ジュード・ロウ

March 09, 2012

スルース

スルース


ベストセラー推理小説家アンドリュー・ワイク(マイケル・ケイン)の豪邸に、駆け出しの俳優マイロ・ティンドル(ジュード・ロウ)が訪れる。

マイロは、ワイクの妻マギーの不倫相手。
マイロはマギーとの離婚を拒むワイクを説得に訪れたのだ。

年老いてはいるがベストセラーを何本も出した大富豪のワイク。
相対するマイロは、若さと情熱だけしかない売れない俳優。

老獪なワイクは、説得に訪れたマイロに逆提案を始める。

「マギーは金を湯水のように使うぞ。君はきっとすぐに破滅してしまう。」
「本当は私だってマギーと離婚したい。」
「そこでどうだろう、私の宝石を盗まないか? 君は宝石とマギーを手に入れ、私は保険金を手に入れる。」

ワイクの提案に乗ってしまったマイロは、ワイクの計画通りに宝石泥棒を始める。
しかし、それは当然、ワイクが周到に仕掛けた罠。

憎き男を完全に罠にハメた先制攻撃で、まずはワイクが一勝。

だが、2人の男の戦いはソレで終わらなかった。

マイロが復讐する第二幕が始まる・・・。



豪邸を舞台に、登場人物は2人だけ。
ワイクとマイロ、妻を寝取られた老人と屈辱を与えられた青年が自分のプライドとエゴを賭けてせめぎ合う密室の心理サスペンス。

第一幕、第二幕、第三幕。
分かりやすく幕が切り替わり、攻めと受けがその度に入れ替わる。
映画と言うよりも、舞台演劇を見ているかのような作品。

と、思ったら、元々のオリジナルは舞台用の戯曲でした。やはり。


展開のスリリングさ、たった2人の出演者の演技勝負がスゴイ。
ぐいぐいと観客を惹き込んで、いつに間にか息を呑み、手に汗を握ってしまう。

まぁ、第三幕に関しては、BL展開と言うか、価値観が欧米的過ぎてちょっとついていけない部分もありますけどね。
でも、それさえも説得力があって、飲まれちゃうんだから、やっぱりスゴイ。

全ての価値観と、嫉妬、エゴ、プライドを飲み込む、大人の映画。


ただ、本当に最後の最後のトコだけが、個人的にはちょっとなー。

誰か映画好きとあのラストの意味と是非について語りたいぜ!!


最終評価 A


know_the_base at 22:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

December 18, 2005

11月26日 コールドマウンテン

No.91

コールドマウンテン

二コール・キッドマン ジュード・ロウ レニー・ゼルヴィガー 出演 
2003年のアカデミー賞受賞作

アメリカ南北戦争末期。
アメリカ南部にある、冬は雪に閉ざされるコールドマウンテン。

その中腹に抱かれた田舎町。
都会から引っ越してきたお嬢様エイダ(二コール・キッドマン)と田舎の青年インマン(ジュード・ロウ)は出会い、恋に落ちた。

しかし、やっと互いの気持ちを確かめ、これからと言う時にインマンは徴兵され、戦場へ送られていく。

従軍して三年。
彼の心の支えは故郷とエイダだけだった。
凄惨な戦場をなんとか生き抜いてきたインマンも、ついに傷を負い、病床でエイダからの手紙を受け取る。

そこに綴られていたのは、頼りの父を失って生活する力の無い都会娘エイダの窮状と、自分の帰りを待ち望む気持ちだった。

脱走兵は発見し次第、射殺。
しかし、インマンの心には懐かしいコールドマウンテンに帰ること、エイダに会うことしか残っていなかった。

彼は故郷へ帰るため、命がけの脱走を決意する。

 
辛く、悲しい話ばかりが続く。
戦争で家族がちりぢりになり、死んでいき、人々は荒んでいく。

レニー・ゼルヴィガー演じるルビーの言葉が印象的。

『男たちは戦争という雨を自分たちで降らせておいて、大変だ雨が降ってきて騒ぐ。女達は耐えて待つしか出来ない。』

長いストーリーの全編にわたり辛いエピソードが多く、やっとラストになってもベタなハッピーエンドじゃない。
ほどほどに幸福なラストではあるんですが・・・。

でも、このストーリーであんまりハッピーエンドでも浮いちゃうのかなぁ。
確かに世の中そんなに上手くは行かないしねぇ・・・。

アカデミー賞かなぁ。
エンターテイメントじゃなく、アカデミックではあると思いますよ。

ただ、文化圏の違う人間が見て、良いかと言われるとねぇ。

決して悪い映画ではない。
ただ、ちょっと見る前の期待が大きすぎた感がありますね。


二コール・キッドマンは確かに美しく、ジュード・ロウはかっこ良かったです。


最終評価 B+

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know_the_base at 08:39|PermalinkComments(0)TrackBack(3)

November 08, 2005

9月4日 ロード・トゥ・パーディション

No.71
ロード・トゥ・パーディション

トム・ハンクス主演。
ジュード・ロウ、ポール・ニューマン出演。

1931年アメリカ・ニューヨーク。
マイク・キャラバン(トム・ハンクス)と妻、2人の息子の幸福な家庭があった。

ただ、2人の息子には気になるコトがあった 「父の仕事は何なのか?」

父の仕事を聞いても両親は曖昧に答えるばかり。
疑問が膨らみ、イタズラ心も手伝って兄のマイケルは父が仕事に出かける夜、車に忍び込み、父の仕事を確認しようとする。

そこで彼は見てはいけないモノを見てしまう。

自分の父が人を殺している・・・? 

信じられない光景がマイケルの目に飛び込む。
マイケルの父は裏社会に生きるギャングだった。


殺しの場面を見てしまったマイケルを庇う父は、今まで信頼していたファミリーとボス(ポール・ニューマン)の裏切られ、妻ともう1人の息子を殺されてしまう。
更に殺し屋(ジュード・ロウ)を送られ、命を狙われる父と息子。

2人きりの逃避行が始まる・・・。

 
主人公のマイク・キャラバンは当然、善人ではなく、妻子の復讐の為には敵となる者を殺すことを厭わない冷徹な男。
だが、生き残った息子が自分と同じ裏の世界に足を踏み入れることを恐れる、ただの父親の顔も持ち合わせている。

うーん。
結構、評価が難しい作品。

全体の色調は黒。
ストーリーも淡々と進んでしまい、主人公も別に応援したくなる様な人物ではない。

でも、父親がギャングだと知って一瞬は父親を拒絶した息子が、段々とありのままの父親を受け入れ、結局、ギャングだろうと何だろうと父は父として認めていく流れは良く、引き込まれる。
 

この映画って見て面白い、良いと思える客層がすごく限定されている気がする。
若い女の人とかが見てもきっとスゲーつまんないだろうと思われます。


最終評価 B+

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know_the_base at 21:53|PermalinkComments(3)TrackBack(2)