ライトノベル

April 23, 2015

冴えない彼女の育てかた 7

冴えない彼女の育てかた (7) (ファンタジア文庫)
丸戸 史明
KADOKAWA/富士見書房
2014-12-20



冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた 7
丸戸史明 著   深崎暮人 イラスト
ファンタジア文庫


遂に完成した倫也たちの同人ゲームサークル blessing software の処女作「cherry blessing」は、人気イラストレーター英梨々の新境地を開拓した絵と、詩羽のシナリオが相まって非常に高い評価を得た。

英梨々の体調崩壊によって製作期限を過ぎてしまった結果、たった100本しか販売されなかったゲームは口コミが口コミを呼び1000本の委託販売も一瞬で消え去る伝説のゲームとなった。

そして、その英梨々の体調崩壊と新境地の開拓と言うイベントは、数年来ケンカ状態にあった倫也と英梨々を仲直りに導き、もう一方で英梨々を致命的なスランプへと導いていた。

急速に距離を縮めた倫也と英梨々。
だが逆に、英梨々の体調崩壊とゲーム製作期限崩壊の時にかやの外に置かれてしまった加藤の心は冬コミの日以来、硬く閉ざされていた。

次の目標を定められないまま、blessing software のシナリオ担当である詩羽の卒業は近づいていた・・・・。



待望のゲームは完成し、全員が次のステップへと進む第7巻。
表紙は待望のメインヒロイン加藤恵。

やっと最新ナンバリング巻に追いつきました。


この巻で第一章が終わるのだけど、この巻、神なんですけど。

一瞬で読み終わっちゃったんで、もう一周行きたいんですけど。


くわー。余韻が。余韻がっ!


近場の店の店頭に無かったため取り寄せたこの7巻。
夕食後の時間(18:30)に店から「入荷しました。」の連絡を受け、その足で買いに行き。
嫁様が風呂に行った時間から読み始め、22:00には読破してしまうという。

どんなペースだよ。>自分。


クリエイターとして心の中では互いに認め合っていた詩羽と英梨々が次のステージに進み、倫也もまたクリエイターとして独り立ちする。

そして、加藤の存在の大きさを認め、再び最初の2人から次の作品へと向かいだす。

書いてしまうとそれだけなんだけど。
それだけなのにっ。

くぅ!

ラストシーン、小説なのに文字が無いページで身悶えするなんて!!!!!

反則やー。

でも、その反則、最高やー。


基本、ハーレム系作品て、欺瞞の塊じゃないですか。
それほど目立つ所も無い主人公を、なぜかそれぞれにタイプの違う美少女たちが好きだという嘘。

でも、この作品は突き抜けたなー。

それぞれの女の子の感情が、それぞれに成立してるのに、嘘いっぱいのハーレムを成立させる。
このバランスが恐ろしく絶妙。

このバランスの要が、メインヒロインである加藤の倫也を好きなんだかよく分からない立ち位置だってのは間違いない。
全員が倫也にメロメロだったら成立しない。

そして、倫也の本心がその自分に向かってこない子に向かってるトコがね。もう、ね!

しかも、しかも、今回の加藤はヤバイ。
可愛い通り越して愛おしいもん。

しかも、しかも、加藤だけじゃなくて詩羽も英梨々も
可愛い通り越して愛おしいもん。

この作品のヒロイン、愛おしいよ。もう。

もう、感無量ですよ。



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April 20, 2015

冴えない彼女の育てかた 5




冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた 5
丸戸史明 著   深崎暮人 イラスト
ファンタジア文庫


人気ラノベ作家にして、倫也の敬愛する先輩・霞ヶ丘詩羽。
その詩羽渾身のシナリオが書きあがる。

シナリオ完パケの打ち上げがてら、倫也を連れてのデー・・・・ショッピングに出た詩羽。
この楽しい時間の最後に、詩羽は爆弾となるUSBを倫也に渡す。

その中には、エンディングとエピローグを改変した、第二のゲームシナリオが込められていた。

初稿がエンターテイメントに富み、メインヒロインの魅力がふんだんに盛り込まれたコンセプト通りの一級品。
そして第二稿は、ドロドロの複線と想いが込められた、作家・霞詩子のテイストが丸出しになった、こちらも一級品。

初稿を立てれば、第二稿は立たず。
第二稿を立てれば、初稿は立たない。

究極の二者択一に迫られる倫也。

その2つのシナリオに込められた詩羽の想いは、倫也に届くのか・・・。


完全無欠の詩羽回です。

ギャルゲー製作も佳境に入り、当然ながら物語の中の時間も進んでいく。
たったひとり3年生である詩羽に、残された時間は少ない。

詩羽にとって、倫也と過ごす理由となっていたシナリオが上がるということは、倫也との時間が終わることを意味している。

その終わりの瞬間に、詩羽は自分の想いを込めたシナリオを倫也に渡した。

「自分をヒロインに重ねたシナリオを選んで欲しい。」

付き合いの長さだけでは測れない、詩羽の想いを選び取って欲しい。
ただ、それだけの一途な想い。

そんな詩羽の想いにまったく気付かない倫也は、ゲームとしての完成度を上げることだけに邁進する。
2つのシナリオを前に苦しみぬいた倫也の出した答えは、詩羽の考えるソレではなく

斜め上にぶっ飛んでしまった

ものだった。

常日頃は倫也の選択を信じる加藤でさえも呆れる、倫也の答え。
でも、そんな倫也だからこそ詩羽は好きになり、そんな倫也が出した答えだからこそ全力で応えた。


くわっ

詩羽可愛い・・・・。


今回ばかりは加藤が霞むぜぇ。

流石は霞ヶ丘詩羽ぁ・・・。


いやー、本当に、このシリーズラストで倫也はどの子か選ぶんだよな?おい!>丸戸さん

誰も選ばない、八方丸く収まるハッピーエンドなんか許すワケねーぞ、おい!

でもこの巻を読んでしまうと、全員が笑って終わるハッピーエンドなんてモンがあるのかも・・・・なんて思ったりもする。

最初に出てきた加藤で鉄板だったハズのストーリーに、ここまで他のヒロインが捲くりを入れてくるなんてっ!

くー。

でも、今回で詩羽の想いは昇華されちゃったのかな。

大好きだし、尊敬してるし、誰より大事にしてるけど、詩羽に選ぶってのはないのかな。

倫也にとって、それはきっと恐れ多いというか。
尊敬する作家から関係性が始まってしまった詩羽の悲劇というか。


切な可愛すぎる詩羽絶賛の回でした。



PSP Vita買って、冴えカノのギャルゲーやろっかなー。まじで。



読む手がとまんねーもん。
夕飯後に第四巻のレビュー書いてから第五巻を手にとって、読み終わって、今だもん。
レビュー書かないで寝られないからの、コレだもん。

どれくらい面白かったか、分かるでしょ?


さて、僕の手元には第6巻まではあるんだよねー。コレが。

明日は仕事なんだよねー。コレが。


あっははー。





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April 19, 2015

冴えない彼女の育てかた 4




冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた 4
丸戸史明 著   深崎暮人 イラスト
ファンタジア文庫


シナリオ担当の詩羽の作業も、原画担当の英梨々の作業も、ある時を境に順調に進むようになった倫也のギャルゲー製作サークル。

だが「ゲーム製作」において要とも言えるプログラミングは滞り、ゲームには必須の音楽においては担当さえも不在。

英梨々と詩羽に責められ、プログラミングを引き受けた倫也の前に、同い年の従姉妹・氷堂美智留が現れる。
ロックバンドのギター兼ボーカルを務めるリア充の美智留は、バンド活動で父親と衝突。着の身着のままで倫也の家に転がり込んで来たのだ。

倫也を男と思わない美智留は、思春期の男子にとっては危険とも言える格好と距離感で倫也を悩ませる。

年頃の異性と同居をサークルメンバーに隠しつつ(まぁ、当然バレて吊るし上げられるのだが)、悩ましい生活を続ける倫也は、ふとした瞬間に美智留が作曲した曲を耳にする。

どこか懐かしく、切なく、愛おしい。

そんな美智留の旋律は、倫也の心をかきむしる。

「やっぱ俺、お前、欲しいよ。」

倫也は美智留をゲーム製作サークルに引き込もうとする。
だが、そこはオタクに偏見さえ抱くリア充ロック女子高生、当然の拒否。

一方、美智留は美智留で、倫也の力を必要としていた。

互いに譲れない夢のため、倫也(オタク)と美智留(リア充)の対決が始まる・・・・。


無防備系血縁キャラ登場。の、第4巻

従姉妹って、結婚できるんだよね。あはは。


今回のメインヒロインは、無防備系従姉妹のリア充女子・美智留。
小学生や中学生時代のノリで、あられも無い格好でヘッドロックや足四の字をかける幼馴染以上の幼馴染(親戚)。

