旅する子ブタ紀行

「美味しい」ってなに?



部署を異動してあっという間に8ヶ月くらいが経った。

マーケの先輩、外人のデザイナーさんや施工のおっちゃん、こんな中でもみもみされて、ええ具合に仕上がってるかというと

「春」なので。

振り返ってみました。




「好きなことなら頑張れる!食のことなら!」と思ってたけど、

「対象に興味があって追求したい」って、それ、めちゃめちゃ方法の話で。

ホントのとこどうなの?ってところ。




 

魅力的な人に会いたい。

田舎では出会わなかったお洒落で優雅に見えて美人。なのにちょっとドジで人間臭くって、熱さの中にキュートさもある「働く女性」に会ってみたい。少しでもそんな人たちに近づいて、面白がってもらって、最後には受け入れてもらいたい。自分もそうなりたい。




中学時代、可愛くてちょっと目立つけど頭のいいりさちゃんに憧れた時。

小学校の時、美人で寛容な養護教室の原下先生と一緒にいたくて、甘えたくて。お腹痛いふりをして普通の教室に行かなくなった時。「あんた、原下先生と一緒におりたいだけやろ?」と母にズバリ言い当てられた時。



改めてそういうバランス良い人への憧れ欲求が一番強いことがわかった。






「興味の追求」を目的に奮闘して来たつもりだけど、それだと行き着いちゃって。

「目的ずれてた?」と改めて考え直すと、

「私って、誰かを受け入れてないよな~受け入れて欲しいばっかりで」と足りない部分に気づいた。



思えば、今日もまた1人でご機嫌にやっちゃっている。

(チームでは「地軸ちゃん」と呼ばれている)

(先日、閉まり行くエレベーターから「乾杯野郎がまたさ~」と誰かが話してるのが聞こえたが、多分いや絶対私のことだ)




「世間知らずだから社会に出て常識という名の武器を装備せねば!」と思ってたけど

属した会社は想像以上にハードでクリエイティビティに溢れたオモロイ人だらけだったけど

だけどだけど、

装備するのは、武器じゃなかった





先日仄暗いクラッティーニのカウンターにてラムとほおずきがそっと提供された。

とってもシンプルな一皿。黒のプレートが、野生と天然の儚さを際立たせる。


ラムじゃないんです。

一見するとその外皮は空気を孕んでおり、壊れちゃいそうに儚げで軽やか。なのに、中の身は想像以上に大きく、ぷっくらジューシーで甘酸っぱい身を隠し持ってる。

凄いのは、ラムと対等に並んでも一歩引いた感を出すことで加減しつつ、結局はインパクトを掻っ攫ってしまう

私の心が揺れるのはほおずきだと。


すぐに平らげてしまったので雰囲気のみ



ブルドーザー的な破天荒感が否めないので、儚げは諦めるものの…

軽やかで、そして誰かとぶつかることがあってもどちらも痛くない。芯はどっしりしてるから安心してっ★なクッション性抜群の装備を身につけたい(*肩こりやすいので着脱式)

と、新たにテーマが設定されたのでした。




そうして、春だから。

訓練も兼ねてお料理活動を再開しました。

思えば、私にとって食事は、言い訳が付きまとう嗜好品ではなく、それこそが頑張るエナジー。

さて、ある日のゆりなめし。食事をきっかけに私はどんどん面白い人に出会え、この欲求は止まることを知らない…





◯春 サラダ

菜の花、トレビス、オレンジ、カッテージチーズ、シンプルに

マスタードとバルサミコ酢のドレッシングとピンクペッパーで





◯ゆで蓮根 すだちとパルメザンチーズで和えて

我が家で大ヒットだった茹で蓮根!

オリーブオイル、オリーブ、パルメザンチーズとすだちを絞ったボールでざっと和えるだけ。

白の中にオリーブの黒とすだちの緑が鳥のよう。可愛い




◯カラフル、レバーパテ

 いちごと金柑、ピンクペッパー、レッドオニオンとミントととにかくカラフル、春に





◯白子春巻き

ピグレコで蒸かし芋をかじったと思ったら、

トリュフがかかった河豚の白子のフリットだったというプレゼンテーションが余りにもグッときたので。

白子と春菊をくるり

揚げたてをハフハフ、岩塩をつけて


10人の大人が一斉に黙る

唸る





蒸豚で、エスニックを感じたい!

