2013年に観た映画

December 30, 2013

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ (後編) 永遠の物語



2012年・日本映画
製作は、「化物語」シリーズのシャフト。

2011年のオンエアから熱狂的なファンを持つアニメ作品「魔法少女まどか☆マギカ」。
その可愛らしいキャラクターデザインとは裏腹に、邪悪なまでに甘えの無いストーリーは、シニカルを通り越した、心に刺さるダークファンタジー。

その「まどか☆マギカ」を、再構成した劇場版三部作。
その第二作目。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

魔女と戦うことを宿命付けられた魔法少女たちの戦いは、哀しくも展開していく。

「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ (前編) 始まりの物語」のラスト、まどかの親友であり、魔法少女となった美樹さやかは人ではなくなった。

魔法少女は、魔女と戦う為に肉体を捨てて、魔力の結晶体ソウルジェムへと生まれ変わっていた。
今までの肉体は、単にグリーフシードによって動かされた操り人形。

その事実を知り、人への妬み・嫉みを抱えて、人を祟るようになった美樹さやかは、ソウルジェムを邪悪に染めていく。
さやか自身であるソウルジェムは、魔女の核となるグリーフシードへと変化する。
さやかは、魔女となった。

魔法少女。とは、魔女になる前の状態を指すから、魔法少女だったのだ。

全てを導いたのは、全ての原因は、彼女たちの願いを叶え、彼女たちを魔法少女にした存在。
インキュベーター・きゅうべえ。
だが、きゅうべえに悪意はない。ただ、人間と異なる理で動いているだけ。

美樹さやかを想う、まどかと魔法少女・佐倉杏子は、さやかを取り戻すために魔女・さやかのもとへと向かう・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

魔法少女として戦って死んだ、巴マミ。
魔法少女の真実を知って魔女となった、美樹さやか。
魔女となったさやかと共に命を散らした、佐倉杏子。

運命に翻弄された魔法少女たちは、儚く命を散らしていく。

残されたのは、謎の魔法少女・暁美ほむらと、鹿目まどか。

時を司る暁美ほむら。
何度も何度も同じ時間を繰り返し続けたほむらの物語で、心が苦しくなる。
全てを知り、全ての運命を知って孤独に戦い続けるほむら。
だが、まどかを想って時を超え続けたほむらによって、まどかに因果の糸が紡がれていく。

ほむらがまどかの宿命を作り出してしまう。

ほむらが生み出したまどかの宿命が世界を変える。



この永遠の物語までは、地上波オンエア内容の要約&ブラッシュアップ版。

TV版と共に、この完成されたストーリーから繋がる第三章とは、一体どんな物語なのか。

この期待値を受け止める作品であってほしい。


最終評価 A−

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December 28, 2013

ブラザーズ・グリム

ブラザーズ・グリム [DVD]
マット・デイモン
ハピネット
2007-02-09


2005年・アメリカ映画
テリー・ギリアム監督作品

フランス支配下にあるドイツ。
学者肌で夢見がちのジェイク(ヒース・レジャー)と、正義感はあるものの要領良く生きたいと願う兄のウィル(マット・デイモン)。
貧しい家の出であるグリム兄弟は、魔物退治で名を馳せていた。

だが、その実は村々に伝わる民間伝承を利用して小金を稼ぐ小悪党でしかなかった。
あらかじめ仕込んでいた仲間に伝承に似せた扮装をさせ、打ち合わせ通りにグリム兄弟が斃してみせる。

だが、そんな2人の悪行を将軍に見抜かれてしまう。

将軍は2人を見逃す代わりにある森で起きている少女たちの失踪事件の調査を命じるのだった・・・。


「ジャックと豆の木」、「白雪姫」、「塔の上のラプンツェル」、「赤ずきん」
「12モンキーズ」の鬼才テリー・ギリアムがグリム童話が生まれた経緯を大胆な新説で描いた大人向けのファンタジー。


ジョークを交えた内容はテンポが良く、ツマラナイとまでは言わない。
でも、面白いと言えるかとなると微妙。

ただ、登場人物の動機や考えているコトがイマイチ分からないのが残念。
グリム童話の要素も盛り込み過ぎて消化不良感が残る。

ハッピーエンドもちょっと無理矢理。

映像は綺麗だし、キャストも良いのに、おしい!


最終評価 B



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December 27, 2013

リンカーン

無題

2012年・アメリカ映画
スティーブン・スピルバーグ監督

命をかけて夢見た真の「自由」

史上最も愛されたアメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーン。

1862年の農奴解放宣言がなされたものの、奴隷制度を残すことを主張する南部と自由を求める北部は泥沼の戦争へと突入していった。
そして、1865年にリンカーンが二期目に入った時も、南北戦争は続いていた。

戦争の終結と奴隷の解放。
2つの夢を叶えたいと願った男・リンカーンの前には、様々な壁があった。

自分の足元の共和党に、足を引っ張る反対派の壁。
合衆国憲法も及ばない州法の壁。
共和党をまとめても届かない、合衆国憲法を改正する為の議席数の壁。

法の解釈を曲げてでも奴隷を解放したいと訴えるリンカーンは、法を我が物にしようとする独裁者と紙一重だと進言する閣僚も居た。

そして何より、終戦の迫った今は、南部との火種となる「奴隷制の廃止」を持ち出すことは平和を遠のかせる劇薬だった。

だが、それでもリンカーンは、合衆国憲法の改正へと切り込む。
それは、リンカーンの政治生命を懸けた挑戦だった。

自分の信じた夢の為、リンカーンはあらゆる圧力の中、自分の中の信念を握りしめる。



農奴の解放を巡って4年以上も間、国を分けて人々が殺し合った南北戦争を終結に導いた男。
アメリカの誇る英雄のひとり。

そのリンカーンを家族を持つひとりの人間として描く。

最高司令官として、数十万の戦死者の責任を抱え
家族を失った父でありながら、戦場に行くことを望む息子を抱え
心に傷を抱えた妻を抱え
分かり合えない人さえも共にこの世界に生きる仲間として抱え

ボロボロに疲れ果て、自分は崩れ落ちるほどになりながら未来に希望を抱き、夢を叶えた。

そして、凶弾に斃れた。


敵対勢力である民主党の議員に語り掛ける言葉。
厳しい現実の前に心折れる仲間を励ます言葉。
息子にかける言葉。
妻にかける言葉。

その全てが心を打つ。

過分に演出されているのは分かってる。
それでも成し遂げた偉業の価値は変わらない。

リンカーンが愛される理由が分かる。


何かを成し遂げ、そして凶弾に斃れる。
語り継がれる英雄や、世界を変えた偉人に定められた運命の様だ。

まるで、それを成し遂げるために天から派遣され、還っていくようでもある。

ここに人知を超えた存在を感じてしまうのは、危険なんだろうな。


最終評価 A



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December 26, 2013

アイアンマン3

無題

2013年・アメリカ映画
御存知マーヴルヒーロー・アイアンマン。

「アイアンマン」で無敵のアイアンマン・スーツを生み出したトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)。
「アイアンマン2」で不安定だったスーツの改良と、精神の安定剤である最愛の女性ペッパーを得る。

だが、「アヴェンジャーズ」 の一員として宇宙からの侵略を撃退してから、その心には宇宙人たちからの襲来に怯える恐怖心が芽生えていた。

極端な力を持つ一個人に世界の安全を任せることに危機感を抱いた政府は、トニーの開発したバトルスーツを「供出」させる。
トニーは軍に所属する親友ローディ(ドン・チードル)にアイアンマン・スーツを託し、自分は新しいスーツの開発に没頭していく。

眠れず、落ち着けるのはバトルスーツの開発・改良をしている時だけ。
そんなトニーの様子に、ペッパーは徐々についていけなくなっていく。

そんな時、テロを指導者・マンダリンの攻撃に部下のハッピーが巻き込まれる。
仲間を傷つけられた怒りと、ヒーローを煽るマスコミへの怒りが、トニーをマンダリンとの対決へと駆り立てる。

勢いで自分の住所をマスコミに晒してしまったトニー。

この不用意な発言は、テロリストの強襲を呼び込んでしまう。
それによってペッパーを危機に巻き込み、トニーは今までのスーツの全てを失ってしまうのだった・・・。


マーヴルヒーローにロジックなツッコミをしても野暮なダケ。
そんなんは、どうでもイイ。


アヴェンジャーズでの戦いによってPTSDを抱えてしまったトニー。
無敵のスーツを失い、身一つとなってしまったヒーローが、その自分の肉体と知性だけを武器に自分の生み出してしまった巨悪と対峙する。

番外シリーズだったアヴェンジャーズのストーリーも引き継いだ、いわばアイアンマン4。

ヒーローとなった苦しみ、葛藤、そして戦いの恐怖はPTSDとしてトニーを苦しめる。
スーパーパワーのスーツを失った弱いトニー・スタークとなることで、映画作品としてのクオリティがぐっと上がっている。


結局、最後は人。
どんなスーパーパワーも使い方を間違えれば、使う人間が悪ければ、凶器にしかならない。

最後には、悩みぬき、苦しみぬいても立ち上がる人間がヒーローになる。

目立ちたがり屋で、欲しい全てを手に入れ、女も好きなら、悪戯や悪さも好き。
性格に難があったトニーが、ついに一個人として成長し、本当のヒーローになる。

スーツを失っても、自分自身がアイアンマンなのだと、トニーはニヤリと笑う。


アイアンマンは、シリーズの最後にトニーの成長物語として完成した。

こんなに綺麗に完結するシリーズだと思ってなかった。
このシリーズが好きな人には、納得の最終章でした。


最終評価 A

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December 23, 2013

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ (前編) 始まりの物語



2012年・日本映画
製作は、「化物語」シリーズのシャフト。

2011年のオンエアから熱狂的なファンを持つアニメ作品「魔法少女まどか☆マギカ」
その可愛らしいキャラクターデザインとは裏腹に、邪悪なまでに甘えの無いストーリーは、シニカルを通り越した、心に刺さるダークファンタジー。

その「まどか☆マギカ」を、再構成した劇場版三部作。
その第一作目。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

何でも願いをひとつ叶えてくれる。
でも、その代償として「魔法少女」となって人間を脅かす「魔女」と命がけで戦わなければならない。

中学2年生の鹿目まどかは、優しい家族に囲まれて育った心優しい少女。
まどかは自分には取り得がない、自分は役に立たないと思い、それゆえに、いつか誰かの役に立ちたいと思っていた。

ある日、まどかは夢の中で世界の終末を目の当たりにする。
そして、「その悪夢はまどかの力によって回避する事が出来る。」と、白いぬいぐるみの様な生物に語りかけられた。

翌日、暁美ほむらと言う少女がまどかのクラスに転入してくる。
まどかの夢の中で、「何か」と戦っていた少女・ほむら。
ほむらは、初対面のはずのまどかに「魔法少女になってはならない。」と警告する。

奇妙な警告に頭を悩ませるまどか。

その帰り道、まどかは白いぬいぐるみの様な生物「きゅうべえ」の助けを求める声を聞く。
きゅうべえを追っていたのは、ほむら。
きゅうべえを渡せと迫るほむらに迫られ、窮地に陥ったまどかを助けに入ったのは、まどかの親友・さやかだった。

その時、まどかとさやか、ほむらの周囲の世界が歪む。

周囲の風景が変わり、奇妙な、それでいて邪悪な「何か」に囲まれるまどかとさやかを助けたのは、同じ学校の3年生・巴マミだった。

ベテラン魔法少女・マミの手ほどきによって、魔法少女の世界を知っていくまどかとさやか。

2人は、自分自身の「願い」は何なのか、魔法少女になるべきなのか、命がけの戦いを目の当たりにする中で道に迷う・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この「始まりの物語」は、地上波オンエア内容の要約&ブラッシュアップ版。
中身はTV版と同じでも、絵のクオリティや演出には「金を掛けた」んでしょうね。
魔法少女と魔女との戦いのシーンは、より美しく、よりテンポ良く、より邪悪。

要点の抽出が上手いからか、ダイジェストと言うよりもテンポが高まった分、完成度が上った感じがする。

ストーリーはTV版の途中

きゅうべえ・ほむらとの出会い 

魔法少女・巴マミとの出会い

巴マミの死

親友・美樹さやかが魔法少女になる

佐倉杏子との出会いと対立

美樹さやかの精神崩壊と魔女化

まで。

この「始まりの物語」に関して言えば、どんなに上手く作っても完全にTV版のトレース。
なので、TV版を見た人間にはソレ以上でも、ソレ以下でもない。

ただ、TV版では「こういう終わりかー。」と思った作品なので、再構成三部作でどんな終わりが待っているのかを期待出来る第一作ではあったかな。

TV版を見てない人にも、「これから見るんだったら劇場版を見た方が良いよ。」と薦められる。

この「魔法少女まどか☆マギカ」は、絵柄とタイトルで「観ない。」人も多いかと思うけど、それは本当に間違い。
むしろ、「魔法少女」的な要素を求める人(少女たち)には絶対に合わない作品。

まだ観てない人は、騙されたと思って、観て欲しい。

「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ (後編) 永遠の物語」へと続く。


最終評価 A−



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December 18, 2013

タワーリング・インフェルノ

タワーリング・インフェルノ スペシャル・エディション [DVD]
スティーブ・マックィーン
ワーナー・ホーム・ビデオ
2009-12-09


1974年・アメリカ映画

サンフランシスコ
地上138階、完成したばかりの超高層ビル・グラスタワー。

落成式を目の前に控えたこのビルで、設計士のダグ・ロバーツ(ポール・ニューマン)は恐ろしい欠陥工事を発見してしまう。
電気系のケーブルのコストカットの為に安く作られた配電盤は、電圧に耐えきれずいつ発火してもおかしくない高温を発していた。

だが、社長はビルに施された設備を過信して、最上階での落成式を決行してしまうのだった。

そして、落成式の為に煌々と輝く電気は、ケーブルとって過剰な電圧になり、グラスタワーのあちらこちらから次々と炎が噴き出しはじめる・・・。


災害群衆パニックムービーの古典。

自分の命が懸った極限状態の中

責任感を持って行動する人。
自分の責任から逃げる人。
ただパニックになる人。
ダメ人間のままで周囲の足を引っ張る人。

露わになるのは人間性。


危機に気付く設計士にポール・ニューマン。
消防隊のリーダーにスティーブ・マックィーン。
その他にもフレッド・アステアやロバート・ワグナーなど、当時のオールスターと言っても過言じゃないキャストと、CG無しの時代に体当たりのスタントと巨大セットで撮られた、正に超大作。

映画が最大の娯楽だった時代の輝きを感じる。

40年近く昔の作品であり、何度となく観た作品のハズなのに、充分に面白い。
CGを使った作品だと、技術が進歩してしまうと昔の作品は観れたモンじゃなくなるが、実写で撮った本物はいつまでも本物。


制止を振り切った女性が駆け寄っただけで爆発炎上するヘリとか。
所々、「ん? なんで?」と思うトコもあるけれど。

スプリンクラーは動かず、防火扉は無いとか。
所々、「それはダメすぎじゃね?」と思うトコもあるけれど。
(まぁ、姉歯事件とかもあったから、事実あるのかも知れんけど)

作品の価値を減ずるほどではない。


いつまでも残る古典には、ワケがある。

ただ、この内容で3時間近いってのは、ちーーーっと長いかな。


最終評価 A




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December 17, 2013

劇場版 くまのがっこう ジャッキーとケイティ



2010年・日本映画
あいはらひろゆき 文、あだちなみ 絵の人気絵本シリーズ「くまのがっこう」の劇場版アニメ化作品。

このシリーズは、スピンオフの「がんばれ!ルルロロ」というTVアニメがあり、娘っちはどっちも大ファンです。

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あらすじ

くまのがっこうの くまのこたちは 1、2、3、4・・・ぜんぶで12ひき。
12ひきの くまのこの
11ばんめまでは みんな、おとこのこ
いちばんさいごの 12ばんめ
たったひとりの おんなのこが ジャッキーです。

好奇心をいっぱいに抱えた女の子・ジャッキー。
お兄ちゃんたちよりも早起きをしてしまったある朝、ごはんのパンを買いに向かう草原でジャッキーはケイティという少女に出会う。

