2015年に観た映画

December 15, 2015

ダレン・シャン



2009年・アメリカ映画
ハリー・ポッターがブームになった時、2匹目のドジョウよろしく幾つかのシリーズが出た。
その中でソコソコのヒットになったダレン・シャンの実写化作品。
漫画版は結構面白かったので鑑賞。


良い大学へ行き、良い会社に勤め、良い家庭を作る。
順風満帆の学生生活を送るダレン・シャンは、親の望む人生のレールに疑問を持つものの、逆らう術を知らなかった。

だが、家を抜け出して親友のスティーブと禁止されたフリークショー(奇人の見世物)に行ったことで全てが変わる。

異常に背の高い男、蛇男、切れた腕が再生する女、オオカミ男。
信じられない様なフリークたちの中で、ひときわダレンの目を引いたのは、巨大な毒蜘蛛のマダム・オクタだった。
そして、オクタに魅入られているダレンの横でスティーブは蜘蛛使いの男がヴァンパイアだとダレンに囁く。

保安局の立ち入りでフリークショーが打ち切られたドサクサにダレンは裏方へ忍び込み、マダム・オクタを盗みだした。

それが、ダレンがヴァンパイアとなって永き冒険をする事になるキッカケとなるのだった・・・


んー。
まぁ、原作は10数巻にわたる一大叙事詩なので、2時間に収まりきらないのは当然。

とは言え、ダレン・シャンが半ヴァンパイアになるまでで半分以上の時間を使ってしまうってのはどうか。

流石にテンポの悪さを感じる。

そして突然に始まるバンパニーズとの戦い。

対立軸であるバンパニーズとの関係も分かってる前提というか、何百年にわたる因縁の深さが伝わってこない。

全部を入れ込むには2時間はあまりに短く、序盤をしっかり語るばかりではタルイ。

それに、見せ場であるアクションシーンに出てくるヴァンパイア特有の高速移動術・フリットは、映像化には果てしなく向かない。
基本、何してるか分からないから。


映画化するには、諸々足りてなかったってトコでしょうか。


最終評価 B−



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November 23, 2015

猫侍



2014年・日本映画
「幼獣マメシバ」や「ネコナデ」といった、動物シリーズドラマのひとつ「猫侍」の劇場版。


加賀藩の剣術指南役の腕がありながら職を求める浪人に身をやつしている斑目久太郎(まだらめきゅうたろう・北村一輝)。
その腕前から付いたあだ名は、まだら鬼。

久太郎の腕を見込んだ地元を仕切るヤクザから依頼が入る。

「猫を斬って欲しい。」

犬派ヤクザ対猫派ヤクザ。
この街には2組のヤクザの勢力争いがあった。

久太郎のもとを訪れたのは犬派ヤクザ。
猫派の代官に取り入ろうとする猫派ヤクザの猫を斬って欲しいと言うのが、犬派ヤクザの依頼だった。

金欲しさに依頼を引き受けた久太郎だったが、猫を斬ることも出来ずに家に連れて帰ってしまうのだった・・・


コワモテの侍が、実は猫好き。

この設定ありきの猫ムービー。

目ヂカラ爆発の濃い顔サムライが心の中で猫に語りかける呟きが地味に面白い。

どんなコワモテも、猫の前では無力というギャップ萌え。
と言うか。ギャップ笑い。

猫を抱っこしたままの殺陣ってのは初めて見ました。


最終評価 B


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November 14, 2015

きっと、星のせいじゃない。



2014年・アメリカ映画


13歳で発症した甲状腺ガンが肺に転移し、末期ガンになったヘイゼルは17歳。

死と向き合い鬱になったヘイゼルを心配した両親は、同じ境遇の若者が集まるサポートグループへとヘイゼルを送り出した。

そこでヘイゼルは骨肉腫で右足を失った青年・オーガスタスに出会う。
ひとめで惹かれ合う2人。

ヘイゼルは自分の愛書をオーガスタスに勧めた。

だが、その本は、結末が途切れている。
どうしても続きが気になったオーガスタスは作者にメールを送り、なんと、そのメールに返信が届く。

作者との繋がりを得たヘイゼルは、作者に真の結末について問いかける。

作者の答えは

「アムステルダムに来た時にはお会いしましょう。」

慈善団体の協力を得てヘイゼルはアムステルダムに行くことを願うが、彼女の身体は確実に病魔に蝕まれていた・・・


不治の病を抱えた女の子と、彼女に恋をした男の子。

よくある、と、切って捨てるのは簡単。
そのテーマを扱った作品は山ほどあるし、大抵は御涙頂戴の陳腐作品。

この作品も外見はそう。
だが、御涙頂戴では終わらない。

軽やかであり、美しく、それでいてズシンとした痛みがある。

自分の人生を諦め、残される親のために生きていたヘイゼルが、オーガスタスと出会い、自分の人生を取り戻す。
そこには優しさや思いやりだけじゃなく、現実の厳しさもある。

「この世は、夢工場じゃない。」

オーガスタスの言葉が胸に響く。

この世界は、本当に不平等で。
くそったれで。

だからこその美しさもある。


ただ、作中に出てくる作家のヴァン・ホーテン氏が少し不可解。
彼の抱えた悲しみもわかるけれど、その悲しみと彼の行動が上手く一致しない。

物語のキーマンのようで、何となく意味深なだけの人に見えてしまう。



重い病気を抱え、日常の何でもないことが自分の力で解決出来なくなる。
この苦しさを知る人間が、この作品を観て共感しない訳がない。


ただ、なんか最後で泣けない自分がいた。
不思議。


最終評価 A−

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November 06, 2015

るろうに剣心 伝説の最期編



いよいよ国取りに動き出した志々雄真実(藤原竜也)は、軍艦で東京湾に入り込み、明治政府を恫喝した。

志々雄真実は国取りの余興に剣心の身柄を要求する。

一方、京都の戦いの中で薫を助ける為に海に落ちた緋村剣心(佐藤健)は浜に打ち上げられ、その剣心を救ったのは飛天御剣流の師匠・比古清十郎(福山雅治)だった。

飛天御剣流の奥義伝授を願い出る剣心に、清十郎は容赦のない剣を振るう。
師の圧倒的な剣の前に、死を意識した剣心は、自分の心と向き合うのだった・・・


先週に引き続き、金曜ロードショーにて劇場版るろうに剣心の後編を鑑賞。
いやー、ノーカットとは言え3時間はなげーな。

そして、相変わらずゲームとか、解説とか、余計な色々を盛り込んでくるなぁ。〉金曜ロードショー

まぁ、金曜ロードショー批判はいいとして。


剣術エンタメとして、るろうに剣心は良い出来です。

佐藤健かっけぇ!

るろうに剣心の実写化と思わず、ハイスピード剣術アクションとして見るが吉。

原作を読んだのは随分と前で、細かい部分を忘れてるのが、かえって良い。
実写版のストーリーや、設定の食い違いが気にならないで済む。

それに実写版はかつて緋村が「人斬り」だった過去の重さも描いているのも良い。
剣心が単なる良い人ではなく、後悔の過去を抱えたひとりの人間に見える。


ただ、最後の志々雄との戦いが盛り上げようとし過ぎて演出過剰。

志々雄が強いからって、剣心、左之助、蒼紫、斎藤の4人がかりはどうだろう。
いや、それ以前に、蒼紫と斎藤はワープが使えるとしか思えない御都合パワー炸裂してるしなぁ。

最終決戦がちょっと残念。


最終評価 B+



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November 02, 2015

アメリカンスナイパー

【Amazon.co.jp限定】アメリカン・スナイパー ブルーレイ スチールブック仕様(1枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
ブラッドリー・クーパー
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
2015-07-08


2014年・アメリカ映画
クリント・イーストウッド監督作品。

実在した伝説と呼ばれたアメリカ軍スナイパーの物語。


テキサスの片田舎でカウボーイをしていたクリスは、アメリカを狙うテロのニュースで奮い立ち、海兵隊に志願した。

幼い時に父親に狩りを教わったクリスは、スナイパーとしての素質に恵まれていた。

厳しい訓練の合間に出会ったタヤと恋に落ち、結婚する。
だが、幸せな生活を送る前に9.11が起こり、イラク戦争が始まる。

イラクに派遣されたクリスの初めての標的は、対戦車爆弾を抱えた少年だった。

スナイパーとして一目置かれる存在となっていくクリスは、軍の中で高まる評価の一方で人を殺すことに慣れていく自分を感じていた。

イラクとアメリカの往復を繰り返すクリス。
アメリカに帰国すれば戦場が嘘のような平穏があり、イラクに戻れば信じられないような残酷さの中に身を置く。
往復の中で、クリスは自分の居場所はイラクにあるように感じ出していく。

身体はアメリカに戻っても心を戦場に置き忘れているクリスに、タヤはもう戦場に戻らないでと訴える。

だが、クリスは再びイラクへと戻ってしまうのだった・・・


正常な心を持ったままではいられない戦場。
武器を持てば少年だろうが女性だろうが撃つ。

そんな戦場の中でもスナイパーは特殊だ。
スコープを覗き、標的姿を見つめ、命を奪う。
標的の命が尽きる様を見つめ続ける。

そして、スナイパーは敵の標的にもなる。
腕の良いスナイパーはその存在が脅威であり、しかも、仲間の命を奪った特定個人だから。
敵の恨みをその身に受ける。


伝説と呼ばれ、自らを標的としながら戦場に身を置き続けたスナイパー・クリス。
最強のスナイパーと呼ばれたその伝説は、暗い影を伴う。

戦場から戻ったクリスを、戦場が蝕んだ心の闇が苛む。

戦争に正義なんてない。
そんな現実を、感動や救いとは縁遠い、出口のない物語が伝える。

そして、この映画を観終わって思う。
アメリカを守るために、と、クリスが戦ったイラク戦争は、誤った情報に基づいた戦争だった。
果たして、クリスや傷ついた他の軍人たちの犠牲は何だったのか。
すべてを奪われたイラクに残されたのは、何なのか。


無音のスタッフロールは、観客に考えることを求めてくる。


最終評価 A



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October 30, 2015

るろうに剣心 京都大火編

るろうに剣心 京都大火編 通常版 [DVD]
佐藤 健
アミューズソフトエンタテインメント
2014-12-17


明治維新の闇に生き、多くの志士を暗殺した人斬り抜刀斎(佐藤健)は、刀を置き緋村剣心として明治の太平を生きていた。

剣心を受け入れた薫(武井咲)との平穏な日々に、暗雲が立ちこめる。

ある日訪れた、明治政府の重鎮・大久保利通からの呼び出し。
大久保は、剣心の後を継いで暗殺を担った志々雄真実(藤原竜也)の存在を語る。

暗殺に暗殺を重ね、明治政府の根底を揺さぶる闇を知る志々雄は、秘密を守る為にその明治政府からに裏切られ、命を狙われる。
だが志々雄は生き延び、明治政府転覆を狙う武闘組織を作り出した。

やっと訪れた平和を守る為、剣心は再び剣をとる。


金曜ロードショーにて鑑賞。
前にシャーロック・ホームズで散々批判したネタバレテロップはやめたらしい。

まぁ、当たり前だね。


さて、実写版るろうに剣心の第2作です。

アクションシーンや漫画からの再現率など、思わぬ高評価となった、るろうに剣心。
その続編は、原作でも人気のある志々雄編を前後編にして描く。

高速の剣術・飛天御剣流を実写化したアクションは健在。
漫画実写化らしい、トンデモも健在。
そして、志々雄に藤原竜也、神速の宗次郎に神木隆之介と、相変わらずの豪華キャストは実力も十分。

漫画実写化として、エンタメ作品として、なかなかの完成度。
今回も単純にアクション映画として楽しめます。


原作との設定違いとか、時代劇としてとか、色々言おうと思えば言うことは出来るけど、それは野暮かな。
だって、コレ、ジャンプ漫画のるろうに剣心だぜ?

ジョーク部分を笑って流すくらいは、織り込み済み。


まぁ前後編の前編なので、この作品単体では詰め込み感の割に尻切れ消化不良。

後編も観ます。


最終評価 B+

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September 20, 2015

ベイマックス



2014年・ディズニー&ピクサーのフルCG映画。


15歳で高校を卒業したヒロ・ハマダは、その才能を持て余し、違法な賭けロボットファイトに精を出していた。

そんなヒロを信じていたのは、兄のタダシだけ。

タダシがヒロの世界を開く為に見せたのは、タダシが大学で研究している最先端のロボット工学だった。

本当の研究に触れたヒロは大学に行くために新しいロボットを作り出す。
小さくて大量のロボットを脳波で動かすマイクロボット。
ヒロの作り出したマイクロボットは、すぐに商社が目を付けるくらいの可能性を持っていた。

ヒロの大学入学が決まった夜、タダシたちの研究室が火に包まれた。
そして、タダシは火の中に取り残された教授を救うべく飛び込み、爆発に巻き込まれ、帰らぬ人となった。

ただひとり自分を信じてくれたタダシを失い、傷心のヒロ。
タダシの代わりに残されたのは、タダシが研究していた介護ロボットのベイマックス。

ベイマックスが見つけた、ひとつ残っていたマイクロボット。
そのマイクロボットが呼び寄せられていた場所を辿ると、そこには大量に作られたマイクロボットがあった。

何者かがヒロの発明を盗み、その証拠を消すために研究室に火をつけたのだ!

ヒロはベイマックスと共に工場へと向かった。


見事なまでの起承転結。
喜ばせ、楽しませ、ハラハラさせ、ドキドキさせ、泣かせ、感動させる完璧なストーリー。

そしてここまできたかと感心するCGの技術。

エンターテイメント映画として計算しつくされた完成度。

文句のつけようが、ない。

まぁ、科学技術的な話になればツッコミはあるけど、楽しさを追求した子ども向けエンタメ作品でそれを言うほうが野暮というもの。


が、強いて文句を言うなら、その完璧すぎる完成度。かな。

出来は完璧。
観ている間はドキドキハラハラ、そしてホロリ・・・。

でも、ツルツルの玉みたいに表面のデコボコがなくなるまで磨き上げた結果、どこかつかみどころの無さを感じると言うか。

本当に後に何も残さないエンターテイメント作品の完成形ってこういうもの?


