邦画

August 23, 2016

思い出のマーニー

思い出のマーニー [DVD]
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
2015-03-18


2014年・日本映画
スタジオジブリ制作


周囲に心を閉ざした12歳の少女・杏奈。

光の角度によって青く見える杏奈の瞳。
杏奈の保護者は、杏奈の本当の親じゃない。
他人と自分は違う。
その想いが、杏奈から周囲に距離をとらせた。

喘息の療養のために、親戚が暮らす海辺の町へとひとりでやってきた杏奈は、海辺の湿地の中に立つ洋館を見つける。
満潮になると海に浮かぶようになる洋館に、杏奈は何となく見覚えがあった。

そして杏奈は、誰も居ないはずの洋館の2階の青い窓に立つブロンドの少女と出会う。
ブロンドの少女の名はマーニー。

杏奈は、まるで魅了されたかのようにマーニーに惹かれていくが、杏奈とマーニーの周囲では不可思議なことばかりが起こる。
だけど、この2人のことは、すべて2人だけの秘密。

記憶、時間、場所。
すべてが混線していく中で、杏奈はマーニーが誰なのかを知ることになる・・・・。


ふわふわのブロンド、透けるような白い肌、青い大きな瞳。
マーニーは、まさに「人形のような」美少女。

古い記憶にあるような、ないような。
初めて出会ったような、再会のような。

不思議な距離感を持つマーニーの正体は誰なのか。

そんなミステリアスな要素と杏奈が抱えた悩みが絡まりあい、そして、そのミステリーを紐解いた時に杏奈の悩みが昇華されていく。

そのストーリーの筋立てはわかる。が・・・、杏奈とマーニーに共感が出来ませんでした。

アラフォー男が観るべき作品ではなかったかな。

親友と呼べる少女たちの間だけで成立する会話、成立する行動。
逆に、他の少女たちとの間で生まれる軋轢とも呼べないような摩擦やスキマ。

映画を観ていれば、杏奈が何に怒り、何を嫌がり、何に喜んでいるのかは分かるものの、そのどの感情も自分の中に持ったことが無いものばかり。

主人公の杏奈は、12歳という、大人でもこどもでもない、感受性が最大限に肥大した思春期の少女。
その杏奈の感性に共感できるアラフォー男ってのも気持悪い気がするので、仕方がない。

共感出来ないでこの作品を観ていると、かなり中盤がタルい。


11歳の女の子は新人OLと思え。
11歳の男の子はカブトムシと思え。

そんなコトを言う、教育評論家がいるとかいないとか。

まぁ、12歳の頃はカブトムシだったので、新人OLがどんなコト考えてたかなんて、分かるわけないよねぇ。


最終評価 B−



僕が不思議なのは、僕よりも5歳年上の男性である米林宏昌監督が、なんでこの作品を作ったのか。
かなり微妙な少女たちの関係を描く作品を、40男が撮りたい思った理由は何だろう。

色々と想像してみるものの、なんだか下世話な妄想しか出てこない貧困脳。

本当に自分から作りたいと思った作品だったのかなぁ?
なんて、ゲスの勘ぐりか。



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August 21, 2016

シン・ゴジラ (4D・劇場観賞)

image

2016・日本映画
庵野秀明監督

日本(現実) 対 ゴジラ(虚構)

東京湾内に無人のプレジャーボートが発見される。
その時、海底火山の噴火かと言う激震が走る。

海面の一部の温度が急激に上昇し、もうもうと水蒸気が上がる。
ホットスポット近くの地下高速では天井が崩れ落ち、政府は緊急対応に迫られることになる。

初動にあたった内閣官房副長官の矢口(長谷川博巳)は、次々に上がってくるネットの動画から、未知の巨大生物の存在を考える。
だが、そんな夢物語で政治が動くわけがなく、矢口の進言は戯言として無視される。

しかし、想定内の事象にしか想いを馳せず、予定調和で会議が終わろうとする中で事態は動く。
TVのニュースに振り上げられた巨大な尻尾が映ったのだ。

矢口の進言した巨大生物が、水蒸気を上げながら川を遡上する。
川に浮かんだ船が次々と玉突きになり、小さな橋が落ちていく。

「あんな巨大な生物が自重を支えて陸上に上がれる訳がない。」そう考えれば、次の瞬間には上陸の報告が入る。
想定外の巨大生物の前に政府の対応は後手後手に回る。

巨大生物は自由に東京の街を破壊し、被害が拡大していく。

未知の巨大生物などという想定外の存在に対して、人間が築いてきた政治と言うシステムはあまりにもぜい弱だった・・・・。


「日本(現実) 対 ゴジラ(虚構)」のキャッチフレーズに偽りなし。

現代の日本に本当にゴジラが現れたらどうなるか。
その空想だけど妄想と言えない想像を、映像にしたらこうなったという作品。

例えば、緊急事態とは言え、自衛隊が東京都内で武器を使用するには何重もの法的なハードルがあり、歴史の過ちを繰り返さないために作ってきたハードルによって対応が遅れていったり。

政治的な判断をする時に、日米安保にかこつけて横から口を出してくるアメリカの対応に追われたり。

単純に住民の避難と言っても、移動方法、疎開先、すべての段取りを考えると、何百万という人間が同時に避難すると言うのは言葉で言うほど簡単ではなかったり。

「ゴジラ」という存在は圧倒的な虚構なのに、それに立ち向かう日本は徹底的に現実。

そのコントラストがこの作品の妙。


展開は、庵野節が炸裂しまくり。

まず、専門用語や状況に丁寧な説明はない。
バックボーンも細かくは説明されない様々な専門家が、次々に入れ替わり立ち替わりに専門用語を交わしていくので、庵野監督作品に慣れていない人は置いてきぼりを食らってしまうだろう。

だが、そこは歴戦のエヴァファン。
謎の専門用語に対する高速脳内変換がフル稼働しました。
「雰囲気で分かれ。」と言うこの感じが、庵野作品を観てるって感じ。

そして、主人公はだいたい官房副長官の矢口なのだが、完全に主人公然としている訳ではない。
キャチコピー通り「日本」対「ゴジラ」なので、名もない自衛官や、名もない科学者が一気にクローズアップされ、入れ替わり立ち替わりで物語が進んでいく。

その中心となるヒーローの居ないゴチャゴチャした群像こそが、日本の日本らしさとして描かれている。

圧倒的な決定権と責任を持った大統領が居ない代わりに、内閣総理大臣が死んでもすぐに代わりが見つかる。
それが日本の弱さであり、強さとして描かれる。

ホント、内閣総理大臣とか何の前フリもなしに蒸発させられちゃうしね。
その「死亡フラグ」なんてモノが無いとこもリアル。


まぁ、あえてツッコミと言うか、苦言を言うなら。

米国の大統領特使が石原さとみってのは、どうなの?
いや、日系の血が入ってるって設定だけど、彼女はあまりにバリバリの日本人すぎない?

あと、ゴジラ対策で連日泊まり込みになってしまい、食事の時間さえもロクに無いような状況を、「みんな頑張ってて感動しました。」とか、「日本もまだまだ大丈夫。」みたいな風に称賛するシーン。
あれは要らなかったんじゃないかな?
ご時世的にも、感情的にも。

まぁ、超想定外の非常事態だし、否応なく泊まり込みとかにはなっちゃうんだろうけど、それを美徳みたいに描く必要はないよね。と。


最後に。
虚構側のゴジラのデザインが凄かった。

最初は「え、なんだこのデザイン。」と思うが、ストーリーが進む中でその違和感のあるデザインが納得に変わる。


オマケ。
初めての4D映画について。

イメージとしては、ディズニーランドにあったストームライダーとかに近い。
座席が振動し、煙や水しぶき、照明効果なんかも入り混じって、映画を観ていると言うよりも長いアトラクションに乗っている気分。

座席の振動や角度も想像していたよりもずっとパターンが多く、細かい。
シーンや状況に合わせて動くので、かなり面白い。

が、まぁまだ始まったばっかりの演出かな。

中空から俯瞰で会議室を見ている時にまでユラユラとしたりする必要はないんじゃないかなーと。
余計なシーンでまで動きすぎる感があり、

でも、全体としては非常に面白い取り組みだなと思いました。

4Dは映画館でしか観れないっていうのは、非常に大事。


まぁ、4Dで観た作品を他の映画と同列に評価して良いのかな?とは思いますけどね。


最終評価 A+


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August 14, 2016

ルドルフとイッパイアッテナ


2016年・日本映画

こどもの時に何度となく読み返した本「ルドルフとイッパイアッテナ」がCGアニメ化。
大好きな本だったので娘を連れて、劇場へ観に行きました。


可愛がられて育てられていた黒い子猫のルドルフは、小さな好奇心と冒険心から家を出てしまう。
そして、魚屋に追いかけられ、逃げ込んだトラックが走りだす。

着いたのは、見知らぬ街。

そこでルドルフは、大きなトラネコに出会う。
小さな子猫のルドルフを脅すトラネコ。

だが、いかつく、誰もが恐れるトラネコに、世間知らずの子猫は真っすぐに対抗する。
その姿に何を感じたのか、トラネコはルドルフに野良猫としての生き方を教えだすのだった。

「お前、名前は?」

「僕はルドルフ! あなたは?」

「俺? 俺か。 俺の名前は、いっぱいあってなぁ。」

「イッパイアッテナ? イッパイアッテナっていうんだね!」

小さな黒猫・ルドルフと、字が読めるボスネコ・イッパイアッテナの奇妙な師弟関係が生まれる・・・・。


内容的には、「ルドルフとイッパイアッテナ」と、続編の「ルドルフともだちひとりだち」までを駆け抜ける感じ。


夏休みファミリー映画のお手本と言える作品。

冒険、ユーモア、学び、感動。
親がこどもに映画で見せたい全てが詰まっている。

原作ファンからすると、ルドルフを可愛く描きすぎの嫌いはある。
内容もかなりダイジェスト。
でも、原作に誠実な内容で、好感が持てる。


ある人はボスと呼び、ある人はトラと呼ぶ。
呼ぶ人が呼びたいように呼ばせ、それぞれの人と上手い距離感を築いて野良猫ライフを生き抜くイッパイアッテナ。

誰がどう呼ぼうと、自分は自分。

揺るがない芯のある大人の格好よさを持つトラネコに惚れる。


まぁ、そうは言っても、字が読めるネコと言うのは、こうして映像にされてしまうとかなり突飛な設定ではある。

ただ、字が読めるということで、辞典を読めるようになって世界が翼を生やしたように広がったり、道路標識を読めるようになることで自分の行きたい所へ行けるようになる。

ルドルフが字を読めるようになっていく過程は、「学ぶ」ことの根源的な喜びに満ちている。


可愛く、楽しく、ハラハラどきどき、ちょっと切ない。

小学生のこどもが居たら、オススメ作品。


最終評価 B+


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January 24, 2016

劇場版 シュタインズ・ゲート 負荷領域のデジャヴ 



2013年・日本映画

2009年発売のPSPのアドベンチャーゲーム「STEINS;GATE (シュタインズ・ゲート)は、「クリアした後に、記憶を消してもう一度やりたい。」と言われるほどの最高のゲーム評価を得た。

そして、2011年にアニメ化。
そのアニメもまた、高い評価を得た。

そのアニメの後日談。


秋葉原の片隅にある未来ガジェット研究所。
中二病を引きずったまま大学生になってしまった岡部倫太郎(自称・世紀のマッドサイエンティスト・鳳凰院凶魔真)が設立した、弱小発明サークル。

サークル仲間(ラボメン)の橋田至(ダル)や幼馴染でもある椎名まゆりと、愚にもつかない発明をするなか、時間を遡って送信することが出来るDメールを手にしてしまう。

実験と称して何度かの過去改変をしてしまった岡部は、自分が過去を改変した後も改変前の記憶を持ち越すことが出来るリーディングシュタイナーという特殊能力を持つことに気付く。

リーディングシュタイナーで様々な形の世界を歩む岡部は、自分たちの願いの先にある絶望的な未来にぶつかってしまう。

それは、まゆりの死。

何とかまゆりの死を回避しようと、何度も何度も過去改変をする岡部。
だが、過去改変を繰り返せば繰り返すほど、それが避けられない運命だと思い知らされるばかりだった・・・・。

(上記は、STEINS;GATEのあらすじ)


仲間が死なない未来を手にした岡部だが、何度も異なる世界線を超え続けた副作用に苦しむことになる。

やっと辿り着いたシュタインズゲート世界線を、岡部は無意識下で「自分の世界」として認識できずにいたのだ。
岡部と想いを通わせた天才科学者・牧瀬紅莉栖の目の前で、岡部はその存在を消す。

誰の記憶にも残らず、痕跡もない。

岡部のいなくなった世界に違和感を感じる紅莉栖は、未来から岡部を救うためにやってきた鈴羽の言葉によって岡部の存在を思い出す。

そして、紅莉栖は、岡部の消えた日の前日へと向かうのだった・・・。



TVシリーズだけでも完成度の高かったシュタインズゲートの後日談なんて・・・と、思っていましたが、この負荷領域のデジャヴで物語は完結すると言っていい。

総集編的な部分はなく、完全続編なので、TVシリーズを観ていない人には何がなんだか分からない。
でも、それで良いと思う。

正直、この劇場版だけ先に観る人のこととか、考える必要がない。

いいから黙って、TV版から観て欲しい。


主役は、TVシリーズで岡部に救われた紅莉栖。

紅莉栖は岡部のいなくなった世界で、今まで岡部がひとりで背負ってきた「世界線を越える」という恐怖と圧力、そして、無力感の重さを知る。

科学者として世界改変を否定する倫理観と、岡部に逢いたい想いに引き裂かれる紅莉栖。


どうしようもない袋小路を突破して辿り着くラストに、感動。

紅莉栖のツンデレ、最高。


どうにもこうにもお互いに素直じゃない岡部と紅莉栖が、その実は両想いで、お互いの為に自分を犠牲にしてまでも相手のために生きる。
その2人が、ギリギリの時に見せる本音がたまらん。


最高の完結でした。


最終評価 A+


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August 25, 2015

神さまの言うとおり



2014年 日本映画


退屈な日常に飽きていた高校生の高畑瞬(福士蒼汰)は、こんな世界ぶっ壊してくれと神に願った。

そして、その言葉を後悔し、退屈な日常を返してくれと神に願う。


ある日、授業をしていた教師の頭を爆破して現れたダルマ。

そのダルマがはじめたのは、ダルマさんが転んだだった。

ルールは、古典的なダルマさんが転んだ。
だが、動いた時の罰則は頭部の爆破による死。

パニックの中、次々に頭が爆発して死んでいくクラスメイトたち。

瞬が生き延びる方法は、ダルマの背中のスイッチを押すことだけ。

命のカウントダウンがはじまる。


かなり突飛なシチュエーションの中で繰り広げられる極限のデスゲームの連続。

バンバン人が死ぬ。
あえてリアリティを持たせないようにその死にっぷりもかなり豪快。

まぁ、なんでもアリ系のトンデモワールドなので、極限のデスゲームの中で主人公があまりにも冷静だったり、女の子にときめいたりするのはスルーが吉。
果てしないトンデモワールドなので、どうせ理由付けや謎解きは無いものとして、期待しないのが吉。

だって普通の理由付けでは無理だもん、こんなの。


そんな理由付けやツッコミを脇に置いて見るなら、結構なジェットコースター感を楽しめる。


ただ、最後のオチが酷すぎる。
あえて御都合とは言わない。
なぜなら、ここまでが御都合オンパレードだったから。

でも、とにかく最後が酷い。
最後にかけてのクライマックスも酷い。

最後のゲームからオチにかけてが酷い。

なんだこのオチ。
なんだこのラスト。

ここまで引っ張ってコレか。

それまでがソコソコ良かった分、許せん。


ラストのぶん投げっぷりに怒り心頭。


最終評価 C

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March 30, 2015

ツレがうつになりまして



2011年・日本映画
細川貂々のベストセラーコミックエッセイを、『半落ち』の佐々部清が映画化。


仕事人間のツレ(堺雅人)が、ある日突然に心因性のうつだと診断される。
ツレの変化に気付けなかった晴子(宮あおい)は、うつの原因が会社にあったことからツレを退職させた。

会社を辞めたツレは家でゆっくりと過ごす様になり、徐々に体調を回復させていくが・・・・?


