読んだ本について語る時に僕の語ること:近所の二ツ星レストラン - 漫画 - ×××HOLiC - livedoor Blog(ブログ)

近所の二ツ星レストラン - 漫画 - ×××HOLiC

Posted on 2013年01月23日



本作品を手がけているのは「CLAMP(クランプ)」という4名からなる女性漫画家集団です。

なので、作品の中にも「さすがは女性の目線」と思わせる楽しみ所があります。



本作品は、男子高校生が魔女の「願いを叶える店」で自分の願いを叶える為にバイトをすることになり、その生活を描いていくファンタジー物です。

魔女、というと「おばあさん」か「少女(魔法少女)」と相場が決まっているような気がしますけど(僕だけ?)、その店をやっているのは「若い女性(しかも美人!)」というのも斬新な感じがしました。

絵が上手ですし、魔女の店という不思議な感じがよく出ていて、設定とかクオリティが高いなって思わせるんですが、何より原則「1度着た服は2度と着ない」という美意識に、さすが女性のきめ細かい心配りが行き届いてるなあって感心しました。

着る服は和服であることが多いのですが、ほんとに絵が上手なので読者を魅せます。「雅(みやび)」というのは優雅なものを表す言葉ですが、この作品にはその言葉が不思議なくらいしっくりきますね。(着物な感じは、魔女、というよりまじない師という方が近いかもしれません)

着ているものだけじゃなくてやってることも優雅(ヒレ酒とか!)で、節句のことが出てきたり、妖怪や精霊のようなものが出てきたり内容が日本的です。百物語とか、たぶん昔の人が淡々と続く日常を少しでも楽しくしようと思って生まれたものなんでしょうね。

遠くにある三ツ星レストランより近所の二ツ星の方が、役立つことが多いように僕には思えます。それと同じように、ヨーロッパの歴史とか、アフリカの民族の文化とかもいいけど、我々にとってはまず1番身近な「日本文化」について知って、いいなと思うものを見つけて取り入れていくということが費用対効果が高いんじゃないかという気がします。

「気づき」について

さて、内容の方ですが「気づく」とはどういうことなのかがよく理解できます。

考えてみると、人生は後ろを見ればたくさん「気づいた」ことがあって、前にはこれから「気づく」ことがあって、その中には一生「気づかない」ことも含まれていたりします。僕たちにとって重要なテーマの1つと言えると思います。

それと同時に、「この事に気づかなかった人生を想像したらゾッとする」と思う事もあれば、「こんなことなら気づかなかった方が幸せだった!」と思う事も中にはあって、付き合い方が難しいものでもあります。

その「気づき」の性質が描かれていて、それが僕にとってはとても分かりやすかったです。これからの人生で「気づき」との付き合い方について考えていくきっかけになりそうです。

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