2010年03月06日

【シネマコリア】31/242回


cinemakorea2003a














〒488ー0001
愛知県尾張旭市旭台3ー20ー16
http://cinemakorea.org/

多才な魅力 秀作に注目
良質の「韓流」発信

 スクリーンに炸裂する銃撃戦と南北対立に翻弄される愛。韓国だけでなく世界の映画界に衝撃を与えた「シュリ」から10年。韓国映画は日本でも韓流ブームを引き起こす起爆剤となり、ファンのハートを揺さぶってきた。
 が、それより前から韓国映画をこよなく愛し、情報発信と上映会を行ってきたグループが名古屋に存在する。その名も「シネマコリア」。代表を務めるのは「わたしにとって一番大事な映画は『接続』(張允炫監督)です」という西村嘉夫さん(東海学園大学経営学部教員)である。
 学生時代に初めて韓国旅行をしたのをきっかけに韓国語を学習。96年から始まった釜山国際映画祭に偶然参加したとき、日本未公開作品を浴びるように鑑賞し、「こんなに面白い映画は日本でも上映できないものか」と大いに触発された。
 97年、手始めに韓国映画情報を紹介する「ソチョンのホームページ」を立ち上げたところ、連日約100件のアクセスがあった。ちょうど韓国で韓石圭主演の「接続」や「八月のクリスマス」がヒットするなど、新世代の監督が次々と秀作を生み出し始めた時期だった。アジア映画好きの仲間たちと共に98年に「シネマコリア」を発足した。
 まず99年4月に老舗ミニシアターのシネマスコーレにおいて北朝鮮映画と韓石圭のデビュー作「ドクター・ポン」を上映した。レイトショーだけだったのに確かな反響があった。立て続けに8月と12月にも南北の作品を上映した。以後、毎年数回ずつ韓国映画を中心とする上映会を開催しファン層を拡大していった。
 03年には李炳憲主演「純愛中毒」など5作品を札幌、東京でも巡回上映。その後は各地での上映活動を展開した。韓流ブームの到来とともに観客が増大し、西村さんには新聞、雑誌の原稿依頼が相次いだ。ホームページの総アクセス数は実に一千万件を超えた。
 韓国映画の魅力について、彼は「ハリウッド映画はエンターテインメントで、日本映画のミニシアター系作品は作家性がありますが、韓国映画はその両方を兼ね備えており、プラス社会性もあります」と分析する。
 韓国映画の歴史をたどると、日本の植民地時代の26年に「活動写真フィルム検閲規則」が制定されて以来、70年間にわたって検閲制度が存在した。社会的なテーマの作品はシナリオ修正、問題シーンのカット、上映禁止等の処分を受け、表現の自由は抹殺された。
 しかし映画人たちの抵抗によって80年代にようやく検閲が緩和された。さらに96年に憲法裁判所が「事前検閲は違憲」という判決を下したことによってついに表現の自由が回復され、一挙に秀作群が噴出するようになったのである。
 だが韓国映画界は06年をピークに再び低迷期に落ち込んだ。その原因として、不法ダウンロードの増加、海外市場の縮小、投資資本の減少などが指摘されているが…。
 「過去の10年は奇跡みたいなもので、良いときもあれば悪いときもある。でも状況が悪くなれば、必ず作りたい作品を撮ろうとする人が出てきますよ」
 彼が注目するのは作家が低予算で意欲的に挑戦する「チャグン(小さな)映画」だ。シネマスコーレおよび韓国の新進映画会社と共同で昨年スタートした「真!韓国映画祭」ではインディペンデント系の4本を選択。名女優文素利主演の「飛べ、ペンギン」など、いずれも「家族」をテーマに、韓国の今を描いた作品である。また今回は配給権を入手し、全国的な興行やDVD販売、テレビ放映なども積極的に展開していく方針だ。
 韓国には軍事政権時代の80年代、検閲に対して新人監督たちが「小さい映画」で抵抗した伝統がある。たとえ韓国版ブロックバスター(超大作映画)は減っても、味わい深いウェルメード(良質)作品の上映はぜひ継続して欲しいものである。
※「真!韓国映画祭」=4月上旬、大阪市淀川区の第七藝術劇場。電話06・6302・2073。

★写真説明
「シネマコリア2003」のトークショー。東京・草月ホール。



ko_chanyu at 08:12│Comments(0)TrackBack(0)「地球村に架ける橋」10年:毎日新聞隔週土曜 

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