ツレさんは、あまりにも几帳面な性格。
決まった曜日に決まったチーズの弁当と、決まった色のネクタイをしていく。
満員電車に揺られ、職場はリストラにより忙しさが増す。
電話での理不尽なクレーム対応に追われる日々。

そりゃあ鬱にもなるわっていう。

そして、その隣で奔放に過ごし、鬱になるまで気付かなかった自分を責める晴子。

うつに限らず、突然の病気は誰の身にも起こり得る物語。

こういう時、女性は強い。

「仕事なんか、辞めちゃえば良い!」

そうスパッと言った晴子さんの素晴らしさね。
男と女、色々と違うけど、こういう時の強さは圧倒的に女性。

自分の時も嫁様が同じ事を言ってくれたけど、その後押しの心強さは他の何にも代え難い。
これこそ内助の功だと思う。

その健やかなる時も、病める時も、富める時も、貧しき時も互いを敬い、愛すこと。

この結婚の誓約が、胸に響く。


病気はなった人もツライけど、家族もツライ。
お互いのツラさが、分かるようで分からないのもツライ。

でも、分からなくても、家族が居てくれると嬉しい。

そんな経験があるか無いかで、見え方の違う作品だと思う。

淡々とした何てことの無い内容の作品に見える人。
ひとつひとつが心に響く人。

僕は響く側でした。


ただ主人公の宮崎あおいが、堺雅人のことをどこであっても「ツレ」と呼ぶのに違和感がありました。
家の中でパートナーをどう呼ぼうが自由ですけど、職場とか、対外的な場所でも「ツレ」って呼ぶのはどうだろう。

演出だとしたら、微妙。


最終評価 A−


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February 25, 2015

四月物語

四月物語 [Blu-ray]
松たか子
ポニーキャニオン
2012-09-05


1998年・日本映画
岩井俊二 監督作品
松たか子 初主演作品

大学進学を機に北海道を出て東京で一人暮らしを始めた卯月(松たか子)。
何もかもが初体験の大学生活に戸惑いながらも、新生活を始める。

自己紹介で大学への志望動機を聞かれ、答えに詰まる卯月。
実は卯月の上京には他人に言えない理由があった・・・。


スローに淡々と卯月の行動を映す前半は、かなり退屈。
何か意味がありそうで、とりとめもない様で、今自分が観ている映像の意味がよく分からず、正直、眠くなる。

前半の楽しみは、若い松たか子や自転車の広告パネルになってる菅野美穂、時代を感じさせる雑誌などの懐かしさ。

なんで松たか子が上京したのかが気になって、頑張って見続けた結果は・・・
まさかの、ただ片想いの先輩(田辺誠一)を追いかけただけ。

まじかー。

流石にもうひと捻りあるかと思ってたー。

ソレが判明してからは、このタルい作品が相当どうでも良くなりました。

最後の一瞬、片想いの先輩と会話する松たか子が可愛い。
でも、その一瞬の為の前振りが長いしタルい。

まぁ、若い松たか子と田辺誠一が見られたね。と言うだけの作品。


しかし、1998年て僕は大学生だったハズなんだけど、こんなに昭和テイストだったっけか。
既に自分の大学時代がちょっとした前時代になっている衝撃。


最終評価 C+

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February 09, 2015

超高速!参勤交代

超高速! 参勤交代 [DVD]
佐々木蔵之介
松竹
2014-11-12


2014年 日本映画

八代将軍・徳川吉宗の治世。
長く続く徳川の御世を守るため、各藩に多額の出費をさせて戦を起こさせない制度・参勤交代があった。

1年おきに江戸と藩を往復する参勤交代は、大名たちにとって苦行であった。

東北いわきの湯長谷藩は、つい先日に参勤交代を終えたばかり。
湯長谷藩は、田舎で貧しい小藩ながらも人望のある当主・内藤政醇(佐々木蔵之介)の下で武士から農民までが力を合わせて暮らしていた。

だが、その湯長谷藩に金山が出た噂を聞きつけた老中・松平信祝(陣内孝則)の魔の手が忍び寄る。

その金山は本当は金など出ていなかったのだが、松平信祝はそんなことは知らない。
金山を手に入れたい松平信祝は、金山を報告しなかった湯長谷に再びの参勤交代を申し付けるのだった。

刻限は5日後。

普通にやれば8日はかかる参勤交代を5日で。
しかも、湯長谷藩にはもう参勤交代が出来るような金がない。

湯長谷藩の家老・相馬(西村雅彦)は、知恵を絞って何とか参勤交代をしようと計画するが・・・?


痛快娯楽時代劇。
ユーモアあり、テンポあり、豆知識あり、そして大立ち回りありのエンタメ作品。

勧善懲悪。
善である湯長谷藩の面々はどこまでも良い人たちであり、悪役はどこまでも悪い。

善い人たちが悪者に苦しめられ苦しめられ、その逆境をはね返して最後には悪者を懲らしめる。

その途中経過で、人柄の優れた当主・内藤の今までの積み重ねがこれでもかと湯長谷の面々を助ける。
「情けは人の為ならず、回りまわって自分の為。」を地でいくテンプレートのようなストーリー展開ながら、その陳腐な定番の心地よさ!


当主である佐々木蔵之助は、知性、度胸があり、剣の腕も立つ。
それでいて人情にもろく、民のことを考える名当主。

朴訥でも腕が立ち、忠義に厚い侍たちには、寺脇康文、上地雄介、柄本時生、六角精児などなど個性派俳優がズラリ。
藩で一番の知恵者として苦労を重ねる家老には、ユーモア溢れる西村雅彦。
湯長谷藩の道案内を勤める忍びの者・雲隠れ段蔵に伊原剛志。

そして、小悪党でありながら権力を握った老中・陣内孝則は、分かりやすくゲス。

キャストもはまり役が多く、違和感無く観られる。
強いて言えば、途中で出てくる深田恭子が微妙と言えば微妙だけど・・・まぁ御愛嬌かな?


真面目に言い出してしまえばアリエナイが山盛りなんだけど、痛快娯楽時代劇にそんな真面目なツッコミは要らない。

わははと笑って、アクションで盛り上がって、ちょっとホロリもあって、スッキリ見終わって、後には何も残さない。

エンターテイメントのお手本のような作品。


最終評価 A−



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January 10, 2015

劇場版 謎解きはディナーの後で



2013年 日本映画

「お嬢様の脳みそは難破船ですか?」

人気小説の実写化ドラマの映画化作品。
大財閥の令嬢・宝条麗子(北川景子)と麗子付きの執事・影山(櫻井翔)のコミカルなやりとりがウリ。


初めての有給休暇の為に自分の名前が付いた豪華客船を訪れた麗子。

だが、その矢先に殺人事件が発生。
麗子と影山は休暇返上で捜査に乗り出すのだった・・・。


この作品は映画ではなく、地上波ドラマ(深夜放送)の2時間スペシャルだと思うのが無難。

感想は可もなく不可もなし。
印象も、記憶に残るシーンも無い分、悪印象も無し。
ただ2時間暇潰しが出来るだけ。

ザ・無害。
でも、100パーセント無害な娯楽作品としての存在価値がある。

無害なB級映画が欲しいなーと言うニーズにはピッタリ。

前後を一切知らなくても楽しめるのは素晴らしい。


ひとりで夕飯食べるのって何か音が欲しいなーと思った時に、地上波でやってたら丁度良いね。

そうそう、そう言う時あるよね。
別に本気で構えて見るってんじゃなくて、BGM代わりに流して見るとかあるよね。
あるある。


最終評価 B

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November 26, 2014

雷桜

雷桜 [レンタル落ち]
2009-01-01


2010年・日本映画

数多い将軍の子のひとりとして産まれた清水斉道(岡田将生)は、心病んでいた。
気が触れてしまった母親の記憶に囚われ、突飛な行動ばかりの斉道は、奇人・うつけと陰で呼ばれていた。

ちょっとした事で家臣に刃を向け、将軍の名を汚す斉道に家老たちは冷淡だった。
病の悪化した斉道は家臣・瀬田(小出恵介)の村に療養に出される。

瀬田の村には、天狗が出ると噂される山があった。
そこで斉道は天狗として山を荒らす人間を襲う雷(蒼井優)に出会う。

斉道と雷は、いつしか惹かれ合い心を通わすが、身分の違う2人が結ばれるはずもなかった・・・


バカ殿様が旅先の気まぐれで村娘を手篭めにした様にしか見えない話。


まず、脚本に無理が・・

まず殿様と山娘の恋ありき、なんでしょうが、設定に無理がありすぎる。

徳川将軍の直系の殿様と山娘の恋ってどうなの。
せめて地方の小藩の家老の息子くらいにしとけよ。

いくらなんでも、将軍の子が共も連れずに山に入って山娘に襲われるってどうなの。

出会いは山娘だったけど、何だか色々と御都合の結果、いつの間にか殿様にも目通り出来る庄屋の娘になるってどうなの。

殿様、庄屋の娘に誘われるまま2人で遠乗りに出る。どうなの。

その一回の遠乗りで、雨の中で笑い合い、江戸に来ないか、必ず迎えにくるよチュー。
どうなの。


岡田将生って人気はある(らしい)けど、役者としてはどうなの。
ただ単にイマドキの若者をやる分にはそんなに気にならないんだけど、時代物は厳しいね。

岡田将生の斉道は、幼い日のトラウマを抱えて正気をギリギリ保ってる、ではなく、ただ刀をブンブン振り回すだけのバカ殿に見える。

正直、この斉道からは人としての魅力を感じない。
雷がなんで斉道を好きになるのか、理解できん。


そして、粗野な山娘を演じる蒼井優。
可愛いけれども。
可愛いけれども、山育ちで天狗と言われる娘が白い肌にツヤツヤの黒髪。
無理やり出したようなガナリ声。

蒼井優の魅力がほとんど出てない。
単純にミスキャスト。

蒼井優に関しては、演技の問題ではなく、キャスティングと演出の問題。


設定、展開、キャスティング全てに違和感しかないよ。

コレで「感動の!」とか言われてもねぇ。

流石に無理。


最終評価 C+




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November 01, 2014

魔女っ子姉妹のヨヨとネネ

魔女っこ姉妹のヨヨとネネ(DVD版)
諸星すみれ
キングレコード


2013年 日本映画。
ひらりん原作の漫画「のろい屋しまい」の映画化。


魔の世界でのろい屋を営む魔法使いの姉妹、ヨヨとネネ。

ある日、ヨヨは空間が繋がってしまった現代日本に迷い込む。

そこで出会った少年・トンガリの両親が魔の世界ののろいで化け物に変わっているコトを知ったヨヨは、トンガリの依頼を受けて調査を始める。
どうやら現世で流行しているのは、携帯ゲームで願いを叶えると化け物になってしまうのろい。

調査の中でトンガリの家にいる従姉妹アキの母親が魔の世界から来たコトを知る。

花火の夜、大量ののろいが同時に発動し、現世は限りなく魔の世界に近づいてしまう・・・


いつかの深夜にやっていたのを録画し、すっかり忘れていた作品。
そんなに期待もせず、予備知識もなく観たのですが、良かったです。

魔の世界で命さえも自分の思うままに出来た大魔法使いのヨヨが、現代日本の中で「死」を知り、他人を思いやる心を知る。

魔の世界から現世に迷い込んだ女性が、恋をし、こどもを産み「自分の娘に魔の世界を見せてあげたい。こちらの世界の人にも幸せになって欲しい。」そう願って作った奇跡石。
そんな純粋な願いが生んだ奇跡石に、多くの人々の身勝手な欲望が纏わり付いて、願いとは真逆ののろいを呼び込んでしまう。

そんな皮肉に切なくなる。

でも、我儘な願いの中にも、暖かな想いがある。
そんな優しい想いが、奇跡石の願いを昇華していく。
暖かくい展開に思わず引き込まれる。

異世界の女性を受け入れて、願いを受け止めた旦那さんが素敵だ。


最初はロリ向けなキャラデザインかと思ったけど、そんなのは吹き飛びました。

可愛い絵柄、完成度の高い作画、起承転結のハッキリした盛り上がるストーリー。
単純なこども向けでも、シュールなオトナ向けでもない。
どちらにも十二分に満足できるクオリティの高い作品でした。

娘が帰ってきたら見せてあげよっと。


最終評価 Aー




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October 12, 2014

映画 ハピネスチャージプリキュア 人形の国のバレリーナ

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2014年・日本映画
現行シリーズ・ハピネスチャージプリキュアの劇場版。
娘と一緒に劇場鑑賞してきました。


あらすじ

キュアラブリー(愛野めぐみ)、キュアプリンセス(白雪ひめ)、キュアハニー(大森ゆうこ)、キュアフォーチュン(氷川いおな)の4人は、人を不幸にする幻影帝国と戦うハピネスチャージプリキュア。

幻影帝国の手先・サイアークに襲われたイベント会場に駆け付けたハピネスチャージプリキュアは、TVの前で大活躍。
見事、サイアークを撃退する。

戦闘後、プリキュアレポーター・増子みよに突撃インタビューを受けるキュアラブリーは、マイクを向けられこう応えた。

「みんなを幸せにするよ。ハピネスチャージ!」

だが、そのキュアラブリーの映るTVを暗い瞳で見つめる少女がいた。
しゃがみこんだ少女の腕の中には、金髪の王子の人形。
そして、少女の傍らには車椅子。

「みんなを幸せになんて、私は幸せじゃない。」

そう涙を流す少女に、どこからか暗い声が呼びかける。

「わたしと共に来い。」

少女は闇へと吸い込まれていった・・・。


一方、みんなで楽しく保育園の人形劇を成功させた、めぐみ、ひめ、ゆうこ、いおな、誠司の5人。
人形劇の片付け中、めぐみは見慣れない一体の人形に気づく。

その人形はなんと立ってしゃべり出した。

「わたしはつむぎ。サイアークが現れたドール王国を救って欲しいの!」

めぐみたちはつむぎの案内で、ドール王国へと向かうのだった・・・・。



あの・・・良い映画でした。


まず、当然ですが、作画が映画クオリティです。
絵の質にバラ付きのあるハピネスチャージプリキュアですが、クオリティを上げていけばココまで出来ると言う事を見せてくれました。

いつもの本放送、常にこの1/10のクオリティがあれば満足なんですけどね・・・・。


ストーリー前半は、こどもの気持ちを掴む為、怒涛の勢いでいつもの戦闘シーンやお約束を網羅。

まぁ、この辺に関しては、あくまで「いつもの内容」なので、別に劇場で観なくても・・・・と思わなくはない。
それに、定番のトレースなので、大人的にはややタルい。

ドール王国に到着し、平和に舞踏会のダンスをしたり、ひめが白馬の王子・ジークと恋に落ちたりしてる辺りまでは特に盛り上がりも無くタルく感じて、正直、ハズレだなーとか思ってました。

でも、中盤からは、結構魅せます。

以下、若干のネタバレ有り。







いつも「頑張れば他人を幸せに出来る!」と、突進一直線の少女・めぐみ。

だが、めぐみは自分が安易に言ってしまった「みんなを幸せにする。」「つむぎちゃんの悩みはドンと任せてよ!」という言葉が、つむぎを傷つけていたことを知る。

一方、幻影帝国に操られてハピネスチャージプリキュアを罠にかけたつむぎ。

自分の願いが叶う夢の世界を守るためにプリキュアを罠にかけたものの、他人を不幸にして得られる幸せなんて本当の幸せではないと心を苦しめている。

その2人の内面が描かれ出してからは、一気に内容に深みが増します。

それにただ恋に恋してるだけのひめとジークの恋愛もその辺で終わるのが良い。
大人にとってひめの恋愛観は、初々しさを通り越して、ちょっと面倒臭い。

葛藤と向き合い、それでも自分らしく正面からぶつかっていくコトでつむぎの心を開くめぐみ。
その姿、結構感動的。

内面の葛藤とか大人向け要素なんですが、こども(娘)も分かっているらしく、画面に集中してました。


プリキュア映画では定番の観客による応援も、話の腰を折るでもなく、ラストにかけてのアクセントになる感じで好感が持てました。

ストーリー自体もメインのTVシリーズを台無しにするでもなく、無関係でもなく、程よい距離感。

思った以上の出来で、満足でした。


ちなみに男目線的には、めぐみに片思いする幼馴染の誠司がいつも通りに、あまりに不遇で泣けてくる。

どんだけ誠司を振り回すんだよ、めぐみ!

しかも、誠司とブルー、リボン、グラサンが人形にされ、捕らえられた姿を見て一言

「ブルー!」

って、おぉい!
ヒドイ、ひどい女だよ、、、めぐみ。

お前の片思い、プリキュア的に叶う日は来ないだろうけど、頑張れ、誠司。


この映画自体、プリキュアを楽しめている人しか観ないでしょうが、プリキュアを知らない大人でもまぁまぁ楽しめるレベルの作品です。
と、いうことは、プリキュアLOVEな女児や、一緒に楽しんでいる親にとっては、良い映画ということです。


最終評価 A− 

(この評価、プリキュアである前提でね。前半がタルいのにA−を付けた理由は以下に記載)



以下は映画に関係のない愚痴。

地元の映画館で観たのですが、本編が始まる前のCMが長すぎて、本当にイライラしました。
シネコンが独自にやる映画のCM、映画館自体が地元と契約しているCM、配給元が流すCMの3段階でCMが流れ、その長さ実に30分弱。

長すぎて思わず一度電源を落としていた携帯の電源を入れて時間を確認してしまったもの。

こども向け映画で、本編前に30分のCMを入れることの最悪さ、育児経験者なら分かってくれるハズ。

隣の娘は、配給元のCMが流れている辺りで。「まだー?まだ始まらない?」と集中力が切れてしまったし、僕自身も本編の前半をタルく感じたのは、CMの悪印象を引きずった感がある。

とにかく、CM要らない!

