May 23, 2024

インドネシア指導報告

1.ビンタン・オン・ザ・ロック
令和6年4月26日金曜日の午前11時、私は羽田発のインドネシア・ガルーダ航空の機上の人となる。
 インドネシアは昨年に続いて二度目である。初めての時は未知の世界へ旅立つ期待と不安でいっぱいだったが、今回は余裕である。浜松町で東京モノレールに乗り込む時から頭の中では「早く稽古で楽しく汗を流して、美味しいナシゴレン食べて、冷たいビンタンビール飲みたいな」なのである。
 七時間ほどでジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港に降り立つ。外の気温は三十度。雨が降っていたようで湿気を含んだ熱気が肌にまとわりついた。南国に来たという実感が沸く。
去年より空港施設がアップデートされているようで、入国審査は無人の自動化ゲートでパスポートをスキャンするだけである。30分ほど列に並んだ去年から格段の進化である。
自分のスーツケースをゲットし外に出ると、パンディという人が迎えに来ていた。現地の責任者のムリに頼まれて迎えに来てくれたそうだ。彼も稽古に来ている人だと思っていたので、最初のうち車中で「会員の方々は皆さん元気に稽古に通っていますか」とか「今回の講習会には何人ぐらい集まる予定ですが」とかの稽古に関連する話題で話しかけていたのだが、「あっ、えーと」とか「あの、あー、あー」とか、どうも要領を得ない返事しかしない。詳しく聞くとパンディはムリの高校時代からの友人で、合気道とは全く関係ないとのことだった。ムリそれ先に言っといてよ、なのだ。
インドネシアの駐車場や高速道路での支払いは機械にタッチ式のカードを数秒間かざす方式なのだが、機械のカードをタッチするところが手だけではなかなか届きづらいところにある。そのため、インドネシアのドライバー達は皆、ハエたたきのようなカードホルダーを皆持っている。カードを装着したそのハエたたきをタッチ部分にペシっと当てるのがインドネシア流なのだ。パンディも駐車場を出る時にそれでペシっとやる。
空港から1時間半ほどで今回の寝泊りするところに到着。ムリもそこにスクーターで颯爽と現れた、のだが、雨の後で地面が濡れていて、停車するときにドガガッツと派手にすっころんだ。幸いケガはないようだ。なんだか慌ただしい男なのだ。
宿泊場所はインドネシア観光庁の職員養成施設の大学のキャンパスのようなところにあるゲストハウスである。その時点ですでに夜の9時を過ぎていたので、ムリから部屋の鍵を受け取り、ムリとパンディに「おやすみ!また明日!」と言って別れ、疲れていたのでさっさと寝ることにした。
だが、よく考えたら夕食をまだ食べていなかった。飲み水も欲しかったのでゲストハウスの外に出て売店なり自動販売機がないか探した。しかし、ゲストハウスはホテルと違う。係の人などもまったくいない。周囲も誰もいない。そもそもインドネシアには日本だったら至る所にある自動販売機がどこにもない。まあいい。眠気が勝ってきたのでその夜はさっとシャワーを浴びて寝ることにした。
翌朝、ドアの外でカチャカチャ音がしたので見てみると、朝食が置いてあった。ナシゴレン的な炒飯とエビチップスである。このエビチップスがまた旨いのである。スーパーで大量に買えるのだがかさばるので残念ながら日本には持って帰らなかった。
講習会はゲストハウスの目の前にある講堂で行われる。すでにムリのジャカルタ市内の道場から持ってきた畳マットが講堂内に敷き詰められていた。この講堂の奥にはステージがあるのだが、そのステージが大理石でできていて、カドがかなりとんがっている。そこに頭をぶつけて下手すりゃ死ぬだろう。自分自身も参加者もそこにぶつからないようにかなり気を遣った。
エアコンは一応設置されていたがパワー不足で体を動かしているとすぐに大量の汗をかいた。一度外の空気が吸いたいなと思い外に出ると外はもっと暑かった。

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参加登録者のトータルは70名、常時50名ほどが講堂内で私の指導する稽古に参加した。下は小学生低学年ぐらいの子供、上は白髪交じりの初老の男性陣、女性も何人かはジルバッブ(ヒジャブ)を被って参加している。
講習会最後に段の審査を行うので、段の審査技を練習した。難しい技何種類か練習したが、もなんとか全員が動けるようにそれぞれの技の大事なポイントを抜き出して反復練習させるようにした。毎日定期的に指導できるわけではないので、これだけは理解しておいてほしいという技のエッセンスをなるべく簡潔に説明しなければならない。
稽古を二回行った後、キャンパス内の食堂で昼食をとる。稽古中は水を大量に飲んでいたので、塩味が効いた鶏ガラスープが実にうまい。
その日の最後の稽古は剣杖を使った稽古をというリクエストだったので杖の合わせと十三、三十一、二十二の杖を行う。皆が私を見ることができるように私はステージに上がり演武した。足元の大理石がひんやりして気持ちよかった。
その日の午後は近隣のスーパーマーケットに連れて行ってもらい水やオレンジジュース、エビチップスなどを買い込む。ゲストハウスなので夜ちょっと小腹がすいてもなにもないのである。水は一日に3リットルぐらいは飲み、歯磨きやうがいをする時にも使うので、大量に買った。
翌日も同様に稽古を行い、最後に審査を行う。今回は初段9名、弐段1名、参段1名。皆、この日のためにみっちり練習してきたようなので、形としてはなんとか及第点である。今回は出題を最初から最後まで私自身で行った。基本的に英語で指示を出すのだが、言葉があまり良く伝わらず、途中途中でこちらの指示と異なった動きをしてしまう受験者には、ムリが随時通訳でサポートしてくれた。こちらが「返し技なので、受けではなくまず受験者が攻撃してください」といった指示を英語で出すと、ムリが「ナントカカントカウンタラカンタラ」と通訳してくれるのだが、明らかに私が言ったことだけでなく、色々なことを30秒ぐらいしゃべっている。インドネシア語は話が長いのだ。
審査は全員合格。浮かない顔をしていた受験者達が皆ニコニコ顔になる。これでジャカルタでの仕事は終わりだ。終了するとすぐに撤収作業が始まる。トラック一台に畳マットをどんどん積み込んでいく。雨が降らないことを祈るばかりだ。ムリと審査費用等の受け渡しといった事務作業をさっと済ませる。また、今回も国際有段者証と「講習会参加証明書」という賞状のようなものにサインした。70枚全てにマジックでサインするのだが、50枚ぐらいサインしていると「あれっ?俺の名前の漢字ってほんとにこんな字だったっけ?」とゲシュタルト崩壊が発生してくる。
その後、ジャカルタでムリのところとは別の道場を担当しているワワンに連れられ近くのレストランで夕食をごちそうになった。ワワンはムスリムではないのでお酒オッケーなのだが、私が滞在していたジャカルタ郊外のエリアはムスリムが多い地区らしく、お酒を提供するレストランがないとのこと。
お酒を飲むこと自体はできるので、ワワンは缶ビールを何本も持ち込み、店にジョッキと氷を用意してもらい、そこにビールを注ぐ。ビールはぬるいので氷に注いでもすぐには冷たくならない。だが、と言って冷たくなるまで待っていると氷が解けてビールが水っぽくなってしまう。俺は冷たいビールをグビグビ飲みたいんだ!と心の中でつぶやきつつ、皆で「カンパーイ!」と今回のジャカルタでの講習会と審査の成功をお祝いし、氷で部分的に冷たくなった「ぬる冷た」ビールを喉に流し込んだ。
自室に戻り、シャワーを浴び、翌日にはジャカルタを発つので、荷造りをする。その夜は一仕事終えた充実感でぐっすり眠ることができた。
翌朝にはまたパンディが運転する車で空港に向かう。月曜日の朝なので通勤ラッシュに巻き込まれてしまったがなんとか余裕をもって空港に到着することができた。パンディには日本から持ってきたお土産の和柄手ぬぐいをお礼にあげた。

2.ビンタンビールとネギ塩牛タン
さて、次の講習会の場所はインドネシア北部のメダンで行われるのだが、それは土日の話だ。それまでどこかで時間調整をしなければならない。
というわけで私はやむなく金曜日までバリ島で時間調整をすることにした。このバリ島への旅費や滞在費は当然自腹である。しかしこれは時間調整なのだ。決して「バカンス」などといったふざけた理由でバリ島のビーチに向かったわけではない。ジャカルタで金曜日まで過ごしても良かったのだが、そうするとジャカルタの皆に気を遣わせてしまう。苦渋の決断の結果なのだ。
バリ島ではビーチサイドのリゾートホテルに宿泊。朝はビーチでランニング、午前中はプールサイドで冷たいビンタンビールを飲みながらパソコンを使って道場のウェブサイトの更新等の作業を行う。いわゆるワーケーションというやつだ。これをやりたいがためにわざわざ日本を出る前にノートパソコンを購入したのだ。昼間は暑いのでエアコンの効いた自室で午睡。夕方にはビーチサイドを散策し、お土産ショッピングを行い、街中のレストランで夕食を楽しむ。夜は身長190センチの私が横向きに寝てもまだ余りがあるワイドキングサイズベットで身体を休めた。

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バリ島での移動はすべて歩きかタクシーだったが、インドネシアでの主流のブルーバードタクシーはとても便利で使いやすかった。アプリをスマホに入れてタクシーを呼べばものの1分で来るし、支払いやチップも全てアプリ上で完結するので、ただ乗るだけである。今回は一人旅で息抜きのために来たので観光地巡りは一切しなかった。
バリ島最後の夜の木曜日に、次のメダンでの講習会に向けてスタミナをつけるため、牛角バリ島支店で焼肉を食べることにした。おいしいナシゴレンや麺料理等のインドネシア料理を毎日食べていたが、ここぞという時には肉をガツンと食べておかねばならないと思ったのだ。
牛角の暖簾をくぐると威勢の良いインドネシア人の店員たちによる「いラッシーましーゥィー!」という歓迎のチャントが店内に響き渡る。食べ放題のコースにはノーマルコース、誕生日コース、プレミアムコースと選択肢があった。プレミアムな男である私は当然プレミアムコースだ。冷たいビンタンビールとネギ塩牛タンが超絶マッチすることを発見したのは収穫であった。

3.ビンタンクリスタルの祝福
 金曜日になりバリ島からメダンに移動である。ジャカルタ経由なのでまずジャカルタへ向かう。ジャカルタまで2時間ほどなのだが、時差があるので時計を直しておかないとジャカルタでのトランジットに失敗する恐れがある。インドネシアは横にも長いのでタイムゾーンが3つもある。バリ島の日本時間との差は1時間だが、ジャカルタとメダンは2時間差なのだ。
 メダンの空港で現地責任者のサフリドリとその高校生の長男と合流。その日の夜は少しボロいホテルに連れていかれた。私自身が事前に指定していた中級ホテルとは違うところだった。私の到着日のみその中級ホテルの予約が取れなかったらしい。浴室は少しカビ臭く、カーテンもレールから外れて落ちかかっている。金庫もない。シャワーをひねると一応透明な水が出てきたが、ぬるいお湯しか出ない。
 翌朝、チェックアウトしレストランで朝食を食べ、お願いしていた中級ホテルへ移動した。宿泊費はボロいホテルより割高だが(といっても日本の駅前のビジネスホテルぐらいの値段)、内装がしっかりしている。シャワーのお湯もしっかり出る。何より外資系なのでロビーのバーで冷たいビールが飲める。これは大きい。
 メダンでの講習会は全てサフリドリの自宅の3階の道場で行われた。彼はブラジリアン柔術もやっているので、サンドバッグや抑え技の練習用の人形などが壁際にゴロゴロしている。
 ここでの審査受験者は参段が1名のみ。その他大人が10名ほどと、その参段受験者の息子とサフリドリの二人の息子たちが講習会で汗を流した。