その無防備系ヒロインが、主人公を男性として意識してしまうまでを描く。

注目すべきは、少しづつ変わって行く美智留の態度の変遷過程。

最初は「なんだこのキャラ・・・」と思っていた美智留への感情が、最後には愛おしさに変わるから。
まじで。


そして、今回描かれたのは、サークルの中での倫也の立ち位置の再確認。

英梨々と詩羽の圧倒的な才能の前に、存在意義を失いかけていた倫也がプログラマーとして働き出す。

何よりも新メンバーである美智留を引き込むプロデューサーとしての役割を果たすのが大きい。

元々英梨々も詩羽も(加藤も)倫也に引き込まれたのだけど、そこには元々の倫也への好意がある。
多分、この2人は倫也の頼みであれば最終的には手伝ったのだと思う。

そして、英梨々と詩羽は疑うまでもない才能を既に世間から認められている。

言ってしまえば、2人のサークル参加は文句を言いつつも予定調和。

だが、美智留は倫也に好意を寄せつつも、自分の夢は自分の夢で譲れないと考え、倫也の誘いに対立する。
しかも美智留の才能はまだ誰も見つけていない、倫也が見出したもの。

更には、リア充。
オタサークルにとっての異分子。

可能性未知数で不安定な美智留の必要性をサークルメンバーに説き、対立する美智留を動かすために倫也が示したプロデューサーとしての手腕。
コレが今回の見所。


今回から、サークルに能動的に関わりだし、倫也への嫉妬心をチラ見させた加藤かわいい。


さて、この4巻でアニメ版「冴えない彼女の育てかた」で描かれていた部分までは終わってしまいました。
正確には、この巻の後半4/5あたりまでしか、アニメ版では描かれていません。

さぁ、作中に詩羽の小説で散々に暗喩されている「メインヒロインの交代劇」は果たして起こるのか。
ここから先も楽しみです。



毎日一冊読んでますが、何か?
毎日ひとレビュー書いてますが、何か?


後2日はコレが続くよ!

諦めてね!



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April 18, 2015

冴えない彼女の育てかた 3




冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた 3
丸戸史明 著   深崎暮人 イラスト
ファンタジア文庫


キャラの立たない「冴えない」加藤恵をヒロインに、理想のギャルゲーを作る為に立ち上げた倫也のサークル。

シナリオ担当に、学校一の才女であり高校生ラノベ作家である詩羽。
キャラクターデザインに、美術部のエースでありエロ同人作家の英梨々。

冴えないメインヒロイン・加藤恵とのデート(取材)を経て、詩羽の出してきたプロットに足りなかった「何か」を見つけた倫也。
倫也の見つけた指針に向かって舵を切った詩羽は、倫也と熱い一夜を共にして新しいプロットを書き上げる。

ストーリーの大筋は見えた。
そして次は原画担当の英梨々の出番となる。

そんな倫也たちの前に、数年前に引っ越した出海が現れる。
倫也がオヤクに染め上げ、すっかり女の子らしく成長した中学生の出海ちゃん。
昔は真っ黒に日焼けして男の子だったような出海ちゃんは、出るところは出ていて可愛らしい女の子に成長し、しかもその自分の成長には無頓着に倫也を慕う。

その妹系キャラを地で行く出海ちゃんは、今は自分で同人誌を書く駆け出しの同人作家になっていた。
そして、倫也にコミケのサークルチケットを手渡す。

その再会は、英梨々と倫也の間にあった深い傷を白日の下へと晒すのだった・・・・・。


懐き系年下ヒロインとライバル登場。の、第3巻。

今回のメインは、幼馴染属性持ちのツンデレキャラ・英梨々です。

売れる同人作家を目指し、努力し、そこに辿り着いた英梨々。
だが、その「売れる。」という目的の為に、様々なものを切り捨ててきていた。
それはオリジナル作品に対する情熱であったり、読者の期待に沿ってしまう内容であったり。

自分のスタンスに不満を持ちつつ、それでも築き上げた自分のスタンスを崩せないでいる。

そんな自分に無いモノを持つ出海と出会い、その才能に倫也が惚れてしまったことで、英梨々の中に築いてきた大事なものが崩れていく。


自分の作風や生み出した作品への悩み。
新しい才能が出てきてしまった時の焦りや苛立ち。
自分が作った同人誌が完売したときの喜び。
同じ趣味で集まった人たちの優しさと厳しさ。

この辺の同人誌作成の喜びや悩みの表現が、凄いんです。

自分も経験している人でないと書けないモノってあると、この巻は教えてくれます。

「凄い、面白い!」と、単純に喜ぶ消費者。
「悔しい、怖い。」と、その感動した作品を破り捨てたくなるクリエイター。
何か心を動かす作品に触れた時の感情の向かう先が、コンテンツの消費者とクリエイターの間では決定的に違う。

消費豚には分かり得ないクリエイターの気持ちを、英梨々が分かりやすく伝えてくれる。


そして、今回も加藤は可愛い。

このシリーズの起承転結は、起承結は倫也だけど、転の部分を必ず加藤が握ってるのが良い。
キーになる言葉や行動は、加藤から出てくる。

しかも、恋人って立ち位置を越えて、すでに妻的な立ち位置に居るのが、更に良い。


倫也にメロメロな毒舌年上ヒロインの詩羽先輩も可愛い。

ついにデレを見せたツンデレヒロインの英梨々も可愛い。


昨日(歓送迎会)の夜に2巻のレビューを書き。
今日、既に3巻のレビューを書く。

この読了ペース。

ライトノベルだから、は、あるけどね。
我ながら早すぎ。
ハマりすぎ。

まぁ、面白いんだから仕方ない。


あ、そう言えばライバル君のこと忘れてた。
まぁ、良いか。男の話は。



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October 25, 2013

終物語(上)

075072


ワタシハアナタノベロチュードク

終物語(上)
講談社BOX  西尾維新 著  VOFAN イラスト

「おうぎフォーミュラ」「そだちリドル」「そだちロスト」 収録

もう一度、100%趣味で書きました。
by 西尾維新

原作・西尾維新が書くのが楽し過ぎて上下巻になってしまった終物語。
その上巻です。
作者の筆が走るように、読者の読む手も止まらない出来になっていました。


「おうぎフォーミュラ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

神原駿河の紹介で阿良々木暦の前に現れた忍野扇。
転校したての扇は、自分で作った学校の見取り図を広げて

「間取りが変なんですよ。」

と、視聴覚室横に教室ひとつ分のデッドスペースがあることを指摘した。

そして、放課後。
何故か扇と2人でそのデッドスペースの調査に行った暦は、扇と2人でその部屋に閉じ込められることになる。

デッドスペースにあった教室は、鍵が掛かっているわけでもないのに扉も窓も動かない。

窓の外には、どこかで見た風景。
窓を割ろうとして散らかった机の中のノートには、どこかで見た生徒の名前。

5時58分で止まったままの時計。
7月15日と書かれた黒板。

それは、暦が1年生の時、ある事件があった時だった。

なぜ、その事件のことを忘れていたのか。
暦は扇に促されながら、あの時へと遡っていく・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

長く続いた物語シリーズの最終章。
最終章の皮切り「憑物語」と比べると、随分とアホな言葉をトップに持って来てしまったけれど、物語は今までのシリーズにないシリアス展開。
阿良々木暦を巡る物語は更に深まったと言って間違いない。

戦場ヶ原ひたぎ、八九寺真宵、神原駿河、千石撫子、羽川翼。
それぞれこの世ならざる怪異と関わってしまった少女たちが阿良々木暦と出会い、それぞれの答えに辿り着いた始まりの物語・「化物語」

いわゆるハーレム的な状況から始まったこの物語は、あらゆる御都合や欺瞞を許さずに進行し、少女たちは自分と向き合い、あるべき新しい自分になった。
そして、全ての少女が新しい一歩を踏み出した後、阿良々木暦が向き合うのは自分自身だった。

人間には誰しも、忘れている過去がある。
でも、忘れたからいって無くなるわけではなく。
忘れたからといって、思い出せないわけじゃない。

今までの物語の中で、何度か阿良々木君は「中学生時代まで。」と「高校生になってから。」の間に人間的な断絶があることは触れられてきた。

この終物語になって登場するキャラクター・老倉育(おいくら・そだち)は、暦の過去に関わりながら、暦の記憶からは掻き消えた存在。
なぜ、暦は育のことを忘れていたのか、記憶に鍵が掛けられたのか。
断絶してしてしまった「中学時代」と「高校時代」の謎を紐解いていく中で、過去の阿良々木暦の断片が浮かび上がってくる。