せめて5分にしとけ!


劇場じゃなくレンタルだったら飛ばせるのに。

そう思ったよ。


劇場に足を運ぶ映画ファンが少なくなる理由は、こんなトコにもあるんじゃないですかね!!



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October 03, 2014

劇場版 SPEC - 結 - 爻(コウ)ノ篇



2013年・日本映画

深夜ドラマとして人気を博したSPEC - 警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿 - の完結編。

TV版の話数カウントが、甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸となっていて、最後の癸(キ)を「起」と読み替え、その後にと、続いてきた。

起・翔・天。
つまり起承転。
で、今回が結。

更に結を漸(ゼン)ノ篇と爻(コウ)ノ篇の前後篇にしてある。
その後篇。

どんだけ金を稼ぎたいんだっつー話。

漸(ゼン)ノ篇は劇場公開初日に観に行ったのですが、そのあまりの出来のヒドさ(評価C)に後篇を観る気が失せてほったらかしにしていました。
レンタルで新作から落ちたので、まぁ、一応は最後まで観ておこうかな。と、ね。


特殊な超能力を持つSPECホルダーと人類の戦いは、最終局面を迎える。

「死んだSPECホルダーの力を引き出す」、最強のSPECホルダーとしての能力を封印した当麻紗綾((戸田恵梨香)。
警視庁特殊部隊 (SIT) 時代の過去と向き合い、立ち上がった瀬文焚流(加瀬亮)。

今までSPEC事件を扱う未詳事件特別対策係を率いていた野々村(竜雷太)を失った2人は、手元に残ったわずかな鍵から手掛かりを探す・・・・。


映画レビューの質が書くほどに低くなっていく。
今回のコレは、もうレビューとは呼べないな。


この作品、正直、ストーリーが要約出来ません。

だって、分かんないもん。

いや、大筋は分かるんですよ。頑張ってながーーーーーい説明セリフを聞いたから。
一応、理解しようと思ったから。

でも、分からない。ピンとこない。


テキトーな演出、荒いCG、難解な癖に納得感の無いストーリー、説明ゼリフの為に内容の薄さのワリにもっさりとしたテンポ。

なんで、こんなレベルの作品になっちゃったんだか。


んー。

やっぱトンデモ映画だな。コレ。

深夜ドラマだったら仕込まれたネタとして笑えたコネタの数々が、劇場版として過剰な演出になると本当に鬱陶しい。

しかも、人類とSPECホルダーの戦いに世界の終焉やら何やら色いろな要素が絡むのだけど、その設定のブチ込み方が雑。
粗しかないトンデモ設定を成立させる為、ひたすらに御都合の説明台詞を聞き続ける拷問。

観終わって、「最後まで観たよ。」とゆー、自己満足以外の感情なし。


最終評価 C−


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September 08, 2014

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 「新編」叛逆の物語 



2013年・日本映画
シャフト製作


劇場版「魔法少女まどか☆マギカ」の第三弾。
TV版のダイジェストだった「魔法少女まどか☆マギカ (前編) 始まりの物語」「(後編) 永遠の物語」
この「叛逆の物語」は、その先の物語。

自分の願いの代償に、人の悪意や心の闇によって生み出された存在「魔女」と戦う宿命を背負うことになった少女たち。
命を懸け、存在を懸ける、あまりにも過酷な運命に翻弄された少女たちの因果。
歴史の中に数多存在した魔法少女たちが紡いだ因果の果て、生み出された最強の魔女・ワルプルギスの夜。

ワルプルギスの夜を前に、「過去から現在にわたる全ての魔法少女たちの解放。」を願った鹿目まどか。

自分の存在を代償にしたまどかの願いによって、世界は作り変えられ、魔法少女たちのルールが作り変えらた。
まどかが変えた世界で、苦しみ、憎しみ、命を散らした少女たちが生きる別の世界が生まれる。

魔女の代わりに生み出された魔獣・ナイトメアと戦うことになった魔法少女たち。

だが、その終わらないナイトメアとの戦いの中、魔法少女のひとり・暁美ほむらは違和感を感じる。

「私たちの戦いは、これで良かったんだっけ?」

その小さな疑問は棘となってほむらの心に突き刺さる。


可愛い絵柄、洒落た演出によって毒を増していく、相変わらずのダークファンタジー。
あまりにも救いの無い、呪いにも似た物語は、脚本・虚淵玄(ニトロプラス)の真骨頂。

世界の理(ことわり)を書き換えたり、作り変えたりする物語だけに、超展開はあって当たり前。
とは言え・・・・

辿り着くラスト、驚愕と言うか、衝撃と言うか、そういうのとは違う斜め上をいく「ここまでやるか」感。

でも、この観客置いてっちまうくらいの展開が、「魔法少女まどか☆マギカ」らしさ。
変な予定調和なハッピーエンドなんか用意しない潔さ、流石。


そして、映像作品としての完成度、半端ない。

可愛さ、グロさ、残酷さ、愛おしさ、そんなものがアニメで表現される驚き。
この作品は、アニメーション作品と言うか、ちょっとした前衛芸術だと思う。


違和感の答えに辿り着いてしまったほむらと、諸悪の根源・きゅうべえの対話。
まどがが生み出した新しい世界の中で、その神に近いまどかの力を利用しようとするインキュベーター・きゅうべえと、「まどかにもう一度会いたい。」と願う心を利用されたほむらの答え合わせ。

この対話の意味を一発で理解するのは結構大変。

でも、ナゼか大体意味が分かってしまう変態変換脳。

エヴァに始まった「視聴者に分かって貰わなくても構わない。」というスタンスの作品を観続けた結果がこの能力かと思うと、自分でもどうかと思う。


観る人間を選ぶことは間違いない作品だけど、ハマる人にとっては堪らない作品。


最終評価 A


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August 28, 2014

呪怨

呪怨 劇場版 デラックス版 [DVD]
奥菜恵
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン


2002年・日本映画

夏の終わりに肝試し。
独りの夜にホラーでしょ。

リングに始まったジャパニーズホラーブームの牽引役となった作品。
この後に繋がるシリーズの第一作。


じゅおん「呪怨」
強い怨念を抱いたまま死んだモノの呪い。それは死んだモノが生前に接していた場所に蓄積され、「業」となる。
その呪いに触れたモノは命を失い、新たな呪いが生まれる。


市の介護ボランティアをする女子大生・仁科理佳(奥菜恵)は、寝たきりの老婆・徳永幸枝の様子を見てくるように頼まれ、家を訪れた。

何となく不気味な雰囲気を感じる理佳。
徳永幸枝の家の中はゴミや荷物が散乱し、悪臭が漂う。

幸枝を見つけ、家の中の掃除を始める理佳は、ガムテープで固められた襖を見つける。
中からはガサガサという物音と動物の鳴き声。

ガムテープを剥がし、中を見るとそこには少年が閉じ込められていた。
徳永家に関わってしまった理佳。

この家に引っ越した時から、徳永家には不幸ばかりが起こる。
そして、この徳永家と関わった人間の上にも次々と不幸が連鎖していくのだった・・・。


この「呪怨」は怖い、と言うより、ビックリする要素が多い。

くるぞくるぞくるぞ・・・で、いったん油断させての、どーん。みたいな演出沢山。

確かにビックリはするんだけど、あれ?

コレ、怖い?

そりゃあ、目が洞のように暗く、顔が真っ白なこどもとか不気味ではあるんだけど。
そんなこどもが突然、後ろに立ってりゃ、そりゃあビックリはするんだけど。

白塗りの裸のこどもが色々やってんの、正直、笑っちゃう。

で、いったん面白くなってしまうと、もう、ダメ。
不気味メイクとか、白塗りとか、ひとつひとつが妙に可笑しくて、そして徐々に飽きていく。


そして最後まで頑張って観ても、「呪いは連鎖する。」的な感じでオチなし。

んー。

これで良かったのか、ジャパニーズホラー。


最終評価 C+


あ、久しぶりに観た奥菜恵は可愛かったです。

目がパッチリした色白美人って良いよね。


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July 31, 2014

サカサマのパテマ

サカサマのパテマ 通常版 [DVD]
藤井ゆきよ
KADOKAWA / 角川書店
2014-04-25


2013年・日本映画

坑道の張り巡らされた地下世界。
掟に縛られた集落の姫・パテマは好奇心旺盛。
パテマは掟で禁じられた危険地域に魅力を感じ、じいの目を盗んでは足を運んでいた。

そんなある日、パテマは危険地域で天井に立つサカサマ人に出会ってしまう。
サカサマ人から逃げる中で足を滑らせたパテマは、危険地域深くの坑道へと落ちていく。

そして辿り着いた先は、空のある世界・アイガー。

パテマはアイガーの世界では、空へと落ちてしまう身体。
何とか引っかかったフェンスにつかまったパテマは、エイジという少年に出会う。

パテマはエイジに手を伸ばし、エイジはパテマの手を取った。
ゆっくりと空を舞う2人。

2人の世界はサカサマ。
異なる世界で出会った2人は、不思議な共感を覚える。

しかし、アイガーは「かつて、多くの罪人が空に落ちた」と空を忌み嫌う世界。

地下に潜むパテマたちを苦々しく思っていた支配者イザムラは、パテマを捕えに向かうのだった・・・。


ナウシカ + ラピュタ = サカサマのパテマ

パテマは、なんちゃってナウシカ。
危険区域はそりゃあもう腐海で、禁止された腐海を探検するナウシカとパテマがもの凄くダブる。
姫を慕う村の衆の感じとか、ユパ的な存在ラゴスとか、冒頭は「ナウシカのパ〇リか?」と思う。

だが、パク〇疑惑はそれで終わらない。

空に憧れて挑戦した結果、命を落とした父を持つ少年・エイジは、父の残した意志を受け継いでいる。
いや、その設定はラピュタを目指した父を持つパズーにモロだろ。

空から落ちてきた少女ならぬ地下から落ちてきた少女、ナウシータ・ウル・パテマは、パズーエイジと出会い、アイガーの独裁者・ムスカイザムラに囚われの身となる。

そしてパズー、いやいやエイジは、ドーラ一味・・・じゃなかった地底世界の少年・ボルタと共にパテマ救出へと向かう。
って、どんだけパクるのよ!!


なんだか下敷きがスケスケに見えてしまうのが残念ではあるものの、この作品自体に魅力が無いかと言われればそんなことはない。

空へと落ちていく恐怖感と、それに打ち勝って手と手を繋ぎ会う少年と少女の信頼関係は感動的。


ただ、「ラピュタは本当にあったんだ。」展開まで踏襲した内容にはやはり疑問が・・・。


最終評価 B

この作品単体で観たら、B+。
でも、なー。って感じでした。


「昔、漫画の神様って人が色んなトコを踏み荒してしまったから、後発がどんなに頑張ってもパクリって言われる世界なんですよ。パパ。」

「そうは言ってもねー。」



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June 14, 2014

ひみつの花園

ひみつの花園 [DVD]
鈴木卓爾
東宝


1997年 日本映画
「WATER BOYS」 「SWING GIRLS」の矢口史靖監督の初期作品。


こどもの頃からお金に目が無かった鈴木咲子(西田尚美)は、お金を数えられるという理由で銀行員になる。
だが、銀行員が数えるお金は他人のモノ。
つまらない。

そんなある日、咲子の銀行に強盗が入り、咲子は人質に。
だけど、逃走中の犯人がハンドルを誤って、車は崖から転落、爆発炎上。

でも、どっこい咲子は生きていた。

滝つぼに落ちた咲子は、一緒に落ちてきたスーツケースにしがみつき、なんとか一命を取り留める。

そして、怪我の療養から復帰した咲子は、TVのニュースを聞いていて気付いてしまう。
あの自分がしがみついたスーツケース、あのスーツケースこそが銀行強盗たちの奪った五億円なのだと。

その時から咲子は5億に向かって走り出す・・・・。


「お茶飲もうか。」

「おごりですか? だったらその分、お金頂戴よ。」

お金の為ならこんなコトも言ってしまう咲子。
山奥に眠る5億円の為に仕事を辞め、地質学を学ぶために大学に入り直し、車の免許を取り、ロッククライミングを学び・・・・。
異常なまでの「お金」への執着がすべての原動力となって咲子を突き動かす。


行動原理は、「お金が欲しい。」だけの彼女が巻き起こすトンデモ騒動の数々。
突飛な設定を生かす矢口監督らしさが見えるドタバタコメディ。

1997年はもう弾けていたバブルの余韻を存分に残した日本映画。

お金の感覚、セリフ、メイク、衣装、展開や演出も全部がバブリー。
良い悪いではなく、映画は撮られた時代の空気を映す鏡なんだなぁ、と。


咲子のムチャクチャが完全に常軌を逸してしまっているのに、無表情だったり笑顔だったりするのが、途中から怖くなってくる。
そして、ラストも分かるようでいて、かなり強引。

コメディだから、で、全部押し切るのに笑えないというのが残念。


しかし、97年当時、僕は大学生だったけど日本映画ってこんな感じだったっけ?
当時は「邦画は観ない。」と言い切る人が多かった印象はあるし、僕自身も邦画はほとんど観なかったもんな。
このクオリティだと、それも仕方なし。

んー、日本映画って、スワロウテイルとかが出てきた2000年あたりに線があって、それ以前と以後では中身が全然違う。
コレは、あくまで一線以前の作品。

わざわざ現代に時間を割いてまで観なくても良いかな。


最終評価 B−


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May 27, 2014

鉄塔武蔵野線

鉄塔武蔵野線 [DVD]
伊藤淳史
バップ


1997年 日本

両親が離婚し、東京・保谷から長崎に引っ越すことになった小学校6年生の見晴(伊藤淳史)。
何もしないままに、父とすごす最後の夏休みが終わっていく。

そんなある日、見晴は鉄塔に取り付けられた 「武蔵野線 71」 という表示を見つける。

鉄塔を辿ってみると、次の鉄塔には 「武蔵野線 70」。
その次は「武蔵野線 69」。

この鉄塔を最後まで辿って行ったら、果たしてそこには一体何があるのか。

見晴は「武蔵野線 71」の下に王冠を埋め、年下の弟分のアキラを連れて「武蔵野線 1」を目指す冒険に出るのだった・・・。


夏のある日、2人の少年が自転車に乗ってどこまで続くか分からない鉄塔を追いかける冒険に出る。

初恋とも、性への芽生えともつかないアキラの母親への気持ち。
鉄塔が好きだった父への気持ち。
武骨な鉄塔に、見晴は様々な思いを投影する。

鉄塔の下には、様々な困難が待ち受ける。
フェンスに囲まれたもの、犬の訓練所があるもの、工事現場、自転車のパンク。
明と力を合わせて何とか困難を乗り越えていくが、こどもの足で辿り着くには1号鉄塔はあまりにも遠い。

道半ばで徐々に迫る夕暮れ、空腹、疲労。
それでも見晴は鉄塔調査を諦めることが出来ない。

帰りたがる明を帰し、ひとり廃車の中で夜を過ごし、見晴はただひたすらに鉄塔の下を辿り、1号鉄塔を目指す。


一途に鉄塔を辿る少年の姿に胸を打たれる。
大人の理屈と、こどもの想いのズレが切ない和製スタンド・バイ・ミー。

ただ、やたら少年たちに絡んでくる工事現場のオヤジや、追いかけてくるトラック、疲れ切った少年を蹴り飛ばすゴルフ場職員など、演出過剰部分も多く、「そんなのあるわけねー。」と感じてしまう。
あと、「その翌年。」以降が完全に蛇足に感じる。
原作があるとはいえ、鉄塔を追いかけた最初の夏で上手いことまとめられなかったのか。

捜索願が出て連れ帰られた見晴を怒る両親のシーンは必要じゃないのか。
ベタかも知れないけど、そのシーンは絶対にあると思ってた。

前半が良かっただけにおしい。おしいなー。


最終評価 B+


子役の伊藤淳史の微笑ましさがヤバかったです。


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April 25, 2014

ONEPIECE フィルムZ

ONE PIECE FILM Z (JUMP j BOOKS)
尾田 栄一郎
集英社
2012-12-17


2012年 日本映画

劇場版ONEPIECEの最新作。
新世界に入ったルフィたち麦わら海賊団を描いた最初の作品。

原作者である尾田栄一郎が制作総指揮。


ある夜、海軍の前線基地ファウス島が襲われる。
襲ったのは、元海軍大将のゼットが率いるNEO海軍なつ集団。

ゼットが海軍基地を狙うのは、莫大なエネルギーを秘めたダイナ岩を奪うためだった。

「全ての海賊を抹殺する。」
その目標を掲げたNEO海軍は、海賊の巣食う海ごと海賊を全て抹殺する作戦「グランリブート」へと走り出すのだった。

一方、魚人島での戦いを終えた麦わら海賊団は、新世界の海を行く。

NEO海軍がファウス島を吹き飛ばした火山活動を察知した航海士のナミは、震源地を避けようとする。
だが、冒険の匂いを嗅ぎつけたルフィは、指針をファウス島に向けるのだった。

