昨年は、新作・旧作取り混ぜて132本の映画を劇場で鑑賞した。
折角なので、前年に倣って、2009年公開作品の僕なりのベストテンを選出してみたいと思う。
但し、自分がスタッフとして参加した『真夏のオリオン』と『ROOKIES-卒業-』は、前回と同様の理由で、対象から外します。
[邦画]
1.愛のむきだし(監督:園 子温)
僕はこれまで、園作品に対して全く不勉強で、劇場で観たのは、PFFスカラシップ作品の『自転車吐息』だけだった。それだけに、この3時間57分の大作(ちなみに『沈まぬ太陽』は3時間22分)の衝撃は超弩級で、今回はやはり第1位に冠することとなった。園のフィルモグラフィーの中でも、桁違いの光彩を放つベストワン作品であると思う。
彼は、昨年、『ちゃんと伝える』という日常に材を取った映画も発表しているが、本作の様に、どこか“悪魔的”な世界観に裏打ちされている方が、パワフルで圧倒的な魅力に溢れている。
満島ひかり、安藤サクラという、未来の邦画界を背負って立つ二大スクリーン・ミューズのバトル競演という見せ場も含め、明らかに映画史上に残る1本であろう。
2.ドロップ(監督:品川 ヒロシ)
本作は、当初、筆者の鑑賞対象から全く外れていたが、思いも寄らぬ好評を聞きつけ、慌ててムーヴオ-バー終了間近の劇場に掛け込んだのだった。本当に幸運だったと思う。
ジャンルとしては『ガキ帝国』や『岸和田少年愚連隊』を彷彿とさせる内容だが、“青春映画”としても、“アクション・ムービー”としても、いわゆる“娯楽映画”が求められる全ての要素を、本作は網羅していた。だから、大いに笑い、ハラハラし、涙ぐんだ…。
品川ヒロシの“監督術”には、初体験とは信じられない程の“スキル”が備わっており、“お笑い芸人”出身の映画監督が乱立する中で、彼こそが、北野 武以来の“真”の逸材であると言える。次回作が待ち遠しい。
3.のだめカンタービレ最終楽章 前編(監督:武内英樹)
何故本作が第3位なのか?と驚く方も多いと思うが、映画初監督のテレビ・ディレクター、武内英樹の“コメディを追求するセンス”と、人形やアニメといった“微妙な匙加減を必要とするアイテム”を絶妙に駆使した“職人芸”が、この映画を超一級のエンターテイメントへと導いた。
スペシャル・ドラマだった『~イン・ヨーロッパ』の諸表現に大いに鼻白んでしまった後だけに、一発大逆転のごとくその印象を全て払拭し、“映画”として大成功を収めた功績は見事と言う他なく、その最大功労者として、名カメラマン・山本英夫の存在を決して忘れてはならない。“音楽映画”未体験であるにもかかわらず、山本のカメラ・ワークは、まるで楽曲の隅々まで知り尽くしているかの様に表情が濃く、オーケストラ・コンサートのシーンを、迫力満点の“大スペクタクル”にまで昇華させていた。
4.のんちゃんのり弁(監督:緒方 明)
本作の漫画原作を知っているだけに(かつて昼帯ドラマになったことがある)、緒方 明が、その風貌に似合わず(失礼!)、かくもおチャメでチャーミングな映画を作り上げたことに、心から快哉を送りたい。“レシピ紹介”のアニメーションなど、本当に可愛らしかった。
この映画によって、緒方という監督の“度量の広い”才能を新たに発見した観客も多いはずだ。
ちなみに、彼の次回作は、あの歴史的傑作『死刑台のエレベーター』のリメイクである。
5.空気人形(監督:是枝裕和)
是枝が、これまでに“性的”なるものを描写したことは、一度もなかったはずだ。
それだけに、この意欲作は、“エロス”の表現”において革新的な領域に達しており、その“映画史的意義”は、1976年の大島 渚の『愛のコリーダ』に匹敵すると言っても過言ではない。
6.クヒオ大佐(監督:吉田大八)
一見コメディ映画のようでありながら、クヒオ大佐という実在の人物を“道化的イコン”として巧みに配し、彼にダマされる三人三様の女性の生き様と悲哀を真正面から真摯に描いてみせた意欲作。“映像作家”としての吉田の世界観も明確に顕れており、特に終盤近く、クヒオの逮捕と脱出を、松雪泰子のアップを通じて“ファンタジック”に演出した、あのカットが忘れられない。