そんな暦自身を知る旅路の水先案内役が、忍野扇。

この終物語の前から登場していた扇だが、その特異なキャラクターが遂にベールを脱ぐ。

「化物語 」に登場した、見透かしたように見透かす怪異のオーソリティ・忍野メメを叔父に持つ、阿良々木暦の2つ後輩。
何を知っているのか、知らないのか。
偽善なのか、邪悪なのか。
小柄で可愛い見た目とは裏腹に、心が読めない黒い瞳をもつ扇を形容する言葉は、「得体が知れない。」

「何でもは知らないわよ。知ってることだけ。」
そう答えるのが、羽川翼なら

「私は何も知りませんよ。あなたが知ってるんです、阿良々木先輩。」
忍野扇はこう答える。

不思議な話術と距離感で、相手の心に入り込む。
それは、相手が決して開けたくないと鍵を掛けた心にさえも。


限りなく人間に近いものの、その身に吸血鬼を宿す阿良々木暦。
その影には伝説の吸血鬼の残り滓、忍野忍が潜む。

苦味を伴いながらも、甘い関係に浸ってきた暦と忍。
欺瞞を許さない物語が、終わりへと向かいだす。


むー、今回も面白かった。

記憶に蓋をしてるとは言え、阿良々木君が頭わるい感じになってしまっているなーと感じる。
だけど、彼が相手しているのは生きる天才・羽川翼や、何でも見透かす忍野メメの姪っ子なのだから、ソレと対比されれば誰でも愚かに見えると言うもの。

物語シリーズ定番の無駄話が無いシリアス展開で、しかも、怪異さえ登場しない。
いわば物語シリーズの中の特異点、いや、転換点になるような物語だったと思う。終物語(上)。

早く続刊を!



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September 23, 2012

ソードアート・オンライン 002 アインクラッド

ソードアートオンライン2


ソードアート・オンライン 2 アインクラッド
電撃文庫  川原 礫 著

第一巻で一応の完結をみたソードアート・オンライン「アインクラッド編」。
この第二巻は、キリトが関わった4つのエピソードを描いた短編集。

1・黒の剣士
2・心の温度
3・朝霧の少女
4・赤鼻のトナカイ

「黒の剣士」
ひとり森に迷い、窮地にあった竜使いビーストテイマーの少女・シリカを助けたキリト。
その時にシリカが失ってしまった竜のピナを復活させる為、キリトとシリカは上層にあるフィールドダンジョンに向かう。

このストーリーで出てくるのは、プレイヤーがプレイヤーを狩る犯罪ギルドの存在。
このゲーム世界での犯罪はどのようなモノで、システム的にどう処理されるのかが描かれる。
そして、犯罪ギルドの人間がどう考え、行動し、また主人公であるキリトがどう考え対処するのかも描かれている。
このエピソードによって、このSAOの中で他者を信じる難しさ、危険性などのディティールが深くなっている。

ちなみに、大人気ビーストテイマー美少女のシリカちゃんがキリト大好きになることは言うまでもない。

「心の温度」
ダンジョンに潜り、ボスを倒すプレイヤーを支える職人クラス。
そのうちの一人、鍛冶屋を営む女性・リズベット。
血盟騎士団の副団長であるアスナの親友でもある彼女の元に、キリトが剣の製作を依頼に来る。
自分の今まで打った最高傑作でも届かない、おそろしくレベルの高い剣を要求されるリズベット。
剣の素材となる鉱石を入手するためにリズベットとキリトはドラゴンの住む山へと向かう。

ファンタジー世界の一要素である「装備品」の成り立ちを解説するような話。
その中で、あくまでもフェイクな仮想世界の中で唯一リアルな人間の心を求めながら、そこに踏み出す怖さ、人間関係構築の難しさなども描いた話。

ちなみに、キリトの装備メンテをする鍛冶屋の少女リズベットもキリト大好きになることは言うまでもない。

「朝霧の少女」
結婚して2人で暮らすようになったキリトとアスナ。
幸せに暮らす2人の前に現れた、あまりにも幼い少女・ユイ。
プレイヤーとしての機能にもバグがあり、かといってNPCともいえないユイは、過去の記憶を失っていた。
ユイの為にキリトとアスナはこどもが多く残る「はじまりの町」へと向かうのだった。

この話の中で、このSAOを動かしていたシステムの名前やその機能などが解説され、物語の外堀が埋められている。
また、この話によって第一巻のラストでアスナがシステム的強制力をはじき返せた理由がわかる(一応、理屈もあったんだね。と)。

また、キリトやアスナといった「攻略組」と呼ばれるトッププレイヤーではない下層のプレイヤーたちの存在を描いた話でもある。
巨大な集団となって狂ってしまった軍と言う名のギルド。
仮想空間に閉じ込められてしまった子ども達。
また、死のリスクを恐れて一匹のワームと戦うよりも木の実が落ちるのを一日中眺める男なんてのもいる。
そう言う人たちの解放も、キリトやアスナなどのトッププレイヤーの双肩に掛かっていると言う重みが感じられる話。

キリトとアスナのイチャラブっぷり、そしてアスナのキリト好きっぷりが甘酸っぱいのは言うまでもない。

「赤鼻のトナカイ」
ゲーム開始から半年ほどが過ぎ、キリトがソロプレイヤーとして孤高の実力を確立したころに一度だけ属したギルド「月夜の黒猫団」。その中で出会った、そして死によって分かたれた少女・サチ。
年に一度のクリスマスイベントで現れるボスを攻略できれば、死者復活のアイテムが入手出来るという。
キリトは狂気とも言えるレベリングをして、ひとりそのボス攻略に向かう。

キリトが何故、ずっとギルドに所属せず、パーティーも組まずにソロで戦い続けていたのか。その理由を描いた話。
この話の中でキリトの数少ない友人クラインの存在とSAOの中での死が絶対であることが描かれる。
また、キリトがどうやって孤高の強さを手に入れたのか、SAOの中でのレベリングのやり方なんかも描かれているので、「トッププレイヤーは情報が違う。」や「良い狩場を独占する。 」といった今まで作品の中で出てきた言葉の意味が分かるようになる話でもある。

高校の同じ部の友人たちとギルドを組んでいたのに、安心感とかを全てキリトから得ていたサチがキリトを好きだったことは言うまでもない。
そして、ベッドを毎晩共にしててヲマイらソレで恋愛感情ないとか・・・、  言うまでもない。


時間軸的にはバラバラなこれらのエピソードをアニメ版では時系列で挟み込んである。
この第二巻のエピソードによって世界観が補完される事で、第一巻に戻るとディティールも深まるし、納得感もある作りになるのは間違いない。

まぁ、出てくる女性が皆キリトが好きなのは御愛嬌と言うか、お約束と言うか。
作者本人もあとがきの中で「推理小説の殺人事件がいつも同じ人の前で起こるようなもの・・・。」と言っているので、この辺にあまり鋭いツッコミを入れるのは無粋な話。

そして、この第二巻でSAOと言うゲームの話は完結。
第三巻以降は、別のゲーム世界にキリトが行ってしまう 「フェアリィダンス」編に入るそうな。

で、僕はと言えば、第三巻のサワリをサラリと読んで「あぁ、コレは読まないかな。」と判断した次第です。

まぁ、色々と言いたい事はあるけれど、端的に言えば「綺麗に完結させた作品で人気があるから頑張っちゃった続編(しかもそっちのが長い)とかで面白かった例が無い。」と言う典型のニオイがしました。

なので、僕の中の「ソードアート・オンライン」はココまで。かな、と。

そろそろアニメ版も佳境に入るので、綺麗なラストに期待です。



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September 20, 2012

ソードアート・オンライン 001 アインクラッド

ソードアート・オンライン


「これは、ゲームであっても遊びではない。」

ソードアート・オンライン 1 アインクラッド
電撃文庫  川原 礫 著  

現在OA中のアニメシリーズ「ソードアート・オンライン」の原作第一巻。


† 『ソードアート・オンライン』プロローグ †
 2022年。人類はついに“完全なる仮想空間”の構築を実現した。VRMMORPG(※仮想大規模オンラインロールプレイングゲーム)《ソードアート・オンライン》のプレイヤーの1人であるキリトは、ログインした他の1万人のプレイヤーとともにゲームマスターから恐るべき託宣を聞かされる。

 それは、このゲーム内でのゲームオーバーは、現実世界での“死”を意味すること。そして、ゲームクリア――全100層からなる巨大な浮遊城《アインクラッド》をすること――だけが、この世界から脱出する唯一の方法であること。
 キリトは、いち早くこのMMOが命をかけたデスゲームであるという“真実”を受け入れ、パーティを組まないソロプレイヤーとして、終わりの見えない死闘に身を投じていくのだった……。

DENGEKI ONLINE より


この第一巻「アインクラッド」は、主人公である黒の剣士・キリトと最強ギルドの副団長を務める女剣士・アスナの2人の関係を中心に、この仮想世界が終わるまでを描いた作品。
ある意味、この第一巻だけで 「ソードアート・オンライン」という作品は完結する。

この作品は、舞台設定や味付けとして仮想現実のRPGを使ってはいるものの、中身の半分以上は2年間の戦いの中で育まれてきたキリトとアスナの恋物語。

人間関係が不得手で、それ故にソロプレイヤーとして孤高の強さを手に入れたキリトと、この仮想世界と戦うことで人間的な強さとしなやかさを手に入れたアスナ。
そんな2人が、不器用ながらに近付き、認め合い、想いを重ねる。

甘酸っぱい。甘酸っぱいよ。こんちくしょう!!