すっかり意気投合したジャッキーとケイティ。
花畑でたっぷり遊んだ帰り道で雨に降られてしまう。

もともと体が弱いケイティは体調を崩してしまう。
心配するジャッキーはケイティのために遠い山まで花を摘みに向かうのだった・・・。


本編30分弱の作品。
たった30分とは言っても、スピンオフの「がんばれ!ルルロロ」は5分程度のミニミニアニメなので、結構しっかりした満足感がある。

それに、このシリーズのアニメ化テイストがクオリティ高い。
原作の絵本が持つ雰囲気をそのままに、それでいてアニメとしての完成度がある。

このシリーズは、登場キャラクターみんなが一生懸命に頑張ってて、みんなが幸せに丸く収まる。
観終わった後に「あぁ、良かったね。」と、何とも嬉しい気分にさせてくれる。

後味、良好。


最終評価 A−


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December 16, 2013

北のカナリアたち

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吉永小百合
2013-05-10


2012年・日本映画


ある日、引退した教師・川島はる(吉永小百合)の元に刑事が現れる。
かつての教え子・ノブが殺人事件の重要参考人になっているという。
音信不通だったノブの今を知りたいと、はるはかつての教え子たちを訪ねた・・・。

たった6人の生徒とひとりの教師だけ。
北海道の最北端にある分校。

はるは生徒に慕われ、こどもたちに合唱の楽しさを教え、人前で歌う喜びを教えた。
だが、その幸せの日々はある事件をキッカケに終わりを告げる。

合唱コンクールで独唱を任された結花の声が出なくなる。
そして、気分転換にと海岸でバーベキューをしている途中、結花が海に落ち、助けに入ったはるの夫が帰らない人になってしまったのだ。

そして20年。
6人は全員がその時の事件を自分の責任だと感じ、背負って生きていた・・・。



まぁ、サユリスト(御高齢の方たち)の為の作品。

吉永小百合さん自身は、70歳になろうという人とは思えない若さと美しさはあるものの、流石に高齢者感が否めない・・・。
モノローグでのキスシーンとか、何とも言えない気分になる。


で、内容もサユリスト向け。

ずーーーっと、淡々と説明セリフが続く。
全部のセリフが、空々しいほどに説明的。

そして、吉永小百合の出会う人、出会う人が突然に内面告白を続けていく。

同じシーンを違う目線で語るサスペンス風味なものの、中身にサスペンスは一切なく。

延々と続いた白々しい展開のラストシーンでは、感動の押し付け感に胸焼けてしまう。


ぶっちゃけてしまえば、死期の迫った夫を支える清純派と思っていた先生が、実は不倫してて、その男と逢ってる時に夫が死んだと言う話なんだけど。
でも、吉永小百合とその役柄が合わないんだなぁ、コレが。

年齢、個性、どう考えても吉永小百合にこの役は無理がある。


松田龍平、宮崎あおい、森山未來と、周囲を固めるキャストは豪華。
でも、単に説明セリフを言い続ける役ばかりなので、話題性以上の必要性は特にない。


ある層に特化した作品なので、その層から外れる人にとってはタルイだけの作品。


最終評価 C+


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December 14, 2013

ブラインドネス

ブラインドネス
ジュリアン・ムーア
角川エンタテインメント
2009-04-03


2008年・カナダ映画

「シティ・オブ・ゴッド」のフェルナンド・メイレレス監督作品。
原作小説は、「白い闇」。


ある日、突然に視力を失った日本人男性(伊勢谷友介)は、往来の真ん中に車を停める。
クラクションが鳴り響く中、彼の車を動かそうと申し出た通りすがりの男(ドン・マッケラー)に自宅に送り届けてもらう。

帰ってきた妻(木村佳乃)に連れていかれた病院では、異常ナシだった。

診察をした眼科医(マーク・ラファロ)は、失明すると暗くなるハズの視野が明るくなったという症状に疑問を感じる。
だが、その眼科医も翌日にはまったく同じ症状に襲われるのだった。

そして、その視力を失う病気は次々に感染患者を増やし、政府は遂に感染者の隔離を行う為の特殊施設を設立する。
次々に収容される患者たち。
その特殊病棟は、感染者を増やさない為に管理者は不在。

盲目者だけが集まり、説明も受けられない。
加速度的に増える患者たちによって食糧不足に陥り、管理する軍隊の非協力もあって衛生環境の悪化も進んでいく。

やがて病棟の状況が最悪の状態になった時、王を名乗る独裁者(ガエル・ガルシア・ベルナル)が現れる。

食料や女を要求し、横暴を尽くす王の独裁に、特殊病棟は極限状態へと加速していく。
高まる不満は火のついたような暴動へと発展していく・・・。


原因不明の感染症が生み出すパニックサスペンス。

警察官、ホテル客室係、娼婦、眼科医、日本人男性・・・この世界では誰も名前を名乗らない、「名前を奪われた世界」。
そして、この国が世界のどこの国なのかもハッキリとは語られない。

人権も、経歴も、全てを奪われ、人格のみが残された人たちが集められた閉鎖空間。
そこには、何とか人間らしい生き方をしようと模索する人が居る一方で、好き勝手をする暴君が生まれる。

名前というのは、人間が人間として在るための第一歩。

世界人類が築いてきた全てを奪われ原初に戻った世界は、現代人にとって地獄に近い。

そして、その地獄から抜け出した世界で、人間が人間らしく生きることに必要なこと、意味に人々は気付いていく。


ただ、唯一この環境の中で「目が見える」眼科医の妻の行動が不可解で仕方ない。

この環境では神に近い能力を持つのに、目の見えない暴君の横暴を許し、自らをその犠牲にさえする。
それは神の子でありながら人の世で罪を背負った、イエス・キリストの投影なのかと思っていたら、突然に復讐心に火が点き、暴動の発火点に変わる。

だったら最初からやりようがあっただろうよ・・・と、思わずにはいられない。


そして、目が見える妻にすがるしか生きられなくなる眼科医が切ない。
彼女を愛しているのか、彼女の能力にすがっているだけなのか、分からなくねっていく。

目が見える彼女を独占したいのか、愛しているのか、それとも・・・?
激しい混乱の中で、彼女の心が自分から離れないことを願うしかない。



あと、この視力を奪う病気は一体何だったのか。

いや、あまり詳しい説明は、逆に興を削がれるのかも知れない。
そのままに、進み過ぎた文明社会への神の罰、みたいな理解で良いのかな?


人間らしさとは?
という、深い問いを投げかける作品でした。


最終評価 A−

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December 08, 2013

デビル

デビル [DVD]
ハリソン・フォード
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
2009-07-08


1997年・アメリカ映画

幼い日に目の前で父親を撃ち殺された青年・フランキー・マグワイヤ(ブラッド・ピット)は、父親が命を散らしたIRAの活動に身を投じ、今では中心的な活動家に育っていた。
IRAと政府の殺し合いは泥沼となり、フランキーは逆転の作戦に必要なスティンガー・ミサイルを手に入れるためにアメリカに渡った。

フランキーはローリーと名を変え、実直なNY市警の警官トム・オミーラ(ハリソン・フォード)の家に下宿することになる。
アメリカの幸福な家庭に身を置くフランキーは、好青年そのものの表の顔と、IRAの活動家としての裏の顔を使い分けてトムとその家族の信頼を勝ち得ていく。

だが、フランキーのアメリカでの活動に妨害が入り、交渉が頓挫。
ミサイルの交渉相手であるギャングのバークとトラブルに陥る。

一方、トムは相棒が誤って強盗を撃ち殺してしまい、同僚を庇って偽証をしてしまう。
誠実さを心に誓っていたトムは引退を決意する。

そんな時、強盗がトムの家に押し入り、事態は急変する。

フランキーは強盗たちが自分の金を狙ったバークの手下だと気付き、トムもまたフランキーの正体に気付いてしまう。

信頼関係を築いていたフランキーとトムは、追う者と追われる者に変わってしまう・・・。


90年代後半頃の作品のテイストが好き。
ストーリーはあくまでシンプルで、それでいて深いテーマを役者の演技力で魅せる感じ。
まぁ、もちろん駄作も山ほどあるけれどね。


悪魔は、自分の心に宿る。

アイルランド問題を下敷きにした作品。
本当なら普通の青年に育つはずだったフランキーが、テロリストとして血で血を洗う戦いに身を投じている哀しさを描く。
名優ハリソン・フォードと若きブラッド・ピットの共演が味になった作品として好感が持てる。

ただ、主人公のブラピはIRAの活動家で、多くの人の命を奪ってきた男。
どう考えてもハッピーエンドにはならない。
それでも、戦いに明け暮れたフランキーの最期に過ごした場所がトムの家であったことに救いを感じずにはいられない。


まぁ、そうは言っても、なんだか暴走気味に動くトムの同僚とか、色々と「なんじゃ?コレ?」な部分もあって、その辺をもう少しスッキリさせた方が良かったなー、とは思う。


最終評価 B

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December 07, 2013

攻殻機動隊 ARISE border:1 Ghost Pain

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2013年・日本
原作・士郎正宗の人気作品「攻殻機動隊」
このARISE シリーズは、荒巻が率いる公安9課に9課のメンバーが集まる前の物語から始まる。

原作、劇場版「GHOST IN THE SHELL」・「イノセンス」、TVシリーズ・Stand Alone Complex に続く、第4の攻殻機動隊。


肉体の機械化(義体化)、脳のコンピューター化(電脳化)が当然になった未来。
幾度かの世界大戦により国家の在り方、社会の在り方も大きく変わり、人類はまだ新しい社会の明確な形を得られないままに人間の営みが続いていた。

公安9課の荒巻は、射殺された汚職容疑の軍人マムロの遺体から電脳を回収すべく遺体を掘り返していた。
そこで、軍の501部隊に所属する草薙素子三佐に出会う。

電脳戦に特化した草薙素子は、恩義のある上司・マムロにかけられた汚職疑惑を追っていた。

素子は、マムロにかけられた疑惑を追う中で、軍のレンジャー部隊に所属するバトー、警察の特捜刑事のトグサ、陸軍警察の潜入捜査官・パズに出会う。

そして素子は、自分の記憶、経験や感覚さえも偽りの情報であることに気付いていく・・・。


ん、んー。

微妙・・・。

攻殻機動隊ファンとしては、少数精鋭の公安9課に最強メンバーが集まるまでの物語ってコトで期待大だったのですが、期待が大きすぎたかな。

今までの3つの攻殻機動隊は、それぞれが別設定でも核の部分は同じテーマがあった。
この作品は、上辺の部分だけ攻殻機動隊人気にあやかって、核の部分は別の作品って感じがした。


原作、映画版、SACシリーズは、それぞれの世界観が独立してて、それぞれの完成度が感動的なまでに高かった。
それに続く「第4の攻殻機動隊」と言うには、ARISEのクオリティが「攻殻機動隊」に達していない。

音楽やテンポは雰囲気があるが、アニメーションがTVシリーズレベルで、新劇場版としては物足りない。
世界観やキャラクターも悪い意味でSACシリーズの踏襲でしかない。


何より、攻殻機動隊って作品の核である草薙素子の魅力が無い。

電脳戦では超ウィザード級のハッカーであり、単体戦闘能力も全身義体の能力を余すところなく発揮するスペシャルな戦士であり、その上で第六感的な直感力を持つ。
これが今までの草薙素子。

草薙素子の魅力は、その圧倒的な無敵さと、外的な最強さに隠れた儚さにあるのに、今回の素子は単に弱い。
この「ARISE」の素子は、電脳戦では優秀な戦士だが、他の登場人物たちに比べて圧倒的な「何か」を持つわけではない。

そうなってしまうと、大戦の中で伝説級の働きをした素子がカリスマ的なリーダーとして存在した今までの攻殻機動隊の公安9課と、今回のARISEで描かれる公安9課は、似て非なるものになってしまう。

その似て非なる公安9課に、トグサやバトーたちが集まってきても、それほどの高揚感はない。


そして、攻殻機動隊のもうひとつの魅力は、ある意味で電脳世界において孤高とも言える素子が、人間の次のステージである電脳世界に惹かれていってしまう危うさがある。

肉体や脳といった個人が個人である根拠を、電脳化や義体化が無意味にする。
記憶さえも外側から書きかえられる世界で、個人の認識が限りなく曖昧になっていき、素子にとっては現実世界よりも電脳世界の方がリアリティを持っていく。

それが、「人間とは何か?」 という深いテーマに結びついてこその攻殻機動隊。

それなのに、ARISEの素子は、記憶を書き換えられちゃう側なんだもん。興ざめっす。


「続きは観なくても別に良いかな。」
そんな風に感じました。

ちょっと期待値が高すぎた感が否めませんが、正直、ガッカリです。


最終評価 B−

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November 22, 2013

火垂るの墓

火垂る~1

1988年・日本映画
スタジオジブリ製作 高畑勲監督


挙国一致
尽忠報国
欲しがりません、勝つまでは。

軍靴の音が響き、一般市民の生活まで戦争に染められた戦時下。
戦況は悪化の一途を辿り、米軍爆撃機の空襲に晒される神戸。

14歳の兄・清太と4歳の妹・節子。
海軍に所属している父は遠い戦地へ赴き、頼りの母も空襲で死んでしまった2人は、叔母の家に身を寄せる。

ただでさえ物不足の戦時下。
清太と節子を受け入れた叔母にとって、2人はお荷物でしかなかった。

母の形見の着物を勝手に処分され、何かにつけて嫌味を言われ、邪険にされる生活。
肩を寄せて支え合う2人の暮らしは、日に日に苦しさを増していく。

清太はたった一升の米と節子を抱えて、叔母の家を出た。

誰も居ない防空壕で清太と節子の暮らしが始まる。

だが、物質的にも精神的にも誰にも余裕が無い戦時下。
こども2人の暮らしが上手くいくわけもなかった・・・。


「僕は死んだ。」
この衝撃的な言葉から時間を遡る物語には、切なさと哀しさしかない。

飢えて駅で死に、ゴミの様に扱われる清太。
その手に残るのは、サクマドロップの缶に入れられた節子の遺骨。

そこに辿り着くまで、一生懸命に生きた2人。

戦争が無ければ幸せに暮らせたはずの清太と節子。
2人が精一杯に生きていていれば、生きているほどに、切なく哀しい。

冒頭から、胸を締め付けられ、苦しさのあまり最後まで観るのが辛い。


戦時下の物不足の中、頼った親戚に邪険にされ、防空壕で肩を寄せて生きる2人の姿は、胸を討つ。

家を失い。
母を失い。
人間としての暮らしも尊厳も失い。
唯一の希望だった父も失った。

あらゆる絶望が、14歳の清太にのしかかってくる。

そんな絶望の中で、生き抜こうとする清太。
4歳の節子は清太の重荷の様に見えて、過酷な暮らしの中で清太が生きる原動力でもあった。


その2人の目線から描かれた物語ゆえに、親戚の叔母は非情な人に映る。
だが、叔母は叔母で戦時下を真面目に精一杯に生きている普通の庶民。
決して悪人という訳ではない。

清太と節子の父は海軍の軍人であり、両親が揃っている頃は他の庶民に比べて良い暮らしをしていたワケで。
そんな暮らしが抜けない2人の態度は、叔母(大人)の目線で見れば働きもせずに遊び、感謝もしないダメな子たち。
誰もが何かは御国の為に働く非常時、叔母にとって2人は苛立ちの種。
遊び暮らす清太と節子と、働いている実の娘とで夕飯に差を付けたくなる気持ちは分からないではない。

叔母の態度は大人気ないとは言え、余裕のない暮らしの中で出るちょっとした愚痴や、小言が、こどもの心を傷つけることに配慮出来なくなった普通の人だと思う。

そして、余裕を奪ったのは戦争。

植民地化を進める列強に対し、うんたらかんたら。
そんな理屈で、高所から戦争を美化したりする向きがあるが、そんな理屈はクソだと、ちゃんと分かれ。

どんなに戦争を正当化しようとしたところで、想像力の無いバカの言葉にしか聞こえない。


どんなに辛くても、叔母に頭を下げて生き延びれば。
そうは思うけれど。
そうは思うけれど、14歳の清太には厳し過ぎる。

こどもにそんなことを望まなきゃいけない世界の方が間違ってる。


節子が、娘と同い年。
もし、娘が節子だったら。
そう思う想像だけで、それだけで、もう堪らない。


最終評価 A


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November 20, 2013

ルーザーズ

無題

2010年・アメリカ映画


ボリビアのジャングルの中、闇の武器商人を襲撃する作戦に従事する特殊部隊・ピンホール。

ジェンセン・通信と技術
クーガー・長距離射撃
プーチ・輸送と重火器
ローク・爆弾と戦術
クレイ・作戦統制

リーダー・クレイの下に集まった歴戦の戦士たち。

5人が標的に爆撃の為のレーザー照準を合わせた時、クーガーが敵基地の中に人身売買されるこどもたちの姿を見つける。
爆撃の中止を要求するクレイに、応える無線は無情にも「作戦続行」を告げた。

