最鬱点より愛を込めて

生まれてこのかた金に余裕があったことがない。貧乏な性分、というのが確かにこの世には存在するのだと思う。

思えば、高校時代が一番裕福だったように思える。母から貰える昼飯代を食パンばかり買って過ごして節約し、バイトしていたこともあって、その稼ぎで学校帰りにラーメンばかり食べていたような…おい!そこのガキ!!夕飯用意されてるんだからそのラーメン自粛しろ、金貯めろ!今のうちに貯金覚えねーと死ぬぞ!お前が覚えなきゃなんねーのは微分でも積分でもラプラス変換でもねぇ、貯金だよっ!!
などと怒鳴ったところでスカしにスカしまくっていた当時の私は「やべーのに絡まれたわー…やっぱ岩手やべーな…」などと友人に話す程度で真剣に聞き入れるわけもないだろう。そして未来を夢見るフレッシュな伊藤少年に会わせる顔もない。実際、現在タダのヤバめなおっさんでしかないわけなのだから

閑話休題。例年、ヘラヘラできないほどの金欠に見舞われる7〜8月だが、今夏はフルモデルチェンジしたい所存だ。バンドのために就労時間の少ないバイトをチョイスしたわけだが、金がなさすぎて、働きすぎて身動きできなかったとき以上に身動きが取れない。本末転倒の模範例である。金がなさすぎるより、働きすぎてヒーヒー言ってる方が幾分マシ、というのがこの人生で学んだ数少ない意味のある知恵だ。
今まで一度もしたことがない貯金とかなんとかしてみて、若い子たちに「いや〜〜俺も若い頃はヤバかったわ〜〜。でもだいじょーぶ!なんとかなるもんだって〜!」などと何の参考にもならないクソみたいなアドバイスをしてみたいものだ……

そーなるビジョンが見えないから泣ける。ハローワークとかにいって相談して「…アンタそもそも人生向いてないわ」とか言われてもぐうの音も出ないわ。俺だって同感だわ

久しぶりに映画を観た。母子家庭鍵付き一人っ子、団地育ちの私はなぜ今までこれを観てこなかったのかというくらい感銘を受けました

私は3〜18歳までの人間形成における主要な期間のほぼ全てを波瑠も倉科カナもいない代わりにしっかり頭のおかしい人たちと少年院いったり逮捕されちゃったりするような人たちは周りにいて、それは「あそこの団地の子とは遊んじゃダメ」とか言われちゃったりしても仕方ないよなー、と住んでた張本人が思ってしまうようなゲットー(死語)で育ち、絶対そういう映画じゃないのに「あるなー」とか思いながら観ていた。波瑠?倉科カナ??あそこはあの映画におけるディズニー的な部分すわ。ファンタジー。幻想です。あんな団地だったら飛び込んででも入りたいと85%くらいの男は言うでしょう。
私こそがリアル。超リアル。エロいことなんか一つもなかった。いやらしい年寄りは死ぬほどいたけど。エロい話ではないけど、階段の踊り場で人が血まみれで倒れてた事件とかはあった。警察が聞き込みをしてて、うちにも来た。
あとお水勤めのおばさんが深夜何者かに金切り声で「あたしのお金返してよ!!!!」って叫んでて、団地中にその声がこだましていたことを未だに忘れられない。ザッツソーヤバい。

そんな環境にあったので、当然親戚一同を含めた周りの大人たちからは「この子は絶対ロクな大人にならない」と言われ続けていた。今考えると最悪、マジあんときの周りの大人たちクソ最悪、チョベリバ、って感じですが、そこは素直に聞き入れない私、全てにおいて捻くれまくったクソガキは「絶対言われた通りになんかなるもんかちくしょー!」と、周りが私のような人間に抱くイメージとあべこべで居続けようと勉強だけはやたらと頑張り、18歳までは神童的ポジションをキープしていたのだ。ざまを見やあがれ。

しかしながら時は巡り、昨今の崩落ぶりである。やはり団地の呪い、みたいなものはあるのかしらんとやや懐疑的にもなってしまう。ことの研究によると、「貧困層の子供は貧困に陥りやすい」という結果が出ているらしい。ファックユー!!

終わらない夏休みのような毎日を願っている

青春の狂騒を俺は知らない。知らないものに憧れているのだからよくわからない

そもそも世間が定義する青春と呼ばれる頃合いの時期、俺はどうしていたのかよくわからない。しっかり踊り狂っていたような気もするし、最鬱点の淵でガタガタと震えていただけのような気もする。そしておそらく、それこそが青春なのかもしれない。それならば、今さら俺は何を求めて不安定極まりなくも、友人たちに恵まれた青春の狂騒のような日々を過ごすのだろう。単純に、夏休みが終わるのを恐れているばかりの盆明けの小学生みたいなものなのか。宿題なんてもちろんやってない。さぁ、どうするつもりなんだ

年相応でいたくないが、青春謳歌、と喚く痛々しい年寄りにもなりたくはない。予定通りにいかないのが人生なのは聞いていたが、もう30にもなるというのに俺は相変わらず17歳のように刹那的な日々を過ごしている

そんなだから、未だに春風のように穏やかな毎日を望んでいるわけじゃない。トラブルを愛し、バタバタ過ごしていたい。それには元気と、そしてお金が必要だ。どちらもギリギリで暮らしてる

元気に関してはよくわからないが、同級生たちは幾分年相応に動き出しているように思える。9月のキリギリス、今の俺は大方そんなところだろう。

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