デンティストコバの 四方山日記

日向市 歯科医院 小林歯科のブログです

2009年09月

八ッ場ダムとJAL

 日曜日のサンデープロジェクトで前原国土交通大臣の説明を聞きました。

 八ッ場ダムに関しては工事続行しなければ逆に費用がかかる、というような報道がされています。大臣もこれに関しては明言されてはいませんでしたが、総予算の7割が執行されているものの、ダム本体の工事は手つかずであること、周辺道路の整備もまだ不十分であることを考えると、工事を続行すれば報道されてる予算をオーバーする金額が今後投入される可能性は充分あります。

 ダム工事のこれまでの経緯を聞いているとそういうケースは非常に多く、費用の問題で工事続行を支持するのはナンセンスのように思われます。

 しかし一番の問題はこのダムが本当に必要かどうか?という事であろうかと思います。ネットの報道で読むと当初の目的は洪水対策、首都圏の水源確保であったようですが、現在ではその必要性があまりなくなっているようです。当初ダム建設反対派が訴えていた浅間山噴火によるダムのリスクを考えれば、このダムは必要性より危険が大きいようにも思われます。

 確かにこのダム建設計画に翻弄されてきた住民の方々には気の毒です。ダムが出来る、という前提で生活設計もされてきてるわけですから、計画変更は大変な出来事であろうかと思います。大臣もおっしゃっていたように、その方々には誠心誠意今後の対策が必要になってくるのでしょう。

 しかしそれほど必要がないと思われる大型公共工事がなぜ中止出来なかったのか?きっこのブログではこの工事に関わる企業に天下り官僚が多数居て、官僚のための工事との批判。保坂展人のどこどこ日記 では政治家の関与も記されていますが、まさか政治家や官僚が必要もなく、逆に国民の生命を危険に晒す可能性のある工事を自らの利権の為に行うとは考えたくないのですが、これまで批判されてきた無駄な公共工事を見てると、この批判もあながち的はずれではないのかも?と思ってしまいます。

 JALの経営危機に関してはこの企業の甘い経営体質に問題がある可能性を大臣もある程度認めているようでしたが、大臣が「JALを庇うわけではないが同情すべき点もある」ということで日本の飛行場建設の問題を説明されていました。
 最初から採算が取れない飛行場と分かっていて建設。しかし赤字路線であるから航空会社は参入したくない。が、それでは困るのでJALにそういった路線に参入させる。この構図もまた無駄な公共工事の構図と似通っています。

 ダムにしろ飛行場にしろ、そして道路や新幹線にしろ、最初の頃は国のため国民の為に貢献してきたのでしょうが、地方が公共工事を主要産業として成り立つようになり、そこで利権が生まれ、その構造から抜け出ることが出来なくなった、ということなのかもしれません。

 公共工事が主要産業になってしまった地方にとって、公共工事がなくなることは死活問題です。政治家や官僚の利権問題は論外ですが、地方経済にとっては無駄とも言える公共工事が必要であるのも確かです。大臣が公共工事が減少しても、農業、福祉関連にお金を回すことで地方経済が潤うように政策を転換していく、という展望を語られていましたが、それを出来るだけ早く実現してもらいたいと思います。

 昨日は自民党総裁選挙が行われました。私は河野太郎氏に期待したいと思いましたが谷垣氏が総裁となりました。前原大臣が指摘した公共工事の構図はまさに自民党が創り上げた物です。前原大臣の話に今後の明るい日本の未来を見た視聴者は多くいるかと思います。その民主党に古い体質を引きずった自民党が対決して勝てるでしょうか?私は民主党政権に期待はしますが、自民党にも期待したいと思っています。谷垣氏は全員野球で自民党再生と主張していましたが、過去の誤った政治手法や政治家は河野氏が主張していたように、ベンチや客席に引っ込んでいてもらわないと国民の支持は得られないように思うのですが、自民党再生が委ねられた谷垣氏の手腕に期待するほかありません。