爆撃まで8分。

5人は自分たちだけで拠点の襲撃を決行し、無事にこどもたちを解放する。
だが、撤収のヘリにこどもたちを乗せて安心したのも束の間、地上に残った5人は、信じられない光景を目にする。

友軍機がこどもたちの乗ったヘリを撃墜したのだ。

その時に無線から聞こえた名前は、マックス。

CIAが絡んだこの作戦は、最初からこの作戦に従事した5人を生きて返す気など無かったのだ。
5人は作戦無視をした罪を着せられ、現地で死亡したものとして処理された。

復讐を心に誓うクレイだが、ボリビアに取り残され、反撃の糸口は何もない。
失意に暮れるクレイの前に、謎の女性・アイーシャ(ゾーイ・サルドナ)が現れる。

アイーシャは、今回の黒幕・マックスの殺害を5人に依頼する。

ボリビアで朽ち果てるか、それともアメリカに戻って復讐を遂げるか。

5人はアイーシャの提案に乗った・・・。


オーシャンズ11のスタイリッシュさを持った、特攻野郎Aチーム。

スナイパーのクーガーがクールで超格好良い。
ちょっとバカだけど腕の立つ情報担当のジェンセンも良い味出してる。

テンポ良く、格好良く、気持ち良く、何も残さない。

アクション映画のお手本のような作品。


あちがちと言えばありがちだし、チープなCGもあるし、御都合も満載。
でも、アクション映画として充分に及第。

思いがけず楽しめました。


最終評価 B+


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November 19, 2013

清須会議

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2013年・日本映画
三谷幸喜監督作品。

「これは戦だ。」

本能寺の変により織田信長が明智光秀に討たれた。
天下統一を目の前にした信長の死は、定まりかけた天下を回転させる。

信長亡き後の織田家を誰が継ぐのか。

信長の次男で血統も良いのに明らかにウツケの信雄(のぶかつ・妻夫木聡)なのか。
それとも、信雄よりも先に生まれ才能もソコソコなのに、血筋の悪さから三男にされた信孝(のぶたか・坂東巳之助)なのか。

かつての信長の居城・清須城。
そこで今後の織田家の命運を担う後継者を決める会議が開催される。

清州会議に参加すべく、織田家の家臣たちが全国から集まる。

この会議の命運を握るのは、織田家の宿将たち。

中国からの大返しで明智を討った羽柴秀吉(大泉洋)。
田舎大名時代から織田家を支えてきた筆頭家老の柴田勝家(役所広司)。
柴田と共に織田家の古参・丹羽長秀(小日向文世)。

勝家と長秀は三男・信孝を推し、秀吉は信雄を推す。

秀吉に恨みを抱える信長の妹・市(鈴木京香)は勝家をそそのかし。
市に恋心を抱く勝家は、純朴に市の願いを叶えようと動く。
なんとか勝家を盛り立てようとする長秀。
滝川一益の代わりに清州会議に出席することになった、利を追求する男・池田恒興(佐藤浩市)。

清洲城が、駆け引きの戦場と化す・・・。


良く言えば純で朴訥、悪く言えばバカな柴田勝家。
人情に厚いようでいて狡猾な秀吉。
対照的な2人が、両人ともに、織田信長の妹・お市に惚れている。

「初めて戦以外で夢中になれることを見つけたんだ。」と、旧友の丹羽長秀に漏らしてお市様にうつつを抜かす柴田勝家。
一方、自分の感情は一旦横に置いて、必要な手を必要な時に着々と進めていく羽柴秀吉。

コレでは勝家に勝ち目などありはしない。
この作品は歴史を下敷きにしている以上、結果は元々見えている。

それでも、やはり年甲斐もなく純な恋心でソワソワしちゃう勝家を、心のどこかで応援してしまうのが人情。

この作品、明らかに主人公は勝家。
それなのに、勝家は負けてしまう。

この無常。

清須会議に負けて、煮え湯を飲まされ、その仇に織田家の中に自分の居場所は無いとまで言われてしまった勝家。

でも、最後にはお市様を手に入れる。
その嬉しそうなコト。

お市様の口から「勝家と結婚する。」と聞かされ、うつむく秀吉を「お、聞いた?」と、無邪気に小突く勝家に観客は救われる。


でも、三谷作品にしては、あまりにもフツーの作品でした。

笑いに笑った「ザ・マジックアワー」から二作、この作品は三谷幸喜のウリである笑いが、ほぼなし。
三谷作品らしい軽妙さはあるものの、中身は至って真面目。

どこかで笑いを探してしまう三谷作品のファンは、どこか「あれー?」といった感想を持つ。

三谷ファンとしては、数々描かれてきた「清須会議」という舞台で、どんな風にドタバタなコメディが繰り広げられるのかを期待していたのですが、その点では肩透かし。

まじめかっ!

って、感じ。

しつこい位に過去の作品からのネタかぶせをしてきた悪習から解き放たれたと言えば聞こえは良いけど、物足りなさは隠せない。

で、ストーリーに目を移すと、いわゆる定番の「清須会議」の展開を踏襲。
今まで様々な作品で描かれてきたこの超有名な会議だけに、真新しさがない。

結果、「盛り上がりは? 笑いは?」と思っている間に終わってしまう。

役所広司、大泉洋、小日向文世、鈴木京香、浅野忠信、松山ケンイチ、妻夫木聡と、豪華なキャストの力で最後まで観られる作品ではあったものの、やや物足りなさが残る。

フツーに。
悪い作品ではない。け、ど、さ。
ちょっと残念。

期待してた三谷幸喜の「清須会議」、と、作品の間にはズレがあるのが不幸かな。

最終評価 B

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November 15, 2013

ソウルキッチン

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2009年 ドイツ・イタリア・フランス映画


ハンブルクの片隅で大衆レストラン「ソウル・キッチン」を営むギリシャ系ドイツ人・ジノス(アダム・ボウスドウコス)。
川辺の倉庫を改装した汚い店構え。
冷凍食品を加工しただけのテキトー調理を並べるだけの料理。
そんなジノスの店は、そこそこの客の入りで何とかもっていた。

一方、プライベートも問題だらけ。
彼女とは国をまたぐ遠距離恋愛になってしまったり、刑務所から仮出所してきたダメ人間の兄が頼ってきたり、自分自身はギックリ腰になってしまったり。

そんなジノスの周りに集まるのは、自意識過剰な放浪シェフだったり、大酒のみのウェイトレスだったり、ジノスの店を狙う不動産屋に、堅物だったのに媚薬で淫乱になっちゃう税務員など、ちょっと変な人ばかり。

そして、ギックリ腰から始まったジノスの受難は始まったばかりだった・・・。


無駄な説明を省いたセンスのあるコメディ。
まぁ、コメディと言うには笑いは少な目ですケドね。

ハリウッド的な派手さは一切ないけど、ヨーロッパらしい映像の格好良さと音楽がイイ。

欠陥のある人たちが肩を寄せ合って、それぞれに一生懸命には生きているのに上手くいかない。
そんな姿を描く内容は、いっそヒューマンかな。


色々あって、ジノスはどん底にまで堕ちる。

だけど、どん底に堕ちたって、本人が折れなけりゃ、何とかなる。

最後にはちょっと幸せ。
それで良いじゃん。


冒頭の雑だった調理シーンが、最後に料理人としてと腕を上げたジノスに、ちょっとジーンとくる。


最終評価 B+


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November 13, 2013

パール・ハーバー

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2001年・アメリカ映画
「アルマゲドン」のジェリー・ブラッカイマー製作。マイケル・ベイ監督作品。

幼い日から飛行機乗りを夢見て育ったレイフ(ベン・アフレック)とダニー(ジョシュ・ハートネット)。
夢の通り共に空軍のエースパイロットになった2人は、今も共に腕を磨き合う。

第二次世界大戦の知らせがアメリカにも伝わり、世界が動き出す。

戦場に向かう為に2人が共に受けた健診で、ひとつの秘密が明らかになる。
レイフの視力が、規定に達さないのだ。
飛行機乗りにとっては、致命的な事実。

しかし、その危機を救った看護師がいた。
視力検査を担当したイヴリン(ケイト・ベッキンセイル)は、必死に夢を語るレイフのカルテに合格のスタンプを押した。
そして、その出会いで2人は恋に落ちる。
激しく求め合う2人。
だが、レイフのヨーロッパへの赴任命令で運命が狂いだす。

親友のダニーにイヴリンを頼み、ヨーロッパへと赴任するレイフ。

しばらく後、そのダニーとイヴリンにハワイへの赴任命令が下る。
それと同時にレイフの訃報も2人の元に届くのだった。

親友を失ったダニーと、恋人を失ったイヴリンは傷を癒すように惹かれあい、結ばれる。

ダニーとイヴリンがハワイに赴任し、戦況が変わり出した12月6日。
イヴリンの前に、死んだはずのレイフが現れる。

そして、運命の12月8日を迎える。

明け方の爆撃の轟音と共に始まったのは、日本軍による急襲。
アメリカ軍の悪夢・真珠湾攻撃だった・・・。



長い・・・。

3時間を超えるのが流行りだった時期は確かにあるけど、今になってしまえば単にテンポ良く見せるための編集努力を怠っただけなんじゃないかって気がしてくる。

40分に及ぶ迫力の真珠湾攻撃!
確かに、攻撃が始まって直ぐは「おぉ。」と思う。見応えもある。

ただ、爆破爆破で、一方的にやられる真珠湾が悲劇的なのは分かるけど。
戦況とか、状況とか、何が何だかの状態でずーっと「迫力の!!」が続くってのは、どうだ。

でも、主人公たちだけは何だかんだで上手いこと戦果をあげちゃいますけどねっ!
レイフもダニーも、イヴリンも生きてるし、怪我もしないし、ヒーローですけどねっ!

なんだ?
この40分を純粋に楽しめるのは、兵器マニアの人とかか?

更に、真珠湾攻撃を乗り越えた主人公たちが、アメリカ本土から直接東京を空爆するドーリットル空爆作戦に向かうワケなんですが。
この真珠湾以降の1時間くらいが全部蛇足。

「軍需工場(〇〇兵器社とか)」って屋根に書いてある軍需工場ってあるのか?
ダラダラに疲れた後半戦で、この蛇足部分の描き方の雑さは苛立ちさえ覚える。

ここ、映画的に要らないでしょ。
真珠湾攻撃で3人の内の誰かしらが犠牲になって(イヴリンではないが)、生き延びた人がくっついて、アイツの分まで生きる・・・で、終わりで良かったんじゃね?
やっぱ、アルマゲドン的に、どっかで自己犠牲を全面に出した無茶な作戦で主人公が命を懸けるって姿が欲しかったのかね。


そして、一方。
肝心のラブロマンス部分も、キャラクターたちの心情の描き方がカルくて浅い。
レイフとイヴリンの恋物語も唐突だし、レイフの死を知って惹かれあうダニーとイヴリンもアッサリ感がある。

結果。
ラブロマンスのはずなのに、感情移入が出来ない。
むしろ、レイフとダニーの友情を前面に出した方が良かったかもね。


で、出来上がったのは、何となくアルマゲドンとタイタニックを足して2で割ったよーな作品。

ストーリーはタイタニック。
前半はやたらと長い恋愛シーン、で、急転直下の悲劇(真珠湾攻撃)が始まった後は、恋人たちは悲劇によって引き裂かれていくんだよ。

そんでもって、演出はアルマゲドン。
アルマゲドンもそうだけど、映画的な演出の前に理屈とかは良いんだよ。
盛り上がれば良いんだよ。


でも、その2つは混じり合わずにとっ散らかりますけどねっ!!


そして、アルマゲドンやタイタニックと違うのは、悲劇をもたらす存在が自然ではなく、「日本軍」だってトコ。

第二次世界大戦の是非やら、何やらにここで言及する気はサラサラ無いけど、単純な善悪で描き切れない戦争をモチーフにするには、あまりにも安易と言うか、雑さが目につくかな。

神風・特攻・日本軍。
まぁ、一般アメリカのイメージとして受け止めるしかないけど、この辺は、いつの時代のイメージだよ・・・と、苦笑いするしかない。
単純に悪役を押し付けられてるから、日本軍がそういう風に描かれるのが嫌な人にとっては嫌悪感があるだろうなぁとは想像がつく。
けど、まぁ、プラトーンで描かれるベトナム兵とか、ブラックホーク・ダウンで描かれるソマリア人とか、アメリカじゃない側はいつもこんな感じですから。何も日本だけが特別でもない。

他の作品に比べれば、アメリカに一撃を喰らわせた相手として、マシに描かれてた方かもね。


誰にでも分かりやすく。
こうすれば感動するでしょ?
こうすれば泣けるでしょ?
と、アメリカ国内に向けて作ったんだろうってのがスケスケに見えてしまう。

そして3時間オーバー。

正直、キツイ。


日本軍の描き方でバッシングを浴びた作品だけど、それ以上に映画として駄作。



最終評価 C+

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November 12, 2013

宇宙戦艦ヤマト 復活篇

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2009年・日本映画

宇宙戦艦ヤマト・完結篇から26年。
あの戦艦ヤマトが復活する。


あらすじ
西暦2220年、太陽の300倍の質量を持ち、光をも飲み込む暗黒の天体、移動性ブラックホールが宇宙から地球へと迫っていた。
地球連邦政府は、移民船団を組織。
サイラム恒星系アマールへの移民を決行するが、謎の大艦隊の攻撃に遭い、船団が壊滅。
古代進は移民船団の護衛艦隊司令としてヤマトに乗り込み、大艦隊に戦いを挑む。
Yahoo映画より


もう、ストーリーを自分で要約することさえ面倒。

作画レベルが、底辺。
妙に劇画調かつ、動きカクカク。
メカニックデザインも、服のデザインも、とにかくヒドイ。

昔見た洋物輸入のニンジャタートルズとかが、こんなんだったな。
2009年製のハズですが・・・。

ストーリーもひどい。
演出、盛り上げ方、何もかもあったモンじゃない。

途中で過去の「宇宙戦艦ヤマト」の映像が出てくるんだけど、その絵のマトモさに涙が出る。
アニメーションとして観ても、30年以上前の宇宙戦艦ヤマトシリーズの足元にさえ及ばない。

よくも、まぁ、ここまでクソ雑に作れたモンだ。

宇宙戦艦ヤマトの熱心な信者じゃない僕でも、ここまで原作を穢されると流石に萎える。


で、スタッフロールの中に

原案:石原慎太郎 の文字。


うお。出たな、老害ジジイ。
自分は作家だとか、何とか言ってたな。
美意識がどう、とか、言ってたな。

これが、そうか。

流石のクソ仕事でした。


最終評価 C−





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November 11, 2013

闇金ウシジマくん

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2012年・日本映画
人気漫画を実写化した深夜ドラマの劇場版。

恐ろしいほど頭が切れ、冷徹、そして肝が据わった闇金融の丑嶋(山田孝之)。

丑嶋に関わってしまった人間の人生が、転がる。

パチンコ中毒で底辺生活が染み付いた母親が、丑嶋の闇金で金を借りてしまった未來(大島優子)。
金を返す為に稼ぎの良い出会いカフェで働き続け、金の為なら身体を売っても良いと考えるようになる。

一方、未来の幼馴染の純(林遣都)はイケメンダンサーを集めたイベントを企画し、彼ら目当てに集まる女性たちから金を巻き上げていた。
だが、純のイベントは、丑嶋によって資金調達の道を閉ざされる。

丑嶋を恨んだ純は、丑嶋への復讐を計画する・・・。


金と、暴力と、エロス。
大事なのは、ヤングマガジン的な分かりやすさ。
登場人物は、心情を全て言葉で説明してくれるので、単純明快。非常に説明的。
ストーリーも分かりやすく、闇金に手を出して堕ちていくテンプレな人達沢山。

とにかく説明セリフが多い、多すぎる。

分かりやすく作り過ぎて、非常に安っぽい。

林遣都は、脚本の結果としても、バカ過ぎる役。
彼はずっとイベントさえ成功させればって言ってるんだが、「何コレ?」ってくらいのショボイベント。
こんなイベントで人も金も集まるワケねーだろ。

そして、大島優子の演技力・・・、AKBクオリティ。
設定は高校出たて?でも、まんま大島優子。何歳の設定なんだか分からない。
てか、この子の要素、必要?


