きたろう

March 01, 2011

南極料理人

南極料理人


1997年。
家族の待つ日本から遥か遠く。昭和基地からさえ1000キロ。ここは南極・ドームふじ基地。

ペンギンやアザラシはおろかウィルスさえも生きられない極寒の地で、8人の日本人調査隊が1年以上の共同生活を送る。

自分の意志に反して海上保安庁から出向された料理担当・西村(堺雅人)は、朝昼晩と仲間の料理を作る。

食材は冷凍、乾燥、缶詰が基本。凍ったらダメになるモノはない。
気圧が低い為、水は低い温度で沸騰してしまう。だから、麺はそのまま茹でると芯が残る。
特殊な場所だけに様々な制約を受ける中で、いかに隊員たちにおいしい食事を届けるかに西村は心を砕く。

遠く日本の家族に想いを馳せながら暮らす南極の生活。

いつしか仲間たちと、家族のような繋がりを感じるようになっていく。


南極隊員で料理担当であった西村淳のエッセイ「面白南極料理人」を映画化。

生物を拒む極限の環境の中で続く、変わらぬ日常。
家族とは遠く離れ、電話料金は1分740円。
他人なのに巡り会わせで一緒に暮らすコトになった男8人。
ともすれば、精神を蝕んでしまう閉鎖環境で、楽しみは食べる事。

食べるコトが、人間にどれほどの生きる力・喜びを与えるかを描く。


堺雅人、きたろう、生瀬勝久、豊原功補、味のある名優たちのコミカルな演技が楽しい。

ドラマのないストーリーがずっと続く。
その、のんびり、ゆるゆる、を味と観るか、間延びと感じるかは人それぞれ。

確かにこの作品はのんびり、ゆるゆる過ぎて、越冬調査隊がただの男子寮のように見えてくる。
それに、食材の制限や調理の難しさ、南極の過酷さ、密閉空間での精神の辛さ、調査隊の仕事内容といったトコの表現は甘いかも知れない。

ただ、特別な事件があったワケでもないエッセイが原作なのだから、ソレは仕方ない。
その辺は別の作品に任せて良いかと思う。

この作品は、美味しい食べ物の喜びに、にやり、くすりと笑えば、ソレで良い。


最終評価 A-



いや、しかし西村の娘、可愛くねぇの。ナマイキ。

KDDIのオチは、良いね。

know_the_base at 23:27|PermalinkComments(2)TrackBack(0)