まぁ、映画を1本観た後には、ザラリとした何かが心に残ったら・・・なんて、子ども向けのエンタメ作品に求める方がオカシイ。
なんて、こども向けエンタメから一歩踏み込んだモノまで求めたくなるレベル。


最終評価 A



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September 16, 2015

ゴーン・ガール

ゴーン・ガール (字幕版)
ベン・アフレック
2015-03-05


2014年・アメリカ映画
デビッド・フィンチャー監督作品。


結婚5周年の記念日、妻のエイミー(ロザムンド・パイク)が失踪した。
誰もが羨む結婚生活に訪れた突然の異変。

夫のニック(ベン・アフレック)は警察を呼び、捜査が始まる。

初めは同情的だった周囲の状況が変わって行く。

次々に出てくる事実がニックを、追い詰めていく。

最初は不用意に撮られてしまった会見での笑顔の写真、ニックの知らないエイミーの交友関係、エイミーが隠れて買った護身用の銃。ニックの浮気。
そして、空疎だった2人の生活と、エイミーの中に溜まっていく不満が綴られた日記。

実はすれ違っていた2人の結婚生活が、白日の下に晒されていく。

証拠のすべてがニックを犯人だと言っていた・・・。



ただただラストまで目が離せない極上のサスペンス。

失踪した妻側から出てくる情報と食い違う夫の証言。
次々に出てくる証拠。

途中まではミスリードと逆転を使ったサスペンスにありがちな内容なのかと思いきや、最後までいくと背筋が凍る。


怖え。
この作品、心の底から怖え。

流石はデビッド・フィンチャー。

ただ恐怖煽って暗がりから飛び出してビックリさせるだけのホラーとは違う。
心の根っこにくる。


人間誰しもが求められる役割を演じて生きている。
だが、その仮面をこれほどまでに恐怖に染め上げた作品を知らない。

そして、この作品のテーマが結婚。
自分が良く知っていると思っているパートナーのことを、果たして自分はどれだけ知っているのかを問いかけてくる。

既婚者と未婚者で評価が変わるかも。


ネタバレ無しに語ることが不可能。

心震えるサスペンスが観たければ、是非。


最終評価 A+



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September 09, 2015

ルーシー

LUCY/ルーシー [DVD]
スカーレット・ヨハンソン
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
2015-07-23


2014年
リュック・ベッソン監督作品。


人間は、脳のたった10%しか使っていない。

クラブで出会ったリチャードに騙され、中身の分からないアタッシュケースを届ける事になってしまったルーシー(スカーレット・ヨハンソン)。

届け先のチャンと言う男は、チャイニーズマフィアのボス。
なんの事情も分からないまま屈強な男たちに拐われたルーシーは、血みどろの死体が転がる豪華なペントハウスに連れてこられる。

チャンに指示されるままにアタッシュケースを開けると、中に入っていたのは新型の麻薬・CPH4。

ルーシーは自由を奪われ、気が付いた時には外科的に腹の中にその麻薬を詰め込まれていた。

ルーシーは、新型麻薬の運び屋にされたのだ。

目隠しのまま運ばれた部屋で暴力に晒されたルーシーの腹の中で、麻薬の袋が破れる。

異常な感覚がルーシーの全身を襲い、ルーシーは再び意識を失う。

次に目覚めた時、ルーシーの脳は最大限の機能を発揮しだす。

生まれてからの全ての記憶を取り戻し、地球の自転や重力さえも感じる超感覚が目覚める。
ルーシーの脳力は、止まることなく加速していく・・・


人間の脳はほんの1割ほどしか使われていない。
頭の中がほとんど空洞化、脳がわずかしか存在しないのに44歳まで普通に暮らしてきた男性がいた事からも、人間の脳の可能性は果てしないことは間違いない。


では、その脳の全ての力を解放したらどうなるのか?


人知を超えて神の如き力を発揮いくルーシーの暴走は、アクション映画と言うよりも恐怖を伴うスリラー。

そしてラストには時空を超えて、人類の始祖の記憶を辿って恐竜世界へ?

そんな時空さえも超えてしまうルーシーの壮大な宇宙創成物語に対し、鉄砲でルーシーを殺そうと頑張るチャイニーズマフィアは対立軸足りえるのか。

とりあえず、チャイニーズマフィアが、哀れで滑稽。


行くとこまで行っちまったトンデモ映画。

巨匠って人種は、どっかでこういう「人間とは」みたいな理解超越作品を撮らないと気がすまないのだろうか。
いや、巨匠だからこんなんを撮っても許されるってダケの話なのか。


ハイセンスを突き詰めたらシュールなギャグになってしまったという感じ。


最終評価 C+


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September 07, 2015

ミュータントタートルズ

ミュータント・タートルズ ブルーレイ+DVDセット(2枚組) [Blu-ray]
ミーガン・フォックス
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
2015-06-10



2015年・アメリカ映画

忍者の扮装をしたカメのミュータントたちが悪の組織と戦う、80年代に流行ったアニメ・ミュータントタートルズの実写映画化。


無意味な流行りを追う報道に嫌気がさしたレポーターのエイプリル(ミーガン・フォックス)は、ある日、スクープのタネに出会う。

ニューヨークの地下に住み、悪の組織・フット団と戦う戦士たち。

強靭な肉体とカンフーを駆使する戦士たちの正体は、巨大なカメ。

ドナテロ、ラファエロ、ミケランジェロ、レオナルド。
彼らは、かつてエイプリルの父たちが研究していたミュータジェン計画の生き残りだった。

エイプリルは四人の正体に迫った・・・


武器は日本刀、サイ、ヌンチャク、棍。
ピザが大好き。
女の子はもっと好き。
軽快な冗談交じりトークとクンフーアクション。
懐かしのミュータントタートルズが実写になって戻ってきた。

単純明快、勧善懲悪、気分爽快。

シンプルに楽しんで、何も残さない。
良作アクション映画。


最終評価 B+


しかし、トップに貼ったミュータントタートルズのブルーレイ+DVDセットって、意味わかんなくね?



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August 27, 2015

コナン・ザ・グレート

コナン・ザ・グレート(2枚組) (初回生産限定) [DVD]
アーノルド・シュワルツェネッガー
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
2012-04-21


1982年 アメリカ映画

古代アトランティスが滅びた後の暗黒時代。
コナン(アーノルド・シュワルツェネッガー)の生まれた小さな部族は襲われ、両親は殺された。

奴隷となったコナンは苦役に耐え、屈強な肉体を持つ青年と成長した。

コナンの肉体に目を付けた行商人に買われ、コナンは闘士となった。
そこでコナンは戦う術と知恵を身に付け、そして行商人の気まぐれで自由を得た。

自由を手にしたコナンは、復讐の旅に出る。


シュワルツェネッガー、若っ!

シュワルツェネッガー、ロンゲ!
しかも似合わねーww



ボディビルダーだったシュワルツェネッガーが俳優として認められるキッカケとなった作品。

とにかくシュワルツェネッガーの屈強なバディを見せつける。

とにかくシュワルツェネッガーは喋らない。

ストーリーは、まぁ、古代時代の摩訶不思議アドベンチャーな感じ。
予言と、セックスと、格闘と、神話。

順次出会うべき人に出会い、情報をもらい、仲間になり、シュワルツェネッガーがムッキムキ。

セックスも格闘も、いかにしてシュワルツェネッガーのムキムキバディを見せつけるかって作品。

とりあえず、でかいバスタードソードを振り回すシュワルツェネッガーはムキムキ格好良い。


映画業界がお金を持ってた時代の作品なので、今の時代にはない実写の味わいを楽しむことは出来る。
ただ、現代の映画と比べてしまうと、ストーリーも演出も微妙な内容。

まぁ、時間を割いてワザワザ観る作品でもない。


最終評価 B−

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August 25, 2015

神さまの言うとおり



2014年 日本映画


退屈な日常に飽きていた高校生の高畑瞬(福士蒼汰)は、こんな世界ぶっ壊してくれと神に願った。

そして、その言葉を後悔し、退屈な日常を返してくれと神に願う。


ある日、授業をしていた教師の頭を爆破して現れたダルマ。

そのダルマがはじめたのは、ダルマさんが転んだだった。

ルールは、古典的なダルマさんが転んだ。
だが、動いた時の罰則は頭部の爆破による死。

パニックの中、次々に頭が爆発して死んでいくクラスメイトたち。

瞬が生き延びる方法は、ダルマの背中のスイッチを押すことだけ。

命のカウントダウンがはじまる。


かなり突飛なシチュエーションの中で繰り広げられる極限のデスゲームの連続。

バンバン人が死ぬ。
あえてリアリティを持たせないようにその死にっぷりもかなり豪快。

まぁ、なんでもアリ系のトンデモワールドなので、極限のデスゲームの中で主人公があまりにも冷静だったり、女の子にときめいたりするのはスルーが吉。
果てしないトンデモワールドなので、どうせ理由付けや謎解きは無いものとして、期待しないのが吉。

だって普通の理由付けでは無理だもん、こんなの。


そんな理由付けやツッコミを脇に置いて見るなら、結構なジェットコースター感を楽しめる。


ただ、最後のオチが酷すぎる。
あえて御都合とは言わない。
なぜなら、ここまでが御都合オンパレードだったから。

でも、とにかく最後が酷い。
最後にかけてのクライマックスも酷い。

最後のゲームからオチにかけてが酷い。

なんだこのオチ。
なんだこのラスト。

ここまで引っ張ってコレか。

それまでがソコソコ良かった分、許せん。


ラストのぶん投げっぷりに怒り心頭。


最終評価 C

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August 19, 2015

東京難民

東京難民(Blu-ray)
中村蒼、大塚千弘、青柳翔、山本美月、中尾明慶、金子ノブアキ、井上順
キングレコード
2014-08-27



北九州から出て東京で一人暮らしをする大学生のオサム(中村蒼)。

ある日、教室に入るための学生証が認識されなくなる。
学生課に問い合わせると、自分の学費が振り込まれていないという。

大学は除籍。

学費を振り込むはずの父親は、母親が死んだ後にフィリピンパブの女にハマっていた。

その父親が蒸発した。

当然、アパートの家賃も振り込まれない。
使用権を借りていただけの部屋は、あっと言う間に追い出された。

手持ちの金は3万と少し。

ネットカフェに転がり込み、日払いのバイトで食いつなぐ。
疲労と栄養不足が積もっていく。

住所不定。
ネットカフェ難民。
持ち物は、衣服と少しの着替え、そして携帯電話のみ。

オサムは流されるままに転がり落ちていく・・・。


オサムくんは確かに不遇だけど、残念なことに馬鹿すぎて共感出来ない。

最初はパチンコで金を工面しようとして手持ちの金を減らす。
ネットカフェ難民なのに、治験のバイトでまとまった金が入ったとたん女に騙されホストクラブで散財。

何も考えてない大学生が無一文で投げ出されたらこんなモンか?
とは思うものの、見ててイライラする。

オサムはよく言えば純朴。
ただ、頭が悪い。

自分で考える事なく、逃げたり、謝ったりで、その場をやり過ごすことばかり。
そのくせ、無駄に正義感がある。

結果、悪い方に、悪い方に状況が転がり落ちていく。


で、とことんまで落ちて、やっと少しだけ自分で考える。
そこまでが長い。


一度落ちたら這い上がれない現代社会の不条理を描く作品。

ならば、社会的セーフティネットがまるで出てこないのはアンフェアな気がする。

んー。
期待値に届かず。


最終評価 B−


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August 11, 2015

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア [DVD]
古谷徹
バンダイビジュアル
2001-03-25


1988年・日本映画


増えすぎた人類が宇宙のコロニーに住むようになった宇宙世紀。

地球からコロニーを植民地のように支配する地球連邦政府への反感は、宇宙に住むスペースノイドの独立を掲げるジオン公国の反乱を招いた。

ジオン公国の起こした1年戦争から14年後。

新型機・ガンダムを駆って1年戦争の英雄となったアムロ・レイは、まだ戦場に立っていた。

アムロが戦うのは、スペースノイドたちに支持されて復興したネオ・ジオンを率いる総帥となったシャア・アズナブル。
シャアは、地球に巨大隕石を落とし、地球に人間が住めなくなるようにする寒冷化作戦を押し進めていた。

一部の特権階級が地球から宇宙を支配する世界を終わらせようとするシャア。
シャアはそれを粛清と呼んだ。

アムロは、シャアの主張を「人間が人間を裁く」エゴだと叫んだ。

シャアとアムロの最後の戦いが始まる。


ファースト、ゼータ、ダブルゼータ、逆襲のシャア。
ここまでが僕の中で「ガンダム」。
強いて言うなら、閃光のハサウェイまで。かな。

まぁ、確か良く出来たOVAシリーズとかはあるけど、それらはあくまでスピンオフと言うか、あくまでアナザーストーリー。

なーんて言うと、古いのかな?

でも、ガンダムってコンテンツはあまりにも派生品が多くなりすぎなので、個人個人で多少はこだわりを持っても良いと思う。


大人になったシャアとアムロの相克が見所の逆襲のシャア。

ファーストの頃は幼く、善悪もなく才能のおもむくままに戦っていたアムロが大人になり、不条理の多い人間社会と柔軟に折り合おうとする。

一方、ファーストの頃は現実と折り合いをつけ、自分の私怨を晴らすことに生きていたシャアが、まるで少年のような理想を掲げてネオ・ジオンを率いる。

成長して変わったアムロとシャアの対比で、まず魅せる。


そして、大人になった男たちの物語なので、当然、彼らの周囲には大人の女性たちが出てくる。
愛したり、利用されたり、一方通行だったり。
そんな愛憎の人間ドラマもまた、この「逆襲のシャア」の見せ場。


ファーストからの成長、因果、人間ドラマが、一点に集約していく。

この作品だけで全てを理解するのは、正直、不可能。
2015年現在に見返せば、そりゃあ荒削りなとこは沢山有る。

それでも、それらのツッコミを全部飲み込んだ上で、十分な見応えがある。

男の子的には、νガンダム、サザビー、ヤクト・ドーガといったマシンデザインが格好良すぎ。

何度観ても、ファーストから逆襲のシャアまでを見てきたファンにとっての満足感は格別。


最終評価 A+




色々書いたけど、シンプルに見ると。

ネオ・ジオン側は

シャアは周囲の女を上手く使いすぎ。
一方で、アムロとフェアなモビルスーツ戦で戦うために自分の不利も考えずに新技術を送るとか、革命で世界を変えたいとか、こどもすぎ。

クエス・パラヤ(一応、ヒロイン?)は、言うこと全部ワガママなこども過ぎるし、ウザすぎ。

強化ニュータイプのギュネイ・ガス(ヒロインに横恋慕くん)は、ただのクソガキすぎ。

てか、ネオ・ジオンの人間は、自分が言いたいことやってるだけのこどもばっかりか!


連邦側は

司令部バカすぎ、無能すぎ。

ケーラ(アムロの部下)は死亡フラグ立ちすぎ。

ハサウェイ(ブライトの息子)不憫すぎ。

アムロとブライトが一応マトモで安心する。
「ぶったね!親父にもぶたれたことないのにっ!」と言っていたアムロが大人になったもんだ。
そして、1年戦争当時19歳だったブライト、この時は33歳。相変わらずブライトの年齢設定はまじか。
33歳でロンド・ベルって艦隊を率いてるんだから、出世したんだねぇ。

ストーリー的には

最終兵器っぽかったアルパ・アジール弱すぎ。

サイコフレーム万能すぎ。



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August 06, 2015

ジュマンジ

ジュマンジ [DVD]
ロビン・ウィリアムス
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
2002-11-01


1995年・アメリカ映画


いじめられっ子のアランが工事現場の土の中から見つけたボードゲーム。

タイトルはジュマンジ。

中身は精巧に作られたすごろく。
説明書きには

「この世界の外に出たいと思っている人のアドベンチャーゲーム」

とある。

幼なじみの少女・サラが何気なくサイコロを振る。
すると、勝手に駒が進み、すごろくの中央に文字が浮かび上がった。

「闇に羽ばたく黒い影、決して可愛いとは言えない不気味な姿」

そう読み上げると、部屋には大量のコウモリが!
アランが慌ててゲームを片ずけようとした時、サイコロが転がる

「6か8が出るまでジャングルで待て。」

そして、アランはゲームの中へと吸い込まれた。

そして26年後。

かつてアランが住んでいた家は売りに出されていた。

買い手には2人のこどもがいた。
弟のピーターと姉のジュディ。

2人は物置小屋でジュマンジを見つけてしまうのだった・・・


懐かしい思い出の作品。
高校時代にオーストラリアへ行った時に公開されていて、シドニーの街にはいたるところにこのジュマンジのポスターが貼られていました。

CGやVFXを本格的に使い出した90年代中盤の作品。
今、改めて見ると、そのCGやVFXのレベルが何とも微笑ましいと言うか、作り物感がすごい。

でも、その拙いCGを差し引いても、ドキドキハラハラの冒険活劇として良く出来てる。

全てが本当になってしまうボードゲームっていう、たったひとつのアイディアを起承転結のある物語にしている。



最終評価 B+



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July 31, 2015

永遠の0

永遠の0 Blu-ray通常版
岡田准一
アミューズソフトエンタテインメント
2014-07-23


2013年・日本映画

祖母の葬儀の席で会ったことのない実の祖父・宮部久蔵(岡田准一)の存在を聞いた佐伯健太郎(三浦春馬)。進路に迷っていた健太郎は、太平洋戦争の終戦間際に特攻隊員として出撃した零戦パイロットだったという祖父のことが気に掛かり、かつての戦友たちを訪ねる。そして、天才的な技術を持ちながら“海軍一の臆病者”と呼ばれ、生還することにこだわった祖父の思いも寄らない真実を健太郎は知ることとなり……。
yahoo映画より

僕はこの作品の原作者が死ぬほど大嫌いなので、余計なフィルターが入ったと思って観てませんでした。

金曜ロードショーでやってたので鑑賞。

3時間、とにかく長かった・・・。


百田死ぬほどキライフィルターのバイアスがあるので、フェアな評価ではないです。


でも、それを考慮しても、大した作品じゃなくねぇ?


