2019年に観た映画

July 20, 2019

天気の子

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「君の名は。」の新海誠監督作品。


生まれ育った島に息苦しさを感じていた16歳の森嶋帆高(もししま ほだか・CV醍醐虎汰朗)は、フェリーに乗って東京を目指す。

その夏の東京は、異常気象で雨が降り続いていた。

仕事も住む場所もアテの無い家出少年。
当然のように帆高は行き詰っていく。

夜のマックで、コップ一杯のスープで時間を過ごす帆高。
そんな帆高を見かねてハンバーガーを差し入れた少女・天野陽菜(あまの ひな・CV森七菜)と出会う。

帆高は東京で唯一のアテであった、フェリーで出会った怪しい大人・須賀(CV小栗旬)を頼った。
心霊記事や超常現象のデッチ上げ記事を書いている須賀の事務所に転がり込んだ帆高は、住み込みの助手となって、なんとか住む場所と食事を手に入れた。

後日、帆高は水商売のスカウトに連れられて行く陽菜を見かける。
陽菜を救い出そうとしたものの路上で捕まり、良いように殴られる帆高。

思わず、新宿のゴミ箱から拾った拳銃を取り出す。響く轟音。
その拳銃は本物だった。

スカウトから逃げ出す2人。

屋上に小さな神社のある廃ビルで、陽菜はひとつの秘密を帆高に告げた。

「私ね、100%の晴れ女なんだ。」

実際に陽菜の祈りで久しぶりの晴れ間を見た帆高は、「晴れを売る」商売を思いつくのだった・・・。


「君の名は。」で大ヒットを飛ばした後の作品は、一体どんな内容になるのか。

そんな興味もあって、公開2日目に観てきました「天気の子」。

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以下、ネタバレを含みます。






社会に居場所が無いと感じていた少年・帆高。
社会から弾かれるのを必死で堪えようとする少女・陽菜。

その2人が出会う。

天候を自由にするという神の所業を、悪意無く利用する2人。
一時は、まるですべてが上手く回っていくかのような気さえしてしまう。
だが・・・

拳銃所持者として警察に目を付けられた家出少年と、保護者の居ないアパートで小学生の弟と2人きりで生活する少女。
そんな2人を、社会は放ってはおいてくれない。

そして、天候を操る力もまた、陽菜の身体を蝕んでいく・・・。

社会は2人を弾きだす一方で、社会のための人身御供となる陽菜。
「たった1人の犠牲でこの雨が止むなら、それが良い。みんなそうだろ?」と須賀は呟く。

「晴れ」によって2人が生み出す、美しい景色と人々の笑顔。
危ういバランスの中で距離を縮めていく2人の淡い恋。

帆高と陽菜の間に良い流れが生まれれば生まれるほど、そのバランスが崩れる瞬間の怖さが募っていく。


ずっと雨が降り続くという「狂った天気」。
そして、天気の狂いを修正するための人身御供となる陽菜。

本来あるべき世界が、歪み、そして修正する方法が主人公たちの手元にある。

普通のストーリーであれば、そこは「何とかして」天気を元に戻し、「何とかして」陽菜も取り戻す。

だが、この「天気の子」は、そんな予定調和で終わらない。

みんなの望む調和のとれた「普通の天気」の世界より、たったひとりの少女を選び取る少年。
結果、世界は狂ったまま残る。

そして、世界はその狂った天気を、そのままに受け入れていく。

普通のストーリーで終わらないラストに、非常に好感を持ちました。


このラストは、多分「なんだよ投げっぱなしで終わりかよ。」という批判を生むのだろう。
そして、新海監督もそんな批判が生まれることは百も承知だろう。

決して「君の名は。」の様に大ヒットや万人受けする結末ではない。
それも踏まえたうえで「君の名は。」の次作として、良いと思います。


しかし、このレベルの風景クオリティを今後ずっと要求され続けるって、大変だろうなぁ。

あと「君の名は。」の瀧くんと三葉が大人になって出てんの、ちょっと嬉しくてズルイ。
こういう演出、やっぱ好き。


最終評価 A



know_the_base at 18:17|PermalinkComments(0)