他の要素は大体残念なのに、それでも作品として成立させるのは、山田孝之の存在感。

分かりやすく感情をセリフで説明してくれるその他大勢に比べ、ほとんど表情を動かさず、セリフも少ない。
主人公なのに、登場時間さえも少ない。
それでも圧倒的。

とは言っても。
その山田孝之でさえ闇金なので、共感とか、応援したくなる要素とかは無いですしね・・・。
山田孝之の力をもってしても、キビシイはキビシイ。


最終評価 B−
山田孝之の存在のみが、この作品をCに落とさなかった。か、一応。


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November 08, 2013

トレマーズ

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1989年・アメリカ映画

アメリカ・ネバダ州のド田舎の町・パーフェクション。
広大な大地で暮らすバル(ケビン・ベーコン)は、相棒のバセット(フレッド・ウォード)と牧場の柵を直したり、ゴミ掃除をしたり、住民からの頼まれごとの仕事をして暮らしていた。

自由と言えば聞こえは良いが、目標もないその日暮らしに嫌気がさしたバルとバセットは、町を出ることを決意する。

だが、町を出る道すがら鉄塔の上で脱水で死んでいる町人を発見。
その後に通りかかった牧場では、喰い散らかされた羊と、地面に生首だけで埋まっていた牧場主を発見してしまう。
警察を呼ぶために再び町を出たバルとバセットは、遂にこの事件の犯人に辿り着く。

その犯人は、地中を自由に泳ぎ、地上の生物を捕食する巨大な蛇状のモンスターだったのだ。

バルとバセットとパーフェクションの住人たちとモンスターの戦いが始まる・・・・


11月の木曜日はトレマーズ!

毎週木曜日にトレマーズを1〜4まで放送とか。
流石は、我らのテレビ東京。
流石は、我らの午後のロードショー!

目の付け所が違う。


ジョーズが放映され、定型となった「謎の巨大生物が突然、人を襲い、それと戦う。」シリーズ。
このジョーズ亜種作品群には名作駄作にクソ作品と色々ありますが、このトレマーズ「1」は傑作の部類。

ジョーズの背ビレの代わりに、盛り上がりながら埃をたてる地面。地中を自在に這い回る謎の蛇状モンスターはまさに地上のジョーズ。

それほど多くない予算の中に、様々なアイディアと演出が盛り込まれていて満足度が高い。

狂っていく地震計、地中に埋められていく車や人。
意外と知性の高いモンスターと、その弱点を探りながら戦う人間。

地中の生物と戦うという設定を生かした展開は見応えがある。
所々にコミカルさもありつつ、無駄じゃないセクシーもありつつ、スリリングに最後まで楽しめる。

80年代の作品なので古さはある。
だが、モンスターの正体を晒すと恐怖感が薄れることが分かっているので、基本的にモンスターが姿を見せない。
そのおかげで今でも観られるB級映画になっている。

80年代に撮られたB級映画が、今でも面白いって、それは称賛に値する。
これなら続編が4までいったのも納得。


最終評価 A


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November 06, 2013

ブラックホーク・ダウン

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2001年・アメリカ映画
リドリー・スコット監督作品。


1993年・内戦が激化し、泥沼化しているソマリア。
内戦による戦火と飢餓により、30万の民衆が命を落とした。

武闘派部族を率いるモハメド・アディード将軍がモガディシオを制圧。
アイディード将軍は、国連の援助食糧を独占し、飢餓さえも支配の道具にした。

国際世論を受け、2万人のアメリカ海兵隊が介入。
一時的に治安は回復したものの、アメリカの撤退と同時にアイディード将軍は国連軍に攻撃を仕掛けた。

アメリカはアイディード将軍の排除を行う為、最強部隊を再投入するが、局面は打開せずに更なる泥沼化を招くのだった。

だが、アメリカもただ手をこまねいているワケではない。
遂にアディード将軍の本拠地に急襲作戦が開始される。
作戦自体は、ものの1時間で終わるハズの、デルタフォースにとってはいつもの内容。

しかし、アディード側の思わぬ反撃により支援ヘリのブラックホークが撃墜され、戦局は一変。
突入部隊は敵のど真ん中で孤立する。
兵士たちは必死に応戦するが、ひとり、またひとりと敵の銃弾に斃れていくのだった・・・。


慢心のあったアメリカ軍と、厳重に警戒していた現地のアディード軍。
最強のはずのアメリカ軍が、小さなほころびによって窮地に陥っていく。

長い内戦、長い現地への介入、そんな長い長い戦いの中の1日を切り出す。
戦争の是非、軍事介入の正しさ、そんなモノは脇に置き、その1日は、戦場の凄惨さを切り取る。

ジョシュ・ハートネットやエリック・バナ、ユアン・マクレガーといった名優も出演しているが、出てくる兵士たちのひとりひとりにクローズアップはない。
ただ、同じように戦い、傷つき、死んでいく。
それは、格差と人種によって分断されたアメリカ人が、戦場でだけは平等になる姿を皮肉にも映し出す。

政治的なメッセージも、ドラマ性も、全てを排してただひたすらに戦場を描いたことで、観客は自分を戦場の中の一兵士のように錯覚していく。
その最悪の戦場の中で、自分がなぜココに居るのかさえ分からなくなっていく。

観客は現地の住民に襲われ、また、一方で現地の住民を殺し、意味も分からないままで傷つき死んでいくアメリカ軍兵士の目線で、軍事介入の虚しさを抱える。

だが、ラストのナレーションがこの戦場の意味をひっくり返す。

この作戦により、ソマリア人が1000人以上、アメリカ軍19人が死んだ。

作中は対等な戦いのようでいて、その実は一方的な虐殺に近かったのだ。


その結果、伝わるのは強烈な戦争への嫌悪。


同時多発テロが起こった、2001年。
この作品のメッセージは、どう伝わっていたのだろう。


最終評価 A



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November 05, 2013

リプレイスメント・キラー

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1998年・アメリカ映画

チャイニーズ・マフィアのボス・ウェイに雇われている殺し屋ジョン・リー(チョウ・ユンファ)。

ある日、ウェイの息子が警察に射殺され、ウェイは復讐を誓う。
ウェイのターゲットは、息子を射殺した警官ではなく、警官の幼いこども。
しかも命令は、「警官の目の前でこどもを撃ち殺せ。」と言う、残虐なものだった。

いざ、ライフルの銃口をこどもに向け、スコープを覗くリーの指が震える。

撃てない。

自分の心に従ったリーは裏社会と決別し、チャイニーズ・マフィアとの血で血を洗う戦いへと身を投じるのだった・・・。


組織を裏切ったヒットマンに追手がかかるって話。
なんだが、マトモに考えるとウェイがリーを狙う理由が、超弱い。

何で命令に背いたヒットマンに、何人も構成員を殺され、わざわざ殺し屋を雇ってまで命を狙わなきゃいけないのか。
ウェイの目的が、全く分からない。

リーはリーで、中国本土に母親と妹が居て、2人をウェイが人質にしているようなのだけど、結局詳細は良く分かんないまま。

しかも、リーがこどもを撃てなかった後、ウェイはリーを追うばかりで復讐の方はほったらかし。

最後にはリーひとりに組織は壊滅させられ、ウェイもやられちゃう。 
え? 


ストーリーはほぼ無く、ひたすらに銃撃戦。

あまりに単調で、寝ないように意識を保つので精一杯。


98年の映画ってコトは公開された当時、僕は大学生だったワケだけど、当時の映画ももう少しマシだったような気がするんだが。


最終評価 C+



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November 04, 2013

グッモーエビアン!

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2012年・日本映画

ロックじゃなけりゃ、家族じゃない

元パンクバンドのギタリストだった、シングルマザーのアキ(麻生久美子)。
アキを反面教師に、しっかり者に育った15歳のハツキ(三吉彩花)。

仲良く親友のように過ごしてきたアキとハツキの元に、放浪の男・ヤグ(大泉洋)が2年振りに帰ってきた。

幼い時から一緒に過ごしてきたけど、血の繋がった父親、では、ない男ヤグ。
その存在が、ハツキの心にトスリと重みを落とす。

帰って来て、そのまま自由気ままに過ごすヤグ。
そのヤグを許すアキ。
テキトーに楽しそうに過ごす2人を見ながら、なぜかイライラが募るハツキ。

そんな時、親友のトモ(能年玲奈)の両親が離婚し、ハツキと喧嘩したまま転校してしまう。
落ち込むハツキは、大人になろうと頑張るが、それもまた空回り。

進路でアキとヤグとぶつかってしまったハツキは、アキとヤグの過去を知る・・・。


家族はカタチなんかじゃない。

すごくハートウォームで、ポップな、あ、いや、ロックなストーリー。


モヤモヤと不安になる自分の人生に悩む15歳の真面目な少女・ハツキ。
その目の前に、現れたテキトーを絵に描いた様な大人・ヤグ。
そして、暮らすための仕事に疲れているハズの母・アキが、そのテキトーを許すことへの疑問が募る。

それでも、やっぱりヤグもアキも好きなハツキは、自分の心の中身を把握できなくてチリチリと痛む。

自分のことで精一杯になったハツキが、自分のことしか見えなくなって親友を傷つける。
その後悔から、アキとヤグの将来を真面目に考えた結果、今度はアキとヤグを傷つけてしまう。

真面目に頑張っているのに、上手くいかない15歳。

そんな15歳の繊細な心の揺らぎを、洋さんの楽しい演技と、麻生久美子さんのサラリとした空気感が包む。



麻生久美子と夫婦役をやってしまう大泉洋。

いいなぁ、洋さん。

この人の、上手いんだか下手なんだか分からない演技が好きなんだよなぁ。
何を演じてても洋さんにしか見えないんだけど、違和感が無い。
そのキャラクターが洋さんぽいのか、洋さんが上手いのか分からないトコが良いんだろうな。


最終評価 A−

洋さんと麻生久美子さんじゃなかったら、B+が妥当なんだけど。
好きな役者さんが2人主役級だったらワンランク上がっちゃうよね。


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November 01, 2013

劇場版 SPEC - 結 - 漸(ゼン)ノ篇

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2013年・日本映画

公開初日にレイトショーにて鑑賞。

深夜ドラマとして人気を博したSPEC - 警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿 - の完結編。

TV版の話数カウントが、甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸となっていて、最後の癸(キ)を「起」と読み替え、その後にと、続いてきた。

起・翔・天。
つまり、起承転結、の、今回が結。
で、その結を漸(ゼン)ノ篇と爻(コウ)ノ篇、つまり前後篇にしている。

のだけど。

やっぱし深夜ドラマを劇場版にしちゃあ、ダメなんだな・・・・。

案の定のクサレ映画になってました。

劇場版になった「天」の内容がヒドくて、こりゃあ・・・と思っていたのです。
それでも「完結編になれば少しはマシになってるかも!」と言う、ミラクルに賭けてみたのですが、奇跡は起きませんでした。


むしろ、悪くなってた。

前後篇の前だけ観て言うのもナンですが、後篇を見る気が完全に失せる位に悪くなったよ。


やりたい放題が暴走して、もう、手が付けられない。
なんていうか、出来の悪いウルトラ怪獣的特撮を見せられている感じ。

TVドラマ版だったら面白かったギャグパートが、やりすぎで邪魔。

「もう良いから、本編進めろ。」って言いたくなる。
これで前後篇とか、ふざけてる。

過剰な演出、冗長な展開、そんなこんなにやたら時間が使われて、タルいを通り越す。
それでいて、肝心の部分はテキトーに御都合まかせでスパスパ進む。
キチンと整理して編集すれば、絶対に前後篇になんかならないで作れたと思う。


SPECっつー超能力を扱うこの作品に関して、ツッコミと言うのは言っても無駄。
ただ、まぁ、ソレを大前提にしたとしても、内容がヒドすぎるだろ。

当麻(戸田恵梨香)と瀬文(加瀬亮)が死なない、怪我しない、他のキャラの生き死に自由自在は、二万歩譲って良いとして。
せめて、登場人物の感情くらいは統一感を持たせようよ。

そこはノリだけじゃ、なんともならんよ。

あと、いくら説明不要のSPEC(超能力)とは言え、観客に説明はしなくても、「この状況は、こういうSPECで、こうしてるから、こうなってる。」って言う裏設定はあるべき。

「この能力って、どんな能力なの?」と、疑問になる状況が多すぎる。
超複合型?か、複数のSPECを持ってる設定が許されるんでもなきゃ、有り得ないけど、ソレってアリなんだっけ?

「裏設定さえ作ってないでしょ、コレ。」と言いたなるルール違反には腹が立つ。


SPECは、結局のところドラマシリーズを完結させたスペシャルドラマ「SPEC 翔」で終わらせてるのが、一番よかった。
終わり方としても綺麗だったし。

無敵に近かったサトリの「心を読む」能力を、ノーマル当麻が習字ビリビリ、バサー、「いただきました。」でやっつけてた、あの頃が一番面白かった。

やっぱ、当麻がスペックホルダーになって、習字ビリビリ「いただきました。」をやらなくなったのが、良くない。

劇場版は、蛇足。

劇場版になるとクソになるなんて、サギだね。サギ。


最終評価 C

追記。
ギャグパート担当だったミヤビちゃんが、本当に野々村係長のことを好きだったのが、意外。



「爻(コウ)ノ篇はどうするんです?」

「もう、高まらない。なぁ。」



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October 30, 2013

BUNGO ささやかな欲望 −見つめられる淑女たちー

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2012年・日本映画
「BUNGO」
文豪たちの短編小説を実写化。
女性編「見つめられる淑女たち」と男性編「告白する紳士たち」の計6篇。

この女性編は3篇。
宮沢賢治の「注文の多い料理店」
三浦哲郎の「乳房」
永井荷風の「人妻」


「注文の多い料理店」 監督:冨永昌敬
入り婿として銀行の左右吉(宮迫博之)は、不倫相手の富士子(石原さとみ)を狩りをしに山に入る。

しかし、この不倫旅行は妻にバレていて、富士子と別れるための最後の旅行。
一方、富士子もそんな左右吉の気持ちを察していて、分かれるならいっそ慰謝料をせしめたい。
慰謝料を出したくない男と、慰謝料をせしめたい女。

そんな2人が道に迷って辿り着いたのは、注文の多い料理店「山猫亭」だった・・・。


ちょっとスケベが入ったB級ホラー。

いやー、誰もが知ってる物語だからこそかもしれないけど、変なアレンジしたもんだ。
最後に2人を助ける狩人も出てこないから、どうやって生き延びたか一切不明。

宮迫の演技って、脇役ならまだしも、主役だとコントにしか見えない。
石原さとみは可愛いけど、演技が上手いかって言うと、微妙。

評価 C+


「乳房」 監督:西海謙一郎
第二次大戦中。
乳房が膨らんでくる夢に悩まされる中学生・寛次(影山樹生弥)。
寛次は、胸にしこりを感じ、自分がこのまま女になってしまうんじゃないかと思い悩む。
誰にも相談できないまま夜間巡視をする寛次は、理髪店の未亡人・かな江(水崎綾女)が髪を洗っている姿を目にしてしまう。

あまりにも美しい乳房を目にし、その日から寛次の頭はかな江の乳房のことばかりになってしまう。

そして、かな江も夫を出征で失い、若い肉体を持て余し、悶々とした日々をおくっていた。


幼い時に母親を失った寛次。
性の目覚めと、母性への憧れの象徴がかな江の乳房に集約されていく。

しかし、かな江・・・。
中学生相手にかなり挑発的。

文学のエロスと言うより、かなり直接的。
こんなん、中学生のエロ妄想じゃん。

ま、文学なんて、そんな部分もあるよねー。

評価 B


「人妻」 監督:熊切和嘉
町はずれの家の2階に間借りした桑田(大西信満)は悠々自適の生活。
そんな桑田の頭の中は、1階に暮らす夫婦の夜の生活。

豊満な肉体を持つ人妻の年子(谷村美月)の嬌声が夜な夜な聞こえ、桑田は当然のように妄想に耽る。
桑田の心に住む悪なるクワタが、桑田をそそのかす。

そんなある日、桑田が外出から帰ると、そこには縄で縛られた年子が居た・・・。


目の前にぶら下がったエロスに、何とか勝とうと頑張る青年。
そんな青年の葛藤を知ってか、知らずか、ひらひらと誘うような人妻。

一線を越えるか、越えないか、悩む青年の前にスーパー据え膳状態の縛られ人妻!