7.ヤッターマン(監督:三池崇史)
三池崇史が持てる限りの“スキル”と“ユーモア”を最大限に炸裂させた、超一級のエンターテイメント・ムービー。
子供向けファミリー・ムービーの様相を呈しながら、父親層がチャッカリ楽しんでしまうエレメンツを随所にまぶしているのが心憎い。
“映画館”という空間を心底からエンジョイして、久々に元気をもらった1本。
8.ディア・ドクター(監督:西川美和)
本作を支えているメインキャラクターは、笑福亭鶴瓶と八千草 薫、そして八千草の娘役を演じた井川 遥だと思った。この3人の、“競演”シーンこそ、本作の最大の見せ場であろう。
9.風が強く吹いている(監督:大森寿美男)
ランナー役の林 遣都の“芸術的”に美しい走りを観るだけでも、本作を鑑賞する価値がある。その素晴らしさは、あの『おくりびと』で本木雅弘が魅せた“所作”の崇高さに充分拮抗する。
10.ミッシェル・ガン・エレファント“THEE MOVIE”(監督:番場秀一)
僕にとって、当バンドのサウンドは好きなテイストだが、決して熱心なリスナーではなかった。
本作は、ギタリストだったアベフトシが昨年急逝したことを受けて、2003年の“解散コンサート”のライブ映像を基軸として製作された作品であると思われる。だが、この映画の真の主役は、間違いなく当日の“観客達”である。
“ラストライヴ”という一大モニュメントであるとは言え、たかだか6年前に、コンサート会場でここまで“絵になる熱狂”に身を投じ得た若者達が存在したということ、そして、その“興奮の渦”が、スカイカムによる俯瞰撮影等、素晴らしい“興奮映像”として残されていた“幸運”に心から拍手を送りたい。
次点 エヴァンゲリオン新劇場版:破(総監督:庵野秀明)
前作の『~序』は、テレビ版の総集編のようなものと聞いていたのでパスしたが、本作は、その余りの評判の良さに劇場に駆け付け、確かにテレビ版にハマりかけた頃の“ときめき”を再び感じさせてくれる程、インパクトの強い作品だった。
特に、『翼を下さい』をいきなり流すという“反則的暴挙”(笑)に、思わず涙腺が潤んだ。次回作の『~急』も、確実に観に行くだろう。
[洋画]
1.倫敦から来た男(監督:タル・ベーラ)
実を言うと、本作を鑑賞したのは本年の元旦だったのだが、その時の“映画的興奮”を忘れることができず、自分の火照った“体温”が冷めないうちに…と、強引に昨年度ベストワン洋画に冠した次第である。
タル・ベーラ及び『倫敦から来た男』という“新型インフルエンザ”に、どうやら未だに感染しているらしい…。
2.グラン・トリノ(監督:クリント・イーストウッド)
2.チェンジリング(監督:クリント・イーストウッド)
本来ならば、元々“アクション映画”をこよなく愛し、とりわけイーストウッド主演及び監督作品に敬意を表し続けて来た“シネフィル”ならば、彼の“心の声”を全て理解した上で、当然、『グラン・トリノ』をベストワンに挙げるべきであろう。
だが、僕としては、彼が監督として蓄積して来た全“映画術”を、惜しげもなく披露してみせた『チェンジリング』への“賞賛”も決して蔑ろにはできず、今回は双方を同時2位にランクインさせて頂くことと相成った。
間もなく、イーストウッドの監督最新作『インビクタス/負けざる者たち』が公開される。筆者は、この“幸福”が、未来永劫続くことを願って止まない。
4.私の中のあなた(監督:ニック・カサヴェテス)
4.母なる証明(監督:ポン・ジュノ)
この二本は、たまたま同時期に鑑賞したのだが、双方共、若き巨匠監督ならではの素晴らしい“映画的才能”に溢れており、“映画を鑑賞する喜び”を久々に堪能させてくれた。
国籍もジャンルも全く違う映画達だが、この二人の監督作品は、今後も確実に観続けてゆくだろう。
6.フロスト×ニクソン(監督:ロン・ハワード)
昨年の米国アカデミー作品賞候補作の中では、僕は本作を最も気に入っている。(『愛を読むひと』は未見)
実話であること、着想や切り口の面白さ、俳優達の演技等々、日本ではあまり受けなかったものの、筆者が思いっ切り楽しんだ1本。
