楽しい本

July 24, 2020

灰と幻想のグリムガルLevel,13 ドラマCD特装版




心、ひらけ、新たなる扉

灰と幻想のグリムガルLevel,13 ドラマCD特装版
十文字 青 著
オーバーラップ文庫

ログ確認すると「灰と幻想のグリムガルLevel,13」の通常版は発売日に買って、翌日レビュー書いてます。
もしも本編をお求めの方はリンクへお願いします。


で、今回、ドラマCD付き特装版を買いなおしました。
近所の本屋の閉店セールで安くなってたもので。
半額だったもんで。

そして、オマケの特典ドラマCDを初めて聞きました。

すげぇ、良いよ。この特典・・・

なんだよ、このクオリティ。
なんだよ、このストーリー完成度。
なんだよ、泣かせにくるなよ・・・



Level,unk ゆきて帰りし地のエニグマ

「アウェイク」ーーどこからともなく聞こえてきたその声で目覚めたハルヒロは、見知らぬ場所でパーティのみんなと出逢う。
そこには、マナト、モグゾー、クザクもいてーーー?!

これは小説・アニメでも描かれていないグリムガル異聞。


見知らぬ無人島で目覚めたハルヒロたち一行。
ハルヒロ、ランタ、モグゾー、マナト、ユメ、シホル、メリイ、クザクの8人は、何も持たず、そして目覚める前の記憶を失っていた。

全く初対面のはずのメンバーなのに、なぜか知っている気がする。

手探りで食べ物を探し、手探りで火を起こす。
全て手探りで出来ることをやっていく。
異形の生き物に追われ、離れ離れになることもある。
でも、なんとなく「これくらいのことは何とかなる。」そんな意識がある。

小さな手がかりを見つけ、どこかは分からないけど「帰るべき場所」に帰るため、ハルヒロたちは島の探索を続けるのだった・・・


原作者書き下ろしの台本でアニメの声優さんたちが演じる、死んだはずのマナトとモグゾーのいる世界。

マナトとメリイの新旧神官の掛け合いとか
モグゾーとクザクの新旧盾役の掛け合いとか
マナトとシホルとか、アニメには居なかったクザクの声とか。

ファン的には堪らない内容が詰まったファンディスク・・・・ の域を超えた内容でした。

まさかドラマCD聞いて泣くとはよ。
「特装版抱き合わせ商法だ。」とか思って、どうせただのオマケのファンディスクだろうとタカを括って買わなかった2年前の自分、愚か。

死者との邂逅というのがグリムガルの世界観に合っていて、しかもアニメ版の音楽や声が堪らなくイイ・・・。

ドラマCDってのも、文字、アニメとは違うひとつの表現として成立すんだなと、このCDを聞いて初めて思いました。
今ままで聞いたドラマCDって、そういうレベルに達してないお遊び感アリのものばっかだったんでナメてました。

ありがとうございます。>製作者の皆さん



know_the_base at 08:12|PermalinkComments(0)

July 11, 2020

ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり〈5〉冥門編

ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり〈5〉冥門編
柳内 たくみ
アルファポリス
2011-12-01



ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり〈5〉冥門編
アルファポリス
柳内たくみ


異世界と現世を繋いだ門。
冥王ハーディが開いたその門は、本来なら起こり得ない負荷を両方の世界にかけ続けていた。
その負荷は、天変地異となって現れていた。

門を開く力をハーディに与えられた魔導師レレイは、一度門を閉じることを提案する。
だが、それは賭け。

果たしてもう一度門を開くことは出来るのか。
門を閉じたとしてこちらとあちらの時間経過は同じなのか。
そもそも天変地異と門が関係あるのかも確証はない。
門を通じて生活を築いてきた者も多くなり、異世界への利権に食い込みたい世界各国の思惑も混ざり合う。
試しに閉じてみるわけにもいかず、門の開閉に世界の耳目が集まる。

そして、その鍵となるのは開閉の力を持つレレイ。
日本政府は鍵の情報を秘匿しているはずなのに、情報はどこからか漏れ出していく。

門の開閉問題を抱えたまま、帝国正規軍を率いる皇太子ゾルザルと皇帝が自衛隊の力を後ろ盾にした正統政府の戦争は激しさを増していくのだった・・・。


自衛隊✖️異世界を描いた「ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり」の第一章最終巻。
初期コンセプトはこれにて完結。

序盤から着々と散りばめられてきたエピソードや人間関係がひとつひとつ清算され、決着をつけていく。
ある人は幸せになり、ある人は苦さを噛みしめ、ある人は命を散らす。
自衛隊側、異世界側と、数多くのキャラクターがそれぞれの想いと思惑で動く群像劇の最終章なので、一応の主人公である伊丹は、この巻に関しては添え物の扱い。
もちろん大筋の美味しいトコを持ってはいくけれど、登場頻度はかなり少なめ。
この最終巻だけ読むと、この物語は帝国を率いることになってしまった皇女・ピニャの成長物語だったんじゃないかとさえ思う。

かなり分厚い小説なので、読み応えはかなりありましたし、それを最後まで読ませてくれる内容でした。
自衛隊の装備に関する記述や、自衛官の抱いている不満や立ち位置の微妙さなど、その辺のマニアックな知識が物語に厚みを作ってくれてる。

著者なのか、自衛官なのか分かりませんが、自衛隊という組織が持つ矛盾のエネルギー。
それを世の中にマトモに伝えて発散できない鬱憤みたいなものを感じざるを得ない。

なので、中身はかなり自衛隊に好意的だし、自衛隊寄りだし、自衛隊がかなり無茶苦茶する。
ちょっと「ん?ありか?これ。」と思わなくはない。
でも、その無茶苦茶したいっていう願望が作品のエネルギーになってるから、読者としてはまぁ良いかなと流す感じで。

もう少し武力を振るう自衛官に葛藤とか欲しい気がしますが、ラノベにどこまで求めんだって話。

これはラノベですからね。
ラ、ノ、べ。

続編あるのは知ってるし、ここからどう繋げるのかは分かりませんが、次も手にする予定。



know_the_base at 13:29|PermalinkComments(0)

July 06, 2020

ゲート―自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり〈4〉総撃編




ゲート―自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり〈4〉総撃編
アルファポリス
柳内たくみ


帝国を乗っ取った皇太子・ゾルザル。
それに対するのは、病に倒れ幽閉されていた皇帝と皇女ピニャ。

自衛隊によって救出された皇帝は、自衛隊とゆかりの深いイタリカの街で正統政府を立ち上げ、ゾルザルに対抗する戦力を集める。
だが、集まった戦力はゾルザルの元にある正規軍とは比べるべくもなく、なんとか対抗できるのは自衛隊のおかげ、と言った危うい立場だった。

一方、ゾルザル側も技術力に圧倒的な差がある自衛隊に対し、正攻法を取ることは出来ず、住民を巻き込んだゲリラ戦による焦土作戦を展開する。

三竦みの様な状況の特地にマスコミや他国の調査隊が入り、日本政府の立場も盤石とは言えない。

そして、更なる問題が起こる。
冥王ハーディが作り出した「門」によって繋がれた二つの世界。
本来なら結びつかない2つの時空が長期間にわたって繋がった結果、世界に歪みが生じてきていた。

地震に代表される天変地異や、アポクリフと呼ばれる死の霧の発生。
それを抑えるには、一度「門」を閉じる必要がある。

2つの世界の運命が激流に向かいだす・・・・。


起承転結で言うなら、物語が大きく動く転にあたる第4巻。
最終章に向かって、クライマックスの舞台が整えられていく。

皇太子ゾルザル対、正統政府・自衛隊連合軍の決戦。
そして、門の開閉の鍵となってしまった魔導師レレイと伊丹一行。

盛り上がるなぁ。
盛り上がる。

で、盛り上がるのも良いけどさ。
特地とは言え、自衛隊がめっちゃジャンジャンバリバリ戦闘して、相手のこと殺しまくりの、自衛官にも殉職者とか出ちゃってますけど?

まぁ、戦争ですし。
自衛隊も暴力装置なんでね。
自衛隊も殺しますし、殺されます。
そりゃね。
うん。
フツーだね。フツー。

うーん?
そう、なの?

まぁ、この感想こそが平和ボケって言われればそれまでだけど、自衛隊が殺し殺されるのって違和感ある。

前の巻までも結構殺してましたが。
・・・この巻からはリミッター外れてる。

てか、特地の住人を自衛隊が殺してる分にはまだしも(いやいや)。
自衛官に殉職者出ちゃったら、国内のマスコミがもっと酷い報道をすることになると思うんだ。

現代日本では「自衛官だから殉職もあるよね」的に、すんなりとはいかないと思うんだけどなぁ。

その辺の違和感を気にしないなら、楽しめる。


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July 03, 2020

ゲート―自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり〈3〉動乱編




ゲート―自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり〈3〉動乱編
アルファポリス
柳内たくみ 著


銀座に現れ、殺戮を尽くした異世界の帝国軍。
だが、その帝国軍も大部分は討伐され、そして一部分は日本で捕虜となっていた。

特地を呼ばれる異世界に拠点を作り、着々と活動範囲を広げていく自衛隊。
いずれは特地を開発し、資源を得ていきたい。
植民地が許された時代ならまだしも、現代で無理な支配や搾取は行えない。
特地を狙う諸外国につけ入る隙を与えず、有権者に見離されず、それでいて利益を得るには、特地を支配する帝国といつまでも戦争状態にいるわけにいかない。

日本と帝国の講和交渉を進めるため、まずは捕虜の返還が行われた。

その返還式典の朝。
帝国の門に掲げられた炎龍の首。
伊丹達が討伐した炎龍の首が衆人の目に晒され、その偉業に敬意が集まる。

だが、その偉業を面白く思わないのが、皇太子ゾルザルだった。

かつて日本人の女性を性奴隷としていたゾルザル。
だが、伊丹と栗林によって奴隷は奪われ、その過程でかつてない暴力がゾルザルを襲った。
自分のプライドと歯を叩き折った伊丹への恐怖は、ゾルザルの心の底に刻み込まれていた。
その伊丹達が所属する日本との講和を進め、しかも炎龍討伐の偉業を称えるなど、到底許せるものではなかった。

このまま帝国が敗戦国として講和するなど、あり得ない。
なんとか自衛隊に一撃を入れなければ。

そうゾルザルが心に誓った時、ゾルザルを無視して式典を進めていた皇帝が倒れる。

帝位の継承者として帝国の全権を手にしたゾルザルは、法を変え、強権的な独裁を推し進めていく。
講和派の貴族達を次々と捕らえ、奪い、殺し、自分に耳障りの良い主戦派だけを集めていく。

その恐怖政治は、講和交渉のために帝国に滞在する日本の使節団にも届こうとしていた・・・。



単純な暴力装置だった炎龍の次は、肥大した自尊心と妄執に囚われた皇太子ゾルザル。

ゾルザルは、毛沢東とヒトラーとポル・ポトを足して割って、バカにした感じ。
とにかく嫌な存在として描れる。

そのバカが暴虐の限りを尽くした後、我慢に我慢を重ねていた自衛隊の反撃にあって、堕とされるカタルシス。

一方で権利意識ばかりが肥大化したマスコミが獅子身中の虫として、徐々に自衛隊の活動を阻害し始める。
自衛隊側を主人公にすれば、マスコミってのは、搦手から足を引っ張ってくる嫌な存在になるのは当然。

圧倒的な実力を持っているにも関わらず、法律、政治、マスコミ、世論と、様々な制約を受けて全力を出すことが出来ない自衛隊。
小説の中ではそれがまだるっこしいが、それでこそ自衛隊でもある。


まぁ、自衛隊側の主張や目線をリアルで言い出すと危険なので、こうやってファンタジー小説で表現してるくらいがちょうど良いんじゃない?と思ったりする。




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June 28, 2020

ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり〈2〉炎龍編

ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり〈2〉炎龍編
柳内 たくみ
アルファポリス
2010-08-01



ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり〈2〉炎龍編
アルファポリス
柳内たくみ 著


突如、銀座の中心に現れた異世界への門。
「特地」と呼ばれる異世界で、圧倒的な力を見せつけた自衛隊は、異世界側の門があるアルヌスの丘で橋頭堡となる拠点を作る。

銀座での無差別殺戮(銀座事件)時に市民を守った英雄・自衛官の伊丹耀司は、特地へと派遣される。

偵察隊として小隊を率いる伊丹は、ハイエルフのテュカ、亜神のロゥリィ、魔道士のレレイらと出会い、少しづつ言葉を覚え、地理を知り、常識を知り、特地との関わりを深めていく。

一方、新たなる大地、新たなる資源の宝庫である特地を狙い、中国、アメリカ、ロシア、EU各国は虎視淡々と日本の隙を窺う。
日本もまた、なんとか地の利を生かすべく、銀座事件の主犯である帝国との交渉に臨むのだった。

世界が特地を巡って動き出す中、そんなことを無視して古代から災厄と恐れられた炎龍の被害が広がり続ける。
テュカの里やレレイの故郷を焼き、人をく荒らす炎龍は、今は南部でダークエルフの里を餌場としていた。

ダークエルフの命運を賭けた使者・ヤオは、炎龍を撃退したと噂される緑の人の助力を得るべく、アルヌスの丘に向かうのだった・・・・


戦国自衛隊ならぬ異世界自衛隊、ゲートの第2巻。

今度の敵は、空飛ぶ巨大戦車・炎龍。
強靭な鱗に身を守られ、戦闘機ばりの制空力を持ち、爆炎を吐き、爪で鉄を切り裂く。
異世界の弓や剣、魔法では太刀打ちできない、まさに災厄とも呼べる存在。

戦闘機や戦車を投入出来れば退治も可能だが、国境付近で暴れる炎龍に対し、簡単に軍を動かすことも出来ない。
紆余曲折あって、伊丹が独断という形で炎龍退治に向かうことになる。

結構な長編構想で書かれている(らしい)このゲートシリーズ。
1巻は序章に過ぎず、世界観や自衛隊と異世界の戦力差、登場人物紹介という感じが強かった。
なので、この2巻からやっと本編という感じ。

今後、日本と世界各国、日本と異世界側の国々との関わりの中でキーマンになっていくであろう、主人公・伊丹。
ただのイチ自衛官だった伊丹が、異世界最強の存在・炎龍とやり合い、異世界でも英雄としてキーマン感を増していく。

次の巻あたりからは、帝国中枢との権謀戦になっていく予感。

単純な武力だけで俺TUEEEEEしてるのは、この辺までかな。
てか、そうじゃないとツマランし。

数少ないマトモ(?)な異世界モノとして、小説として面白くなって欲しい。



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June 17, 2020

ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり〈1〉接触編

ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり〈1〉接触編
柳内 たくみ
アルファポリス
2010-04-01



ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり〈1〉接触編
アルファポリス
柳内たくみ 著


銀座の中心に突如現れた、異世界と現世を繋ぐ門。
門から現れた異形の生き物や戦士、騎士たちに銀座が蹂躙された。
後に「銀座事件」と呼ばれる襲撃は、自衛隊によって鎮圧された。

門の向こうは、未開拓の世界。
新しい生態系、新しい資源、新しいエネルギー。
人類にとって無限の価値を持つ新世界。

世界中の国々が、新世界の分け前を狙って動き出す。

否応なしに新世界へのアクセスとキャスティングボードを握ることになってしまった日本は、特地と名付けた門の向こうの側へ、自衛隊が派遣した。


元自衛官の著者が、それなりにリアリティのある自衛隊描写を交えながら描く異世界交流ファンタジー。
「戦国自衛隊」の異世界版。
戦力、文明ともに圧倒的に進んだ主人公側が俺TUEEEEをする展開は、お約束。

それでも、最近の雨後の筍よろしく現われる、文法も語り口も目的やストーリー展開さえもグダグダな異世界モノと比べて、随分マシ。
異世界モノの中では古株な作品だけある。

自衛隊の内部描写や、武器・装備類にリアリティがあるのがデカイ。
まぁ、実際の自衛隊の中なんか知らんのだけど。
それに作中の敵は、異世界側のモンスターや騎士たちと言うより、現世の他国だったりするので、ストーリーが弛緩しすぎないのも良い。