ファンタジーRPGに慣れ親しんだ世代ならすんなりと入れる仮想世界の設定に、いわゆる「技名」のある剣戟アクション、そして高校生的な恋愛模様。
ライトノベル読者層の心をぐっと掴んで離さないのもうなずける。

って、あれ? この読者三十路半ばだけど? 良いの? こんなの読んでて良いの? ねぇ!

良いんです。趣味なんだから良いんです。面白ければ官軍です。

まぁ、そうは言っても、この作品は三十路男が驚くようなどんでん返しなどはありません。
このソードアートオンラインと言うゲームがそうであるように、定番のラインは外さないのです。
オーソドックスでスタンダードな話の作りで、むしろ、安心感と世界観を楽しむ作品でした。

あと甘酸っぱさね。甘酸っぱさ。最近足りてないんすよ。

いや、でも、まさか一巻で一応の完結をみるとは思ってもいませんでした。
この後の続刊を調べると、どうやら二巻はメインストーリーではなく、その戦いの途中途中であったエピソードをまとめた短編集のような作品になっているらしい。
んー。どこまで読みすすめるかは、ちょっと微妙・・・といったトコでしょうか。

とりあえず、この第一巻、第二巻を混ぜたストーリーが、現在O.A中のアニメシリーズらしいので、アニメからのファンとしては第二巻までは読もうかな。と。

原作を読むことで、アニメの方ではザックリしてしまっていた「現実の肉体」がどうなっているのか、とか、犯罪行為に走るプレイヤーたちはどんな人たちで、「軍」なる組織は何なのか・・・、とか諸々のディティールを固める事が出来ました。
これで、アニメシリーズを更に楽しめるハズ。

以上、最近のハマリ作品でした。


「パパ・・・、最近ラノベしか読んでないんじゃ・・・。」

「毎日新聞読んでますし、他の書籍も読んでますっ!!」



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April 25, 2012

偽物語 かれんビー(上)Blu-ray Disk 完全限定生産版

かれんビーか

予約注文しておいたのが届きましたー!!

中身は
・キャラクターデザイン渡辺明夫描き下ろしデジパック仕様
・本編Disk
 #かれんビー 其ノ壹
 #かれんビー 其ノ弐
・特典CD (かれんビー主題歌:marshmallow justice )
・三方背クリアケース
・特製ブックレット
・エンドカードピンナップ ×2
・スーパーピクチャーレーベル

・原作者:西尾維新書き下ろしキャラクターコメンタリー
1:副音声 戦場ヶ原ひたぎ・羽川翼
2:裏音声 千石撫子・阿良々木月火


まぁ、内容に関しては毎話レビューを頑張ったコチラ↓を御覧頂ければ幸いです。
「かれんビー 其ノ壹」
「かれんビー 其ノ弐」

このディスクの真骨頂は、なんと言っても原作者・西尾維新書き下ろしの副音声&裏音声!!

楽しみ過ぎるっ!!

まぁ、まだ今は復習を兼ねて通常の内容を流してる段階。
ウォーミングアップ。 ヲーミングアップっすよ。 準備運動大事っすよーーー!

来月、次のディスクが届くまで、ちびっとづつ、ながーく楽しみますよ。


さて、この間の西尾通信で物語シリーズの全話アニメ化が報じられていましたが、まぁ、楽しみなワケですが、僕はこのままだと全部買うよね。

買うね。

買うよね。



「アニヲタを自認する勇気!!」

「パパ・・・、どんなネタでも皆様が引かないと思わない方が良いでしゅ。」



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December 27, 2011

化物語 blu-ray disc box

偽物語 


ひとり西尾維新祭、継続中。
Amazon サンタが届けてくれた、自作自演の自分クリスマスプレゼント・その2。
「化物語 blu-ray disc box」 です。

ひたぎクラブ
まよいマイマイ
するがモンキー
なでこスネイク
つばさキャット

全15話収録。

意外と思うかも知れませんが、人生初のアニメシリーズBOXの購入です。

これで何回でも、何度でも、いつでも見放題!!

「買って、積んだら満足しちゃった。」なーんてコトにしませんよ。
とりあえず、通しで1回鑑賞。

やっぱ、イイなぁ。この作品は。
なんつーんだろ。好みのツボなんですよねぇ。
コレに関しては、他人と共感する気ゼロっすからね。ゼロ。

それにブルーレイは、やっぱ綺麗っす。
満足、満足、大満足。


さて、この作品の続編 「偽物語」のTV放送が発表になってました。

偽物語  

「偽物語 公式サイト」
ウチの入る放送局だと↓のどっちか。
Tokyo MX 1月7日 毎週土曜24時〜
チバテレビ 1月8日 毎週日曜25時〜

って、チバテレビの1月8日の25時〜って、いつなのさ。
月曜の深夜1時のコトなのか?
かえって分かりづらい気がするが・・・。

まぁ、何にせよ楽しみ。楽しみ。



「パパって・・・。 もう、ツッコミも面倒くさくなってきたでしゅ。」

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December 22, 2011

恋物語

恋物語


片想いをずっと続けられたら
それは両想いよりも幸せだと思わない?


恋物語
講談社BOX  西尾維新 著  VOFAN イラスト

「ひたぎエンド」収録

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あらすじ

「囮物語」から2ヵ月。
1月1日・元旦。

戦場ヶ原ひたぎは、自分の家族を破滅に追いやった詐欺師・貝木泥舟と会っていた。

本当なら自分の前に立つことなど許せない。
いっそ、刺し殺してしまいたい。
そんな恨み骨髄の相手、貝木泥舟。

そんな貝木に、戦場ヶ原ひたぎは電話をし、詐欺の依頼をした。

「あなたに騙して欲しい人間がいるの。」


公立七百一中学校二年生、千石撫子。
千石撫子は小学校時代から阿良々木暦に片想いをし続けてきた。
だが、阿良々木暦には彼女・戦場ヶ原ひたぎが居る。

そして、その事実を知り、その恋の終わりを知ることで蛇に噛み付かれ、いや、神憑かれ、蛇神になった。

蛇神となった千石撫子は、自分の願いを成就しようとした。

成就するコトのない、成就させるつもりの無かった片想いを永遠にする。
その為に、片想いをし続けてきた阿良々木暦を殺す。
そんな願いを。

阿良々木暦と、伝説の吸血鬼の残り滓・忍野忍。
運命共同体の2人が蛇神になった千石撫子に殺されようとする、2ヶ月前のその時。

「卒業式を待って欲しいの。」

卒業式が無事に済んだら、私も、阿良々木君も殺していいわ。

阿良々木暦の恋人である戦場ヶ原ひたぎの願いを千石撫子は受け入れた。

そして、千石撫子は待つことにした。
想い人の卒業式を。


このままなら、あと数ヶ月で、暦と自分は死ぬ。
戦場ヶ原ひたぎは、貝木泥舟に依頼した。

「千石撫子を騙して欲しいの。」


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物語シリーズの最終巻・・・だと思っていた、「恋物語・ひたぎエンド」。

僕が敬愛して止まない戦場ヶ原ひたぎが、シリーズ最初の「ひたぎクラブ」以来のタイトルであり、表紙もつとめるこの作品。
もちろん、今回の語り部は戦場ヶ原ひたぎのハズ。 そりゃあ、待ち侘びずにはいられませんでした。

語り部を務めるキャラは、やはり語り部であるが故に内面をさらけ出さざるを得ない。

無敵の完全無欠委員長・羽川翼が、ただの片想いをする女子高生だったように。
誰もが知るスター選手であり、露出狂の気がある天然モノの変態・神原駿河が、悩みを抱えた女子高生だったように。

周囲から見られているイメージと、本人の内面は、全くの別物。
そう、ワトソンの見たシャーロック・ホームズの事件簿と、シャーロック・ホームズ自身が語る事件簿は、同じ事件を扱っていても全く別の話になるように。

ツンデレを通り越してツンドラと呼ばれ、その氷の仮面を脱いで普通の女子高生に戻った戦場ヶ原ひたぎ。

最終巻だからこそ、遂に、そんな彼女が内面をさらけ出す・・・、ハズだったのに・・・。


そう思ったのに・・・、思っていたのに、語り部・貝木泥舟。

なのに・・・・、語り部・貝木泥舟?