ゼロ戦の空戦シーンは合成感アリアリ。
主人公を演じる三浦春馬の演技がヒドイ。

中身もなんか「良いこといってやろう。」感が前面に出てて、鬱陶しい。

合コンで特攻について語り、「特攻なんか自爆テロと同じ。」と言う友人にくってかかるシーンは、友人の言う通り、単なる面倒くさいヤツでしかない。

まぁ、友人も友人であんなテンプレみたいにチャラチャラした若者って、と言いたくなるレベルだし、合コンに来てる女の子もバカ女過ぎてどうかと思うが。


戦後、最底辺の暮らしをしていた宮部の妻(井上真央)を、宮部のおかげで生き延びた青年(染谷将太)が通いつめて自分の妻にする。

染谷将太が 「実は最初から貴女のことが・・・。」と言う。

「自分は最低です。」と言って逃げ出そうとする染谷将太を、井上真央が、「宮部は帰ってきました。」と言って抱きしめ、受け入れる。

いやいや、何か、色々とどうなの?コレ。


で、物語の核だった 「宮部は何で特攻を選んだのか?」 という疑問は、何となくモヤモヤっとしたまま残される。

まぁ、本人が亡くなっているワケだから、仕方ないって言えばそうかも知れないが、その核心が闇の中ってのは物語として腑に落ちない。

え? 解釈は観客にお任せしますってコトですか? 



宮部を演じる岡田君は格好良い。

他に特記すべき点なし。


最終評価 B−

百田バイアスなくても、この評価かな。

とにかく、なげーよ。


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July 26, 2015

バケモノの子

bakemono_thumb_sashikae

2015年・日本映画
時をかける少女(06)」「サマーウォーズ(09)」「おおかみこどもの雨と雪(12)」の細田守最新作。


人間とは別の生き物たちが暮らすもうひとつの世界・渋天街(じゅうてんがい)。

渋天街をまとめる宗師が神に転生するため、次の宗師を決める必要がでた。

1人の候補は、猪王山(いおうぜん)。
渋天街の誰もが強さと品格を認める一流のバケモノ。

もう1人の候補は、熊徹(くまてつ・役所広司)。
弟子がみんな逃げ出してしまう乱暴者だが、その実力は猪王山にも負けず劣らぬバケモノ。

熊徹は宗師に、宗師となるには弟子をとるようにと命じられる。

その頃、人間の少年・蓮は、たったひとりで渋谷の街を行く先もなく彷徨っていた。

名家の娘だった母が交通事故で死に、離婚して行方の分からなくなった父は蓮を迎えには来なかった。
蓮を迎えに来たのは、家の体面を保つことだけを考える、大人たちだった。

居場所を失った蓮は、渋谷の街の片隅で熊徹に出会う。

「一緒にくるか。」

そう言った熊徹に九太と名付けられ、蓮は熊徹の弟子として渋天街で暮らすことになる。


おおかみこどもの雨と雪(12)」が、母親とこどもの物語だったのに対し、この「バケモノの子」は父親とこどもの物語。

ずっとどこまでも寄り添う母親と、どこかで独り立ちを促す父親。

でも、どちらもこどもの成長を望み、見守っているということは同じ。

王道とも言えるエンターテイメントの中に、「親子とは何か。」「成長とは何か。」といったテーマを織り込んだ蓮と熊徹の成長物語。

蓮は熊徹から学び、親代わりの熊徹もまた蓮から学んで成長していく。
「親が子を育てる。」のではなく、「共に成長していく。」ことを現在進行形で子育てをしている自分は深く納得してしまう。

互いに影響しあいながら時を過ごし、本当の親子にも勝る絆を深めた2人。
でも、普通の親子同様、同じ環境はいつまでも続かない。

いつしか子どもは巣立ちの時を迎える。
その時、見守る親には何が出来るのか。



この作品、もちろん熊徹と九太の親子物語でもあるんですが、他の大人とこどものあり方も素敵だったりします。

作中で熊徹と九太を最初から見ている百秋坊(ひゃくしゅうぼう・リリーフランキー)と多々良(たたら・大泉洋)が、九太の成長を感じるシーンがあり、その中で

「育ててくれたみんな」

の中に自分たちが含まれていることを本当に嬉しそうに語るシーンが印象的。

親だけがこどもを育てるんじゃない。
周りにいる大人みんなで育てているんだと、強く感じます。

この周囲の大人って要素が、最近の子育てには欠けていて、これこそが今後の社会の鍵になるんじゃないかと僕は思うんですよねぇ。


最終評価 A


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July 19, 2015

フューリー

フューリー [DVD]
ブラッド・ピット
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
2015-07-22


2014年・アメリカ映画


1945年・第二次世界大戦末期のドイツ。
ナチスドイツと戦う連合国軍は、性能で勝るドイツ戦車ティーガーに苦しめられていた。

フューリー戦車小隊もまた、過酷な戦車戦の中で仲間を減らし、残ったのはたった4輌。
隊長のウォーターディ(ブラッド・ピット)の下に服役2ヶ月の新兵・ノーマンが配属される。

過酷な戦場の中、敵兵を殺せないと言う青臭いノーマンを鍛えるウォーターディ。

戦場の不合理が、ノーマンを変えていく。


吐き気を催す様な戦場。
圧倒的な戦力差、戦車の性能差がありながら戦い抜いくフューリー戦車小隊。

戦場の静と動。
戦場の悲惨さ。

途中まで、いや、クライマックス直前までは戦争の残酷さを描く作品でした。


でも、クライマックスで一気に崩壊。

今まで散々悪態を付いて新兵をイジメてきた仲間が

「今までゴメンな・・・。」

なんていう、あまりにも分かりやすい死亡フラグを立てたと思ったら、満身創痍のシャーマン1輌と4人の仲間で、200人からのドイツ歩兵大隊と交戦をおっぱじめる。

そっから、ブラピ無双。

なぜか対戦車火器を使わずにマシンガンで突っ込んできては機銃掃射の的になるドイツ兵。
相手の弾は避けていき、こっちの弾は全部命中致命傷。

いや、もちろん死亡フラグも立った通り、こっちも無傷では終わらないんだけどさ。


ミリタリーオタクじゃない僕の目から見ても、ドイツ軍があんまりにも弱くて、そりゃああんまりでしょと言いたなる戦闘シーン。

戦勝国側の作る戦争映画と言ってしまえばソレまでだけど。

んー。


最終評価 B


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July 06, 2015

聖闘士星矢 Legend of Sanctuary

聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY [DVD]
石川界人
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
2014-12-05


2014年 日本映画

だーきしめたー こーころのコスモー

80年代にジャンプ黄金期を彩った作品・聖闘士星矢が、フルCGで蘇る。
聖闘士星矢25周年記念作品。


神話の時代から闘いの女神・アテナを守る、星の力を秘めた聖闘士(セイント)たち。
この世に悪が栄えるとき、聖闘士たちは現れる。

こどもの時から不思議な力を持っていた城戸沙織は、16歳の誕生日に亡き父の伝言を受け取る。

聖闘士の伝説と、そして自身がその女神アテナであると知った沙織。

その時に天空から降り注ぐ爆撃が沙織を襲う。
沙織を襲撃したのは、鎧に身をまとった謎の男たち。

危機に陥った沙織を助けるひとりの青年が現れる。

彼は、自分を沙織を守るべく存在する聖闘士の星矢だと名乗るのだった・・・。



CGとして再構築されたキャラクターたちは、基本、漫画・アニメの聖闘士星矢たちとは別物。
キャラの性格、完全に違うしね。

映像と戦闘は、ファイナルファンタジー。
動きはコミカルで、ほぼディズニー。
なんなのその表情の作り方、その身振り手振り。

で、やってることは5人戦隊。

最後は巨大ロボでてくるし。


ん。
まぁ、とにかく、戦闘シーンは綺麗。
これだけは見応えアリ。

ストーリーは、ざっくり言うと、黄金12宮編をダイジェストにしたもの。
なんだけど、原作は単なる下敷きと思って観たほうが楽しめる。

内容的にはかなり駆け足で、原作を知らない人に分かってもらおうって気持ちは無い。
なんだけど、説明がほぼ無いに等しいので原作を知らないと何がなんだかだと思われる。

原作を知らないと何がなんだかだけど、原作とは別物と思わないと楽しめない。

なんだかなぁ、だよ。なんだかなぁ。

まったくもう、だよ。まったくもう。


まぁ、名実ともに、ネタ作品です。

多分、作ってる方もソレを狙ってると思うし、観ている方もネタだと思って楽しんでます。以上。


最終評価 B



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July 03, 2015

ホビット 決戦のゆくえ

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2014年 ニュージーランド・アメリカ合作映画
J・R・R・トールキン原作「ホビットの冒険」3部作の第3作。

「ロード・オブ・ザ・リング」で主人公のフロドの手に渡る「ひとつの指輪」。
フロドを冒険へと導き、指輪を託した叔父のビルボ・バギンス。

ビルボは、どうして指輪を手に入れたのか。
小さなホビットが世界を救う、始まりの物語。


森のエルフ、草原のホビット、街の人間。
様々な種族が暮らす中つ国。
金属加工の能力に優れるドワーフは、朴訥な性格と身体の頑強さを併せ持つ山の種族。

かつて繁栄し、莫大な黄金を抱えたドワーフの王国は邪竜スマウグに目を付けられ、滅亡した。

それから60年後。
ドワーフの王子・トーリンは、山の王国・エレボールを取り戻すべく12人のドワーフと立ち上がった。
旅の導き手は、灰色の魔法使い・ガンダルフ。

そして、スマウグの目を盗む忍びの者としてガンダルフが選んだのは、平和なホビット荘に住むビルボ・バギンスだった。

長い旅を経て、遂にエレボールへと辿り着いたトーリンたち一行は力を合わせ邪竜スマウグに立ち向かう(竜に奪われた王国)

圧倒的な力を持つスマウグだったが、12人のドワーフと1人のホビットは協力と知恵によってエレボールを取り戻す。
だが、怒りに燃えるスマウグはその破壊衝動に身を任せて人間の町を焼くのだった。

そして、エレボールの王座に座ったトーリンもまた莫大な黄金によって心を狂わせて行く。
邪竜が抱え続けた黄金はトーリンの心を蝕み、トーリンは独占欲にまみれていく。

狂っていくトーリンを止めるため、ビルボはエレボールの至宝であるアーケン石を懐に隠すのだった。

スマウグに町を焼かれてしまった人間は、町の再建のために宝を求め、エレボールへと向かう。
そして、エルフの王・スランドゥイルもまた、スマウグに奪われていたエルフの秘宝を求めて軍を率いてエレボールを目指した。

ドワーフ、人間、エルフがエレボールの宝を求めて対立する。

そんな格好の隙を、邪悪なる王・サウロンが見逃すはずが無かった・・・・。


前作「竜に奪われた王国」で飛び去っていったスマウグが町を焼くシーンから「決戦のゆくえ」は始まる。
ここまでの作品を観ていることを大前提として、今までのあらすじや振り返りなどは一切無く突然に大迫力のスマウグ戦が繰り広げられる。

いきなりクライマックスもいいところ。

盛り上がるは盛り上がるのだけれど、前作を観てから少し時間が開いてしまっていると、人間関係や状況の把握(思い出し)にちょっと戸惑う。

予習してから観れば良いでしょ。と言われましても、1作につき3時間の大作ですから、そうそう簡単に見返すってワケにもいかない。


そして、前半は、独占欲にまみれてしまったトーリンにイライラしっぱなし。
欲にまみれてしまったトーリンは、とにかく嫌なヤツ。

一方で、最初は情けなかったビルボが、しっかりと自分の役割を認識し、やるべきことをやる男に成長しているのが格好いい。
流石は主人公。

このトーリンにイライラ期が長くてツラい。


でも、決戦が始まり、正気を取り戻してからのトーリンは一気にビルボ以上に格好良い主役級へと駆け上がっていく。
相変わらずこのシリーズの戦闘シーンは圧巻で、その戦闘シーンで中心となるのはトーリンとエルフの戦士・レゴラス。
戦闘シーンになってしまうと、あまり見せ場がないのがホビットであるビルボの悲しいところ。

そして、相変わらず12人も居るドワーフたちのキャラ分けは曖昧なまま・・・。


前作までのストーリーと状況を思い出しつつ、登場人物を思い出しつつ、画面はあとこちに飛ぶって展開を追いながら観ているので、どこか没頭できない感がある。

前フリなして人物名や地名を出されてもわかんないよ!


人間・エルフ・ドワーフの三つ巴と闇の勢力の対立を連続で描いてる為に、ついさっきまで対立していた人間・エルフとドワーフが突然に手を組むのがやや唐突。
闇の王・サウロンの力もまだ弱く、かといってトドメを刺すわけでもなく。

全体的に、どこか浅い印象を受ける。

あと、3時間も延々と戦闘シーンばかりっていう感じなので、最終的にはちょっと食傷気味になる。
それが見せ場な作品ではあるのだから、仕方ないし、当然なだけどね。


まぁ、シリーズファンであれば60年後のフロドの冒険へと繋がるセリフや出会いを見つけては楽しむことが出来る。


最終評価 B+



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June 19, 2015

劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない



2013年・日本映画。

2011年に放送され、オリジナルアニメとしては例外といえるヒットとなった「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」の劇場版。
我が家でも夫婦でヒットしてました。

あまりに綺麗に終わった作品だったので、劇場版とか要らないと思ってました。

どうせ総集編だしね・・・。

そんな想いからまだ観ていなかった劇場版をやっと観ました。


どうせ総集編なんて思って、今まで観ていなかった自分をぶっ飛ばしたい。


むしろ「あの花」は、この劇場版で完結すんじゃん!