クミンオイルにつけておいた蒸し豚は、

ゴマの葉、キムチ、ナッツ、山盛り白髪ねぎ、ライム を手のひらで一つにして詰め込む




「目を瞑って食べて、薄っすいビールを手探りで探す」




◯ハマグリ白ワイン蒸し

ぷりぷりウルウル魚屋さんでもひと際輝いて見えた大粒はまぐりを存分に味わう

これも極力シンプルに。

蓋が開いたら、最後にバターひとかけと生クリームをたらりっ



クレソンを敷き詰めたお鍋にざっとかける

このエキスを吸ったズッキーニは旨味爆弾とかし、あまりの美味しさにパスタまで投入する始末。春、至福のはまぐりエキス



◯ニンニクチップが主役のステーキ
とある鉄板焼き屋さんで「もはやこれが主役では⁉︎?」なプロのお仕事光るニンニクチップを食べて以来、お肉の時は黙々とじっくり弱火にも耐え、作るようになった

久しぶりにステーキソースを作り、後は山葵とチップを一口で。




◯ワタ入りスルメイカとビーフンの炒め煮

ワタ入りは不漁で手に入りにくいらしいということで富山産のものが出て来たタイミング!蛍烏賊に。

半分は潰して味噌を出し、後は可愛いから最後にぷりんっとトッピング。

蛍烏賊エキスを吸ったビーフンがネギと絡むともう、食は万里の長城なり!です。





いつもより少しだけ目線が上がる、「春」です…!



その人は

あんまりにも似つかわしくない、意外や意外な言葉を発するもんだから、

私は大切に、それはもう大っ切に舌で転がしていたこのわたをごくんっと飲み干してしまう。

「ああ、今の一口で、ひやおろしを飲み干して、口を洗って。そして気持ち新たに私的メインである雄町へ…」と壮大な呑みプランを練っていたのに、くぅうっ




その人は

会った瞬間から、目には昔のようなギラつきはなく、病気でもしたのかな…と思っていた。

そして、それは、病気よりも重い

「仕事以上に人生をかけるものを見つけた」のだ。そうだ。




パートナーのおかげで、住処、仕事を変え、暮らしを考える

生きるための方法に捕らわれていたという話をする

この本の話が出た

『森の生活 』

果てしない時間を森で暮らす中で

「気付き」なく生活を回す(惰性的に生きる)ことって、本当に生きてんの?


https://www.amazon.co.jp/森の生活%E3%80%88上〉ウォールデン-岩波文庫-H-D-ソロー/dp/400323071X


*ポチッとしたものの挫折したので読みたい方は是非




感度の高い彼は「…はっ!」とその気づきに従い、拾うために何かを捨て、何にも変えがたいパートナーとの関係をゲットしたのだ。それはまさに、「よっしゃ…!」だ。


 


「よっしゃ!」といえば、

喜川での大将のはからい。

「まだお腹食べれるの?!

そうかほな、酒盗ご飯したるわ」


  

白甘鯛の酒盗卵黄和えごはん


「よっしゃ!」初めて我が胃袋のサイズを褒めた瞬間である。



失礼。

今日は関係が変わる、というお話です。




◯オステリアBULの話をしよう

入りづらい佇まい、「なにたべたい?」と客に問うことでまるで自らがコースを演出しているかのような錯覚に陥る柔軟なスタイル、そしてそれらの根底にある一貫したシェフの人柄福島にあったこの稀有なお店は、静かに静かに移転していた。



移転後のレストランに一歩足を踏み入れてあまりの変貌ぶりに驚く。

何度も足を運び、料理空間会話から作り上げられたマスターへの印象が、180度変わったからだ。



例えるならばそれは、

「築303LDk をお洒落な 30代後半ご夫婦が壁をぶち抜きシンプルに1kへとリノベーションする的な(分かりづらいって?)」

「村上春樹の沈むような黒緑色から、クリーム色へ(これで、どやっ!)」

80年代パーティグッズを扱うオールドビンテージのアクセサリーショップから、日本作家の食器を古典 × アートの切り口で展示するセレクトショップ(それはいつも路面店にある)へ」

チェンジだ







そうして、気づいた

クリーム色の店内で

食材の色が、映え渡る!!!

紅は多彩に、艶々ウルウルだっ!!



 

味は変わってないのだ。

組み合わせも今まで通り。

個性豊かな荒くれ者をこんなにもシンプルにしれっと括ってたんだ…と凄みを知る。




沖縄の三大高級魚というアカジンミーバイ(クエに近し)と目玉焼き

ラグーが詰まったチーズ入りコロッケに、トマトの効いたトリッパのソース

・・・

締めのパスタを啜る

このブレないラインナップを消化してもなおどこか私の気持ちは落ち着かない





ねぇ、こんな恥ずかしいことって、ある?

就職してもう直ぐ3年。入社した当初から1 人でいそいそとご褒美ご飯としてカウンターへ通った。


フグとヤリイカを繋ぐのは、 
アンチョビと白ネギのペースト 

あんなことやこんなこと、ちっぽけな悩みや愚痴、野望を漏らしていたなんて

こんなにも背筋の伸びる一皿を前に!