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 ヒース・レジャー演じるジョーカーは本当に怖ろしいですね。ジョーカーは人は利己的で醜いものであると信じ、彼のテロ行為はそれを証明する事が目的となっています。彼の前にはお金も無力です。人を恐怖、絶望に陥れる事こそが目的というジョーカーの前には安っぽい正義感など吹き飛んでしまいそうです。アーロン・エッカート演じる正義漢、デント検事も標的にされ敗れ去ります。

 バットマンもまた彼の為に市民が危険に晒されるとなった途端、今まで助けられてきた市民も敵に回るります。しかしジョーカーが仕掛けた船の爆破計画では命の危険に晒された市民は、自分を助けるために人の犠牲を選択しません。ジョーカーが敗北を味わうシーンですが、バットマンを糾弾するシーンと併せてみれば、人の心の矛盾、不思議さも感じます。

 ジョーカーのようなテロリストが生まれる事を避けることが必要ですが、今の社会ではそれは不可能のようにも思えるのが残念であり、不安材料でもありますね。

 この映画、単なるアクションヒーロー映画でなく、ジョーカー、バットマン、デントの心理状態を深く描き出し、内容濃い作品となっています。特にジョーカーは素晴らしいのですが、演じたヒース・レジャーが亡くなったのは本当に残念です。
  

冠を入れたら腫れた

 冠を入れた後、しばらくしたら歯ぐきの下の方が腫れて痛くて堪らない。冠が原因じゃなかろうか?

 こういったことがたまにあります。

 神経を取った歯の根の先が化膿して腫れる、ということはこのブログでも紹介したことがあります。根の先が化膿する原因は「消毒が不完全」「薬がきちんと詰められていない」などということを原因にあげる歯科医師もいますが、この根の先が化膿する原因ははっきりとは分かっていません。消毒を完璧にやったつもりでも、あるいは薬がきちんと詰められたものでも悪くなっているものもあります。

 しかし完璧に消毒し、薬をきちんと詰めることで化膿する%は下げることが出来るのではないか?私も多くの歯科医師もそう考えて治療は行ってるわけです。

 さて神経を既に取られている歯で、冠そのもの、あるいは冠を被せられた歯が少しこわれて冠を作り替えないといけなくなることがあります。

 痛みはなくても一応レントゲンで確認すると、根の先に陰がある事があります。しかし、これは今症状がないわけですから、多くの場合、根の治療はせずに冠を被せます。

 こういったケースで全て根の再治療を行うべきとする歯科医師も存在します。が、先に述べたように根の治療に完璧な予後はありません。現在レントゲン的に疑わしくても症状を発していない根は今後も化膿することなく経過するかもしれないのです。
再治療すれば化膿することは100%ないという確信が持てれば別ですが、それでなければ患者さんに時間も費用も無駄にさせることになります。

 が、不幸にも冠を入れて根が悪くなった場合が問題です。冠に勿論原因はありませんが、患者さんとしては冠が原因と思うのも無理からぬ事ではあります。歯科医師の立場としてはこういう時にはホントに困ります。

 根の治療に完璧はない。そして冠がどうこういう事ではなく、ある日突然症状が現れることがある、ということは承知しておいて頂けると助かります。勿論、そういう事にならないよう多くの歯科医師は努力してるのですが。
 

 

自民党総裁選

 NHKで放送された自民党の総裁選討論会を少し観ました。本命は谷垣氏であろうと思うのですが、河野太郎氏を総裁に選ぶことが出来れば自民党は完全に生まれ変わる、と私は思いましたが、同様の感想を持たれた方も多かったのではないでしょうか。