なんだよ。
何回この作品で泣くんだよ。>自分


久しぶりに「あの花」のストーリー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

幼かった日々を一緒に過ごした6人。

活発でリーダー的立場の宿海仁太(やどみ じんた・じんたん)。
天然で優しい本間芽衣子(ほんま めいこ・めんま)。
ゲームや漫画が好きな安城鳴子(あんじょう なるこ・あなる)。
冷静で頭が良い松雪集(まつゆき あつむ・ゆきあつ)。
大人しいけど芯が強い鶴見知利子(つるみ ちりこ・つるこ)。
元気で素直な久川鉄道(ひさかわ てつどう・ぽっぽ)。

6人のチーム名は。「超平和バスターズ」。
いつも一緒だった彼らは、あだ名で呼び合い、秘密基地に集まって過ごした。

そんな彼らも、もう、高校生。
今は5人になってしまった彼らにとって、あの頃は、もう、遠い昔。

あの日、めんまが死んだ日から、仲間たちの間に少しずつ距離が生まれた。
そして、今はもう、バラバラにそれぞれの道を歩いていた。

うだるような夏の日、仁太の前に死んだはずのめんまが現れる。

自分にしか見えないめんまを、仁太は自分のトラウマと、ストレスと、夏の暑さと、性衝動が生み出した幻覚だと考えた。

だが、その幻覚はリアルで無視しようにも出来ない存在感を持っていた。

めんまが仁太に言う。
 「お願いを叶えて欲しいの。みんなでじゃないと叶わないお願いだったと思うの。」 

めんまの存在に自分自身が半信半疑ながらも、めんまの願いを叶える為に仁太が動き出す。
その仁太の動きが、10年近く離れていた「超平和バスターズ」を結びつけていく。

めんまの死から、それぞれの心の中で止まっていた時間が、動き出す。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


この劇場版は、めんまが成仏した夏から1年後。
超平和バスターズの5人が、それぞれにめんまに向けた手紙を書いて、再びあの秘密基地に集まる。

めんまを見送り、落ち着き、自分自身の心と向き合うじんたん、あなる、つるこ、ゆきあつ、ぽっぽ。

あの、めんまがいた夏を思い出しながら、自分の素直な気持ちを吐き出していく。


確かに総集編ではあるのだけど、これはもう別物。

作品の半分以上はオリジナルの新作で作られ、テレビシリーズの中では語られなかったエピソードが加えられることにより、作品の奥行きが圧倒的に広がっている。

テレビシリーズでは、じんたんとめんまの視点が中心になっていた部分を、他の4人はどう思っていたのか。
なぜ、めんまはじんたんを好きになったのか。
そこが描かれる。

テレビシリーズはめんまを見送って終わった。
その1年後、超平和バスターズのメンバーが「めんまの死」という、長年突き刺さった心の棘から開放され、前を向いている姿が観られるのが本当に嬉しい。


そうだよ。
テレビシリーズが終わった後にやる劇場版って、こういうことだろ!

劇場版は、こうあるべきだ!

そう叫びたくなる。


もちろん、テレビシリーズを見ていない人には伝わらない部分も多いと思う。
でも、そんな観客を意識しても意味無い。

それより、作品ファンを納得させるクオリティのほうが何万倍も大事。


久しぶりの「あの花」でボロボロ泣いてる37歳の男が、ここに居た。

なんで、今まで観なかった。>自分



最終評価 A
(まぁ、一応総集編だしね。万人には推薦出来ません)


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しかし、やっぱ、どう考えても「つるこ(左端の黒髪メガネ」推し一択だな。

あなるも可愛いけどさ。

漢は黙って、つるこだろ。


あ?
めんま?

こちとら大人なんだよ!
小学生現在で成長止まってる子に反応できねーんだよ!

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June 18, 2015

小鳥遊六花・改 劇場版 中二病でも恋がしたい!



2014年・日本映画
京都アニメーション制作のアニメシリーズ・中二病でも恋がしたいの劇場版。

主人公・優太の恋人・小鳥遊六花の目線で振り返る。


呪文、特殊能力、血の契約。
自分が勝手に決めた架空の設定を信じ込む中二病。

高校進学を機に「暗黒竜と契約したダークフレイムマスター」を卒業し、普通の高校生となった優太は、同じクラスになった眼帯の少女・小鳥遊六花と出会う。

普通にしていれば可愛い六花は、まだ中二病から卒業していなかった。

架空の設定を高校になっても続ける六花に引きずられ、2人は関係を深めていく・・・


単なるテレビシリーズ(第1期)の総集編。
しかも、総集の仕方がかなり雑。
冒頭に少しだけ新作部分があるものの、その後はテレビシリーズの使い回し。

テレビシリーズを知っている前提で、映画版だけでストーリーを伝える気は皆無。

劇場版として映画代を払って観た人は何を思ったのだろう。

テレビシリーズの第1期はまぁまぁ好きでしたが、第2期はかなりグデグデだったし。
第2期を見て、興味を失って、劇場版の存在を忘れてました。
レンタルで見つけたので観てみたのだけど・・

久しぶりに「中二病でも恋がしたい」を見たい気分には良い。

でも、映画として評価するレベルには達していない。


てか、ヒドイな。
これ、ヒドイな。


最終評価 C+(テレビシリーズを観ていれば)

テレビシリーズを観ていない人が観る事は無いと確信しますが、観ていない人にはC−だど思う。


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June 15, 2015

青天の霹靂

青天の霹靂 通常版 DVD
大泉 洋
東宝
2014-12-10



いつからかな
自分を特別だと感じなくなったのは


劇団ひとりが書いた長編小説を、劇団ひとり監督によって実写映画化。


売れないマジシャンのハルオ(大泉洋)は、先が見えない暮らしに磨り減っていく。

天涯孤独。
父親(劇団ひとり)が他に女を作り、捨てられた母親(柴咲コウ)は幼い頃に家を出て行った。
その父親とは高校の卒業以来会ってもいない。

友人も家族も、自分の人生には何もない。
生きる理由が、もう分からない。

そんな時、父親の訃報が警察から届く。
ホームレスになっていた父親は、河原の高架下で死んでいた。

父親の残したダンボールハウスから出てきた、赤ん坊の自分と父親が写った1枚の写真。

ハルオがその写真に落涙したその時、稲妻が落ちる。

稲妻に打たれたハルオは、時を超えた。
自分が生まれる直前の昭和48年へ。

そこでハルオは、若き日の父親と母親に出会うのだった。

若き母親は妊娠中。
生まれる前の自分がそこにいる。

自分を捨てた母親と、ダメ人間の父親。
そう思い続けてきた2人。

だが、2人の様子はハルオが想像していたモノとは少し違う。
自分が生まれた時に何があったのか。

ハルオは両親の過去と向き合う。


情けない自分勝手なダメ人間だと思ってきた父親は、実はハルオの為に生きてくれていた。
母親に捨てられたと思い続けていた価値の無い自分は、母親の命そのものだった。

両親に愛されていた。
ただそれだけ、たったそれだけで、ハルオは自分が生きる意味を取り戻す。

ひとりの冴えない男の再生物語。


洋さんの演技が、もう、なんとも洋さんらしいコテコテさでした。
コテコテすぎて、なんか笑ってしまうくらい。
でも、最終的にはそのわざとらしさが味だったと感じる。

劇団ひとりは、本当に役者としても上手い。
柴崎コウ、久しぶりに見たけど、やっぱ綺麗な人だ。


悪くはない。
悪くはないのだけど、泣くまではいかない。

全体的な演出のテイストが、なんとも「泣かせ」にきていて、逆に泣けませんでした。

まぁ、もちろん、そういう作品なんだけど、ちょっと涙腺押そうとしすぎかな。

でも、自分の原作で初監督作品でココまでの作品を作るってのは、劇団ひとりスゴイ。

スゴイけど、感動モノなのに泣けない。

うーん、惜しい。


最終評価 B+


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May 24, 2015

イントゥ・ザ・ストーム



2014年・アメリカ映画

アメリカ郊外の街・シルバータウン。
その小さな町に危険な兆候が迫る。

非常に発達した低気圧が勢力を高めながらシルバータウンに近づいていたのだ。

竜巻の映像に命を懸けている男・ピートに率いられたストームチェイサーチームは、決定的な瞬間を収めるべくシルバータウンに向かう。

そこでピートたちが出会ったのは、史上最悪最大級の大型竜巻だった・・・・。


ハンドカメラ映像を演出に取り入れたドキュメンタリータッチのディザスター映画。

この手のハンドカメラ系の作品でマトモなのにはナカナカ出会えないのですが・・・・ この作品は良いです。

ハンドカメラ系の作品は、出来の悪い作品だと

・映像を撮る理由があいまい。
・命がかかってる時も映像を撮り続ける理由が本当に分からない。
・必死に走りながらもカメラをまわし続ける。
・必死に走ってるから、手ブレ演出がひどくて画面に酔う。

などなど、映画に没頭できなくなる理由が沢山ある。

でも、この作品はこれらの問題を上手くクリアしているのが素晴らしい。

ハンドカメラの映像にこだわり過ぎなかったことで、映像は自然だし、臨場感も迫力も半端じゃない。
手ブレで酔うようなコトもないし、設定に無理も(そんなに)ない。

臨場感のみが切り取られている。


もう「ツイスター」の比ではない規模と映像。

学校を飲み込み、ジャンボジェットさえも悠々と巻き込んでいく竜巻は、橋の下に隠れてやり過ごすってレベルじゃない。

その最悪の災害の中で、家族を守ろうと奮闘する父親と反発していた父との絆を取り戻す息子たち。
そして、反目しあいながらも竜巻を追うストームチェイサーたち。

シンプルなドラマが、アツイ。


もちろん、展開の中で御都合だってある。
演出だってある。

でも、そんなツッコミを吹き飛ばす迫力で画面にグイグイと引き込まれる。

思いがけない名作と出会いました。


この作品はなるべく大画面で。
そして、なるべく5.1chの音響で観て欲しい。


最終評価 A


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May 15, 2015

かぐや姫の物語

かぐや姫の物語 [DVD]
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
2014-12-03


スタジオ・ジブリ製作。
高畑勲 監督作品。

御存知「竹取物語」に新解釈を加えた現代のかぐや姫。


竹を取り、竹細工を作って暮らしていた竹取翁と嫗。

ある日、翁は根元の輝く竹を見つけ、その中から小さな手のひらに乗る姫を見つける。

家に帰って嫗に見せると、姫はみるみる赤子になった。
そして老婆の嫗から乳が出るようになり、その乳を飲むとズシリと重くなる。
はっていたと思うと立ち、立ったと思うと歩く。

竹の子の様な驚くべき成長を見せる不思議な赤子を、竹取翁と嫗は愛して育てた。

そして、姫はそれはそれはこの世のものとは思えぬほど美しく成長したのだった。


とにかく、まずは映像美。
絵で表現出来る美しさの到達点。
まるで絵巻物が動くかの様な空気感と、なめらな動き。
日本アニメーションの極みにある。

帝さえも狂う姫の美しさに、息をのむ。


そして、ストーリーが深い。

姫を愛し、高貴な人に嫁ぐことが姫の幸せと信じ、姫自身の願いと幸せを見落としていく竹取翁。

その竹取翁の願いによって、山育ちから都の姫にされてしまった姫の苦しみが痛い。

変わっていく夫も愛している。
でも、姫の想いも知っている嫗。

こどもの幸せを願って良かれと思った事が、自分の価値観を押し付けていただけになってしまう。
そんな親のエゴが、痛い。

しかも、結局は金の力で姫を育て、宮中に食い込んだ竹取翁は足元を見られ、姫を傷付けられてしまう。


「美しく育った姫は、高貴な王子たちに求婚されました。」
この一文の裏にある意味を考えるだけで、慣れ親しんだはずの竹取物語が表情を変えていく。

女性の幸せが身分の高い男性との結婚だけだった時代。
その価値観に沿った選択肢を示そうとした竹取翁を、一方的に非難する事は出来ない。

でも、かぐや姫にとっての幸せは結婚ではなかった。
その不幸。

価値観は親子でも違う。


しかし、生き物として自分の幸福に正直な女性の前で、比較や見栄で幸せを測ろうとする男のなんと滑稽なことか。
嘘を吐く男、騙される男、女たらし。
かぐや姫の願いによって命を落とす男。
何もかも自分の思い通りになると思っている男。

男たちのエゴに晒され、涙を流し、震えるかぐや姫は、普通の女の子。
男たちのエゴがかぐや姫を傷付けていく。


ラストまで、間違いなく竹取物語なのに新鮮に感じた。

独創的な世界観。
宮監督の影にかくれがちだけど、高畑勲監督も凄かったんだな・・・。


最終評価 A+

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May 12, 2015

ドラゴンハート

ドラゴンハート [DVD]
デニス・クエイド
ジェネオン・ユニバーサル
2012-05-09


1996年・アメリカ映画

まだドラゴンが生き延びていた中世。
教育役の騎士・ボーエンは、王子・アイノンを鍛えていた。
アイノンの父王は暴虐の人で、相次いぐ農民の反乱をまねいていた。

虐殺に手を染めた王は、農民の逆襲にあい反乱鎮圧の中で命を落とす。
アイノンもまた、その時に命に届く傷を負う。

ボーエンと王妃は瀕死のアイノンをドラゴンの住む洞窟へ連れて行き、ドラゴンの秘法でアイノンの命を救って欲しいと願った。

ドラゴンはアイノンに騎士の誓いを守らせることと引き換えに心臓の半分を与えた。

ドラゴンの心臓によって命を繋いだアイノンだったが、王になったその時から本性を現す。
アイノンは、父王と同じ暴虐の王となったのだ。

ボーエンはドラゴンの呪いによってアイノンが変わったと信じ、流浪のドラゴンハンターになった。

そして長い旅の末、ボーエンは最後のドラゴン・ドレイコと出会うのだった。


勧善懲悪。
悪い王はとにかく悪く、良心の象徴たるドレイコはどんな人間よりも誇り高い。
悪虐の王を倒すべく立ち上がった農民を率いる主人公ボーエンは、ドラゴンハンターとしての暮らしに流されて道に迷うもののドレイコの導きによって騎士として蘇る。

正義は格好良く、ストーリーはコミカルでありながら最後はジーンとくる。

程よく良いストーリーで、程よく楽しい。
期待値以上ではないけど、期待は裏切らない。

この程よさって大事。
必要十分な完成度。


懐かしい。
むかーし観たなぁ。

すごく分かりやすい冒険エンタメ。
約20年前の作品で、流石にちょっと古さはある。
CGも時代なりではある。
でも、悪い出来ではない。


お金を払ってレンタルすることはないでしょうけど、午後のロードショーでやってたら何度でも観る。


最終評価 B+

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April 30, 2015

300(スリーハンドレッド) 帝国の進撃

300 <スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~ 3D & 2D ブ ルーレイセット(初回限定生産/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
サリバン・ステイプルトン
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
2014-10-22


2014年・アメリカ映画

新しい映像美を生み出したアクション映画「300(スリーハンドレッド)」の続編・・・と言う立ち位置だけど、内容的には少数精鋭が大軍団を相手にするコンセプトと、映像手法を踏襲しただけの全く別物。


あらすじ
100万もの兵を率いてギリシャ侵攻を図るペルシャ帝国を相手に、300人の精鋭と共に戦いを繰り広げた果てに命を落としたスパルタのレオニダス王。彼の遺志を継ぐようにしてアテナイのテミストクレス将軍(サリヴァン・ステイプルトン)は、パン屋、陶工、詩人といった一般市民から成るギリシャ連合軍を率いてペルシャ帝国に立ち向かっていく。ペルシャ帝国の海軍指揮官アルテミシア(エヴァ・グリーン)らと拮抗する中、ついに大海原を舞台にした最終決戦を迎えることに。
yahoo映画より