多分、著者的に世の中の自衛隊への認識に不満があるのだろう。
自衛隊がめっちゃ強く、格好よく描写されている。
別に良いけど。
こっちはミリオタでもないんで、そんなに力強く自衛隊の実力をイキられてもなぁ。

一応は続きを読んでも良いと思える作品でした。



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April 16, 2020

賭博師は祈らない 3

賭博師は祈らない(3) (電撃文庫)
周藤 蓮
KADOKAWA
2018-03-11



賭博師は祈らない 3
周藤蓮 著 ニリツ・イラスト
電撃文庫

両親を殺され、ノーマンズランドの地主代行となっていた少女・エディス。
彼女を救うべく挑んだ勝負の中で負った負傷を癒し、ようやく当初の目的地である温泉と賭博の街・バースに辿り着いたラザルスとリーラ。
ラザルスたちに同行する地主代行の役目からも解放されたエディスとメイドのフィリーと共に、観光としゃれこむ予定だった。

だが、ギャンブルで街を盛り立てたバースの街は、今、権力争いの中にあった。

長年バースを牛耳る儀典長・ウェブスターと、伊達男の異名を持つ副儀典長・ナッシュ。
圧倒的な権力地盤を握るウェブスターに歯向かう、若いイケメン。

賭け事を司る役職を巡る権力闘争。
その勝負のカギを握るのは、望まずして賭博師としての知名度を得てしまったラザルスだった。


賭博師は祈らない第3巻。

最初は「座れ」と言われるまで無言で立ち続けた奴隷少女リーラが、ラザルスとの生活の中で着々と人間味を増していく。
一方で、リーラとの生活の中で、人間として当たり前の感情や判断をするようになっていくラザルス。
この2人の変化は、一見喜ばしい。

でも、普通の人間として当たり前いなることで、「賭博師であること。」しか存在意義がなかった時の、賭博師としての強さがラザルスから失われていくことと同義。

賭博師と言うのは、遅かれ早かれどこかで賭けに負け、命を散らす。

ラザルスは最初から「俺はいつか賭博師として死ぬ。」と言い続けているし、多分、次の巻辺りでこの3巻までの圧倒的な賭博師としての強さが失われだすのかな・・・なんて、先回りして心配してしまう。

で、リーラと離れて賭博師として生きるかどうか迷ってる中で窮地に立たされ、それをリーラが賭博師としての才能の片鱗を見せて救ったりするのかな。
なんてラストを妄想したりしてしまう。


ラストの妄想が出てくるようになってきたし。
賭博師が主人公である以上、ギャンブルが物語の中心にあり、ラストの勝負はいつもギャンブルだし。
18世紀のイギリスが舞台である以上、あまり奇抜なギャンブルは作れないだろうし。

そろそろ物語も折り返し地点を過ぎて、後半に入っていくのかな?


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April 09, 2020

賭博師は祈らない 2

賭博師は祈らない(2) (電撃文庫)
周藤 蓮
KADOKAWA
2017-08-10



賭博師は祈らない 2
周藤蓮 著 ニリツ・イラスト
電撃文庫

「ねぇ、ラザルス。私と結婚しましょ?」

奴隷少女のリーラ救出劇から一週間。
賭場を負かして1人の少女を守った代償は大きかった。

ラザルスが狙った通り、その騎士的な物語は大々的に帝都のマスコミに報道された。
それは、ラザルスが本気になれば賭場を負かすことさえ出来る賭博師であることを世間に知らしめることだった。

賭場に目を付けられないよう「負けない、勝たない。」を信条にしていたラザルスにとって、それは真逆の在り方。
ラザルスは、ほとぼりが冷めるまで帝都を離れることを決めた。

ラザルスとリーラが目指すのは、温泉と賭博の観光都市・バース。

だが、2人の乗った馬車が強盗に襲われ、しばらくの逗留を余儀なくされる。

目立つ奴隷を連れたラザルスを泊めてくれる宿がなく、困っている時に出会ったのは、自分の頭にピストルを向けて震える少女・エディスだった。

不慮の事故で両親を失い、慣れない地主代行の仕事をするエディスの館に客として招かれたラザルスとリーラは、彼女の悩みを知ることとなる・・・。


甥っ子推薦図書の第2巻。
電撃小説大賞受賞作だった1巻は、それだけでも完結した物語でしたが、そこから「大賞を獲ったから書ける続編」は、果たしてどうなのか・・・。

と、「一気にしょぼくなる」可能性も頭の片隅にあったのですが、杞憂でした。

リーラと出会って少しずつ変わっていくラザルスと、奴隷としてではない「自分自身」と向き合い始めたリーラ。
この2人の変化と成長。
それをちゃんと盛り上げてくれるエピソードと、1冊の中に起承転結のある物語。
この一見すると「当たり前」の小説としての体をなしてない作品が多い中、ちゃんとエンタメ小説してる。

なろう系の異世界転生モノを浴びるように読んだ結果、もう「ヤマナシ、オチナシ、イミナシ」なダラダラ小説は完全に食傷。
この軽すぎない重さがあるエンタメ小説の丁度いい感じが、かなり気に入ってます。

続巻も借りてるし、どんどん読みますよ。



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March 29, 2020

賭博師は祈らない

賭博師は祈らない (電撃文庫)
周藤 蓮
KADOKAWA
2017-05-10



賭博師は祈らない
周藤蓮 著 ニリツ・イラスト
電撃文庫

甥っ子の推薦図書第二弾。


18世紀末のロンドン。
孤児を拾って賭博師に育てた奇特な養父は、ラザルス・カインドにいくつもの言葉を残した。
曰く、賭博師として守らなければいけない3つのこと。

「1つは、負けない。」
賭博で生計を立てる賭博師なのだから、これは当たり前。

「2つには、勝たない。」
これは正しくは、勝ち過ぎないこと。
賭場に目をつけられ、恨みを買って報復される。
そんなリスクを冒しては、賭場で生きていくことは出来ない。

その教えを守ってきたからこそ、ラザルスは賭場で生活してきた。
その結果、ラザルスについたあだ名はペニー・カインド。

だが、その日のラザルスは、彼の手腕に似合わず勝ち過ぎていた。
ディーラーがヘボなのか、ラザルスの運が良すぎる(悪すぎる)のか。

ラザルスは賭場の恨みを買わないため、賭場の経営者が持つ店で金を落とすことにした。

宝石は還元率が悪い、麻薬などの違法な物品は平穏な暮らしに禍根を残す。
高価で、違法でなく、面倒が少ない。

ラザルスが買ったのは、人。 奴隷だった。


第23回・電撃小説大賞受賞作。
周藤連さんのデビュー作品であるこの「賭博師は祈らないシリーズ」の方が、甥っ子推薦図書としては先に読むべきシリーズだったかも。


他人どころか、自分の将来にも、自分自身の命さえこだわらず、刹那的な今を繋いで生きてきた賭博師のラザルス・“ペニー”・カインドが、声を失った奴隷の少女と出会うことで変わりだす。

ハードボイルド風味な文体で、18世紀のロンドンを描く。
賭博師と奴隷少女の恋愛とはとても呼べない、それでも確かに通じ合う交流。

ある意味では中二病爆発とも言える内容ではあるものの、突き抜けているので気持ち良く読める。
なろう系のぐちゃぐちゃ文体でもなく、ストーリー展開もしっかりしてて、読み始めれば一気に読める良作でした。

まぁ、こっから数冊ある様なので、頑張って斜に構えてるラザルス君がどんな風にデレていくのか楽しみに続きを読もうと思います。



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March 01, 2020

吸血鬼に天国はない




吸血鬼に天国はない
周藤 蓮 著 イラスト・ニリツ
電撃文庫

恋と怪物。

大戦と禁酒法によって旧来の道徳は崩れ去った。
街を支配するのは暴力と金、そしてそれを使うマフィアたち。
毎日どこかでマフィアの抗争があり、銃撃や爆破も珍しくはない。

そんな街の片隅で生きる非合法の運び屋シーモア・ロード。

「どこまで行きます?それと、いつまでに行きます?」

決して「何を」とは問わない彼は、彼の愛車エセックスに乗るものであれば何でも運ぶ。
運ぶものの詳細を訪ねることはない。
「確実に届ける。」
それが運び屋としての、小さなプライド。

ある晩、シーモアが運ぶことを依頼されたのは、ひとりの少女。
腰まで伸びる銀髪と、金色の瞳。
常人離れした美貌を持つ少女ルーミー・スパイク。

マフィアに追われるルーミーを届けた「遠い親戚」の家は、彼女を届けた直後に爆発四散した。
そして、襲ってきたマフィアの放った銃弾で、ルーミーは頭部を吹き飛ばされた。

状況の分からないままルーミーの遺体を愛車に乗せて逃げたシーモアに、ルーミーが問いかける。
「大丈夫ですか?」と。
頭部を吹き飛ばされたはずのルーミー。
驚愕するシーモアに、彼女はこう言った。

「私は、吸血鬼ですから。」
シーモアがルーミーを「どこかへ送り届ける」仕事は、まだ終わっていないようだ。


高校生甥っ子の推薦図書。

舞台は、なんとなくアル・カポネが活躍した時代っぽい雰囲気を持った架空の街。

ジャンルは、ハードボイルド・ラブロマンス?
いや、恋の相手は吸血鬼だから、ハードボイルド・ラブファンタジーかな。
著者曰く「歴史風味ファンタジー」らしい。
もう、何でも良いか。

全体的に雰囲気を出すための言葉、雰囲気を出すための言い回しが多く、表現としてもっと直截的だった方が良いんじゃね?と思わないではない。
でも、その甲斐あってハードボイルドっぽい乾いた雰囲気はある。

そのハードボイルド風味の世界観で、吸血鬼との恋を描く。
まぁ、この2人の関係性を「恋」と言うのは、ちょっと違う気もするが。

いわゆる「なろう系」のぐちゃぐちゃ文法ラノベより格段に読みやすい。

ただ、ストーリー自体にもう一歩、いや、二歩くらい、サスペンス的かラブロマンス的かのヒネリが欲しいところ。

ルーミーに関しての御都合は「吸血鬼だから。」解決出来る。
アクション部分が御都合的に上手くいくのは百歩譲る。

だが。

何年も前に自分が配った名刺の行方を集めるという、その情報収集の方法はどうだろうか。
ルーミーの正体を「彼女のボス」が唐突にシーモアの前に現れて全て教えてくれるってのは、どうだろうか。

どうだろうか!


続きは、甥っ子が続巻を貸してくれるなら、読む。


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February 08, 2020

青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ない




青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ない
鴨志田一 著
電撃文庫


大学生編スタート。

様々な出会いとドラマのあった高校生活が終わり、咲太は麻衣と同じ大学に入学した。

この1年半、咲太の周囲に思春期症候群は起こらず、咲太自身も異常現象が起こらない日常を当たり前のものとして過ごしていた。

「同じ講義を選択した学生たちの親交を深める。」という名目の飲み会で、咲太は美東美織(みとうみおり)に出会う。

泣きぼくろのある、とても可愛い女子大生・美織。
どうにも男心をくすぐる美織は、そんな自分をよく知っていた。
その飲み会でも、女友達の恨みを買わないように男女が盛り上がるテーブルから、咲太が1人でウーロン茶を飲むテーブルへと移動してきたのだった。

美織にとって咲太は絶対に自分を好きにならないでくれる、絶対の安全パイ。
なにせ、咲太は誰もが知る日本一可愛い女の子・あの桜島麻衣の彼氏なのだ。

咲太の彼女が桜島麻衣。
それは、大学の中で噂を超えた基礎知識として知られている。

現代の女子大生でありながらスマホを持たない美織と、同じくスマホを持たない咲太。
2人は何となく意気投合する。

翌日、スペイン語の講義で再開した咲太と美織のところに現れたのは、広川卯月。
卯月は、麻衣の妹・のどかが所属するアイドルグループ・スイートバレットのセンターを務める現役アイドル。

卯月もまた、咲太と同じ大学で同じ専攻に入学していたのだった・・・・。


人気シリーズの蛇足となるのか、それとも必要な第2章か。
不安の入り混じる大学生編。

てか、高校生2年生ならまだしも、大学生になって「思春期」症候群て。

ねぇ。
お前さんたち、いつまで思春期なんだよ。と。
思わないではない。

でも、読み進めてみれば、うん。アリでした。
こどもでもなく大人でもない大学生っていう曖昧な時期の不安定さが、思いのほか青ブタの雰囲気に合っててアリでした。

今回の思春期症候群は、「それって思春期症候群?」と思わないでもない内容だったし。
成長による精神の安定が、思春期症候群の症状も抑えていくと思えば、しっくりくる。

そもそも咲太は、妹との二人暮らしを支えるお兄ちゃんだったワケだし、彼女の麻衣さんは芸能界で自立した女優。
元々2人とも精神性で言えば十二分に大人の世界に生きている。

咲太も麻衣も、高校生って言われるより、大学生って言われた方がこちらもしっくりくる。

1人暮らし設定や、麻衣さんとの恋人設定なども含め、高校生よりも自己決定権のある大学生編の方が、青ブタの世界観には合うのかも知れません。


安定してくる思春期症候群と、安定してる咲太と麻衣の関係性・・・か。

まぁ、それが面白いのかどうかは、今後次第だな!

なんだかんだで発売日に入手して、翌日にレビューを上げるくらいにはシリーズのファンですし、今回も(ファン的には)面白い作品でした。

まだ「蛇足」かどうかの判断は保留というところですが、続刊を買うモチベーションは上がりましたよ!



若干のネタバレ。

今回の話のラストに、今後に繋がるコアとなるキャラが出てきたワケですが・・・。
このペースで進めると、大学生編で10冊くらいにはなりそうだな!
しかも余裕で。




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January 12, 2020

傭兵団の料理番 1-6巻




傭兵団の料理番 1−6巻
川井昴 著
ヒーロー文庫


幼い頃から父親の背中を見て料理人を目指し、修行に明け暮れた東朱里(あずま・しゅり)は、帰省の新幹線に乗ろうとして異世界に落ちた。

そこは戦乱に明け暮れる世界。
右も左もわからない朱里を拾ったのは、料理番を探していたガングレイブ傭兵団だった。

各々は高い能力を秘めながら、殻を破れずにいたガングレイブ傭兵団の部隊長たちは、朱里の作る料理と朱里の言葉で目を開かれていく。

朱里の参加から、ガングレイブ傭兵団は目覚ましい飛躍を始めるのだった・・・。


異世界転生モノ。
今回の転生者が持ち込むのは料理。

主人公である朱里は料理人なので、戦場でのあれこれなどは直接参加することなく、伝聞として耳に入っているだけ。
基本的には戦場うんぬんの話の合間に起こるトラブルや成長の悩みを朱里が料理で解決していく。

「傭兵団の料理番」は、少し面白い構成になっていて、ひとつの出来事に対しメインとなるのが朱里と「誰か」になっていて、同じエピソードが朱里目線と「誰か」目線で2回語られる。

それを羅生門的に受け止めるか、タルいと感じるかは、まぁ、話による。

この2段構えが上手く生きる話と、別に2回語らなくていいよという話の落差が大きい。
著者もこの構成縛りに苦しんでいる感があるかな・・・。



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December 27, 2019

灰と幻想のグリムガル Level,15




灰と幻想のグリムガルLevel,15 強くて儚きニューゲーム
十文字 青 著
オーバーラップ文庫

目覚めたら、そこは壊滅した「オルタナ」だった――。

ほんとわかんないな、何もかも……。
気がつくとハルヒロたちは暗闇の中にいた。みんな自分の名前くらいしか覚えていない。頼りになるのは、なぜか唯一記憶を失っていないメリイだけ。
暗闇の中からどうにか抜け出すと、そこは壊滅した「オルタナ」だった――。

とにかく情報が欲しい。
命からがら街を離れたハルヒロたちは、体に染みついていたスキルや能力を駆使して、グリムガルの辺境を奔走する。
そして、ようやく出会えた人間が、オルタナを奪還するべくやってきたアラバキア王国軍で――!?

灰の中から生まれた冒険譚――ENDGAME編の幕が上がる!


来ました、グリムガル新刊!!!!!!!!!