7.レボリューショナリー・ロード/燃えつきるまで(監督:サム・メンデス)
“ドラマ”として、圧倒的に優れた作品だったと記憶しており、本作が、なぜアカデミー作品賞の候補にならなかったのかが、不思議でならない。
サム・メンデスの映画には、今後も注目したい。
8.チェ 28歳の革命(監督:スティーヴン・ソダーバーグ)
“ハリウッドの三池崇史”(笑)のように多作なソダーバーグが、話題のカメラ「RED」を自ら駆使して撮り上げた“ドキュメンタリー・タッチ”な傑作。
二部作共に筆者は嫌いではないが、“実験精神”に溢れた意欲作である本作をランクインさせておく。
気に入った要素は随所にあるが、特にラストシーンが好きだったと記憶している。
9.レスラー(監督:ダーレン・アロノフスキー)
三沢光晴の信じがたい事故死の報を受けた日に鑑賞した為、実は今ひとつ客観視できていないながらも、明らかに僕の好きな類の映画である。
“シュールな作品”の印象が強いアロノフスキーが、こんなに熱くて切ない題材を温めていたとは、本当に意外だった。
ミッキー・ローク、マリッサ・トメイ共に素晴らしかったと記憶しており、そろそろ再鑑賞がしたくなった。
10.バーダー・マインホフ 理想の果てに(監督:ウリ・エデル)
戦後のドイツ過激派の実話を描いた、非常に意義深い作品。
ミュンヘン・オリンピックの惨劇ぐらいしか記憶していない者にとって、とても勉強になる映画だった。
少々間を置いてから、再鑑賞したいと思っている。
次点 アバター(監督:ジェームズ・キャメロン)
別の映画で体感した3Dが心地良くなかったので、敢えて2Dで鑑賞した。
とても良く出来た大作映画だとは思う。
特に、12年ぶりの新作でもって、自らの『タイタニック』が保持していた史上最高興収記録を塗り替えてしまったキャメロンの快挙は、本当に立派だと思う。
だが…『タイタニック』にしても本作にしても、筆者にとって、“マイ・フェイバリットな1本”とはなり得ていないのである。(出世作である『ターミネーター』には、相当な“映画的興奮”を体験したが…)
よって、次点に入れさせてもらった。
折角なので、前年に倣って、2009年公開作品の僕なりのベストテンを選出してみたいと思う。
但し、自分がスタッフとして参加した『真夏のオリオン』と『ROOKIES-卒業-』は、前回と同様の理由で、対象から外します。
[邦画]
1.愛のむきだし(監督:園 子温)
僕はこれまで、園作品に対して全く不勉強で、劇場で観たのは、PFFスカラシップ作品の『自転車吐息』だけだった。それだけに、この3時間57分の大作(ちなみに『沈まぬ太陽』は3時間22分)の衝撃は超弩級で、今回はやはり第1位に冠することとなった。園のフィルモグラフィーの中でも、桁違いの光彩を放つベストワン作品であると思う。
彼は、昨年、『ちゃんと伝える』という日常に材を取った映画も発表しているが、本作の様に、どこか“悪魔的”な世界観に裏打ちされている方が、パワフルで圧倒的な魅力に溢れている。
満島ひかり、安藤サクラという、未来の邦画界を背負って立つ二大スクリーン・ミューズのバトル競演という見せ場も含め、明らかに映画史上に残る1本であろう。
2.ドロップ(監督:品川 ヒロシ)
本作は、当初、筆者の鑑賞対象から全く外れていたが、思いも寄らぬ好評を聞きつけ、慌ててムーヴオ-バー終了間近の劇場に掛け込んだのだった。本当に幸運だったと思う。
ジャンルとしては『ガキ帝国』や『岸和田少年愚連隊』を彷彿とさせる内容だが、“青春映画”としても、“アクション・ムービー”としても、いわゆる“娯楽映画”が求められる全ての要素を、本作は網羅していた。だから、大いに笑い、ハラハラし、涙ぐんだ…。
品川ヒロシの“監督術”には、初体験とは信じられない程の“スキル”が備わっており、“お笑い芸人”出身の映画監督が乱立する中で、彼こそが、北野 武以来の“真”の逸材であると言える。次回作が待ち遠しい。
3.のだめカンタービレ最終楽章 前編(監督:武内英樹)