さて。
あらすじを自分で要約せずに引用で済ませたコトからも伝わっているかと思いますが、ガッカリ残念映画です。

100分ちょっとの内容なのに、50分ちかく「アクションに至るまでの道筋のモノローグ」ってどうなのよ。

冒頭にちょっとアクションシーンがあり、スローモーションとCGをかけあわせたクラッシュ処理は、速さと迫力を両立していてそれは流石に格好良かった。

でもその後のテンポ悪すぎだろ。

アクション映画を期待してるのに、古代ギリシャ史の授業でも受けてるのかと思ったよ。
しかも、おじいちゃん先生のヤツね。

とにかく、眠くなる。

ストーリーも続編と言えるほど前作からの流れが無いのに、舞台設定だけ引き継ごうとしたのが失敗。

前作で期待値が上がってたのもありますが、無理な続編は不要という良い見本。


最終評価 C+



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April 29, 2015

寄生獣 完結編

image

2015年 日本映画

名作漫画「寄生獣」の実写映画化、その後編です。


人間に寄生し、人間に擬態し、人間を捕食する寄生生物が発生してから、少しの時間が過ぎた。

通常は頭部に寄生する寄生生物を右手に宿した高校生の泉新一(染谷将太)は、寄生生物との戦いの中で致命傷を負う。
新一の右手に宿る寄生生物・ミギー(声・阿部サダヲ)が「傷から体内に入って欠損した部分の代わりになる。」という大胆な機転でなんとか一命を取り留める。

だが、血中に混ざったミギーの破片によって、新一はまるで人間と寄生生物の間に居るような存在となってしまう。
寄生生物にさえ対抗できる超人的な身体能力と引き換えに、心は人間らしい感情をどこかに置き忘れてしまった新一。

その能力によって母親の仇を討つことには成功するのだった。
(ここまでが前作)


母親を殺され、復讐に燃える新一は見付けた寄生生物を殺して回る。
そんな新一の暴挙に、ミギーは懸念を示すが、新一は意に介さない。

一方で高い知能を持つ寄生生物・田宮良子(深津絵里)に導かれた寄生生物たちは集団となり、組織を作り出していく。

徐々に田村良子の統制を離れて動き出す寄生生物たちのコミュニティ。
そして、田宮良子が立てた市長の広川(北村一輝)の傍らには、田宮良子が生み出した最強の寄生生物・後藤(浅野忠信)がいた・・・・。


人間とは何なのか。

それを考えずに寄生獣は語れない。

寄生生物は生物として圧倒的な力を持つものの、人間より少数であり、生殖機能も持たない。
しかも、人間を捕食しなくても生命活動は維持できる。

食べて生きる、子を産む、育てる。
そんな生命としての当たり前が出来ない寄生生物たち。

心から湧き出る衝動によって人間を捕食する寄生生物たちは、自分のこの衝動がどこからくるのかと、自分の中に目を向けていく。

生命体としては欠陥だらけの寄生生物の存在によって、人間の核となる「何か」が浮き彫りになっていく。

「なぜ、自分たちは生まれたのか。」

田宮良子は、様々な実験を通してひとつひとつ自分の中に芽生えた疑問に答えを出し、その答えから次の疑問が生まれ、それを繰り返していく。
田村良子の思索の道程は、人間が何千年もの時間を使って考え続けてきたものと同じ。

そして最後には、自分が実験で産んでみた人間のこどもにひとつの答を見つけ出す。

そして田宮良子は自分を追い詰めた倉森に言う

「私たちをあまり虐めるな。」




原作ファンも納得の実写化でした。

ストーリーは、大胆にカットするべきはカットされ、変更するべきは変更されています。
それでも、核となる部分は変わらない。

この作品は間違いなく「寄生獣」。


実写化成功の大きなポイントは、キャスティング。

正直、原作の泉新一とは雰囲気の違う染谷将太が、こんなにも泉新一になるとは思ってなかった。
ミギーという存在しない存在が「そこに居る。」ことにまるで違和感を感じず、しかも寄生生物が自分の中に混ざってしまった心の動きを演じきった演技力は見事としか良いようがない。

そして田宮良子を演じた深津絵里。
本当に原作の田宮良子が現実に抜け出してきたらこうなるだろうな。と、思いました。
笑わないはずの寄生生物・田宮良子が、自分のこどもをあやし、意識せずに笑顔を作り、そんな自分に驚き、そして高笑いをしてみる。
この流れを演じきった深津絵里の役者としての凄さ。圧倒的。

他にも、作品のキーとなる主要登場人物に、浅野忠信、大森南朋、阿部サダヲ、北村一輝、新井浩文と、いちいちバチンとくるキャストが配されてるのが凄い。


ちょっと物足りなかったのは、橋本愛(ヒロインの村野里美役)くらいかな?
でも、原作の村野を現代の女子高生にすると、あんな感じなんでしょうか。


おしいのはVFXとCGは、寄生生物を「生き物」として描くにはまだ力不足ということかな。

グロテスクになり過ぎるので、わざと生々しくしてないのかも知れませんが、寄生生物たちの断面部分がもっとヌラヌラしてて欲しかった。
なんだかそこだけ作り物感が強かった。

あと後藤との戦闘が燃え盛るごみ焼却場所とかは、演出やり過ぎ。


言いたいこともあるけど、観にいって正解でした。


最終評価 A



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April 13, 2015

そして父になる



2013年・日本映画
「誰も知らない」の是枝裕和監督が描いた、親子の意味を問い直す物語。


誰もが羨むような学歴や家庭を築いてきた野々宮良多(福山雅治)は、厳しいビジネスの世界を生き抜くエリートサラリーマン。
良多は、「自分の才能」と言うものを信頼していた。

だが、6歳になる息子に物足りなさを感じる。
優しいといえば聞こえは良いが、どこか弱い人間のように感じられるのだ。

そんなある日、自分の息子が他人の子供と取り違えられていたことを知る。

「やはりか。」そんな気持ちを抱える良多。
自分の息子を育てていたのは、小さな商店を営む斎木夫妻(夫、リリー・フランキー 妻、、真木よう子)。
良多の家庭とは対照的な庶民的な暮らしの中、のびのびと育っていた息子。

だが、良多には斎木の粗野な態度、暮らし、教育の全てが気に入らない。

血縁か、それともこれまで愛を注いだ6年間か。

ふた組の親子、6人が、運命の中で翻弄される。


生みの親か、育ての親か。
個人的には育ての親が・・・と思うけれど、どうなんだろうな。

この作品の中で、主人公はもちろん、妻、相手方の両親、そして子供たちのそれぞれが悩み、葛藤し、苦しんでいる。
ひとりひとりの目線、言葉、表情、その全てからそれを感じる。

一方で、リリー・フランキーが取り違えた病院から慰謝料をせしめようとしている姿も、また現実を感じる。

静かに夫の言動に怒り、自分を責め、子を愛する。
その板挟みの中、狂気さえ感じる妻の尾野真千子。

親の喧嘩を聞いてしまったこども。

ひしひしと伝わるリアリティ。
そして、最後まで「どうなるんだろう。どう選択するんだろう。」と画面から目が離せない。

福山雅治の選択ひとつ、ひとつ。
言葉ひとつ、ひとつ。

全てに胸を掻き毟られるような気持ちになる。

「自分だったら。」
その問いが、ずっと心に響く。

主人公の選択が正しいかは分からない。
でも、自分でもそうするだろうな。と、思う。


福山雅治、リリー・フランキー、尾野真千子、真木よう子、樹木希林。
キャスティングも絶妙。


最終評価 A+


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April 05, 2015

王になろうとした男

王になろうとした男 [DVD]
ショーン・コネリー
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
2010-09-22


1975年

秘境カフィリスタンに富を求めた2人の男、ドレイポット(ショーン・コネリー)とカーニハン(マイケル・ケイン)。
彼らはヒマラヤを越えて旅する中で未開の部族に出会う。

彼らに英国式の軍事訓練を施した2人は、その軍隊を使って

カフィリスタンを次々と平らげていく。そして、ドレイポットの胸にかけられたメダルを部族の長が認めたとき、彼らは神としてあがめられることになる……。


隠れた名画らしい。
ショーン・コネリーらしい。
と。思って観るものの

だめだー。

4回チャレンジして、4回とも途中で寝てしまった。

この映画はどうしても眠くなる。

なので、途中経過についてはコメント無し。

この作品はやたらと長く、途中がタルくて寝ます!


最終評価 C


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March 31, 2015

ポンぺイ

ポンペイ [DVD]
キット・ハリントン
ギャガ
2014-12-02


2014年・アメリカ映画

古代ローマ帝国で繁栄した都市ポンベイ。
79年のヴェスヴィオ火山の噴火によって街ごと火災流に飲み込まれ、当時の姿を現代に伝える遺跡となった街。

その古代の悲劇を映画化した作品。


ローマの支配に抵抗したケルト騎馬民族の反逆は、圧倒的な兵力によって鎮圧され、ケルト人たちは皆殺しにされた。
虐殺を生き延びた少年・マイロ(キット・ハリントン)は、剣闘士としてポンベイの闘技場で闘っていた。

だが、そのポンペイに両親の仇であるローマの元老院・コルヴス(キーファー・サザーランド)が現れ、マイロの命を弄ぶ。
コルヴスはマイロに淡い恋心を抱いたポンペイ富裕層の娘・カッシアを手中に収めようとしていたのだ。

コルヴスの策謀の中、絶望的な闘いに勝利するマイロ。

その時、ヴェスヴィオ火山が火を噴く。

マイロはカッシアの為に走り出す。


剣闘士のアクションはスピーディで格好良い。

街を滅ぼす火山噴火はどこまでも破滅的。
降り注ぐ火山弾の中、押し合い、潰し合い、死んでいく人々。
火山地震によって起こる津波が街を飲み込み、人も飲み込む。
繁栄した街が一瞬で壊滅する様は、神の怒りを具現化していると言って良い。

映像はCGを感じさせない完成度で息を呑む。


どこまでも絶望的な状況の中で生き延びようとする主人公たち。

生き延びられるワケがない。
生き延びられるワケがない。

そう思いながら、圧倒的な悲劇の中でだけ結ばれる身分違いの恋人たちから目が離せない。

ハッピーエンドになる訳がない、希望の無いストーリー。
中身はそれほど無いエンタメ作品ですが、それでも最後まで魅せてくれる作品でした。


キーファー・サザーラントは、ジャック・バウワーよりやっぱ悪役が似合うよ。

スタンド・バイ・ミーのエースを彷彿とさせる、力を振りかざすイヤなヤツでした。


最終評価 B+



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March 30, 2015

ツレがうつになりまして



2011年・日本映画
細川貂々のベストセラーコミックエッセイを、『半落ち』の佐々部清が映画化。


仕事人間のツレ(堺雅人)が、ある日突然に心因性のうつだと診断される。
ツレの変化に気付けなかった晴子(宮あおい)は、うつの原因が会社にあったことからツレを退職させた。

会社を辞めたツレは家でゆっくりと過ごす様になり、徐々に体調を回復させていくが・・・・?


ツレさんは、あまりにも几帳面な性格。
決まった曜日に決まったチーズの弁当と、決まった色のネクタイをしていく。
満員電車に揺られ、職場はリストラにより忙しさが増す。
電話での理不尽なクレーム対応に追われる日々。

そりゃあ鬱にもなるわっていう。

そして、その隣で奔放に過ごし、鬱になるまで気付かなかった自分を責める晴子。

うつに限らず、突然の病気は誰の身にも起こり得る物語。

こういう時、女性は強い。

「仕事なんか、辞めちゃえば良い!」

そうスパッと言った晴子さんの素晴らしさね。
男と女、色々と違うけど、こういう時の強さは圧倒的に女性。

自分の時も嫁様が同じ事を言ってくれたけど、その後押しの心強さは他の何にも代え難い。
これこそ内助の功だと思う。

その健やかなる時も、病める時も、富める時も、貧しき時も互いを敬い、愛すこと。

この結婚の誓約が、胸に響く。


病気はなった人もツライけど、家族もツライ。
お互いのツラさが、分かるようで分からないのもツライ。

でも、分からなくても、家族が居てくれると嬉しい。

そんな経験があるか無いかで、見え方の違う作品だと思う。

淡々とした何てことの無い内容の作品に見える人。
ひとつひとつが心に響く人。

僕は響く側でした。


ただ主人公の宮崎あおいが、堺雅人のことをどこであっても「ツレ」と呼ぶのに違和感がありました。
家の中でパートナーをどう呼ぼうが自由ですけど、職場とか、対外的な場所でも「ツレ」って呼ぶのはどうだろう。

演出だとしたら、微妙。


最終評価 A−


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March 16, 2015

マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙



2011年

英国初の女性首相であり、11年という長期政権を築いた鉄の女マーガット・サッチャー(メリル・ストリープ)。

莫大な財政赤字を解消し、フォークランド紛争に勝利した豪腕の首相。
だが、その一方で母であり、愛する家族を持つひとりの女性。

その素顔は誰にも見せない一面があった。


思考が行動に、行動が習慣に、習慣が人格になる。

ガチガチの保守派であり、自由経済主義を推し進めた功罪はある。
また、その強硬な姿勢によって最後には仲間たちに裏切られて政権を追われたサッチャー首相。

彼女の業績と行動は、確かに鉄の女と呼ばれるだけのことはある。

こどもの頃、イギリスの首相と言えば彼女のことだった。

そのサッチャー元首相が晩年に夫を亡くし、その夫の亡霊(幻覚)に悩まされながらも自分の過去を振り返っていく物語。


なんと言っても見所はメリル・ストリープの熱演。

まだ下院議員だった40代から、首相を務めた50代から60代。
そして晩年までを演じ分け、そのそれぞれの年代にまるで違和感がない。

そりゃあ、アカデミー主演女優賞も獲るわ。


でも、メリル・ストリープ以外の部分は・・・・正直、微妙。

ストーリーはテンポも悪く、言ってしまえばタルい。

時代背景とかがもっと深く分かっていれば・・・とも思うけど、そこも含めての伝え方があまりにも薄かったかな。


そして、経済を立て直し、戦争に勝つには冷徹な判断も必要だとは思いますが、作中で描かれるサッチャーと言う女性には共感できる部分が少ない。
まぁ、ゴリゴリの保守派な彼女の判断や行動が、僕の主義主張に合わないってのはもちろんあるけれど、それ以上に強権を振りかざす彼女が好きになれない。

もちろん、女性がたった独りで男社会の頂点に君臨するワケだから、普通でいられないのは当然かもしれないけれどね。


メリル・ストリープの演技だけが見所の作品でした。

最後に夫の遺品を片付けるコトが出来て、良かったね。


最終評価 B




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March 14, 2015

オール ユー ニード イズ キル

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2014年・アメリカ映画
作家・桜坂洋のライトノベルを、トム・クルーズ主演で映画化したSFアクション。
原作は読んでませんが、小畑健さんが作画をした漫画版のファンで、映画版も気になってました。


近未来の地球。
謎の生命体ギタイが現れ、人類は滅亡の危機に瀕する。
ヨーロッパ、アメリカ、アジア。
ギタイに対抗する人類は次々と住む場所を失っていく。

だが人類に一条の光がさす。

リタ・ヴラタスキ(エミリー・ブラント)。
彼女は初めての戦場で何百ものギタイを殺し、人類に初めての勝利をもたらした。

一方その頃、実戦経験の無い広報担当の将官ウィリアム・ケイジ(トム・クルーズ)は、将軍の命令で前線へと送られようとしていた。

「戦闘は自分の担当じゃない・・・。」

ケイジは脅迫まがいの言い訳まで並べ、なんとか戦地送りを回避しようとするが、その行動は明らかな命令違反。
ケイジは将官の位を剥奪され、一兵卒として戦場へと送られてしまう。

銃の安全装置さえも解除できず、初めての戦場で何も出来ずに逃げ惑うケイジは、死の瞬間に他のギタイとは違うギタイの血を浴びる。

自分は死んだ!