June 15, 2019

青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない

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公開日鑑賞。
なのにパンフレット売り切れで購入出来ず。

なんやねん。


「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」で、一部のアニブタ野郎の心を掴んだ作品の完全続編。

まぁ、初期プロットで言えば、完結編になるラストエピソードを劇場版にした、イマドキあざとい構成とも言える。

ちなみに、原作「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」「青春ブタ野郎はハツコイ少女の夢を見ない」は既読。



思春期症候群。
思春期特有の精神の揺らぎがもたらす、奇妙な出来事を誰かがそう名付けた。

誰からも見えなくなっていった桜島麻衣。
都合の悪い同じ日を繰り返した古賀朋絵。
相反する2つの願いが自分を2人にした双葉理央。
憧れの姉と入れ替わってしまった豊浜のどか。

いじめを苦に全く異なる人格と入れ替わった梓川楓。

そして、兄なのに妹を救えなかったことに苦しんだ梓川咲太の胸には、原因不明の大きな傷が今も残っていた。

中学の時に発症した思春期症候群を誰にも信じてもらえず、咲太は人間不信になっていた。

その咲太を救った、女子高生・牧之原翔子。

咲太は、牧之原翔子に恋をし、同じ高校に進学した。
だが、そこに翔子はいなかった。

咲太は理央に出会い、麻衣と出会い、朋絵と出会い、のどかと出会った。

そして、中学生の牧之原翔子と出会う。


麻衣と楓と過ごしていたある夜、インターフォンが鳴る。
そこに居たのは、大学生になった牧之原翔子だった。

「これからしばらく泊めてください。問題ありません、私は咲太くんのことが好きですから。」

彼女である麻衣を目の前に、翔子は咲太との同棲を申し込むのだった・・・



牧之原翔子の思春期症候群と咲太の思春期症候群が絡み合い、それに加えて時間軸が戻ったりする展開で、説明は基本的に追いつかない。

その表情ひとつ、そのセリフひとつでこの感情を理解しろって

これ、原作読んでる前提だろ!

と、ツッコミたくはなる。

ただ、無駄な人物紹介や総集編パートとかが一切ない展開は、いっそ潔い。

まるで続きモノのアニメの次の話が始まるかのように映画が始まるというのは、なかなか斬新。

アニメを全編見て、更に原作を追ってることを前提にした作りは、そのピンポイントのターゲット(自分)にとっては、無駄がなくて心地良かった。


大胆ではあるけど「そういうファンしか見ないだろ?」って言う作りの方が、そういうファンには刺さるから良いんだ。

そうなんだ!


映画作品としては、原作2冊分を盛り込んだ内容なので、かなり駆け足。
まぁ、アニメの後半もかなり駆け足だったので、同じ流れなので違和感はない。

ただ正直、このペースだと、命がけで命の選択をしてる咲太や麻衣の決心や覚悟が軽く見えてしまうのが残念ではある。

それでも最初の麻衣の選択までの展開は、泣ける。
本当に泣ける。
てか泣きました。40男が。

中盤にクライマックスがあると言って過言じゃない。


コアファンの為の映画なので、一般的な評価にはあまりにも不適。

でも、自分、そのコアファンなんで、しゃーない。

あー、麻衣さん可愛かった。


最終評価 B+



know_the_base at 21:44|PermalinkComments(0)

June 09, 2019

未来のミライ




時をかける少女」「サマーウォーズ」の細田守監督作品。

とある都会の片隅の、小さな庭に小さな木の生えた小さな家。

ある日、甘えん坊の“くんちゃん”に、生まれたばかりの妹がやってきます。
両親の愛情を奪われ、初めての経験の連続に戸惑うばかり。
そんな時、“くんちゃん”はその庭で自分のことを「お兄ちゃん」と呼ぶ、
不思議な少女“ミライちゃん”と出会います。

“ミライちゃん”に導かれ、時をこえた家族の物語へと旅立つ“くんちゃん”。
それは、小さなお兄ちゃんの大きな冒険の始まりでした。

待ち受ける見たこともない世界。
むかし王子だったと名乗る謎の男。
幼い頃の母との不思議な体験。
父の面影を宿す青年との出会い。

そして、初めて知る「家族の愛」の形。

さまざまな冒険を経て、ささやかな成長を遂げていく“くんちゃん”。
果たして、“くんちゃん”が最後にたどり着いた場所とは? 
“ミライちゃん”がやってきた本当の理由とは―