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 参段審査技を色々と指導したのだが、参加者の中でこの小学生中学年ぐらいの少年二人が一番飲み込みが早かった。
 参段審査では最初に杖の前後の移動で流れの部を出題したのだが、受験者が緊張のあまり頭が真っ白になってしまったようで、突然動けなくなってしまった。何回か深呼吸させてなんとかできるところに持っていったが、出題するほうもこのような時は緊張してしまう。
 メダンでの講習会はジャカルタのような規模の大きいものではなかったが、その分、技の微妙な理合い等をきめ細かく指導することができた。
 すべての指導を終え、ホテルでシャワーを浴びると、夕食に連れ出してもらった。その夜は魚の炭火焼料理を堪能した。右手の指で焼き立ての魚の肉をつまんで甘辛ソースにチョンチョンと浸してから食べるのだが、これがまた実に旨い。
 魚の肉は焼き立てなので熱いのだが、食欲がその熱さを忘れさせてくれた。時折フィンガーボールの水で指を洗いつつ、テンペという山芋のようなものの素揚げも食べたが、これもクセになるおいしさだ。一応「お冷」というような形で飲むための水も出てくるのだが、インドネシアでは基本、煮沸したお湯が出てくる。
 腹を満たし、皆と別れの挨拶をし、ホテルに戻るとホテルのバーでひとりビンタンビールのライト版であるビンタンクリスタルで喉を潤した。インドネシア滞在中、色々な銘柄のビールを試してきたが、このクリスタルが一番すっきりしていて飲みやすい。私はインドネシア最後の夜をひとりホテルのラウンジのソファーに深く腰掛けながら、「ふぅ」と長い息を吐いた。これで今回の仕事は完了である。ビンタンクリスタルの祝福を受けたその夜、私は泥のように眠りについた。
 翌朝、サフリドリに空港まで送ってもらい、ジャカルタ経由で羽田に戻った。東京の気温は20度ほどでまるで冬のようだ。山手線の車窓から外を眺めると、日本の全てが穏やかに感じられる。車もバイクも赤信号できちんと止まるし、皆ながらスマホで歩いていても道がきれいに整備されているので穴に落っこちる心配もない。すべてが清潔で整然としている。まるで不思議の国に迷い込んでしまったようだ。この感覚が抜けるまで何日ぐらいかかるのだろう、と考えながら私はインドネシアから持ってきたタピオカチップスを口の中に放り込んだ。

指導部:笠原祐二

インドネシア滞在中の写真アルバムはこちら↓
https://photos.app.goo.gl/JZZY4s1YLaxvy6LH6


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May 22, 2024

セルビア・ブルガリア指導

 5月9日(木)より5月19日(日)まで、セルビアのゾラン師範、
及びブルガリアのニコライ師範の招きによりセルビア及びブルガリアで講習会を行なってきました。

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写真1:セルビアでの集合写真


 最初の講習はセルビアの首都、ベルグラードで5月10日(金)より12日(日)まで行われました。
週末にはハンガリー、ブルガリア、北マケドニア等から人が集まり総勢150人ほどの盛大な講習会となりました。
 日曜日に審査を行い初段1名、弍段3名、四段1名の方が合格しました。


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写真2:ブルガリア子供クラスの集合写真


 次の講習会はブルガリアの首都、ソフィアで5月17日(金)より19日(日)まで行われました。
セルビアほどではなかったものの週末にはセルビアの方々の参加があり、50人ほどの講習会となりました。
日曜日に審査を行い弍段1名、参段2名の方が合格しました。

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写真3:ブルガリア一般クラスの集合写真

 講習会の内容はセルビア・ブルガリアどちら共返し技、変化応用技、太刀取り、杖取りなど主に弍段以上の審査の中心となる技の稽古となりました。
 日程的、体力的に少し大変ですが、来年も同じ時期に講習会を行いますので、時間のある方は是非参加してみてください。

指導部:増田学


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February 16, 2024

アイスランド・ノルウェー指導

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写真:飛行機の中から見えたオーロラ


 1月23日に日本を出発しアイスランドとノウルェーに行ってきました。
まずスイス経由でストックホルムに到着しましたが、ロシアとウクライナの戦争の影響で
北極圏を飛ぶ遠回りの飛行ルートでアイスランドの上を通過して行きました。
 レイキャビックは例年よりも雪が多めでアイスランド人も雪はこりごりと言っていました。

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写真:演武前に参加者と


 レイキャビック合気会はコロナの影響からも復活し、会員数も増加傾向にあります。
今回はアイスランド大学で年に1回行われる恒例の「ジャパンフェスティバル」で合気道の
演武を行いました。
 今回で20回目を迎えるジャパンフェスティバルは、アイスランド大学と日本大使館との共催で
行われる一大イベントです。私の参加も今回で3回目となります。主催者発表で1000名以上が参加しました。

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写真:組太刀の演武

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写真:演武中の筆者


 当日は合気道、将棋、碁、アニメ、マンガ、書道などの様々な日本文化に触れる事ができます。
合気道の持ち時間は約20分で、自分たちで持ち込んだジョイントマットを床に敷き、演武を行いました。白帯の演武から始まって有段者による、組太刀、31の杖合わせ、短刀取りなどが行われ、最後に私が個人演武を披露しました。
 約150名の観客からは多くの拍手をいただき、終了後には5人位の入会希望者が話を聞きにきていました。良い宣伝になったと思います。
 審査は参段1名、四段1名が合格しました。
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写真:アイスランドでの集合写真



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写真:ノルウェーでの子供クラス参加者

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写真:子供クラス稽古風景

 2月1日にはノルウェーで子供クラスのから稽古が始まりました。
ノルウェーは例年より寒くなく過ごし易かったです。
稽古場所は少し郊外で行われ、大勢の参加者が来ていました。まだ初心者の女性も参加しており、その人も皆と一緒に楽しめる様に工夫しながら稽古しました。

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写真:指導中の筆者

 講習会となると、中級以上や黒帯の人達を中心に稽古内容を考えがちですが、それでは初心者や経験の浅い人にはつまらない内容になってしまいます。そこで初心者でもついてこれて、有段者にも満足する様な稽古内容の工夫が必要です。
 審査では四段2名、初段1名が合格しました。

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写真:指導中の筆者

 今年の小林道場55周年にはアイスランドとノルウェーから参加の意思がありました。
またの再開を約束し、2月6日に無事に帰国しました。

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写真:ノルウェーでの集合写真

小林 弘明



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December 08, 2023

マカオ・珠海講習会と審査

11月23日(木)から11月28日(火)までの6日間、講習会と審査のためマカオと珠海を訪問しました。コロナウィルス感染状況下にあったため3年間海外には出ていなかったので、4年ぶりのマカオと珠海でした。

11月23日(金)
定刻19:30に到着。

東京とマカオの直行便は、行き帰りそれぞれ1便しかないのでいつもその便を利用しています
空港で合気道和武館会長の容先生、和武館理事長の葉(Ando)先生の出迎えを受け、そのまま街の食堂に案内していただきました。機内で食事は食べていたのであまり空腹ではなかったのですが、美味しそうなマカオ風の焼き肉(ヤキトリ)を見ると、食欲が湧いてくるものです。少ししてその店に副会長李先生も来られて、皆であらためて元気に再会できたことを喜び、互いに合気道の和、絆をしっかり守っていくことを確認しました。

11月24日(金)
午前中はマカオビーチに-連れて行っていただきました。
事前情報で現地の気温19〜24℃ときいていました。その日は暑くなく寒くなく、肌に当たるそよ風が本当に心地よかったです。快晴で水面がキラキラと光って眩しいくらいでした。私事で恐縮ですが今年2月、小型船舶免許の更新(1級に進級)をしたので、このようなところでクルージングを楽しめたら最高だな、と思いました。
そして海の見えるレストランで海鮮のランチです。幸せ〜!

夕刻は2回の講習会(19:00〜21:30)がありました。
初日の講習は和武館の会員のみと言うことで40名ほどの参加者でした。
和武館指導部から前半は基本技を、後半は応用または変化技をと要望があり、その要望に応えるようにしました。
前半→ビギナーにも理解できるようわかりやすく、基本動作から入り、基本技は時にはゆっくりと動いて説明しました。初級者中級者だけでなく上級者からも分りやすかったと言っていただけました。
後半→有級者はレベルアップを考えながら引き続き基本技、有段者は要望に応じて
返し技を行いました。

11月25日(土)
午前→子供クラス(10:30〜12:30)の指導を行いました。
参加者は20名程度。子供クラスで2時間は少し長いのではと伝えましたが、子供クラスはこの日この時だけなので、と言うことで予定通り行いました。
和武館の指導部の方々にお手伝いしていただきました。
 基本的には小林道場のやり方で行い、休憩をとりつつ、適度に体力作りをとりいれました。整列や並び替えで少々戸惑いましたが、補助の方に助けていただきました。
準備体操からみんな元気に大きな声をだします。「1・2・3・4」「イー・アル・サン・スー」ではなく「ヤツ・イ・サアン・セイ」です。そう、マカオは中国語(北京などで使われている言葉)ではなく広東語が一般的に使われています。
一番盛り上がったのは3グループに分けて、かけっこ、両足跳びなどの競争でした。
何を言っているのかわかりませんが、とにかく自分たちのチームを大声だして必死に応援していることは伝わってきました
どこの国でも子供たちは本当に素直です。
 最後に「今日の稽古、楽しかった人?」と訊いたら全員手を上げてくれました。
よかった〜!