その矢先、麦わら海賊団は波間に漂うゼットを拾ってしまうのだった・・・。


作画最悪だったストロングワールドで、相当イタイ目を見てしまったONE PIECE映画。
制作総指揮が尾田栄一郎だとしても、それが作品のクオリティの保証になるとは限らないって証明でした。

漫画は漫画。アニメはアニメ。

多くの人が関わって出来るアニメは、総合芸術。
なので、尾田っちが居ても他がアレだと何ともならない。

まぁ、それでも地上波でやってれば観てもイイかなと思ってしまう、学習能力の無い原作ファン。


多分、前作が納得いかない人(尾田栄一郎)がいたんでしょう。
作画レベル、ストーリーともに随分とマシになっています。
CGの取り入れ方も相当にレベルアップしていて、アニメーションとの融合にあまり違和感を感じない。
戦闘シーンは、ゲームの海賊無双とかから相当の技術提供があったのかな? アニメーションと言うよりもなめらかな格闘ゲームのワンシーンの様になっていました。
良し悪しの話ではなく、そうなっていたという報告。


ストーリー的にも今回の作品は悪くなかったです。
魚人島を後にした直後という設定が生きていましたし、新世界編に入ってまだまだ世界の状況が未知数ってトコも上手く出てました。

敵役であるゼットもしっかりした背景があって、動機や行動にも無理がない。
特に旧青キジ・クザンとの関わり方とかが上手くて、本編に組み込んでも良いんじゃないかと思うレベル。

あと特筆に値するのが、麦わら海賊団全員の戦闘(見せ場)をやめて、戦闘に参加するのをルフィ・ゾロ・サンジの三人に絞ったコト。
実際、9人になった麦わら海賊団全員に2時間映画で見せ場を作るのは無理。
ソレをやろうとしたストロングワールドは、とっちらかって散々だった。

今回は内容が絞れていて、良かったです。


まぁ、あくまで元々ワンピースファンの人を対象にした作品なので、このクオリティがあれば充分なのかと思いました。


最終評価 B+




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April 11, 2014

女の子ものがたり

女の子ものがたり [DVD]
深津絵里
ポニーキャニオン
2010-03-03


人気女流漫画家・西原理恵子の同名ベストセラー作品をベースに描かれた、ノスタルジックなガールズムービー。


36歳の高原菜都美(深津絵里)はスランプ真っ最中の漫画家。

編集者の催促なんかどこ吹く風。
昼間からビールを飲んでソファでゴロゴロ。
暑ければ庭にタライを出して水浴び。
そんな自堕落な生活をしながら、自分が漫画家になった理由を見つめ直す過去へ、追憶の旅に出る。

思い出されるのは、少女時代を共に過ごした親友たちと過ごした日々。

菜都美は10歳の時、母に連れられて新しい父親と暮らしだした。
そろからオトナになってしまうまで一緒過ごした2人の親友・きみことみさ。

2人の親友の家庭には、借金や暴力が日常として存在した。
母親はずっと友達を選べと言い続けたけど、菜都美は無視し続けた。

でも、こどもの時はただ楽しかったのに、オトナになるほどに親友たちとのズレが大きくなっていく。

美人のきみこは、彼女に手を上げる男と結婚した。
貧しい家庭のみさは、高校の時に親が逮捕されて働くようになった。そして、羽振りは良くても暴力を振るう男と一緒になった。

幸せって何?

そんな素朴な質問の答えが、見つからない。


何者でもない。
何でもない。
何もない。
そんな少女時代。

だけど、あの頃が1番楽しかった。
あの頃は気付かなかったけど、キラキラとした輝きの中にいた。
そして、その輝きはオトナになるほどにくすんでいく。

こどもの時には気にしなかった家庭環境のズレがオトナになるほどに無視できなくなる。

暴力を振るう男に、身体をさしだしてすがる親友。
親友は好きだけど、その生き方は見ていられない。

好きだけど、嫌い。

愛おしいけど、ツライ。
ツライのに、愛おしい。

今は遠く離れた親友たちとの過去が、今の自分の基になっていたと、気付く。


オトナの女性の再生物語。
ゆったりした空気感も、演出も悪くない。

ただ、もう少しマシな演技力の女の子を揃えられなかったのか。
少女時代はまだしも、肝心要の高校生から後の子たちがちょっとナイ。
それほど出てる時間が長くない深津絵里が、少女時代よりもずっと存在感がある。

あと、台詞の音声をもう少し上手くは拾えないのか。
大事なセリフさえも聞き取りづらくて仕方ない。


最終評価 B


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April 08, 2014

ドラゴンボールZ 神 vs 神

ドラゴンボールZ 神と神 [DVD]
野沢雅子
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
2013-09-13


世界を生み出す界王神に相対する存在、破壊神ビルスが永き眠りから目覚める。

ビルスが興味を示すのは、フリーザを倒したというスーパーサイヤ人・孫悟空。
そして、夢の中で見たスーパーサイヤ人ゴッドと言う存在。

悟空のいる界王星を訪れたビルスに、界王様はビクビク。

一方、ビルスの強さに興味津々な孫悟空は、ビルスに試合を申し込んでしまう。
だが、スーパーサイヤ人になって全力で挑みかかる悟空が、ビルスに軽くあしらわれ、たった2発で負けてしまう。

スーパーサイヤ人ゴッドを探してサイヤ人たちを巡るビルスが向かうのは、ベジータや孫悟飯がいる地球だった・・・。


鳥山明が製作に関わった、久しぶりのドラゴンボールの新作。

ドラゴンボールらしいバトル展開、神龍の願いやピラフたちとの絡みやギャグパート。
劇場版として丁寧に描かれたアニメーションと、最近の進化したCGが融合したドラゴンボールは懐かしさと楽しさ一杯。

緊張感が有るような無いような鳥山明ワールドを堪能です。

なんだかんだで僕もドラゴンボール世代ですからね。
エンディングでコミックスの名シーンをフラッシュバックする演出はたまりません。


しかし。
ビルスに気を使ってキャラ違いの接待に奮闘するベジータに涙が出そうになる。
あの高貴で高慢だったベジータが・・・。
でも、それが家族の為だと思うと、嬉しくもある。
自分の我を押し殺しても守りたい人が居る。
家族を持つと言うのは、そういうことだ。


最終評価 B+



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March 22, 2014

プリキュア オールスターズ NewStage3 永遠のともだち

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2014 日本映画

えーと。

今回、このブログで初めて「自分が観ていない」作品について書きます。

自分が観たんじゃなければ書かなければ良いのですが。
だって、劇場まで足を運んで、出資して、それで記事にさえならないなんてブロガーの端くれ的に寂しすぎる。



さて。

娘っちが初めて劇場で観た映画は、プリキュアというコトになりました。
今回、プリキュア映画をわざわざ劇場で観たのは、「劇場で映画を見せてあげたい。」というパパ主導の企画だったのに

「パパとママ、どっちと観る?」

「ママ!」

という、主役の裁可によって、首謀者は追放されたという。


でも、鑑賞後に買ったパンフに、ストーリーの頭から終わりまでキッチリ書いてあったので、内容は把握してしまったという。

しかも、鑑賞した人がコッチの聞かない情報まで興奮交じりに報告してくれました。


ストーリー

妖精国にある、プリキュアの全てが記されたプリキュア教科書。
その教科書を補完するべく、新しく誕生したハピネスチャージプリキュアのコトを調べに妖精が現世にやってくる。
でも、キュアラブリーこと愛乃めぐみが眠りに落ちて目覚めなくなってしまっていた。

他にもめぐみと同じように目覚めないこどもたちが沢山・・・。

そこで前作のドキドキプリキュアチームが夢の世界に調査に向かう。

するとその原因は、内気な妖精ユメタに友達を作ろうと、ユメタの母親のマアムが現世のこどもたちやプリキュアを夢の世界に縛り付けていたのだった。

プリキュア教科書に載ったプリキュアたちは「理想世界の夢」に囚われてしまい動けない。

今、動けるのはまだ教科書に載っていないハピネスチャージプリキュアのキュアラブリーとキュアプリンセスだけ。
作られた夢の世界からみんなを救うべく、2人はマアムの作り出す悪夢獣との戦いに向かう・・・。

劇場パンフのストーリーを要約。


てか、このパンフ、最後のオチのトコまで全部書いてあるのね。
ネタバレとか、一切気にしないのね。
そういうトコ、流石です。


嫁様に「映画の評価をABCでお願いします。」と聞いたところ

「フツーにプリキュアだったよ。」

とのこと。
どうやら評価的には B〜B+ といったトコでしょうか。

「他の育児世代の人に薦められる?」と聞くと

「プリキュア好きな子なら楽しめると思う。」との返答。

プリキュアを観に行って、期待値通りのプリキュアなのならば、B+で良い気がします。


ちなみに、この作品を楽しみにしていた人は大満足。
家に帰ってきても劇場で配られた光る魔法のライトを光らせてはパンフに見入ってました。

10月に公開の映画も観たいそうな。


嫁様評価 B+



しかし、仮面ライダーも、戦隊ヒーローもプリキュアも、過去作品とのクロスした劇場版とか過去のヒーロー総出演とか作るのが定番になってるけど、コレって10作品とか集まるのは無理じゃない?

せめて3−5作品くらいにしておこうよ。

パンフレットに載ってるプリキュア数えたら56人とかいたよ。

主役級のキャラが56人て。
無理だろ、実際。

多分、作中で一言も発してないプリキュアがいるハズ・・・。



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March 19, 2014

HOME 愛しの座敷童

HOME 愛しの座敷わらし スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]
水谷豊
Happinet(SB)(D)


2012年 日本映画

父親・晃一(水谷豊)の転勤を機に、都内から岩手の田舎へと引っ越した高橋一家。
引越し先に晃一が見つけてきたのは、築年数が何年かも分からない古民家だった。

ぼっとん便所に薪で沸かす五右衛門風呂。
晃一の憧れ優先で選ばれたその家に、家族は空いた口が塞がらない。

喜んだのは小学5年の智也(濱田龍臣)だけで、この家を喜ぶと思った祖母さえも苦い顔。
当然のように妻の史子(安田成美)と、中学生になる娘の梓美(高橋愛)はげんなり。

左遷された父、少しボケだした祖母、イジメに傷ついた娘、身体が弱い息子、傷を抱えた家族たちに心を砕き田舎暮らしに疲れる妻。
それぞれに問題を抱えた高橋家。

しかも、古民家での暮らしが始まると、何だが不思議な事が次々と起こる。
風呂を沸かしていた薪が散らばっていたり、掃除機のコンセントが勝手に抜けたり、誰かの気配を感じたり。

この家、何かいる?

高橋家の初めての田舎暮らしが始まる。


幽霊でも、妖怪でも、神でもない存在、座敷童。
悪さをするわけではなく、ただそこに居るだけの座敷童は、居着いた家に幸福をもたらすという。

都会の暮らしで傷つき、バラバラになった家族が座敷童の存在をキッカケに再生していく物語。


フツーと言うか。
ベタと言うか。

世知辛く心の荒んだ東京と、自然豊かで人情に厚い岩手。
まー、そのテンプレな都会と田舎の対比はどうかなー、とは思いつつ鑑賞。
いきなり都会から引越しての田舎暮らしとか、そんなにいい感じにはならないと思いますけどね。

まあ、そこは共通認識が持てる範囲のファンタジーってことで良いのかな?


これだ!っていう盛り上がりは無いものの、ラストにほっこりした気持ちを残す。

青臭い理想論で仕事をする真面目なお父さんが報われる良い話。


最終評価 B


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March 15, 2014

モテキ

モテキ DVD通常版
森山未來
東宝
2012-03-23


2011年 日本映画
人気漫画から実写映画化。

なぜか異性にモテてしまう。
誰の人生にも3度はある、モテモテの時期。
通称、モテキ。

金なし、夢なし、彼女なしで無職29歳の藤本幸世(森山未來)。
もちろん童貞。
いや、正しくはセカンド童貞。
好きな子とのセックスは、まだない。

なんとか自分を変えようと就職したものの、仕事は失敗続き。

そんな幸世に訪れた、モテキ。

仕事のグチツイートから出会った女子力MAXの松尾みゆき(長澤まさみ)とは、マニアックな趣味で盛り上がって意気投合。
出会って、飲んで、盛り上がって、一夜を共にしてしまう。
結果、自分からは押し倒せないでもぢもぢ。

それでも相手のペースでキスされ、謎のセックスごっこまではいく。

で、好きになってしまう。

でも、みゆきは彼氏持ち。

その後、みゆきの友人で清楚なお嬢様系美人の桝本るみ子(麻生久美子)と出会い、これまたちょっと仲良くなる。

幸世はみゆきへの想いとヤりたい気持ちに振り回され、疲れていく日々。

そんな中で次に出会ったのは、派手系小悪魔女子の愛(仲里依紗)。
みゆきへの愚痴を語るうちに深酒して、これまた愛とも御一泊。
だが愛は子持ちバツイチの恋愛大巧者。
セカンド童貞の幸世は子ども扱いされ、激励と共に謎のキスなんてされてしまう。

みゆきへの想いを諦めようとする幸世。
そんな時に、るみ子から突然の告白とキス、そして脱セカンド童貞。

本命のみゆきにまだ想いを繋ぐのか、逆告白のるみ子にいくのか。
そんな贅沢な悩みに揺れる幸世。

どうなる幸世!
どうなるモテキ!


TM、ジュディマリ、ユーミン、大江千里、B'zの名曲を随所に使い、テンポ良くコミカルな演出でグイグイもってく。
恋が上手くいってハイになれば Perfume (本物)と歌い踊り、落ち込めば土砂降りの中を自転車で駆け抜ける。

結局、モテキなんて幻想は幻想で、何も持っていなかった幸世が一気に上手く立ち回れるモテ男になれるワケもない。
フラフラして、女の子を傷つけて、後悔して。後悔して。
どこまでも格好悪く、どこまでもみっともない。
だが、その自分を飾らない格好悪さが格好良くなる。

まぁ、ラストはちょっと上手く行き過ぎではあるけど、台無しと言う程でもない。


この映画の中で特に良いシーンがある。
幸世にフラれ、ヤケクソで男に抱かれた麻生久美子が、区切りをつけて牛丼をかっこむ笑顔。最高。
バックに流れるカルーアミルクも最高にカッコイイ。

あと、スタッフロールのバックで、森山未來がスチャダラパーと今夜はブギーバックを歌うシーンは映画と関係なしにスゲーと思った。


全然期待せずに観ましたが、思ったよりずっと良かったです。
現代的な飾らないオトコ心を上手く描いた作品になってました。
モテキいう割りには、結局は一途な恋物語にしたのが成功かも。

まぁ、長澤まさみと麻生久美子以外のふたりは、かなーーーりオマケ感がありました。
モテキとはいえ、その他の仲里依紗と真木よう子は要らなくね?と。
てか、ツンデレ先輩役の真木よう子に至っては、全くデレてないですしね。

2時間の中に盛り込むには限界がある。


最終評価 A−


人生に3回のモテキ、か。

さて、僕に残されているモテキは、あと2回くらいありますか?

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March 14, 2014

天河伝説殺人事件

天河伝説殺人事件 [DVD]
宮下富実夫
角川エンタテインメント


1991年 日本映画
内田康夫の推理小説を市川崑監督が映画化。


奈良の山深くにある天河神社。
古来からの伝統と由来を兼ね備えた由緒正しいこの神社を中心にした小さな山村は、古いしきたりと人間関係でがんじがらめになっていた。

村の名家、神社に奉納する能を舞う水上家。
能の流派の宗家となる水上家は、跡目問題に揺れていた。

そんな時に山村に訪れたのは、紀行ライターの浅見光彦(榎本孝明)。
そして、新宿の高層ビルで起こった殺人事件を追う刑事たちだった。

その時、水上家のひとりの他殺体が発見され、最後の目撃者だった浅見はこの名家の跡目相続が起こす連続殺人事件に巻き込まれていく。



能面の裏に塗られた毒。
能面に隠されて入れ替わっていた役者。

名探偵役の榎本孝明。
鬼気迫る狂気の母親に岸田今日子。

みんなが同じ作品を観て、みんなが共通の話題で盛り上がれた時代の作品。
当時に観たか観ないかは思い出せないけれど、「どこかで観たような気が・・・。」と思わされる。

現代版の金田一耕助として生み出された浅見光彦シリーズだったものの、角川事件のゴタゴタでこの一作で終わってしまった不遇の作品でもある。


時代と言ってしまえばソレまでですが、サスペンス映画として今鑑賞するにはヒネリが無さ過ぎる。
登場人物が全員出揃って、人物背景が分かった段階で犯人も分かってしまう。
名探偵との対比とは言っても、刑事達があまりにも無能だし、その他の人物たちにもリアリティが無い。
事件に関わる重要人物たちが、初対面の浅見にあけすけに内情や心情を吐き出しまくるってのは、流石にどうなのか。


そして何より、いやーバブル!

