事犯罪を裁くBC級戦犯裁判。
証拠もなく、言葉も通じない状況の中、ほとんど無罪の男が死刑を言い渡される不条理と無情を描いた作品。
何の力もない市井の男が戦争に翻弄され、彼の過去も、希望も、愛も、家族の努力も、全てが踏みにじられていく。

戦争の中で起こる不法行為は数知れず、戦争だからと言ってその罪が許されるわけもない。
本当に罪を犯したBC級戦犯ももちろん沢山いただろう。

だが、清水の様にボタンの掛け違えのようなちぐはぐさの中で裁かれていった戦犯も多く居た事だろう。
それを「仕方が無い。」で流してしまっては、彼らの無念が報われない。

そんな声無き無念が、日本の8月には詰まっている。
時が経ち、戦争を経験した人も少なくなっていく。でも、忘れてはいけない。風化させてもいけない。

誰であっても戦争になれば清水になる可能性がある。
戦争になれば他人を傷つけ、殺し、殺され、裁かれ、平穏でささやかな幸福は引き裂かれる。

この映画を観て、ただ想うのは「戦争は絶対に嫌だ。」ということ。

映画としては、苦しさだけがある。
無情にも死刑になる男の希望が摘まれていくだけで、喜びは少ない。
でも、それこそが反戦のメッセージとなる。

だからこそ、この作品には価値がある。


最終評価 A−



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April 19, 2011

ワールド・オブ・ライズ

ワールド・オブ・ライズ


リドリー・スコット監督
レオナルド・ディカプリオ、ラッセル・クロウ


イラク戦争が泥沼化し、アメリカは長期化お兵士たちの訃報に疲れていた。
一方、イスラム原理主義者たちは状況に慣れ、テロは巧妙になり、その攻撃は苛烈さを増していた。

アラビア語を自然に話し、中東の文化に詳しいCIA工作員のフェリス(レオナルド・ディカプリオ)は、上司であるホフマン(ラッセル・クロウ)の指示で、イスラム原理テロリストの黒幕アリ・サラームを追っていた。

イラク、ヨルダン、アメリカ、ドバイ。

世界を股にかけ、冷徹なホフマンの指示に振り回されながらも、作戦を遂行していくフェリス。

現場のフェリス。遠くアメリカから指示を出すホフマン。

フェリスの目の前では今の今まで言葉を交わした仲間が死に、「自分を信じろ。」と言って口説いた情報提供者が保護されずに見殺しになる。
そんなフェリスにホフマンがかける言葉は「綺麗事は通用しない。」それだけ。
あまりにも無情で底の見えないホフマンの指示に、フェリスは心からは従えないでいた。

そんな中、フェリスの企画立案した作戦がホフマンとの意識のズレによって危機を迎える・・・。


冷徹な作戦を現場で指揮しながらも、心の底に優しさを残してしまったCIA工作員にレオナルド・ディカプリオ。
遠くアメリカでアットホームなパパでありながら、無情なる作戦指揮官にラッセル・クロウ。

2人の男が、せめぎ合う。

そして、この作品の対立軸はもうひとつ。

アメリカと中東の価値観。
金と技術力で戦い、価値観を押し付けるアメリカをホフマンが体現し、人と人の信頼関係で戦うアラブ人の文化をテロリスト達の戦い方で表現する。

CIA工作員を主役に、テロリストを追う作品を描いているが、テロリストの温床たる中東を悪とは描かない所に非常に好感が持てる。
むしろ、この作品の中では中東世界の中で「悪」であるアメリカの手先であるフェリスが、人との繋がりを重視する中東世界に心を寄せていく様が描かれている。