って、えええええぇぇえぇぇぇぇぇ??!!

語り部・戦場ヶ原ひたぎ。じゃ、ねーーーのーーー?!


うわっ、男かよ。

しかも、「偽物語(上)」では、むしろ敵だった謎の詐欺師・貝木泥舟かよっ!

このシリーズでの登場回数は数えるほどの、貝木泥舟かよっ!!

なんつー、壮絶な肩透かし。

しかも、この語り部・貝木泥舟が、意外と良いのがまた悔しい。
しかも、貝木泥舟・・・・なんだかんだで内面を知ればイイヤツなんだもんなぁ。
まぁ、そんなコト言われても本人は「それさえ詐欺師の掌さ。」とか言いそうですけどね。

例えそうだとしても、シリーズの最終巻として最高潮に高まったクライマックスにキッチリとカタを付けてくれた貝木を、もう、嫌う事など出来ない。


で、あれ?

シリーズ主人公の阿良々木君は、今回、出てましたっけ?


ま、何はともあれ。

次巻からは、ファイナルシーズン!!

楽しみ。楽しみ。




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恋物語、読了。

恋物語


今日買ってきて、読了しちゃいました。
正に、一気読み。

23:50現在。
流石にこの時間なので、ちゃんとしたレビューは明日以降に書こうと思いますが・・・・、そうくるか西尾維新。

期待通り、だし。
期待以上、だし。

苦笑い、だし。

ニヤニヤ、だし。

そっかぁ。これ、セカンドシーズンの最終巻だったけど、物語シリーズの最終巻じゃなかったのねww。

ファンとしては嬉しい限りだけど。

でも、まぁ、苦笑うよね。

最終巻だと思ってたら、続編があるのって。
しかも、後から情報が出てくるワケじゃなく、その最終巻だと思ってた奥付に、その情報があるのって。

嬉しいから許すけど。

でもって、ニヤニヤするけど。




いやー、満足。

暖かくして、あとは寝よう。

明日は、Blu-ray の化物語を見よう。
いや、その前に iTunes を設定して、サウンドトラックを取り込まねば。

あー、忙し、忙しっ!!


「誰か、このダメな人に、人としての道を照らしてあげてくだしゃい。」



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October 31, 2011

刀語 −カタナガタリ−

刀語


化物語以来、高まっている僕のアニメ熱。
乱読ならぬ乱見中。

今度の作品は、西尾維新アニメプロジェクト第2弾「刀語−カタナガタリ−」。

とりあえず原作・西尾維新に信頼を置いての鑑賞開始です。

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時は戦国。
伝説の刀鍛冶・四季崎記紀の作った千本の刀。
この千本の刀を集めた数が、その国の戦力を示す。

だが、それ程の力を持つ千本の刀さえ、最強の12本「完成形変体刀」を生み出す為の実験台だった。

戦乱の世を統治した幕府は、その12本の刀が反乱の力となることを恐れた。
その脅威を取り除く為、尾張幕府家鳴将軍家直轄預奉所軍所総監督・奇策師とがめを刀集めに派遣する。

とがめはまず刀の情報を集め、刀を人を使って集めようとした。だが・・。

最初に派遣した金で動く忍者は、刀を手に入れた後、その刀の価値に目がくらんで帰ってこなかった。
二番目に派遣した名誉で動く剣士は、刀を手に入れた後、その刀に魅入られて帰ってこなかった。

そこで、とがめは「金」でも「名誉」でも動かない人間を探す。

そして、ひとつの答えに辿り着く。
刀を使わない剣士、虚刀流。

大乱の英雄・虚刀流六代目当主、鑢 六枝(やすり むつえ)。
大乱後に絶海の孤島に移り住んだ彼に会うため、とがめは海を渡る。

だが、とがめは六枝に会うことが出来なかった。
六枝は既に死に、虚刀流当主は七代目の鑢 七花(やすり しちか)に引き継がれていた。

とがめは刀を集める為、「金」でも「名誉」でもなく、「愛」で七花を動かそうとする。

「私に惚れて良いぞ!!」

その力強いとがめの思考暴走と、前向きさに惹かれ、七花は「完全変体刀」を集めるとがめの旅に同行することにした。

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だから何でだろう、西尾維新の作品のストーリーを要約すると、作品のレビューにならなくなるのは。

現在、第2話。
斬刀・鈍(ザントウ・ナマクラ)まで。

うん。

なんとも西尾維新らしいキャラクターに台詞回し。
その辺は期待通り。

でも、ちょっと展開と最強12本が普通すぎる感があるけどね。
目にも止まらない居合い刀の斬刀・鈍はまだしも、絶刀・鉋がただ折れない硬いだけの直刀ってのはどうだろうか。
まぁ、西尾維新作品はソコが肝じゃないから良いのか。

まぁ、この作品は化物語シリーズと比較すると、もう少し真面目に書かれている印象。
流石にあっちは趣味100%で書かれた作品ですから、ソレと比較するのは難しい。

コッチはちゃんと物語してるもんね。
まぁ、西尾維新作品が普通に物語してるのが良いのか、悪いのか。まだ判断は微妙、かな。

とりあえず、最後まで観てみようかと。


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October 18, 2011

とらドラ!

とらドラ!


父譲りの目の鋭さで周囲に恐れられている高校二年生・高須竜児。
だが、本当の彼は、夜の仕事をする母との二人暮らしで、彼は家事万能の家庭的青年。
彼は同級生の櫛枝実乃梨に好意を寄せていた。

両親との確執からひとりで暮らすことを余儀なくされている竜児の同級生・逢坂大河。
小柄でありながら、その凶暴性は周囲の誰もが知る。通称・手乗りタイガー。
彼女は、竜児の親友である北村祐作に好意を寄せる。

ある日、大河が北村に書いたラブレターを竜児のカバンに間違えて入れてしまったコトから、竜児と大河の関係が始まる。

竜児に秘密を知られた大河は、竜児の記憶をなき物にしようと闇討ちを仕掛け、その夜がきっかけで、大河と竜児は「お互いの恋を応援する共同戦線」を張ることになる。
その後、家事全滅の大河は、竜児の家庭料理に心をほどき、なし崩しに高須家に入り浸るようになっていく。

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ライトノベル発信のアニメシリーズ。
学園恋愛ラブコメ。

一応、はじめてはみたのですが・・・、 んー。
コレはどうだろうか。

まだDisk1、初めの2話を見ただけで評価をするのは、アニメシリーズに対しては早計かも知れませんが・・・。

でも、コレはどうだろうか。

アニメですし、無茶な設定でも良いんですよ。
アニメですし、無茶なキャラでも良いんですよ。

真面目なリアリティとか求めるならアニメじゃなく、映画とか観ますよ。

問題はソコではなく、その無茶な設定やキャラで、でもその状況で登場人物達が真剣に悩んだり行動するコトだと思うんですよ。
まぁ、願わくば、その無茶な設定やキャラも登場人物が真剣に生きてきた結果であって欲しいワケですよ。

全身にダイナマイト巻いてる(無茶な設定)って状況は良いんです。
でも、その状況で、他に道があるのに焚き火を飛び越えるのは許せない。
そんなトコです。


んー。

その観点からこの作品を観るとどうだろうか。
登場人物たちは真剣だろうか。
盛り上がりの為に火を飛び越えてはいないか。

第2話現在、僕には真面目にやってるように見えないんだよなぁ。
大河も竜児も、本気で自分の恋を成就させようとする高校生に見えないんだよなぁ。
そして、北村くんはどんだけ上から目線なんだか。


まぁ、ラブコメアニメにそんな観点は要らんよ。と、言われてしまえば
「はい。それまでよ。」



「パパは何を求めて・・・いや、あえて言わないでしゅ。」


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October 15, 2011

鬼物語

鬼物語


鬼物語
講談社BOX  西尾維新 著  VOFAN イラスト

「しのぶタイム」収録

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あらすじ

「傾物語」でタイムスリップ、いや、パラレルワールドからの帰還を果たした阿良々木暦と忍野忍。

夏休み最終日の夜に夏休みの宿題を終えてないことに気付いてから、時は過ぎ、戻ってきた現実は、始業式の朝。
「猫物語(白)」で、羽川翼が虎と出会っていた頃、阿良々木暦はかつて蝸牛(カタツムリ)の怪異であった幽霊少女・八九寺真宵と出会っていた。