早く関係を埋めなきゃ。

近況報告したい。甘えたい。

焦る私の気持ちとはウラハラに

まだ、ええかっこしたい複雑ぶった私がいる。 





そんなちっぽけで面倒な私を

「ええやん、かっこわる~ても」

(彼が発する言葉は歯切れ良いのにひらがなに見えるのはなんで?)

似つかわしいキュートな目で語る小山さんは、「生きてるなぁ」と思う。




*******



ええと思ってたものが色褪せたり

変わらないものを大切にしたり

一方で、毎日は

非情なまでに合理的取捨選択の連続

関係は変わる




変わらないのが、いいな。

とはいえ、釣り合う努力をしてはじめてシェフのステップアップに向き合えるのだ



このヌラっ…いつまでも舐めていたい




えぇいっ、変わってやろうじゃないの!

今までみたいな会話はできないかもしれないんだけど




靱本町 『カーヴォ』




休みの日の朝、早起きし洗濯機を回す。
「大阪駅の上の映画館って空港みたいですきだなー
よし、伊勢丹の地下で箕面ビール買って持ち込んじゃお〜」
なんて、なんともウキウキお気楽な休日。
(実際は上映2分前に汗だくで滑り込むことになる。)
 
今日一つ目の「こんなはずじゃなかったのに…」だ。



映画を見終わってから、そうずっと。
私の脳内では「こんなはずじゃなかったのに」がリフレインされることとなる








日常は本当に悲しいくらい平凡な毎日の繰り返しだ
平凡に慣れきっている私たちは、
気づいたときには「はい、終〜了。」
時既に遅し。なんてことが起こりえる。


「でも、それもまた人生だし★」
傷ついていようにも、日常は同周期で巡っているので
ええい、もう★でポジティブに終わらせたれ!
という具合のやっつけ仕事で先に進む。見ないのが一番。


だからこそ、「気づく」必要がある。「はっ、」となる瞬間にリアクションをとるのだ。
平坦で、眠気を誘発してしまう…ありきたりなパスタランチを選択するしかない日常の中から、小さい「気づき」を重ねていかなくてはならない。

それは、
なんちゃない一言や、お店に飾ってある絵、偉そうな上司の格言
ピザにコーンが乗ってて「ださっ」と思ったらあんまりにもシャキシャキ瑞々しいから、「あ、夏やん」だったり、いまだよくわからん後輩の誰かが持ってきてくれたりする。

つまり、「気づき」は、
人生を変える衝撃的なものから、重くて臭いものや、ぼんやり明るいもの。
あったらラッキー。半額・・やったら買っとこか。
色んなレベルがある。

スイートコーンと生クリームのフレッシュピザを前に、悩みなんて吹っ飛びますわ。
大阪 福島『LA PIZZA NAPOLETANA REGALO』
「おいっす、自転車で待っとこか〜」とのこと。
夜が夏やー 






何故気づきが必要かって?
そんなの胸がキューっとしたり、はっ!としたり、そういう生き方楽しいやん♪
…ではなく。
その「気づき」があるから、私たちは前に進んだり、退がったり、ぐじぐじしたり。
やりっぱなしの日常を反省できるから。こうしてやっと
色が生まれるのだ。
私の日常は、自分の足で立っているように見えて、誰かから、受動的に色付けされたものである。




仕事終わり
今日は遣る瀬無い気分だ。泥のように眠い。
今日は、何故だか絶対。あの店に行かなくてはならない。
一口だけ飲んで帰ろう。


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大阪 福島 『Bar hug』      「ソラマメのフリット」
グリュイエールチーズと黒胡椒がもうっ・・・ため息を誘う
慌ててシャンパンを要求する。 




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「黒毛和牛の炭火焼き」
しっとり
シェフと話していたらそっちに夢中になってしまい、ごめんなさいなんのソースか忘れた。
佃煮っぽい塩気とチャツネのような甘さの付け合わせ
トリュフをガシガシ削って 


あれ、一口飲むはずじゃ・・・?
「こんなはずじゃなかったのに…」をポジティブに言い換えよう。
おかげで前に進める








そうそう、一つびっくりしたことを。
午前中の映画館は、老人で埋め尽くされていた。
「あれ、今日は笑点見に来たんやっけ…?」と場違い感に不安になるくらい。
 
とても面白かったことは、老人は、映画のシーンに合わせてとにかく話すのだ。
(ちょっと厄介に感じるのは、同調を求めてくることだったりする)
なんか、1人で見た気分がしなくて
しっぽり日常について考えようと思ってたのにな…「ま、こういうのもアリか







いつも明るくポジティブじゃなくてもいいのだ。
もの哀しくって、恥ずかしくて。こんなの人様には見せられへんわ…色んな色がいい

こんなはずじゃなかったのに
は、日常に転がっていた。


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