BUNGO
October 30, 2013
BUNGO ささやかな欲望 −見つめられる淑女たちー
2012年・日本映画
「BUNGO」
文豪たちの短編小説を実写化。
女性編「見つめられる淑女たち」と男性編「告白する紳士たち」の計6篇。
この女性編は3篇。
宮沢賢治の「注文の多い料理店」
三浦哲郎の「乳房」
永井荷風の「人妻」
「注文の多い料理店」 監督:冨永昌敬
入り婿として銀行の左右吉(宮迫博之)は、不倫相手の富士子(石原さとみ)を狩りをしに山に入る。
しかし、この不倫旅行は妻にバレていて、富士子と別れるための最後の旅行。
一方、富士子もそんな左右吉の気持ちを察していて、分かれるならいっそ慰謝料をせしめたい。
慰謝料を出したくない男と、慰謝料をせしめたい女。
そんな2人が道に迷って辿り着いたのは、注文の多い料理店「山猫亭」だった・・・。
ちょっとスケベが入ったB級ホラー。
いやー、誰もが知ってる物語だからこそかもしれないけど、変なアレンジしたもんだ。
最後に2人を助ける狩人も出てこないから、どうやって生き延びたか一切不明。
宮迫の演技って、脇役ならまだしも、主役だとコントにしか見えない。
石原さとみは可愛いけど、演技が上手いかって言うと、微妙。
評価 C+
「乳房」 監督:西海謙一郎
第二次大戦中。
乳房が膨らんでくる夢に悩まされる中学生・寛次(影山樹生弥)。
寛次は、胸にしこりを感じ、自分がこのまま女になってしまうんじゃないかと思い悩む。
誰にも相談できないまま夜間巡視をする寛次は、理髪店の未亡人・かな江(水崎綾女)が髪を洗っている姿を目にしてしまう。
あまりにも美しい乳房を目にし、その日から寛次の頭はかな江の乳房のことばかりになってしまう。
そして、かな江も夫を出征で失い、若い肉体を持て余し、悶々とした日々をおくっていた。
幼い時に母親を失った寛次。
性の目覚めと、母性への憧れの象徴がかな江の乳房に集約されていく。
しかし、かな江・・・。
中学生相手にかなり挑発的。
文学のエロスと言うより、かなり直接的。
こんなん、中学生のエロ妄想じゃん。
ま、文学なんて、そんな部分もあるよねー。
評価 B
「人妻」 監督:熊切和嘉
町はずれの家の2階に間借りした桑田(大西信満)は悠々自適の生活。
そんな桑田の頭の中は、1階に暮らす夫婦の夜の生活。
豊満な肉体を持つ人妻の年子(谷村美月)の嬌声が夜な夜な聞こえ、桑田は当然のように妄想に耽る。
桑田の心に住む悪なるクワタが、桑田をそそのかす。
そんなある日、桑田が外出から帰ると、そこには縄で縛られた年子が居た・・・。
目の前にぶら下がったエロスに、何とか勝とうと頑張る青年。
そんな青年の葛藤を知ってか、知らずか、ひらひらと誘うような人妻。
一線を越えるか、越えないか、悩む青年の前にスーパー据え膳状態の縛られ人妻!
どうする、どうするの俺!
って、どんなシチュエーションプレイだよ。
時代が違うとは言え、桑田ヘタレすぎ。
評価 B
タイトルロールの段階から漂う、安っぽいオーラ。
ちょっと真面目に撮ったロマンポルノって感じ。
コンセプトは分かるんだけど、中身がスカスカすぎやしませんか。
各作品30分で、次々切り替わっているのに、タルい。
エロスを売りにするほどエロくはなく。
文学がテーマと言えるほど深くもない。
最終評価 B−