アクション映画として見れば地味。
スパイ映画、サスペンス映画として見ると、ひねりが無い。

だが、アメリカを中心とする欧米の価値観から抜け出し、アラブの中で愛する人を見つけたフェリスの成長物語としては魅せる。


エンターテイメントの基本は押さえた社会派作品。人間ドラマも織り込んだリドリー・スコットの丁寧な作りが流石です。


最終評価 A−

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September 10, 2009

我が教え子、ヒトラー

我が教え子、ヒトラー


1944年12月25日。
連合軍の猛攻を受け、廃墟となったベルリン。

瓦礫のベルリンにセットを組んででも、今なおドイツ帝国は健在と国威を示さなくてはならない。
ナチスの命運をかけた新年パレードまであと5日。

戦況の不利を覆すべく、ヒトラーの新年の演説に国威の復活の望みをかける情報相ゲッペルスは1つのアイディアを実行に移した。

ヒトラーは今、心身ともに弱り、国民の心を惹き付けるカリスマからほど遠い。
過去、ナチスが、ドイツ帝国が、炎の様に燃え上がった1939年。
あの当時のヒトラーが必要なのだ。

ゲッペルスは当時ヒトラーの演説指導をしたユダヤ人俳優グリュンバウムを収容所から呼び戻し、ヒトラーへの個人指導を依頼する。

グリュンバウムとヒトラー。2人だけの個人レッスンが始まる。


非常にシュールで上質なコメディ。

ユダヤ人の監督に手によって作られた、事実を下敷きに作られた作品。

会話の途中でも杓子定規に「ハイル・ヒトラー」を叫ぶ軍人達。
戦場で腕の動かなくなった右腕に敬礼強制ギプスをはめる政府高官。
黄土色のジャージを着るて、ボクシングの真似事でユダヤ人にノックアウトされるヒトラー。
瓦礫の山にセットを組んだパレードに熱狂する国民。

その姿は、どれも笑いを誘うと共に、哀しい。

グリュンバウムとヒトラー。
不思議な関係の2人が、危ういバランスの上で言葉を交わしていく。
心の片隅に「ヒトラー暗殺」の想いを秘めるグリュンバウム。
だが、愛に餓え、周囲を信用できなかったヒトラーがグリュンバウム教授にだけ心を開いていく。

敗戦濃厚、瓦礫の山になったベルリン。
その廃墟の中で、自分は裸の王様であることを知るヒトラー。それでも、裸の王様であり続けるしか道は無い。
愛に餓え、その裏返しから虐殺への道を歩き続けた彼と、その狂気に翻弄されたドイツとユダヤ。

コメディなのに、その絶妙な距離感が「こんな辺りが真実なのかもね。」と感じてしまう。

敗戦直前のヒトラーの狂気を描いた作品は他にもあるが、この作品は秀逸。



以下は映画自体の評価とは少し離れます。

どこか悲しく、おかしく、愛らしくさえ見えるヒトラー像。
ユダヤ人監督の手によってこの作品が生み出された事に価値を見出したい。

戦後60年を越え、猛烈な憎しみは和らぎを見せ、憐憫であっても相手への理解と許容が生まれてきたからこそ、この作品は生まれた。
監督1人の心の変化ではなく、多くの人の心にこの作品を許せる土壌が無ければ、映画作品としては成立しない。

僕は「チベット問題」を語った時の自分の答えに証明を貰ったようで嬉しかったです。

解決するのは「時間」。その答えの1つがここにある。

人間は、血を流さないで理解を進めれば、どんな過去だって乗り越えていけるんだ。


最終評価 A−


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February 24, 2008

嗤う伊右衛門

嗤う伊右衛門

剣の腕は立つが、立身出世から離れ、浪人暮らしをする侍・堺野伊右衛門(唐沢寿明)。
彼は生まれてこのかた笑ったことのない程の固い男。
世捨て人の如く暮らす彼に縁談が舞い込む。
相手はれっきとした武家の娘・お岩(小雪)。
元々は器量の良かった彼女は天疱瘡を患い、顔の右側が醜くただれ、右目は白く濁ってしまっていた。だが、岩は顔は醜くただれても、その心は綺麗で真っ直ぐな美しい娘だった。

伊右衛門と岩の縁談は、岩の父親が鉄砲の事故で役を解かれ、民谷家の危機になんとか後継ぎを作るための縁談。だが、二人は互いに惹かれ、心を通わせ、幸せな日々を送るようになる。