 午後から珠海に移動です。
珠海は中国なので、日帰りでもビザが必要です。
約一月前に北京に入るときビザの取得に20日程度(手続き1日、受領1日、ビザ申請
給付センターに行く必要があります)を要しましたが、今回も同様でした。基本1回のビザに1回の訪中です。
今回はマカオの先生3名が同行してくれたので心配なく珠海に入れました。
そして携帯でタクシーを呼んで講習会場に直行しました。こちらでは携帯の利用頻度は大変高く、また使い方も皆さん詳しく、支払いもすべて携帯でやっていました。

講習会場は地元の体育館で行なわれました。珠海和武館、広州正心館、広州合気会、香港からも集まり、60名ほどの参加者がありました。
そこで4年ぶりに林先生に再会しました。元気そうで自信に漲り一回り大きくなった印象を受けました。決して太ったのとはちがいます。
小林道場で2年間厳しい内弟子を経験し、今は珠海和武館の指導者として頑張っています。彼女はコロナ禍で道場が閉鎖されてからは思うように稽古出来ず、合気道の稽古は週に1〜2度と言っていました。今は生活のため書き方、日本語などを教える仕事に就いているとの事です。
講習会(17:00〜19:00)
まずは基本動作と基本技。
投げて投げられて、楽しい稽古が出来たと思います。
後半は対武器などを行いました。太刀取りは普段やっていない道場もあるようでした。
ポイントでは林先生に通訳をしていただき、大変助かりました。

講習会の後、食事会がありました。珠海の定番料理でした。
中国料理店にある定番の大きな丸いテーブルに、10人くらいずつ4テーブルに分かれて座りました。私のテーブルには和武館責任者の容先生、林先生、葉先生、香港からの二人の先生、マークさん(和武館会員で通訳)たち。
ある程度お酒が入ったところで各テーブルごとに記念撮影をしました。
21:00頃に解散。林先生も私たちと一緒にマカオに戻りました。

11月26日(日)
 午前中はマカオの旧市街を散策しました。
日曜日ということもあり、観光客のグループとも遭遇してたくさんの人で賑わっていました。ガイドブックに載っている店などには行列ができていました。
スイーツの店で人気のスポットがあり、スイーツ好きの私のためにお目当ての店を探してくれました。食べたいスイーツはいっぱいありましたが、エッグタルトとマンゴプリンをいただきました。私としてはケーキよりもこちらをお勧めしたいです。

講習会(15:00〜17:30)
和武館の道場で講習会を行いました。ホテルから道場までは歩いて10分程度です。
小林道場で数週間、内弟子をした経験のある王さんもこの講習会から参加しました。
また、広州の別組織の道場からも参加者があり、全部で50人程度の参加者となりました。 
前半は立ち技から入り、座技、半身半立ちまで。
後半は二段受験者対応として短刀取りなど審査技を行いました。
皆さん、しっかり聞いてじっくり稽古するという感じでした。
 
 夕食会はオープンテラスのような会場で広東料理の名物「火鍋」をいただきました。
日本の「しゃぶしゃぶ」のようなものです。と説明を聞いていましたが、日本のそれとは別物のようです。肉も 野菜もじっくり煮込み、素材そのものの味を楽しむと言うことで、醤油や酢、香辛料はあまり入れません。その土地、地域ならではの食べ物、食べ方というのがあるのですね。
 特に肉類は美味しくいただきました。

 夕食の後はカジノに繰り出しました。
李先生は警察官という職業柄、カジノには入れないそうです。
容先生、林先生にお付き合いいただき、一番の繁華街のカジノに案内していただきました。広い1〜2フロアー全てがカジノでルーレット、ダイスゲーム、カードゲーム、スロットマシンなどなど・・・その光景は圧巻でした。私のやり方は、決めた金額をチップに代え、それがなくなったら終了します。ほんの少々博打の気分を味わうというものです。遊びの感覚ですが、それでも勝てるときもあるのでなかなかやめられません。
 私はカジノでは昔々覚えたブラックジャックしかやりません。本来はデユ―ラーとプレイヤーの一人一人にカードが配られ、デユ―ラーとの勝負になるのですが、今回のやりかたは違っていたのでやりませんでした。まず最低の掛け金の表示があるのですが、1回300HN$(香港ドル)約6000円なので、このエリアのカジノは富裕層向けのようでした。建物からしてお城や御殿のようなゴールド系の建物ばかりです。
 と、言うわけで宿泊ホテルの近くの庶民レベルの人たちが気軽に行けるカジノに行くことにしました。どこのホテルにも必ずと言っていいほどカジノがあります。
ここでも私好みのカードゲームはなかったのでルーレットをやることにしました。
かけ方(1/36)によっては10HN$(香港ドル)約200円から賭けられます。例えば17番に賭け(チップを置き)、その番号に玉が入ったら掛け金が36倍になります。
 カジノに興味のある方、経験したい方はマカオに行くことをお勧めします。

11月27日(月)
朝、「先生、どこか観たいところ、行きたいところありますか。マカオは小さい島なのでどこにでも行けますよ。」と訊かれましたが、「どこにでも喜んで。」と応えたところ、自動車博物館を案内していただきました。マカオには3回来ていましたが、ここに来たのは初めてでした。
車、バイク好きの方必見の場所だと思います。車の歴史はもとよりマカオグランプリにまつわる品物(本物)、写真、オブジェなどがあり、レースのシュミレーションに参加することができます。それは日本にあるゲームセンターの自動車レースをよりリアルにしたものです。
私と林先生が参加しました。本物の車両に近いので上向きに寝るような格好で運転席に入ります。前方には大きな3つの大型画面。一定時間にどれだけの距離を走れるか、というレースです。私はなんとかコース1週回ることができました。

審査前講習会(19:00〜21:30)
講習会は小林道場の審査規定のなかから、普段あまりやらない技や勘違いをしそうな技を行いました。肩取り面打ち、後ろ技の片手首締めはあまりやっていないようでした。また腕がらみと十字がらみをとり違えている人がいましたが、稽古後はしっかり技を修正していました。
審査(21:30〜21:45)
審査に先立ち、和武館責任者の容先生から
「李(Lei)、Dino 両名の五段昇段を推薦いただき、総師範小林保雄先生に深く感謝いたします。」と、コメントをいただきました。
そしてお礼にと硯をいただきました。帰国次第、総師範にお渡ししました。
審査は二段1名受験し、問題なく合格しました。
昨日11/26の稽古で見直した短刀取りが、大変ためになったと言っていただきました。
また指導者、会員の方々からも新たな発見があった、勉強になった、とお言葉をいただきました。
嬉しい限りです。講習した甲斐があったと安心しました。

11月28日(火)
マカオ空港9:30発の飛行便で帰国するので朝から空港に送っていただき、コーヒーショップで最後のお別れです。
この度、歓待に預かったお礼をしっかり申し上げ、来年の小林道場55周年の記念行事への参加をお願いして了解をいただき、帰国の途につきました。
最後に、今回の訪問が少しでも合気道小林道場の発展に寄与出来たのならこんな嬉しいことはありません。

指導部 小林幹雄

写真はこちらからご覧下さい。


kobayashidojo at 11:41|Permalink

December 06, 2023

東京農工大体験授業@府中道場

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 今年も東京農工大学の学生が12月2日に学外実習として
合気道体験をさせていただきました。
 心身ともにリフレッシュし、普段運動不足の学生たちも
稽古後は達成感で明るい表情になりました。
弘明道場長、府中道場の皆様の温かいご支援に感謝申し上げます。


The students of the Tokyo University of Agriculture and Technology
had an aikido experience at the Fuchu-branch of Kobayashi dojo on December 2, 2023,
as a part of the Diversity and Inclusion through Japanese Culture course.

It was so refreshing and it brightened up our day.
The students looked very relaxed with a sense of achievement after the session.
Many thanks to the Chief Master Hiroaki-sensei and Fuchu dojo members
for their continuous and warm support.


府中道場 伊藤夏実

kobayashidojo at 17:37|Permalink

November 15, 2023

ここは地の果てアルジェリア

 令和5年10月24日からスウェーデンとアルジェリアの指導に行ってきました。

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 スウェーデンのストックホルムにある弥栄(いやさか)道場には武漢肺炎の影響で4年ぶりの訪問です。すでに冬の装いのストックホルムは日中気温6度。夜になるとマイナスになっていました。暑かった日本から来るとより寒さを感じます。
 稽古は到着した次の日の水曜日から日曜日まで行われました。水曜日、木曜日は通常の稽古時間で夜のみの稽古でしたが、金曜日からは講習会モードになり、1日3回から4回の稽古になります。参加者もストックホルム市内にある他の道場やスウェーデンの地方にある道場、海外からもノルウェーやブルガリア、ギリシャ、マケドニアなどから集まり、総勢60名ぐらいが参加しました。

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 弥栄道場での楽しみは稽古後に更衣室横に設置されているサウナにビールを飲みながら入る事です。このサウナは男女混浴で、稽古後の交流の場となっていました。しかし、今回は故障していてサウナに入れませんでした。会員の人がこっそり教えてくれたところによると、確かに故障はしていたがいまは修理がおわっていて使えるけど、ウクライナ戦争の影響でスウェーデンも電気代が高騰していて使わないそうです。混浴に入れずに実に残念でした。

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日曜日に講習会を終えて、月曜日の朝3時にホテルを出発して次の目的地アルジェリアの首都アルジェに向かいます。パリを経由して午後12時45分には到着しました。飛行機を降りて入国審査に向かう途中にメールを受信し、「あなたの荷物はパリに残っており、次の便に載せますの了承下さい。」。空港で確認すると午後5時に到着するとの事で、結局午後7時に荷物を受け取りました。

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 さかのぼる事5日前、スウェーデンに到着したその日にアルジェリアから講習会が中止になります、とメールが来ました。パレスチナ支持のデモが世界各地で起きており、それが暴徒化する報道がなされていました。イスラム教の国であるアルジェリア政府も社会が不安定化する事を危惧して、スポーツを含め人が集まる事を全て中止しました。そのために私の講習会も中止となってしまいました。飛行機便の変更ができないため、稽古が無くてもアルジェリアへ行く事にしましたが、受け入れるヤコブ氏が地元政府に嘆願書などを送った結果、警察監視の下講習会が許可されました。講習会中7名の警察官が来ていました。

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 首都アルジェから飛行機に乗り800キロ離れた砂漠の中の街エルウェッドに向かいます。到着して最初の印象は「田舎」。空港も本当に小さな空港でした。
到着して2日間は観光に連れて行ってくれました。サハラ砂漠でラクダに乗って、砂漠に沈む夕日をみた時は一番の感動でした。
 私を招待してくれたヤコブ氏は内弟子経験者です。今回私のために本当に良くしてくれました。彼の自宅で3回ほど食事をしましたが、全て美味しかったです。

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講習会は木曜日から始まりました。アルジェリアのアンナバからは内弟子をしていたムニエル氏やその生徒達、また、チュニジアからもアジス氏、ブラヒム氏、アフェフ女氏なども集まって来てくれました。総勢50名ぐらいが稽古に参加していました。
アルジェリア小林道場とチュニジア小林道場の幹部の人達と話合を行いました。今後も彼らが結束して、この北アフリカの地に合気道小林道場の精神を広めるために頑張る事を確認しました。それに対し小林道場も全面的に協力する事を約束しました。

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 ウクライナ戦争の影響で混浴サウナに入れなかったり、ハマスとイスラエルの戦争の影響で講習会が一旦中止になったりしましたが、11月7日に無事に帰国しました。
 不在中に代稽古などをしてくれた皆様有り難うございました。