前回のトンデモワールドなパラノ編、更には「そのラスト、アリなの?????!!!!」と、終章を三度見させた鬼ラストから1年。

お茶を濁すかのように2冊の短編集を挟むもんだから

「あー、これは作者、あのラストを回収出来ないんじゃね?」

「グリムガル、終わったんじゃね?」

と思ってましたよ。

14巻の感想でも

これは・・・アレだ。
次の巻が、グリムガルをぶん投げるか、神小説になるかの分岐になるな。

って書いてますからね。

さて、待望の。本当に待望の15巻!!
果たしてグリムガルはゴミになるのか、神になるのか・・・・


答えは・・  ネ申!!!!!!!!!!!!!

まじかー。
キタコレ、十文字青天才かよ!!!!

2度言います。

十文字青天才かよ。


こうくるのか、こうなるのか、くわーーーーーっっ!!!

っていう怒涛の展開。
アツイ。
とにかく激アツ展開。

一瞬で読破しましたよ。

止まりませんよ、こんなん。


最高です。
完結まで、絶対に追います。

ありがとう十文字青。

ありがとうグリムガル。


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December 13, 2019

これは経費で落ちません! 経理部の森若さん6




これは経費で落ちません! 経理部の森若さん6
集英社オレンジ文庫
青木裕子 著

どこにでも戦いはあるし、その分仲直りがある。

森若沙名子、28歳。
良くも悪くも昔ながらの情緒的部分を残した業界中堅企業の天天コーポレーションの経理で働いて6年。

きっちりした労働と、適正な給料。
彼女のスタンスは、フェアではなくイーブン。

遂に営業の山田太陽と正式に付き合うことになり「彼氏いない歴28年」に終止符を打つが、彼氏がいると言う生活にまだ慣れないでいる。

ある日、経理の沙名子の所に広報の派遣社員・室田千晶が訪れる。
千晶は制服の支給について沙名子に相談したいと言うが、制服の管理はあくまで総務課で経理の沙名子は畑違い。
そう伝えたものの、「制服が有料って本当か?」という千晶の相談内容が気にかかる。

天天コーポレーションの制服は、無料のはずだが・・・?

沙名子は千晶に有料だと説明した総務部の玉村志保を訪ねる。

よく言えばサバサバ系、悪く言えばコミュニケーション下手の志保は、「女性の制服なんて前時代的だ。」と沙名子にまくし立てるが、内容がどうも噛み合わない。

過去に会社の女性たちとひと悶着あった志保と、派遣だけど一生懸命で支持者も多い千晶のトラブルは、再び社内の女性たちの興味の的になっていく・・・


派遣の室田千晶と総務の玉村志保の対立は、この巻の序章。
これに続く秘書の有本マリナのキャバクラでのアルバイトに始まる、役員たちが暗躍する企業買収話が核。(これはネタバレじゃないですよ。ちゃんと背表紙にあらすじで書いてありますし。)

今回の企業買収話で、経理部の新人・タイガーこと帰国子女の麻吹美華のキャラクターが掘り下げられていく。
「フェアネス、コンプライアンス、ウィンウィン」がモットーの美華は、相手に媚びへつらわずに自分の信念や主張に真っすぐ。
その強烈なキャラクターで最初は問題児かと思いきや、ちゃんと仕事は出来るし、その正義感を暴走させ過ぎる前に沙名子に相談する理性もある。

そして、正しさで視野が狭くなる分、周囲の穴に気付かずに落ちてしまう抜けたところが可愛かったりもする。

今回の話の結果として、天天コーポレーションがM&Aを行って、沙名子の環境も少し変わっていく気配がありますが、それは続刊のお楽しみ。


さて、登場人物が2人結婚するワケですが、沙名子の内心ざわつく感覚が可愛い。

沙名子には幸せになって欲しいなぁ。




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December 05, 2019

冴えない彼女の育て方 Memorial2




先日、劇場版「冴えカノFine」にてアニメ版も完全完結した冴えカノこと「冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた 」。

その萌え豚どもから最後まで搾取するためのファンブック第2弾!

最後の最後まで絞り尽くしてやるぜ。
そして、絞り尽くされてやるぜ。

あの劇場版を観てしまうとなぁ、買わないわけにはいかないんだよっ!
もう負けられない戦いが、そこにあるんだよっ!!


基本的な内容は、劇場版で追加された、大人になった後のキャラ設定や作者・声優さんたちへのインタビュー、書き下ろし小説。
そして「まだあったのかよ。」と言いたくなる販売促進のためにこれでもかと特典配布されたショートストーリー(SS)。
前回のMemorial以後に書かれた、メタ視点もふんだんに含んだショートストーリー、ショートストーリー、ショートストーリー。

まぁ、内容的に前回のMemorialと、そう大差は無い。


いや、よくもこんだけ特典商法してきたなおい。
それにブヒブヒしてきたな、俺たち。

その特典が積もり積もって、また一冊の本になって更に販売して、我々は買って!


搾取!!

せんせー、搾取されてまーす。

僕、何回でも搾取されまーす。
案の定でーす。

搾取、キモチー!


あーあ。
なんで他の萌えアニメには(そんなに)反応しなかったのに、この冴えカノだけは刺さったのかなぁ。
自分でも良く分からん。

とにかく、本編、番外編、ファンブックまで出て、もうこれで終わりかな?
いやぁ、貢いだ、貢いだ。 間違えた。支えた。


「まだ劇場版の円盤が出てませんよ?」

「はい、支えまーす。」



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November 10, 2019

これは経費で落ちません! 経理部の森若さん5




これは経費で落ちません! 経理部の森若さん5
集英社オレンジ文庫
青木裕子 著


森若沙名子、28歳。
良くも悪くも昔ながらの情緒的部分を残した業界中堅企業の天天コーポレーションの経理で働いて6年。

きっちりした労働と、適正な給料。
彼女のスタンスは、フェアではなくイーブン。

沙名子の働く天天コーポレーションには、当然だけど同僚がいる。
ひとりひとり、それぞれの人生を抱えた個性的な同僚たち。

少しドジな経理部の後輩・佐々木真夕(初恋アレッサンドロ)
飄々としているのに売り上げトップの営業マン・山崎柊一(カラークリスタル)
目立ちはしないけど総務課の全てを把握するベテラン・平松由香利(ゾンビと嘘と魔法の笛)
私って男っぽいからが口癖のゴシップ好き企画営業部員・中島希梨香(それでも私は男っぽい女)
沙名子の先輩であり鉄壁の経理マン・田倉勇太郎(三十八歳の地図)

それぞれの視点から、それぞれのあの時が描かれる。


物語の脇を固める登場人物たち視点の短編集。
沙名子以外の同僚たちが何を考えていたのかが分かり、今までの物語に厚みが加わる。


経理部に入ったばかりの頃の真夕。
慣れない仕事に重なるミス。
その真夕の心の支えは、売れないインディーズバントのヴォーカル・アレッサンドロ。
誰にでもある新人時代を思い出す一話。

他人の持つ色が見える共感覚を持つ山崎が見る世界。
なぜ山崎がトップ営業マンなのか、なぜ太陽や沙名子を気に入って気にかけているかが分かる話。

40歳という年齢、独身と言う状況、相談できる友人らしい友人はなく、家族は長女である自分を頼るばかり。
人生の節目に取り組んだ婚活の中で出会った、自慢の友人は、冷静に考えると金と仕事で自分を利用している。
そんなユルい八方塞がりの中で息が詰まりそうだった由香利。
沙名子から見たら不信感を持った行動は、由香利側から見れば前を向くためのプロセス。

言葉数少なく、仕事は鉄壁。
経理一筋でキャリアを積み上げてきた、沙名子の尊敬する経理マン田倉勇太郎。
そんな彼がなぜ社内一の有名人、美人広報の織子と不倫なんて?
今まで語られなかった勇太郎の過去と内面。
今後の展開への布石にもなっている話。


本編の第一話の半年前から始まり、最新4巻の少しだけ先までが描かれる。
今までの4巻分の棚卸という感じ。

良い物語には、良い脇役が居る。
良い脇役には、良い物語がある。

沙名子が脇役ってのも新鮮。






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November 07, 2019

これは経費で落ちません! 経理部の森若さん4




これは経費で落ちません! 経理部の森若さん4
集英社オレンジ文庫
青木裕子 著

これが、正式につきあいはじめたというやつなのか。

森若沙名子、28歳。
良くも悪くも昔ながらの情緒的部分を残した業界中堅企業の天天コーポレーションの経理で働いて6年。

きっちりした労働と、適正な給料。
彼女のスタンスは、フェアではなくイーブン。

仕事とプライベートをきっちり分け、完璧にコントロールした日常ときっちりこなす仕事のバランスをとって生きてきた。
今年のクリスマスから、沙名子に想いを寄せる営業の山田太陽と付き合うことになる。

人生で初めての彼氏。
沙名子の中にあるのは、喜びより、戸惑い。

そんな沙名子のプライベートをよそに、人員不足だった経理部に新しいメンバーが加わる。
中途採用の麻吹美華・31歳。
外資系でキャリアを重ねてきたキャリアウーマン。

言いたいことをハッキリと言う美華のポリシーは、公平性(フェアネス)、法令順守(コンプライアンス)、&ウィンウィン。

業務の中の不合理、ちょっとしたズルい慣習、面倒くさい同僚のユニークな部分。
誰もが心の中で思いながらも、平穏のために踏み越えない一線を美華は当然の様に踏み越え、その違和感を指摘する。

転職したての職場でソレをやれば、当然のように煙たがられる。

新メンバーの美華は、果たして経理部の新戦力となるのか、それともトラブルメーカーか・・・。


結構な強烈キャラクター、タイガーこと麻吹美華登場。
沙名子が気付いていても平穏な業務のためにスルーしてきた諸問題を、スルーせずに切り込んでいく美華。

自分は仕事のスタンスが非常に沙名子に似てるなぁと思っている。
平穏に、波風を立てず、日常をスムーズに流していたい。
事なかれ主義と言われるかも知れないが、別に立てる必要の無い波風を立てて自分の仕事を増やしたり、自分の立場を悪くしたりする必要はない。
やるべきことを、決められた時間の中で過不足なく処理したい。

そ、れ、を。

愚直なのか、志が高いのか、バカなのか、無駄な波風を立てるヤツが居たりして、本当にウザイ めんどうくさいと日々思ったりしている。
美華が登場した後の沙名子の気持ちが、そんな自分の日常に重なりすぎて、もう。

でも、まぁ、美華のように、会社の中の小さな歪みや非効率を真っすぐに「おかしい。」と口にする人の大事さも認めざるを得ない。
誰もかれもが小さなことに目をつむり、事なかれ主義で流されていては、社内の歪みは大きくなっていくばかり。
会社には「王様は裸だ。」と言うバカが居なければいけない。

まぁ、自分の直近でないのが一番なんだけど。


自分の業務の中のあれこれとオーバーラップしがちな「これは経費で落ちません!」。
太陽と付き合いだして初々しい沙名子が、ますます可愛くて仕方ない。



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November 04, 2019

これは経費で落ちません! 経理部の森若さん3




これは経費で落ちません! 経理部の森若さん3
集英社オレンジ文庫
青木裕子 著


森若沙名子、28歳。
良くも悪くも昔ながらの情緒的部分を残した業界中堅企業の天天コーポレーションの経理で働いて6年。

きっちりした労働と、適正な給料。
彼女のスタンスは、フェアではなくイーブン。

仕事とプライベートをきっちり分け、完璧にコントロールした日常ときっちりこなす仕事のバランスをとって生きてきた。

だが、そんな沙名子に想いを寄せる営業の山田太陽の存在が、少しずつ沙名子の中で大きくなっていく。

そんなある日、広報のショールームで働く派遣社員の室田千晶が沙名子に相談があると声をかけてきた。

やる気のある千晶は、好感が持てる。
千晶が来てからショールームの中はポップなどの飾りつけが増え、営業部も喜んでいるらしい。
だが、正職員になりたいと努力する千晶は、社内で浮いているところもあり、一部の女性社員からは嫌われてさえいる様子だ。

ショールームを訪れた沙名子は、千晶が置いたテーブルや飾りつけを見て気付いてしまった。

これらの飾りの経費はどこから出ているんだ?

経費の清算をするように促す沙名子に、千晶は言いにくそうに言った。

「領収書は無いんです。自分でやりたくてやっているんですから。」

自腹で会社の備品を用意することに眉をひそめる沙名子に、千晶は重ねた。

「このこと、査定に響きますか。森若さん。」


この「これは経費でおりません!」は、仕事の中で起こりうる事件や現実にもいるかもと思える個性的な社員たちが魅力。
ストーリーもコミカルにしすぎず、でもあまりにもリアルで生々しくもしすぎず、バランスが良い。

それぞれの登場自分つのプライベートと仕事で見せる顔の違い、立場の違い、性別の違い、業務の違いがある中、真面目に仕事をして、真面目に生きているのに、すれ違ってしまう人間模様。

今回の3巻では、職員になりたくてカラ回る派遣社員と、仕事の責任から逃げてしまう営業マンがストーリーの中心。

どっちも、現実にも居るなぁ。という、若干身につまされる話。

最近では派遣さんを使っていない企業の方が少なくなってきたような気がします。
もちろん、ウチの職場にもいます。
良い派遣さん、困った派遣さん、色々な人が来ます。

で、それぞれの派遣さんにだって生活があり、人生がある。
必死になるのも分かる。

一方で、必死に媚を売られて引いてしまう職員側の気持ちも分かる。
自分に媚び売られてもねっていう、自分にそんな権限ないですよっていう気持ち、わかる。
めんどくさいのよね。正直、あれ。


微妙に自分の仕事と重ねつつ読んでしまう「これは経費で落ちません!」。

こりゃあドラマ化されるわ。




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October 22, 2019

異世界でも無難に生きたい症候群 1-2巻







異世界でも無難に生きたい症候群 1-2巻
安泰 著  イラスト:ひたきゆう
株式会社一二三書房


気付けば、明らかに異世界な森の中。
巨大熊を一瞬で溶かしてしまうスライムから必死で逃げ、野宿し、なんとか人の住む街に辿り着けば、言葉も通じない不審人物として捕縛。

何の説明も、能力ボーナスも、チートスキルも無しで異世界転生をした主人公が持っていたのは、現代社会を大過なく「無難に」生きてきた処世術のみだった・・・。


この「チートスキルも能力ボーナスも無し」という、ある意味で当たり前の条件の異世界転生モノってあるようで無い。
しかも、主人公の周りに女の子は登場するものの、ハーレムにもならない!

まぁ、そうは言っても、主人公の「観察力・共感力・推理力」あたりは、もう十分にチートレベルなんですけどね。
それでも、「なんの能力もない」主人公が、頭と口先だけで異世界で生きていくってのは新鮮。


この数か月で、今流行りの「異世界転生モノ」を読みまくってみてるワケですが、その中でちゃんと小説として面白い作品と言うのは、本当に少ない。
そもそも「てにをは」レベルで赤ペンを入れたくなる作品もチラホラ。
登場したら即主人公を好きになっちゃう女の子ばっかりの作品とか、もうギャグのレベルだったりする。
そんな「異世界転生モノ」ってジャンルの中では、面白い方。

まぁ、あくまでジャンル限定なんですけどね。


てか、最近やっとメンタル環境が安定してきて、「無意味な活字をだらだら読み流して、何も考えたくない。」っていう状況から抜け出しつつあります。

心を無にするために読み続けた異世界転生から、そろそろ卒業するかな。



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October 16, 2019

櫻子さんの足下には死体が埋まっている 骨と柘榴と夏休み




櫻子さんの足下には死体が埋まっている 骨と柘榴と夏休み
太田紫織 著
角川文庫

北海道・旭川。
大きな洋館に住む櫻子さんは、端麗な見た目のお嬢様。

だが、櫻子の中身は見た目を裏切る。

彼女が愛するのは、生き物の骨。
彼女は、骨を組み立てる標本士なのだ。

櫻子と知り合った舘脇正太郎は、今日も櫻子に振り回され、そして骨と出会う。

今日も櫻子は、骨を呼び寄せるのだ・・・


黒髪・高身長・美人のお嬢様なのに、物言いがぶっきらぼうで、骨が好き。
「そんなヤツァいねぇよ。」と言いたくなるキャラのホームズ役・櫻子と、いそうでいない「凡人」という設定のワトソン役・舘脇くんの織り成すミステリーシリーズ第2巻。

「普通の高校生」と「ミステリー」を絡める以上、物語に多少の無理があるのは御愛嬌。
まぁ、普通の高校生は「死体」や「事件」に出会わないもんな。フツー。

とは言え。

今回の設定は色々無理があって、そっちが気になってしまった。

いくらセレブのパーティとは言っても、他人の家の卒寿の祝いの場に全然関係ない高校生を「恋人設定」で連れていく大人はいねーよ。

いくら田舎の交番だからって、深夜にひとりで勤務してて、何かと高校生を頼る警察官なんかいねーよ。
その上、その警察官とプライベートの連絡先を交換して、櫻子さんの家に子守中の姪っ子連れてきちゃうとか、軽く問題になるんじゃねーか?コンプライアンス的に。


ミステリーシリーズなんて、無理の上に無理を重ねたような話なんだけどさ。
そうは言ってもデティールは大事よ?