出会った人の帰り道を分からなくしてしまう、迷子の怪異・迷い牛。
11年前の母の日に、離婚して離れて暮らす母に会おうとして事故に遭い、この世に迷いを残して怪異となった少女・八九寺真宵。
彼女は、阿良々木暦と出会うことによってその想いを昇華させ、浮遊霊へとクラスチェンジしていた。

鋭く、早く、面白い。
阿良々木暦にとって、11歳で年齢の止まった少女・八九寺真宵とのテンポ良くヒネリの利いた会話は、何物にも代えがたい至福の時。

そんな2人が並んで歩いていた時、「それ」は現れた。
「それ」としか表現することが出来ないその存在は、ひとことで言うならば「くらやみ」。

様々な経験から、とっさに「それ」の内包する危険性を感じた阿良々木暦は、曳いていた自転車に飛び乗り、八九寺真宵と共に一目散に逃げ出した。
だが、いくら必死に逃げても、距離感も速度もわからない「くらやみ」から逃げる事が出来ない。

もう、呑まれてしまう・・・  
そう感じた瞬間、以前(傷物語・下)死闘を繰り広げた童女の式神・斧乃木余接の力で、何とか難を逃れることが出来た。

正体不明の「くらやみ」。
一体、あれは何なのか・・・。

その謎のヒントは、忍野忍の過去にあった。

阿良々木暦の影に縛られている幼女姿の吸血鬼・忍野忍。
彼女は、かつては怪異の王、怪異殺しと呼ばれた吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの哀しき残骸。

その最強の吸血鬼が全盛の力を誇った400年前。
眷属を作らない吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードが、600年近い歴史の中でたった2人生み出した眷属の1人が生きた時代。

そこで忍は出会っていた。
あの「くらやみ」に。

忍は、かつて1人目の眷属と生きた時代の事を語りだした・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

遂にシリーズの刊行に追い着いてしまいましたの最新刊。
残すところはあと一冊の最終巻。

久しぶりの語り部・阿良々木暦。
幼女と童女と少女を同時に相手取り、人の道ギリギリ、ギリギリ?、いや、2歩ばかり踏み外した内容は、阿良々木君の真骨頂。

そして、遂に語られる忍の過去。

サブタイトルは「しのぶタイム」だし、今回はてっきり忍メインの話かと思いきや、思いきや。
確かに半分くらいは忍の話なんだけれども。

今回のメインは、八九寺真宵。
誰がなんと言おうと、八九寺真宵。

まぁ、「傾物語」でメイン八九寺かと思わせておいての、阿良々木・忍コンビ話だったワケですし。
今回は忍メインと思わせてからの八九寺メインと言う展開は、足して2で割ればフェアなのか、どうなのか。



とにかく、エゴとか、甘えとか、便利な御都合とか、そう言う他の作品だったら「設定だから」で軽く流してしまうような罪に、無常なまでに厳しい作品だよ・・・ホント。

前作の「囮物語」で、みんな大好き妹キャラ・千石撫子の一方的な片想いを、エゴイスティックで幼稚な想いと見事に切って捨てた。

そして、今回斬られてしまうのは、本来だったら成仏して存在しないハズの怪異・八九寺真宵。

世の中には、良い嘘と、悪い嘘がある。
でも、許される嘘はない。

11年間迷い続けて、やっと開放された彼女の、嘘で作られた幸福の3ヶ月は今・・・。



うわぁーーーーん。

ハチクジがっ、ハチクジがぁーーーー。

えっく、えっっく。ひっく。


でも、ラスト、すごく良かったぁ。

良かったよぉーーーー。

くわぁ。このシリーズで本気泣きそうになるなんて、思わなかった。


「失礼、噛みました。」からの一連のアレは、こんな素敵なラストへのフリだったのか・・・。

やられた。




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October 08, 2011

囮物語

囮物語


囮物語
講談社BOX  西尾維新 著  VOFAN イラスト

「なでこメデューサ」収録

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あらすじ

「殺しに来たぜ、千石。」

篠突く雨の中、阿良々木暦と対峙する少女・千石撫子。
彼女の髪は百万の蛇となり、逆立つ。

「暦お兄ちゃんなんて大っ嫌いだよ。」

彼女の握る大蛇の牙は、彼女が好きだった阿良々木暦の心臓を突き破り、その破片が彼女に降りそそいだ・・・。


公立七百一中学校二年生、千石撫子。
阿良々木暦の妹・月火の同級生であり、小学校低学年時代から阿良々木暦を好きで在り続ける少女。

長い前髪で顔を隠し、表情を隠し、心を隠す。
なるべく他人との会話を避け、接触を避け、関わることを避ける。
性格は内向的であり、根暗であり、人見知り。

撫子は、六月に阿良々木暦と再会し、命を救われた。

彼女を好きだと言う少年を振った撫子は、その彼を好きだった友人と、その彼から蛇の呪いを受けた。
ただの素人中学生がかけた「蛇切縄」と呼ばれるその呪いは、本来なら発動するワケのない呪いだった。

「蛇切縄」の解除方法。
生きた蛇を5つに裂き、五寸釘でそれぞれを打ち付ける。

撫子は素人ながらに専門書を読み、解呪を試みた。
だが、そんな撫子の行動によってその呪いは力を持ってしまう。

撫子が解呪を試みた場所、北白蛇神社は怪異の王である忍野忍の存在に惹かれた怪異たちが集まる、怪異の吹き溜まり。
今は荒廃しているとは言え、かつては蛇を奉った場所で、怪異の吹き溜まりで、彼女は蛇を殺し続けた。

彼女の行動によって発動してしまった「蛇切縄」の呪いは、阿良々木暦との再会によって開放された。

同級生からの呪いで命を奪われかけた撫子は、完全な被害者。

だったのだろうか。

彼女のその行いを見咎める存在があった。
かつて北白蛇神社で信仰を集めた蛇神・クチナワ。

解呪の為に撫子が殺し続けた蛇たち、クチナワにその償いを求められた撫子は自分の罪を受け入れた。
クチナワが示した償いは、かつて北白蛇神社に奉られていた御神体を探し出すこと。

撫子は、神に憑かれるコトとなった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今回の語り部は、内向的美少女中学生・千石撫子。

バサ姉、神原ときて、今回は妹キャラ代表の撫子。
語り部が阿良々木君じゃないのもそろそろ慣れてきました。


6年間もずっと1人の人を好きで居続けてきた。
久しぶりに再会した想い人を「お兄ちゃん」と呼び、慕う。

でも、迷惑をかけたくない。
だから、告白なんかしない。
傍に居られるだけで、好きで居られるだけで、満足。

そんな阿良々木暦への、永遠の片思いを続けてきた千石撫子。

絶対に叶わないと分かっている恋なら、いくら追い続けたって傷つくことはない。
手の届かない理想の相手に恋をし続けるコトで、本当の恋と向き合うコトも、本当の自分の気持ちと向き合うコトも、他人と向き合うコトも、好きな人と向き合うことからも逃げてきた。

一方的で、勝手で、幼稚な想い。

なのに、阿良々木暦が彼女である戦場ヶ原ひたぎと歩いている姿を見て、彼女は壊れた。
理想の相手が、理想の相手で居続けてくれなかったコトで、彼女は壊れた。

そして、彼女は蛇に咬みつかれた、いや、神憑かれた。



うわーーーーー。

千石撫子、ラスボス決定だぁ。

そっかぁ、そうなるかぁ。

うわーーーーー。

そうなるかぁ。

どんな作品にも居る、非現実少女。
幼馴染で、内気で、血は繋がらないのにお兄ちゃんと呼んで慕い、ずっと一方的に主人公が好き。

そんな理想の「妹キャラ」千石撫子。

でも、確かに撫子の抱える想いを現実のものと考え、客観的に説明してしまうと

一方的で、勝手で、幼稚な想い。

そういうコトになるよなぁ。

中学生女子が抱える「理想の相手への片想い」なんて、誰もが通る可愛いものだけど。
でも、自分の弱さで傷つきながらも、きちんと自分の弱さと向き合う強い人たちの中で、彼女の弱さは際立ってしまう。

そうかぁ、ラスボスは撫子ですか。

そうですか。



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October 05, 2011

花物語

花物語


花物語
講談社BOX  西尾維新 著  VOFAN イラスト

「するがデビル」収録

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あらすじ

私立直江津高校三年生・神原駿河。
直江津高校の、いやこの地域きってのバスケットボールプレイヤーだった彼女は、スポーツに力を入れない高校を全国大会にまで導いたスター選手であり、スターだった。
だが、高校二年生の時に「猿の手」ならぬ「悪魔の手」に叶わぬ願いを願い、結果、その左手に悪魔を宿すこととなった。
彼女の選手生命はそこで終わった。