道場長 小林 弘明



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November 13, 2023

チリ・アルゼンチン・ウルグアイ指導報告

10月4日(水)より10月23日(月)まで南米3か国、チリ、アルゼンチン、ウルグアイで巡回指導を行ってきました。南米には今回でちょうど10回目の旅となります。

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<チリ>
成田を出発しロサンゼルス経由で28時間。ほぼ日本の裏側のためこれでも最短の移動時間です。日本の方々の多くはこの移動時間が南米旅行の大きな敵となっているようです。
チリの首都サンチャゴには10月5日(木)朝6時30分に到着。現地の責任者で日本での内弟子経験もあるラウル・ゴンザロ光道場道場長の出迎えを受けました。
到着当日に稽古はありません。光道場でゆっくりさせてもらいました。サンチャゴは周囲を4000m級のアンデス山脈に囲まれた都市で、その山々を眺めながらゆっくりビールを頂くだけで旅の疲れも大いに癒されます。

 翌金曜日より日曜日にかけ子供クラスの稽古を含め5回の講習会を行いました。この講習会にはこれから向かうアルゼンチンの会員も数人わざわざ参加してくれました。
講習会の参加者は平均20人強。初心者、中級者が多いため内容は基本技中心でした。
基本的に講習会はラウル氏の光道場で行われました。但し今回は特別に土曜の午前中高校の体育館を借り、合気道に触れたことのない方を含めた体験セミナー、及び簡単な演武会を行いました。どうなるかは分かりませんが、今後このような活動がチリの合気道普及に貢献する事を祈るばかりです。

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<アルゼンチン>
10月11日(水)にサンチャゴで所沢道場の氏家典子氏と合流、アルゼンチン・ブエノスアイレスに向かいました。現地では何度も来日経験のあるアレハンドロ・ヌエツ感謝道場道場長とマルセロ・ロドリゲス氏の出迎えを受けました。
ブエノスアイレス空港から直接講習会を行うラプラタ市へ移動しました。ラプラタ市はブエノスアイレスから車で1時間ほど南に行った、国営石油企業の工場やその関連企業が数多くある街です。12日(木)にバーバラ・サマーホーク師範と合流、その日の夕方より講習会を開始しました。
13日(金)には昇段審査を行い初段2名、弐段、参段、四段各1名の計5名が無事合格しました。
14日(土)は他の合気道団体も参加できるオープンセミナーで、午前2回、午後2回の計4回の稽古を行いました。指導は私とバーバラ師範で、参加人数は30名程でした。講習会は杖技や二人取りなど普段現地ではあまり稽古しないような技を指導しました。
ラプラタ市ではバーバラ師範のトークイベントも行われ、そちらも大盛況でした。


<ウルグアイ>
10月15日(日)バーバラ師範、氏家氏、アレハンドロ氏そして私の4人で高速船を使いアルゼンチンからウルグアイに向かいました。アルゼンチンとウルグアイの間にはラプラタ河という大河が流れています。この川は見たことのない方には想像がつかないくらい広く、多分初めて見た方は海と勘違いしてしまうかもしれません。
この日の夕方には宿泊地となるコンドミニアム到着しました。暖炉がありラプラタ河を見渡せる快適な宿泊施設でした。
翌16日(月)より講習会がスタートしました。この日はウルグアイの祝日だったため14日(土)にラプラタ市で行ったのと同じようなオープンセミナーを午前中と午後計4回行いました。今回も指導はバーバラ師範と私で行い主に小林道場の弐段、参段の審査規定にあるような変化応用技を行いました。
17日(火)以降は氏家氏も含めた3人交代で指導を行い、毎年私一人で指導する時とは違った雰囲気の稽古を現地の方々も楽しんでおりました。
19日(木)には審査も行われ参段2名、弐段1名の計3名が無事合格しました。
また今回は去年私が出演した国営ラジオ放送にバーバラ師範も出演し、合気道を広く紹介してもらいました。
21日(土)全ての日程を無事終了し帰国の途に就きました。(帰国には36時間かかりましたが…)

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来年10月末にも南米に参ります。日本の裏側で少々遠いですが、その分日本とは全然違う自然や文化に触れられます。お時間があれば是非ご一緒に!

指導部 増田 学

他の写真はこちらをご覧下さい。




kobayashidojo at 09:48|Permalink

October 26, 2023

中国北京講習会と審査

 10月11日(水)から10月15日(日)までの5日間、講習会と審査のため合気道正心館道場を訪問しました。
合気道正心館は2010年より小林道場傘下となり、合気道普及活動をすすめるとともに、お互いに交流を深めてまいりました。
コロナ感染の影響で3年間お互い訪問するここが出来ずにいたので4年ぶりの訪中となりました。今回も前回同様、東大和市合気道会道場長の吉川五郎先生が私に同行されました。
ほぼ10年間続けて中国を訪れていましたが、今回初めて入国するためにビザが必要となりました。その取得にも時間が費やされ、空港での健康申告も義務となりました。
また中国への入国審査のみならず、出国審査もきびしいものでした。

 10月11日19:30頃到着しましたが空港をでたのは21:00になっていました。北京は東京、埼玉より5度ほど気温は低いようですが、10度を下回ることなく寒いという印象はありませんでした。張さん、段さん、二人の指導部員の出迎えを受け、そのままホテルに直行して責任者の賀先生と再会、明日からの講習会、審査について打ち合わせを行いました。それから夕食会というよりは夜食会に出発です。
移動でお疲れという気遣いからか、初日はホテルの近くで軽めにと言っていましたが、お酒が出てきたらなかなかとまりません。北京のひとたちはみんなタフです。

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11月12日(木)
午前中はお風呂でゆっくりさせていただきました。
午後はまず正心館の本部道場を訪問しました。商業ビルの3階にあり、道場面積407平方メートル、稽古場面積200平方メートル、そして在籍会員数150名です。
ここ北京を本部とし、大連、西安、河南、広州、烏魯木斉などに支部道場をもって全国レベルで展開しています。
道場の正面には『合気道』と書かれた総師範小林保雄先生の掛け軸がかけられていました。

最初の講習会(19:00〜19:50)は私の指導で約50名の参加があり、基本動作と基本技を中心に行いました。主に片手両手取りの技を行いました。
その後の講習会(20:00〜21:00)は有段者と有級者に分かれて行いました。
有段者講習会は私が指導で太刀取りをメインに対武器を
有級者講習会は吉川先生指導で基本技をメインに片手取を行いました。
稽古中、前に出て来てやりたい人いますか。と訊ねると一斉に手が挙がります。
みんな積極的に稽古に励んでいました。

稽古後の食事会は22:00ころから開始となります。昨夜は東北料理、今夜は広東料理です。ビールで始まる宴会はすぐに白酒(パイチュウ)に切り替わります。アルコール度数は53度です。のむコツをやっと覚えました。強いお酒だからと言ってちびりちびり飲んでは口の中や喉がカーと熱くなりあとが続きません。専用の小さいグラスがあり、それで一気に飲み干します。口の中はそのお酒特有の味が残り、熱さは喉奥から食道にかけてジンワリ残る程度です。お酒の好きな人は病みつきになるかもしれません。
私はお酒には強くないので3杯くらいでやめておきました。

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11月13日(金)
 午前中観光を予定してくれておりましたが、明日の審査の準備をしっかりしたい旨伝えて受験者対象の稽古を行いました。
 私が審査技の体術を、吉川先生が組み太刀、組杖を指導しました。

 夕刻の講習会(19:00〜20:00)は吉川先生指導で後ろ技をメインに
その後の講習会(20:10〜21:10)は私の指導で同じ技を攻撃を代えて行うなど

 今回は京都大学の学生(胡さん)に通訳をしていただいたので、しっかり内容を伝える事ができました。

 11月14日(土)
 午前中(10:00〜12:00)は受験者の自由稽古
 昇段審査(15:00〜17:00)
審査立ち会いは賀先生、吉川先生、私の3名です。
受験者は下記の13名です。
初段6名
二段3名
四段4名
四段の受験者は張さん(北京)、季さん(大連)、姚さん(烏魯木斉)、文リさん(西安)。
張さんは賀先生の側近で若手ナンバーワン、その他の方は全員各支部の責任者です。
多くの人が、この日は飛行機や新幹線を利用して何時間もかけて北京に集まるのです。
年に一回の昇段審査です。みんな必死に合格を目指します。
 カメラ撮影を準備している人がいましたが、撮影禁止を伝えました。

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この日の食事前の集合は特別です。審査発表があるからです。
私の「今から合否を発表します。」に一瞬沈黙。
 「全員合格です。」に「わ―」と言う歓声と雄叫び。
この日の食事会は大いに盛り上がります。合格祝賀会を兼ねているからです。
私も飲まないわけにはまいりません。白酒、いつもの1.5倍いただきました。
中国の乾杯(チャイニーズカンペイ)はグラスを空にして底を見せます。
日本の乾杯(ジャパニーズカンペイ)はグラスを空にしなくて良いというルールがあるようで、私はほとんど後者です。
 美味しい料理に美味しいお酒。
今回の北京訪問での夕食は、大きな回転テーブルに料理がのる形式の中国料理でした。

そして来年小林道場55周年、総師範米寿の記念祝賀会の参加を約束していただいてお開きとなりました。

11月15(日)
 午前中買い物
 午後空港まで送っていただき、16:00の便で帰路につきました。
 
この度の北京訪問の際は歓待にあずかりました。感謝しています。
賀先生はじめ正心館道場の指導部のみなさまにはお世話になりました。
来年、お会い出来る日を楽しみにしています。

謝謝 !!

指導部 小林幹雄
          


kobayashidojo at 12:15|Permalink

August 18, 2023

ハンガリー&イギリス指導

 令和5年8月3日から6日まで、ハンガリーのミシュコルツという街でハンガリー合気道小林道場協会の夏合宿が行われました。今回の講習会はミシュコルツ合気道会の30周年も兼ねていました。
 私がハンガリーに最初に来たのもちょうど30年前で、それ以来ほぼ毎年の様にハンガリーに来ていましたがコロナの影響もあり、私にとって4年ぶりの訪問となりました。ドナウの真珠と言われる首都ブダペストの景色は相変わらず美しく、私がお勧めする国の一つです。
 到着して次の日はルダッシュという温泉に行き旅の疲れを癒やしました。ハンガリーは温泉大国でもあり、あちこちに温泉があります。このルダッシュという温泉は私の特にお気に入りで、水着で入る温泉の多いハンガリーで、前掛けの様なふんどし1枚で入浴します。

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 講習会は気温30度の中行われました。木曜日の午前中は100名ぐらいでしたが、週末に掛けて人数が増え、約150名が参加しました。昔からの顔馴染みの会員もありましたが、多くの若い白帯の人達も参加していました。コロナでどこの道場も大変だったそうですが、新規入会者も増えていて回復傾向にある様です。

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 土曜日の稽古の後には30周年記念の演武大会が行われました。各地区の代表者が演武を行い、ブルガリアから参加した人々も演武を行いました。
 その夜は会員の経営するレストランで記念祝賀会が行われました。そのレストランは300年以上歴史のあるレストランで、中世の料理スタイルで食事が提供されます。中世の頃はまだフォークがなかったので、フォークはありません。ナイフとスプーンで肉を切って、食べる時は手づかみで食べました。インドネシアでも手で食べる時はありましたが、ハンガリーでは左手も使って食べて良いので楽でした。
 30周年のお祝いとして私が毛筆で書いた色紙を掛け軸にしてプレゼントしました。