何故本作が第3位なのか?と驚く方も多いと思うが、映画初監督のテレビ・ディレクター、武内英樹の“コメディを追求するセンス”と、人形やアニメといった“微妙な匙加減を必要とするアイテム”を絶妙に駆使した“職人芸”が、この映画を超一級のエンターテイメントへと導いた。
スペシャル・ドラマだった『~イン・ヨーロッパ』の諸表現に大いに鼻白んでしまった後だけに、一発大逆転のごとくその印象を全て払拭し、“映画”として大成功を収めた功績は見事と言う他なく、その最大功労者として、名カメラマン・山本英夫の存在を決して忘れてはならない。“音楽映画”未体験であるにもかかわらず、山本のカメラ・ワークは、まるで楽曲の隅々まで知り尽くしているかの様に表情が濃く、オーケストラ・コンサートのシーンを、迫力満点の“大スペクタクル”にまで昇華させていた。
4.のんちゃんのり弁(監督:緒方 明)
本作の漫画原作を知っているだけに(かつて昼帯ドラマになったことがある)、緒方 明が、その風貌に似合わず(失礼!)、かくもおチャメでチャーミングな映画を作り上げたことに、心から快哉を送りたい。“レシピ紹介”のアニメーションなど、本当に可愛らしかった。
この映画によって、緒方という監督の“度量の広い”才能を新たに発見した観客も多いはずだ。
ちなみに、彼の次回作は、あの歴史的傑作『死刑台のエレベーター』のリメイクである。
5.空気人形(監督:是枝裕和)
是枝が、これまでに“性的”なるものを描写したことは、一度もなかったはずだ。
それだけに、この意欲作は、“エロス”の表現”において革新的な領域に達しており、その“映画史的意義”は、1976年の大島 渚の『愛のコリーダ』に匹敵すると言っても過言ではない。
6.クヒオ大佐(監督:吉田大八)
一見コメディ映画のようでありながら、クヒオ大佐という実在の人物を“道化的イコン”として巧みに配し、彼にダマされる三人三様の女性の生き様と悲哀を真正面から真摯に描いてみせた意欲作。“映像作家”としての吉田の世界観も明確に顕れており、特に終盤近く、クヒオの逮捕と脱出を、松雪泰子のアップを通じて“ファンタジック”に演出した、あのカットが忘れられない。
7.ヤッターマン(監督:三池崇史)
三池崇史が持てる限りの“スキル”と“ユーモア”を最大限に炸裂させた、超一級のエンターテイメント・ムービー。
子供向けファミリー・ムービーの様相を呈しながら、父親層がチャッカリ楽しんでしまうエレメンツを随所にまぶしているのが心憎い。
“映画館”という空間を心底からエンジョイして、久々に元気をもらった1本。
8.ディア・ドクター(監督:西川美和)
本作を支えているメインキャラクターは、笑福亭鶴瓶と八千草 薫、そして八千草の娘役を演じた井川 遥だと思った。この3人の、“競演”シーンこそ、本作の最大の見せ場であろう。
9.風が強く吹いている(監督:大森寿美男)
ランナー役の林 遣都の“芸術的”に美しい走りを観るだけでも、本作を鑑賞する価値がある。その素晴らしさは、あの『おくりびと』で本木雅弘が魅せた“所作”の崇高さに充分拮抗する。
10.ミッシェル・ガン・エレファント“THEE MOVIE”(監督:番場秀一)
僕にとって、当バンドのサウンドは好きなテイストだが、決して熱心なリスナーではなかった。
本作は、ギタリストだったアベフトシが昨年急逝したことを受けて、2003年の“解散コンサート”のライブ映像を基軸として製作された作品であると思われる。だが、この映画の真の主役は、間違いなく当日の“観客達”である。
“ラストライヴ”という一大モニュメントであるとは言え、たかだか6年前に、コンサート会場でここまで“絵になる熱狂”に身を投じ得た若者達が存在したということ、そして、その“興奮の渦”が、スカイカムによる俯瞰撮影等、素晴らしい“興奮映像”として残されていた“幸運”に心から拍手を送りたい。
次点 エヴァンゲリオン新劇場版:破(総監督:庵野秀明)
前作の『~序』は、テレビ版の総集編のようなものと聞いていたのでパスしたが、本作は、その余りの評判の良さに劇場に駆け付け、確かにテレビ版にハマりかけた頃の“ときめき”を再び感じさせてくれる程、インパクトの強い作品だった。
特に、『翼を下さい』をいきなり流すという“反則的暴挙”(笑)に、思わず涙腺が潤んだ。次回作の『~急』も、確実に観に行くだろう。