どうする、どうするの俺!

って、どんなシチュエーションプレイだよ。

時代が違うとは言え、桑田ヘタレすぎ。

評価 B


タイトルロールの段階から漂う、安っぽいオーラ。
ちょっと真面目に撮ったロマンポルノって感じ。

コンセプトは分かるんだけど、中身がスカスカすぎやしませんか。

各作品30分で、次々切り替わっているのに、タルい。

エロスを売りにするほどエロくはなく。
文学がテーマと言えるほど深くもない。


最終評価 B−




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October 28, 2013

鍵泥棒のメソッド

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2012年・日本映画
「アフタースクール」の内田けんじ監督作品


俳優志望の35歳・無職。
いつまでも売れない俳優の卵、そんな人生に絶望した桜井(堺雅人)。
自分の人生をリセットすべく自殺を試みるが、それにさえ失敗。

その後で出掛けた銭湯。
桜井の目の前で金の唸るほど入ったサイフを使っていた男・コンドウ(香川照之)が、石鹸で転んで昏倒。
その時、コンドウの手から滑り落ちたロッカーの鍵が桜井の足元に。

桜井は、どさくさの中で自分のロッカーの鍵とコンドウの鍵をすり替えてしまう。

コンドウのロッカーには、驚くほどの大金と、外車の鍵。
桜井はコンドウの金で今までの借金を返して回る。

そして、白々しくも荷物を返そうとコンドウの病室を訪れたが、頭を打ったコンドウは記憶喪失。
しかも、すり替えた桜井の鍵から出てきた荷物から、コンドウは自分を桜井だと思い込んでいるらしい。

桜井は、コンドウに成りすますことにしてしまう。

だが、コンドウの携帯が鳴って事態は急展開。
なんと、コンドウは殺し屋だったのだ・・・・。

一方、記憶を失って桜井になってしまったコンドウは、雑誌編集者の水嶋香苗(広末涼子)と出会う。

きわめて合理的な思考の持ち主の香苗は、あと2ヵ月で結婚すると決めた矢先。
なんと、香苗とコンドウは惹かれ合い、結婚することに・・・・。



優秀な殺し屋と入れ替わってしまった、人生グデグデの演劇青年。
そこに結婚を考える女性編集者が加わって、状況が二転三転。
サスペンスなのか、コメディなのか、あらゆる要素が転がり出して画面から目が離せない。

TVドラマの劇場版やら、何かのメディアミックスやら、リメイクやらが多い最近の邦画の中、完全オリジナルの脚本。

とにかく、その脚本が秀逸。

そして、その脚本を演じるのは、堺雅人、香川照之、広末涼子の演技派キャスト。
桜井とコンドウを追い詰めるヤクザの親分が荒川良々だななんて、脇役まで気が利いてる。

ダメ人間の桜井は、最後に逃げない本気を見せ。
殺し屋かと思わせていたコンドウは、一本筋の通った男で。
一途で真面目な香苗は、思わず応援したくなる可憐さ。

メインの3人が、それぞれに一生懸命に生きていて、応援したくなる。

しかも、この複雑なストーリーを完璧なハッピーエンドに持っていくなんて!!

ツカミ、展開、ラストまで、文句の付けようもない。


ドキドキして、クスリと笑って、グッと拳を握りたくなる爽快感。
観終わった後味最高。

文句なしの作品。


最終評価 A+



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October 26, 2013

SPEC 天  

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2012年・日本映画

一気に観てるぜ、SPEC!


通常の捜査では解決できないSPECと呼ばれる能力を持つ者たちの犯罪。
SPECによる事件を専門に扱う「警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係」、通称「未詳(ミショウ)」。

未詳の特別捜査官、当麻紗綾(戸田恵梨香)と瀬文焚流(加瀬亮)の元に、海洋上で凍りついたクルーザーとミイラ化した遺体発見の知らせが届く。

「冷気を操る」スペックホルダーによる犯罪?

捜査に乗り出した当麻と瀬文。
だが、その事件は国家を揺るがす大事件の序章でしかなかった・・・。


今まで組織化されていなかったスペックホルダーたちが、生きていたニノマエを中心に集まる。
巨大資本によって飼われていたスペックホルダーたちが、自分たちの力を使って舞台の主役となるために動き出す。

世界の未来を予言したファティマ第三の予言とは?
歴史の陰で世界を操ってきた御前会議とは?
シンプルプランとは?

当麻と瀬文は、遂にSPECを巡る戦いの核心に迫る。


瀬文(加瀬亮)が、当麻レベルの阿呆になっちゃった。壊れた・・・。
しかも、TVシリーズで死んだハズだったニノマエ(神木隆之介)生きてた・・・。

他にもなん・・・じゃこりゃ諸々・・・。

まぁ、SPECは元々好き放題の作品だったけどさ、でも、ある程度のバランスはあったんだけど。

劇場版とはいえ、好き放題になり過ぎ。
劇場版の悪癖は、規模を大きくしようとしたり、悪ノリを加速させ過ぎたりするコトだよなー。

でも、ま、ここまでのシリーズが面白かった貯金で何とか。

まぁ、劇場版の暴走は予想してたし、ここまで来たら最後までは観るぜ!


最終評価 B−


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October 24, 2013

SPEC 零 

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2013.10.23 OnAir
10月23日に集まりすぎだろ。いろいろ。

当麻の左手の秘密が、明らかになる。

先日はじめてしまったTVドラマシリーズ、SPEC 警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿の新作です。

この「零」は、TVシリーズが始まる前の物語。

映画じゃなくてスペシャルドラマだってコトは理解した上で、映画扱いのレビューをば。
だって、後で自分が検索するのが楽なんだもの。

正直、最近の人気ドラマ作品の「劇場版」と「スペシャルドラマ」の垣根は、ストーリーとかクオリティみたいな形で作品の中には無いよね。
中身は等価で、どの集金システムに乗ってるかの差しかない。
まぁ、別にソレが悪いっ話じゃないけどさ。
レビューを書くときのちょっと迷うなー、くらいの話。


人間の脳は通常10%しか使われていない。
だが、残りの90%の力、人間の可能性を開花したした人間たちがいる。
「時間を止める」「瞬間移動」いわゆる超能力と呼ばれる力(SPEC)を持つスペックホルダーたち。
SPECによる犯罪を捜査する警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係が立ち上げられた。

係長は、ベテランではあるものの引退直前の老刑事・野々村(竜雷太)。
そして、捜査員はIQ201の天才であり、FBI帰りの奇人・当麻 紗綾(とうま さや( 戸田恵梨香))。

たった2人の公安第五課・通称「未詳(ミショウ)」が発足する。

そして、未詳が扱う最初の事件は、同じ企業の5人の幹部が外傷も無いのに心臓を握り潰された心霊外科医殺人事件。

その事件調査の中で当麻は、「時間を止める」スペックホルダー・一十一(にのまえ・じゅういち(神木隆之介))との因縁を持つことになるのだった・・・。


基本的に、悪いのは「記憶を書きかえる」SPECを持つ地居。

一方的な当麻への想いを成就させる為、当麻の記憶に自分との恋愛の記憶を植え付け、最強のSPECを持つニノマエの記憶には両親を殺した爆弾魔が当麻である記憶を植え付ける。

そんな地居の記憶に振り回されたTVシリーズの前日譚「零」は、この時はこうなってたのかーと言う話のテンコ盛り。

一方で、これから公開の完結編「結」にむけて、SPECたちの存在を影から利用してきた謎の組織の存在も差し込まれているので

「こりゃあ、劇場に足を運びたくなるぜ!!」

とゆー、劇場への誘導としてはバッチリ。
まぁ、観てる側も宣伝コミの作品だとは分かって観てるんだけどさ。


それでも面白いぜ、SPEC。

まぁ、前日譚だけあって、この「零」は何も終わらない、むしろ始まる物語。
だからこの作品単体では尻切れトンボ感が、あるよねー。


劇場版での綺麗な完結を期待!!


最終評価 B+



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October 22, 2013

SPEC 翔

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2012年・日本

先日はじめてしまったTVドラマシリーズ、SPEC 警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿の鑑賞が順調に進んでおります。
この「翔」は、TVシリーズが終わった1年後の物語。


捜査一課が手に負えない特殊な事件を捜査するために警視庁公安部が設立した未詳事件特別対策係、通称「未詳(ミショウ)」。

普通の人間の脳は、90%が使われていない。
だが、何かのキッカケで眠っていた能力が目覚めてしまった人たちがいる。
「あらゆる病を治癒する。」「相手の心を読む。」「未来を予知する。」、通常では考えられない能力「SPEC(スペック)」を持つスペックホルダーたちの犯罪を追い続けてきた未詳の当麻紗綾(戸田恵梨香)と瀬文焚流(加瀬亮)。

当麻が追い続けてきた「時を止める」スペックホルダー、一十一(にのまえ・じゅういち(神木隆之介))との戦いの中、傷ついた当麻と瀬文。
しかも、瀬文はニノマエとの戦いの為に使った薬剤によって一時的に視力を失ってしまう。
その傷も癒えない中、今まで大学時代から当麻の彼氏と称してきた地居が動き出す。

地居のSPECは、記憶の書きかえ。
地居は、当麻との恋人関係を捏造し、瀬文の中から当麻の記憶を消す。

記憶のほつれと自分の感情とのズレに違和感を感じた当麻は、自分の力で記憶を引き戻し、地居と対決する。

その闘いの中、絶体絶命の瞬間を乗り越えた当麻と瀬文。
だが、それは何らかのSPEC無しには有り得ない状況だった・・・。

それから1年。

視力が回復するまで休職していた瀬文を、未詳で待っていた当麻が迎える。
しかし、2人の間には「あの瞬間」がわだかまりとして残っていた。
SPECを隠していた当麻に、瀬文は以前のような信頼を寄せることが出来ない。

そんな時、白昼の街中でマシンガンの乱射事件が起こる。
黒ずくめの犯人は、突然に現れ、消える「テレポーター」のスペックホルダー。
そして、その乱射事件の被害者は、「他人の心を読む」スペックホルダーのサトリだった。

正体不明のマシンガン男の能力は、死んだはずのニノマエの能力に似ている。
「ニノマエは生きているのか?」そんな疑問を当麻が打ち消す。

「ニノマエは死んでいる。間違いない。」

何故、そう言い切れるのか。
詰め寄る瀬文に、当麻は理由を答えない。

互いに不信を抱えたまま、当麻と瀬文は事件の生存者・久遠望(谷村美月)の元に向かった・・・・。



そうか、この作品は劇場版じゃなくて、スペシャルドラマだったのか。
TVシリーズが終わり、その続編が「翔」「天」(昇天)だったから、前後編の劇場版なのかと思ってた。

しかも、シリーズを連続で観ていると、このいっこ前の話で終わられたらあまりにも中途半端。
この作品自体にストーリーが完全に繋がって続いているし、更に、次の話に繋がる終わり方をしている。
これで「TVシリーズ」「スペシャルドラマ」「劇場版」と続けられたら、劇場版を観ないなんて有り得ない。

むむむ、完全に集金システムに乗ってしまったな。


さて、「翔」の話をば。

小ネタを仕込みまくった深夜ドラマの軽いノリは健在。

謎を残して終わった地居との戦い、その後です。
あの時、何が起きたのか。
その謎を抱えた視聴者と瀬文は、その答えを当麻に求めます。

この作品、主人公は当麻。
だけど、視聴者の視点はあくまでノーマルである瀬文と重なっているのがポイント。

まぁ、IQ200を超える当麻はホームズ、サポートの肉体派・瀬文はワトソンという典型的な公式。

SPECと言うのは、スペックホルダーの心の傷と密接に関わった能力。
しかも、その能力によってSPECと持たない人間に忌み嫌われ、確執を生んでしまう業の深い能力。
当麻もまた、自分の能力をペラペラと語りたいとは思っていない。

それがノーマルの瀬文と、スペックホルダーであることを隠していた当麻の心の壁となる。

そんな瀬文(視聴者)と当麻のモヤモヤとした空気が、ラストにかけて晴れていき、クライマックスでは2人が信頼を取り戻していく醍醐味。


ネタバレしてしまえば、当麻は無敵に近いスペックホルダーだった。
だが、それを何故、今まで使っていなかったのか、今後その無敵能力をどうするのか、この1話の中でその全部に答えを出した脚本が素晴らしい。

おそらく、当麻の能力は番組が始まったころはなんとなくしか決まってなかったと思う。
それなのに、TVシリーズのクライマックスでソレを出してしまった。

しかも、能力や隠していた理由次第では、今までの話と今後の話はグチャグチャのグデグデになってしまう。

更に、視聴者は「当麻の能力って、何?」と期待値が上がっているから、中途半端な答えでは納得しない。

そんなハードル上がりまくって、更には今まで今後の整合性までつけなくてはいけないウルトラCを、見事に乗り切ってる。
いや、コレは頑張った。


続編 「天」 を一刻でも早く観たい。

そんな気持ちにさせてくれました。


最終評価 A−


「あれ? 映画カウントですか?」

「だって、映画だと思って観ちゃったし、パッケージも十分映画じゃーん。」


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October 21, 2013

トランスフォーマー ダイークサイドムーン

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2011年・アメリカ映画

スティーブン・スピルバーグ製作総指揮。
マイケル・ベイ監督作品。

あらゆる機械に変身する金属生命体たちの戦いを描いた、「トランスフォーマー」「トランスフォーマー・リベンジ」に続く、シリーズ第三作。


1969年。
月面着陸を果たしたアポロ11号。
人類で初めて月面に降り立ったアームストロングは、月の裏側である物を発見する。

その事実を、NASAとアメリカ政府はその事実をひた隠しにしてきた。

「トランスフォーマー・リベンジ」で地球を救ったサム(シャイア・ラブーフ)は、無事に大学を卒業出来たが、就職は決まらないままだった。
一方、善なる機械生命体・オートボットたちは、地球の各地で治安を守る活動に従事していた。
そして、ロシアのエネルギー研究所の調査の中、月の裏側の秘密に辿り着く。
月の裏には、かつてのオートボットたちのリーダー・センチネルが眠っていたのだ。

センチネルを復活させたオプティマスたち。
だが、それは壮大な罠だった。

悪なる機械生命体・ディセプティコンたちへと寝返ったセンチネルは、一瞬で銀河を渡る発明「柱」を準備する。
「柱」によって自由に地球へと兵力を輸送できるようになるディセプティコンたちは、人類に脅しをかける。
そして、地球に残るオートボットたちを地球から追放させるのだった。

邪魔なオートボットが居なくなったディセプティコンたちは、圧倒的な戦力を投入して地球への侵略を開始するのだった・・・。


少年心に火を点け、全てのツッコミを吹き飛ばすエンタメ作品。

このシリーズは、回を重ねる毎に無茶苦茶が突き抜けていき、今回はストーリーさえも置き去りにする。
それなのに、映画として良くなる珍しい作品。

もう、トランスフォーマーたちが格好良く暴れてれば、それで良いや。

勢いだけの御都合展開を楽しめる人にとっては良作。


第一作は突き抜け感がイマイチでしたが、第二作からは全てを勢いと爽快感だけを追求した結果、ロボットたちのテンポの良いアクションシーンを夢中で楽しむコトが出来るようになった。
しかも、CGの技術が進歩し、前作までは見分け難かったロボットたちも今回は見やすくなったので更にアクションに没頭出来る。


ただ、ちょっと長いかなー。


最終評価 A−



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October 19, 2013

ハッピーフィート

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2006年・アメリカ映画
歌えないペンギン・マンブルの奮闘を描くフルCGアニメ作品。

アカデミー長編アニメ賞受賞。


極寒の南国大陸。
集団で生きる皇帝ペンギンたちは、歌うことで愛を語り、歌うことは大人の証明でもあった。

でも、そんな社会で、生まれながらに音痴のペンギン・マンブルが生まれた。

心の想いを表現すると歌になる皇帝ペンギンたち。
心に溢れる想いを表現しようとすると、踊りだしてしまうマンブル。

そんなマンブルも大人になり、大好きなグローリアの為に一生懸命。

そして、マンブルの想いを伝えるのは、もちろん幸福のパタパタ足(ハッピーフィート)!!