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 日曜日には講習会後に審査を行い、初段4名、参段1名、四段3名が合格しました。残念ながら弐段1名は不合格となりました。だいぶ緊張した様です。



ロンドンで少し息抜きをした後は、イギリスのブリストルで講習会を行いました。
イギリスの道場はコロナの影響も有り会員数も大分減ってしまいましたが、”やる気”はハンガリーに負けていません。
ロンドンから電車でブリストルに移動し会長のサイモン氏の出迎えを受けました。
その日の夜はサイモン氏の家でイギリスの伝統料理サンデーローストを食べました。

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 稽古は金曜日の夜からで基本技から始まり初段や弐段の審査技を行いました。
気温は日中でも20度ぐらいで、夜になると15度ぐらいです。
とても快適な環境の中で稽古を行う事ができました。
稽古後ホテルに帰り日本のテレビを見ると猛暑と台風の話ばかりで
全然実感は湧きませんでした。

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 日曜日の午後には審査を行い弐段1名、四段2名が合格しました。
全員しっかり稽古して準備していた様子が見えました。

 本州に台風が上陸する中無事に8月15日に帰国しました。

道場長 小林弘明




kobayashidojo at 10:35|Permalink

July 04, 2023

合同合宿に参加して

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 7月1日、2日の2日間で小林道場の合同合宿が行われました。場所は山中湖。富士山と山中湖という美しく素晴らしい景色に囲まれての合宿でした。

 私は1日目の朝、宮崎から合宿に向かいました。宮崎は雨模様。飛行機の出発が少し遅れ、羽田空港でも滑走路混雑で遅れ、そして、まさかの山手線の緊急停止で遅れ、予約していた高速バスに乗り遅れるという失態。仕方なく電車を乗り継いで山中湖へ向かいました。なんとか2回目の稽古に間に合って、そこからの参加となりました。

 審査直前の合宿ということもあり、受験を考えられている方の技を稽古していきました。剣の稽古もあり、私は組太刀のグループで稽古をしました。また、審査を受けられる予定の方たちが、自主稽古の時間も一所懸命に取り組まれていました。私も一緒に稽古させていただき、審査に向けて熱心に稽古されている様子に感心しました。
 その後は夜の食事。ボリュームたっぷりで、学生さんの合宿向けではないかと思うほど。お腹いっぱいになりました。

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 夜の食事から懇親会まで少し時間があったのですが、ちょうど向かいのイベント会場での花火が始まり、部屋から見ることができました。とても綺麗な花火で、合宿参加のご褒美になりました。
 懇親会では、総師範の合気道を始めたきっかけや、ご結婚をされた時のエピソードなど、面白いお話をたくさん聞くことができました。そして、京都の方々からの日本酒の差し入れがあり、とても美味しかったです。また、和光の國安さんが宮崎出身であるとお聞きして、とても嬉しかったです。

 2日目の朝は快晴。朝稽古は総師範の稽古でした。後片手首締の技でした。入身投げ、二教、呼吸投、三教などでした。総師範は「先に見本をする先生が多いけど、私はまずは考えさせるんだよ」とおっしゃっていました。その言葉がとても印象に残りました。受けを取らせていただき、大変ありがたかったです。

 朝稽古の後、富士山をバックに集合写真を撮りました。そこで、総師範と一緒に写真を撮っていただきました。ありがとうございました。

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 最後の稽古の時間は、道場長の稽古でした。正面打ち入り身投げや二教、そして二教の返し技、短刀取り横面打ち五教、三教などを稽古しました。力を抜くところ、しっかりとかけるところ、まだまだ出来ていないことがたくさんあり、勉強になりました。

 最後に、今回の合宿で一緒のお部屋で過ごした増田道場の川崎さんと丸山さん、そして稽古で一緒に組んでくださった皆さん、ありがとうございました。楽しい時間を過ごすことができました。
 来年度のイベントシークレット情報の発表もありました。また来年、参加したいと思います。それまで宮崎でしっかりと稽古に励みます。

宮合気道会 松元 麻美

合宿の写真はこちらからご覧下さい。

kobayashidojo at 18:23|Permalink

May 31, 2023

増田師範海外指導(ブルガリア・セルビア)

 私、増田は5月4日(木)から14日(日)までブルガリア、セルビアで講習会及び段審査を行ってきました。両国に行くのは2019年以来3年ぶりとなります。

ブルガリア集合写真

ブルガリア集合写真

ブルガリア審査合格者

ブルガリア審査合格者

 5月4日(木)最初の訪問国ブルガリアに夜10時30分に到着。本来ならもう少し早く到着できるはずなのですが、現在ウクライナ紛争のためロシア航路が使用できずヨーロッパが大変遠くなっています。
 翌5日(金)の夕方から稽古を開始しました。金曜日は夜の稽古1回、土曜日は午前に2回、午後に2回の稽古、7日日曜日は午前2回の稽古、計7回の稽古の後段審査を行いました。
参加者は全体を通して1回の講習に対し40人位でした。また、参加者の中にはセルビア人やマケドニア人もいました。
 稽古内容は今回経験者も多く、また参段2名、四段1名の審査受験予定者もいたので、主に弐段、三段の審査技を中心に行いました。
 日曜日の審査では無事参段2名、四段1名が合格しました。



セルビア集合写真

セルビア集合写真

セルビア審査合格者

セルビア審査合格者

 一旦スイスに入り古い友人と会い5月11日(木)セルビアに到着しました。
セルビアでは12日(金)夜から稽古を開始、金曜日夜は稽古2回、13日土曜日は午前3回、午後3回、の6回稽古、14日日曜日は午前2回の稽古、計10回の稽古後段審査をおこないました。
 今回の講習会は会場が狭く、その割に参加人数が多いので、参加グループを初心者、中級車、上級者の3分割にしました。このため稽古の回数が増え、かなりタフな講習会となりました。但し稽古内容は参加グループが細分化されていたためとても教え易かったです。参加者は1回の講習会で50人前後、ブルガリア、ハンガリー、マケドニアからも参加がありました。
 講習会後初段4人、弐段6人、四段1人が審査を受験、無事合格しました。
15日月曜日朝6時15分の飛行機で日本に帰国しました。今回はとても忙しい講習会でした。

指導部:増田 学


kobayashidojo at 11:50|Permalink

May 22, 2023

海外合宿(台湾)に参加して

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          府中道場 平部久嗣&美玖


1 台湾行きの経緯
  合気道を始めて5年目、還暦目前の今年3月、ようやく2級の昇級審査に合格し念願の茶帯となることができました。ちょうど良い区切りでもあったので以前から興味のあった海外合宿(台湾)への参加を決めました。台湾での演武大会が5/13(土)に開催されるので5/12(金)〜15(月)の日程で渡航することにしました。当初は一人で参加する予定でしたが「良い機会だから」という妻の強い後押しもあり、娘の美玖(5級)も一緒に親子で参加することになりました。道場長からは「1000人くらいは集まるので日本代表としてしっかり演武してきて下さい。」と言われたのですが、まあ少しオーバーに表現されているのだろうと勝手に解釈し、台湾へ向かいました。


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2 演武大会
  5/13(土)、会場の台北市南港運動中心に到着すると、「112年青年杯合気道中日演武大会」という赤い大きな横断幕が張られており、まずびっくりしました。総師範を中心とした錚々たるメンバーの来賓席が置かれ、その前方に演武用のマットが「どーん」とセットされていました。会場の両サイドに階段状の観客席があるのですが台湾の各道場の参加者でほとんどが埋め尽くされていました。「あの時の道場長のお言葉は決してオーバーではなかったのだ。」と感じ、手汗がドッと出てきました。さらに「日本国合気道代表隊」という荷が重すぎるプラカードを持って開会式に臨むこととなり、否が応にも緊張感が高まりました。演武会への参加は初めてでしたが日頃の練習成果を約2分の持ち時間で各道場が次々と披露する形式で進められるのを見て理解が深まりました。台湾の皆さんも初級者から上級者、幅広い世代の方々が美しい演武を披露されており、合気道が異国の地でもしっかりと根づいていることがよくわかりました。
  精鋭?「日本国合気道代表隊」4名の演武はプログラムの最後の方に計画されており、有段者2名が前列、私たち親子が後列で臨み、事前に練習した基本的な自由技を実施しました。日本代表としての出来は???でしたがベストは尽くしました。
  演武の後の合同稽古にも参加しました。言葉の壁もあり、最初は戸惑いましたが稽古のやり方は同じなので台湾の方とペアになってもなんとかなるものだと実感できました。

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3 宴会について
  3泊4日の日程でしたが総師範に同行する形だったこともあり、計3回の宴会に招待いただきました。基本的に海鮮中心のコース料理で飲み物はアルコール度数50度以上の強いお酒や台湾ビールが主体でした。実は私は海鮮料理があまり得意ではない上にお酒も飲めない体質なのでどうしたものかと悩んでいましたが、娘の美玖が酒、料理、カラオケ、通訳等で率先して行動しサポートしてくれました。普段は私が彼女をサポートすることが多いのですが、今回の台湾での活躍ぶりを見て親としては感慨深いものがありました。

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4 おわりに
  今回、初めての海外合宿ではありましたが合気道が台湾においても盛んであり、愛されていることを肌で感じることができました。また外国で合気道を学んでいる方々にとっては本場日本の師範に学ぶことは大変貴重なのでこのような機会を大切にしているのだということを強く感じました。
  私たち親子にとっても合気道を通じて異国の方々と交流を持つという、通常の観光旅行では体験できない大変貴重な機会となり、参加して本当に良かったなと感じています。
 本合宿(台湾)に関しては準備段階から多くの方々にサポートしていただき無事帰国することができました。関係する皆様には深く感謝申し上げます。合気道発祥の地である日本に生まれ、恵まれた環境にあることに改めて感謝しつつ、引き続き稽古に励みたいと思います。

府中道場 平部久嗣&美玖

kobayashidojo at 18:51|Permalink

May 19, 2023

台湾演武会・講習会

空港のお出迎え


 5月12日(金)から5月15日(月)までの4日間、台湾を訪問しました。
 今回は総師範小林保雄先生はじめ、日本からは堀越春芳先生、吉祥寺道場森美和子さん、府中道場平部久嗣さん未玖さん親子、そして私(小林幹雄)の6名の訪問となりました。
台北松山空港には午後3時過ぎに到着しました。平部親子は初日の食事会からの参加です。

 空港には張漢東先生、呂承栄先生方はじめたくさんの方々に出迎えていただきました。そしてまずは歓迎の横断幕の前で記念撮影です。
 その後、すぐに『紫園』Amy Liang Bonsai Museumに連れて行っていただきました。そこは真に盆栽公園で大小様々な盆栽が飾られていました。
「この盆栽は○○百年前から・・・これは○○千万円以上するもので・・・」などなど、
ため息がでることしきり、圧巻でした。
 敷地内には豪勢な洒落た建物があり、その中にも絵画、盆栽、装飾品が飾られていて故宮博物館を訪れているようでした。ここは張漢東先生ファミリーの私有地であり、財産であるときき、さらに驚かされました。