死のリセットボタンが押され、気付くとケイジは昨日の朝に蹴り起こされた瞬間へと戻っていた。

その時からケイジの死と戦闘のループが始まる・・・。


何度死んでも、また同じ一日が始まる。

何度でも何度でも無限に続く同じ日。
ここで敵が現れ、こう動き、こう仲間を殺し、こう自分に向かってくる。

全てが完全に同じ戦場を何度も何度も繰り返す中、安全装置さえもはずせなかったケイジが歴戦の戦士に変わって行く。

相棒は、このループの原因を知る戦場の女神・リタ。

同じ戦場と、繰り返される自分とリタの死を乗り越え、ケイジはギタイの中枢であるオメガの存在に近づいていく・・・。


トム・クルーズもいい加減中年のオッサン。
「新兵」ってのも無理がある。

でも、この作品の核として 「何度も同じ戦闘を繰り返す中でズブの素人が歴戦の勇士になっていく」というのは譲れない。

漫画版では日本人の新兵だったケイジを演じるのがトム・クルーズってコトで、どうなってしまうんだろうと少し心配していましたが、完全に杞憂。
こうアレンジしてくるかーっと、ハリウッドの脚本力に舌を巻きました。

序盤は腰抜けオヤジだったトムが、戦死を繰り返しながらレベルアップしていく様は圧巻。

しかも、同じ一日を繰り返すケイジが昨日聞いたセリフを先回りして答えていく部分は、圧倒的なシリアスの中に良い感じのコミカルさを生み、良いリズムが出来ている。


リタとケイジの関係にも注目。
相棒となるリタはずっと一緒にいるように見えるけれど、ケイジが一度死ぬたびに関係はリセットされている。

最初は完全にリタが先生としてケイジの上に立っているのだけれど、ケイジが死を繰り返す度に逞しくリタの先をいくようになっていくコトによって2人の関係性に変化が出てくる。

何百回も死ぬという、特殊な環境を共有する2人だけの絆をそこに感じることが出来る。


内容、リズム・テンポ、アクション。
どれもが高いレベルで完成されていて、最後まで一気に魅せてくれます。

原作の設定とは違う部分も多々あるので、原作を知っている人は同じ作品とは考えないほうが楽しめます。

何度も繰り返し死ぬコトによって心が病んでいく部分とかは描かれていないですが、2時間映画にソレを盛り込みだしていたら完全にやりすぎ。
むしろ、原作通りに作ったらハリウッド映画としては大失敗していたかも?

もちろん、原作の心病んだケイジと同じ境遇を生きるリタの劇的な出会いは欲しかった気もしますけどね。


原作の世界観を生かしつつ、ハリウッドらしく新しく生み出された良い作品でした。


最終評価 A

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March 09, 2015

パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉

パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉 DVD+ブルーレイセット [Blu-ray]
ジョニー・デップ
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
2011-11-02


2011年・アメリカ映画

主演ジョニー・デップ。
御存知ディズニーのカリブの海賊を実写映画化したパイレーツシリーズの第4作。

ロンドンでジャック船長と間違われて裁判にかけられたジャックの相棒ギブス。
縛首と結果の決まった裁判。
だが、入ってきた裁判長は、変装したジャック・スパロウ船長(ジョニー・デップ)その人。

ギブスを救い出そうとしたものの、ジャックはイギリス軍に捕らえられてしまう。
そんなジャックの前に現れたのは、イギリス国王と公賊となったバルバロッサ船長だった。

イギリス国王とバルバロッサの目的は、永遠の命を与える生命の泉。

泉の場所を知るジャックは、追われる中でかつての恋人・女海賊アンジェリカと再会する。
海賊黒髭・ティーチの娘に成りすましたアンジェリカと共に黒髭の船に乗ったジャック。

黒髭の船で生命の泉を目指す・・・。


相変わらずのナンセンスストーリー。

無駄な煽りと、無駄な規模。
御都合と、低レベルジョークと、意味なしアクション。

予定調和もドンと来い!

この予算をかけるだけかけて撮られたB級感。
これぞパイレーツ・オブ・カリビアン。

脈絡無く唐突に進むストーリーは、後付け要素満載でツッコミさえ許さない。


ふんだんに予算を使ったB級映画が観たければ、パイレーツに決まり!

前作までは回を追うごとに時間が長くなり、3時間超。
その長さがあるとゲンナリします。
流石に耐えられません。

でも、今作は2時間程度にまとめられていて、ゆる〜くB級が観たい気分に丁度良かったです。

無理に前作からの繋がりとかを作らなかったトコに好感が持てます。


最終評価 B−


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March 02, 2015

そこのみにて光輝く

そこのみにて光輝く 通常版DVD
綾野剛
TCエンタテインメント
2014-11-14


2014年・日本映画


北海道函館。
山の仕事を辞めてフラフラと過ごす達夫(綾野剛)は、パチンコ屋で出会った拓児(菅田将暉)と出会う。

拓児の住むバラックには、脳梗塞で寝たきりになった父親とかいがいしく介護する母親、そして姉の千夏(池脇千鶴)が居た。

底辺に生きる千夏。
仕事のない千夏は、腐れ縁の不倫男に囲われ、スナックの裏で身体を売って生きていた。

互いに惹かれ、身体を重ねた達夫と千夏。
様々なしがらみを抱えた千夏と、深い心の傷を抱えた達夫。

不器用な2人は、互いの傷を舐め合おうとするほど、互いを傷つけてしまう。
それでも近づく2人の心。


そこ(底)にいるからこそ、輝く光もある。

どこまでも深く鋭く、食い込むように絡まり合って幸せが遠のいていく底辺の暮らし。

家族、仕事、恋愛。
当たり前の幸せがすぐそこに見えているのに、どうしても手が届かない。

それでも、手を伸ばさずには生きられない。


綾野剛、池脇千鶴、菅田将暉。
俳優さんたちの熱演が素晴らしい。

身体を張った池脇千鶴の存在感、圧倒的。
陰を抱えた綾野剛、切なく格好良い。
粗野で下品で儚い菅田将暉、上手い。


映像も監督のこだわりが感じられました。
とにかく光の使い方が凄く印象的。

達夫と千夏が身体を重ねる時は、いつも薄暗く。
不倫男と千夏が身体を重ねる時は、どこか白々しい明るさの中。
そして、寝たきりなのに性欲が壊れてしまっている父親の姿は、まるで影が蠢くかのよう。

千夏が生きる糧にするのもセックスなら、何もない達夫と千夏が互いを感じられるのもセックス。
自分の身体を投げやりに扱っていた時には耐えられた心の無いセックスが、達夫を知ってしまった後には耐えられなくなる。
でも、千夏のその変化が、ギリギリで回っていた家族生活を狂わせてしまう。

救いのない、どこまでも深い切なさの中に、ほのかに見える光。

そんなものを感じました。


とにかく暗いし、救いは少ない。
見てて辛くなる。
でも、悪くない。
不思議な後味。

ただ、ラストのタイトルの出し方には若干の違和感。
別に、そこに入れなくて良くないか?


最終評価 A−


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February 25, 2015

四月物語

四月物語 [Blu-ray]
松たか子
ポニーキャニオン
2012-09-05


1998年・日本映画
岩井俊二 監督作品
松たか子 初主演作品

大学進学を機に北海道を出て東京で一人暮らしを始めた卯月(松たか子)。
何もかもが初体験の大学生活に戸惑いながらも、新生活を始める。

自己紹介で大学への志望動機を聞かれ、答えに詰まる卯月。
実は卯月の上京には他人に言えない理由があった・・・。


スローに淡々と卯月の行動を映す前半は、かなり退屈。
何か意味がありそうで、とりとめもない様で、今自分が観ている映像の意味がよく分からず、正直、眠くなる。

前半の楽しみは、若い松たか子や自転車の広告パネルになってる菅野美穂、時代を感じさせる雑誌などの懐かしさ。

なんで松たか子が上京したのかが気になって、頑張って見続けた結果は・・・
まさかの、ただ片想いの先輩(田辺誠一)を追いかけただけ。

まじかー。

流石にもうひと捻りあるかと思ってたー。

ソレが判明してからは、このタルい作品が相当どうでも良くなりました。

最後の一瞬、片想いの先輩と会話する松たか子が可愛い。
でも、その一瞬の為の前振りが長いしタルい。

まぁ、若い松たか子と田辺誠一が見られたね。と言うだけの作品。


しかし、1998年て僕は大学生だったハズなんだけど、こんなに昭和テイストだったっけか。
既に自分の大学時代がちょっとした前時代になっている衝撃。


最終評価 C+

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February 18, 2015

ザ・ベイ

ザ・ベイ ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産/2枚組) [Blu-ray]
ウィル・ロジャース
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
2014-10-22


2014年・アメリカ映画

「レインマン」のバリー・レヴィソン監督と「パラノーマル・アクティヴィティ」のスタッフが贈る、ドキュメントタッチのパニックムービー。


平和な港町クラリッジは、例年通りに祭の楽しさに包まれていた。

危険な兆候はあった。
大量に打ち上げられた死んだ魚、雨のように降り注いだ鳥たち。

そして、大量に発生した皮膚疾患の患者。
大量出血しながら死んでいく人達。

細菌性の感染症の様にも見えるが、原因は不明。

疫病の発生でお祭りムードは一転。
静かだった町はパニックを起こし、一気に地獄絵図に変わるのだった・・・


放射性物質や化学物質汚染によって汚された海の水を淡水化し、養鶏に使って、その糞を海に流す。

それによって毒性が高まった海には危険な細菌が大量に発生し、突然変異した人食い寄生虫を生む。

お約束としか言えない「化学物質によって突然変異した謎の存在」によるパニックムービー。

ドキュメントタッチに仕上げてあるので、良くも悪くも淡々とした展開。
町の人達が残した断片的な映像でパニックになる様子が映し出されていく。

リアリティーを求めた分、ストーリーの起承転結は弱め。

一方、疑問点は多め。

直接海に入って「近くで寄生虫を見てくる!」っていう海洋学者、いる?
今まさに自分の腹が内側から食い破られてるのに、ビデオ回して「大変なことになってる!」っていう人、いる?

ドキュメントタッチなのに、そういう謎映像が盛り沢山。

え?
解決パート?

特に無いよ!
最後にテロップで海に大量の塩素が投入されたって言ってた!

多分、町は全滅したんじゃなーい。

でも、よくわかんない!
だって隠蔽されたから!


えー (´Д` )


最終評価 C+


このブログで初めて顔文字使ってみた。



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February 11, 2015

WOOD JOB!(ウッジョブ) 神去なあなあ日常



2014年 日本映画
「ウォーターボーイズ」の矢口史靖監督作品。

少年よ大木を抱け!

大学受験に失敗した勇気(染谷将太)は、街角で見つけた林業免許プログラム募集のチラシ女性(長澤まさみ)に一目惚れ。
軽い気持ちで電車に乗り、携帯の電波も届かない山奥へやってくる。

そして林業の免許を取り、やってきたのは神去村。

厳しい林業の男・飯田与喜(伊藤英明)がエースの中村組で1年間の林業修行に入るのだった・・・。


苗を植え、枝を打ち、100年育てて、木はやっと価値がある商品になる。
自分の仕事の結果に価値が付くのは、自分の子孫の時代。
そして、先祖が植えた木に高値が付くとしても、次の世代のために山を裸にするワケにはいかない。

難儀な仕事、林業。

男子高校生のシンクロを描いた矢口監督が林業を描く。

町までは車で2時間、携帯は入らない。
山の神に敬意を払い、狭い村社会で暮らす。
都会の暮らしとは別世界の山。

都会のチャラチャラした男の子が、男の世界・林業に飛び込んで流されるままに働く中で山の暮らしの魅力に出会って変わっていく。
ナヨナヨの勇気が一人前の山の男に育つ成長物語。

一生懸命に頑張り、誰かに認められる。

そんな単純な当たり前が、今の時代は少なすぎるのかもしれない。


コミカルさを挟みつつ、林業の良さが伝わってくる矢口監督渾身の一作って感じでした。

まぁ、実際に職業にするのと、映画で観るのは別問題ですけどね。林業。
それでも、林業も悪くない。格好良いな、林業。と、思わされてしまったのだから、完敗です。

1年の研修期間が終わり、そこでも自分の意見をハッキリと出さずに都会に帰ってきてしまった勇気が、建てかけの木造住宅を見て、自分の仕事の意味を知って山へ帰るときの表情。

本当に良かった。

やっぱ一次産業は結果がモロだから強いなぁ。


しかし、海猿・伊藤英明が粗野な山男になったときの格好良さったらないね。
嘘くさい海猿より断然こっちの方が良いね。


最終評価 A



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February 09, 2015

超高速!参勤交代

超高速! 参勤交代 [DVD]
佐々木蔵之介
松竹
2014-11-12


2014年 日本映画

八代将軍・徳川吉宗の治世。
長く続く徳川の御世を守るため、各藩に多額の出費をさせて戦を起こさせない制度・参勤交代があった。

1年おきに江戸と藩を往復する参勤交代は、大名たちにとって苦行であった。

東北いわきの湯長谷藩は、つい先日に参勤交代を終えたばかり。
湯長谷藩は、田舎で貧しい小藩ながらも人望のある当主・内藤政醇(佐々木蔵之介)の下で武士から農民までが力を合わせて暮らしていた。

だが、その湯長谷藩に金山が出た噂を聞きつけた老中・松平信祝(陣内孝則)の魔の手が忍び寄る。

その金山は本当は金など出ていなかったのだが、松平信祝はそんなことは知らない。
金山を手に入れたい松平信祝は、金山を報告しなかった湯長谷に再びの参勤交代を申し付けるのだった。

刻限は5日後。

普通にやれば8日はかかる参勤交代を5日で。
しかも、湯長谷藩にはもう参勤交代が出来るような金がない。

湯長谷藩の家老・相馬(西村雅彦)は、知恵を絞って何とか参勤交代をしようと計画するが・・・?


痛快娯楽時代劇。
ユーモアあり、テンポあり、豆知識あり、そして大立ち回りありのエンタメ作品。

勧善懲悪。
善である湯長谷藩の面々はどこまでも良い人たちであり、悪役はどこまでも悪い。

善い人たちが悪者に苦しめられ苦しめられ、その逆境をはね返して最後には悪者を懲らしめる。

その途中経過で、人柄の優れた当主・内藤の今までの積み重ねがこれでもかと湯長谷の面々を助ける。
「情けは人の為ならず、回りまわって自分の為。」を地でいくテンプレートのようなストーリー展開ながら、その陳腐な定番の心地よさ!


当主である佐々木蔵之助は、知性、度胸があり、剣の腕も立つ。
それでいて人情にもろく、民のことを考える名当主。

朴訥でも腕が立ち、忠義に厚い侍たちには、寺脇康文、上地雄介、柄本時生、六角精児などなど個性派俳優がズラリ。
藩で一番の知恵者として苦労を重ねる家老には、ユーモア溢れる西村雅彦。
湯長谷藩の道案内を勤める忍びの者・雲隠れ段蔵に伊原剛志。

そして、小悪党でありながら権力を握った老中・陣内孝則は、分かりやすくゲス。

キャストもはまり役が多く、違和感無く観られる。
強いて言えば、途中で出てくる深田恭子が微妙と言えば微妙だけど・・・まぁ御愛嬌かな?