 河野太郎氏は今までの自民党政治を真っ向から非難し、特に年功序列的な党の権力の在り方に思い切った異論を唱えていましたし、河野氏が考える今後の日本の在り方を論旨を明確にして論じていました。
 谷垣氏は優秀な方で私も嫌いではありませんが、河野氏に比べれば、よく言えば穏やか、悪く言えばこれまでの自民党を変えるパワーはないように見えました。谷垣氏が総裁となり、仮に自民党が政権奪取した場合、昔の自民党政治の復活という感じです。仮にそういう自民党のままであれば、民主党政権にかなりの大きな失敗がないかぎり、国民は自民党を再び選択しないように私は思いますが、どんなものでしょう。

 西村氏は「若手の分断、河野氏の得票を減らす為に出馬」という評価を自ら披露して否定していましたが、私などは今ひとつ主張が明確でなく、迫力不足の西村氏の出馬を「この人は誰なのか?」と訝っていた方なので、西村氏が紹介してくれた「中傷」ですが、「なるほど」と思ったほどです。

 河野氏が自分の推薦人になろうとしてる議員に、西村氏が所属する町村派の町村氏が直接「河野氏の推薦人になるのを止めろ」と圧力をかけたことを紹介していましたが、こういうところは自民党に今回の大敗北選挙の反省がないような気がします。

 今回の敗戦は、政策面等の問題もあったでしょうが、総理が派閥や大物議員の意向でコロコロ変わる、大臣も年功序列的な人事で選ばれた挙げ句に不祥事で交代する、といった自民党の体質への批判や飽きが国民に強くあったのも原因の一つだと私は思うのですが、それを変えられなければ自民党は、選挙前、民主党政策を強く非難していた演説と同じく、民主党の「敵失」待ちでしか政権奪取は難しいように思います。

 河野太郎氏は今回の総裁選で敗れれば自民党の離党も考えているようです。彼の推薦人をみれば、自民党の今後を担うべき元気な若手が揃っています。彼が離党し、この推薦人の中からも離党が出てくれば本当に自民党は終わるのではなかろうか、と少し心配です。今までは与党であり、揺らぐことのない政権、権力がありましたから自民党を離党するのには躊躇いがあった議員も多かろうと思いますが、今後は事情が異なると思います。大物議員の締め付け等も効果は薄いでしょう。

 民主党が政権を担えるような政党に漸くなってきたか、と思われたら自民党が今度は危なくなってきました。日本の二大政党の政治への道のりはまだまだ遠い感じですね。 

鳥きち「牛すじの塩焼き」

鳥きち牛スジ













 先月「鳥きち」で新メニューの牛すじの塩焼きを食べて、「これは美味い」と思いました。新しいものを食べたとき、最初に美味しいと思っても二度目は「そうでもない」と感じることも多いので、昨夜は「鳥きち」に行ったことがないという、私としてはちょっと驚きの友人二人(「鳥きち」は私の大好きなお店のひとつであるからです)を連れて、「牛すじの塩焼き」を食べに行って来ました。

 お店に入って席に座るとすぐ、私と友人二人の分の「牛すじ塩焼き」を注文。

 食べた感想、「このメニュー、やっぱり美味い!」

 友人の一人は「これは美味い」と言いながら、次々に他の串を食べ、「このお店は美味しいなあ」としきりに感心し、牛すじ塩焼きをさらに2本追加。今度は家族を連れてこよう、と張り切っていました。

 この友人はその後「コーヒーゼリー」「パフェ」と注文。私はここに来ても甘い物を食べることはありませんので、初めて見ましたが、味見するとなかなか美味しい。特にコーヒーゼリーは自家製ということで、お勧めのデザートです。
 
とりアイスとりゼリー1

ジェネラル・ルージュの凱旋

 ジェネラル・ルージュの凱旋
ジェネラル・ルージュの凱旋


  桜宮市にある東城大学医学部付属病院に、伝説の歌姫が大量吐血で緊急入院した頃、不定愁訴外来の万年講師・田口公平の元には、一枚の怪文書が届いていた。それは救命救急センター部長の速水晃一が特定業者と癒着しているという、匿名の内部告発文書だった。病院長・高階から依頼を受けた田口は事実の調査に乗り出すが、倫理問題審査会(エシックス・コミティ)委員長・沼田による嫌味な介入や、ドジな新人看護師・姫宮と厚生労働省の“火喰い鳥”白鳥の登場で、さらに複雑な事態に突入していく。将軍(ジェネラル・ルージュ)の異名をとる速水の悲願、桜宮市へのドクター・ヘリ導入を目前にして速水は病院を追われてしまうのか…。そして、さらなる大惨事が桜宮市と病院を直撃する。