メイクから、小物、乗り物、演出に至るまでバブルな90年代初頭の空気をまとっている。
この作品は、映画としてどうこうと言うより、日本映画史のひとつのポイント、ひとつの時代の代表作としての存在価値が大きい。

贅沢に撮った火曜サスペンス。


最終評価 B



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March 13, 2014

余命一ヶ月の花嫁



2009年 日本映画

明日がくることは奇跡です

末期の乳癌と闘い、24歳でこの世を去った長島千恵さんの残した感動の実話を映画化。


イベントコンパニオンの仕事先で赤須太郎(瑛太)と出会った長島千恵(榮倉奈々)は、出会いと同じくして乳癌の診断を受ける。

順調に付き合い、将来さえも共にしたいと思う2人。
だが、病魔は着実に千恵の身体を蝕んでいく。

千恵との結婚を考える太郎は、ある朝に千恵の異変に気づく。
そして、千恵は太郎に事実と別れを告げた。

太郎の元から姿を消し、乳房切除の手術を受け、抗ガン剤治療に苦しみ、ひとり癌に向き合う千恵。

そんな千恵の前に太郎が現れ、改めて太郎は千恵に残された少ない時間を共に生きると誓った。


えぇ話や。

タイトルからして結末は分かっているのだし、その結末は涙無しはあり得ない。

そりゃあ、お涙頂戴の演出はある。
でもさ。

観る方も泣きたくて観る。
作り手もそれに応える。
それの何が悪いという話。

不意打ちじゃないんだから、お涙頂戴な演出が嫌いなら観なければ良いのだ。


「来年は」という軽い約束、何気ない笑い話、残された時間の少ない人が口にするだけで意味が変わる。

「昼間は何してるの?」太郎が聞く。
「生きてる。」千恵が答える。

そんなひとつ一つの言葉の重さが、刺さる。

最期を迎える千恵さんに、夢だったウェディングドレスを着せて式を挙げる。
この時間を千恵さんと共に過ごした家族と友人の想いに、鼻の奥がツーンとしました。


でも、映画としてはもうひと声、かなぁ。
柄本明さんの父親役は流石。柄本さんが出てなかったら、もっと駄作になったハズ。

で、主演の瑛太や榮倉奈々はフツー。その時話題の役者で、良くもなく、悪くもなく。

だけど、友人役の安田美沙子たちの演技があまりにもイタイ。
バラエティのコントを見ているような気分になります。


最終評価 B


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December 16, 2013

北のカナリアたち

北のカナリアたち  border=
吉永小百合
2013-05-10


2012年・日本映画


ある日、引退した教師・川島はる(吉永小百合)の元に刑事が現れる。
かつての教え子・ノブが殺人事件の重要参考人になっているという。
音信不通だったノブの今を知りたいと、はるはかつての教え子たちを訪ねた・・・。

たった6人の生徒とひとりの教師だけ。
北海道の最北端にある分校。

はるは生徒に慕われ、こどもたちに合唱の楽しさを教え、人前で歌う喜びを教えた。
だが、その幸せの日々はある事件をキッカケに終わりを告げる。

合唱コンクールで独唱を任された結花の声が出なくなる。
そして、気分転換にと海岸でバーベキューをしている途中、結花が海に落ち、助けに入ったはるの夫が帰らない人になってしまったのだ。

そして20年。
6人は全員がその時の事件を自分の責任だと感じ、背負って生きていた・・・。



まぁ、サユリスト(御高齢の方たち)の為の作品。

吉永小百合さん自身は、70歳になろうという人とは思えない若さと美しさはあるものの、流石に高齢者感が否めない・・・。
モノローグでのキスシーンとか、何とも言えない気分になる。


で、内容もサユリスト向け。

ずーーーっと、淡々と説明セリフが続く。
全部のセリフが、空々しいほどに説明的。

そして、吉永小百合の出会う人、出会う人が突然に内面告白を続けていく。

同じシーンを違う目線で語るサスペンス風味なものの、中身にサスペンスは一切なく。

延々と続いた白々しい展開のラストシーンでは、感動の押し付け感に胸焼けてしまう。


ぶっちゃけてしまえば、死期の迫った夫を支える清純派と思っていた先生が、実は不倫してて、その男と逢ってる時に夫が死んだと言う話なんだけど。
でも、吉永小百合とその役柄が合わないんだなぁ、コレが。

年齢、個性、どう考えても吉永小百合にこの役は無理がある。


松田龍平、宮崎あおい、森山未來と、周囲を固めるキャストは豪華。
でも、単に説明セリフを言い続ける役ばかりなので、話題性以上の必要性は特にない。


ある層に特化した作品なので、その層から外れる人にとってはタルイだけの作品。


最終評価 C+


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December 07, 2013

攻殻機動隊 ARISE border:1 Ghost Pain

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2013年・日本
原作・士郎正宗の人気作品「攻殻機動隊」
このARISE シリーズは、荒巻が率いる公安9課に9課のメンバーが集まる前の物語から始まる。

原作、劇場版「GHOST IN THE SHELL」・「イノセンス」、TVシリーズ・Stand Alone Complex に続く、第4の攻殻機動隊。


肉体の機械化(義体化)、脳のコンピューター化(電脳化)が当然になった未来。
幾度かの世界大戦により国家の在り方、社会の在り方も大きく変わり、人類はまだ新しい社会の明確な形を得られないままに人間の営みが続いていた。

公安9課の荒巻は、射殺された汚職容疑の軍人マムロの遺体から電脳を回収すべく遺体を掘り返していた。
そこで、軍の501部隊に所属する草薙素子三佐に出会う。

電脳戦に特化した草薙素子は、恩義のある上司・マムロにかけられた汚職疑惑を追っていた。

素子は、マムロにかけられた疑惑を追う中で、軍のレンジャー部隊に所属するバトー、警察の特捜刑事のトグサ、陸軍警察の潜入捜査官・パズに出会う。

そして素子は、自分の記憶、経験や感覚さえも偽りの情報であることに気付いていく・・・。


ん、んー。

微妙・・・。

攻殻機動隊ファンとしては、少数精鋭の公安9課に最強メンバーが集まるまでの物語ってコトで期待大だったのですが、期待が大きすぎたかな。

今までの3つの攻殻機動隊は、それぞれが別設定でも核の部分は同じテーマがあった。
この作品は、上辺の部分だけ攻殻機動隊人気にあやかって、核の部分は別の作品って感じがした。


原作、映画版、SACシリーズは、それぞれの世界観が独立してて、それぞれの完成度が感動的なまでに高かった。
それに続く「第4の攻殻機動隊」と言うには、ARISEのクオリティが「攻殻機動隊」に達していない。

音楽やテンポは雰囲気があるが、アニメーションがTVシリーズレベルで、新劇場版としては物足りない。
世界観やキャラクターも悪い意味でSACシリーズの踏襲でしかない。


何より、攻殻機動隊って作品の核である草薙素子の魅力が無い。

電脳戦では超ウィザード級のハッカーであり、単体戦闘能力も全身義体の能力を余すところなく発揮するスペシャルな戦士であり、その上で第六感的な直感力を持つ。
これが今までの草薙素子。

草薙素子の魅力は、その圧倒的な無敵さと、外的な最強さに隠れた儚さにあるのに、今回の素子は単に弱い。
この「ARISE」の素子は、電脳戦では優秀な戦士だが、他の登場人物たちに比べて圧倒的な「何か」を持つわけではない。

そうなってしまうと、大戦の中で伝説級の働きをした素子がカリスマ的なリーダーとして存在した今までの攻殻機動隊の公安9課と、今回のARISEで描かれる公安9課は、似て非なるものになってしまう。

その似て非なる公安9課に、トグサやバトーたちが集まってきても、それほどの高揚感はない。


そして、攻殻機動隊のもうひとつの魅力は、ある意味で電脳世界において孤高とも言える素子が、人間の次のステージである電脳世界に惹かれていってしまう危うさがある。

肉体や脳といった個人が個人である根拠を、電脳化や義体化が無意味にする。
記憶さえも外側から書きかえられる世界で、個人の認識が限りなく曖昧になっていき、素子にとっては現実世界よりも電脳世界の方がリアリティを持っていく。

それが、「人間とは何か?」 という深いテーマに結びついてこその攻殻機動隊。

それなのに、ARISEの素子は、記憶を書き換えられちゃう側なんだもん。興ざめっす。


「続きは観なくても別に良いかな。」
そんな風に感じました。

ちょっと期待値が高すぎた感が否めませんが、正直、ガッカリです。


最終評価 B−

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November 22, 2013

火垂るの墓

火垂る~1

1988年・日本映画
スタジオジブリ製作 高畑勲監督


挙国一致
尽忠報国
欲しがりません、勝つまでは。

軍靴の音が響き、一般市民の生活まで戦争に染められた戦時下。
戦況は悪化の一途を辿り、米軍爆撃機の空襲に晒される神戸。

14歳の兄・清太と4歳の妹・節子。
海軍に所属している父は遠い戦地へ赴き、頼りの母も空襲で死んでしまった2人は、叔母の家に身を寄せる。

ただでさえ物不足の戦時下。
清太と節子を受け入れた叔母にとって、2人はお荷物でしかなかった。

母の形見の着物を勝手に処分され、何かにつけて嫌味を言われ、邪険にされる生活。
肩を寄せて支え合う2人の暮らしは、日に日に苦しさを増していく。

清太はたった一升の米と節子を抱えて、叔母の家を出た。

誰も居ない防空壕で清太と節子の暮らしが始まる。

だが、物質的にも精神的にも誰にも余裕が無い戦時下。
こども2人の暮らしが上手くいくわけもなかった・・・。


「僕は死んだ。」
この衝撃的な言葉から時間を遡る物語には、切なさと哀しさしかない。

飢えて駅で死に、ゴミの様に扱われる清太。
その手に残るのは、サクマドロップの缶に入れられた節子の遺骨。

そこに辿り着くまで、一生懸命に生きた2人。

戦争が無ければ幸せに暮らせたはずの清太と節子。
2人が精一杯に生きていていれば、生きているほどに、切なく哀しい。

冒頭から、胸を締め付けられ、苦しさのあまり最後まで観るのが辛い。


戦時下の物不足の中、頼った親戚に邪険にされ、防空壕で肩を寄せて生きる2人の姿は、胸を討つ。

家を失い。
母を失い。
人間としての暮らしも尊厳も失い。
唯一の希望だった父も失った。

あらゆる絶望が、14歳の清太にのしかかってくる。

そんな絶望の中で、生き抜こうとする清太。
4歳の節子は清太の重荷の様に見えて、過酷な暮らしの中で清太が生きる原動力でもあった。


その2人の目線から描かれた物語ゆえに、親戚の叔母は非情な人に映る。
だが、叔母は叔母で戦時下を真面目に精一杯に生きている普通の庶民。
決して悪人という訳ではない。

清太と節子の父は海軍の軍人であり、両親が揃っている頃は他の庶民に比べて良い暮らしをしていたワケで。
そんな暮らしが抜けない2人の態度は、叔母(大人)の目線で見れば働きもせずに遊び、感謝もしないダメな子たち。
誰もが何かは御国の為に働く非常時、叔母にとって2人は苛立ちの種。
遊び暮らす清太と節子と、働いている実の娘とで夕飯に差を付けたくなる気持ちは分からないではない。

叔母の態度は大人気ないとは言え、余裕のない暮らしの中で出るちょっとした愚痴や、小言が、こどもの心を傷つけることに配慮出来なくなった普通の人だと思う。

そして、余裕を奪ったのは戦争。

植民地化を進める列強に対し、うんたらかんたら。
そんな理屈で、高所から戦争を美化したりする向きがあるが、そんな理屈はクソだと、ちゃんと分かれ。

どんなに戦争を正当化しようとしたところで、想像力の無いバカの言葉にしか聞こえない。


どんなに辛くても、叔母に頭を下げて生き延びれば。
そうは思うけれど。
そうは思うけれど、14歳の清太には厳し過ぎる。

こどもにそんなことを望まなきゃいけない世界の方が間違ってる。


節子が、娘と同い年。
もし、娘が節子だったら。
そう思う想像だけで、それだけで、もう堪らない。


最終評価 A


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November 19, 2013

清須会議

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2013年・日本映画
三谷幸喜監督作品。

「これは戦だ。」

本能寺の変により織田信長が明智光秀に討たれた。
天下統一を目の前にした信長の死は、定まりかけた天下を回転させる。

信長亡き後の織田家を誰が継ぐのか。

信長の次男で血統も良いのに明らかにウツケの信雄(のぶかつ・妻夫木聡)なのか。
それとも、信雄よりも先に生まれ才能もソコソコなのに、血筋の悪さから三男にされた信孝(のぶたか・坂東巳之助)なのか。

かつての信長の居城・清須城。
そこで今後の織田家の命運を担う後継者を決める会議が開催される。

清州会議に参加すべく、織田家の家臣たちが全国から集まる。

この会議の命運を握るのは、織田家の宿将たち。

中国からの大返しで明智を討った羽柴秀吉(大泉洋)。
田舎大名時代から織田家を支えてきた筆頭家老の柴田勝家(役所広司)。
柴田と共に織田家の古参・丹羽長秀(小日向文世)。

勝家と長秀は三男・信孝を推し、秀吉は信雄を推す。

秀吉に恨みを抱える信長の妹・市(鈴木京香)は勝家をそそのかし。
市に恋心を抱く勝家は、純朴に市の願いを叶えようと動く。
なんとか勝家を盛り立てようとする長秀。
滝川一益の代わりに清州会議に出席することになった、利を追求する男・池田恒興(佐藤浩市)。

清洲城が、駆け引きの戦場と化す・・・。


良く言えば純で朴訥、悪く言えばバカな柴田勝家。
人情に厚いようでいて狡猾な秀吉。
対照的な2人が、両人ともに、織田信長の妹・お市に惚れている。

「初めて戦以外で夢中になれることを見つけたんだ。」と、旧友の丹羽長秀に漏らしてお市様にうつつを抜かす柴田勝家。
一方、自分の感情は一旦横に置いて、必要な手を必要な時に着々と進めていく羽柴秀吉。

コレでは勝家に勝ち目などありはしない。
この作品は歴史を下敷きにしている以上、結果は元々見えている。

それでも、やはり年甲斐もなく純な恋心でソワソワしちゃう勝家を、心のどこかで応援してしまうのが人情。

この作品、明らかに主人公は勝家。
それなのに、勝家は負けてしまう。

この無常。

清須会議に負けて、煮え湯を飲まされ、その仇に織田家の中に自分の居場所は無いとまで言われてしまった勝家。

でも、最後にはお市様を手に入れる。
その嬉しそうなコト。

お市様の口から「勝家と結婚する。」と聞かされ、うつむく秀吉を「お、聞いた?」と、無邪気に小突く勝家に観客は救われる。


でも、三谷作品にしては、あまりにもフツーの作品でした。

笑いに笑った「ザ・マジックアワー」から二作、この作品は三谷幸喜のウリである笑いが、ほぼなし。
三谷作品らしい軽妙さはあるものの、中身は至って真面目。

どこかで笑いを探してしまう三谷作品のファンは、どこか「あれー?」といった感想を持つ。

三谷ファンとしては、数々描かれてきた「清須会議」という舞台で、どんな風にドタバタなコメディが繰り広げられるのかを期待していたのですが、その点では肩透かし。

まじめかっ!