「ダンボ」と同じく、台風で幼稚園が休みの娘っちに「何かDVDを!」と言う至上命令を受けて借りてきた作品。


確かに、愛くるしいペンギンとタップダンスの組み合わせってアイディアはナイス。

そのアイディア自体は良いんだけど、可愛さオンリーでは、長い。

ペンギン世界の宗教観?と言うか、世界観がとにかく伝わってこない。
なので、マンブルの何が問題で、何が危機で、何がなんだか。

感情を歌にのせるミュージカル作品のダメパターンらしく、感情が伝わってこない。
ヒロインとも結ばれなくて、何がなんだか。

とにかく余計なシーンや演出が多く、タルい。
しかも、ラストにかえては御都合オンパレードと謎展開ばかり。

要約します。

人間が南極で魚を乱獲。
ペンギンのエサ(魚)、無くなる。
主人公、原因究明の為に旅に出る。
人間が原因だと分かる。    ←ココまでが超タル長い。
主人公、人間に捕まり水族館へ。
水族館でタップダンス。
主人公、なぜか南極に帰り、皆にタップダンスを人間に見せようと言いだす。 ←ココらへん説明一切なしの超展開。
皆でタップダンス。
人間が問題の全てを理解し、南極を禁漁区にする。 ←超展開。
ハッピーエンド。

は?

本当に、何がなんだか。


娘っちさえも飽きてしまって、前半途中で「あー、ダンボにすれば良かったー。」と言ってしまう始末。

アカデミー長編映画賞だとか、何とか言っても、こどもは正直。
前半で投げた彼女の判断は正しかった。

こども向け作品でこどもの心を掴めないってのは致命的。
「ダンボ」も大人目線だとアレな部分もあるのに、キッチリこども心は掴むからなぁ。
これが古典名作「ダンボ」との差なのか。


最終評価 C+


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October 18, 2013

ナイト・オブ・ザ・スカイ

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2005年・フランス映画

『TAXi』のジェラール・ピレス監督が撮った、フランス版の『トップガン』。
撮影にはフランス空軍が全面協力し、フランスの誇るミラージュ2000の実写映像が見どころ。


イギリスの航空ショーでフランスの戦闘機ミラージュ2000が姿を消す。
ミラージュの捜索に飛んだのは、マルシェリ大尉とヴァロア大尉はすぐにそのミラージュを発見し、追跡に入る。

背後をとられ、ロックオン警戒音がコックピットに鳴り響き、焦るヴァロア。
そして、ヴァロアを救おうとマルシェリが敵機の背後をとるが、基地からは作戦中止の命令指示しかこない。

このままだとヴァロアが撃墜される。
マルシェリはトリガーを引き、敵機を撃墜。

だが、基地に戻った2人に待っていたのは、査問委員会だった。
彼らが撃墜したのは、防空力の調査をする秘密部隊の作戦機だったのだ・・・。


音速を超えるジェット戦闘機が急旋回して引く筋雲。
この葉のようにヒラリヒラリと空中を舞い、急上昇、急降下、追尾弾を攪乱する為のフレア。
飛び去る雲海。
雲に飛び込めば雨粒がキャノピーを打つ。
そして、低空でのソニックブーム!

実写の戦闘機シーンは必見!!

航空ファンでも、軍事ファンでもない僕でも、戦闘機が自由に空を飛ぶ姿に目を見張る。


ただ・・・・、ストーリーがあまりにもオマケ過ぎる・・・。

陰謀、とか、国防、とか言っとけば良いでしょって感じがアリアリ。
そのくせ、敵の正体もずっと不明だし、相手の目的も不明だから、何が危機で何が起こってるのかサッパリ。
騙し騙され、みたいなのは雰囲気だけ。
そこにとって付けたようなラブロマンスと、お約束のセクシーシーン。

フランス空軍が全面協力ってコトですし。
戦闘機の格好良さとセクシーで空軍志願者を増やしたいってトコなのか?

空軍(官製)の宣伝作品と思えば、まぁ、こんなモンでしょ。


戦闘機のシーンが魅力的なだけに、モッタイナイ。


最終評価 B−



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October 17, 2013

ダンボ

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1941年・アメリカ映画
ディズニー映画の古典。

サーカス象のジャンボにコウノトリが運んできたのは、すごく耳の大きな赤ちゃん象のダンボだった。

ダンボは、ただ耳が大きいと言うだけで他のゾウ達から疎まれ、嫌われた。
そして、優しかった母親は、見世物にされ苛められるダンボを庇って暴れ、「危険なゾウ」としてダンボから引き離されてしまう。

ひとりぼっちになってしまったダンボ。

だが、そんなダンボを可愛そうに思ったネズミのティモシーは、様々なアイディアでダンボを助けようと奮闘するのだった・・・。


台風で幼稚園が休みの娘っちに「何かDVDを!」と言う至上命令を受けて借りてきた作品。

娘っちは、ディズニーが描くいわゆる「悪い魔女」的な存在が苦手で、可能な限り邪悪な存在が出てこない作品を探しました。
で、僕が選んだのは、初期のディズニーらしい優しい絵柄とアニメーションの有名作品・ダンボ。

まぁ、ダンボにもイジワルなオバサン象たちが居て、オバサンたちがダンボを中傷するシーンではしょんぼりと悲しい気分になっているようでした。

でも、全体としては楽しかったらしく、「耳で飛ぶんだよね!」と、気に入って観てました。


え?
僕の評価?

この作品を大人が評価しても、本当の作品の価値に辿り着けないと思うんですよね。

4歳のこどもが観て、楽しそうで、幸せそう。
それが全てだと思う。

個人的には、「このシーン要る?」とか、「タルイ、もう少しテンポ良く・・・。」とか思いますけどね。


最終評価 B
(狙った期待値に対して、可もなく不可もなし。)


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October 16, 2013

ゴシカ

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2003年・アメリカ映画

女子刑務所の精神病棟に勤務するミランダ(ハル・ベリー)はある豪雨の夜、道の真ん中に立ちすくむ女性とすれ違う。
咄嗟に女性を避けたものの、声をかけたその女性は燃え上がり、気が付いた時にはミランダ自身が精神病棟の独居房の中に居た。

彼女を担当するのは、同僚だったグレアム博士(ロバート・ダウニー・Jr)。
グレアムの言葉にうながされ、冷静に最後の記憶を辿る、最愛の夫、雨の夜、雨に立ち尽くす女性・・・
記憶が混乱する。
思い出せない。

今まで自分が診察していた患者たちの居る精神病棟に収監されたミランダに、囚人のクロエ(ペネロペ・クルス)が新聞を差し出す。
一面には自分と夫の顔写真。

ミランダは、夫のダグを殺した容疑で逮捕されていたのだ・・・。

何かの間違いなのか、それとも何者かの陰謀なのか。
狂っているのは、周囲なのか、自分なのか、それさえも分からなくなっていく。

「自分はマトモだ。」と、叫べば叫ぶほどに異常者として扱われる環境で、自分さえも信じられないままにミランダは真実を求める。


これはホラーなのか、サスペンスなのか。

監禁虐待されて死んでいった少女たちの霊がミランダに事件の解決を求めるストーリーなのだけど・・・。

サスペンスっぽいけど、ホラー(幽霊)が絡んでいるので御都合の連続で緊迫感はない。
それでいて、ホラーとしては恐怖の要素がない。

終盤に入ってトントンと解決編に入って、事件の全貌は見えるのだけど・・・
あれ?夫を殺したのって、結局は誰?
あれ?ペネロペ・クルスを襲ってたのも今回の犯人だっけ?
あれ?

あれ?

あれー? 
本筋は一応の答えに辿り着くけど、他があまりにも雑に処理されてませんか?

でも、なんだかトントンと話が進んで丸く収まるっていう。


なんとも中途半端な作品。


最終評価 B−




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October 15, 2013

ニューヨークの恋人

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2001年・アメリカ映画

1876年のアメリカ・ニューヨーク。
公爵の血筋に生まれたレオポルド(ヒュー・ジャックマン)は、金の為だけに相手を品定めする舞踏会にウンザリしていた。
心躍る相手との出会いも無いのに、叔父はレオポルドに結婚を迫る。

そんな時、レオポルドは不思議な道具を使う謎の男に出会う。
突然逃げ出した男を追って建設中のブルックリンブリッジを登ったレオポルドは、男ともみ合いになり転落するのだった。

そして現代のニューヨーク。
広告会社で働くケイト(メグ・ライアン)は、過去の苦い経験を引きずり、男を絶って仕事だけを見ていた。
そのケイトの心に傷を残した元カレが、レオポルドが追った謎の男・スチュアート(リーヴ・シュレイパー)だったのだ。

スチュアートと共に現代のニューヨークに降り立ったレオポルドは、ケイトと出会うのだった・・・。


若きヒュー・ジャックマンとメグ・ライアンの名作ラブロマンス。

タイムトラベルした本物の王子様が、疲れた現代のビジネスウーマンと運命的な恋に落ちる。
王子は、馬術を嗜むナイトで、眉目秀麗で、誠実で、知性があって。

こんな恋があれば・・・。

そんな、一瞬の夢を見せてくれる、夢物語。


ヒュー・ジャックマンが格好良く、目の下にクマを作ったメグ・ライアンは疲れ切ったビジネスウーマンそのもの。
それでいてタイムトラベルを絡めたコミカルなアクセントもあって、飽きさせない。
ラブロマンスの支持者である女性がトキめいたのがうなずける。

メグ・ライアンのラブロマンスと言う、ベタな企画でありながら、そのアレンジが巧み。
ケイトにとっては最初はただの胡散臭い男だったレオポルドが、ケイトの鞄を盗んだひったくりを白馬で追うシーンは、冗談のようでいて劇的。

観終わった後に、楽しくて、良い気分になる。

原題は「ケイト&レオポルド」、邦題の「ニューヨークの恋人」こそこの夢物語には相応しい。


最終評価 A−

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October 10, 2013

劇場版 天元突破グレンラガン 螺巌篇

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2009年・日本映画

俺たちを誰だと思ってやがる!!


今石洋介・監督
アニメーション制作・GAINAX


遂に、螺旋王・ロージェノムを倒したシモンと大グレン団。

地下に閉じ込められていた人間たちは解放され、地上に溢れ出た。
人々は螺旋王の技術を取り込み、短い時間で繁栄を極めていく。

かつて大グレン団に所属したメンバーたちは、新しい地上の政府の要職に就き、シモンはその代表を務めていた。
だが、平穏な世界の中で求められるのは無軌道なリビドーではなく、知性による統治だった。
革命の動力となったメンバーたちは、新しい世界に馴染む者と馴染まない者に分かれていく。

7年後。
安定を得た人類を見届けたシモンは、ニアに結婚を申し込み、受け入れられる。

だが、その時、急速に月が地球に近づく。
そして、ニアの身体が黒くぬりかえられ、人格が変わる。

黒いニアは言う。
「地上に出て増えすぎた人類を滅ぼす為、3週間後に月を地球に落とす。我々はアンチスパイラルだ。」

かつて人類を地上を支配した螺旋王・ロージェノムは、この事態を招かない為に人類を地上で繁栄させないようにしていたのだ。

そして、街を破壊するアンチスパイラルに対し、シモンはグレンラガンで打って出るが、戦いの中で街が壊れる。
アンチスパイラルを撃破したものの、人々は暴徒と化した。

「シモンを出せ、家を返せ、月が堕ちてくるのはヤツのせいだ!」

シモンたち大グレン団がリーダー・カミナを失ってまで戦い、螺旋王に勝ち、今がある。
それなのに、これが、俺が戦ってきた結果か。

シモンは拘束を受け入れた・・・・。



グレンラガンを動かす螺旋力。
それは、生命の螺旋。
すなわち、DNAを持つ存在だけが持つエネルギー。

そして、螺旋は銀河の螺旋でもある。


とか、言っちゃって。
要らなかったな、こんなん。


理屈は要らない。感じろっ!!


熱いパトスの塊。
天元突破グレンラガン。

「紅蓮篇」に引き続き、劇場版グレンラガンの後半「螺巌篇」です。

ダイジェスト感の強かった紅蓮篇に比べ、螺巌篇の完成度は文句なく高い。


キングキタンギガドリルに泣きそうになる自分。
超銀河グレンラガンに心熱くなる自分。

天元突破グレンラガンで、感動する自分。

そして、流れてくる空色デイズ。
もう、にやにやし続けてしまう。

あほか、あほだろ。自分。

でも、そんな阿呆で、本当に良かったと思うぞ。自分。


最終評価 A

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October 09, 2013

劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇

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2008年・日本映画

シモン、お前のドリルは天を突くドリルだ。


今石洋介・監督
アニメーション制作・GAINAX

新しく始まったアニメシリーズ「キルラキル」と同じ製作陣の作品。
キルラキルを観てたら、無性に観たくなって劇場版を鑑賞。

アニメシリーズ「天元突破グレンラガン」は、随分昔に観ましたが、好きなんですよねぇ。この無茶苦茶な勢い。

・・・・・・・・・・・・・・・

あらすじ

遥か未来。
人間は何百年もの間、地中に穴を掘って生活していた。
ジーハ村の少年シモンは、いつものように得意な穴掘りをしていると、光る小さなドリルと巨大な顔を見つける。兄貴分と慕うカミナに、その顔を見せようとしたその時、突如として村の天井が崩れ、巨大なロボットとライフルを持った少女・ヨーコが落ちてきた。
騒ぎの中、シモンは巨大な顔に光るドリルを差し込むと、その顔はロボット=ガンメンとなってその姿を現した。
シモン達は襲いかかる敵ガンメンを打ち破ると、勢いそのままに地盤を突き割り大空へと飛び出す。
眼前に広がる壮大な地上の風景に興奮を隠せない一行は、地下暮らしを投げ打って地上で旅する事を決意する。だが地上は獣人達が人間に対して侵攻を続ける戦場でもあった。

wikipedia より

・・・・・・・・・・・・・・・


俺を誰だと思っていやがる!!


いやー、この作品を観てると無駄に名言を並べたくなるなぁ。

理屈は要らない。感じろ!!

この言葉の通りの作品。


アニメシリーズの劇場版。
この紅蓮篇も当然ながらの総集編。


ジーハ村から旅立ったシモンとカミナ。
そして、無軌道な彼らの冒険に惹かれたヨーコも同行を申し出る。

シモン、カミナ、ヨーコは、地上に出た人類を滅ぼそうとする螺旋王が率いるガンメンたちと戦い続けた。
長い旅の中で仲間を増やし、螺旋王に対抗するグレン団へと成長していく。

だが、螺旋王の四天王との死闘の中、今までグレン団を率いてきたリーダー・カミナは命を落とす。

カミナを失った心の闇を抱えるシモンは、自暴自棄な戦いに身を投じる。
そんな時、シモンは廃棄されたゴミの中から少女・ニナに出会い、心を救われる。

カミナの死を乗り越えたシモンは、遂に四天王を倒す。


まぁ、内容は相当ダイジェストだけど、久しぶりに観たいなーと思った時には丁度良い。
シリーズファンのための作品なのだから、これで良いのだ。

そして、ヨーコは相変わらず魅力的。
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このどんだけも突き抜けたキャラデザが、あほう過ぎて大好き。


グレンラガン観てたら、あほうパトスが満ち満ちてきた。

くわー、ヨーコのフィギュア欲しくなってキターーーー!!