 舞台は救命医療。物語の中心となる速水医師の行動が非難される。収益性がない医療、組織の中での身勝手な振る舞い。しかしそれは命を救う医療、救急の事態の中での行動で、そうしなければ助かる命も助ける事が出来ない可能性もある。

 速水医師を非難する精神科医沼田医師は、自分は外から非難を繰り返すのみ。危険のあることは何もせず、仕事の結果を見て非難することはたやすい事ですが、結果だけを見て非難される事が頻発すれば、誰も危険な医療、仕事には手を出さなくなります。

 テレビドラマでもやっていましたが、救命病棟24時で松嶋奈々子演じる小島医師が救急車で運ばれてくる子供の患者を、受け入れ先がない状況を見かねて受け入れ助けられなかったことで訴訟になります。ではどうすれば良かったか?小島医師は結果的に見殺しとなっても「受け入れ拒否」すべきだったか?受け入れれば助かった可能性があっても。
 失敗したら、間違えたら責める。医師には常に100%を求める。まるで医師は神でないといけないように裁かれる。それであれば、少しでも危険があれば、専門でなければ関わりあわないといった姿勢になっても仕方ありません。
 しかし、医療に関わる人々がそうなることを世の中は望んでいるのでしょうか?
 
 この小説では速水医師が求める救命のドクター・ヘリは不採算として病院に装備できないにも関わらず、大事故が起こったときにはテレビの取材のヘリコプターは数機事故現場の上空を飛び回るという描写があります。
 人の命を救うドクター・ヘリは不採算で、人の死を伝えるテレビのヘリは不採算ではない。何かが間違っている、そう思います。

 この小説では救命医療に関わる医師と共に看護士の姿も描かれていますが、休みが取りづらく、しかも緊張の中で仕事する彼らを社会が粗末に扱い、そして収益性を追求する姿勢が大きくなれば、速水医師が主張するように、医療そのものが崩壊する危険があるでしょう。

 何が大事なのか?考えさせられます。

96時間

96時間









 誘拐された娘を救出に向かう父親。救出に与えられた時間は96時間。誘拐したのは若い女性を人身売買する組織。とんでもない悪い連中であることに間違いありませんが、リーアム・ニーソン演じる父親は娘を助けるため、悪人には同情も躊躇も全くなし。
 ノンストップの凄まじいアクションで娘救出に一直線。淀みは全くないこの映画、B級作品的な造りではありますが、余計なストーリーは省いての小気味良い作品。
 
 見終わって「凄い!」の一言。久しぶりにスカッとした作品でした。

 さて、人身売買なんて映画の中の話だけ、と思いたいですが、オーストリア人のコリナ・ミルボーンとマリー・クロイツァー両氏はその著作『女性という商品 (Ware Frau ) 』で、女性の人身売買の実態を暴いているそうです。

 この本の内容を紹介した、数字的な部分だけを抜粋させて頂くと・・・
  
 女性の人身売買は高い利益を生む商売だ。人身売買と売春は、麻薬売買と武器売買を合わせた以上の売り上げがあるとさえいわれる。欧州連合 ( EU ) によると、年間12万人の女性がヨーロッパに連れてこられ、売春を強制されるという。そのうちスイスに来るのは3000人ともいわれる。


 とんでもない話と数字に驚きますが、この他にも最近は臓器売買目的の人身売買のニュースも聞くことがあります。映画の中でリーアム・ニーソン演じる父親が、ヨーロッパに友人と二人で旅行する計画の娘と、それを許す母親に「危険すぎる」と警告しますが、世の中には他人の幸せや生命をお金のために平気で奪う人々が存在する、ということは大袈裟でなく事実なのだと改めて感じます。