って、感じ。

しつこい位に過去の作品からのネタかぶせをしてきた悪習から解き放たれたと言えば聞こえは良いけど、物足りなさは隠せない。

で、ストーリーに目を移すと、いわゆる定番の「清須会議」の展開を踏襲。
今まで様々な作品で描かれてきたこの超有名な会議だけに、真新しさがない。

結果、「盛り上がりは? 笑いは?」と思っている間に終わってしまう。

役所広司、大泉洋、小日向文世、鈴木京香、浅野忠信、松山ケンイチ、妻夫木聡と、豪華なキャストの力で最後まで観られる作品ではあったものの、やや物足りなさが残る。

フツーに。
悪い作品ではない。け、ど、さ。
ちょっと残念。

期待してた三谷幸喜の「清須会議」、と、作品の間にはズレがあるのが不幸かな。

最終評価 B

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November 12, 2013

宇宙戦艦ヤマト 復活篇

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2009年・日本映画

宇宙戦艦ヤマト・完結篇から26年。
あの戦艦ヤマトが復活する。


あらすじ
西暦2220年、太陽の300倍の質量を持ち、光をも飲み込む暗黒の天体、移動性ブラックホールが宇宙から地球へと迫っていた。
地球連邦政府は、移民船団を組織。
サイラム恒星系アマールへの移民を決行するが、謎の大艦隊の攻撃に遭い、船団が壊滅。
古代進は移民船団の護衛艦隊司令としてヤマトに乗り込み、大艦隊に戦いを挑む。
Yahoo映画より


もう、ストーリーを自分で要約することさえ面倒。

作画レベルが、底辺。
妙に劇画調かつ、動きカクカク。
メカニックデザインも、服のデザインも、とにかくヒドイ。

昔見た洋物輸入のニンジャタートルズとかが、こんなんだったな。
2009年製のハズですが・・・。

ストーリーもひどい。
演出、盛り上げ方、何もかもあったモンじゃない。

途中で過去の「宇宙戦艦ヤマト」の映像が出てくるんだけど、その絵のマトモさに涙が出る。
アニメーションとして観ても、30年以上前の宇宙戦艦ヤマトシリーズの足元にさえ及ばない。

よくも、まぁ、ここまでクソ雑に作れたモンだ。

宇宙戦艦ヤマトの熱心な信者じゃない僕でも、ここまで原作を穢されると流石に萎える。


で、スタッフロールの中に

原案:石原慎太郎 の文字。


うお。出たな、老害ジジイ。
自分は作家だとか、何とか言ってたな。
美意識がどう、とか、言ってたな。

これが、そうか。

流石のクソ仕事でした。


最終評価 C−





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November 11, 2013

闇金ウシジマくん

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2012年・日本映画
人気漫画を実写化した深夜ドラマの劇場版。

恐ろしいほど頭が切れ、冷徹、そして肝が据わった闇金融の丑嶋(山田孝之)。

丑嶋に関わってしまった人間の人生が、転がる。

パチンコ中毒で底辺生活が染み付いた母親が、丑嶋の闇金で金を借りてしまった未來(大島優子)。
金を返す為に稼ぎの良い出会いカフェで働き続け、金の為なら身体を売っても良いと考えるようになる。

一方、未来の幼馴染の純(林遣都)はイケメンダンサーを集めたイベントを企画し、彼ら目当てに集まる女性たちから金を巻き上げていた。
だが、純のイベントは、丑嶋によって資金調達の道を閉ざされる。

丑嶋を恨んだ純は、丑嶋への復讐を計画する・・・。


金と、暴力と、エロス。
大事なのは、ヤングマガジン的な分かりやすさ。
登場人物は、心情を全て言葉で説明してくれるので、単純明快。非常に説明的。
ストーリーも分かりやすく、闇金に手を出して堕ちていくテンプレな人達沢山。

とにかく説明セリフが多い、多すぎる。

分かりやすく作り過ぎて、非常に安っぽい。

林遣都は、脚本の結果としても、バカ過ぎる役。
彼はずっとイベントさえ成功させればって言ってるんだが、「何コレ?」ってくらいのショボイベント。
こんなイベントで人も金も集まるワケねーだろ。

そして、大島優子の演技力・・・、AKBクオリティ。
設定は高校出たて?でも、まんま大島優子。何歳の設定なんだか分からない。
てか、この子の要素、必要?


他の要素は大体残念なのに、それでも作品として成立させるのは、山田孝之の存在感。

分かりやすく感情をセリフで説明してくれるその他大勢に比べ、ほとんど表情を動かさず、セリフも少ない。
主人公なのに、登場時間さえも少ない。
それでも圧倒的。

とは言っても。
その山田孝之でさえ闇金なので、共感とか、応援したくなる要素とかは無いですしね・・・。
山田孝之の力をもってしても、キビシイはキビシイ。


最終評価 B−
山田孝之の存在のみが、この作品をCに落とさなかった。か、一応。


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November 04, 2013

グッモーエビアン!

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2012年・日本映画

ロックじゃなけりゃ、家族じゃない

元パンクバンドのギタリストだった、シングルマザーのアキ(麻生久美子)。
アキを反面教師に、しっかり者に育った15歳のハツキ(三吉彩花)。

仲良く親友のように過ごしてきたアキとハツキの元に、放浪の男・ヤグ(大泉洋)が2年振りに帰ってきた。

幼い時から一緒に過ごしてきたけど、血の繋がった父親、では、ない男ヤグ。
その存在が、ハツキの心にトスリと重みを落とす。

帰って来て、そのまま自由気ままに過ごすヤグ。
そのヤグを許すアキ。
テキトーに楽しそうに過ごす2人を見ながら、なぜかイライラが募るハツキ。

そんな時、親友のトモ(能年玲奈)の両親が離婚し、ハツキと喧嘩したまま転校してしまう。
落ち込むハツキは、大人になろうと頑張るが、それもまた空回り。

進路でアキとヤグとぶつかってしまったハツキは、アキとヤグの過去を知る・・・。


家族はカタチなんかじゃない。

すごくハートウォームで、ポップな、あ、いや、ロックなストーリー。


モヤモヤと不安になる自分の人生に悩む15歳の真面目な少女・ハツキ。
その目の前に、現れたテキトーを絵に描いた様な大人・ヤグ。
そして、暮らすための仕事に疲れているハズの母・アキが、そのテキトーを許すことへの疑問が募る。

それでも、やっぱりヤグもアキも好きなハツキは、自分の心の中身を把握できなくてチリチリと痛む。

自分のことで精一杯になったハツキが、自分のことしか見えなくなって親友を傷つける。
その後悔から、アキとヤグの将来を真面目に考えた結果、今度はアキとヤグを傷つけてしまう。

真面目に頑張っているのに、上手くいかない15歳。

そんな15歳の繊細な心の揺らぎを、洋さんの楽しい演技と、麻生久美子さんのサラリとした空気感が包む。



麻生久美子と夫婦役をやってしまう大泉洋。

いいなぁ、洋さん。

この人の、上手いんだか下手なんだか分からない演技が好きなんだよなぁ。
何を演じてても洋さんにしか見えないんだけど、違和感が無い。
そのキャラクターが洋さんぽいのか、洋さんが上手いのか分からないトコが良いんだろうな。


最終評価 A−

洋さんと麻生久美子さんじゃなかったら、B+が妥当なんだけど。
好きな役者さんが2人主役級だったらワンランク上がっちゃうよね。


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October 30, 2013

BUNGO ささやかな欲望 −見つめられる淑女たちー

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2012年・日本映画
「BUNGO」
文豪たちの短編小説を実写化。
女性編「見つめられる淑女たち」と男性編「告白する紳士たち」の計6篇。

この女性編は3篇。
宮沢賢治の「注文の多い料理店」
三浦哲郎の「乳房」
永井荷風の「人妻」


「注文の多い料理店」 監督:冨永昌敬
入り婿として銀行の左右吉(宮迫博之)は、不倫相手の富士子(石原さとみ)を狩りをしに山に入る。

しかし、この不倫旅行は妻にバレていて、富士子と別れるための最後の旅行。
一方、富士子もそんな左右吉の気持ちを察していて、分かれるならいっそ慰謝料をせしめたい。
慰謝料を出したくない男と、慰謝料をせしめたい女。

そんな2人が道に迷って辿り着いたのは、注文の多い料理店「山猫亭」だった・・・。


ちょっとスケベが入ったB級ホラー。

いやー、誰もが知ってる物語だからこそかもしれないけど、変なアレンジしたもんだ。
最後に2人を助ける狩人も出てこないから、どうやって生き延びたか一切不明。

宮迫の演技って、脇役ならまだしも、主役だとコントにしか見えない。
石原さとみは可愛いけど、演技が上手いかって言うと、微妙。

評価 C+


「乳房」 監督:西海謙一郎
第二次大戦中。
乳房が膨らんでくる夢に悩まされる中学生・寛次(影山樹生弥)。
寛次は、胸にしこりを感じ、自分がこのまま女になってしまうんじゃないかと思い悩む。
誰にも相談できないまま夜間巡視をする寛次は、理髪店の未亡人・かな江(水崎綾女)が髪を洗っている姿を目にしてしまう。

あまりにも美しい乳房を目にし、その日から寛次の頭はかな江の乳房のことばかりになってしまう。

そして、かな江も夫を出征で失い、若い肉体を持て余し、悶々とした日々をおくっていた。


幼い時に母親を失った寛次。
性の目覚めと、母性への憧れの象徴がかな江の乳房に集約されていく。

しかし、かな江・・・。
中学生相手にかなり挑発的。

文学のエロスと言うより、かなり直接的。
こんなん、中学生のエロ妄想じゃん。

ま、文学なんて、そんな部分もあるよねー。

評価 B


「人妻」 監督:熊切和嘉
町はずれの家の2階に間借りした桑田(大西信満)は悠々自適の生活。
そんな桑田の頭の中は、1階に暮らす夫婦の夜の生活。

豊満な肉体を持つ人妻の年子(谷村美月)の嬌声が夜な夜な聞こえ、桑田は当然のように妄想に耽る。
桑田の心に住む悪なるクワタが、桑田をそそのかす。

そんなある日、桑田が外出から帰ると、そこには縄で縛られた年子が居た・・・。


目の前にぶら下がったエロスに、何とか勝とうと頑張る青年。
そんな青年の葛藤を知ってか、知らずか、ひらひらと誘うような人妻。

一線を越えるか、越えないか、悩む青年の前にスーパー据え膳状態の縛られ人妻!

どうする、どうするの俺!

って、どんなシチュエーションプレイだよ。

時代が違うとは言え、桑田ヘタレすぎ。

評価 B


タイトルロールの段階から漂う、安っぽいオーラ。
ちょっと真面目に撮ったロマンポルノって感じ。

コンセプトは分かるんだけど、中身がスカスカすぎやしませんか。

各作品30分で、次々切り替わっているのに、タルい。

エロスを売りにするほどエロくはなく。
文学がテーマと言えるほど深くもない。


最終評価 B−




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October 28, 2013

鍵泥棒のメソッド

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2012年・日本映画
「アフタースクール」の内田けんじ監督作品


俳優志望の35歳・無職。
いつまでも売れない俳優の卵、そんな人生に絶望した桜井(堺雅人)。
自分の人生をリセットすべく自殺を試みるが、それにさえ失敗。

その後で出掛けた銭湯。
桜井の目の前で金の唸るほど入ったサイフを使っていた男・コンドウ(香川照之)が、石鹸で転んで昏倒。
その時、コンドウの手から滑り落ちたロッカーの鍵が桜井の足元に。

桜井は、どさくさの中で自分のロッカーの鍵とコンドウの鍵をすり替えてしまう。

コンドウのロッカーには、驚くほどの大金と、外車の鍵。
桜井はコンドウの金で今までの借金を返して回る。

そして、白々しくも荷物を返そうとコンドウの病室を訪れたが、頭を打ったコンドウは記憶喪失。
しかも、すり替えた桜井の鍵から出てきた荷物から、コンドウは自分を桜井だと思い込んでいるらしい。

桜井は、コンドウに成りすますことにしてしまう。

だが、コンドウの携帯が鳴って事態は急展開。
なんと、コンドウは殺し屋だったのだ・・・・。

一方、記憶を失って桜井になってしまったコンドウは、雑誌編集者の水嶋香苗(広末涼子)と出会う。

きわめて合理的な思考の持ち主の香苗は、あと2ヵ月で結婚すると決めた矢先。
なんと、香苗とコンドウは惹かれ合い、結婚することに・・・・。



優秀な殺し屋と入れ替わってしまった、人生グデグデの演劇青年。
そこに結婚を考える女性編集者が加わって、状況が二転三転。
サスペンスなのか、コメディなのか、あらゆる要素が転がり出して画面から目が離せない。

TVドラマの劇場版やら、何かのメディアミックスやら、リメイクやらが多い最近の邦画の中、完全オリジナルの脚本。

とにかく、その脚本が秀逸。

そして、その脚本を演じるのは、堺雅人、香川照之、広末涼子の演技派キャスト。
桜井とコンドウを追い詰めるヤクザの親分が荒川良々だななんて、脇役まで気が利いてる。

ダメ人間の桜井は、最後に逃げない本気を見せ。
殺し屋かと思わせていたコンドウは、一本筋の通った男で。
一途で真面目な香苗は、思わず応援したくなる可憐さ。

メインの3人が、それぞれに一生懸命に生きていて、応援したくなる。

しかも、この複雑なストーリーを完璧なハッピーエンドに持っていくなんて!!

ツカミ、展開、ラストまで、文句の付けようもない。


ドキドキして、クスリと笑って、グッと拳を握りたくなる爽快感。
観終わった後味最高。

文句なしの作品。


最終評価 A+



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October 26, 2013

SPEC 天  

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2012年・日本映画

一気に観てるぜ、SPEC!


通常の捜査では解決できないSPECと呼ばれる能力を持つ者たちの犯罪。
SPECによる事件を専門に扱う「警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係」、通称「未詳(ミショウ)」。

未詳の特別捜査官、当麻紗綾(戸田恵梨香)と瀬文焚流(加瀬亮)の元に、海洋上で凍りついたクルーザーとミイラ化した遺体発見の知らせが届く。

「冷気を操る」スペックホルダーによる犯罪?

捜査に乗り出した当麻と瀬文。
だが、その事件は国家を揺るがす大事件の序章でしかなかった・・・。


今まで組織化されていなかったスペックホルダーたちが、生きていたニノマエを中心に集まる。
巨大資本によって飼われていたスペックホルダーたちが、自分たちの力を使って舞台の主役となるために動き出す。

世界の未来を予言したファティマ第三の予言とは?
歴史の陰で世界を操ってきた御前会議とは?
シンプルプランとは?

当麻と瀬文は、遂にSPECを巡る戦いの核心に迫る。


瀬文(加瀬亮)が、当麻レベルの阿呆になっちゃった。壊れた・・・。
しかも、TVシリーズで死んだハズだったニノマエ(神木隆之介)生きてた・・・。

他にもなん・・・じゃこりゃ諸々・・・。

まぁ、SPECは元々好き放題の作品だったけどさ、でも、ある程度のバランスはあったんだけど。

劇場版とはいえ、好き放題になり過ぎ。
劇場版の悪癖は、規模を大きくしようとしたり、悪ノリを加速させ過ぎたりするコトだよなー。

でも、ま、ここまでのシリーズが面白かった貯金で何とか。

まぁ、劇場版の暴走は予想してたし、ここまで来たら最後までは観るぜ!


最終評価 B−


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October 10, 2013

劇場版 天元突破グレンラガン 螺巌篇

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2009年・日本映画

俺たちを誰だと思ってやがる!!


今石洋介・監督
アニメーション制作・GAINAX


遂に、螺旋王・ロージェノムを倒したシモンと大グレン団。

地下に閉じ込められていた人間たちは解放され、地上に溢れ出た。
人々は螺旋王の技術を取り込み、短い時間で繁栄を極めていく。

かつて大グレン団に所属したメンバーたちは、新しい地上の政府の要職に就き、シモンはその代表を務めていた。
だが、平穏な世界の中で求められるのは無軌道なリビドーではなく、知性による統治だった。
革命の動力となったメンバーたちは、新しい世界に馴染む者と馴染まない者に分かれていく。

7年後。
安定を得た人類を見届けたシモンは、ニアに結婚を申し込み、受け入れられる。

だが、その時、急速に月が地球に近づく。
そして、ニアの身体が黒くぬりかえられ、人格が変わる。

黒いニアは言う。
「地上に出て増えすぎた人類を滅ぼす為、3週間後に月を地球に落とす。我々はアンチスパイラルだ。」

かつて人類を地上を支配した螺旋王・ロージェノムは、この事態を招かない為に人類を地上で繁栄させないようにしていたのだ。

そして、街を破壊するアンチスパイラルに対し、シモンはグレンラガンで打って出るが、戦いの中で街が壊れる。
アンチスパイラルを撃破したものの、人々は暴徒と化した。

「シモンを出せ、家を返せ、月が堕ちてくるのはヤツのせいだ!」

シモンたち大グレン団がリーダー・カミナを失ってまで戦い、螺旋王に勝ち、今がある。
それなのに、これが、俺が戦ってきた結果か。

シモンは拘束を受け入れた・・・・。



グレンラガンを動かす螺旋力。
それは、生命の螺旋。
すなわち、DNAを持つ存在だけが持つエネルギー。

そして、螺旋は銀河の螺旋でもある。


とか、言っちゃって。
要らなかったな、こんなん。


理屈は要らない。感じろっ!!