最終評価 B+



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October 08, 2013

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望

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2012年・日本映画
テレビドラマシリーズに始まり、その後に続く映画シリーズは数々の記録を打ち立て、数々の流行語を生み出した人気シリーズ。
その15年にわたる『踊る大捜査線』シリーズの劇場版第4弾にして最終作。


湾岸署刑事課の強行係長となったノンキャリアの青島刑事(織田裕二)は、同僚の恩田すみれ刑事(深津絵里)と今日も草の根の捜査に精を出していた。

国際環境エネルギーサミットの会場で誘拐事件が起こり、被害者が遺体で発見される。
殺害に使われたのは、警察が押収していたハズの拳銃。

捜査本部が置かれたのはお馴染みの湾岸署。

捜査方針は、「所轄は捜査に関わらず、捜査は本庁だけで行う。」。
警察の上層部は、警察の不祥事を公にしないことに神経を尖らせる。

そして、結果としてノンキャリア組の所轄刑事に情報は届かず、警視庁から来たキャリア組に単純な捜査の命令を受けるばかり。

そして、次に誘拐されたのは、署長になった真下(ユースケ・サンタマリア)のひとり息子だった・・・。


シリーズの結末が知りたくての鑑賞。
お約束のメンバー、お約束の演出、でも、それが観たくてシリーズモノは観ているんだから良し。

問題なのは、お約束が過剰になって本筋のストーリーがおろそかになるコト。

この作品は、その典型。

当初のTVシリーズにあった一定の緊張感はどこへやら、お約束のギャグパートばかり。
本筋の展開までが相当にタルい。
やっと話が進んだかと思ったら、登場人物たちの話ばかりでほとんどほっぽらかし。

犯人の犯行動機がちょーーーー弱い。
しかも、警察の課長クラスが犯行に関わってるのに、証拠の隠ぺいもせずにサラサラと自白する。

警察の上層部が事件をもみ消そうと誤認逮捕やら、内部捜査やら、青島と室井(柳葉敏郎)に責任をなすり付けたりとか、やりたい放題。

そのやりたい放題があまりにも無茶苦茶。


犯人の犯行も動機も、青島が犯人にたどり着く手法も、警察上層部のドタバタも、犯人確保のオチまで。
徹頭徹尾、全部が全部、「刑事モノ」と言うことさえ恥ずかしい位の内容。


なんじゃ、こりゃ。


いくら踊る大捜査線だからって、これはナイ。

ここまで堕ちたか、踊る大捜査線。
15年の集大成がコレなら、このシリーズは終わらせて良かったんだな。


しかし、せめて青島とすみれの関係がどうなったかを描けよ・・・。


最終評価 C−


それでも、深津絵里は可愛いなぁ。




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October 04, 2013

着信アリ

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2004年・日本映画
柴咲コウ主演・三池崇史監督

大学生の由美(柴咲コウ)の友人・陽子が列車事故で死ぬ。
その事故があった時、由美は陽子とケイタイで話していた。

その陽子との会話を、由美は3日前に聞いていた。

陽子が死んだ3日前の夜、陽子のケイタイが鳴った時、由美はその場に居た。

その着信音を陽子は聞いたことが無いと言って電話に出ない。
着信の相手は、陽子自身。
しかも、着信の日時はちょうど3日後。
その、残されていた留守電が、その陽子が死んだ時の会話だったのだ。

この着信履歴に残された時間に、電話がかかってきた人間は死ぬ。

陽子が死んだ後は、陽子の彼氏のケンジ、友人の夏美(吹石一恵)、次々に連鎖していく死の着信。

そして、遂に由美のケイタイが鳴る・・・。


ホラーが怖くないってのは、もう、それだけで罪だと思う。


リングがヒットして以降、やたらジャパンホラーが撮られた時期があったよなぁ。
その頃の一作。

一時期、やたら柴咲コウが主演の映画が撮られた時期があったよなぁ。
その頃の一作。

なんか、知ってる内容で、もう一度観てたかなーと思ったら、ハリウッドリメイクの「ワン・ミス・コール」を先に観てしまっていたと言う・・・。

ストーリーを知っていると言えど、怖さが一切ないってのはどうなのか。

怖いってか、気持ち悪いはあるけどさ・・・。


しかも、オチにいたる理由も状況も、モヤモヤしてて良く分からないってのはどうなのか。
最後まで頑張って観たのに、モヤモヤを残されるなんて、とんだ踏んだり蹴ったり。


最終評価 C+



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October 03, 2013

海猿 BRAVE HEARTS

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2012年・日本映画
メガヒットシリーズ・海猿の第4弾。


日本の全ての海に派遣される、海上保安庁最高の救命チーム・特殊救難隊(通称・トッキュー)のメンバーになった仙崎大輔(伊藤英明)。

海洋救難の最前線で最後の砦となるトッキューは、常に自分の命を危険に晒す。
そして、最後の砦であるトッキューを助けに来る者は居ない。

自分の命を危険に晒しながら目の前の要救助者に向かっていく仙崎を、トッキューの先輩・嶋(伊原剛志 )は怒る。

「トッキューの現場では、冷徹な判断が求められる。
 たとえ要救助者まで1mでも、危険と判断したら撤収するのがトッキューだ。」

ある日、太平洋上を飛んでいたジャンボジェットの右エンジンに異常が起こる。
なんとか左エンジンのみで羽田に向かうジャンボジェットは、徐々に高度を下げていく。

そのジャンボには、仙崎と長年のバディを組む吉岡(佐藤隆太)の彼女・美香(仲里依紗)が乗っていた。

成田まで辿り着いたものの、車輪が出ないジャンボを空港には降りられない。
唯一の方法は、指定の海上に胴体着陸し、そこに救助隊を待機させて飛行機が沈み切る前に全員を救助する。

タイムリミットは20分。

そのミッションにトッキュー隊が挑む。
そして、ジャンボジェットが海上着水する為、海上保安庁、警察、そして民間の船たちまでが力を合せていく・・・。


「LAST MESSAGE」の後にある続編とは、これいかに。

まぁ、それは良いとして。

回を重ねるごとに災害の規模を拡大してきた海猿。
前作で海洋プラントをひとつ沈める火災を乗り越えた仙崎は、更に上のトッキューに入隊していた。
そして、今回はジャンボジェットの墜落事故。

規模を大きくするのは無理だから、今後のはタイムリミット付き。

だけど、タイムリミット20分の救助活動を2時間延々と流すワケにもいかない。
だから、飛行機が堕ちるまでが長い。
結果、仙崎が何もしてない時間が長い。
むしろ、待ち時間の主人公は司令官である時任三郎。
そして、今回ピンチになるヒロインはバディの吉岡の彼女。

ん?

なんか、単に仙崎のスーパーパフォーマンスを見せつけるだけだった今までの海猿より、みんなの力を結集する今回の方がフツーと言うか、マトモ?

規模ばかりデカくなっていった前作までより、時間制限のある今回の方が緊迫感もあってテンポが良い。


ま、御都合のツッコミは言い出したら成立しない作品だし、あえて言わない。

飛行機のエンジンが炎上して落っこちるって、どゆこと?とか、言わない。
仙崎が海上着水の作戦を司令部に直接提案したり、一方で落ちてくる飛行機の機長と着水3分前まで話したりとか、どんな権限?とか、言わない。
登場人物の演技が全員、体育会系。とか、言わない。
吉岡クンが、トッキューなのに単独行動で彼女の救助にかかりきり。とか、言わない。

ミラクル起きすぎ・・・

言わない。

だって、海猿だもん。
そんな諸々のツッコミはありつつ、それこそが海猿らしさで、「海猿を観た。」と言う満足感あり。


最終評価 B+



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October 02, 2013

伏(ふせ) 鉄砲娘の捕物帳

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2012年・日本映画

山で祖父に猟師の技術を仕込まれた少女・大山浜路。
祖父が死んで独りになった浜路に、兄から「江戸に来い。」と手紙が届く。

江戸に出た浜路は、河原に晒された犬の首を目にする。

「伏(ふせ)」

山犬と人間に生まれた8人の兄弟。
牡丹のような痣、犬の匂い、鋭い牙。
人間に化ける術を持ち、俊敏な身のこなし、鋭い爪と牙で人を殺す。
侍もヤクザ者も、大人もこどもも、男も女もお構いなし。
人を殺しては生珠(いきだま)を喰らう。

「伏狩り令」
伏の跋扈に手を焼いた幕府は、伏の首に莫大な懸賞金を懸けた。

そして、6匹までが狩られ、首を晒されていたのだ。
残されたのはあと2匹。

江戸で道に迷った浜路は、信乃と名乗る犬の面を付けた青年に出会うのだった。

信乃の案内で兄の長屋に辿り着いた浜路に、兄が告げる

「明日からお前の狩りの腕を生かして伏狩りだ。」

そして、浜路は何も知らずに伏を追うのだった・・・。



直木賞作家、桜庭一樹の小説「伏 贋作・里見八犬伝」を基にしたアニメーション時代劇。


人に化け、人の心を持ち、それなのに人を殺さなければ生きられない伏。
それを狩る狩人との間に生まれてしまった、儚い恋。

人の心を持つが故に、苦しみ、最後には自分の命を諦める伏たち。
伏を狩ることに迷いを抱えながら、浜路は銃を構える。


途中まで、浜路が一匹目の伏を狩るまで、信乃が正体を現すまで、は、面白かったのになぁ。


伏を狩りたい将軍の目的も理由もハッキリしないまま。
それと同じく、伏の存在も、目的もハッキリしないまま。

何が何だかわからないまま、クライマックスに突入する。

観てる方はポカーーーン。

最後のギリギリで里見八犬伝に繋がって、「あー、なるほどねー。」とはなるものの、あまりにもテキトーな展開過ぎて、その頃にはどうでも良くなってる。

しかも、許せないのが、クライマックスからラストにかけて主人公の浜路の心の動きが全く分からないコト。

最後に浜路を信乃のもとに走らせた手紙の内容を、伏せたのはなぜだろう?
その内容が物語の核なのに、内容が分からないってのは、明らかに製作側の不作為だろう。


むー、世界観と映像は好きだったんだけど。残念。


最終評価 B−



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October 01, 2013

トム・ホーン

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1980年・アメリカ映画


アメリカ、西部開拓時代のワイオミング州・ハガービル。
インディアンたちとの戦いの日々は昔のこととなり、西部は少しずつ落ち着き出していた。

牧場主・コブルの悩みは、牛を盗むならず者たちだった。
コブルは、ならず者に対抗する為、アパッチとの戦いで名を馳せた英雄トム・ホーン(スティーブ・マックイーン)を雇い入れる。

圧倒的な射撃の腕を持つトムは、牛泥棒たちを撃ち殺していく。
だが、そんなトムを町の住人達は冷酷な殺人者として恐れ、一度は恋仲になった女教師のグレンドーネ(リンダ・エバンス)さえも彼から離れていくのだった。

そんな時、トムの名声を妬み、また、トムを捕まえることで政界進出の足掛かりに利用しようと保安官のジョーはトムとは関係のない少年殺しの罪でトムを捕えるのだった・・・。


実在した賞金稼ぎトム・ホーンの最期を描いた作品。
また、西部劇で一躍名を馳せたスティーブ・マックイーンの最後の作品でもある。

荒くれる西部時代を生きたトム・ホーンだが、時代の流れは彼の生き方を許さなかった。
200メートル先を撃ち抜くトムの射撃は、単純な暴力として描かれ、格好良さはない。

この作品は、ワイルドなヒーローが悪人を倒す、そんな分かりやすい西部劇の筋立てとは趣が違う。
かつての英雄だったトムが、その生き方の為に追い詰められていく。
老いていくトムは、時代の流れを分かりながらも生き方を変えられない。

その生き方によって捕えられ、裁判にかけられるトム。

その裁判は、トムを有罪にする為だけに仕掛けられ、かりそめとは言え法治国家が始まったコトを象徴する。
そして、殺すか殺されるかと隣り合わせだったとは言え、あくまでも自由だった西部開拓時代の終焉を象徴するのがトム。

そして、冤罪によって死刑と宣告されたトムが、誰も手を汚さない機械仕掛けの絞首台に堂々と登る姿は圧巻。

痛快な西部劇と言うより、自由な時代の終焉が持つ寂寥感を感じる社会派作品。

ただ、何とも言えない寂しさと不条理に、納得できない気持ちがモヤモヤと心に残る。


最終評価 B



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September 30, 2013

のぼうの城

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2011年・日本映画

500 対 20,000

天下人となった豊臣秀吉(市村正親)は、天下統一の最終局面として関東の雄・北条氏討伐に動いた。

算術にには長けていても、「三成の戦下手」と陰口を叩かれる秀吉の最側近・石田三成(上地雄介)。
秀吉は、この関東攻めで側近のに武勲をたたせる為、武州(今の埼玉)にある忍城(おしじょう)を攻めさせる。

その軍勢・二万。

一方、忍城の城主・成田氏長(西村雅彦)は、長年の恩がある北条に付くか、それとも豊臣に付くかの選択を迫られ、形だけ北条に味方し、裏で秀吉に寝返ってしまおうと考えていた。

氏長の留守を預かって城代となった後継・成田長親(野村萬斎)は、領民から「でくのぼう」を略し「のぼう様」と呼ばれ、親しまれていた。

一矢も交えずに降伏することに不満が溜まる城内。

そこに石田三成の率いる二万の兵が到着する。
そして三成は夜通しかがり火を焚き、散々に忍城を脅した。

翌日、石田三成の使者が忍城に訪れ、忍城の開城を要求した。
領土・領民の安堵の交換条件は、美貌と武勇で名高き甲斐姫(榮倉奈々)を秀吉の側室とすること。

だが、ハナから降伏を折り込んだ、使者の増上慢な態度に成田長親は激怒する。

その直前まで降伏やむなしと思っていた長親の突然の心変わりに、不満の溜まっていた武将たちが呼応し、忍城は戦へと走り出す。

500 対 20,000

圧倒的な兵力差。
だが、その兵を率いるのは名将・正木丹波守利英(佐藤浩市)。
そして、この勝ち目が無い戦いに「のぼう様の為なら!」と百姓たちも立ち上がり、浮き城と呼ばれるほどの水掘りに囲まれた忍城は天下の堅城へと様変わりしたのだった。


天下統一を目の前にした太閤・秀吉の軍勢を相手に、最後まで落ちなかった北条方の支城・忍城。
その城を率いた実在の武将・成田長親を描いたベストセラー小説の実写映画化。

兵力差で言えば、万に一つも勝ち目のない戦いを、あの手この手の奇策と笑いで乗り切る痛快娯楽作品。

展開はほぼ漫画の世界。
実写映画でありながら、アニメ作品でも観ているかのような気分にさせられる。
そして、それが演出として効奏している。

野村萬斎が二万の軍勢を前に、命がけの猿田楽を踊るシーンは冗談のようだけど、必見。


ただ、勝負の決着がこの戦とは別の場所(北条氏の本城)で付いてしまう為、どうしてもクライマックスの盛り上がりに欠けてしまうのが残念。
まぁ、ソコは史実だから仕方ないんだけど。

その戦で盛り上げられなかった分を、戦後処理の開城後の交渉に持ってくるんだけど・・・。
んー、石田三成があまりにも物分りが良すぎてキモチワルイ。


「のぼう」と笑われながらも実は智将、そして、人心を掴む城代・長親を野村萬斎。
たった500騎で強大な敵を迎え、野村萬斎を支える腹心に佐藤浩市。
他にも敵軍勢に居る山田孝之の演技は見応えがある。

成宮寛貴とか、榮倉奈々は、まぁ御愛嬌かな?

監督が「ローレライ」「隠し砦の三悪人」で相当にヤラかした樋口真嗣だと思って敬遠してたのですが、実はダブル監督で「ジョゼと虎と魚たち」の犬童一心が居たと言う。
犬童監督は良い監督なのに、何だか久しぶり。

CGやら特殊効果やらを樋口監督、人物描写を犬堂監督と言う感じかな?
得意分野の分担作業もアリでしょ。


エンタメ作品として最後まで観られる作りではあるけど、ラストには不完全燃焼な感じも残る。

おしい!


