電王戦の感想は少し待って下さい。気持ちの整理が・・・。あと、一人称は「僕」に統一します。



・羽生を壊しにかかる森内

羽生の第一局の戦形選択が仮に勝ちやすさを重視してのものなら、それを木端微塵に打ち砕いた森内は羽生に絶大な精神的ダメージを与えたハズ。名人防衛だけを目指すなら矢倉、角換わり、振り飛車対抗形・・・先手勝率の高い戦型(対羽生勝率7割超)を選んでいけば、自然と防衛が近づくハズ。

しかし先手森内の初手は▲2六歩。戦慄がはしりました。あえて対羽生に対して勝率の低い相掛かり(確か先手でも勝率3割程度)を選ぶとは・・・。これはね、相手の得意戦法を先手、後手で真っ向から叩きのめして、立ち直れなくする狙いです。

今までは羽生こそが他の大多数の棋士を潰す立場でした。つまりは捕食者であり、それによって食い散らかされた残骸は将棋界の各地に散らばっていました。しかし今回は違う。森内の初手▲2六歩によって羽生は被捕食者の立場に立ってしまった。「お前とは格が違う」という意思表示をした一手。相手を立ち直れない程殴り続けるという確固たる意思表示。もうこの初手が見れただけで一日目は満足です。

一日目終了時点で後手の駒組みが飽和状態になり、羽生の手待ちの一手が封じ手となりました。素人目には早くも作戦負けの匂いがします。明日の展開としては封じ手からほどなくして、万全の攻撃態勢に構えるであろう捕食者森内が獲物に飛び掛かるでしょう。そのまま食い散らかされてしまうのか、それとも窮鼠猫を噛むのか・・・。早くも今回の名人戦の分水嶺となる一局になったと思います。