[洋画]
1.倫敦から来た男(監督:タル・ベーラ)
実を言うと、本作を鑑賞したのは本年の元旦だったのだが、その時の“映画的興奮”を忘れることができず、自分の火照った“体温”が冷めないうちに…と、強引に昨年度ベストワン洋画に冠した次第である。
タル・ベーラ及び『倫敦から来た男』という“新型インフルエンザ”に、どうやら未だに感染しているらしい…。
2.グラン・トリノ(監督:クリント・イーストウッド)
2.チェンジリング(監督:クリント・イーストウッド)
本来ならば、元々“アクション映画”をこよなく愛し、とりわけイーストウッド主演及び監督作品に敬意を表し続けて来た“シネフィル”ならば、彼の“心の声”を全て理解した上で、当然、『グラン・トリノ』をベストワンに挙げるべきであろう。
だが、僕としては、彼が監督として蓄積して来た全“映画術”を、惜しげもなく披露してみせた『チェンジリング』への“賞賛”も決して蔑ろにはできず、今回は双方を同時2位にランクインさせて頂くことと相成った。
間もなく、イーストウッドの監督最新作『インビクタス/負けざる者たち』が公開される。筆者は、この“幸福”が、未来永劫続くことを願って止まない。
4.私の中のあなた(監督:ニック・カサヴェテス)
4.母なる証明(監督:ポン・ジュノ)
この二本は、たまたま同時期に鑑賞したのだが、双方共、若き巨匠監督ならではの素晴らしい“映画的才能”に溢れており、“映画を鑑賞する喜び”を久々に堪能させてくれた。
国籍もジャンルも全く違う映画達だが、この二人の監督作品は、今後も確実に観続けてゆくだろう。
6.フロスト×ニクソン(監督:ロン・ハワード)
昨年の米国アカデミー作品賞候補作の中では、僕は本作を最も気に入っている。(『愛を読むひと』は未見)
実話であること、着想や切り口の面白さ、俳優達の演技等々、日本ではあまり受けなかったものの、筆者が思いっ切り楽しんだ1本。
7.レボリューショナリー・ロード/燃えつきるまで(監督:サム・メンデス)
“ドラマ”として、圧倒的に優れた作品だったと記憶しており、本作が、なぜアカデミー作品賞の候補にならなかったのかが、不思議でならない。
サム・メンデスの映画には、今後も注目したい。
8.チェ 28歳の革命(監督:スティーヴン・ソダーバーグ)
“ハリウッドの三池崇史”(笑)のように多作なソダーバーグが、話題のカメラ「RED」を自ら駆使して撮り上げた“ドキュメンタリー・タッチ”な傑作。
二部作共に筆者は嫌いではないが、“実験精神”に溢れた意欲作である本作をランクインさせておく。
気に入った要素は随所にあるが、特にラストシーンが好きだったと記憶している。
9.レスラー(監督:ダーレン・アロノフスキー)
三沢光晴の信じがたい事故死の報を受けた日に鑑賞した為、実は今ひとつ客観視できていないながらも、明らかに僕の好きな類の映画である。
“シュールな作品”の印象が強いアロノフスキーが、こんなに熱くて切ない題材を温めていたとは、本当に意外だった。
ミッキー・ローク、マリッサ・トメイ共に素晴らしかったと記憶しており、そろそろ再鑑賞がしたくなった。
10.バーダー・マインホフ 理想の果てに(監督:ウリ・エデル)
戦後のドイツ過激派の実話を描いた、非常に意義深い作品。
ミュンヘン・オリンピックの惨劇ぐらいしか記憶していない者にとって、とても勉強になる映画だった。
少々間を置いてから、再鑑賞したいと思っている。
次点 アバター(監督:ジェームズ・キャメロン)
別の映画で体感した3Dが心地良くなかったので、敢えて2Dで鑑賞した。
とても良く出来た大作映画だとは思う。
特に、12年ぶりの新作でもって、自らの『タイタニック』が保持していた史上最高興収記録を塗り替えてしまったキャメロンの快挙は、本当に立派だと思う。
だが…『タイタニック』にしても本作にしても、筆者にとって、“マイ・フェイバリットな1本”とはなり得ていないのである。(出世作である『ターミネーター』には、相当な“映画的興奮”を体験したが…)
よって、次点に入れさせてもらった。