TSUTAYAレンタルでディスクが傷ついていて、夜中に車を走らせたワリに・・・。
でも、最後まで観れてスッキリ。
コレが一日おいてのこのラストだったら、ちょっとねー。


最終評価 B+


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September 27, 2013

怪盗グルーの月どろぼう

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2010年・アメリカ映画
「アイスエイジ」のクリストファー・メレダンドリ製作


何でも小さくしちゃうレーザー銃で月を盗もうと考えた怪盗グルー。
だが、肝心のレーザー銃を同業者のビクターに奪われてしまう。

鉄壁の防犯システムを持つビクターの屋敷に侵入する方法を考えるグルーは、ビクターの屋敷に入っていた3人の女の子に目を付けた。

ビクターの家に入っていったマーゴ、イディス、アグネスの3人は、孤児院で厳しい扱いを受けながらも養父母となる人が現れることを待っていた。
3人を利用しようと養父に名乗り出たグルーに引き取られ、グルーの秘密基地に連れてこられてしまう。

怪盗グルーの秘密基地で、3人とグルーとネファリオ博士、そして、バナナで造られた生命体・ミニオンたちの奇妙な共同生活が始まる。


日本語吹き替え版、グルーの声・笑福亭鶴瓶。
初めこそ「えぇ?鶴瓶?」と、思うものの、最後まで観ればいや、ハマリ役でした。

ストーリーは、悪人としては今一つ活躍出来ない怪盗グルーがこどもたちとの暮らしの中で、自分が本当に望んでいた幸せが何だったのかに気付いていくと言う、なんともベタな王道中の王道ストーリー。

でも、ソレはこどもには楽しいストーリーであり、そして、一緒に観ている大人にも優しく、嬉しくなるストーリー。
王道には王道の良さがある。


が、惜しいのは、タイトルの「月どろぼう」要素が完全にオマケになってしまっているコト。
バナナから作られたミニオンたちにストーリー的な必要性が一切無いコト。

それと、もう少しそれぞれのキャラクターが掘り下げてあればなぁ、とは思う。


まぁ、キャラクターの掘り下げは公開された続編で!!ってコトなのか?


最終評価 B



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September 26, 2013

悪の教典

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2012年・日本映画
三池崇史監督作品。


とある高校。

容姿、能力、実行力に優れ、ハスミンと生徒に呼ばれて慕われる英語教師の蓮実(伊藤英明)。
蓮実は生徒のみならず教師や保護者にも一目置かれる存在。

蓮実の周囲は問題で溢れていた。

頭が良いくせにソレをカンニングなど、教師を小バカにすることに使う生徒。
生徒の万引きをネタに女子生徒の身体をもてあそぶ同僚。
狂ったように娘のイジメを訴える親。

だが、最も問題があるのは、蓮実自身だった。

サイコパス。
サイコパスは社会の捕食者(プレデター)であり、極端な冷酷さ、無慈悲、エゴイズム、感情の欠如、結果至上主義が主な特徴で、良心や他人に対する思いやりに全く欠けており、罪悪感も後悔の念もなく、社会の規範を犯し、人の期待を裏切り、自分勝手に欲しいものを取り、好きなように振る舞う。その大部分は殺人を犯す凶悪犯ではなく、身近にひそむ異常人格者である。
by Wikipedia

蓮実はサイコパスだった。

目的を達成する為、邪魔を排除する為、反社会的な方法さえも厭わない蓮実。

盗聴、放火、淫行、殺人。
巧みに偽装され、完璧に遂行されていく蓮実の凶行。

だが、その自身の凶行が発覚しかけた時、蓮実は究極の行動にでる・・・。


他者共感性のないサイコキラーが、高校教師として学校に入り込む。

信頼も厚い完璧だった人気教師が、笑顔を浮かべながら無防備な生徒や教師相手に牙を剥く。
そこにあるのは、恐怖と言うより、嫌悪感や不快感。

そして、中盤まで周到に犯行を隠してきた蓮実が、犯行の隠ぺいを諦めた時、リセットボタンを押すように猟銃片手に生徒を撃ちまくる。
ラストには軽快な音楽にのせながらの大量殺人。それはもう、現実離れし過ぎたゲーム。

そう、演出によってゲーム感が高めてあるおかげで良く分かる。
他者共感性が無い世界とは、すなわちそのままゲームの世界。

前半は、良い教師を演じるゲーム。
中盤は、完璧な犯行を遂行するゲーム。
後半は、シューティングゲーム。

蓮実とって全てはゲームだったのだと。

そして、ラストは次のゲームのはじまり。
ラストで蓮実の残す言葉で、背筋がゾクリとする。

この作品は、生徒を虐殺する教師と言う部分だけがクローズアップされ、評価されているが、ソレはこのラストの一瞬の恐怖を生み出すための途中経過でしかない。

残念なことに、虐殺シーンの印象が強すぎてラストシーンに至る前に作品を投げてしまう人が多いのだろう。



そこのけそのこけ、サイコさんが通る。

伊藤英明のカタイ演技が、むしろサイコ・キラーの異常さを上手く表現していて、ハマる。
この作品だけ観ると、伊藤英明が名優に見える。


最終評価 B+


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September 25, 2013

15歳アルマの恋愛妄想

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2011年・ノルウェー映画。

どこまでも美しい景色だけが続く、ノルウェーの片田舎。
どこまでも広がる風景の中、どこにも行けない閉鎖的な空気が漂う。

性に目覚めた少女アルマは、想いを寄せるアルトゥールとのセックスを夢見ていた。

そんなある日、パーティを抜け出したアルマのところにアルトゥールが現れ、アソコをアルマに擦り付ける。
すっかり興奮してしまったアルマは、うっかり口を滑らせ、友人にソレを言ってしまう。

人気者のアルトゥールに想いを寄せる女子は多く、アルマは仲間外れにされ、学校でのツライ日々が始まる。

しかも、有料のテレフォンセックスの請求書が届き、家庭の中にもアルマの居場所は無くなっていく。

現実から逃げるように、アルマの頭はエッチな妄想に満たされていくが、心は虚しさに満たされていく・・・。


自分の中にある、素直な衝動。
何で、みんな「性欲」を認めないんだろう?

アルマの素朴な疑問が、周囲との壁を作っていく。


主人公のオナニーシーンとかはあるものの、セクシーさはほぼ無く、むしろコメディ的。
ストーリーも言うほどセックス、セックスした内容ではなく、青春時代の現実的な恋愛を、映画的な演出抜きで正面から描いている。

オナニーやセックスは、扱うテーマ的に必要だから描いただけと言う感じ。


小さな町の閉塞感と、ひとりの少女の成長。

女子にもエロな衝動はあるんだよなぁ。と、しみじみ。

鑑賞後に、少し懐かしいような、優しい気分を残す。


北欧の家具はやっぱりセンスが良い。
アルマの家にある電気のシェードとか、壁紙とか、ちょっとした小物が「お、アレ良いなぁ。」と思う。

でも、一方で服のセンスがアレですな。
基本、色の抜けたブルージーンズに原色使いのセーターとか。
何と言うか、安保闘争時代と言うか、60〜70年代を感じさせる。

メインストーリーは奇抜な展開とかはないので、安心しきって家具とか服とかを観てしまう。


最終評価 B



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September 18, 2013

バトル・オブ・ロサンゼルス

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2011年・アメリカ映画

人類と宇宙生物の最終決戦!

2011年の作品なのに、テレ東「午後のロードショー」で放送される作品。
B級作品を期待しての鑑賞。

タイトル、キャッチ・フレーズ、その他全てからB級の匂いがする。

・・・・。

しかし、いくら変態映画ファンとは言え、クソ映画が好きなワケではないとゆー話。
コストが無い中で知恵を尽くしたB級が好きなのであって、製作側がB級で良いと思ってるB級はだめだー。


冒頭からのスーパーチープCGが半端ない。
円谷プロが一枚噛んでるとみた。
最近の携帯アプリゲームでももう少しマシな気がする。

むしろ、コストを使ってこのクオリティの作品を撮ってしまう製作過程に興味をおぼえる。

そんな作品。


映画ファンってこじらせると、たまにフツーならドン引きの映画に手を出すようになってくる。
コレはもう、病気の域だな。


あ、ストーリー?

インディペンデンス・ディのパクリ宇宙船があらわれて、ミサイル効かなくて、日本刀で戦うの。

おしまい。


最終評価 C



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September 17, 2013

パーカー

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2013年・アメリカ映画
ジェイソン・ステイサムとジェニファー・ロペスが共演するクライムアクション。

一匹狼で凄腕の強盗・パーカー(ジェイソン・ステイサム)。
計画的な犯行シナリオには定評があり、強盗はしても殺しはしない。

オハイオステートフェアの売上金を狙ったヤマで、心ならず犯罪者チーム・メランダーたちと手を組むことになる。

150万ドルの強奪に成功した帰り道、パーカーは別のヤマに手を貸すように声を掛けられる。
だが、仕事の雑なメンバーに心を許せないパーカーは、次の仕事を断る。

しかし、それで済むわけはなかった。

協力を断られたメランダーにパーカーは殺されそうになり、危機一髪、命を取り留める。

意識を取り戻した病院、TVに映る自分の書いたシナリオで人が死んだニュース。
全てが道義に反する。
全てが許せない。

パーカーは復讐を誓い、動き出す・・・。


無敵超人のステイサムが、道義を踏み外したヤツラに制裁の復讐!

なんですが、基本、ステイサムも犯罪者で、道義うんぬん言ったって、自分も元々道を踏み外してるワケ。

復讐の動機が弱いのなんの。

しかも、腹を銃で撃ち抜かれ、ドブ沼みたいなトコに浸かってたハズなのに、生き延びたとなればイキナリ全力疾走。
そして、相手は組織をバックに持って、その組織も動員してくるのにドンドンバンバンで全て解決。

やっと仲間に引き込んだと思ったジェニファー・ロペスは、単なる生活に困窮するアラフォーバツイチ女。
ステイサムのオシリに惹かれてチュッチュするものの、ステイサムには恋人が居るので、特にヒロインになるワケでもなく。
それでいて、アクションに参加するでもなく。
ステイサムの前で下着姿になったものの、特に食指も延ばされるコトなく、淡々とした扱い。

このジェニファー・ロペス要素、要る?


何だか、全部が響かないと言うか、空回り感のある作品でした。


最終評価 B−


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September 12, 2013

仄暗い水の底から

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2001年・日本映画
「リング」の鈴木光司・中田秀夫コンビが手掛けたホラー映画。


5歳の娘・郁子の親権を争う離婚調停中の松原淑美(黒木瞳)。
何としても親権を得たい淑美は、少しでも早く新しい家が欲しかった。

激しい雨の日に見学した、古いマンション。
湿気の多そうな部屋。
少し嫌な印象があったものの、管理人も居るし、職場や幼稚園も近い。
淑美は入居を決めた。

だが、気に入らないのは湿気ばかりではなかった。
上の階に住む住人の足音、天井のシミ、雨漏り、そして、何度となく目にするこども用の赤いカバン。
淑美のいらだちは募っていく。

そんな時、郁子の通う幼稚園で2年前に行方不明になった少女・美津子の存在を知る淑美。

両親が離婚し、雨の日に美津子は姿を消した。
その時の美津子の姿は、黄色いレインコートと赤いカバン・・・。

奇妙なことが続き、疲れきって寝入ってしまった夜。
郁子が夜中に部屋を抜け出し、居なくなる。
必死で郁子を探す淑美が見つけたのは、またあの赤いカバン。
そして、足音が響いてきた上の部屋で、淑美は郁子を見つける。

郁子を見つけた上の部屋は、水浸し。
そして、表札には河合美津子の名前が・・・。


ぼんやりやり淡々としたストーリー展開とヒステリック感だけで 3/4 くらい引っ張るので、ひたすらタルい。

追い詰められてくシングルマザーの黒木瞳がヒステリック。
共感できずに引いてしまう。

出てくる恐怖要素は、捨てたハズなのに何度も出てくる赤いカバンと、雨漏り、そしてチラっと見えるこどもの影。
とりあえず、怖いはナイ。

で、淑美が美津子が行方不明になった理由に辿り着いたコトで、やっとやっとのクライマックス恐怖展開に入るのかと思いきや・・・・。

結局のところ、恐怖の根源である美津子ちゃんは、自分を見つけて欲しいだけのこども霊。
最終的には助けを求めるこども霊を突き放すことも出来ず、何だか微妙にハートウォームと言うか良く分からないオチになる。

しかも、ラストはそして10年後、とか。ホラーでアリなのか?

前半から中盤までずっとタルく、ラストはグデグデ。
非常に残念感のある作品でした。


ジャパンホラーが流行った時期だから、棲み分けの為に色々なパターンがあったよね。

でも、ハートウォームホラーは企画段階で無理だと気付こうよ。


最終評価 C



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September 11, 2013

許されざる者

許され~1

1992年・アメリカ映画
クリント・イーストウッド主演。


かつては名の知れた荒くれ者だったウィリアム・マニー(クリント・イーストウッド)。
愛妻クローディアを3年前に天然痘で失い、今は2人のこどもと穏やかに暮らしていた。

そんなウィリアムのもとに、スコフィールド・キッドと名乗る若いガンマンが訪れ、相棒になろうと持ち掛けてくる。

娼婦の顔を切り裂いた2人のカウボーイに懸賞金が掛かっている。
賞金は合わせて1000ドル、協力して賞金を山分けしよう。

最初は誘いを断ったマニーだが、2人のこどもとの細々とした暮らしの将来を考え、再び銃を握る。
そして、かつての仲間ネッド(モーガン・フリーマン)も同行者に加わる。

一方その頃、保安官のビルは賞金に引き寄せられて集まったならず者どもを締め上げていくのだった・・・。


雄大なアメリカの荒野。
武骨な銃が治安を乱し、治安を守る西部開拓時代。
誰しもが必死に生き、その中で人を傷つけ、傷つけられる。

人は誰しも罪を抱えて生きる、その中でも最も重い罪・殺人。

かつて若さに任せて女も子ども殺したマニーは、愛する女性によって変えられた。
だが、罪は消えない。
それを一番知っているのは、自分自身。
許されざる罪を抱えた自分自身。

その罪を背負う意味を知りながらもマニーが再び銃を握るのは、守るべきこどものため。
保安官たちと戦ったのは、親友ネッドのため。
そして、理不尽な暴力によって傷つけられた娼婦のため。

マニーは、単純明快なヒーローではない。
賞金を懸けられたカウボーイも、根っからの悪人ではなく、金銭的な賠償もしている。
敵役として描かれる保安官ビルも、多少やりすぎではあるものの彼の職務と時代を考えれば責められない。

それでもマニーは殺した。

それで、娼婦の恨みを晴らした。
それで、金を得た。
それで、友の仇を討った。

その行為によって魂を救われた1人の娼婦が居た。


無駄のないストーリー。

マニーは果たして人間なのか、それとも因果を司る死神なのか。
銃をぶっ放すウエスタン映画でありながら、その枠を超えた世界観。

コトが起こってからのマニーが怖すぎるし、格好良すぎる。
肚の座り具合が半端じゃない。

イーストウッド映画、ハズレなし。


最終評価 A



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September 10, 2013

エンパイア・オブ・ザ・ウルフ

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2005年・フランス映画
ジャン・レノが悪徳暴力警官を演じるサスペンス・アクション。


優しい夫とのささやかな生活を営んでいたアンナ(アーリー・ジョーヴァー)は、進行性の脳の病を患ってしまう。
時々起る発作。
夫の顔が一瞬わからなくなる認知の異常。
そして、記憶の混同。

その頃、パリの街では女性ばかりが惨殺される猟奇殺人が横行していた。

調査に乗り出した若手刑事のポール(ジョスラン・ギヴラン)は、悪徳で名高い刑事のシフェール(ジャン・レノ)に捜査協力を依頼する。

なぜか夫が自分の夫ではないような違和感を感じていたアンナは、自分の頭部や耳の後ろに自分の知らない手術痕を見つけ、とっさに夫の元を逃げ出す。
すると、優しかったハズの夫が豹変し、逃げ出した囚人を追うようにアンナに迫る。

トルコ人に顔が効くシフェールは、暴力的で違法スレスレながら違法就労に関わる地下組織の深くへと捜査を進めていく。
シフェールとポールは、被害者女性たちの顔が非常に似ていたことに辿り着く。

夫の元を逃げたアンナは、飛び込んだ病院で自分の顔が作られたモノだったことを知る。

アンナの失われた記憶と、シフェールたちの追う猟奇殺人事件が、交錯していく。
そして、辿り着いた先に居たのは、トルコの国粋主義組織「灰色の狼」だった・・・。


途中までは別々に進むアンナとシフェールのストーリーが絡まっていく展開でソコソコ面白いのに、紆余曲折の結果で出た答えが、「その程度の話? なーんだ。」って感じ。
せっかくの「灰色の狼」って要素も、なんだかマフィア程度の暴力アングラ組織って扱いでしかない。

前半のサスペンス感で盛り上げた分、後半との落差が激しい。

後半になって急にアクション要素がブチ込まれるんだが、それが雑。

しかも、「えぇー。」と言いたくなる御都合が繰り返されたりして、後半になっていくほど画面から力が無くなっていく。

最後はもう、眠気との闘い。そして完敗。


最終評価 C+



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