ちょっと今回の巻は無理が目についてしまった。

あまりにデティールが粗いと、物語に入れないんですよねぇ・・・・


さて、続きを読むか、読まないか。



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October 12, 2019

生き残り錬金術師は街で静かに暮らしたい 06




生き残り錬金術師は、街で静かに暮らしたい 06巻
のの原 兎太 著
KADOKAWA

200年前に栄えたエンダルシア王国を滅ぼした魔物の奔流・スタンピード。
仮死の印によってその災厄から生き延びた錬金術師・マリエラは、人の傷を癒すポーションを迷宮都市にもたらした。

マリエラの生み出すポーションの力によって加速する迷宮攻略の結果、遂に迷宮は攻略され、迷宮都市は魔物の世界から人間の世界に戻った。

それから1年。

マリエラは、大事にしてきたペット(?)のスライム・スラーケンを勝手に処分してしまった同居人のジークに怒り心頭だった。
溜まりに溜まったお金の力を使って黒鉄輸送隊を貸し切り、ジークに何も言わず「実家に帰らせて頂きます。」とばかりに師匠・フレイジージャ探しに出てしまう。

黒鉄輸送隊とマリエラを導くサラマンダーが指し示した場所は、魔の森の奥にある沼地だった・・・。

・・・・・・・・・・・・

迷宮攻略という、物語全体の背骨となるグランドクエスト攻略後の第6巻。

えー。
続くのかよー。
新展開ってヤツかよー、要らないよー、蛇足だよー。

と、まぁ。正直、そう思ってました。

ハンターハンターしかり、物語シリーズしかり、古くは北斗の拳しかり。
グランドクエストが終わった後に引っ張った話で、面白かったことはない。

ですが、この生き残り第6巻は、本編で回収しきれなかった裏設定の回収とマリエラとジークの関係が描かれるくらいで「新展開」と言う感じではない。
ちょっと長めのエピローグくらいの感じなのでギリギリでアリでした。

言われてみれば、本編ではマリエラとジークの関係がひとっつも進展してなかったもんね。
それで終わりでは、流石に投げっぱなしが過ぎる。

もうひとつの話の核は、師匠・フレイジージャの持つ過去を含めた業と目的の回収。


これで綺麗に完結。
もう、これ以上の続編はイランす。


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October 01, 2019

ロードス島戦記1 灰色の魔女




ロードス島戦記1 灰色の魔女
角川スニーカー文庫
安田均 原案
水野良 著


南海に浮かぶ、呪われし島・ロードス。
島の北東の端にある辺鄙な村・ザクソンには、ひとつの問題が起こっていた。

村はずれにある洞窟にゴブリンどもが住み着いているのだ。

村の男たちは酒場に集まり、ゴブリンを退治すべきか、しないべきかを議論していた。
その中心にいるのは、若い戦士・パーン。

勇敢にもゴブリンの群れを退治しようと説得するパーンに、「まだ被害は出ていない。」「無理をすることはない。」と男たちはつれない。
そして、最後には死んだ父親を侮辱され、パーンは酒場を後にした。

パーンは幼馴染の神官・エトと2人、ゴブリン退治へと向かうのだった・・・・。



ファンタジー小説の王道中の王道。

日本ファンタジーの古典と言うか、原点と言って良い作品。
中学時代に読んだ以来で、久しぶりに読みました。

血気盛んな若き戦士、パーン。
幼馴染の神官、エト。
村を飛び出してきたハイエルフ、ディードリット。
両刃の戦斧をかつぐドワーフの戦士。ギム。
隠遁の魔導士、スレイン・スターシーカー。
腕の立つ盗賊、ウッド・チャック。

主人公パーティの紹介をするだけで、その後に続くファンタジー物語のエッセンスの素を感じずにはいられない。

六英雄の騎士王ファーン、暗黒王ベルド、神官長ニース、大賢者ウォート、他にも若き傭兵王・カシュー。
敵は、世界のバランサーとして暗躍する灰色の魔女・カーラ。

この、名前を出すだけで盛り上げてくる感じ、非常に懐かしい。

読み返してみると、内容的にはかなり駆け足で盛沢山。
1巻だけで武者修行へパーンが旅立つところから、仲間の結集、王女救出、大賢者ウォートの訪問、ファーンとベルドの戦争、そしてカーラとの決戦まで盛り込んでしまう。
今どきの小説なら、4−5冊にはなりそう。


ちなみに、個人的に一番面白かったのは初版時から変わっていない「あとがき」。

原作者である安田均が、ロードス島戦記を描くまでの経緯を説明しているのだけど、内容がRPGの成り立ちから、テーブルトークRPGについてや、「ダンジョン&ドラゴンズ」や「トンネルズ&トロールズ」を仲間内で遊ぶために生まれてきたロードス島の世界観。
その中から後の「ソードワールド」に繋がっていくルール作成の話までに、話が及んでいる。

あとがきの言葉の全てから「ザ・黎明期!!!」を感じて何とも胸アツ。

うわー、そっか。ソードワールドさえ無い時代かぁ。
久しぶりにTRPGをやりたくなりました。

まぁ、TRPGは人数拘束が激しい上に、めちゃめちゃ時間がかかるので大人がやるのはキビシイんですけどね。
でもイマドキなら、スカイプとかで何とかなりそうな気も・・・しないではないけど、子育て中はなぁ・・・。


てか、「ロードス島戦記」の初版は昭和63年だってよ。
自分、まだ6歳かよ。

今読んでも色あせない内容は、正に古典。



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September 29, 2019

これは経費で落ちません! 経理部の森若さん2




これは経費で落ちません! 経理部の森若さん2
集英社オレンジ文庫
青木裕子 著


石鹸会社からスタートした業界中堅の天天コーポレーション。
そこの経理部の中堅職員・森若沙名子、27歳。

経理一筋、彼氏・・・無し?

きっちりした労働と、適正な給料。
彼女のスタンスは、フェアではなくイーブン。

過剰なものも不足なものもない完璧な生活を送っていたのだが、最近は営業部の山田太陽が生活に少しだけ入りだしてきた・・・?

今回、森若が気付いてしまったのは、派手な広報の仕事を隠れ蓑にしている腕が立つ女先輩の高級ワイシャツの領収書。
いくらTV用とは言え、個人のシャツ1枚に18,000円はあまりにも高価。
だが、そのシャツについては、社内で過去にひと悶着あって解決済みと言うが・・・?

同じフロアの別部署内で、以前からの「女の仕事」をこなしてしまうフェミニン系先輩と合理的後輩女子の間で起こった女の戦いが勃発したり。
トップ営業マンが出張日数を長く申告してきたり。
経理の先輩・勇太郎の親友に疑惑が生じたり。

沙名子は今日もデスクで数字をにらむ。


業界中堅、合理的でドライと言うより、人情的でウェットな社風の天天コーポレーション。
その「個人個人のスタンドプレー」で成立する会社ゆえに起こる、経理的な誘惑。

社会人的には「この会社、ちょっと経費の概念がザルすぎんだろ。」とは思うものの、ギリギリ常識的に起こりうる範囲に収まってる・・・・とは思う。


まぁ、それでもやっぱりアウトな「業務上横領」ってヤツが、今回遂に発生してしまうワケなんですが。
こういうのって、暴く方にも心の負荷がある。
横領をした人間が悪いとは言え、「自分が目をつぶれば、黙っていれば、ひとりの社員が幸せな暮らしを失わないで済む。」という、想いはどうしたって生じてしまう。

心折れそうな沙名子を支える太陽、まじグッジョブ。


しかし、個人的に今回の2巻でザワッとしたのは、社内で起こる女の戦いの話。
いや、現実にメンドクセーし、女性陣の人間関係・・・って、このグチはジェンダーコンプライアンス的にアウトですか?

男性が飲んだコーヒーのマグカップを洗う、洗わない、誰が洗う、いつ洗う、なんのために洗う?
こんな面倒があるくらいなら紙コップのコーヒーメーカーを入れる、入れない、誰が言い出す、誰が用意する、どこに入れる?

うわー、コーヒーとか、どうでも良いじゃんかよ。うぜえ。

って、言ってしまうなかれ。言ってしまうなかれ。

これにかなり近い問題、ウチの部署でもあったわ・・・うざかった あぁ、ちがう。あれは僕の配慮が・・・って、どうせ誰もが満足する満点の配慮なんて無かったんでしょ?的な・・・いやコレ、マジのやつで・・・

ってな過去の記憶にダイレクトリンクしてて、キツい いや、面白かったデス!

Death!!



ちなみにこの本、図書館の予約待ち数が異常。
3巻まだ予約してないんだけど、借りられるのいつになんだろ・・・、いっそもう買うか?



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September 28, 2019

これは経費で落ちません! 経理部の森若さん




これは経費で落ちません! 経理部の森若さん
集英社オレンジ文庫
青木裕子 著


石鹸会社からスタートした業界中堅の天天コーポレーション。
そこの経理部の中堅職員・森若沙名子、27歳。
経理一筋、彼氏無し。
きっちりした労働と、適正な給料。
彼女のスタンスは、フェアではなくイーブン。
過剰なものも不足なものもない、完璧な生活を送る。

そんな彼女のところに営業部のエース・山田太陽が持ち込んできた領収書は・・・

「4800円 たこ焼き代」

眉を顰める沙名子だが、説明のつく営業活動費であれば、許可するかしないかは彼女の業務ではない。

そんな太陽が次にねじ込んできた領収書は・・・

「テーマパークのチケット代」???

太陽の持ち込んできた領収書から、徐々に社内の人間関係が見えてくる・・・。
沙名子は望んでいなのに。


会社の経理で起こる問題やトラブルなので、人も死なないし、奇抜なトリックもない。
普通の会社の中で起こる、当たり前の中で物語は進む。

会社の経理の地味系女性という切り口で、結構面白い小説を書く。
これはナカナカやりますな!という印象。


つい先日までドラマをやっていたそうですが、実はそれは見てません。


主人公の森若沙名子は、真面目。
自分自身ではその自分の真面目さを当たり前のものとしているが、世間一般の「普通」の感覚からはズレている。

あまり好きではない人が送ってきた「見られたくない」誤送信メールを、「見ずに消して。」と言われれば、本当に見ずに消せる。
それが森若沙名子。

でも、沙名子がロボットのように杓子定規なのかと言えば、そんなことはない。
彼女の心の琴線の基準に触れれば、怒るし、苛立つし、喜ぶし、動揺もする。

その姿と感覚は等身大で、非常に好感が持てる。
てか、自分の周囲にはリトル森若さんみたいな人、結構いるしな。

少しずつ動いていく沙名子の人間関係。
その歩みの遅さが、もどかしくも微笑ましい。

一巻は登場人物の紹介という側面が強い印象だったので、今後の展開に期待です。



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September 14, 2019

お客様には聞かせられない 銀行員のぶっちゃけ話




2015年 初版

お客様には聞かせられない 銀行員のぶっちゃけ話
鮎川 零 著
彩図社


元メガバンクの一般行員だった著者が、外では知られていない銀行の中のホントの話を語る。

おそらく半沢直樹が流行った頃に、銀行の実態ネタを話せばウケるだろうという企画意図で書かれた本(だと思う)。
内容もリアリティ重視と言うより、ちょっと脚色の入った物語調。

生々しい銀行の裏側と言うより、銀行という誰もが知ってて中身は良く分からない職場で働いていた女性の思い出話・・・・という印象かな。

銀行で起こった事件や、東日本大震災対応、業務改善命令を受けた時の対応や、誰もが聞いたことのある銀行噂話のホントのところを、銀行を動かす責任のある管理職ではなく、窓口業務をする女性一般行員の視点で語られるっていうのは、ちょっと面白い。

まぁ、実際に中で働かなければ知らないような話(貸金庫の中身とか、仕組みとか)もあるので、ちょっとした話題の引き出しにはなりそう。

特に震災の時にシステムダウンして、預金があるかも分からない相手の引き出し(10万円まで)に応じる話とかは、銀行員でなくてもヒヤヒヤ感が伝わってきた。


固有名詞は流石に変えられていて、著者の勤めるみつば銀行と言うのは、おそらく「みずほ銀行」なんだろうなぁ。

転勤もあり、昇進もある総合職に対して、転勤がない(はず)かわりに昇進・昇給もほぼない一般職。
その実態も語られるのですが・・・

給料の実際とかまで語っちゃうのですが、安っすい。
もう少し頂いているのかと思ってましたが、安っすい。
ついでに退職金も、安っすい。

手取り20万弱とか。

まじかよメガバンク。

日本有数の銀行でこれでは、日本のミライは暗いなぁ。


装丁があまりにも安っぽいコンビニの実録本みたいで、もっとえげつない内容なのかと思ったら、中身は普通の女性20代行員のほんわか話。

黄色! 赤! 黒!
っていう色使いが、ね。

タイトルと装丁がもう少し違った方が、本としては良かったんじゃないか?



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September 12, 2019

櫻子さんの足下には死体が埋まっている

櫻子さんの足下には死体が埋まっている (角川文庫)
太田 紫織
角川書店(角川グループパブリッシング)
2013-02-23



櫻子さんの足下には死体が埋まっている
太田紫織 著
角川文庫

北海道、旭川。
平凡な高校生の僕は、レトロなお屋敷に住む美人なお嬢様、櫻子さんとの知り合いだ。
けれど彼女には、理解できない嗜好がある。

なんと彼女は「三度の飯より骨が好き」。

骨を組み立てる標本士である一方、彼女は殺人事件の謎を解く、検死官の役もこなす。
そこに「死」がある限り、謎を解かずにいられない。
そして僕は、今日も彼女に振り回されて・・・・。
(背表紙より)


サラリと読めるライトミステリー。

正直、ミステリーとしては、謎は言うほど謎ではない。
合理的に物事を見る櫻子の解決する事件なので、謎も合理的の範囲内で起こる。

黒髪・高身長・美人のお嬢様なのに、物言いがぶっきらぼうで、骨が好き。
「そんなヤツァいねぇよ。」と言いたくなる、ややキャラ作り先行感が否めない櫻子。
この小説は、その櫻子というキャラクターを楽しむ作品。

櫻子が受け入れられるか否かで、好きか嫌いかが決まる。

奇抜なキャラの櫻子を物語の中心にしているのに破綻しないのは、名前さえもほぼ出てこない弱キャラ主人公とのバランスが悪くないからか。


出てこないものの櫻子には許嫁がいて、交際も安定している様子。
つまり、主人公と櫻子の恋愛ネタが無いと言うのも、好感が持てる。

男女が出てきたら何でもかんでも恋愛絡みになるのは、もう間に合ってます。



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September 02, 2019

生き残り錬金術師は、街で静かに暮らしたい




生き残り錬金術師は、街で静かに暮らしたい 01-05巻
のの原 兎太 著
KADOKAWA


かつて栄えたエンダルジア王国。
王国が滅んで200年。
その跡地は、魔物の領域となり、かつての王城跡には巨大な迷宮が鎮座する。

エンダルジア王国は、魔の森の氾濫(スタンピード)によって滅んだ。
膨大な量の魔物が街に襲い掛かり、破壊し、踏みつぶし、人々の営みを奪い去っていった。

襲い来る魔物から逃れるために、仮死の魔法陣を使用した錬金術師の少女マリエラは、逃げ込んだ地下室で目を覚ます。
王国は滅び、錬金術師は死に絶え、ポーションが高級品となったこの地で、たったひとりの生き残り錬金術師。

迷宮攻略のために必須のポーションを生み出す彼女は、否応なく注目を集めていく。

値千金のマリエラの価値。
だが、そんな彼女の望みは「街で静かに暮らしたい」というのんびりしたものだった。

・・・・・・・・・・・・・・

なろう小説一気読みシリーズ。

ただ、この「生き残り錬金術師」は、他の異世界転生チートハーレム系とは違い、かなりの正統派小説。
構成、展開、キャラクター、世界観、結末と、小説としての形がしっかりしていて、非常に好感が持てました。

マリエラは、確かに能力的にレアで、更にかなり特化した才能を持ってはいるものの、見た目や身体能力は普通で、性格的にも抜けている所が多々ある。

そんな彼女に想いを寄せてくれる元奴隷のジークはいるものの、他のキャラからモテモテということもない。

どちらかと言えば、様々なモンスターや難関を領主たちがいかにクリアしていくか、その中でどうマリエラのポーションが役に立つかが物語の中心にある。

成長物語としては、マリエラ自身と言うより、マリエラと関わった周囲の人たちが変化し、成長していく過程が丁寧に描かれている。


きちんと全体の起承転結もブレず、グランドクエストである迷宮攻略を達成して5巻にて完結。

素晴らし。

最近の作品は終わりが無いのが多すぎる。
まぁ、そもそものグランドクエストさえ設定してない作品が多々あるくらいだからなぁ。


あと、主人公が女の子って方が物語が落ち着く。
出てくるヒロインが全員揃って主人公を好きになる展開とか、もう完全に食傷。

ました。でした。語り言葉。
文体の統一もせず、目標もなしのダラダラ繰り返し展開とか、文章能力も足りない小説は、そろそろお腹いっぱい。

久しぶりのしっかりしたファンタジー小説で、満足満足。


え?