しかし、そんな幸せの日々は長くは続かない。
かねてより岩に想いを寄せていた伊右衛門の上役、伊東喜兵衛(椎名桔平)にとって、仲睦まじく暮らすお岩と伊右衛門は苦々しい存在だった。
二人を面白く思わない伊東の謀略によって、二人は離縁してしまう。

この離縁で悲劇が走り出す。

離れても伊右衛門の幸せを願う岩。
岩の事が忘れられないままに伊東にあてがわれた女・梅を妻として迎えた伊右衛門。
伊東の子を生みながらも伊右衛門を慕う梅。

伊東の手の中で幸せになるはずの人たちの歯車が狂う。


井戸から「いちまーい。にまーい。」と皿を数えるお岩さんが現れるので有名な四谷怪談。
その話を下敷きに、京極夏彦が再構成して生み出した小説「嗤う伊右衛門」。その実写映画化。

愛する人の為に他の全てを犠牲にする。
人を愛する業の深さ。
人の業が業を呼び、それは縁となって人を縛る。


原作は読んでなかったので、もっと「怪談」的なモノを想像していましたが、全然そんなことは無かったです。これはホラーではなく愛憎劇。
本当に愛憎って言葉がしっくりくる。
愛してるから憎い。
憎いけど、愛している。
その表と裏の絶妙さ。 

うーむ。京極夏彦。やるなぁ。

彼の本はあのブ厚さにヤラレてなかなか読みきらないんですが、映画化って形で誰かのフィルターがかかってもその凄さは伝わってきます。

唐沢寿明の演じる伊右衛門の表情が凄い。場面に合わせて、本当に同じ人かと思うほどに変わる。凄い演技力を見せつけてました。
あと椎名桔平の演じる伊東の悪いこと悪いこと。そんなヤツぁ居ねえだろって位に悪い。
でも、彼が悪ければ悪いほど、静かに怒る伊右衛門とのコントラストがはえる。

まぁ、なんとなく岩と伊右衛門の離縁のくだりが急ぎ足でしっくりこない感がありましたが、まぁ、原作はもう少し違うのでしょう。

京極夏彦・・・・読むかぁ。

最終評価 B+

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January 06, 2007

11月19日 ワールドポリス★チームアメリカ

No.85

ワールドポリス★チームアメリカ

サンダーバードみたいな人形劇。

世界の警察気取りでテロリストを追い、ありとあらゆる場所で活動する(あらゆる場所でミサイルぶっ放し、銃撃戦しまくり)ワールドポリス・チームアメリカ。
民間人を巻き込むことなんかお構いなし。テロリストの撲滅が最優先。
周囲の施設を巻き込むことなんかお構いなし。テロリストを逃がしたらどうするんだ。

『テロリストが逃げたわ!!』(ルーヴル美術館に逃げ込むテロリスト)
『決して逃がすな!!』
 
ミサイル発射!!  ドーーーーン!! (ルーヴル爆破)

『いぃやっほーー!!』 (ハイタッチで喜ぶチームアメリカの面々)

そんな感じでエッフェル塔・ルーヴル美術館・ピラミッド・王家の墓etcetc・・・。次々破壊。

更にはチームアメリカの行動を非難する文化人や俳優達が次々に現れては、何故か彼らと戦い、惨殺されていく。マイケル・ムーア、マット・デイモン、キャサリン・ゼタ・ジョーンズetcetc・・・。
きわめ付けにテロリストの親玉は当然、キム・ジョンイル。

全員実名。

いいのか?コレ? シュール過ぎませんか?
しかも、爆破やら惨殺シーンやらが人形なのに妙に生々しい。

超シュール。

コレをアメリカ人が作成してる。
アメリカって国は寛大なんだか、バカなんだか・・・。

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December 20, 2006

11月18日 笑の大学

No.82

笑の大学

稲垣五郎 役所広司 出演

昭和15年、日本は第二次世界大戦へと転がりだし、華美は諌められ、芸術は国の検閲を受ける時代。当然、演劇も検閲を受けていた。

劇作家・椿一(稲垣五郎)は新しく書き上げた台本の検閲の為に警視庁保安課検閲係に出向いた。そこで待っていたのは『今まで心から笑ったことが無い』と豪語する検閲官・向坂(役所広司)だった。