(公式サイト・あらすじより)


「時をかける少女」以来、一応、細田守作品を全部観ているのですが、ダメでした。

4歳のお兄ちゃんと生まれたばかりの妹。
今まで親の愛を一身に独占していたくうちゃんに、初めて現れたライバル。

まぁ、よく言えば細やかに4歳児の気持ちと両親の気持ちを描いているのですが・・・。

タルい・・・。

延々とそれを見せられ続ける。
それでいて「不思議」が起こっても4歳児の視点。
大人になった妹が現れても、人間になった犬が現れても、過去のこどもママと一緒に遊んでも、言うほどの「事件」ではなく、あくまで日常の範疇。

タルい・・・。

そして事件が起こっても特に何が変わるでもなく、また日常の中で妹に嫉妬するの繰り返し。

ずっと4歳児が新生児に嫉妬し続ける姿を映すホームビデオを2時間見せられる感じ。

タルい・・・。


いや、4歳児の気持ちには寄り添って、かなり丁寧に描いているとは思うんですけどね。

だから・・・何?
という作品。

何でもかんでも冒険活劇を描けとは言いませんが、せめて観客を引き込む工夫はしようよ。

最終評価 C+



・・・・・・・・・・・・・・

この作品は劇場公開時、本編前のトレーラーで「シン・エヴァンゲリオン」の特報が流れたことで話題になりました。

そして「エヴァの印象が強すぎて本編覚えてないや。」という感想が多く、可哀想だなと思っていました。

が、それも仕方なかった。と、観て分かった。



know_the_base at 07:18|PermalinkComments(0)

June 05, 2019

リズと青い鳥

リズと青い鳥[Blu-ray]
種敦美
ポニーキャニオン
2018-12-05



鎧塚みぞれ 高校3年生 オーボエ担当
傘木希美 高校3年生 フルート担当

希美と過ごす毎日が幸せなみぞれと、一度退部したけど戻ってきた希美。
中学時代、ひとりぼっちだったみぞれに希美が声をかけた時から
みぞれにとって希美は世界そのものだった。
みぞれは、いつかまた希美は自分の前から消えてしまうのではないか、という不安を拭えずにいた。

そして、2人で出る最後のコンクール。
自由曲は「リズと青い鳥」。
童話をもとに作られたこの曲にはオーボエとフルートが掛け合うソロがあった。

「物語はハッピーエンドが良いよ。」
屈託なくそう話す希美と、いつか別れがくることを恐れ続けるみぞれ。

ずっとずっと、そばにいて。

童話の物語に自分たちを重ねながら、日々を過ごしていく2人。
みぞれがリズで、希美が青い鳥。
でも・・・。
どこか噛み合わない歯車は、噛み合う一瞬を求め、回り続ける。


今回の主役はユーフォニアムの久美子ではなく、オーボエのみぞれ。
学年がひとつ進級し、新入生だった久美子たちは2年生になり、みぞれたちは最後の学年を迎える。

「響け!ユーフォニアム」の続編映画。
製作はもちろん、京都アニメーション。

アニメーション映像の美しさでは、他を圧倒する京都アニメーションの真骨頂。
ひとつの仕草、ひとつの表情、空気の揺らぎ、小さな生活音に至るまで、画面に込められた情報の濃度が、半端じゃない。

アニメーションだから表現できる世界ってのは、何も非現実だけじゃない。
余計な情報をカットし、必要な情報の濃度を上げる。
そうすることで、実写よりも突き刺さる表現として研ぎ澄まされていく。