 日本にいると、特に日向で暮らしてるとそういった殺伐とした世界を感じることなく暮らせて幸せなことですが、平和ボケしてると危ないですね。

私立歯科大学協会の算数

 日本歯科医師会の新聞「日歯広報」に以下のような記事が掲載されています。私立歯科大学協会が毎日新聞に掲載した広告内容ということですが・・

  現在約97000人の歯科医師数であるが、この内年間の死亡者数は約1300人。平成21年度の募集定員割れは約200人。国家試験の不合格者数は約1150人。合計すると約2650人である。
 この死亡数、定員割れ、国試不合格が持続すると仮定して10年間で、26500人の歯科医師数が減少し、歯科医師実数は70500人余りとなる。

        私立歯科大学協会「歯科問題に関する見解と対策」



 さてこの記事を読んだときに、「ホントにこれ毎日新聞に掲載されたのか?」と思いました。誰が見てもおかしな計算、というか馬鹿な話ですからね。

 日歯広報も指摘していますが、今年の歯科医師国家試験合格者は以前より狭き門となってはいるものの、2380人。仮に年間1300人の歯科医師が死亡したとして今年は1080人歯科医師は増加しています。

 ですからこの状況が続けば10年後に10800人歯科医師は増加する。というのが正しいというか、普通の計算ですね。勿論、死亡しなくても歯科医師を辞めてしまう方も結構いると思いますので、ここまで増加はないにしても今の状況であれば劇的に減少する事はありません。(減少どころか増加しつづけていますね)
 定員割れとか、国家試験不合格者数などは全く関係ありません。この私立歯科大学協会の算数だと、私立大学が定員を更に増やし、定員割れ数が多くなればなるほど、あるいは国家試験受験者数が増加すればするほど不合格者が増加し、歯科医師が減少する・・という笑い話にもならないような算数になりますからね。

 私立歯科大学は定員割れする大学も最近多いと聞きますが、それを挽回する為の広告という事かもしれませんが、こんな計算を新聞に載せるというのはどんなものでしょう?

 さて歯科医師の適正人口は人口10万人あたり50人と言われています。日本の人口は減少傾向にありますから、仮に将来の日本の人口を1億とすれば適正歯科医師数は5万人。現在の歯科医師数を基準とすれば、4万7千人が過剰。
 毎年1300人が死亡するとして、国家試験合格者を現在の半分以下、1000人とした場合(これも簡単ではないですが)、年間減少数は300人ですから、これでも適正歯科医師数になるには100年以上かかる事になります。

 勿論、先に述べたように廃業する歯科医師も居ますし、日本の人口も増加する可能性も・・これはちょっとないか、他にいろいろと予測できない変動があるにしても、現状で歯科医師の過剰問題解決はもの凄く難しい、というのが正直なところです。

 但し、歯科医師過剰と言われる現在、歯科医師の収入減少、ワーキングプア問題もありはしますが、患者さんが特別被害を受けてるような実態はあまり聞きません。これ以上増加するとまた問題が出てくるかもしれませんが、現在の歯科医師数でも大丈夫といえば大丈夫なのかもしれないのですが。

 それに歯科医師数が減少しなくても、歯科需要が大きく伸びれば歯科医師は職業としては成立していきます。保険点数が現在の倍になるとか、多くの患者さんが保険診療の数倍の自費診療を選択するようになればですね。保険点数にしろ、患者さんの懐具合にしろ、日本経済が今より大きく伸びていくことが歯科の未来も明るくしますが、歯科医師数の需給問題が近い将来解決するめどはありませんので、歯科医師との立場からは、そちらに期待しましょう。
 
