http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3083435.html
「災害前に自治体支援、 気象庁が“特別チーム”の派遣を検討」

『災害の発生が予想される場合に、
自治体が避難指示や避難勧告を出すかどうかの判断を支援するため、気象庁が、「特別チーム」を設置して災害発生 前に自治体に派遣することを検討していること』が、先日の「地域における気象防災業務のあり方検討会(第2回)」で示されたとのことです。
(※)http://www.jma.go.jp/jma/press/1706/14b /tiiki_arikata_kentokai20170614.html

 これを読むと、「気象庁・気象台が職員を自治体に派遣すること」が新しいこと、と取られる方もいらっしゃるかもしれませんが、自治体への気象台 職員の派遣はこれまでいくらか行われてきました。以下に例を示します。

 関東・東北豪雨後の支援のために気象台から県の災害対策本部等に派遣がなされたりもしています。(以下、67ページ目)
 茨城県への派遣の時は、気象台の職員の勤務割り振りに、管理職が結構バタバタしていたのを記憶しています。

http://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/saigaiji/saigaiji_2015/saigaiji_201501.pdf

 あと、熊本地震ではかなり多くの派遣を。(193ページ目から)

http://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/saigaiji/saigaiji_2016/saigaiji_201601.pdf

 以前に於いて、発生前(予想される段階)といえば、以下の事例(最後から2ページ目)、鹿児島県の9月15日が相当しますが、あまり事例は多く ありません。

http://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/saigaiji/saigaiji_200602.pdf

 ですので、災害発生前に行われた事例はあまりなかったのかなと思い、その部分からは今回新しい所かもしれないなと思います。
 (事前の派遣をやるぞ、と前持って言ったことは間違いなく新しいとは。)
 事前対応は従来は防災情報提供システムからの情報提供や、切迫すれば"ホットライン"による通話としていたのが、不十分ではないのか、と感じられたのかなというところですね。

 以上のように、気象台・気象庁からの自治体(主に都道府県)への職員派遣は珍しい話ではないものの、事前に派遣されることは少ないというのが実 情となります。これは都道府県や市町村が(災害対策などの)本部を作らないとなかなか派遣しにくい、という事情があるのでしょう。行って、スペー スがあるかないかはかなり重要な問題です。あと回線もか。
 そこで、事前でも派遣できるように枠組みを整えていければいいよね、という話になってくるのでしょうか。

 本部をたてずに行われる気象情報の解説、避難に関するアドバイスについては、対応可能な人間を常勤で各自治体に付ける(※)ということが現状、 (その役割の重要性アピール不足に伴う)資金不足により十分には行われていないということであるので、臨時で動ける気象庁・気象台職員が動く、と いうのは自然なこと、というか致し方ないのだろうと思います。
(※)理想は自治体の職員のスキルアップがなされ、直接解説、アドバイスできることなのかなと思います。徐々にでもそうなってほしいなと。

 また、気象庁・気象台からの目線で行っても、職員派遣をすること自体は現行の対応のなかで行えることで、その点に於いては変化がないのですが、 その現行の対応は職員が他の業務をメインとしている中で行われていたことで、その人が抜けた分をどうするのか、という相談が十分にはなされていな かったのではと推測できます。
 ですので、もし"特別チーム"が組まれれば、おそらく前もって決められたメンバーに対してのバックアップ体制も整えられることを期待します。
 また、そのためのある程度のスキルを前以って得て、都道府県などの自治体に出ていくということなのでしょうから、場当たり的であった既存の体制 よりはやや事態は改善するのかなという期待もしているところではあります。
 こういった、いつ必要になるかわからない、いつまでになるかわからない、という対応は「業務の一環(外勤や出張)」と言う形で対応する(特別に 人を付けるというのが非常に困難なため)ことになるため、既存の業務をあまり圧迫しないように出来ればベストです。

 まぁともかく、マンパワーが限られている中でうまく取回していくような話が出てくるのは歓迎ではあります。
 きちんと実現可能な絵を描いてほしいものです。ハッピーな感じになってほしいですね。


<以下追記:文章の流れで邪魔になったので末尾に>
 尤も、そもそもそのためのきちんと雇用枠が付けばバックアップとかを考えなくてもよいのですが、それを押すには今のところはややニーズ不足、ア ピール不足なのかなと感じます。まぁ検討会ということなので、枠が付くかどうかもこれから、というところなのかもしれませんが、難しいのかなとい うのは感じます。
 (じゃあ付くとして、どこを削ってその枠を捻出するのかなと思うと、ちょっと喜んでばかりもいられないのですが。気象庁自体の人員枠が増える、 予算が大きく増えるということはほぼありえないわけですし。)