真面目に言い出してしまえばアリエナイが山盛りなんだけど、痛快娯楽時代劇にそんな真面目なツッコミは要らない。

わははと笑って、アクションで盛り上がって、ちょっとホロリもあって、スッキリ見終わって、後には何も残さない。

エンターテイメントのお手本のような作品。


最終評価 A−



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February 06, 2015

ゼロ・グラビティ

ゼロ・グラビティ 3D & 2D ブルーレイセット(初回限定生産)2枚組 [Blu-ray]
サンドラ・ブロック
ワーナー・ホーム・ビデオ
2014-04-23


重力も、温度も、大気圧も無い宇宙。

宇宙空間に浮かぶハッブル望遠鏡の修理をするミッションに従事するストーン博士(サンドラ・ブロック)と、宇宙遊泳のスペシャリスト・コワルスキー中尉(ジョージ・クルーニー)。

穏やかだったミッションが、ヒューストンからの連絡で急転する。

ロシアが自国の人工衛星をミサイルで破壊、その破片が他の人工衛星を次々に破壊し、大量に生まれた破片がストーンとコワルスキーのスペースシャトルを襲う。

宇宙空間に投げ出されたストーンは、誰も応える相手のいない無の空間を漂う・・・


宇宙空間に独りきり。

酸素も、設備も、相談出来る誰かも、何もない。
その極限状態の緊迫感が、ラストまで画面に惹きつけて離さない。

この作品は3Dで見るべきだったかも。


でも、その宇宙遊泳万能論はどうかと思うんだ。

軌道計算も相対速度も何も計算もせずに、宇宙服を着ただけの身一つなのに宇宙空間で離れた目的地に辿り着いたり。
宇宙服を着て、宇宙遊泳をして、勢いを殺さずに突っ込んでいった宇宙ステーションの外壁にある取っ手をつかむ。とか、本当にやったら手がちぎれ飛ぶと思うんだ。

まぁ、人間には無理ですよねって言いたくなるシチュエーションが山ほどある。

そんなバカな。
と、言いたくなる。

でも、そんな科学知識はどうでもいい。と、そう思えるくらいのジェットコースター感がすごい。
むしろ、この作品はアクション映画だと思う。

いや、これは宇宙を舞台にしたアクション映画なんだ!

そう考えると、アクションの中心にいたジョージ・クルーニーが現世から離脱する様が格好良すぎ。

もっと静寂と孤独・・みたいな作品だと思ってましたが、随分と先行イメージとは違いました。


そんなツッコミ無用なストーリーの中、それでも気になって仕方ないトコがある。

国際宇宙ステーションと、中国のステーションと、スペースシャトルと沢山の人死にと、大量のスペースデブリを発生させたロシア。

この賠償、どーーすんだコレ。

億じゃ済まねーんじゃね?


え?
アクション映画だから気にするな?

まぁ、ですよねー。


最終評価 A−


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February 05, 2015

テルマエ・ロマエ 2



2014年・日本映画

紀元134年の古代ローマ。
平和路線のハドリアヌス帝(市村正親)の治世は、見た目上は上手くいっていた。
だが、強きローマによる世界制服を求める元老院は、影で不満を高めていた。

ローマ人の愛した大衆浴場(テルマエ)の技師・ルシウス(阿部寛)は、元老院からコロッセオで戦う剣闘士の為のテルマエを作る依頼を受ける。

そしてルシウスは、再びテルマエに吸い込まれて平たい顔族たち(現代日本)の世界を訪れた。
テルマエのアイディアを得たルシウスは古代ローマに戻り、再び大きな成功を収めるのだった。

そんなルシウスにアントニウス帝から大きなテルマエの依頼が入る。

だが、平和の象徴たるテルマエを作るルシウスの活躍を、元老院は邪魔に感じだすのだった・・・


阿部寛、北村一輝、市村正親・・・
思いっきり濃い顔の日本人に古代ローマ人を演じさせてしまうという、荒技がどハマりし、想像以上に突き抜けた良作だった「テルマエ・ロマエ」の続編。

あくまで真剣に風呂と向き合うルシウス。
そのルシウスが現代日本の温泉場を観察する目線にクスリとする。

くだらないをどこまでも真面目にやる。
この倒錯作品に、真面目なツッコミは不要。

むしろこのくだらなさを観たくて観てんだって話。

眉間にシワを寄せた阿部寛がこんなに面白いなんてね。


ルシウスに温泉の依頼 → 困る → 風呂に吸い込まれる → 現代日本でアイディアを得る → 古代ローマに帰ってテルマエを作る

原作もあるし仕方ないけど、基本、この繰り返し。

予想の右斜め上をいく突き抜け感が最高だった前作と比べてしまうと、続編である今回はマンネリ感がちょっとある。

まぁ、ちょっと小言を言うなら、ルシウスの温泉ワープを都合良く使いすぎ、古代ローマ語を話す上戸彩の存在の都合良すぎ。

でも、上戸彩が古代ローマに行ってからの展開は急展開で面白い。
かなり強引な恋愛展開のブチ込みっぷりも流石。

期待通りにくだらなくて、良かったです。


最終評価 B+

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February 01, 2015

ウォールフラワー

ウォールフラワー [DVD]
ローガン・ラーマン
Happinet(SB)(D)
2014-06-03


2014年・アメリカ映画

1991年。
高校に進学するチャーリー(ローガン・ラーマン)は真面目が取り柄だけれど、シャイで友達がいない。
何とか友達を、そう思った入学初日。
話せたのは国語教師だけ。

入学初日からチャーリーは卒業までの日数を数えだす。
中学も最低だったが、高校はもっと最悪だった。
チャーリーはスクールカーストの最底辺、居てもいなくても良い壁の花になってしまった。

だがある日、勇気を出して話しかけたパトリック(エズラ・ミラー)とパトリックの義理の妹サム(エマ・ワトソン)との出会いがチャーリーを変える。
パトリックはみんなが一目置く人気者。
エマは、可愛くて、センスが良くて、とにかく、最高の女の子だ。

パトリックとサムの兄妹と仲良くなり、悩みを共有し、恋をする。

変わっていく生活と初恋のトキメキに有頂天になるチャーリーだが、チャーリーの心には消すことが出来ない大きな傷跡が残っていた。
大好きだった叔母が残した傷に、チャーリーは目を向けないで生きてきた。

その心に出来たひずみが、チャーリーを苦しめるのだった・・・。


どうにも胸が苦しくなる青春映画。
過去に辛い記憶を抱えた繊細なチャーリーの心の動きを、丁寧に描いた作品。


本当に好きな子には、自分とは別の好きな男が居て。
それでも彼女が好きで。
彼女の幸せを応援したい気持ちと、抑えられない自分の気持ち。

好きな子に見栄を張りたいワケじゃない。
けど、好きな子への想いを忘れたいとか。
気持ちを誤魔化したいとか。
恋って感情の再確認とか。
勢いとか惰性とか。
そんな諸々があって別の子と付き合ってみたりしてしまって。

でも、別の子を抱きしめながら、本当に好きな子を想っている自分に嫌気がさして。

別れを告げられずにズルズルして。
その子との時間が浪費にしか感じられなくて。
苦痛になって。
結局はみんなを傷つけてしまって。


うわー。

もう。

なんだチャーリー。
オマエは、俺か!

地味系なとこもカブるわ!


そんな揺れ動く16歳の心が、もう、ザクザクとくる。
キュンキュンとかじゃない。

ザクザクくる。

この作品にすげーーーー、共感してしまったんですが。どうしたら良いでしょうか。


どうせ映画の記事なんて誰も読んでないから、ここで告白をしてしまおう。

中学の時、僕は

って

ごめんなさい。
ちょっと赤裸々に書きすぎて、消しました。

青臭すぎて耐えられなくなった。


でも、まぁ、そんな青臭い思い出が心を苛むくらいに、この作品のチャーリー君に共感してしまった。

分かる。
分かるぞ、チャーリー。

その女の子からグイグイこられて、断れないうちに何となく付き合うことになる気持ち。
ちょいエッチ方向の興味も手伝って、断れない気持ち。

でも、結局、面倒なだけだったりする気持ち!!

この辺の男の子な気持ちは、女性目線だとフザケンナになっちゃうんだろうな。


アメリカンな高校生活のあり方って、日本とは全然違う。
ライフスタイル自体もそうだし、大学受験の持つ意味も、付き合う、とか、キス、とか、諸々全部違う。

それでも16歳って年齢が感じるコトで核になる部分ってのは、同じところがある。


エマ・ワトソン狙いで借りた作品でしたが、いつの間にか画面に引き付けられていました。


最終評価 A+


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January 29, 2015

レッド・ブロンクス

レッド・ブロンクス [DVD]
ジャッキー・チェン
ワーナー・ホーム・ビデオ
2011-06-15


1995年・アメリカ映画
ジャッキー・チェンのアメリカ進出作品。

叔父の結婚式に参加する為にニューヨークを訪れたクーン(ジャッキー・チェン)は、ちょっとしたトラブルから街のチンピラ集団と関わるようになってしまう。

カンフーの達人であるクーンに痛い目を見せられたチンピラたちは、執拗なまでにクーンを狙う。

そんなトラブルの中、クーンとチンピラ達は巨大組織の犯罪事件に巻き込まれてしまうのだった・・・・。


ジャッキーの生身アクションを骨の髄まで堪能する、純粋アクション映画。

ストーリーは無いようなもの。

万引きをとがめられた街のチンピラが異常なまでの執念でジャッキーを狙い、やることなすこと相当ヒドイ。
バイクの集団がスーパーマーケットに乱入して店をメチャメチャにしたり、街を壊す壊す、暴れる暴れる。
立体駐車場の屋上からジャッキーが乗ってるってダケで車を落としたりする。

コレ、やりすぎ。
フツーに人死にが出るレベル。

そのくせ、本物の犯罪組織が出てくるとヘニャヘニャになり、最後には助けてくれたジャッキーに「ありがとほぉ・・・。」とか言ってしまう始末。


でも、そのダメダメストーリーを補って余りある、魅せるアクションが凄い。

ビルからビルを飛び移り、立体駐車場の外側を登り、ひとり対多数を縦横無尽あったこっちに動き回ってボコボコにしていくジャッキーアクション!!
コレは一見の価値がある。


そして、映画にまだお金があった頃の贅沢が凄い。

街中を走り回って破壊の限りを尽くすホバークラフト。
傷だらけにされるフェラーリ。

圧巻は、フェラーリをバキバキにしながら大きなノコギリ状の剣でホバークラフトを切り裂くシーン。

もう現代で実写のみのこのシーンは見られないんだろうなーと思います。
やるにしてもCGが過分に入ってきちゃう。


ストーリーを無視して、アクションと破壊だけを楽しめる人なら最高の作品。
一方で、チンピラたちのやりすぎ感を不快に感じる人には、本当に不快な作品。

僕はどっちもかなぁ。

ストーリーでゲンナリ。
でもアクションはスゲー。

プラスマイナス、ゼロ。


最終評価 B


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January 28, 2015

風俗行ったら人生変わったwww

風俗行ったら人生変わったwww [DVD]
満島真之介
TCエンタテインメント
2014-04-02


2013年・日本映画

2ちゃんねるで人気になり、小説化された純愛物語の映画化作品。


29歳で童貞。
吃音を持ち、緊張すると過呼吸になってしまう遼太郎(満島真之介)は、人生上、彼女はおろか女性と話す事さえ出来ないでいた。

何とかこんな自分を変えたい。

そんな決意で呼んだデリヘルで出会った風俗嬢のかよ(佐々木希)。

デリヘルを呼んだのにそういうコトも出来ない遼太郎は、その時にかよの優しさに触れ、恋に落ちてしまう。

もう一度会いたい。

貰った名刺を頼りにかよを指名した遼太郎は、再びかよに会う。

また何も出来ない遼太郎を見ていたかよは、信じられない提案をする。

電話番号を交換しましょ!

信じられない幸運に舞い上がる遼太郎は、一層かよに惹かれていく。
どんどん恋に落ちていく遼太郎。
でも、彼女がナゼ風俗嬢をしているのか、それが聞けないでいた。

そんな時、パタリとかよとの連絡がつかなくなる。

何もしないか、するか。

ネット掲示板で知り合った仲間に背中を押され、遼太郎は人生を変える分岐点に立つ。


電車男っぽいネット掲示板から生まれた物語。なの?

原作は知らないけど、どう考えても現実にあった話じゃないよね?

リアリティを完全超越。

初めて呼んだデリヘルで来たのは佐々木希すか。
2回会っただけの童貞君に連絡先を渡す風俗嬢すか。
会って、飲んで、恋をして?

あるのかねー。いるのかねー。

で、ナニか。
佐々木希をヒモにしてた男は、散々暴力を振るうチンピラだったのに童貞君に反撃されたら即弱々になるとか。

あるのかねー。いるのかねー。

そして、人生の逆転をかけた秘策大作戦が、あまりにもあまりにも超展開過ぎて、泣けてくる。

ここまで観てしまった時間を返して、と。


話題性としては、佐々木希が風俗嬢をやるっていうトコでしたが、風俗嬢的なシーンはほぼ無く。

それより何より残念なのは、ヒロインのかよがバカ過ぎて共感出来ない。

登場人物、だいたい共感出来ない。


嘘っぽ過ぎる設定、演出、ストーリーと、共感出来ないキャラクター。

流石に、ナイな。
ないなぁ。無い。

最終評価 C+


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ほしのこえ

ほしのこえ [DVD]
コミックス・ウェーブ・フィルム
2002-04-19

2002年 日本映画

独特の世界観で新境地を開く新海誠監督の処女作。
この作品のアニメーションは、新海監督独りの手で作られている。

独りで作る。
簡単に言うけど、アニメーションを独りで・・・


世界は携帯の電波が届く距離だと思ってた。

幼馴染みの中学3年生。
ミカコとノボル。

普通に進学し、普通に時を重ねると思っていた2人。

だが、そうではなかった。

宇宙開発に出た人類は、未知の知的生命体・タルシアンに出会う。
その出会いは不幸な出会いであり、タルシアンと人類は交戦状態に入った。

ミカコは、タルシアン討伐の遠征船団に選抜される。

宇宙を往く程に離れていくミカコとノボル。

1日、1ヶ月、1年。
メールが着く時間が長くなっていく。

そしてワープで船団がシリウスに跳び、メールが着くまでに8年。

ねぇ、ノボルくん。
私たちって宇宙と地球に引きさかれる恋人みたいだね。

15歳で時間が止まったようなミカコからのメール。
時間が過ぎていくノボル。

2人の時間がズレていく。


見始めは、絵の荒さに目がいってしまう。
本職のアニメーターさん達のクオリティは流石なんだな、とか、作品に関係ないことを思う。

そして、中学の制服のままに戦闘ロボットに乗るコトや、その戦闘ロボットの中でまで地上で使ってPHSのような携帯を使うことへの違和感はある。
その電波は何が拾ってるんだよ・・・と、思わずにいられない。

でも、そういう諸々を突き抜けて、作品に引き込まれる。


宇宙と地球の時間差なんて、SFの世界では定番。
でも、その定番知識が携帯のメールという身近なアイテムと結びついた時、切なさが生まれる。

短い作品なので、余計な部分が削ぎ落とされていたのも良い。
宇宙戦争を扱いながらも、描くのはあくまで距離と時間に引き裂かれた若い恋人。
ハッキリした告白さえしていない2人ってトコに、胸がキューっとなります。