 私は合気道で4回ほど台湾に来ていますが、ここに案内していただいたのは初めてでした。
私事で恐縮ですが、規模は全く違いますが、亡き義父がサツキの盆栽を20鉢ほど世話をしていました。植物、盆栽に興味のある方は是非見せていただくことをお勧めいたします。感激すること間違いありません。

 初日5/12の夕食は台湾料理のレストランでいただきました。
まずは台湾ビールで乾杯です。野菜料理 肉料理、魚料理・・・煮込むような料理が多かったように思います。全て美味しかったのですが、私は特に「ちりめん入りおこわ」が美味しかったです。

 二日目5/13は演武会と講習会です。
名称『112年度臺北市青年盃全国合気道演武大会』
時間 演武会 14:00〜  講習会 堀越先生16:30〜 総師範小林先生17:00〜
会場『台北市南港運動中心』 スポーツ競技場の3階

 まずはセレモニーから始まります。
演武会 参加者は17団体、約250名でした。
まず各団体の紹介です。それぞれプラカードをもって登場し、1〜2列に整列します。
次に私たちの紹介、主催者挨拶、記念品贈答があり、演武になります。
現地在住の総師範の孫である小林香穗さん、西湘合気道会の坂西先生も参加して大変活気ある演武会となりました。
演武の内容は特に日本と変わっているところはありませんでした。
熱心に稽古している様子がうかがえました。

総師範演武


 プログラムの最後は日本からきたメンバーの個人演武となっていました。
会員諸氏の後、私、堀越先生と続き、最後が総師範小林先生の演武でした。
私と堀越先生は、それぞれ現地台湾の会員の方2名に受けをとっていただき、総師範は台湾の会員2名と香穗さんの3名が受けにつきました。
 総師範の演武は、いつもながらの自然に流れるような動きで、合気の神髄を感じるものがあり、見ている多くの方々を魅了しました。演武終了時には暫く大きな拍手が続いていました。

 講習会は前半の30分、堀越先生が指導されました。
テーマはがっちり持たれたときの捌き方で、片手からはじまり、両手取り天地投げ、諸手取りと主に身体の崩し方を説明されていました。「大変わかりやすい説明でした。しかし実際やってみると難しいですね。」と言う意見が多くありました。私も合気道は不思議で難しい武道だと思っています。だからこそ出来たときの嬉しさは大きいです。

 後半の30分は総師範が指導されました。
普段あまりやらない技を少しとりいれながら、「エー? 胸取りで四方投げ出来るのですね。」とびっくりと、楽しさが会場にあふれていました。私も微力ながら指導のお手伝いをさせていただきました。
あっという間の60分でした。

 その日は台湾の先生方、会員の方々そして日本からの全メンバーが勢揃いして夕食会を行いました。大きな丸いテーブルが8卓ありましたが全て埋まっていたと思います。飲んで食べて親睦を深め、後半はカラオケ大会となりました。
 台湾の方々は結構日本の歌をご存じで、特に演歌を日本語で歌っていたのが印象的でした。私としては、総師範の歌(今回は北国の春でした)はほんとうに久しぶりに、そして香穗さんの歌は初めてききました。歌い慣れている様子でしたのでいつも歌っているのでしょう。

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 三日目5/14 私たち指導者3人(総師範、堀越先生、私)は張先生、呂先生に『櫻南温泉会館』に招待されました。車で1時間ほど行くと硫黄の匂いただよう温泉地に入ります。程なく温泉施設に到着。昨日の汗を湯船で流し、ゆっくりと寛ぐことができました。
 その日は母の日でどこのレストランも予約がとることが出来ず、張先生行き付けの友人の店に頼んで食事をさせていただきました。他の日本のメンバーもその店で合流、そして張先生の奥さま娘さんまで時間を作って来てくださいました。本当にありがたいことです。
合気道の話のみならず、家庭のこと、自分たちの趣味の事まで話が膨らんで、楽しい有意義な時間をすごすことができました。

 私が初めて台湾を訪れたのは、小林道場と台北龍山寺道場の姉妹道場締結のときで今から40年くらい前のことです。街も道場も大分様変わりしたことと思います。
今回の台湾訪問期間中は、天気予報では雨もありましたが降られることもなく、また気温30度を超える事も無く、過ごしやすかったと感じています。

 この度は張漢東先生、呂承栄先生、陳清徳理事長、徐江和先生はじめ、台湾のたくさんの方々にお世話になりました。皆様に感謝申し上げます。

合気道平誠会 小林幹雄


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May 10, 2023

インドネシア海外指導報告

 私、笠原は、令和5年4月28日から5月9日まで、インドネシアのジャカルタとメダンに派遣されることとなった。

簡単にではあるが、ここにその記録を記す。


1.ジャカルタの夜はサンバルに染まる

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 私にとっては初めてのインドネシア。不安もあったが、それ以上に知的好奇心がビンビンに刺激されていた。現地の人たちはどんな感じか?どんな美味しい食べ物があるのか?気候は過ごしやすいのか?

海外指導に赴く際は、合気道の指導という自分の任務に最低限必要な情報だけ事前に収集はしておくが、それ以外はあえて予備知識無し、ガイドブック無しで、現地の人とガシガシ会話&交流して聞き出していく、というのが私の基本スタイルだ。

今回も特別に何も準備せずに突撃する(百パー腹を下すことになるぞと脅されていたので正露丸はばっちり買い込んでおいたが)。

4月末の金曜日、少し肌寒い成田を離れ、8時間ほどでインドネシアの首都、ジャカルタに降り立つ。

暑い!

気温は35度ぐらいか、湿度はそれほどではないが、一気に南国気分である。テンションが上がる。

空港には現地支部道場の指導者のひとりであるワワンが迎えに来てくれていた。ホテルチェックイン時に現地代表のムリと挨拶&軽く打ち合わせ。

稽古は土日。ムリの道場で行われた。彼の道場は壁が無く、風通しは良いのだが、動くと汗が止まらない。稽古は涼しい午前中のみ。午後は暑くて稽古どころではない。

袴の紐をきゅっと結んで気合を入れると稽古開始。準備体操の時点で私は汗びっしょりになった。水分補給をこまめに行い熱中症に気をつける。小平道場には数年前にエアコンが導入されたが、どうやらそのせいで暑さに弱い身体になってしまったようだ。

こんな暑い中でもムスリムの女性会員は稽古着の下に長袖長ズボン、ジルバップというベールを被って黙々稽古に参加している。すごい。これしきの暑さでヒーヒー言っている自分の軟弱さを恥じた。

今回は初段から四段までの計16名が審査を受けるとのことで、土日を通して、無数にある段の審査技の中で、これはというものを選んで指導した。「傾向と対策」である。

日曜日の最終の稽古を終え、15分ほど休憩し、審査に入る。最初は初段8名の審査。出題はムリが行ったのだが、彼は審査規定に書いてある技を全て上から順番にきっちり出していくという鬼のような超ストロングスタイル。30分以上かかっても終わらない。

途中、お昼のアザーン(イスラム教のモスクのスピーカーから流れるお祈りの爆音放送)の時間となり、その間皆正座で5分間ほど待機。これが幸いにも受験者たちにとっては良い休憩時間となった。

それでも終盤は受験者も受けも明らかにバテてしまい動きが鈍くなってきたので(私も正座がしんどくなってきたというのもある)、ムリに「あとはもうコレとコレだけやって終わりにして」と指示を出し早めに終わらせた。

審査は四段まであるので、このままムリに出題させていては日が暮れてしまう。弍段からは私が出題することにした。道場長の本部審査での出題を真似て効率的にパッパと出題していく。

日本からの指導員による指導はコロナ禍で3年以上できていなかったのだが、インドネシアの皆は自分たちだけで地道に頑張っていたようで、受験者たちも皆及第点突破、合格である。

迎えに来てくれていたワワンも今回の四段受験者の1人で、それまでずっと浮かない顔をしていたのだが、審査が終わり合格となった途端にストレスから解放されたのか明るい表情になった。「カサハラセンセ、ツメタイビール、イグイグ?」と彼が私の耳元で囁く。私は食い気味に「イグイグ〜!」と応えた。

その夜はワワンと彼の道場生たちと共に肉料理をたらふく食べ、冷たいビンタンビールをガシガシ飲んだ。料理にはインドネシア人にとってはそれが無いと生きていけないというサンバルという激辛ソースをかけて食べる。インドネシアといえばサンバル、サンバルといえばインドネシア、なのである。

サンバルでホットになった口周りを冷たいビールで冷やす、それの繰り返しである。なにこれ楽しい。

そうしてジャカルタの夜はサンバルにまみれて更けていった。


2.イカン・バカールとゆかいな仲間たち

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月火とジャカルタでのんびり身体を休めた後、水曜日に次の目的地であるメダンへ向かった。

メダンはジャカルタのような大都市と比べると少し田舎でワイルドな感じである。台湾ほどではないが、街中ではバイクが至るところで縦横無尽に走りまわっている。逆走、無灯火、信号無視、二人乗りどころか一家全員四人乗り、などなど、慣れるまでは怖くて自分が運転しているわけでもないのにヒヤヒヤした。

日本でいういわゆる「煽り行為」というのがここインドネシアでの運転の基本スタイルなので、バイクも車も後ろからグイグイ来てホーンをプップラプーと鳴らす。数日いると慣れてきて、一見カオス状態のようなこの交通状態の中に実は高度に調和が取れた様式美と呼べるものがあることを発見した。バイクが隙あらば隙間にどんどん入ってくるので車は「急」がつく動きをしない。車もグイグイ来るが、あくまで「優しく」グイグイ来るのである。「煽り運転、みんなで煽れば怖くない」なのである。


滞在したホテルは、ちょっと古びたホテルで、一昔前のアメリカの古びたロードサイドホテルのような雰囲気があった。チェックインし、顔を洗おうと洗面台の蛇口をひねると墨汁のような黒い水が出てきた。しばらく流しっぱなしにしていると色が薄まってきたが、これで口をゆすぐ気にはなれない。シャワーはともかく、歯磨きやうがいをしたりする時はペットボトルのミネラルウォーターでやるのが無難である。

トイレはトイレットペーパーの設置が無いところが多いので、大の後は放水ノズルを右手に持ち(だからノズルは必ず便器の右に備え付けてある)、「不浄の手」である左手の指先で肛門付近をコチョコチョして洗う。要は手動のウォシュレットである。慣れればなんのことはない。紙でこするよりも肛門付近の皮膚に優しく衛生的である。

さて、ここメダンにいくつかある合気道道場のグループの代表者はサフリドリという人で、滞在中はどこに行くにも彼が世話してくれた。

木曜日の夜、サフリドリの仲間の一人が代表の竜道場という総合格闘技のジムの上にある道場で指導者クラスの有段者6名相手に指導。参段審査受験予定者がいたのでその審査技を中心に指導。

金曜日の夜は、住宅街にあるサフリドリの自宅の三階の彼の道場で。太刀取り等の武器技を指導。

そして土日の午後に地元大学の医学部の建物の中の多目的ホールにて講習会。サフリドリによるとここに新道場を開設するそうで、その体験説明会も兼ねているとのこと。医学部の学生数名が普段着で参加した。