外伝で6巻出てるの?

そう言うの、困るなぁ。











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July 28, 2019

呉越春秋 湖底の城 9巻

呉越春秋 湖底の城 第九巻
宮城谷 昌光
講談社
2018-09-28



呉越春秋 湖底の城 9巻
宮城谷昌光 著 講談社


伍子胥(ごししょ)と孫武(孫子)という2人の英傑の出会いによって無敵の軍を得た呉。
その軍事力を背景に、呉は栄えていく。

だが、孫武が亡くなり、英王であった闔閭が亡くなる。

後を継いだ夫差の歩む道は覇道。
周囲の国を恫喝し、攻め、先代を超えようと無暗な出征を重ねていく。

隣国・越は、夫差率いる呉軍に攻められ、越王句践は囚われの身となった。

虜囚の身として奴隷のごとき艱難辛苦を味わう句践。
その句践の帰りを、范蠡(はんれい)を中心とした彼を支える忠臣たちは待ち続けていた。

そして遂に越王・句践解放の日を迎える。
范蠡は、句践を迎えるために呉都を目指した・・・・



前半の主人公・伍子胥(ごししょ)。
後半の主人公・范蠡(はんれい)。

楚の国で生まれた伍子胥が、悪政を行い、父兄を殺した楚を討つために諸国を放浪し、呉の国に孫武という天才を導き、遂に念願を果たす。
魅力的な主人公の周囲に異能を持つ仲間たちが集まり、まるで冒険活劇かのようなダイナミックな展開が繰り広げられていく。

その一方で、伍子胥の生み出したあまりにも強い光が、濃い影を生み出す。

その影の中にあった国が越。
辛酸を嘗めさせられ続ける越に生まれる、異才・范蠡。

英雄として名声のある伍子胥を疎んじ、無為な出征で国を疲弊させていく呉王・夫差。
辛酸に耐え、屈辱に耐え、ただ乾坤一擲の反撃の時を待ち続ける越王・句践。

栄枯盛衰の悲哀が、物語を加速させていく。


遂に完結。
いやー、長かった。

連載の途中から読みだしたのに、第1巻を手にしたのは2015年だもんなぁ。
その時に刊行されてたのは4巻までで、まだ伍子胥が孫武と出会ってないんだもんなぁ。

ほとんど歴史家、というか歴史探究者とも言える、宮城谷さんが「史記」「春秋左氏伝」「国語」「十八史略」などの歴史書の中に刻まれた断片をつなぎ合わせ、行間を埋めた歴史小説。

あとがきでこの物語が後半の范蠡を描くために始まったと知って、驚愕。
全9巻の内、前半5巻分まるまる正主人公が一切出てこないとか、どんだけ構想が深いんだ、と。


そんな深くて面白い宮城谷作品のファンですが、年1冊のペースで刊行される歴史小説を追うのは、もうこれっきりにします。

新刊が出るたびに、毎回「えーっとどんな状況なんだっけか・・・、この人は何だっけか・・・。」と考えながら読み進めたんじゃ、楽しさが半減してしまう。

もったいないんですよ!!

もちろん、そんな状況で読みだしてもこの作品はストーリーに引き込む力が半端じゃないので、どんどん引き込まれ、結果、一気読みになってしまうんですが。

どうせなら完結した作品を頭から終わりまで一気読みしたい。
まだ読んでない宮城谷作品は沢山ありますしね。



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July 27, 2019

異世界転生、俺TUEEEE小説の使い方

最近、ひとつのジャンルとして確立された感のある「異世界転生、俺TUEEEE」系小説。

概略と言うか、テンプレートとして
主人公が何らかの方法で剣と魔法やモンスターの出現するファンタジー的世界(他の世界設定もある)に呼び出され、チート(ズル)レベルの何からの能力によって異世界で無双する。
そんな作品群。

一般的に「なろう小説(素人作品が無料で投稿・閲覧できる「小説家になろう」等に投稿された作品)」が多く、文学的な文章としての美しさや表現技巧は一切なく、文学作品としてのレベルは、推して知るべし・・・。

物語としてのヒネリなどもなく、ただ主人公が本人の価値観で俺ツェーと無双するストーリーのみ。

そんな小説群にハマっているというか、とにかく大量に乱読中。



最近、ちょっとお疲れでして。
家でまで「意味があること。」をしたくないのです。

「何もしたくないけど、フワっと楽しい時間は過ごしたい。」そんな状態。

でも、これを快適に行うのが、案外むずかしい。

映像を見ていても、余計なことを考えてしまう。
映画を観て、レビューを打つもの億劫。
意味がある文章、内容のある文章を受け止めるのは、疲れてしまう。
ゲームも上手くいかなければイライラしてしまう。

そんな状態には、何というか「内容が無い文字を、ただ目で追い続けている。」というのが、非常に心地よいというか、ちょうど良いのです。

「心を無にする。」

そのための答えが「異世界転生、俺TUEEEE小説」だったという。


以下、読んだもの。



盾の勇者の成り上がり 1-16巻

異世界に勇者として転生した尚文だが、与えられた勇者装備は攻撃力を一切持たない盾だった。
蔑まれ、騙され、地に落とされた尚文は、攻撃要員として幼い亜人少女を奴隷にするのだった・・・。



デスマーチからはじまる異世界狂想曲 1-16巻

オンラインゲームの下請け会社に勤めるアラサープログラマー鈴木一郎(29)は、デスマーチの最中に自分の作っていたネットゲーム世界に迷い込む夢を見る。
あまりにもリアルな世界で、リザードマンの群れに襲われた一郎は、初回ボーナスアイテムのメテオを使った。
そのメテオが降り注いだ先には、古代竜たちの巣があった・・・。




異世界はスマートフォンとともに。 1-13巻

神様の手違いで死んでしまった望月冬夜は、神様の加護とスマートフォンを持って異世界に転生する。
身体能力、魔力に過剰な恩恵を受けた冬夜は、その能力で異世界の問題を次々と解決していく。




とんでもスキルで異世界放浪メシ 1-6巻

料理が趣味のごく平凡なサラリーマン向田剛志(ムコーダ)は、「勇者召喚」によって3人の少年少女たちと共に、異世界「レイセヘル王国」に召喚されてしまう。
与えられたスキルは「ネットスーパー」。
現世のネットスーパーで取り寄せられる商品を使って、向田は異世界を旅する・・・。



市の図書館で、あればあるだけ借りて、とにかく読む。

中身は特にアレなので、続きがどうとか、完結まで読みたいとかは特になし。

とにかく、目を通し続ける。


それが最近の趣味。

まぁ、今だけだと思いますが。


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May 25, 2019

宵物語




2018.06.12 発売

阿良々木暦の大学生編〈モンスターシーズン〉

宵物語
講談社BOX  西尾維新 著  VOFAN イラスト


まだ探偵ごっこを続ける気かい?
直江津高校の後輩・日傘星雨がもたらした、小学生女児誘拐事件の「噂」。
大学1年生になった阿良々木暦は、八九寺真宵、忍野忍、斧乃木余接とともに調査をはじめるが・・・?

まよいスネイル・まよいスネイク 収録

本の大部分は「まよいスネイル」。
大学生になった阿良々木君が、最近の新キャラ・神原駿河の親友・日傘ちゃんとやたら仲良しになっていて、その日傘ちゃんが持ち込んだ誘拐話を追う。
まぁ、目の前のことしか見えなかった高校時代から、少し成長しようと意識している阿良々木君のお話。

ほぼオマケの扱いだけど、こっちの方が面白かった「まよいスネイク」。
北白蛇神社の神となった八九寺真宵と、一応はその先代となる千石撫子。
一応とは言えど先代である以上、代替わりの儀式が必要になる。
そこで怪異の専門家・影縫余弦が撫子に出した課題は「89匹の白蛇を集めて、八九寺に渡す」という、無理難題だった・・・。

一太刀(ひとたち)あびせる、を、ひとタッチあびせる。に読みかえて問題解決をした、かつてのエピソードを彷彿とさせる話。


僕の中で、物語シリーズは終物語で終わりました。
一応、続・終物語までは、エピローグとして受け入れています。

が、そっから先はアカンです。

図書館にあったので、発刊順とか一切考えず(てか知らねぇ)に、何の気なしに借りてはみましたが・・・。
やっぱり過去の評価はそのままって感じですね。

ネクストシーズンやらモンスターシーズンやらと、終物語以前と同じくらい巻数を重ねる気でいるみたいですが、終物語以降は、全部蛇足。


やっぱ物語シリーズは、阿良々木君の高校3年の春休みから卒業までだと思うんですよ。

人気シリーズになれば、人気のある登場人物のその後を書くだけである程度売れたりしちゃうのが癌ですよ。
そして、作者がそれに便乗しちゃうっていうね。

しかも西尾維新作品は、話が進めば進むほど中身がスカスカになってツマラナクなっていく。
今回とかはもう、過去に生み出した人気キャラクターたちが動いているからギリギリ読めましたけど、もし単なる新刊小説だったらガッカリするペラペラっぷりです。

イカン、イカンですよ、西尾維新。


自分が好きだったシリーズが、原作者の手で汚されてく。

なんて、ただのファンが傲慢かもしれないけど、そんな気分です。



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May 13, 2019

灰と幻想のグリムガル Level,14+




オレはオレの心を裏切らない!

灰と幻想のグリムガルLevel,14+ 相変わらずではいられない
十文字 青 著
オーバーラップ文庫


ゴブリン視点でグリムガル世界を見る「さらば愛しきゴブリガル」
マナトの視点で語られる「お願いだから、あと少しだけ」
狩人になったユメと魔術師になったシホルのギルド研修期を描いた「今日はおやすみ」

そして、信念を曲げない「あの男」が帰ってきたー
ハルヒロ達と袂を分かった暗黒騎士・ランタのその後を描いた「仮面有情」

本編で語られていない4エピソードをまとめた短編集。

現行本編のパラノ編のダメージが大きすぎて、発売日に買ったのにまだ読んでいませんでした。

いや、グリムガルが面白いってことを思い出せてよかったです。

「ゴブリガル」は、胡蝶の夢のような話。
突然グリムガルに召喚されたハルヒロたちが、人間じゃなくてゴブリンだったら。
そんな視点でゴブリン側の世界観を見せる。

「あと少しだけ」は、ラストが分かってるだけに・・・ね。
早く死んでしまったマナトが、一体どんな人間だったのか、何を考えていたのか、何をしていたのかが深掘りされることで、本編の深みがグッと増す。

ユメ・シホルの話で重要なのは、シホル側のエピソードかな。
ユメ側は、なんでユメがお師匠に可愛がられているのかが分かるだけ。
シホル側のエピソードは、なぜシホルが「ダーク」という独自の呪文体系を生み出すことが出来たのか、そのキッカケはここにあったと知る。

そして、この単行本の核となるランタのストーリー「仮面有情」。

不覚にも「ランタかっけぇ」と思ってしまうランタ尽くし。

カリスマオーク・ジャンボ率いる集団・フォルガンを離れて3年。
人間族の敵地の中で、ランタは生き延び、オルタナを目指していた。
あらゆる状況、あらゆる環境を独力で切り抜け、腕を上げ、知識を蓄え、実力を兼ね備えた男に成長したランタが、今もオルタナを目指す理由。
それは、もう自分には笑いかけてくれることはないだろう、彼女にもう一度会いたいがため・・・


この巻は、「ゴブ → マナト → ユメ・シホル → ランタ」という構成がもったいない。
読者はパラノ編で心折られてるんだからさ、冒頭はゴブじゃなくてマナトとかでサクッと掴んで欲しかった。買って最初にゴブリガルがちょっと面倒くさかった。

まぁ、ゴブリガルも読み終わればソコソコだったんですけどね。
ツカミとしては掴みにくい感じだったのは否めない。


読み終わってみれば、本編の間に挟まる短編集としては十分楽しめました。

まさかランタが単独で3年も彷徨ってるとは思わなかったですけどね。
ランタがめっちゃ強くなってて、かなり良い感じで、なんか笑えた。

そして、人間の敵にあたるオークや灰色エルフ側の状況や社会なんかも垣間見ることが出来て、なかなか良作の短編でした。


本編の続き、はよ。

パラノのその後、はよ。




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April 28, 2019

劉邦(下)

劉邦(下)
宮城谷 昌光
毎日新聞出版
2015-07-14



楚漢戦争、ここに終結!

劉邦(下)
宮城谷昌光 著

劉邦は、秦に対抗する形で立った楚王朝に従い、戦い続けてきた。
項羽と共に遠征し、各地を転戦する中で、盟主であった項梁が討たれる。

これで楚王朝も終わりか・・・

そう思われたが、項梁の甥である項羽が頭角を現し、楚は強大な秦に対抗していく。

そんな中、楚王から秦の首都・咸陽がある関中を攻める命を受けていた劉邦は、関中を目指す。

「関中を制した者を関中王とする。」との約束を信じ、快進撃を続ける劉邦。
成長した配下たちの活躍もあり、果たして秦打倒は成った。

秦打倒後に仁政を行った劉邦を、民は歓呼の声で迎えた。

だが、項羽は約を違える。
本来であれば真っ先に論功行賞で関中を与えられ関中王となるはずが、一向に声がかからない。

そして、待った結果、劉邦は中華の果てである巴蜀と漢中という僻地へと封じられてしまう。

道もない地の果て漢中で、劉邦は打倒・項羽の軍を起こすのだった・・・


劉邦が秦を斃し、漢中に流され、打倒楚の軍を興し、50万の大連合軍で負け、再起しては負け、それでも着実に味方と勢力を増やして遂には項羽を打倒する。

三部作の下巻は、いわゆる「項羽と劉邦」の物語の半分以上がギュッと凝縮されている。


色々といわゆる司馬遷の「史記」とは違う解釈で綴られてきた、宮城谷版「劉邦伝」。

なんだなんだで結局、項羽と劉邦の決定的な差は、個人と集団の力の差。

他人を信じず、全てを自分でやらなければならなかった項羽。
他人を信じて任せ、成長を促した劉邦。

戦い続けていけばいつかの時点で集団が勝つ。


どの英雄も夢を成し遂げてしまったしまう前後あたりから衰退の気配が濃厚になっていく。
初心を掲げた頃の鮮烈さが無くなっていき、人物として個人が持っていた魅力が減っていく。

そして一方で、強大なライバルとして描かれていた敵も衰退していき、最後には命を落とす。

物語が終わりに向かうほど、切なさが増していく。
これは、完全に作り物の小説とは違う、歴史小説の持つ業。

そして人の世の常でもあるのだろう。

鮮烈に竜が昇るがごとき爽快感を持つ前半に紙幅を割き、頂点から終末に向かっていく部分は下巻だけにまとめるのは、物語の構成として当然なのかも知れない。


あとがきの中で、宮城谷さんの執筆スタンスを垣間見ることが出来るのだけど、しかしすげえ人ですな。

「史記」「漢書」を読み込んで、どこが司馬遷の創作なのか、どこが班固独自の内容なのかとその行間に思索をはせ、「文功臣表」や「功臣侯者年表」で時代の人物たちの氏名を眺めてはそれぞれの人物像を想像していく。

ほぼ歴史学者やん。

〇〇や◇◇については分かっているつもりだったが、△△などの功臣がどのように活躍したか分かってない自分に気が付いて愕然とした。

っておい。
どんだけ歴史オタクや。

その、まるでメジャーな偉人みたいに名前を出してる〇〇って人、僕は貴方の小説で知ったから!!
項羽と劉邦の物語で、張良、范増、韓信くらいは知名度があるかも知れんけど、他は知らんて。

まぁ、こういう人じゃないと歴史小説なんて書けないんだろうけどさ。


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April 27, 2019

劉邦(中)

劉邦(中)
宮城谷 昌光
毎日新聞出版
2015-06-15



最強の宿敵・項羽台頭!