どんな願い事でも3つ叶えてくれる「悪魔の手」。
だが、それは、願った者の願いを歪んだ形で成就させる呪いのアイテム。
「足が早くなりたい。」と願えば、自分よりも足の速い子を亡き者にして、結果、自分が最も足が早くなる。
「あの人の隣に居たい。」と願えば、その人の隣に居る人を亡き者にしようとする。

現在は彼女の願った願いを、叶えようがない「契約の不履行」と言う形で、なんとか悪魔の動きを封じてはいるものの、それはキワどく、危ういバランスの上。
いつその左手が自分の意思に反して人を傷つけることになるか分からない。

そんなコトはないなんていう保証は、ない。

母親の形見でもあるその「悪魔の手」を左手に宿した神原は、自分への罰としてその状況を受け入れつつ、毎朝新聞の隅々に目を通し、眠っている自分が犯してしまったかも知れない事件を探し、それが無いことに胸を撫で下ろして過ごしていた。

そして、彼女の敬愛する戦場ヶ原ひたぎと、阿良々木暦が卒業した春、彼女はひとり残された直江津高校で三年生になった。
新しい学年が始まる始業式の朝、神原はひとつの噂を耳にする。

「悩みを必ず解決してくれる、悪魔様って知ってますか?」

どんな悩みでも解決してくれる悪魔。
あくまで噂話とは言え、本物の悪魔を左手に宿す神原にとって、それは心穏やかならぬ噂だった。

だって、それは、もしかしたら、自分の知らない自分かもしれない・・・

神原は「悪魔様」の噂を追った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


今回は、ななななんと、語り部・神原駿河!!

うわー。バサ姉だけの特別ミッションじゃなかったんだ・・・。

しかも、シリーズ主人公の阿良々木君は高校を卒業して大学生になってしまっているとゆー。
しかも、今回の作品の中にはほとんど登場しないとゆー。
しかも、「猫物語(白)」の時と同じく、ラストの美味しいトコだけ、良い感じに奪い去っていくとゆー。

てか、阿良々木君は、あらゆるヒロインの心を奪っているとゆー。


さて、今回は「自分の見る自分、他人の見る自分、自分の見る他人」の認識のズレを扱った物語。

著者曰く 「人の人に対する認識なんて、人の数だけ誤解があり、勘違いがある。勘違いもまかり通れば事実になるし、誤解もまかり通れば真実になる。その全てが真実であり、真実は無数にあり、でも実際はどこにもなくて、そこには誤解だけがある。」

「スポーツ少女だと思う人にはスポーツ少女であり、変態だと思う人には変態である。」なんて、懐かしい台詞が頭をよぎるけれど、神原の存在はこの台詞に集約されているのだろうか。

明朗快活なスポーツ少女。前向き。スター。ある一部では変態。
そんな肩書きが一人歩きして、自分自身の自分自身に対する認識とのズレを常に感じている神原駿河。
そんなのは、誰でも感じる違和感。でも、スターである神原は普通の人よりずっと多くの人から、本当の自分とは異なる理想像のイメージを持たれてしまう。

「自分はそんな人間じゃない。」
もっと愚かで、後ろ向きで、どうしようもない。だから、この左手に悪魔を宿すことになったのだ。これはそんな自分への罰なのだ。
そんな想いに縛られていた彼女が、そんな自分から、悪魔の左手から、自由になる物語。


語り部・神原って、こんなに真面目な展開になるんだ。ていう驚き。

凄くスポーツマンな青春物語を読んでしまった感じ。

BLな妄想も、スーパーのゲームコーナーを占領することも、阿良々木君とガハラさんには言えない様な絡みをすることもない。
あくまで真面目に問題と向き合い、自分自身と向き合う神原は、なんて言うか、すごく大人だ。

途中まで、阿良良木君ならどうするか、と、怪異と向き合う自分を阿良々木君に重ねるが、そこは憧れであり、先輩である存在を真似てしまうのも致し方ないコト。
だが、最後には彼女は彼女だけにしか出来ないやり方で、彼女だけの答えで問題を解決する。

最後の答えも、やり方も、成長も、全部含めて、神原がすごく大人だ。


まさか、この子が「おっぱ○」と言う言葉をあんな風に使うだなんて・・・
まさか、この子がブルマやスクール水着をあんな風に・・・だなんて・・・

この「花物語」を読んだだけなら、とても信じられないねっ。



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September 21, 2011

猫物語[白]

猫物語 白


猫物語[白]
講談社BOX  西尾維新 著  VOFAN イラスト

「つばさタイガー」収録

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あらすじ

二学期の始業式の日。
私立直江津高校三年生•羽川翼は、虎と出会った。

虎に翼ならぬ、翼に虎。

巨大で人語を解するその虎は、翼とすれ違うときにこう言った。

「白い、白くて、白々しい。」

翼をそう評して虎が去っていった後、始業式が始まる前の教室で翼は自分の家が燃えているのを眺めることとなった。
翼は、帰る家を失った。

翼の家庭環境は複雑だ。
私生児として生まれ、唯一の肉親だった母は記憶の無い頃に死に、血の繋がりのない親の間を渡って、今は縁も所縁もないのに彼女の両親と呼ばれる人たちと暮らしている。
そんな環境だからこそ、翼は「良い子」であることを自分自身に強要し、完全無欠の委員長となった。
そんな彼女だからこそ、両親は彼女を疎み、言葉を交わさず、料理も別の道具で別々に作り、別々に食べた。

完全に互いを無視することで成立していた翼の家。

その家が燃えて、燃え落ちて、跡形も無くなって、翼は帰る場所を失った。

そして翼の近くで続く、火難。
幾つかの家を渡り歩き、何人かの人に助けられる中、翼はこの火難の理由が例の虎にありことに思い当たる。

翼の想い人であり、彼女たちの近くで起こる怪異の問題を一手に引き受けてくれていた阿良々木暦。
彼が不在の隙を狙ったかのように起こった怪異の事件。

翼は、自分の周囲で起こったコト、人との出会いと言葉の中から虎の正体を知ることになる。

それは、彼女が逃げることの出来ない、彼女の向き合うべき、彼女しか向き合えない怪異だった・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

このシリーズで初めて、語り部が阿良々木君ではない。

今回の語り部は、完全無欠の委員長・羽川翼。

今まで完全無欠と評されてきた彼女が語る、彼女自身の物語。
ワトソンが記録したシャーロック・ホームズの事件簿ではなく、シャーロック・ホームズ自身が記した手記。
それは、当然ながら完全無欠などではない、ただの人間である彼女が彼女の言葉で語る物語。

著者が語る通り、この猫物語「白」からこのシリーズは新章に入ったワケで、今までの「化物語」の中で語られた前後の物語や伏線の回収から離れ、これから語られるのはその先の世界。

「化物語」のエピソードとして語られた「偽物語(下)」で、自分のトラウマを克服し、新しく歩き出した戦場ヶ原ひたぎ。
同じく、阿良々木君への恋心を封じる為に髪を切り、完全無欠の委員長からいめちぇんをした羽川翼。

そんな彼女たちが阿良々木君抜きで向き合うことになった、虎の怪異。

蟹・蝸牛・猿・蛇・猫・蜂・不如帰ときて、虎。

妖怪怪異と関わり続けてきた阿良々木君でさえ驚きのランクアップ。
それは、長年にわたって自分の心を殺し、偽り、切り離してきた翼が向き合わなくてはならない自分自身だった。


今回は、語り部が翼。
バサ姉と言うことで、このシリーズでは異端とも言える真面目な展開。
女子中学生の半裸も、兄妹の倫理的にキワドイ絡みも、女子小学生への虐待もない。
メディアミックスどんと来い!!