ここはエアコンがガンガンに効いているので汗はそれほどかかない。初段と参段の審査受験者がいるのでその技を中心に指導。体験参加の学生には一教や小手返しなどを簡単な形でやってもらう。みんな賢いので飲み込みが早い。ワイワイと楽しくやってくれた。

最後の審査ではサフリドリと話し合い、日本で行っているスタイルなるべくそのままで審査を行うことにした。初段受験者はサフリドリの息子。父親と自宅でしっかり練習していたようでキレのある素晴らしい出来である。参段受験者も、ガチガチに緊張していたが何とか頑張った。二人とも合格である。私も合気道指導者としての任務完了である。

メダン滞在中はほぼ毎晩イカン・バカールという魚の炭焼き料理を食べていたのだが、美味である。アツアツの魚の白身を右手でちぎり、サンバルやピリ辛甘だれをチョンチョンとつけ、パラパラ飯と一緒に指先でギュッギュッとまとめて口に頬張る。ちょっとピリ辛の鰻の蒲焼きを食べているようだ。

一緒に食べているメダンでの稽古参加者や、レストランで魚を焼いている調理担当のあんちゃんも、皆気さくに話しかけてきて、なかなか愉快な仲間たちである。ジャカルタが東京だとしたら、メダンは博多だ。

さて、このように色々ウマイウマイとガシガシと食ったり飲んだりしてきたわけだが、口にする水に留意し、食べ物もなるべく火の通ったものだけにしてきたからなのか、幸いながらインドネシア滞在中腹を下すことは全くなかった。


3.私の中のサンバル

週末明けの月曜日、日本への帰路につく。火曜日の朝の成田の空気は肌寒かった。夏から冬に戻ったようだ。

ふと、スカイライナーの車窓から東京の街中を眺めると、バイクも車もちゃんと赤信号で止まっている。すげぇ!

今回のインドネシアでの二週間近くに亘る滞在で自分の中の価値観がかなり変化したことを感じる。身体のどこかに何か払拭できないピリっとしたものが残っている不思議な感覚がある。

「この感覚はもう一生消えることはないのだろうな」と、自宅で晩飯のおかずの餃子と唐揚げにサンバルをピッピとふりかけながら、ひとりつぶやいた。



今回のインドネシア訪問のフォトアルバム↓
https://photos.app.goo.gl/ELfqbWT18vURTKhq8


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March 29, 2023

小平道場お花見会

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 小雨降る3/25(土)の夜、3年ぶりとなる小平道場のお花見会が開催されました。当日は東京の桜がほぼ満開に近い状態であったものの、道場内で開かれる会であるため、我々がお花見として愛でたのは、道場の至るところに張られた小平道場にかってあった見事な桜の木の満開の姿です。
司会進行役である川合二段による乾杯の音頭で始まった会は、昨年初段になった小野くんの新社会人としての抱負話しや、先生方による過去の審査会の驚きの出来事話しなどへと話題が展開し、3時間ほどの和気あいあいの会となりました。
新型コロナが5類扱いになる前だったので、今回は少し気を使いつつの道場飲み会開催でしたが、今後は止まっていた3年間を取り戻すように色々なイベントが復活するものと期待します。そして次の機会には、他の道場の皆さんも小平道場イベントへのご参加お願い致します。

小平道場 奥村召司

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December 05, 2022

東京農工大合気道体験2022

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東京農工大学の学生が12月3日に「日本の文化」の科目の課外授業で
今年も合気道体験をさせていただきました。
心身ともにリフレッシュできる時間となりました。
弘明道場長、府中道場の皆様の温かいご支援に感謝申し上げます。

The students of the Tokyo University of Agriculture and Technology
had an aikido experience at the Fuchu-branch of Kobayashi dojo on December 3, 2022,
as a part of the Japanese Culture course.

It was so refreshing and it brightened up our day for sure.
Many thanks to the Chief Master Hiroaki-sensei and Fuchu dojo members
for their continuous and warm support.

kobayashidojo at 16:35|Permalink

August 16, 2022

チュニジア指導2022年7月 笠原 祐二

2022年7月末、笠原祐二指導員がチュニジアを訪問し海外指導を行いました。以下はその詳細です。


**************
 私、笠原は2022年7月末、コロナ禍が始まって以来、小林道場指導部にとって初の海外指導となる、チュニジアでの海外指導を行った。
このコロナ禍の中での海外渡航は普段なかなか経験することができないことなので、今後のための記録も兼ねて以下に経過を記すことにする。


7月27日(水)
小平道場での夕方の子供クラスの指導を終えると、さっとシャワーを浴び、戸締りをすると、小林先生の運転する車で国分寺駅に向かった。
タクシーで駅まで行くつもりだったが、小林先生が送っていく、と言ってくださったため、ありがたくその好意に甘えることにした。
国分寺駅に到着したのは午後7時。私の便は羽田空港午後10時発なのだが間に合うだろうか?
中央線、山手線、モノレールを乗り継いで羽田空港第3ターミナルに午後9時前に到着。なんとかなりそうだ。
前々日に空港宅急便にて発送していたスーツケースを受け取ると、カウンターにてチェックイン。あちらの会員から剣杖4セットの注文を受けていたので、そのプチプチぐるぐる巻きのでかい荷物にどれだけの超過料金をとられるのかとドキドキしていたが、通常料金の規定に収まっていたらしく、超過料金無し。これは幸先が良い。
出国、搭乗はスイスイ進む。コロナの陰性証明書のチェック等何もない。
イスタンブールまで13時間、機上の人となり狭いエコノミーの座席の中で泥のように眠った。


7月28日(木)
イスタンブールの巨大な空港で乗り換え。空港職員以外誰もマスクをしていない。自分も外した。空港のサブウェイで腹ごなしを済ませる。ツナサンドイッチのツナがサバの味がする。これはトルコ人の好みに合わせて「ツナ」と名乗りながらも実際にはサバを入れているのではないかと疑念が湧いた。
チュニス行のエアバスの狭い機材乗り込む。アラビア語、トルコ語、フランス語、英語が飛び交い、どことなくジャスミンの香りが漂う。狭苦しいがたった3時間の辛抱だ。なんとかなるだろう。
午前9時にチュニスに到着。入国手続きはすぐに済んだ。コロナのワクチン接種証明のアプリの確認があるのかと思い準備していたが、そんな必要は無かった。そもそも空港職員以外誰もマスクしていない。前回コロナ禍前に来た時と何も変わらない。
 入国を終え、空港建物内で現地代表のアジズを待っていたが、なかなか迎えに来てくれない。電話をするとセキュリティチェックが厳しくなったため建物内に入れないとのこと。建物の外に出るとアジズ他数名の現地会員の顔が見えた。数年ぶりだったがすぐに分かった。

 外は日差しが強く、暑く、湿度もそれなりにあったが、日本のようなジトっとした感じは無い。
 ホテルのチェックインにはまだ早い時間だったので、皆で女性会員のアフェフの家があるチュニスから東へ10キロほどのシディ・ブ・サイドへ向かう。アフェフの家で昼食のクスクスを食べレモネードで一服すると近隣の観光地をぶらつく。この地区の全ての建物は白い壁と青い窓枠の二色でしかない。抜けるような青空に綺麗に映える。チュニス湾が一望できるカフェで一休み。遠くにシチリア島が見える。

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 その後ホテルにチェックインし、夕食はシーフードレストランに連れて行ってもらいご馳走になった。チュニジアは海沿いの国ということもあるのだろうが、シーフードが豊富で美味しい。
 夜は長旅の疲れですぐ眠れるかと思ったが、時差ボケのせいでなかなか寝付けなかった。


7月29日(金)
 この日は午前中にチュニスの南にあるベンナラスという街のアジズの道場で昇段審査が行われた。この辺りの公民館のようなところの一室にレスリングマットが敷いてある道場だ。換気扇が一つあるのみでエアコンは無い。しかも審査中は音がうるさいので換気扇は止めてしまう。暑い。審査の立ち合いとしてただ座っているだけでも汗が止まらない。
初段11名、弐段6名、参段1名の審査が行われ、初段の1名を除き全員合格。本来はこの倍ほどの人数が受験予定だったが、主にアルジェリアからの受験予定者がコロナの関係でチュニジアに入国できず、受験できなかった。
 審査後、道場近くのピザ屋ででかいピザを注文したが、暑さのためかあまり食欲が無く、半分も食べられないので持ち帰りにしてもらった。
エアコンの効いたホテルで一休みすると、夕方、歴史的な遺跡や大統領府のあるカルタゴに行き、そこにあるアフェフ担当の道場で最初の講習会を行った。
ここはダンススクールのようなところで、小ぶりな体育館のようなところにジョイントマットが敷き詰められている。家庭用のエアコンが一台あるのみだったがそれでもかなり涼しく感じる。
講習会での私の仕事は合気道の楽しさを伝えることだ。国は異なっても大した違いは無い。技を練習し、最初ぎこちなかった動きが次第にスイスイと動けるようになってくると皆の表情に笑顔が見られるようになってきた。
その夜は海沿いのレストラン街で再びシーフード料理に舌鼓を打った。


7月30日(土)
 この日は午前中と午後に講習会。場所はチュニス市内のオリンピック関連施設の集まるスポーツ施設の一つ。空手練習場を貸し切りで利用するのだが、エアコンは無い。ドア二か所を開けっぱなしにして辛うじて空気の流れはあるのだが、その外からの空気そのものが熱気を帯びている。
水をこまめに飲みながら指導していたが、終わり近くになるとフラフラしてきた。汗も止まらない。熱中症になりかけているなと自覚できた。
 なんとかその午前の講習会を根性で終わらせたが、フラフラは続く。早いところ涼しいホテルで午後の講習会のために休まなければと思っているのだが、講習会参加者達からの「先生と一緒に記念写真を撮らせてください」の攻勢が続く。汗だくの青白い顔に無理やり笑顔を浮かべてその要望に地道に応える。
 その記念写真地獄から解放されると、昼食は断り、ホテルに直接送り届けてもらった。固形物は口にする気には到底なれなかったので、オレンジジュースだけ飲みホテルのベッドで体力回復に努めた。
 二時間ほど横になっていると幾分体調も良くなった。が、依然食欲はまったく無い。みぞおちのあたりにも時折締め付けられるような痛みが起こる。下痢気味でもあるが、食べ物にあたった感じでは無い。
 迎えの車に乗って少し早めに講習会会場に向かう。午後の講習会は夕方近くだったので幾分涼しかったが、それでも汗だくにはなる。そんな暑い中でも参加者達は活発に動いているので、私もそれに触発されついつい張り切ってしまった。途中、強烈な便意に襲われたので、「ここで15分ほど休憩にしましょう」と声をかけ、トイレに急行。やはり下痢だ。熱中症の症状だ。
 チュニジア、および中東圏ではホテルや個人宅以外でまずトイレットペーパーというものは設置されていない。また便座というものも公共施設ではほとんど見たことが無い。あったとしてもあまり直接臀部を設置したくないような状態がほとんどだ。
 つまり、用を足すためには洋式便器をまたぐように四股立ちで立ち、便器の中央にブツがうまく落下するように腰をベリーダンスのようにくねらせ「発射口」の角度を調整することになる。最初のうちはかなり難しいが、慣れればなんともなくなった。よく考えたら和式便所も立つ向きは違うが同じだ。
 コトが終わっても紙が無いわけなのだが、どんなトイレにも必ず放水銃のようなものが設置してある。その水と左手で肛門付近を洗うわけなのだが、これには何度チャレンジしても失敗した。どうやってもトイレ中を水浸しにしてしまう。現地の人間はどのようにやっているのか見てみたいと思ったが、「ちょっと洗っているところ実際に見せて」と頼むわけにもいかない。今後の研究課題である。