劉邦(中)
宮城谷昌光 著


綺羅星のごとき才、集結す。

民に推され沛県の令となった劉邦は、近隣の県を平定しながら勢力を拡大していく。
その行軍中、名軍師・張良と出会う。

勢力を拡大した劉邦は、自分を裏切った古いなじみ雍歯の治める豊邑を攻めるが、どうしても落とせない。

そんな時、秦に滅ぼされた楚の復興を行った項梁の存在を知った劉邦は、項梁を訪ね、豊邑攻略の協力をとりつける。

楚の力を借りた劉邦は、遂に豊邑を落とした劉邦だったが、雍歯を取り逃してしまう。

楚と結んだ劉邦は、項梁の甥である項羽と共に秦の城を攻め続け、快進撃を続けたが、戦地に衝撃の一報がもたらされる・・・。


いわゆる劉邦という人物を描くにあたって、上中下巻で物語を作るのであれば

三部構成は

ただの地方警察署長だったところから沛県の長になる上巻
名を挙げて軍を起こしたものの、項羽に負け続け、その負けの中で張良をはじめとする才能ある人材が集まる中巻
人材の力を集結して項羽と対峙して勝利する下巻

とするもの(?)なんて思ってました。

が、流石というか、何というか。
そんな通り一遍の劉邦ストーリーとは一線を画す宮城谷ワールド。
単純な読者の予想通りには進みません。

この中巻も劉邦は天下に翼を広げ、名を上げ、なおかつ人材が集まる快進撃を続ける。

一方のライバル項羽は、平野戦では無類の強さを見せるものの、まだ青さの抜けない成長途中の若武者。
時流と血筋によってその地位にあるものの、敵対勢力であっても人として扱う劉邦に対し、敵と味方を分けて考える冷徹さで周囲に疎まれている。
しかも、行軍を共にした劉邦を慕っている節さえある。

随分と今までに描かれた項羽と劉邦のイメージとは違う2人の姿が、生き生きと描かれる。



才能の項羽に負け続けた、器だけ大きい暗愚の劉邦。
己の才で名を高め、冷酷でありながら常勝した項羽。

そんなイメージが覆る。

まぁ、確かに考えてみれば、負け続けの将に人材が集まるわけもなく、ライバルに一勝したくらいで天下統一が成るわけもない。
年齢的に若輩であった項羽が攻め落とした城の敗残兵を全員殺して、それで名が高まるわけもない。

過去の史料の断片から創造の翼を広げる楽しさが、ここにある。


さて、次巻で最終章。

縁を通じた項羽と劉邦がどう対峙し、決着をつけるのか。
これまた楽しみです。


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April 23, 2019

劉邦(上)

劉邦(上)
宮城谷 昌光
毎日新聞出版
2015-06-19



天下人の器とはー

劉邦(上)
宮城谷昌光 著

三国志から遡ること約400年、宿敵・項羽との歴史に残る大合戦を制した男の全く新しい人間像を描き出す。


秦の始皇帝によって中華は統一された。
だが、その治世は盤石ではなかった。
秦が制した国々には恨みと不満があり、秦の行った法による統治は人々を苦しめていた。

始皇帝没。
周囲への猜疑心を抱え、不老不死を求め、占いによって自分に仇なすと出た者を殺した皇帝が没した。

首都・咸陽の東にある沛県。
その沛県の行政区である泗水亭の亭長(警察署長)であった劉邦は、その時、すでに40歳を超えていた。
周囲には劉邦に一目置く者も少なからずいたが、その時の劉邦はただのうだつの上がらない地方役人に過ぎなかった。

劉邦に始皇帝陵建設のため、100人の人夫を連れて驪山へ行けとの命が下る。
だが、その100人の中に劉邦に恨みを持つ何者かの手先が紛れ込んでいた。

驪山への道程で30人ほどが姿を消し、100人を揃えることが出来なくなった劉邦。
夫役を全うできないならば、劉邦と残った70人には死刑が待っている。

秦の法によって自分と70人が殺されてしまうならばと、一身に罪を被って山野へと劉邦は逃れた。

だが、その行動が、劉邦の運命を大きく変えていくことになる・・・・。


中国最初の統一王朝である秦を打倒し、400年続く漢を立てた男・劉邦。

劉邦自身は仁義に厚い人ではあったが愚鈍であり、ただ人を魅了する才のみがあった人と言われる。
負けに負け続けた劉邦は、その負けの中で才のある仲間を集め、天賦の才で勝ちに勝ち続けた項羽を最後に斃したと伝説される。

「組織のトップは自分自身でなんでも出来る必要はなく、何でも出来る人を集める器であればいい。」とはよく言われる言葉。
その根拠となる人物像を示した人。


今までの物語で描かれる劉邦は、人たらしの才能だけで時流に上手く乗ったように描かれることが多い。

だが、本当にそうなのだろうか。
そんな人物が、人に惚れられ、命を賭して支えられたのだろうか。

そんなわけはない。


この上巻は、臥龍であった劉邦の人となりと才の片鱗を感じさせる序章。
地方の役人に過ぎなかった劉邦が、人々に求められて県令(リーダー)となり、荒れ狂う時流の中で存在感を示しだす。

ただ、まだ上巻時点では劉邦は「秦の打倒」などという大望を抱いたわけでもなく、その時その時を自分の中の正しさに準じて生きているに過ぎない。

果たしてこの後、どう劉邦が変わっていくのか。


と言うか、上中下巻の三巻で、描き終わるのか劉邦。

そっちも気になるところです・・・。



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March 10, 2019

村上海賊の娘 下巻

村上海賊の娘 下巻
和田 竜
新潮社
2013-10-22



村上海賊の娘 下巻
和田竜 著

ならば、独りでも行く。
鐚銭一枚の報酬で。


「自分の輿入れ先に。」と探し、出会った、泉州の海賊たち。
その棟梁・真鍋七五三兵衛は屈強な体と、憎めない笑顔を持つ豪壮なる海賊。
男としてそそられはしないものの、豪放磊落なその振る舞いに景は好意を感じていた。

その七五三兵衛の陣で、大坂一向宗と信長の戦を目の当たりにする景。

戦に憧れ、自由奔放に生きてきた村上海賊の娘・景(きょう)は、最初こそ憧れの戦を楽しんでいたものの、現実を知る。

戦に華などない。
誰しもが「自家の存続」のために汲々とし、利害のみがぶつかり合う場所で、ただただ命のみが軽かった。

そんな我欲の中で、景の目にただ一向宗の門徒たちだけが、健気に映る。
帰依した時点で極楽浄土が約束されていながら、門主・顕如のためと慣れない槍を取って戦場に立つ門徒たち。
その門徒に対して、一向宗の将・下妻頼龍が「引けば無間地獄」と言って死地に送り込むのが、景にはどうしても許せない。

そして、景の目の前で縁のあった一向宗門徒の源爺が、七五三兵衛の銛に貫かれる。

失意の中、景は戦場を後にする・・・。



歴史小説であり、冒険活劇。

上巻で幼さを持っていた景が、今までの生き方を徹底的に叩き潰され、そこから一回り、二回り大きくなって復活する姿は、エクスタシーを伴った冒険活劇の真骨頂。

どう考えても勝てない最強の敵は、真鍋七五三兵衛。
二回りも大きな体で、銛を投げれば敵陣を突き破る。
飄々として豪放磊落。
その最強の兵・七五三兵衛が率いる信長方の海賊たちが、魅力的で個性的。

当然ながら味方の毛利方や村上海賊たちもそれぞれに癖があり、また魅力的。
気弱だった景の弟・景親、謹厳実直な兄・元吉・・・それぞれがそれぞれの生き様を持ち、歴史を抱え、想いと、不満と、願いを持って戦場に立つ。

各々の心と、自家の存続を秤にかけている男たちを尻目に、景はただ自分の心に従って動く。

その景の一心が、戦場を動かす。


主人公である景が一度は信長方に身を寄せたことによって、敵と味方の将たちひとり一人の個性と魅力がしっかりと描き出され、その魅力的なキャラクターたちが戦場でぶつかり合う興奮たるや!

活字を追っていながら頭の中では完全に映像化され、はしり、怒鳴り、血を吹き出し、笑っていた。

まぁ、あまりにも生き生きと動き回る登場人物たちが、生き生きとし過ぎてちょっとマンガ的過ぎたりもするのは御愛嬌。
読んでて、「うっそだぁ。」と呟いてしまうが、その言葉を吐いた口がニヤけてしまうのは止められない。

個人的には、ずっとダメダメだった景の弟・景親が強い男に覚醒するシーンがたまらなく好き。
覚醒を描いた後に後世で活躍するエピソードが挿入されたりすると、読んでて小さなガッツポーズしてしまう。

血みどろの殺し合いが描かれているのに、読了後に胸に残るのは清涼感。


ページをめくる手が止まりませんでした。



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March 07, 2019

村上海賊の娘 上巻

村上海賊の娘 上巻
和田 竜
新潮社
2013-10-22



村上海賊の娘 上巻
和田竜 著


「姫様はすべてを欲しておられるのですな」
「そうだ、悪いか」


和睦が崩れ、信長に攻め立てられる大坂本願寺。
信長の本願寺包囲網は、着々と出来上がりつつあった。

「このままでは、補給路が途絶える。」

与力として本願寺に入った雑賀衆の棟梁・鈴木孫一に急所を指摘された門主・顕如は、海路からの支援を毛利に求める。
無視できない本願寺に助けを求められた毛利は、渋々ながら要求の兵糧を大坂に入れるため、瀬戸内海を牛耳る海賊の王・村上武吉の協力を仰ぐのだった。

能島に居を構える村上武吉。
その娘、景(きょう)は男だてらの海賊働きに明け暮れ、地元では嫁の貰い手のない悍婦(かんぷ)として知られる醜女(しこめ)で名高い。

武吉は、毛利への協力の見返りに、景を毛利の美丈夫・児玉就英の妻にすることを要求するのだった・・・。


背が高く、手足が長く、精悍であり、彫りの深い顔立ちの景。
景は醜女醜女と言われているが、女性はでっぷりのっぺりが「美しい」とされた時代の美的感覚に合わないだけで、決して醜女ではない。

美醜なんて時代時代の美的感覚に合わなければそれまでなのだが、読者の脳内で再生される景は、躍動感があって美しい。

20歳の女性と言うには、まるで少年のような快活な心と、一方で無邪気すぎる残忍さをもつ景。
その心は、生き生きと魅力でありながら、非常にアンバランスで危うい。

見た目は時代の下す評価と、読者の脳内でアンバランス。
心は、大人の女性でありながら、中身は男子小学生のようでアンバランス。

景には2つのアンバランスがあり、危うく、そしてソコが魅力的だ。


時代は信長の活躍した戦国末期。
戦乱が続き、人の命が非常に軽かった時代。

偉大な父親・武吉の下で、自由奔放に振る舞ってきた景。

そんな景が「醜女の自分を美人と言う土地がある。」という噂に飛びついて、本願寺を目指す農民たちの大坂行きに便乗する。

大坂で出会った織田方の海賊たちと意気投合し、その戦働きを面白おかしく見物していたはずが、戦場の現実が景を変える。


史実に基づき、細かい時代考証に裏打ちされていて、それでいて躍動感のある物語展開。
戦や、景の活躍などは、あまりに細々重く描かず、スピーディにまるで漫画のような爽快感がある。

アクションのスピード感とガッチリした時代考証のバランスが絶妙。

歴史小説でありながら、この読みやすさ。
すごいな和田竜。

上巻一気読みでした。


まるで蝶の羽をもぐように人を殺していた景。
人間の尊厳を踏みにじることへの怒りが、景を人間として成長させる。

景の行きつく先に何があるのか。

下巻も一気にいきます!




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March 03, 2019

盾の勇者の成り上がり 4・5・6巻

盾の勇者の成り上がり 4 (MFブックス)
アネコ ユサギ
KADOKAWA / メディアファクトリー
2014-05-25



盾の勇者の成り上がり 5 (MFブックス)
アネコ ユサギ
KADOKAWA / メディアファクトリー
2014-05-25



盾の勇者の成り上がり 6 (MFブックス)
アネコ ユサギ
KADOKAWA / メディアファクトリー
2014-07-25



濡れ衣を着せられ、圧倒的に不利な立場ながら、自分の出来ることをひとつひとつクリアし、歩みを進めた盾の勇者・ナオフミ。

ダチョウの様な生き物・フィロリアルのフィーロを仲間に加え、正体を隠して行商で国を巡るナオヒロは陰に日向に人々を救い、いつしか「神鳥の聖者」と呼ばれるようになっていた。

他の3勇者の失敗をフォローして回り、聖者としてして信奉を集めるようになった盾の勇者を面白く思わない者たちがいた。

剣・槍・弓の勇者を信仰し、盾を悪魔とする三勇教。
ナオフミが最悪の立場となる元凶となった三勇教が、牙をむく。



何というんだろうか。
このレベルの小説が市販され、アニメ化までされるのかー。

どんだけアニメ化ネタに困ってんだ?


ラノベらしいフランクな書き口調は良いんだけどさ、「て・に・を・は」が狂ってるから読みにくい。

そこに居なかったハズのキャラが、突然居たりする。

登場人物が、「キャラクター」であって「人物」じゃない。
生きている存在としてのリアリティが一切感じられないってのは、ある意味で凄い。

裏切られ、蔑まれ、恨み骨髄という表現をしたかと思うと、その敵キャラとボケ・ツッコミ的な会話をしていたり。
命を落とすような策謀を巡らされ、実際に命を狙うような攻撃をした相手と共通の敵が現れたら、アッサリ助けたり、共闘したり。

人間なら、無理よね?
っていう行動が多すぎ。

強姦の濡れ衣をきせられたからって、20歳の青年が美女の裸に一切関心を示さない朴念仁になるって、あるんですかね?

とにかくストーリーが雑。
登場人物たち、特にナオフミ以外の3勇者が、あまりにも有り得ない思考と行動をするから、物語として進んでいかない。

バトルシーンの臨場感のなさ。
Aが魔法を唱え、発動し、飛んでくる途中で、仲間と会話しちゃうって凄いよね。
スピード感が皆無だよ。

しかも状況の描写が曖昧。
国を背中に乗せ、頭だけで町くらいある生物と戦い、剣で放った必殺技で首を落とす。
うーん、うん?
どういう状況なのかな?
とか、思うシーンが沢山ある。

ノリだけで書いてるのかな?