と、まぁ、こう書いてしまうと、今までの阿良々木君って何なんだろうと思ってしまうが、今回はシリーズ主人公であるところの阿良々木君は最後の最後に美味しくも格好いいトコだけ持ち去るヒーロー。

翼目線だと阿良々木君ってこんなに格好良いのかと、驚きが隠せない。こりゃあ、惚れるわ。

今回はメディアミックス拒否の阿良々木暴走がない代わり、翼目線の恋心が堪らない。
女の子の恋心と言うか、妄想の仕方もまた甘酸っぱく、きゅんきゅんキテしまう
好きな人のパジャマに袖を通すとか、好きな人の布団で寝るとか、好きな人の匂いとか、こんな時に彼ならどうするだろうとか、そんな翼の阿良々木君を想う気持ちと行動にきゅんきゅんキテしまう。

そして、この作品の中で成長し、完全無欠の委員長から普通の女の子に変わった翼が堪らない。
失敗して、傷ついて、でも、その痛みを受け止めて前に進んだ翼が可愛くて仕方ない。

新章に入って、更にこのシリーズが好きになりました。




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September 19, 2011

猫物語 [黒]

猫物語


猫物語[黒]
講談社BOX  西尾維新 著  VOFAN イラスト

「つばさファミリー」収録

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あらすじ

傷物語」で私立直江津高校に通う阿良々木暦(あららぎ・こよみ)が吸血鬼に襲われ、自ら吸血鬼となり、そして人間もどきに戻ってから1ヶ月後。

化物語」で阿良々木暦が様々な怪異と関わり、戦場ヶ原ひたぎと付き合うことになる1ヵ月前。

4月末から5月頭にかけたゴールデンウィークと言う名の大型連休9日間。
阿良々木暦の恩人であり、同級生の羽川翼は猫に魅入られた。

その怪異の名・「障り猫」
幸福を呼ぶ「招き猫」に相対する存在として、不幸を呼ぶ銀色の毛皮をした尾のない猫。

道端でボロボロになった猫の死骸を装い、それを埋葬した善良な人間の心の裏側に入り込む怪異。
その猫に魅入られた人間は、心に秘めた鬱屈した闇を開放してしまう。
他人に「触る」ことで生気を吸い取り、「障り」を起こす。

怪異としての知名度も格も決して高くない「障り猫」。だが、魅入られたのは完全無欠の委員長・羽川翼。
彼女の知性を身に着けた猫は、妖怪怪異のオーソリティ・忍野メメをもってしても手の出ない怪異「ブラック羽川(命名・忍野メメ)」へとレベルアップしてしまっていた。

障り猫から翼を救うため、暦は動いた。
だが、それは翼の閉じ込めていた心の闇を深く知ることと同じであった。

翼の闇。 
すなわち、翼の家族の問題は、暦の想像を超えて翼の心に圧迫し、削り、病ませていたのだった。

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このシリーズのレビューを書いていて、いつも思う。 

「あらすじだけ書くと、なんか格好良い。」


さて、今作もシリーズ恒例のアホ雑談満載で御座います。
で、今回の目玉は、兄・暦と妹・月火の冒頭から80ページに及ぶ 「恋って何だろうね、月火ちゃん。パンツって白が良いよね、お兄ちゃん。」談義(笑)。
「黒い下着はそんなにエロくないよね。」で、中二の妹とハイタッチをし、恋愛相談の中で妹の胸を揉んで「お前の胸が、僕の手のひらを揉んできた。」と豪語する主人公・阿良々木暦。

あれ? 
なんだろう。このアニメ化を絶対拒否した内容は。
メディアミックス出来るものならやってみろ。とゆーー、西尾維新からの挑戦としか思えない。

でも、アニメ化しちゃうんですよね? >シャフトさん!!
などと、ラノベを読みながら叫びたくなる33歳男。

この時点で既にダメ人間マックスかつチキンマックスの阿良々木と同等か、それ以上のダメさを自分の中に見出さずにはいられない。


さて、少し真面目な感想をば。

この猫物語の中で、阿良々木君の中の羽川翼への想いはある確かなモノに変わった。
それは、尊敬であり、思慕であり、微かな恋心だったモノが、相手の為に死ねる、死にたいという決意に変わってしまった瞬間でもあった。
その瞬間、阿良々木君の中にあったかも知れない、羽川翼への恋心は永遠に失われてしまった。

この阿良々木君の心情の変化は、小説の中で読んでいると納得で、男の子的には格好良くて、その後の展開もこの決心があってこそのモノなんですが・・・

翼の想いを考えると、切なすぎて泣けてくる。

この暦の心境の変化は、暦が勝手に自分の中で翼へ想いを昇華させてしまい、想いを伝えることなく勝手に失恋して、勝手に納得しているワケで。
翼にしてみれば、暦が自分に恋心を抱いてくれていたことも、愛と呼べる想いを抱えていることも、それを生涯伝えない決心をしてしまったコトも、知らないまま。

しかも、この暦の心が変わってしまった9日間の記憶を失っているなんて。

それは、「あれ? 私たち、このまま付き合うんだよね?」と確信にも似た執行猶予期間だった2人の間に、突然に越えられない溝が生まれてしまったのと同じ。
甘い執行猶予を楽しんでいた間に想い人の心は変わり、自分が行動に移る前に鳶に油揚げが攫われていく。

この状況は次の煉獄を連れてくるに充分だと確信してしまう。

てか、最後に忍野が阿良々木君に「結婚しちゃえば。」と声をかけた時、ほとんどの読者が「そうだ、結婚しちまえ。」と思ったに違いない。

僕は阿良々木君の彼女である戦場ヶ原のファンだけど、神原の予言通り「なんだかんだで最終的には翼と結婚してる。」に一票を投じてしまうなぁ。

ねぇ? >D樹 メケちゃん


でも、良く考えれば、翼の知性とか読みが完全無欠みたいに忍野は言うけど、阿良々木君の変化を読みきれず、自分の心も把握仕切れなかった翼は、誰がなんと言おうと普通の女子高生だったんだろう。

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August 13, 2011

傷物語

傷物語


傷物語
講談社BOX  西尾維新 著  VOFAN イラスト

「こよみヴァンプ」収録

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あらすじ

化物語から時を遡ること2ヶ月。

それは、年度替りの終業式の日。
私立直江津高校に通う阿良々木暦(あららぎ・こよみ)は、2年生と3年生の間にある、この春休みに地獄を見た。

それは今後、彼が深く関わってしまう 「この世ならざるモノ = 怪異」 との、初めての出会いだった。

その日、阿良々木暦はひょんなコトから羽川翼と言う同級生と知り合いになり、そして、その夜に吸血鬼と出会った。
怪異と呼ばれる存在の中で、最上位の存在・吸血鬼。
しかも、彼の出会ってしまった吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードは、その中でも別格に扱われ、「怪異殺し」と呼ばれる伝説の存在。

だが、阿良々木暦が出会った彼女は、両手両足をヴァンパイアハンターに奪われ、瀕死の重傷をおっていた。

彼女は言った 「儂を助けよ。うぬの血を全てよこせ」 と。

ヴァンパイアと言う現実離れした存在。
その美しさと威厳に圧倒される。

でも、そんなバカな話があるか。
そんなコトをしたら、自分が死んでしまう。

1度は逃げ出そうとした阿良々木暦だったが、彼は泣き崩れる彼女を見捨てることが出来なかった。

そして、自分の首を彼女に差し出した。 死を覚悟して。


だが、彼は再び目覚める。
その時の阿良々木暦は既に人間ではなく、吸血鬼だった。
鉄血にして熱血にして冷血なるキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの眷属として彼は生まれ変わってしまったのだ。

ハートアンダーブレードは言う。
「儂の奪われた四肢を取り返せば、うぬを人間に戻してやれる。」と。

その時から、吸血鬼・阿良々木暦は、3人のヴァンパイアハンターと死闘を繰り広げることになるのだった・・・。

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遂に語られる、地獄の春休みの全貌。

どうやって阿良々木君は吸血鬼になったのか。
どうやって阿良々木君は忍野メメや羽川翼と出会ったのか。

なぜ阿良々木君は忍に血を分け与えるのか、そして忍とは何者なのか。
なぜ阿良々木君は忍野メメに莫大な借金を負い、羽川翼に恩を感じているのか。

その全てが、明かされる。
これを読んで、やっと化物語が完結したかのような気持ちになる。

先の展開を知らない分、原作・化物語よりも楽しんで読むコトが出来ました(←当たり前)。


この話を読むと、阿良々木君と言う人間の特異性が際立ってくる。
これじゃあ、羽川翼でなくとも惚れるわ。

でも、これだけの状況になったらフツーは羽川と付き合うだろうに。
てか、もう、付き合ってるって言っても過言じゃなかろうに。

この展開から鳶に油揚げを奪われてしまった羽川の驚きと苦しみたるや、想像を絶する。


うーーむ。 このシリーズに完璧ハマってしまった。

次々いくぜ。




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August 07, 2011

化物語 (下)

下巻


化物語(下)
講談社BOX  西尾維新 著  VOFAN イラスト

「なでこスネイク」 「つばさキャット」収録

あらすじなどはコチラへ →「化物語(上)」


いや、ただ単に「上下巻、読み終わりました。」と、いう話。
オチまで知って読んでるんですけどね。

うーん。やっぱなんだかんだでイイ。


で、その結果と言っては何ですが、このシリーズを読み進めるコトにしちゃいました。

傷物語

昨日、続巻の「傷物語」も買ってきました。

この「傷物語」は劇場版が公開になるので、ソレを観る前に原作を読んでしまうかでちょっと悩んだんだんですけどね。
我慢出来ず。

33歳、男。
ライトノベルにハマル。

これって・・・・あり?


「なしでしゅ。」

「でしゅかー。」



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