 そんなこんなで講習会に戻ると、参加者達はトイレで私がそんな悪戦苦闘をしていたことなど露知らず、元気に私の指導についてきた。これでも一応「プロ」なので仕事中はシャキッとしなければならない。この日の午後の講習会もなんとか乗り切った。
毎度の延々続く写真撮影の儀式の後、その日は夕食の申し出を断り、直接ホテルに戻してもらった。相変わらず食欲は全く無い。とにかくエアコンの効いた自室で一刻も早く横になりたかった。その夜はそのままぐったりと眠りについた。

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 7月31日(日)
 朝、目覚めると体調はかなり良くなっており、ホテルでの朝食も少しだが食べられるようになっていた。オリーブの塩漬けが美味しい。
 その日の朝は市内の診療所に行って、PCR検査を受けなければならない。日本を発つ前にネットで予約していた診療所だ。9時に講習会を始めなければならないので、朝7時半の朝一番の枠を予約していた。
 7時20分頃にその診療所に到着したが、シャッターが閉まっている。
 7時半になってもまだ閉まったままだ。いやな予感がしてきたが、7時40分頃になってようやく看護師らしき女性が「ぼんじゅー!」と言って現れた。
 一万円程の検査費用を支払い、鼻に綿棒を突っ込まれグリグリされる。綿棒を抜かれたとたんに盛大にくしゃみをしてしまった。
 日本に帰国するためには出国72時間以内にPCR検査を受け陰性証明書を書いてもらい、それを持った状態でなければ帰国便に搭乗できないのだ。これで陽性だった場合、その国にさらに一週間ほど延長で滞在し、再度PCR検査を受けなければならない。陰性が出るまでそれを繰り返すことになるので、この時期の海外渡航は日本人にとってはまさにギャンブルだ。結果が出るまで二時間ほどかかるとのことで、それまでかなりドキドキする。
 その日は講習会が午前中にあるのみで、その最中に会員の一人が検査結果を診療所からもってきてくれた。結果は陰性。ほっとした。
 講習会での指導が終わると、在チュニジア日本大使館より清水大使夫妻が見学に来られた。アジズが前々からぜひ見学をと大使館に打診していたのだ。
 大使夫妻臨席の下、講習会に参加した会員達の演武が道場ごとに行われた。大使ご夫妻は合気道の名前は聞いたことはあるが実際にしっかりと見るのは初めてとのことだったので、私は解説を行いながら参加者達の演武を眺めた。

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 一通り演武が終わると、記念の盾が清水大使に贈られ、そして私個人と、合気道小林道場に贈られた。
 私自身、演武する気満々だったのだが、アジズが私の体調があまり良くないことを慮って私に演武する場を設けなかったのだ。
 いやいやいやいやいや、やるよ、やりますよ。というか、はるばる日本からやってきて、この暑い中頑張ったのだ。大使も臨席されているのだから最後のシメとして演武やらせてくれよ、という気持ちになった。
 私は袴の紐を締め直すと、活きの良い受け二人を指名し演武を行った。この時点で私の体調はほぼ全快していた。
 そうして私のチュニジアでの指導は終焉をむかえることとなった。
 その後、ホテルでさっとシャワーを浴びると、会員のブラヒムに「今から海に行くよ!」と告げられ車に乗せられた。「午後2時からでスキューバダイビングの予約をしてあるから急ぐよ!」とのことで高速道路を北へ向けぶっ飛ばす。外は基本的に砂漠のような荒野が広がっている。ところどころにオリーブ畑がある。
 一時間ほどで海岸に到着。そこで船に乗せらせダイビングスポットに向かう。スキューバダイビングなんぞそれまでやったことはなく、ライセンスも何も持っていなかったのだが、インストラクターと一緒に潜るのでオッケーとのことだ。
 基本的なハンドサインや耳抜きの仕方等の講習を受けると、海にドボンと入水した。海の水は適度にひんやりして気持ちいい。足ヒレを使ってスイスイと泳ぎだしたが、講習会直後であったので両太腿がこわばってしまいうまく動かせなくなった。インストラクターに海中でマッサージしてもらっても治らない。結果的に「足は動かさなくていい」と言われ、インストラクターに引っ張られながら海中散歩した。サンゴの間で戯れる熱帯魚やウニやらのなかなかに綺麗な光景が目の前に広がる。これはなかなかに楽しかった。
 その夜はアフェフの家でディナーパーティーが行われた。アフェフが作る手料理に舌鼓を打つと、お別れの歌として「島人の宝」を歌った。アジズも自身の出身地であるアルジェリアの歌を披露した。そんなこんなでその夜は和やかな雰囲気で暮れていった。

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8月1日(月)
 帰国の日だ。ホテルを11時にチェックアウトするとアジズとともに空港に向かう。帰国便は午後5時出発の予定だが早めに手続きしたかった。チェックインカウンターに並ぶがそこには長蛇の列ができていた。バカンスの時期なのでしようがない。二時間並んでやっとチェックインカウンターの前まで来ると、講習会に参加していた会員の青年が現れた。空港で警察官として働いているそうで、彼の父親も警察関係の重要なポストに就いているらしく、係員に一言つぶやくと私のチェックインをさっと済ませてしまった。
 その後の手荷物検査や出国手続きも、長い行列を横に顔パスでスイスイ。搭乗口でも彼の仲間の警備のおじさんが「こっちだ!」と言って行列の前に強制的に割り込ませてくれた。なんか他の乗客の恨めしそうな目が気になってしまうので、そこまでしてもらわなくても良かったのだが、このような好意は断るほうが野暮というものだ。
 
8月2日(火)
 イスタンブールに着いた時点で真夜中近かったのだが、まるで昼間であるかのようにこの広大な新空港は旅人たちで活気にあふれていた。さすがは世界屈指のハブ空港だ。ただし、乗り継ぎの搭乗口が離れているととんでもなく歩かされる破目になる。乗り継ぎの4時間ほどあったのでここでお土産を買うことにした。チュニスでは熱中症やら何やらでお土産を買う暇が全くなかったのだ。
 さて、搭乗時間になり羽田行の便の搭乗口に行くと、そこで陰性証明書のチェックがあった。といっても係員がさっと目を通してハンコをポンッと押すだけなのだが。これをやっているのは日本行の便の搭乗口だけだった。一日あたりの感染者数が世界一となっている状態の国に帰るのに、この書類を用意することにどれだけの意味があるのかはあえて考えないようにした。

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 機上では毛布2枚をポンチョのように体に巻き付けて寝た。機内は空調が利いていてそのまま寝てしまうと結構体が冷えてしまうので、私はいつもこのスタイルだ。
 午後7時頃、無事羽田の国際ターミナルに到着。モワッとした湿気を帯びた暖かい空気に日本に帰ってきた実感が湧いた。羽田の国際線ターミナルでは到着後長い長い通路を延々と歩かされることになる。2キロぐらい歩いただろうか。なんでこんな設計にしたのだろう?
通路の先で陰性証明書のチェックがあったが、イスタンブールにいる間にスマホに入れてあったMySOSというアプリに必要事項を事前に登録してあったので、すぐに終わった。
問題だったのは荷物だ。預けた荷物がなかなかベルトコンベヤーに流れてこない。イスタンブールに取り残されてしまっているのかとの不安がよぎったが、一時間ほどしてついに流れてきた。
ちょうどその夜は、増田先生がハンガリーでの指導のため同じ羽田空港から出発する日だった。あわよくば出発前の増田先生と合流してビールでも奢ってもらおうかと考えていたのだが、荷物が流れてくるのが遅れたため、増田先生はさっさとラウンジに行ってしまった。残念。LINEで増田先生に激励のメッセージを送ると、モノレールで浜松町まで移動し、立ち食い蕎麦を食べた。帰国してすぐの蕎麦のなんと旨いこと!そこでビジネスホテルにチェックインすると、時差ボケでよく眠れないながらも横になり休息をとった。


8月3日(水)
ホテルを朝7時前に出ると、電車で小平道場に向かう。午前10時から一般クラスの指導があるためだ。チュニジアも暑かったが、日本はまた違った暑さがある。小平道場に到着し、小林先生に帰国の報告を行い、稽古の準備をする。一週間かけて小平道場から出発して小平道場に戻ったわけで、まるで一週間不思議の国に行っていたのかのような妙な感覚を覚えた。
そうして私はまた日本での日常に戻っていった。

指導部:笠原祐二


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December 01, 2021

農工大体験授業 in 府中道場

 今年2回目の農工大生の合気道体験授業が行われました。

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東京農工大学の工学部、工学府の学生(日本、マレーシア、ブラジル、インドネシア)がお世話になりました。
初めてのわくわくする合気道体験をありがとうございました。
弘明先生と府中道場の皆様に感謝申し上げます。

府中道場
早狩夏実


Engineering students of Tokyo University of Agriculture and Technology,
from Japan, Malaysia, Brazil, Indonesia, enjoyed every minute of Aikido experience.  
Many many thanks to Hiroaki-sensei and Fuchu dojo members!

Natsumi Hayakari (Fuchu Dojo)



kobayashidojo at 14:36|Permalink

October 29, 2021

農工大体験授業

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農工大の学生が今年も府中道場で合気道体験させていただきました。
弘明先生、道場の皆様に感謝申し上げます。

Students of Tokyo University of Agriculture and Technology had
aikido experience at Kobayashi dojo yesterday.
We had so much fun! Many thanks to Chief Master Hiroaki-senesi of Kobayashi dojo and dojo members for your support.

文責:早狩夏実(府中道場)


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July 16, 2021

東京オリンピック2020

 小平道場で長年稽古していたカナダ出身のティム・ターナーさんは、1984年のロサンゼルスオリンピックにボートで出場したオリンピック選手です。
 結果は四人乗りの部で6位入賞でした。因みに弟さんは8人乗りの部で見事金メダルだったそうです。

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       後ろがティムさん


 彼はアフリカ開発銀行の職員として、チュニジアやコートジボワールに滞在し、現地で合気道を続けていました。その関係で、チュニジアやコートジボワールにも合気道小林道場の輪が広がっています。
 
 彼は今でもボートの練習を行っていますが、今回の東京オリンピックに彼の教え子とも言うべき人がコートジボワール代表に選ばれました。名前をフランク・ンドリ選手といいます。

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ターナーさんとフランク選手の動画もあります。


皆さんぜひ応援をお願いします!

kobayashidojo at 11:24|Permalink