椿の台本に次々と駄目を出す向坂。
しかし、椿はその到底修正出来ないと思う無理難題を苦しみながらも注文通りに修正してみせ、より面白い作品へと昇華していく。
一本の台本を通した2人の攻防は次第に熱を帯び、傑作の戯曲が生まれていく・・・。

そして、一本の戯曲を通じて対立していたはずの検閲官と戯曲作家の間には生まれるはずの無い友情が芽生えていく。

稲垣五郎の演技は狙いなのか、ヘタなのか?結局最後まで判断付きかねました。まぁ、どっちにしろ彼の演技は微妙ってコトで。
あと、当時の検閲官として向坂は甘すぎるんじゃないのかなぁ?もう少し向坂が厳しい期間が長くても良いんじゃないでしょうか?
てか、一週間でこの2人は打ち解け過ぎです。

最終評価 B

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May 27, 2006

5月13日 ワイルドシングス

ワイルドシングス

No.18

 性犯罪が溢れるアメリカ。高校のカウンセラーのサム・ロンバートは生徒の1人で大富豪の娘・ケリーに好意を寄せられるが、あくまで教師と生徒の境界を越える事は無かった。ケリーは思い切ってサムの家に上がり込み、自分の体をサムに捧げるが、それでもサムはケリーに手を出さない。
 自分に手を出さないサムにプライドを傷つけられたケリーは架空のレイプ事件を捏造して彼を訴えた。

 濡れ衣のレイプ事件で訴えられたサムは、その地域の名士である大富豪を敵に回し、職を失い、恋人も失い、街ではレイプ魔の扱いを受け、再起不能なまでに追い詰められていく。

 しかし、世間の注目を集めたこの架空のレイプ事件には裏があった・・・。


 裏切りに次ぐ裏切り。どんでん返し。途中までは緩慢に進むストーリーにビバリーヒルズ的なTVドラマかと思うが、ストーリーが展開しだすと一気にテンポが上がる。途中で繰り返すどんでん返しがパターン化するので、ちょっと先が読めるが充分に楽しめた。
 DVDのパッケージだけ見るとただのセクシー映画っぽく見えますが、結構中身のあるサスペンスに仕上がってました。ちなみに、レンタル屋のジャンル分けではセクシーに分類されてました。
 後輩のオススメじゃなければ手には取らなかった作品。意外に良いですよ。

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July 31, 2005

2月13日 WASABI

No.12
WASABI
レオンのリュック・ベッソン監督。
ジャン・レノと広末涼子が共演。
リュック・ベッソン作品は大体好みなので、見てみることに。


フランスのはみだし刑事(表現古ッ)ユベール(ジャン・レノ)は、19年前に別れた日本人の恋人・ミコを忘れられずにいる。
捜査上のやりすぎから、休暇を与えられたユベールのもとにミコが亡くなったと連絡が入る。
そして、遺言の立会人として日本に来て欲しいと・・・。

日本を訪れたユベールの前に、それまで存在を知らなかったミコと自分の娘・ユミ(広末涼子)が現れる。
ミコの遺言には『ユミが20歳になるまでの面倒を見ることを条件に、遺産を全てゆずる』とあった。
遺産の総額は2億ドル。

謎に包まれたミコの死因と犯罪の匂いのする2億ドル。
そして、ユミを狙う謎の男たち。
ユベールはユミに自分が父親だと名乗り出られないまま、彼女を守りながら、ミコの残した手がかりを追う。


洒落たジョークのような作品。
流石はフランス映画。ハリウッドには無いセンスが感じられる。

テンポの良さと、ジョークが利いた、それでいて最後にはホロリとくる良質な作品。
やっぱりリュック・ベッソン作品が好きだなぁ。


最終評価 B+ 

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