ストーリーは、百合モノ・・・であることは否定できない。

中学時代から希美の背中を追いかけ、自分の全てだと思ってきたみぞれ。
そんなみぞれを疎ましく思うわけではないが、そこまでの想いを抱くわけではない希美。

一方で、音楽の才能でみぞれは希美を凌駕していく。
そのことに気付いた希美と気付かないみぞれには、見えない溝が出来ていく。

希美を放したくないみぞれは、青い鳥を逃がしたリズの気持ちに感情を重ねられず、2人の掛け合うソロは、歪む。


実写でこのストーリーを映像化したら、きっとタルくてチープな百合モノ映画にしかならない。

それが、どうよ。

明らかに実写だったら引いてしまう愛の告白が、不思議と聞いていて嫌味の無い純粋な想いに昇華される。
無駄な生々しさをカットして、純粋な想いだけを切りだす。



どこがどう感動した。とか。
どこがどう面白い。とか。
どのシーンがすごい。とか。

そういう映画じゃないんですが。

でも、ずっと目が離せない。

そんな映画でした。不思議な感覚です。


最終評価 A−




know_the_base at 23:25|PermalinkComments(0)

June 02, 2019

プロメア

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製作・TRIGGER X 脚本・中島かずき X 監督・今石洋介

この布陣だけで、「天元突破グレンラガン」「キルラキル」ファンなら問答無用で必見。

この作品を劇場で観られた幸せ。
劇場から、この感想記事を打ちたくて、打ちたくて、ウズウズしすぎる幸せ。

最高でした。
アドレナリンがドバドバ出てるのを感じました。
あっという間でした。


燃え上がるのは世界か、魂かー。

全世界の半分が焼失したその未曽有の事態の引き金となったのは、突然変異で誕生した炎を操る人種〈バーニッシュ〉の出現だった。

あれから30年――

攻撃的な一部の面々が〈マッドバーニッシュ〉を名乗り、再び世界に襲いかかる。
対バーニッシュ用の高機動救命消防隊〈バーニングレスキュー〉の燃える火消し魂を持つ新人隊員・ガロと〈マッドバーニッシュ〉のリーダー・リオ。

熱き魂がぶつかりあう、二人の戦いの結末は――。
(公式サイトより)


最初に引き込まれるのは、独特の蛍光色で描かれる映像。
CGと手書きが融合し、歌舞伎の見得をキメるかの様にキメていく演出。
どこまでもクールな音楽。

そして何より、御都合、理屈、そんなせせこましいツッコミを吹き飛ばす勢いと熱量。

とにかく、熱く、熱く、熱い。

そして、理屈ぶっ飛ばした映画だからストーリーはボロボロかと思いきや、きっちりと爽快感を生み出す憎いまでにアツいエンターテイメント。


そうだコレが「製作・TRIGGER X 脚本・中島かずき X 監督・今石洋介」なんだ。
コレだ、コレが観たかったんだよ。

そうニヤけてしまうほどに、求めるモノがそこにあった。


燃えていいのは魂だけだ!
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直情と勢い、魂の熱量だけで突き進む主人公・ガロ(CV:松山ケンイチ)は、どこからどう見てもグレンラガンのカミナ。
本当にあえて寄せていってるんじゃないかと思うくらい、言う事もやる事もカミナ。
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何なら、髪型までカミナ。

熱い、カッコイイ、バカ。
中島かずきさんがこのイメージを具体化すると、どうしてもカミナになってしまうのかな?

それでも良い。いや、それが良い。
自分の中では物語の途中で死んでしまったカミナが転生して、生まれ変わっても別の世界でも同じように熱い漢として生きていた。
そんな風に受け止めました。

カミナは殺されても、ただでは死なない漢ですから。


まぁ、かなり個性的かつ、突き抜けた世界観と展開なので、受け付けない人は受け付けない。
その一方で好きな人は、骨の髄が震えるほどに好き。

そういう偏った作品であることは否定しない。
でも、それくらい突き抜けないで、誰に突き刺さると言うのか。


何の小説も読んだことの無い小学生が、イキナリ最初に太宰を読んでも理解できないように。
美術に触れていない人が前衛現代美術を理解できないように。

アニメーション表現にも慣れは必要ですしね。

それでも、僕は声を大にして言いたい。

最高でした。と。


パンフレットが売り切れで買えなかった事が、本当に悔しい。
多少割高でもAmazonで買ってしまうか。

映画を観終わって2時間経つのに、まだアドレナリン出過ぎてマトモなレビュー書けないや。


最終評価 A+



know_the_base at 22:24|PermalinkComments(0)