熱いパトスの塊。
天元突破グレンラガン。

「紅蓮篇」に引き続き、劇場版グレンラガンの後半「螺巌篇」です。

ダイジェスト感の強かった紅蓮篇に比べ、螺巌篇の完成度は文句なく高い。


キングキタンギガドリルに泣きそうになる自分。
超銀河グレンラガンに心熱くなる自分。

天元突破グレンラガンで、感動する自分。

そして、流れてくる空色デイズ。
もう、にやにやし続けてしまう。

あほか、あほだろ。自分。

でも、そんな阿呆で、本当に良かったと思うぞ。自分。


最終評価 A

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October 09, 2013

劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇

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2008年・日本映画

シモン、お前のドリルは天を突くドリルだ。


今石洋介・監督
アニメーション制作・GAINAX

新しく始まったアニメシリーズ「キルラキル」と同じ製作陣の作品。
キルラキルを観てたら、無性に観たくなって劇場版を鑑賞。

アニメシリーズ「天元突破グレンラガン」は、随分昔に観ましたが、好きなんですよねぇ。この無茶苦茶な勢い。

・・・・・・・・・・・・・・・

あらすじ

遥か未来。
人間は何百年もの間、地中に穴を掘って生活していた。
ジーハ村の少年シモンは、いつものように得意な穴掘りをしていると、光る小さなドリルと巨大な顔を見つける。兄貴分と慕うカミナに、その顔を見せようとしたその時、突如として村の天井が崩れ、巨大なロボットとライフルを持った少女・ヨーコが落ちてきた。
騒ぎの中、シモンは巨大な顔に光るドリルを差し込むと、その顔はロボット=ガンメンとなってその姿を現した。
シモン達は襲いかかる敵ガンメンを打ち破ると、勢いそのままに地盤を突き割り大空へと飛び出す。
眼前に広がる壮大な地上の風景に興奮を隠せない一行は、地下暮らしを投げ打って地上で旅する事を決意する。だが地上は獣人達が人間に対して侵攻を続ける戦場でもあった。

wikipedia より

・・・・・・・・・・・・・・・


俺を誰だと思っていやがる!!


いやー、この作品を観てると無駄に名言を並べたくなるなぁ。

理屈は要らない。感じろ!!

この言葉の通りの作品。


アニメシリーズの劇場版。
この紅蓮篇も当然ながらの総集編。


ジーハ村から旅立ったシモンとカミナ。
そして、無軌道な彼らの冒険に惹かれたヨーコも同行を申し出る。

シモン、カミナ、ヨーコは、地上に出た人類を滅ぼそうとする螺旋王が率いるガンメンたちと戦い続けた。
長い旅の中で仲間を増やし、螺旋王に対抗するグレン団へと成長していく。

だが、螺旋王の四天王との死闘の中、今までグレン団を率いてきたリーダー・カミナは命を落とす。

カミナを失った心の闇を抱えるシモンは、自暴自棄な戦いに身を投じる。
そんな時、シモンは廃棄されたゴミの中から少女・ニナに出会い、心を救われる。

カミナの死を乗り越えたシモンは、遂に四天王を倒す。


まぁ、内容は相当ダイジェストだけど、久しぶりに観たいなーと思った時には丁度良い。
シリーズファンのための作品なのだから、これで良いのだ。

そして、ヨーコは相変わらず魅力的。
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このどんだけも突き抜けたキャラデザが、あほう過ぎて大好き。


グレンラガン観てたら、あほうパトスが満ち満ちてきた。

くわー、ヨーコのフィギュア欲しくなってキターーーー!!


最終評価 B+



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October 08, 2013

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望

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2012年・日本映画
テレビドラマシリーズに始まり、その後に続く映画シリーズは数々の記録を打ち立て、数々の流行語を生み出した人気シリーズ。
その15年にわたる『踊る大捜査線』シリーズの劇場版第4弾にして最終作。


湾岸署刑事課の強行係長となったノンキャリアの青島刑事(織田裕二)は、同僚の恩田すみれ刑事(深津絵里)と今日も草の根の捜査に精を出していた。

国際環境エネルギーサミットの会場で誘拐事件が起こり、被害者が遺体で発見される。
殺害に使われたのは、警察が押収していたハズの拳銃。

捜査本部が置かれたのはお馴染みの湾岸署。

捜査方針は、「所轄は捜査に関わらず、捜査は本庁だけで行う。」。
警察の上層部は、警察の不祥事を公にしないことに神経を尖らせる。

そして、結果としてノンキャリア組の所轄刑事に情報は届かず、警視庁から来たキャリア組に単純な捜査の命令を受けるばかり。

そして、次に誘拐されたのは、署長になった真下(ユースケ・サンタマリア)のひとり息子だった・・・。


シリーズの結末が知りたくての鑑賞。
お約束のメンバー、お約束の演出、でも、それが観たくてシリーズモノは観ているんだから良し。

問題なのは、お約束が過剰になって本筋のストーリーがおろそかになるコト。

この作品は、その典型。

当初のTVシリーズにあった一定の緊張感はどこへやら、お約束のギャグパートばかり。
本筋の展開までが相当にタルい。
やっと話が進んだかと思ったら、登場人物たちの話ばかりでほとんどほっぽらかし。

犯人の犯行動機がちょーーーー弱い。
しかも、警察の課長クラスが犯行に関わってるのに、証拠の隠ぺいもせずにサラサラと自白する。

警察の上層部が事件をもみ消そうと誤認逮捕やら、内部捜査やら、青島と室井(柳葉敏郎)に責任をなすり付けたりとか、やりたい放題。

そのやりたい放題があまりにも無茶苦茶。


犯人の犯行も動機も、青島が犯人にたどり着く手法も、警察上層部のドタバタも、犯人確保のオチまで。
徹頭徹尾、全部が全部、「刑事モノ」と言うことさえ恥ずかしい位の内容。


なんじゃ、こりゃ。


いくら踊る大捜査線だからって、これはナイ。

ここまで堕ちたか、踊る大捜査線。
15年の集大成がコレなら、このシリーズは終わらせて良かったんだな。


しかし、せめて青島とすみれの関係がどうなったかを描けよ・・・。


最終評価 C−


それでも、深津絵里は可愛いなぁ。




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October 04, 2013

着信アリ

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2004年・日本映画
柴咲コウ主演・三池崇史監督

大学生の由美(柴咲コウ)の友人・陽子が列車事故で死ぬ。
その事故があった時、由美は陽子とケイタイで話していた。

その陽子との会話を、由美は3日前に聞いていた。

陽子が死んだ3日前の夜、陽子のケイタイが鳴った時、由美はその場に居た。

その着信音を陽子は聞いたことが無いと言って電話に出ない。
着信の相手は、陽子自身。
しかも、着信の日時はちょうど3日後。
その、残されていた留守電が、その陽子が死んだ時の会話だったのだ。

この着信履歴に残された時間に、電話がかかってきた人間は死ぬ。

陽子が死んだ後は、陽子の彼氏のケンジ、友人の夏美(吹石一恵)、次々に連鎖していく死の着信。

そして、遂に由美のケイタイが鳴る・・・。


ホラーが怖くないってのは、もう、それだけで罪だと思う。


リングがヒットして以降、やたらジャパンホラーが撮られた時期があったよなぁ。
その頃の一作。

一時期、やたら柴咲コウが主演の映画が撮られた時期があったよなぁ。
その頃の一作。

なんか、知ってる内容で、もう一度観てたかなーと思ったら、ハリウッドリメイクの「ワン・ミス・コール」を先に観てしまっていたと言う・・・。

ストーリーを知っていると言えど、怖さが一切ないってのはどうなのか。

怖いってか、気持ち悪いはあるけどさ・・・。


しかも、オチにいたる理由も状況も、モヤモヤしてて良く分からないってのはどうなのか。
最後まで頑張って観たのに、モヤモヤを残されるなんて、とんだ踏んだり蹴ったり。


最終評価 C+



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October 03, 2013

海猿 BRAVE HEARTS

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2012年・日本映画
メガヒットシリーズ・海猿の第4弾。


日本の全ての海に派遣される、海上保安庁最高の救命チーム・特殊救難隊(通称・トッキュー)のメンバーになった仙崎大輔(伊藤英明)。

海洋救難の最前線で最後の砦となるトッキューは、常に自分の命を危険に晒す。
そして、最後の砦であるトッキューを助けに来る者は居ない。

自分の命を危険に晒しながら目の前の要救助者に向かっていく仙崎を、トッキューの先輩・嶋(伊原剛志 )は怒る。

「トッキューの現場では、冷徹な判断が求められる。
 たとえ要救助者まで1mでも、危険と判断したら撤収するのがトッキューだ。」

ある日、太平洋上を飛んでいたジャンボジェットの右エンジンに異常が起こる。
なんとか左エンジンのみで羽田に向かうジャンボジェットは、徐々に高度を下げていく。

そのジャンボには、仙崎と長年のバディを組む吉岡(佐藤隆太)の彼女・美香(仲里依紗)が乗っていた。

成田まで辿り着いたものの、車輪が出ないジャンボを空港には降りられない。
唯一の方法は、指定の海上に胴体着陸し、そこに救助隊を待機させて飛行機が沈み切る前に全員を救助する。

タイムリミットは20分。

そのミッションにトッキュー隊が挑む。
そして、ジャンボジェットが海上着水する為、海上保安庁、警察、そして民間の船たちまでが力を合せていく・・・。


「LAST MESSAGE」の後にある続編とは、これいかに。

まぁ、それは良いとして。

回を重ねるごとに災害の規模を拡大してきた海猿。
前作で海洋プラントをひとつ沈める火災を乗り越えた仙崎は、更に上のトッキューに入隊していた。
そして、今回はジャンボジェットの墜落事故。

規模を大きくするのは無理だから、今後のはタイムリミット付き。

だけど、タイムリミット20分の救助活動を2時間延々と流すワケにもいかない。
だから、飛行機が堕ちるまでが長い。
結果、仙崎が何もしてない時間が長い。
むしろ、待ち時間の主人公は司令官である時任三郎。
そして、今回ピンチになるヒロインはバディの吉岡の彼女。

ん?

なんか、単に仙崎のスーパーパフォーマンスを見せつけるだけだった今までの海猿より、みんなの力を結集する今回の方がフツーと言うか、マトモ?

規模ばかりデカくなっていった前作までより、時間制限のある今回の方が緊迫感もあってテンポが良い。


ま、御都合のツッコミは言い出したら成立しない作品だし、あえて言わない。

飛行機のエンジンが炎上して落っこちるって、どゆこと?とか、言わない。
仙崎が海上着水の作戦を司令部に直接提案したり、一方で落ちてくる飛行機の機長と着水3分前まで話したりとか、どんな権限?とか、言わない。
登場人物の演技が全員、体育会系。とか、言わない。
吉岡クンが、トッキューなのに単独行動で彼女の救助にかかりきり。とか、言わない。

ミラクル起きすぎ・・・

言わない。

だって、海猿だもん。
そんな諸々のツッコミはありつつ、それこそが海猿らしさで、「海猿を観た。」と言う満足感あり。


最終評価 B+



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September 30, 2013

のぼうの城

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2011年・日本映画

500 対 20,000

天下人となった豊臣秀吉(市村正親)は、天下統一の最終局面として関東の雄・北条氏討伐に動いた。

算術にには長けていても、「三成の戦下手」と陰口を叩かれる秀吉の最側近・石田三成(上地雄介)。
秀吉は、この関東攻めで側近のに武勲をたたせる為、武州(今の埼玉)にある忍城(おしじょう)を攻めさせる。

その軍勢・二万。

一方、忍城の城主・成田氏長(西村雅彦)は、長年の恩がある北条に付くか、それとも豊臣に付くかの選択を迫られ、形だけ北条に味方し、裏で秀吉に寝返ってしまおうと考えていた。

氏長の留守を預かって城代となった後継・成田長親(野村萬斎)は、領民から「でくのぼう」を略し「のぼう様」と呼ばれ、親しまれていた。

一矢も交えずに降伏することに不満が溜まる城内。

そこに石田三成の率いる二万の兵が到着する。
そして三成は夜通しかがり火を焚き、散々に忍城を脅した。

翌日、石田三成の使者が忍城に訪れ、忍城の開城を要求した。
領土・領民の安堵の交換条件は、美貌と武勇で名高き甲斐姫(榮倉奈々)を秀吉の側室とすること。

だが、ハナから降伏を折り込んだ、使者の増上慢な態度に成田長親は激怒する。

その直前まで降伏やむなしと思っていた長親の突然の心変わりに、不満の溜まっていた武将たちが呼応し、忍城は戦へと走り出す。

500 対 20,000

圧倒的な兵力差。
だが、その兵を率いるのは名将・正木丹波守利英(佐藤浩市)。
そして、この勝ち目が無い戦いに「のぼう様の為なら!」と百姓たちも立ち上がり、浮き城と呼ばれるほどの水掘りに囲まれた忍城は天下の堅城へと様変わりしたのだった。


天下統一を目の前にした太閤・秀吉の軍勢を相手に、最後まで落ちなかった北条方の支城・忍城。
その城を率いた実在の武将・成田長親を描いたベストセラー小説の実写映画化。

兵力差で言えば、万に一つも勝ち目のない戦いを、あの手この手の奇策と笑いで乗り切る痛快娯楽作品。

展開はほぼ漫画の世界。
実写映画でありながら、アニメ作品でも観ているかのような気分にさせられる。
そして、それが演出として効奏している。

野村萬斎が二万の軍勢を前に、命がけの猿田楽を踊るシーンは冗談のようだけど、必見。


ただ、勝負の決着がこの戦とは別の場所(北条氏の本城)で付いてしまう為、どうしてもクライマックスの盛り上がりに欠けてしまうのが残念。
まぁ、ソコは史実だから仕方ないんだけど。

その戦で盛り上げられなかった分を、戦後処理の開城後の交渉に持ってくるんだけど・・・。
んー、石田三成があまりにも物分りが良すぎてキモチワルイ。


「のぼう」と笑われながらも実は智将、そして、人心を掴む城代・長親を野村萬斎。
たった500騎で強大な敵を迎え、野村萬斎を支える腹心に佐藤浩市。
他にも敵軍勢に居る山田孝之の演技は見応えがある。

成宮寛貴とか、榮倉奈々は、まぁ御愛嬌かな?

監督が「ローレライ」「隠し砦の三悪人」で相当にヤラかした樋口真嗣だと思って敬遠してたのですが、実はダブル監督で「ジョゼと虎と魚たち」の犬童一心が居たと言う。
犬童監督は良い監督なのに、何だか久しぶり。

CGやら特殊効果やらを樋口監督、人物描写を犬堂監督と言う感じかな?
得意分野の分担作業もアリでしょ。


エンタメ作品として最後まで観られる作りではあるけど、ラストには不完全燃焼な感じも残る。

おしい!


TSUTAYAレンタルでディスクが傷ついていて、夜中に車を走らせたワリに・・・。
でも、最後まで観れてスッキリ。
コレが一日おいてのこのラストだったら、ちょっとねー。


最終評価 B+


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September 26, 2013

悪の教典

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2012年・日本映画
三池崇史監督作品。


とある高校。

容姿、能力、実行力に優れ、ハスミンと生徒に呼ばれて慕われる英語教師の蓮実(伊藤英明)。
蓮実は生徒のみならず教師や保護者にも一目置かれる存在。

蓮実の周囲は問題で溢れていた。

頭が良いくせにソレをカンニングなど、教師を小バカにすることに使う生徒。
生徒の万引きをネタに女子生徒の身体をもてあそぶ同僚。
狂ったように娘のイジメを訴える親。

だが、最も問題があるのは、蓮実自身だった。

サイコパス。
サイコパスは社会の捕食者(プレデター)であり、極端な冷酷さ、無慈悲、エゴイズム、感情の欠如、結果至上主義が主な特徴で、良心や他人に対する思いやりに全く欠けており、罪悪感も後悔の念もなく、社会の規範を犯し、人の期待を裏切り、自分勝手に欲しいものを取り、好きなように振る舞う。その大部分は殺人を犯す凶悪犯ではなく、身近にひそむ異常人格者である。
by Wikipedia

蓮実はサイコパスだった。

目的を達成する為、邪魔を排除する為、反社会的な方法さえも厭わない蓮実。

盗聴、放火、淫行、殺人。
巧みに偽装され、完璧に遂行されていく蓮実の凶行。

だが、その自身の凶行が発覚しかけた時、蓮実は究極の行動にでる・・・。


他者共感性のないサイコキラーが、高校教師として学校に入り込む。

信頼も厚い完璧だった人気教師が、笑顔を浮かべながら無防備な生徒や教師相手に牙を剥く。
そこにあるのは、恐怖と言うより、嫌悪感や不快感。

そして、中盤まで周到に犯行を隠してきた蓮実が、犯行の隠ぺいを諦めた時、リセットボタンを押すように猟銃片手に生徒を撃ちまくる。
ラストには軽快な音楽にのせながらの大量殺人。それはもう、現実離れし過ぎたゲーム。

そう、演出によってゲーム感が高めてあるおかげで良く分かる。
他者共感性が無い世界とは、すなわちそのままゲームの世界。

前半は、良い教師を演じるゲーム。
中盤は、完璧な犯行を遂行するゲーム。
後半は、シューティングゲーム。

蓮実とって全てはゲームだったのだと。

そして、ラストは次のゲームのはじまり。
ラストで蓮実の残す言葉で、背筋がゾクリとする。

この作品は、生徒を虐殺する教師と言う部分だけがクローズアップされ、評価されているが、ソレはこのラストの一瞬の恐怖を生み出すための途中経過でしかない。

残念なことに、虐殺シーンの印象が強すぎてラストシーンに至る前に作品を投げてしまう人が多いのだろう。



そこのけそのこけ、サイコさんが通る。

伊藤英明のカタイ演技が、むしろサイコ・キラーの異常さを上手く表現していて、ハマる。
この作品だけ観ると、伊藤英明が名優に見える。


最終評価 B+


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September 12, 2013

仄暗い水の底から

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2001年・日本映画
「リング」の鈴木光司・中田秀夫コンビが手掛けたホラー映画。


5歳の娘・郁子の親権を争う離婚調停中の松原淑美(黒木瞳)。
何としても親権を得たい淑美は、少しでも早く新しい家が欲しかった。

激しい雨の日に見学した、古いマンション。
湿気の多そうな部屋。
少し嫌な印象があったものの、管理人も居るし、職場や幼稚園も近い。
淑美は入居を決めた。

だが、気に入らないのは湿気ばかりではなかった。
上の階に住む住人の足音、天井のシミ、雨漏り、そして、何度となく目にするこども用の赤いカバン。
淑美のいらだちは募っていく。

そんな時、郁子の通う幼稚園で2年前に行方不明になった少女・美津子の存在を知る淑美。

両親が離婚し、雨の日に美津子は姿を消した。
その時の美津子の姿は、黄色いレインコートと赤いカバン・・・。

奇妙なことが続き、疲れきって寝入ってしまった夜。
郁子が夜中に部屋を抜け出し、居なくなる。
必死で郁子を探す淑美が見つけたのは、またあの赤いカバン。
そして、足音が響いてきた上の部屋で、淑美は郁子を見つける。

郁子を見つけた上の部屋は、水浸し。
そして、表札には河合美津子の名前が・・・。


ぼんやりやり淡々としたストーリー展開とヒステリック感だけで 3/4 くらい引っ張るので、ひたすらタルい。

追い詰められてくシングルマザーの黒木瞳がヒステリック。
共感できずに引いてしまう。

出てくる恐怖要素は、捨てたハズなのに何度も出てくる赤いカバンと、雨漏り、そしてチラっと見えるこどもの影。
とりあえず、怖いはナイ。

で、淑美が美津子が行方不明になった理由に辿り着いたコトで、やっとやっとのクライマックス恐怖展開に入るのかと思いきや・・・・。

結局のところ、恐怖の根源である美津子ちゃんは、自分を見つけて欲しいだけのこども霊。
最終的には助けを求めるこども霊を突き放すことも出来ず、何だか微妙にハートウォームと言うか良く分からないオチになる。

しかも、ラストはそして10年後、とか。ホラーでアリなのか?