6巻までなんとかきましたが、そろそろ限界が近そうです。

小説書きって、このレベルでもなんとかなるんだ。っていう、新鮮な驚きがある。



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February 24, 2019

盾の勇者の成り上がり 1・2・3巻

盾の勇者の成り上がり 1 (MFブックス)
アネコ ユサギ
KADOKAWA/メディアファクトリー
2013-08-20



盾の勇者の成り上がり 2【電子版書き下ろし付】 (MFブックス)
アネコ ユサギ
KADOKAWA / メディアファクトリー
2014-01-29



盾の勇者の成り上がり 3 (MFブックス)
アネコ ユサギ
KADOKAWA / メディアファクトリー
2014-03-25



2019年の冬期にアニメ化されているので、原作に手をつけてみました。
市の図書館とかに入ってんのね。


大量の魔物を生み出す「波」。
波を乗り越え、世界を救うのは神器である剣・弓・槍・盾をそれぞれに持つ四人の勇者。

4勇者の1人・盾の勇者として召喚された大学生の尚文(ナオフミ)は、最初に仲間になった女性冒険者・マインの謀略によって強姦未遂の罪を着せられ、悪しき勇者として冷遇を受けることになる。

盾の効果によって武器が装備できない盾の勇者は、攻撃手段をほぼ持たない。

身に覚えのない罪によって周囲の人間から蔑まれ、協力は得られず、冒険に出ても守ることしか出来ない出来損ないの能力に苦しめられる尚文。

何とか「裏切らない」仲間が欲しい。

尚文は奴隷商から痩せ衰えた病の亜人・ナフタリアを買い、剣を持たせるのだった・・・。



何というか、あの、本当に内容らしい内容が無い、ラノベらしい作品。
だからこそ、気楽に読み飛ばせるというか。

尚文があまりに一方的に貶められる展開に無理がありすぎて、どうなのか。
周囲の人間たちもバカすぎるし、尚文以外の勇者たちも知能が低すぎる。

登場人物たちが共感できないレベルで馬鹿だと、主人公の不遇も滑稽でしかないのよね。

まぁ、いわゆる異世界転生して、すごい能力でチートでモテモテという内容よりはマシかなぁ。くらいの感じ。

まぁ、一応は3巻までくると、盾の勇者が冷遇される理由らしきモノもおぼろげながら見えてはくるのですけどね・・・。




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アクセルワールド 23 黒雪姫の告白




アクセルワールド 23
黒雪姫の告白
電撃文庫 川原礫 著


ハルユキたちネガ・ネビュラスの宿敵・加速研究会。
加速世界のルールを悪用し、多くの不幸と悲しみを生み出してきた加速研究会が隠れ蓑にするのは、白の王率いるオシラトリ・ユニヴァース。

その悪行の証拠を掴んだハルユキたちは、純色の王たちが集まる七王会議で白の王の代理人・アイボリータワーを追求する。

世界を強制的に「無限中立フィールド」に移行させるスキル。
神器「ザ・ルミナリー」による太陽神・インティの隷属。

加速研究会によって何重にも張られた罠によって、ハルユキの敬愛する黒雪姫(黒の王)と4人の王は太陽神・インティの腹の中から脱出不能な「無限エネミーキル」状態に陥ってしまう。

失意の黒雪姫の傍に居たい。
自宅を訪ねてきたハルユキに黒雪姫は囁いた。

「頼む・・・今夜は、私と一緒に居てくれないか」


前の22巻、読んだはずなのにレビューが無いぞ?
ん、まぁそんなこともあるある。

さて、次のミッションは、「無限エネミーキル状態になった王たちを救う」作戦。

で、23巻は
・ほぼ太陽と同じ能力「超高温」「水無効(むしろ水素にして燃料にする)」を持つ太陽神攻略のための作戦会議。
・黒雪姫とのイチャイチャ御一泊(一緒に入浴付き)での、過去語り
・敵側の罠の核であり、黒雪姫の親友・若宮恵(オーキッド・オラクル)の救出
の三部構成

まぁ、なんと言いますか。

ほぼ太陽と同じ能力を持つ神格クラスのエネミーを従属させ、同時に他にも神獣級エネミーを複数隷属させ続けられるとか「ザ・ルミナリー」どういう能力なんだよ。
死んだキャラは復活しないの根源法則さえも無視する白の王側の無茶苦茶っぷりは、もうツッコミとかさえ野暮に感じるレベル。

でも相手はルール無用で大概だけど、ハルユキの主人公補正もいくとこまでいってんな。という印象。

盛り上げも大事でしょうけど、ちょっと引きます。
もう少しルールの範囲でお願いします。



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January 13, 2019

青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない




青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない
鴨志田一 著
電撃文庫


咲太と妹の花楓の努力は、少しずつ、でも着実に実を結びつつあった。

ひきこもりで中学の2年を過ごした花楓が、高校受験を控えて前向きに自分の将来を考えていく。

花楓の回復を遠くから支えてきた父から
「ママが花楓に会いたいと言っている。」
と連絡が来る。

花楓のイジメと思春期症候群を受け止めきれず、2人の母親は心を壊していた。

「私も会いたい。」

花楓は母親との再会を望んだ。

日常にある幸せを感じる咲太の前に、小学生時代の麻衣とうり二つの少女が現れる。
咲太以外の誰にも見えていないランドセルガール。

特に実害はないけど、これも思春期症候群?
咲太の心に引っかかりはあるものの、あまり気にせずに咲太は咲太の日常を前に進めていた・・・


新展開の中心部分は、咲太自身が親元を離れた2年間で積み重ねてしまった心の歪みというところか。

思春期症候群が思春期の不安定な心が生み出すものだとすれば、この新展開は咲太自身の独立・自立というテーマになるのか?

まぁ、「新展開」も蛇足とまで言うではない、かな。

そして、次巻からは咲太と麻衣の大学生編が始まります。


この巻で既刊最新刊に追いつきました。
ここから先は新刊刊行待ち。

大学生かー。
ありかなぁ。

でも、続きも読みます。


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January 06, 2019

青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない




青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない
鴨志田一 著
電撃文庫


いじめに起因した解離性障害から回復した妹の花楓。
自分が心を閉ざしていた間、がんばってくれていたもうひとりの自分(かえで)のため、花楓は高校受験を決意する。

花楓が口にした目標は、咲太の通う峰ヶ原高校。

だが、二年間を引きこもって過ごしていた花楓には、内申点が無い。
公立高校の受験システム的に、峰ヶ原高校は現実的に無理・・・そんな分かり切った結論は、花楓だって分かっている。

それでも、花楓は目標を口にした。

その花楓の「受験を頑張りたい。」という思いを受け、咲太は花楓の背中を押す・・・。



見せてもらおうか、初期構想を完結させた7巻以後の「新展開」とやらを!!

そんな意気込みで手を付けた8巻。

んーと。
普通に高校生の青春小説でした。

引きこもり続けていた妹の努力を支える良き兄・咲太と、その咲太を陰に日向に支える麻衣さん。
そして、引きこもり状態から前向きに健気にがんばる花楓。

8巻現在では「小学生時代の麻衣さん」らしき少女の影は感じられるものの、思春期症候群はほぼ無し。

正直、「単なる長い後日譚じゃねーか。」と思わないではないです。
が、まぁ、起承転結がちゃんと構築されていた物語が一区切りついて、更に次に展開するためには助走も必要ですよね。

助走なんですよね?

このままずっと思春期症候群も盛り上がりもなく続くのであれば、「新展開」は完全な蛇足になってしまいます。
次巻以降に「小さな麻衣さん」がどう絡んでくるのか次第かなぁ。


綺麗に完結した物語に付け足された新展開として、まだ評価はグレーといったところ。




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December 30, 2018

青春ブタ野郎はハツコイ少女の夢を見ない




青春ブタ野郎はハツコイ少女の夢を見ない
鴨志田一 著
電撃文庫


思春期症候群が作り出した、咲太の胸にある大きな傷。
その原因は、妹・花楓を守ってやれなかった自責の念が生み出した。咲太はそう思ってきた。

だが、違う。

全てのピースを集めた結果、咲太がたどり着いた答えは

自分の心臓が小さな翔子に移植される

そんな二者択一。

未来から来ているとしか思えない大きな翔子。
だが、現実の小さな翔子は、心臓移植を待ってICUにいる。

どうやって小さな翔子は、大きな翔子となる未来にたどり着いたのか。

大きな翔子の胸にある傷を見て、咲太はその答えに辿り着いてしまった。

次の12月24日 クリスマス・イブ。
咲太はスリップ事故に巻き込まれ、死ぬ。
そして、咲太の心臓は翔子の心臓になる。

大きな翔子から語られる、未来の話。
荒唐無稽とも言える物語も、大きな翔子の口から語られれば真実となる。

自分の命か、翔子の命か。
麻衣と生きる未来か、翔子が生きる未来か。

選択は、咲太の手の中にあった。

迷いに迷い、最後の瞬間に咲太が選んだのは、自分が死んで翔子が生きる未来。

だったのに・・・


青春ブタ野郎シリーズ後半も大詰め。
自分の命か、翔子の命かで苦しんだ咲太に与えられたのは、麻衣の死という第3の答え。

翔子のために自分を犠牲にする。
そう考えていた咲太。
だが、咲太の代わりに麻衣が死ぬことによって「死」の意味が変わる。

麻衣のいない世界。
麻衣のいない未来。

咲太は、自分が死ぬことで麻衣に与えようとしていた傷の大きさに打ちのめさる。

人を失うというのは、そんなに簡単なものではなかった。


麻衣、朋絵、理央、のどかと関わった前半で仕込まれた伏線が、全部回収されてラストへと繋がっていくラストスパート。

「青春ブタ野郎シリーズ」という物語の初期構想通りに、咲太と翔子の思春期症候群と、麻衣という存在が絡み合い、今まで咲太がやってきた全ての結果が咲太の未来を作る。

こういうのすげー好きなワケ。

ちゃんと初期構想の通りに物語が進んで、伏線回収して、で、物語のすべてが、凝縮されたラストに繋がる。
良い。

本当に良い。

いやー、完結したわ、青春ブタ野郎シリーズ。
大満足ですよ。






そして、僕は見るのです。

作者あとがきにある
「この先、何年続くかはわかりませんが、咲太や麻衣たちの物語に変らずお付き合いいただけると幸いです。」
という言葉を。

ん?

続く?

綺麗に、完璧に、完結したじゃん。
素晴らしいラストに感動中よ?

ん?


そしてページをめくる。

次巻より物語は新展開!!

新展開!

うーむ。
イランやつだな・・・これは・・・。

でも、買っちゃってあるんだよなぁ、8巻と9巻・・・。
勢いでさ・・・。


なんで、こういうことするんだろうか。
初期構想の物語が綺麗な形で完結してるのに、人気があるから続編とか、本当にやめて。もう。

ハンターハンターは、ゴンがジンと再会して完結。
北斗の拳は、ケンシロウがラオウに勝って完結。
ブリーチは、愛染倒して完結。
物語シリーズは、阿良々木君が高校を卒業して完結。

それで良いじゃないかよぅ。

新世界に向かわなくて良いし、修羅の国に行かなくて良いし、フルブリングしなくて良いし、ネクストシーズンもモンスターシーズンも要らんのよ。

物語は、完結してナンボなのよ。


なんで続き書いちまうんだよう。

はー、本当に困るわ。



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青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない

青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない (電撃文庫)
鴨志田一
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2016-06-10



青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない
鴨志田一 著
電撃文庫


2年前、イジメが原因で発症した思春期症候群によって妹の花楓(かえで)の身体には無数の傷が生まれた。
花楓の心が傷つくたびに、勝手に生まれていく傷。
だが、その切り傷や痣が出来た原因をいくら説明しても、誰にも信じては貰えなかった。

結果、花楓は心は解離性障害を起こし、まったく今までの記憶を持たない別人格を生み出した。
別人格・かえで。

花楓の思春期症候群と解離性障害。
そして、花楓を救えなかった自責の念から発症した思春期症候群で咲太の胸に生まれた大きな傷。

人間不信に陥りかけた咲太は、たったひとり咲太の言う言葉を信じてくれた牧之原翔子に心を救われ、何とか状況を受け入れる。

だが、母親は現実を受け入れられずに心を壊し、父親はその母親に付きそために咲太やかえでと別で暮らすようになる。
梓川家はバラバラになった。

そうして2年が過ぎた。
そして、ひきこもりを続けていたかえでが外に出ようと頑張った結果、花楓が帰ってきた。

花楓が戻ってくる。一方でそれは別人格であるかえでの消滅を意味していた。

2年を共に過ごしたかえでが居なくなる。
そんな現実に押しつぶされそうになっていた咲太の前に立ったのは、かつて咲太を救ってくれた大きな翔子。
大学生になった翔子が再び現れ、咲太の前にいた。

行く場所がないという大きな翔子。
咲太は、とりあえず家に泊め、数日が過ぎる。

麻衣が仕事から戻る前には「大きな翔子さんの問題」も解決しないと・・・そう思ってシャワーを浴びていた時、インターフォンが鳴る。

大きな翔子が勝手に出てしまったインターフォンの向こうに立つのは、仕事でしばらく帰れないはずの彼女・桜島麻衣だった・・・・


妹・花楓/かえでの抱えていた思春期症候群と解離性障害。
咲太の胸の思春期症候群。
そして、大きな翔子と小さな翔子の謎。

青春ブタ野郎シリーズの中心となる、3つの思春期症候群が動き出す。

他人から認識されなくなっていく麻衣と出会う1巻。
時間を巻き戻してしまう後輩・朋絵と出会った2巻。
2人の自分に分裂してしまった友人・理央を救った3巻。
麻衣と人格が入れ替わってしまったのどかを救った4巻。

麻衣たちヒロインズと出会って、思春期症候群問題を解決してきた4巻までを物語の前半とするなら、妹・かえでの問題から咲太・翔子の問題へと繋がっていく5巻以降は後半。
かえでの消滅を受けて、物語は一気に加速しだす。

前半4人の思春期症候群は、確かに大問題ではあったものの人の生き死にには影響しなかった。

かえでの消滅というのは、はたから見れば「花楓」の復調でしかない。
だが、2年をともにした咲太、そして、かえでに出会ってしまっていた麻衣やのどかにとっては、ひとりの人間の死。

かえでの死がもたらす心の穴は、当然のように大きく、咲太の胸の傷が開くには十分な理由となる。
しかも、同時進行で心臓病を患う小さな翔子に残された時間が確実に減っていく。


麻衣さんと大きな翔子さんの修羅場突入で終わった5巻から、この6巻へ行く流れを止めることは出来ませんでした・・・。

しかも、6巻のラスト・・・。
まぁ、途中からソレが脳裏にチラついてはいたものの、鬼みたいな終わり方しやがって・・・。
止まんねぇだろ・・・。

青春ブタ野郎シリーズ、後半に入ってからの加速度、すごい。


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December 29, 2018

灰と幻想のグリムガル Level,14




「一緒に帰ろう グリムガルへ」

灰と幻想のグリムガルLevel,14 パラノマニア
十文字 青 著
オーバーラップ文庫


全てが移ろいゆく他界・パラノ。
道順、距離、時間、そして心の在り方までが移ろいゆく世界で、仲間と離れてしまったハルヒロはアリスと名乗る少女に出会う。

アリスはぶっきらぼうではあったが、パラノのルールについてハルヒロに教えてくれた。

その中で、最も大事な要素は、魔法。

愛着のある道具を通して発現するフィリア
自身の肉体を通して発現するナルシィ
もうひとりの自分を映し出して発現するドッペル

全員が何らかの魔法を持つ。

そして、最後の一種はハルヒロの持つ、他人を通じて発現するレゾナンス。

非常にレアな魔法であるレゾナンス持ちのハルヒロを得て、アリスは宿願とも言える計画を実行に移すのだった・・・。


自分の内面と向かい合うパラノ編。
当然だけど、とにかく、精神世界の描写が多い。

そして、今描かれているのが、ハルヒロの心理なのか、向かい合っている相手なのか、ハルヒロと融合した相手なのか、それとも・・・・と、自分と他者の境界も曖昧になる世界なので、読んでて結構しんどい。