 それにしても広告の内容、ホントに新聞に掲載されたのか?? 未だに信じられない気持ちです。 

アマルガムは心配ない

 米国食品医薬品局(FDA)はアマルガムのリスクを金やコンポジットレジンと同等と分類したというニュースが出ていました。

 アマルガムというのは歯科治療で100年以上使用されていた物質ですが、水銀が含まれているということで危険視され、15年ほど前から日本でもアマルガムからレジンに変える歯科医院が多くなりました。

 私は100年以上使用されていてほとんど副作用のなかった物質ですから、歴史の浅いレジンよりまだ良いのでは?と考え使用していたのですが、10年ほど前から全部レジンに切り替えました。

 きっかけは次の通りです。

 12年ほど前にこの件がある大学の教授の講演会で話題になりました。講演された教授自身はアマルガムの安全性に疑問を持って居らず、逆にレジンの歯への接着性の問題点を指摘していましたが、この問題にうるさい団体があり、大学という公的な機関と言うこともあり、アマルガムを使用していくのは難しいと話されていました。

 私はこの話を聞きながら「アマルガムは危険ではないし審美的に劣るものの、レジンより操作が簡単で安定している」とアマルガムを止めようとは思わなかったのですが、この時教授が50人ほどいた聴衆に「アマルガムを現在使用してる人」と挙手を求めました。何とこの時挙手したのは私一人。

 さすがにこれは考えました。いかに私が「安全」などといっても、ほとんどの歯科医師がレジンに変えているとなれば信用はされませんし、審美的には間違いなく劣りますから、この公演後私の医院もレジンへと徐々に切り替えていったのです。

 その後レジンは環境ホルモンとの類似物質との問題提起がされ、後に否定されましたが、アマルガムより安全かどうかは長期的な観察結果をみなければきちんとした結論はでないかもしれません。

 それにしてもものの見方、評価というのは冷静であるべきだろうと思うのですが、世の中にはどうもそういう人達ばかりではなく、時にはそういった冷静でない人々に世の中が振り回される事もあるようです。

 この問題はアマルガムがレジンに変わっただけで、レジンが特に問題があるわけではありませんから、世の中にそれ程影響はありませんが、重要な問題になるほど、冷静な対応が必要ですね。

静かな爆弾

 静かな爆弾
静かな爆弾

 花見の場面。早川が席をはずした時、酔客の男二人が殴り合いの喧嘩を始める。周囲は喧噪の中にあり、戻った早川はあわてて響子を探す。聴覚を失った響子は自分のすぐ後ろで起こっている流血の喧嘩と喧噪をを知ることなく、早川に優しく微笑む。 音のない世界。聴覚を失い音のない世界にいる響子。早川は彼女と過ごしながら音のない世界と現実の世界が共存してる現実に不気味さを感じてしまう。

 早川がタリバンの仏像破壊の意味を取材しながら、また響子を失いかけた時、改めて感じる自分の世界の不確かさ。人は何を持って未来への希望、夢、あるいは愛情を確かなものとしているのだろうか?大丈夫、いや大丈夫なはず、確信のない世界で人は生きている。

 昨日のニュースで宮崎県は自殺率が日本でワースト2位。日本は死因に占める自殺の割合が世界でも突出してると言われる中でのワースト2位。自殺に経済問題が絡んでいないとは言い難いが、戦後の貧しい時代に自殺者が少なかった事を思えば、経済問題の解決だけではこの問題は解決しないように思える。

 未来への夢、希望、そして周囲の愛情が不確かなもにであるのに関わらず、それを信じて生きていく人々と、それを失い絶望する人々の間には、そういったものが確信を持てる物でないだけに、それ程大きな隔たりがないのではないか?

 多くの人々が漠然とした物であれ、未来が「明るく希望に満ち、大丈夫なはず」と思えるような世界を創り上げるのは、やはり政治だろうか。
 音のある世界と音のない世界が目の前に存在してるように、希望ある世界と絶望に満ちた世界は同じようにその隣に存在している可能性がある。

この作品を読みながらそんな感想を抱きました。
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