前半から中盤までずっとタルく、ラストはグデグデ。
非常に残念感のある作品でした。


ジャパンホラーが流行った時期だから、棲み分けの為に色々なパターンがあったよね。

でも、ハートウォームホラーは企画段階で無理だと気付こうよ。


最終評価 C



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September 04, 2013

ハンガーゲーム

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2012年・アメリカ映画
全米2,000万部のベストセラー小説を三部作で実写化。
その第一弾。


一部の富裕層に支配され、独裁国家と化した未来のアメリカ。
国の名前をペラムと変え、制度も法も富裕層たちの思うまま。

そこで富裕層たちの娯楽として絶大な人気を誇るイベントがあった。

ハンガーゲーム。

12の区に分かれ、管理される貧民層。
その各区から12歳から18歳の男女がひとりづつ無作為に選抜される。
選抜者は森の中で殺し合い、生き延びた1人が生存権と莫大な褒章を得る。

生存確率、1/24。

表向きは反逆の芽を摘むための人身御供。
だが、その実はガス抜きを兼ねた単なるギャンブル。

そんな殺人サバイバルゲームに12歳の妹が選抜されてしまったカットニス(ジェニファー・ローレンス)は、とっさに妹の代わりにハンガーゲームに参加することを決意する。

必ず生きて帰る。

その決意を胸に、カットニスは狩りで鍛えた弓を握る・・・。



命のやりとりをギャンブルにされる。
そこに富裕層のスポンサーの思惑が絡む。

まぁ、ソコまでは分かる。
分かるよー。

だけど、スポンサーの歓心を得ると殺し合いゲームの中で何が得なのかが分からない。
そのうえ、スポンサーの歓心を得るために選抜者たちは競い合うのだけど、ポイントやら何やらが出てくるのに内容的な説明が一切ない無い。

ゲームに入るまでの一時間以上が、異常にダレる。

はい、次。

開始早々に同盟を組んで仲良く殺しを楽しむ集団、アレ、何?
いや、24人での殺し合いの中、同盟が生まれるのは分かるんだけどさ、あまりにも早いし、仲が良すぎる(無防備に寝てる)し、何なんだ。

スポンサーやら、同盟やら。
主人公を窮地に追い込みたいのも分かるけど、アンフェアだし、やりすぎ。
他の23人も、それぞれに本当に生き延びる気なら、もっと違うだろうよ。

他の23人に真剣味がない。
だから、緊張感がない。

だから面白くない。

殺し合いゲームなのに、主人公はあくまで手を汚さない。
なんじゃ、そりゃ。

あ、とにかく最悪なのが、核心の「ひとりだけが生き延びる。」ってルールが、簡単に変更されること。
なんじゃ、そりゃ。

そして、ラストも、なんじゃ、そりゃ。

まぁ、その悶絶モンのラストは、新しいと言えば新しい。
でも、新しければ良いってモンでもなかろうよ。


初期設定とトラックは面白そうだったんだけどなー。

出オチならぬ、設定オチか。


最終評価 C+


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August 30, 2013

貞子3D

地上波で流れたので、つい・・・。

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2012年・日本映画。
ジャパニーズホラーの金字塔・「リング」の貞子が蘇る。


その動画を見た人は、死ぬ。

高校教師・鮎川茜(石原さとみ)は生徒から呪いの動画の噂を聞く。

その後、生徒のひとりが自宅マンションからの転落事故で亡くなる。
明るかった生徒の不審な死。
警察は自殺と断定するが、似たような不審死が続き「呪いの動画」の噂は瞬く間に広がり、真実味を増していく。

そして、呪いの動画が茜にも呼びかける。

「さぁ、はじめようか・・・。」



すでに貞子はホラーを超えた!!!

コレは、完全にコメディ?

特撮アクション?

いえ、答えはただの時間泥棒です。


劇場で観た人はコレに1800円出したのかー。

それは、もう、詐欺か何かですか?


ホラーとしては、最低。
怖さの「こ」の字もない。

いやーーー、ひどい。

こんなに怖くないホラーは久々に観た。

小学生だって鼻で笑いながら観られるレベル。

地上波特撮番組ばりの映像。
コレが怖いなら、5人戦隊も、仮面ライダーだって怖いよ。


3Dだからって貞子ズバズバ出過ぎ。
タイトルからしてもジョーク作品だとは思っていたけど、映像もホラー設定のコントにしかなってない。

でも、コメディだと思ってしまえば、なんとか・・・・、何ともならんか・・・。


見どころは、鉄パイプでモンスター貞子を斬り捨てる石原さとみかな。

強すぎて、爆笑。


最終評価 C−


てか、貞子3D2て。

もう、何なの?


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August 29, 2013

アフロ田中

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2012年・日本映画
ビックコミックスピリッツ掲載の人気漫画「アフロ田中」の実写映画化。
シュールなギャグ漫画の主人公には、なんと松田翔太。


少年時代、クリクリの天然パーマでイジメられた田中(松田翔太)はアフロになってイジメをはね返した。
この時が、田中の黄金時代。

その後、通っていた高校をノリで中退。
自由を求めて東京の出た。

それから7年。
自由を求めた東京で夢破れ、今はしがない土木作業員。
そして、童貞のまま。

そんな時、友人の結婚式招待状が届き、田中は友人たちとの約束を思い出す。

「結婚式にはそれぞれの彼女を連れてこうよう。」

彼女を作らねば。
田中は、彼女を作るべく動き出すが・・・。


アフロ、でかすぎ。

アフロ、でかすぎ。

アフロ、でかすぎ。

大事なコトなので、3回言ってみました。

二枚目の松田翔太がアフロってだけで何か面白い。
角度によって役者さんの表情が見えないって、新しい。

中身は、田中のアフロ以外はフツーなコミカル青春モノ。
でも、田中の内心のつぶやきが赤裸々で、なんだかんだとクスクスクスクス笑ってしまう。

それほど過剰に期待せず、そのささやかな期待値通りに面白い。


ヒロインの佐々木希が、田中を好きになるだけ好きになって近づいて、ちょっとした誤解で怒って離れて、結局は田中を振り回すだけのかなーり不条理な女の子。

とにかく、可愛くない。
しかも、佐々木希なりの演技力。

松田翔太のアフロ田中はその存在だけで面白いのに、肝心のヒロインに魅力がないのが残念。


最終評価 B+






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August 19, 2013

009 Re:Cyborg

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2012年・日本映画
「攻殻機動隊 SAO」のプロダクション・IG製作、神山健治監督作品。
漫画家・石ノ森章太郎の傑作SFが、蘇る。


2013年。
ロンドン、ベルリン、上海、世界の各地で高層ビルの爆破テロが相次ぐ。

世界の指導者たちは疑心暗鬼に陥り、事件は解決の糸口さえない。

有事の際には、正義の下に集うべし。
その使命を課して、天才ギルモア博士によって生み出された00(ゼロゼロ)ナンバーシリーズのサイボーグたち。

圧倒的な知能と超能力をもつ最強の赤ん坊・イワン、001。
マッハ5の移動速度と飛行能力をもつ男・ジェット、002。
00戦士の紅一点、超視覚と超聴力を持つ美女・フランソワ、003。
ありとあらゆる武器を身体に仕込んだ人間兵器・ハインリッヒ、004。
強固な皮膚装甲と怪力を持つインディオ、アイアンマン・ジェロニモ、005。
全てを溶かす火炎放射の張々湖(ちゃんちゃんこ)、006。
消費材以外の全てに変化するカメレオン男・ブリテン、007。
どんな極限状況でも活動可能。水中であれば無敵のピュンマ、008。

002から008までの7人の研究結果を利用した汎用タイプ、最高の基礎能力を持つジョー。009。

ベトナム戦争、東西冷戦を終結に導いてきたサイボーグ戦士たち。
だが、長い時を経て、それぞれの戦士はギルモア財団から離れ、それぞれの国で、それぞれの立場を作っていた。

各国の思惑の交錯する事件は、かつて共に戦ったサイボーグ戦士たちの間に越えがたい溝となっていた。

「彼の声」と呼ばれる、謎の言葉に導かれて様々な人が爆破テロを続ける。
人間の脳の中にある「神」の領域が、人類のやり直しの為に動き出す。


アクションシーンや、リデザインされたOOナンバーサイボーグたちとかは十分に格好良いのにな。

なんだろう、この残念さは。

とにかく、ストーリーが・・・ダメ、かな。

誰の心にもある「神」が引き起こす人類の終末。
それに抗うサイボーグ戦士たちってトコまでは良いんだけど。

それぞれの国を背負うことになっているサイボーグたちの現在の状況といった必須の部分を説明する描写が少なすぎ。
何せ9人居るから、説明が大変なのも分かるけど、もう少し何とかならんのか。

何で009が三年毎に記憶をリセットしなければならなかったのか。
何でサイボーグ戦士たちがギルモア財団に見切りをつけたのか。
結局、007や008が何をしてたのか。

その他もろもろ、分からない部分が多すぎ。

それでいて、ストーリーのコア部分である「神の声」に関する部分は、説明ゼリフで長々説明した挙句に、最後は「・・・かも知れない。」 「・・・だろう。」で結論付けちゃう。

なんだかフワフワしたストーリー展開の中で、結局「神の声」とは何なのかが分からないまま、ラストは御都合ハッピーエンド。

上映時間の制約なのか、制作費の制約なのか、描きたい内容に対して全体的に「足らない」感じ。

残念ながら、なんじゃこりゃ作品でした。

キャラデザとかは格好良いので、何かシンプルなストーリーで作り直し希望。


最終評価 B−


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August 18, 2013

先生を流産させる会

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2011年・日本映画。
愛知県の中学で起こった本当の事件を下敷きにした、問題作。


郊外の中学校で教師をするサワコ(宮田亜紀)が妊娠する。
その報告を受け、中学生らしバカさで沸き立つ担任クラス。

幸せなハズの妊娠。

その一方で、妊娠にさえクレームを入れるモンスターペアレントや醒めた目線でサワコを見つめる女生徒・ミズキの存在が、サワコの心をザワつかせる。

性に対して異常な嫌悪感を抱えたミズキは仲の良い4人と一緒に「先生を流産させる会」を結成し、サワコの流産させる為の計画を実行にうつすのだった・・・。


性に目覚めたがゆえに、性に対する嫌悪感を抱えた女子中学生。
その潔癖さが、男子には理解できない「妊娠した先生を流産させる」という形で発露する。


ただ、まぁ、自主単館映画の匂い、と、言うか、演技・演出の雑さが内容の繊細さに反映されていない。

被害者であるサワコ先生もエキセントリック過ぎて、ちょっと常軌を逸した感じだし。
加害女生徒を過剰に擁護するモンスターペアレントも、分かりやすく演出過剰。

途中は、ちょっとB級ホラーだったかと思う。

と、まぁ、それらメイン部分での疑問は、低コストで頑張った足跡と言えなくもないんですが・・・・。


この作品は、低コストでも頑張れる細かい部分にこだわらなかったことが敗因。

冒頭、黒板に「正」の字でアンケートの数をカウントするサワコ先生が四画まで書いて次の字に移るとか、それを繰り返すとか、つかみからヒドイ。
の後も、「始末書。」と校長から渡される紙が白紙のペラ紙とか。
妊娠した先生のオナカがデコボコの詰め物とか。

大小さまざまな残念が繰り返されて、作品と観客の距離をつくる。


そして、結末も救いようがない。

後味の悪さは、絶品。


最終評価 C+



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August 16, 2013

桐島、部活やめるってよ

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2012年・日本映画。
早稲田大学在学中に第22回小説すばる新人賞を受賞した、朝井リョウのデビュー作の実写映画化。


田舎の高校。

部活に精を出す生徒。
帰宅部の生徒。
ゾンビ映画を撮る映画部の生徒。

運動が出来る、出来ない。
見た目が良い、悪い。
頭が良い、悪い。
明るい、暗い。

活発な運動部やイケてるヤツらがいる「上位」グループ。
オタク映画部が象徴する「下位」グループ。

高校の中にある、細分化された見えざるヒエラルキー。
異なる属性に所属する者同士は、互いに関わらないように、互いに見えないように、でも、相手の見えない場所では相手のことを見下して過ごす。
そして、同じ属性の中でも互いを上下に見て、相手によって態度を変える。

バレー部キャプテンの桐島。
超万能形と評され、イケてる上位グループの中でも一目置かれる存在。

その桐島が、誰にも理由を告げずに部活を辞める。

微妙なパワーバランスの中で暮らす高校生たちの生活に、桐島退部のニュースが、波紋を広げる。


「桐島」とは、何者なのか。

ある生徒にとっては、恋人。
ある生徒にとっては、親友であり、時に相手にされていないと感じる遠い存在。
ある生徒にとっては、仲間。
ある生徒にとっては、無関係。

何度も繰り返し、繰り返し、同じシーンを異なる目線から描く。
桐島本人を映さずに、異なるヒエラルキーに属する生徒たちの見る世界から桐島の人物像に迫る。

ひとつひとつのセリフで。
目線で。
表情で。

現代社会の縮図とも言える、高校生の複雑な人間関係を「桐島」と言うキーワードが、浮かび上がらせる。


イケてるグループに属し、野球部で期待されていたキクチ。
言葉にならない虚しさを抱え、部活をサボリ続けた結果、帰宅部になってしまう。

明らかにイケてないグループにいる、映画オタクのマエダ。
先生の反対を押し切って、仲間と撮りたかったゾンビ映画を撮る。

あるグループにとっては桐島退部で揺れた一週間も、あるグループにとってはただの日常。

イケてるのに虚しさを抱えるキクチと、イケてないけど充実しているマエダ。

この2人がこの作品の主役。
この2人の差は、自分の今立っている場所が、憧れの夢と地続きだと感じられているか、いないか。

見えないヒエラルキーを描く一方で、そんなヒエラルキーを無視して存在している別の定規を出してくる。


難しい作品ではある。
細やかな人物描写を積み重ねることで、複雑に絡み合う人間関係を描く。
リアリティの一方で、映画として分かりやすい起承転結はない。

最終的に、桐島はなぜ部活を辞めたのか、学校に来ないのかは分からない。
そして、桐島に関わった生徒たちの中に何が生まれたのか、変わったのかも分からない。

それでも、最後まで観ないではいられない。

自分の高校時代と重ねるものの、僕はこの作品の中のどのヒエラルキーにも属していなかったし、ここまでハッキリとした階層社会でもなかったように思う。
それは、僕が居た環境がたまたまそうだったのか、本当はヒエラルキーがあったのか、それとも時代が違うのかは分からない。
でも、高校時代には交わらない人間は多くいたことも事実だったな、と、かつてを思い出すばかり。


最終評価 A−



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