しかも、パラノでは精神のバランスを崩すことで簡単に精神崩壊するので、こりゃあ、もうって感じ。
更には風景描写も移ろいゆく世界だったりするもんだから・・・中盤はかなりダルい。

多分、十文字さんも「この世界を長く書いたらアカン」と思ったんでしょうね。
かなり手早くまとめてる感じが伝わってきました。


御都合でもなんでも良いから、さっさとパラノ終われ。

そう思いながら読み進んでいったら・・・・ラストの数ページでヤラレマシタ。
この展開、まじかよ。と。

いつものパーティの誰かに不幸があるパターンではなく、右斜め上をいく感じでヤラレマシタ。

これは・・・アレだ。
次の巻が、グリムガルをぶん投げるか、神小説になるかの分岐になるな。


とにかく、パラノ編終わって良かったよ。
世界自体も、キャラクターたちの精神も、全部不安定な世界って、文字情報だけだと楽しめないと言う事が分かりました。



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December 26, 2018

冴えない彼女の育てかた FD2(ファンディスク)




冴えない彼女の育てかた FD2
丸戸史明 著   深崎暮人 イラスト
ファンタジア文庫

アニメ1期・2期のBlu-ray &DVDの初回特典で書き下ろされたショートストーリーを集めた一冊。

完結してからも萌豚どもから搾取するため、色々出してくるもんなぁ。
そして案の定搾取されちゃうもんなぁ。


アニメ1期と言えば、初っ端からサービス回をぶっこむことで一気に持って行った、伝説の第0話「愛と青春のサービス回」。
あの温泉旅行2日目の朝、ヒロインたちはどんなだったのか。

恵が倫也のためにメインヒロインとしての演技指導を受けた様子はどんなだったのか。

第2期のまたもやサービスプール回の夜、恵がどんな女子会裁判にかけられていたのか。

そんな「あの時の裏では、実はこんなことやってました。」という、メインストーリーに影響しない余談短編を集めた、正にファンディスク。

自分のように「全部の初回特典は持ってないけど、余談も読みたいなぁ。」という、ニッチ層を狙った一冊。
ではなく、単に

「コレクターズアイテムだから、買いますよね?(にっこり)」

というマーケティングで出版されたとしか思えない一冊。

一応は2019年秋公開の新作映画に繋がる書下ろしショートストーリーもあるので・・・・ってこのどうでもいい短編だけで本を一冊売るのは無理がある。


まぁ、やっぱり単なる萌豚搾取だよね。

と、搾取された豚さんが何か言ってみた。



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December 21, 2018

青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない

青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない (電撃文庫)
鴨志田一
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2015-09-10



青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない
鴨志田一 著
電撃文庫


咲太君へ
明日、七ヶ浜の海で会えないかな 翔子さんより


中学一年の妹のかえでがイジメにあった。
SNSや掲示板に書き込まれる、心を切り裂く言葉たち。

その言葉を目にするたび、かえでの身体は本当の傷を負っていった。
勝手に切れていく肌、浮き上がる痣。

咲太が中三の時にはじめて触れた思春期症候群。
どんなに咲太がかえでの身に起こったことを周囲に説明しても、誰も信じてくれない。
病院の医者はかえで自身の自傷行為として怪我を扱い、親しいと思っていた友人たちも咲太を嘘つき扱いして去っていった。

妹のかえでを守れなかった。
そんな自責の念にかられた咲太に起こったのは、咲太自身の胸を切り裂く三本の傷。
勝手に裂けた胸の傷によって咲太は病院に運ばれ、入院した。

誰も信じられない。
そんな思いを抱え、病院を抜け出して海を見ていた咲太に声をかけた女子高生・牧之原翔子。
突き放しても関わってくる翔子に咲太は心を許し、そして心を救われた。

あの日から音信不通だった、翔子からの手紙。

だが、初恋の人に会いに行くと、咲太は麻衣に言い出せずにいた・・・


青春ブタ野郎シリーズ・第五巻。
今回のヒロインは、妹のかえでちゃん。

と言うか、かえでの思春期症候群と、牧之原翔子関係の話、そして咲太自身の思春期症候群の話が、このシリーズのラストに向けての核になる部分。
なんでしょ?

そのラストに向けての初手、という感じ。

何で咲太とかえでは、2人で暮らしているのか。
かつて梓川家に、かえでに、咲太に、何が起こったのか。
そんな主人公自身の周囲を掘り下げる回でした。

まぁ、初手と言ってしまうには、あまりにも悲しく、大きな出来事があるのですが・・・。


麻衣の透明化
朋絵の繰り返し
理央の分身
のどかの入れ替わり

ここまでの4巻で出てきた思春期症候群は、どれも解決することによって、それぞれが成長して終わるハッピーエンドだったのですが。

かえでの思春期症候群だけは、方向性が違う。
いや、方向性は違くないんだけど、原因になっているのがイジメってのが違うのか。
内因性と外因性の違い。
自分の中から出てきた不安を解消するワケではないっていう。

なんとも悲しみが深い巻でした。

本当のラストで、咲太もかえでもハッピーエンドになったら良いなぁ。



know_the_base at 20:39|PermalinkComments(0)

December 18, 2018

青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない

青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない (電撃文庫)
鴨志田一
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2015-05-09



青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない
鴨志田一 著
電撃文庫


芸能界に復帰した桜島麻衣は、あっという間に活動休止以前の桜島麻衣に戻ってしまった。
ドラマ、CM、雑誌の表紙、、毎日どこかで桜島麻衣を目にすることが出来る。

だがそれは、付き合いたての彼氏・梓川咲太にとっては、過密スケジュールの麻衣に会えないことを意味していた。

麻衣と会えなかった夏休みが終わり、咲太は人生で初めて楽しみにしていた二学期の始業式を迎える。

しかし、学校に麻衣の姿がない。
昨夜の電話では、学校で会える約束だったのに。

疑問を抱えながら家に帰る咲太は、自宅マンションから出てくる麻衣の姿を見かけ、話しかける・・・・が、どうも様子がおかしい。

表情も、態度も、いつもの麻衣と違う。
何より、咲太のことが誰だか分からないらしい。

「その子は豊島のどか。私の妹よ。」
振り向くと、そこにはどこかのグラビアで見たことがある金髪の新人アイドル・豊島のどかがいた。

しかし、その立ち居振る舞い、そして言葉と記憶は、桜島麻衣そのもの。

精神の入れ替わり。

また思春期症候群・・・。
咲太はため息をついた。


青春ブタ野郎シリーズ第4巻。

金髪ギャル系妹・ 豊島のどか登場。

登場、とは言ったものの。
のどかも最終的に咲太を好きになるはなるものの。
基本的には憧れのお姉ちゃんの彼氏である咲太を、どうこうしようという気持ちは無さそう。

立ち位置的には、すっかりただの仲がいい後輩に落ち着いた古賀朋絵と同じ感じ。

まぁ、この作品の良い所は、正妻ヒロインである桜島麻衣が圧倒的すぎて、他の小娘たちは尻尾を巻いてしうまうので、無駄にハーレム化しないところ。

麻衣さんは本気の芸能人だし、咲太はメロメロだし。
勝負挑まないわなぁ。

さて、そんな麻衣の凄さを見続け、比較され続けてきた腹違いの妹・豊島のどかが、憧れ・好意・嫌悪・妬みといった複雑な感情をこじらせて起こした精神入れ替わり。

のどかに寄り添うことで、麻衣との関係や、麻衣の立場が浮き彫りになっていく。

確かに豊島のどか回ではあるのだけど、むしろ麻衣の家庭環境や、なぜ麻衣が芸能界でトップにいるのかなど、桜島麻衣というキャラクターの掘り下げ回でした。



know_the_base at 18:52|PermalinkComments(0)

December 16, 2018

青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない

青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない (電撃文庫)
鴨志田一
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2015-01-10



青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない
鴨志田一 著
電撃文庫


中学の頃、思春期症候群によって人間不信になった咲太を救った女子高生・牧之原翔子。
咲太は彼女を追って峰ヶ原高校へ入った。

だが、彼女はどこにもいなかった。
卒業名簿にも。

そして、夏休みの雨の日。
高校2年になった咲太が出会ったのは、捨て猫と、中学生の牧之原翔子。

また思春期症候群か。
はたまた他人の空似か。

咲太はいつも冷静な分析をしてくれる友人・双葉理央を呼び出した。
だが、双葉の様子がいつもとちょっとだけ違う。
髪をアップにまとめ、眼鏡をしていない。

牧之原翔子のことを相談し終え、バイトをし、彼女となった桜島麻衣と一緒に歩く帰り道。
咲太と麻衣はマンガ喫茶に入っていく双葉を見かける。

夜に、こんなところで?

双葉を追った咲太は、マンガ喫茶の中で双葉を探すため電話をかける。
通話を始めた咲太は、携帯を持たない双葉理央を見つけるのだった。

双葉理央が2人いる。
今度はドッペルゲンガーか・・・。

一体どちらの双葉理央が本物なのか。

とにかく困っている友人をそのままには出来ない。
咲太は双葉を家に泊めていいかと、麻衣に尋ねるのだった・・・。


青春ブタ野郎シリーズ・第3巻。
ロジカルウィッチこと、知性系巨乳女子高生・双葉理央がヒロイン回。


知性系巨乳。
まぁ、この知性と、男子たちの興味を引いてしまう自分の身体の発育とのアンバランスさこそが、双葉の心の闇になるワケなのですが。


女の子ひとりと、男子2人の友人関係。
女の子は男子のひとりが好きで、その男子には彼女がいる。

この友人関係は難しい。
長続きどころか、そもそもの成立さえも危うい。

それでも、微妙なバランスの上で友人関係は成立してきた。

家族との繋がりが少ない女の子にとっては、この友人関係だけが拠り所。

告白してこの関係を失うのが怖い、だから自分の心を殺し続けなくてはいけない。
自分の心を押し殺して成立していた3人のバランス。

なのに、もうひとりの男子に新しく彼女が出来てしまった。

バランスが崩れる。
みんな自分から離れてしまう、ひとりになってしまう。

その不安が、女の子の心を理屈では処理できない行動に走らせてしまう。


うーむ、理央も可愛いな。
その理性的で冷静な外面と、実は弱い内面と。

てか、イケメンの国見佑真くんはさ、今後どうするのかね。
単純に相思相愛な主人公&ヒロインなんかより、佑真と理央の方が気になるわ。



know_the_base at 10:48|PermalinkComments(0)

December 05, 2018

青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない




青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない
鴨志田一 著
電撃文庫


その日、梓川咲太が目を覚ましたのは、昨日の朝だった。

サッカー日本代表の勝利に沸くニュースキャスター。
丸いスイカを食べたいと言う妹。
同じ言葉で挨拶してくる友人。

全てが、昨日と同じ今日。

確かに昨日の昼、桜島麻衣と正式に付き合いが始まったはずなのに・・・。

またも咲太が巻き込まれた、誰かの思春期症候群。
咲太の相談相手である双葉理央は、あらゆる原子配列の存在を把握することで未来を予知するラプラスの悪魔の理屈を咲太に教える。

誰かが、ラプラスの悪魔となってサイコロを振り続けている。

ラプラスの悪魔となっている誰かの悩みを解決しない限り、麻衣と付き合える明日はこない。
途方に暮れる咲太の前に、昨日とは全く違う行動をしている古賀朋絵が現れた。

所属するグループのリーダーが憧れるバスケ部の先輩から告白を受けてしまった朋絵。
断ればリーダーの顔を潰し、好きでもない告白を受け入れることも当然出来ない。

バスケ部の先輩が偶然のアクシデントで朋絵と咲太の関係を誤解したのを良いことに、朋絵は咲太に偽の恋人になってくれないかと懇願するのだった。


青春ブタ野郎シリーズの第2巻。
元気系後輩・古賀朋絵、登場。

周囲の空気を読みすぎ、気を使いすぎ、周囲の評価を気にしすぎることで無意識に未来を予知し、自分の都合がいい未来を引くまで繰り返す朋絵。

非常に現実寄り、いわゆる普通の女子高生である朋絵の存在は

学校の中で孤立し、そしてそれを正面から受け入れて無視する咲太。
国民的芸能人である麻衣。
いつも白衣を着て、実験室に籠っている理系女子高生・双葉。

といった、現実にはなかなか存在しないようなキャラクターたちとリアリティの繋ぎ役。

思春期症候群という浮世離れした設定と、非実在系のキャラクターだけでは世界観がどこかに飛んで行ってしまう。
リアリティとのアンカーは必要。


背伸びをして、無理に周囲に合わせていた朋絵。
その無理のためにループする時間の中に取り込まれ、咲太と繰り返した時間の中で成長し、等身大の自分になる展開は結構好き。



know_the_base at 20:44|PermalinkComments(0)

December 02, 2018

青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない




青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない
鴨志田一 著
電撃文庫


県立峰ヶ原高校2年の梓川咲太は、何の気なしに訪れた図書館で、野生のバニーガールに出会った。

バニーガールの正体は、同じく県立峰ヶ原高校の3年・桜島麻衣。
容姿端麗・成績優秀、と言うか、彼女は国民的な知名度を持つ芸能人だった。

だが、図書館の中で咲太以外、麻衣に視線を向ける人間がいない。

バニーガール姿なのが桜島麻衣でなくとも、胸元が魅力的なウサギさんが目の前を通れば、男性だったら本能的に見てしまう。
二度見してしまう、いや三度見、いやガン見してもおかしくない。

それなのに・・・。

図書館の中で自由に振る舞う桜島麻衣は、咲太の視線に気づいてこう言った

「驚いた。君にはまだ私が見えているのね。今日見たことは、忘れなさい。」


子役時代にブレイクし、高校に上がるまで第一線で活躍していた桜島麻衣は、突然の活動休止宣言をして一般の女子高生になった。
だが、残っていた仕事を片付けて麻衣が高校生活に入ったのは二学期の途中。
その頃にはクラスの中の関係性は出来上がっており、有名芸能人である麻衣と関わることで悪目立ちしたくないクラスメイト達は、麻衣を空気の様に扱った。

そして、麻衣も空気であることを受け入れ、演じた。
結果、麻衣の存在が空気化していく。

思春期症候群と呼ばれる不可思議な現象と思われる空気化現象。
かつて思春期症候群に巻き込まれたことのある咲太は、麻衣をほっておくことが出来ずに関りを深めていく。
一方で麻衣の周囲で空気化現象は着実に広がり、麻衣は食事さえもままならなくなっていく・・・。


まず言い訳。
もう、ね。
プライベートでまで小難しい本を読んだりしたくないんすよ。

なるべく何も考えないで、楽しいだけの本を読みたいんですよ。


2018年秋アニメの中のイチオシ・青ブタこと「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」の原作に手を出しました。
これぞメディアミックスのあるべき形。

不可思議な事象を巻き起こす「思春期症候群」を経験した主人公が、同じく思春期症候群に巻き込まれている女の子たちと関わり、助けていく。
思春期症候群を「怪異」と読み替えれば、そのまま物語シリーズの説明になるのは否定のしようがない。

似た時期に似たフォーマットを使えば「パクリ」と心ない言葉をぶつけられるのも、仕方ないと言えば仕方ない。

でも、まぁ、ね。

どっちも面白いから別に良いじゃーんと思ってしまう。


この青ブタもラノベらしくハーレム的。

一巻に出てくるだけで
メインヒロインのツンデレ先輩・桜島麻衣。
同級生の巨乳理系冷静女子・双葉理央。
庇護欲をくすぐられる引きこもりの妹・梓川かえで。
元気系後輩・古賀朋絵。

分かりやすい属性付きですなぁ。

どの子も可愛い。
まぁ、ラノベなんてのは女子が可愛いと感情移入出来れば、ほぼ勝利よね。

僕の推しは桜島麻衣なんですが、まぁ当然よね。
黒髪ストレートのツンデレ先輩なんか大好物に決まってる。

物語シリーズならガハラさん、あの花ならつるこ、冴えカノなら詩羽先輩、ビブリア古書堂なら栞子、青ブタなら麻衣。
僕の好みはブレませんなぁ。



know_the_base at 17:34|PermalinkComments(0)