そして、ラストには作品のアラを感じなくなっている自分に気付く。


脚本を書き、自分で描き、自分で声をあてる。
出来るようで、出来ない事を、やる。

凄い。スゴイなぁ。
一発で新海監督のファンになりました。



でも、その後に思いました。
アニメーションを独りで作った人は、僕が思うよりずっと沢山いるんじゃないかって。

アニメーションの学校を出て、独りで作品を作った人や複数人で作った人はきっと沢山いる。
その中で、絵のクオリティ、シナリオ、音楽、そして運が一定水準以上あったから新海監督は認められた。

認められる表現者って、こういうコトなんだな。


最終評価 A

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January 25, 2015

ハミングバード

ハミングバード [DVD]
ジェイソン・ステイサム
Happinet(SB)(D)
2014-11-05


2013年・イギリス映画

アフガニスタンに従軍したジョゼフ・スミス(ジェイソン・ステイサム)は、目の前で5人の同僚を殺され、報復に5人の民間人を独断で殺した。
それは、もちろん軍法違反。
しかも、ジョゼフの行動は無人偵察機・ハミングバードによって見られていた。

イギリスに帰り、軍病院から逃げ出したジョゼフを匿ったのはホームレスの少女・イザベルだった。
だが、ホームレス狩りに遭ったジョゼフとイザベルは離ればなれになってしまう。

たまたま逃げ込んだ留守宅の高級アパート。
住人に成りすまし、束の間の安住を得たジョゼフはイザベルを探す。

この休息の間に職を探すジョゼフだが、荒事に強いところをチャイニーズマフィアに気に入られ裏社会へと入り込む。

裏社会で名を上げていくジョゼフ。

そんなある日、イザベルがギャングにさらわれ、薬漬けにされ、売春婦にされたあげくに殺された事を知る。

ジョゼフはイザベルの死に関わる人間に復讐を始める・・・


単純明解なステイサムアクションを期待していると肩透かしにあう。
人生の再起を図ろうと苦しみながら、後悔と葛藤と復讐の中から抜け出せない男の物語。

渋いステイサムの演技はファンなら必見モノ。


ただ、作品としては中途半端感がある。
ジョゼフの葛藤と後悔の根っことなるべき部分の描き方が少なすぎる。

ジョゼフはアフガニスタンで何をしたのか。
どんな過去を抱え、何を捨てたのか。
イザベルとの関係性は。
シスターとの出会いは。

全部が断片。

重要なピースなので断片から推察するものの、あくまで推察の域を出ない。

苦しんでいるのは分かるけど、明確な対立軸も無い中で一方的な復讐に固執するジョゼフは、結局、何がしたかったのか。

ただ善い事をしたかった?

純粋な善意と言うにはジョゼフの行動は暴力にまみれている。
しかも、それだと恋仲になるシスターとの関係は何なのよって事になるし。

じゃあジョゼフの行動でシスターに善い男だと思われるかと言えば、そんなワケないし。

うーむ。


タイトルのハミングバードは、アフガニスタンでのジョゼフの凶行を見ていた無人偵察機の名前であり、アル中になったジョゼフが見る幻覚でもある。

それは、どこかで常に見ている存在。

神と呼ばれるものなのか、良心と呼ばれるものなのか。


アクションはなく、思わせぶりでスッキリしないストーリー。
でも、決して悪い出来ではないのが不思議。

このモヤっとした感じがヨーロッパ系の映画らしいと言えば、らしい。


最終評価 B+



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January 22, 2015

銀の匙 Silver Spoon

jake

2014年・日本映画
週刊少年サンデーにて連載中の人気漫画「銀の匙」の実写映画化作品。

原作は「鋼の錬金術師」でも有名な荒川弘。
僕はこの原作、かなりのファンです。

UHuhqIWECK4YrCV



最強に理不尽な青春!

札幌の有名進学中学でドロップアウトしてしまった八軒勇吾(中島健人)は、「寮に入って家から出られる。」その理由だけで担任教師の薦める大蝦夷農業高校に進学する。

大蝦夷農業高校・略してエゾノーは、農業畜産から加工まで一次産業なんでもござれ、その名の通りの農業高校。

周囲の新入生はみんな農家の跡取りや、それぞれに目標を持ったヤツばかり。
目的もやりたいことも無かった八軒は、クラスメイトの御影(広瀬アリス)に誘われるまま馬術部に入部する。

目的も夢もない。
そう自分を卑下していた八軒だったが、仲間との出会い、生き物を育てて食べるということ、現実の厳しさ、そういう今まで自分が見えていなかったことに気付き、八軒が変わっていく・・・


人気漫画の実写映画化。

まぁ、実写化するとこういうコトなのかなー。とは思いつつ観るものの。

心の中にずっと漂う、コレジャナイ感。


キャスティングの問題・・・じゃ、ないんだよね。

もちろん「エーーー。 」って言いたくなるキャスティングはあったものの、大部分は原作のイメージを壊さない。
むしろ、キャスティングは頑張ったと思う。

ジャニーズ起用の八軒・・・は、思ったほど悪くなかったし。
中村獅堂の中島先生も悪くなった。
吹石一恵の富士先生なんか、ミスキャストかと思ったらむしろ良かったもんね。
photo02


ストーリーも所々は変更点もあるものの、基本的には原作のトレースだし。


この「コレジャナイ感」の原因は何だろう?

で、原因は逆に中途半端に上手くいってしまった原作のトレースにあるのかな、と。


キャストも原作キャラに似てる。
ストーリーもほぼ同じ。
で、登場人物たちが原作通りのセリフを言うワケなのだけど、そこに込められた感情が違うと思うんですよ。

友人同士がふざける中で言った「バカヤロー。」や、相手のコトを考えすぎてしまった結果出てくる悪態。
裏にある相手への思いやりを抜きに言葉通りに言ってしまうと、本当にヒドイ言葉だったりする。
そういうのってありますよね。

それが、映画の中では字面通りに読まれてしまってる感じなんです。

映画版と原作では、表面は同じなんだけど意味が違うと言うか。
そういう違和感がずっとある。

原作と似てしまったせで、その違和感が逆に強くなってしまっていると言うか。
むしろコレが「全然似てない。」とかだったら、見過ごしてしまうようなズレなんだと思う。

結局は監督さんの解釈と、僕の中の解釈のズレってコトなのかも知れない。
演者さんの演技力の問題なのかも知れない。

とにかく、「そうじゃないだろー。」って想いが最後まで拭えない。


原作の根底にある「育てる、殺す、食べる、生きる。」っていうテーマが薄っぺらいのも、まぁ、2時間の青春娯楽作に盛り込むにはキャパオーバーは否めない。

ただ、ソコにスポットを当てたくなかったのか?と勘繰りたくなるくらい、食べものの扱いが雑だったのが残念。

せめてもう少し食べものを美味しそうに描いてくれないと、八軒が変わっていく意味合いがブレてしまうと思うのだけど・・・。


青春娯楽作としての完成度は、それほど低くない。
キャストも悪くない。

でも、コレを観るなら原作を読めば良い。原作を読んだなら観なくても良い。

そんな実写映画化でした。


映画は映画の表現で、原作を補完するような・・・ってのを期待して、ソレをクリアする作品ってのは本当にレアですね。


最終評価 B



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January 12, 2015

マイティ・ソー ダークワールド



2013年 アメリカ映画
マーヴルヒーローのひとりソーが世界を股にかけて活躍するアクション映画「マイティ・ソー」の続編。


伝説の神々が住まうアスガルド。
王・オーディン(アンソニー・ホプキンス)の次男・ロキ(トム・ヒルドストン)の反乱から2年。

9つの平行世界の混乱を治めた王子・ソー(クリス・ヘムズワース)は人々の信頼を集め、父・オーディンもまた次の王にソーを就けたいと考えるようになっていた。
だが、ソーの心は地球に残した想い人ジェーン(ナタリー・ポートマン)に向かい、王座にこだわる気持ちは薄れていた。

そんな時、はるか5000年前に封じられた闇の指導者・マレキスが蘇る。
マレキスは5000年に一度、9つの平行世界が繋がり合う瞬間に莫大なエネルギーを持つエーテルを開放し、世界を闇に落とそうと画策していた。

しかし、地中深くに封印されていたエーテルは、地球で次元の狭間を発見してしまったジェーンの身体に宿ってしまうのだった・・・。



映像は綺麗。
アクションは派手。

でも、わざわざ観る価値はナシ。

そんな作品。


前作は、あまりにも偉大な父と、その跡を継がなくてはならない息子。
単純明快に王位を継ぐと思って育った兄と、ずっと二番手と扱われ屈折してしまった弟。
家族愛、裏切り。
そんな古典的ともいえる設定で、ストーリーにも引き込みつつアクションも楽しめる良作だったのにな。

続編は駄作になりました。


マーヴルヒーローとは言え、いくらなんでも・・・と言いたくなるほどの御都合オンパレードに半笑いになる。

エーテルがジェーンの身体に宿った経緯も意味不明だし。
本来なら交錯しない並行世界が繋がる次元の狭間も随分と便利に繋がるし。

そんなツッコミ満載のメインストーリーの最後には、トンでもないトンデモが待ち受ける。

最終的に、敵のラスボスをやっつけた武器がヒドい。

地球のちょっとイカれた科学者が作ったアイテム(長さ1.5mほどのちょっとした機械の付いたアンテナ状の棒)で、9つの世界を破壊しようとしていたラスボスをやっつけちゃう。

「重力磁場が何たらかんたら・・・」とか言ってたけど、一般人に毛が生えたレベルの科学者が作ったアンテナ状の武器で、ラスボスも巨大宇宙戦艦も別の世界へサヨーナラー。

伝説の武器たる無敵のハンマー・ムジョルニアより、オッサンのアンテナの方が強いやーん。

はぁ?
って言いたくなる。

そのオッサン、ストーンヘンジを素っ裸でそのアンテナみたいの抱えてウロウロしてるトコ捕まった一般人ですよね?

アリなの?
その展開、アリなの?


映像は綺麗。
アクションは派手。

でも、正直、話が良く分かりません。

意味がわからん。


戦闘の中心からちょっと離れた地下鉄の駅にワープしてしまったソーが地下鉄に乗るシーンとかは、ちょっと面白い。
そんな風にちょいちょい入る小ネタにはややウケしてしまいましたが、そんなネタよりメインストーリーを何とかしろ。

ナタリー・ポートマンの無駄遣いとしか思えない。


最終評価 B−


know_the_base at 14:22|PermalinkComments(2)TrackBack(0)

January 11, 2015

ホビット 竜に奪われた王国

ホビット 竜に奪われた王国 [DVD]
イアン・マッケラン
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
2014-12-03


2013年 ニュージーランド・アメリカ合作映画
J・R・R・トールキン原作「ホビットの冒険」3部作の第2作。

「ロード・オブ・ザ・リング」で主人公のフロドの手に渡る「ひとつの指輪」。
フロドを冒険へと導き、指輪を託した叔父のビルボ・バギンス。

ビルボは、どうして指輪を手に入れたのか。
小さなホビットが世界を救う、始まりの物語。


森のエルフ、草原のホビット、街の人間。
様々な種族が暮らす中つ国。
金属加工の能力に優れるドワーフは、朴訥な性格と身体の頑強さを併せ持つ山の種族。

かつて繁栄し、莫大な黄金を抱えたドワーフの王国は邪竜スマウグに目を付けられ、滅亡した。

それから60年後。
ドワーフの王子・トーリンは、山の王国・エレボールを取り戻すべく12人のドワーフと立ち上がった。
旅の導き手は、灰色の魔法使い・ガンダルフ。

そして、スマウグの目を盗む忍びの者としてガンダルフが選んだのは、平和なホビット荘に住むビルボ・バギンスだった。

旅の途中で指輪を手に入れたビルボは指輪の魔力に魅入られていく。

圧倒的な魔力を秘めた指輪によって自分の中に「何か」が芽生えていくことに恐怖を感じつつ、それでも指輪から離れられない。

本当はガンダルフに相談しなくてはならない。

そんな想いを抱えながら、ビルボはトーリンたちと山の王国・エレボールに辿り着くのだった・・・・。


前作「ホビット 思いがけない冒険」で旅の仲間として認められたビルボ。

ドワーフたちは目的の故郷・エレボールに辿り着き、遂に宿敵の邪竜スマウグとの決戦が始まる。
一方、ビルボは指輪に魅入られていく。
そんな第2章。

広大な中つ国の再現力、ハラハラドキドキの冒険活劇、そして、葛藤と決心。
映画としての完成度には、文句のつけようがない。

もちろん3部作の第2章ですから、「この作品から観ました!」という人は置いていきますし、話は尻切れトンボに終わります。
それでも3時間オーバーの超大作を最後まで見せる作品としての力と、最終章を観たいと思わせるだけの魅力がある。


でも、この「ホビット」シリーズを観ていると、どうしても残念な気持ちが拭えない。

このシリーズはどこまでいっても、壮大な「ロード・オブ・ザ・リング」のプロローグでしかないということ。

多くの種族が生きる中つ国は、種族の間にわだかまりがある。
長寿で美しいエルフは、醜いドワーフや短命で我欲の強い人間を蔑み嫌っている。
ドワーフはドワーフで、世捨て人のようなエルフを嫌う。
そして、人間は人間で自分たちの世界で合い争うことを止めず、その性質を他種族に嫌われている。

そんな中で、農耕を愛し、草木を愛し、タバコをふかすことに喜びを感じるホビットは他の種族から「いてもいなくても同じ小さな存在」として扱われている。

そんな超えられない種族の壁があるからこそ、最も無力な存在のホビットが力ある他の種族を繋ぎ世界を救うのが「ロード・オブ・ザ・リング」の醍醐味なワケで。

エルフの王子・レゴラスがドワーフの戦士・ギムリの手をとって共に戦うシーンに心打たれるワケで。

ロードのプロローグである「ホビット」シリーズでは、当然、そうならないワケで。

ドワーフとエルフの交流はあっても、まだ共に手を繋いで戦うっていうのとは程遠いし。
人間に関しては存在感さえない。

主人公のビルボも、話の軸として存在するって言うよりも「指輪」に翻弄され、魅入られていくばかり。

敵であるスマウグも、まぁ、強大な敵ではあるものの、スマウグ自身は黄金の山で寝ていただけ。
ほっておいてもスマウグは世界を滅ぼしたいと思っているワケではない。

ドワーフの国の滅亡は悲劇だけど、黄金に魅入られて道を誤った王が居たのも事実。

今回の冒険は、あくまでドワーフとスマウグの間の問題で、エルフや人間にはは正直関係ないしね。

もちろん、ロードのラスボスであるサウロンが裏で糸を引いていたりはするものの・・・対立軸が弱いっちゃあ、弱い。

やはりストーリー全体にプロローグ感が否めない。

シリーズファンであれば、若かりしレゴラスの恋心や、ギムリの父親のエピソードにニヤリと出来るけど、それもスピンオフネタだしね。


作品の完成度は高く、面白いのに、核心には迫れない。

そんなもどかしさがあります。



あと、主人公パーティのドワーフたちが多いよ!

13人とか、全員を描ききれてないよ!
第2章の終わりまで観ても、誰が誰だか名前が出ても分からないってのはどうなの。

王子のトーリン、賢者のバーリン、ちょっと綺麗目でエルフに恋するキーリくらいまでは名前が分かるけど、あとはオッチョコチョイとか、お調子者とか、雰囲気だけだもん。

原作に忠実だとこうなるんだけど、なんだかなぁ。


まぁ、文句もあるけど面白かった。

最終章も観るよ!


最終評価 A−


know_the_base at 12:16|PermalinkComments(2)TrackBack(0)