西穂高岳西尾根積雪期バリエーションルート

西穂高岳西尾根積雪期バリエーションルート
2018/3/30-3/31

天気:2日間、雲一つない快晴。晴れ過ぎやろ(笑)
メンバー:W、U本(記)

 以前から気になっていた西穂高岳西尾根へWさんと行ってきました。
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 樹林帯と岩稜帯で構成されるこの西穂高岳西尾根は北アルプスの槍、穂高というメジャーな山域にあるものの比較的入山者も少なく、総合的な冬山の楽しみを十分味わわせてくれる積雪期バリエーションルートであり、いずれは登ってみたいと考えていた。

 
 前半は樹林帯を伸びる急登の尾根道で積雪状況によってはラッセルを覚悟する必要があり、後半は森林限界を抜けた急斜面の雪稜登攀と山頂まで続く雪と岩稜のミックス地帯の登高というのが本ルートの特徴である。

 20㎏前後のザックを背負って積雪状況によっては深雪をラッセルしながら登る体力、雪崩のリスク判断、滑落したらほぼ間違いなく死ぬであろう危険個所が多数あり、わずかなミスでも命取りとなることから雪稜や岩稜での的確なピッケル、アイゼンでの登高技術、ロープワークに加え、入山者が少ないルートということもあり積雪状態に応じた正確なルートファインディングも必要とされる。


 計画の初期段階からWさんと何度も打ち合わせを重ねながら、実際に起きうるであろう様々な事態をシミュレーションし、必要な装備、日数、食料などを割り出して詳細を詰めていった。地形図による詳細なルート調査とお互いの力量を検討した結果、一応1泊2日でいけるのではないかとの見通しは立てていたが、雪が予想以上に多くラッセルに時間をとられる場合もあると考え、予備日1日分余裕をみて食料は2泊3日分を持ち上げることとした。また、稜線を吹き抜ける強風でコールがお互い聞き取れないことも考えられたため、アマチュア無線機を各自携行することとした。実際は最後までロープを出さずに行けたため、無線機でコールする場面はなかったが、わずか160gと軽量コンパクトであり、スマートフォンと違い分厚い手袋をしたままでも容易に操作できるという手軽さで行動中の意思疎通にとても役立った。無線機は今後も積極的に活用したいと考える。


 荷物は極力軽量化していく方針であったが、八ケ岳阿弥陀南稜で7人が同時滑落、そのうちの3人が死亡する遭難事故が本山行の数日前に発生した。山では何が起きるかわからないということも考え、50mシングルロープ1本、アイススクリュー数本、またスノーバーも持っていくこととした。

 雪山での通常の幕営装備に加えて、ダブルシャフトで登攀の安全性を高める目的で各自ピッケル2本(アッズとハンマー各1本)を携行、ラッセルがある可能性もあったのでワカン、雪崩の危険個所があるためビーコン、ゾンデ、スコップを携行したことでザックの重さは最終的に23㎏に達した。
 せめて食料だけでも軽くしたいということで今回は山岳会伝統の鍋料理でなく、アルファ米などの携行食料を中心とした簡素なものとした。さらにこの時期は雪が氷化し、滑落のリスクが高くなっていることが考えられたため、ピンピンになるまでアイゼンの全ての爪を研ぎ直す等、細部に至るまで事前準備をおこなった。


 本山行の数日前の出張で北アルプス上空を飛ぶ機会に恵まれた。槍、穂高上空を抜けるコースをうまく取ってくれればと、また雲が少なく視界が遠くまできいてくれればとひそかに期待していたところ、穂高連峰の上を狙いすましたかのように飛んでくれ、西穂高岳を上空から事前偵察することができた。3月も末にもかかわらず、穂高連峰は真っ白な雪に覆われた荘厳な雪山の装いで、来たる山行への期待が高まる。

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 午前3
時半過ぎに新穂高駐車場へ到着し、車中でそのまま仮眠する。5時過ぎに目覚め、かるく朝食をとり装備を整えて6時過ぎに出発する。前日までの激務の疲れに加えて極度の寝不足で頭はぼーっとし、体は死んだように重く、調子が上がらない。

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 新穂高登山指導センターに登山届を提出し、ロープウェイの新穂高温泉駅の下を素通りして右俣林道へ入っていく。車止めのゲートから先はがっつり雪が積もっていた。ツボ足で林道をトボトボ歩く。モナカ雪を踏み抜いては膝や腿まで埋まり、歩きづらい。

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 穂高平避難小屋についたあたりから身体がようやく目覚めてきたか、頭が少ししゃきっとしてくる。後ろから40代男性2人のパーティが追いついてくる。西尾根に入ったのは我々と彼らの2パーティ、計4名だけであった。

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 西尾根の取り付きはどこからでも良いということになっている。穂高平避難小屋の前でワカンを履き、牧場跡の柵を乗り越え、ただっぴろい雪原を突っ切って西尾根の末端にとりつく。
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 表面はパリッと、中はふんわりサラサラしたモナカ雪が積もった急斜面が尾根のすそ野から始まる。モナカ雪を踏み抜いて膝や腿まで埋まってはもがき、ザックの重みが肩からのしかかり、一向に捗らない。ふと気づくと熊の足跡が目の前を点々と横切っている。こめかみから汗を滴らせながら、熊も冬眠から目覚めてこんな深い雪の中を歩きまわって大変だな、などとぼんやりした頭で思った。
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 雪が締まっていて少しでも歩きやすいところを探しつつ、広い尾根を右上へとトラバースしながら登っていくと、少しずつ雪が締まってき、能率が上がってくる。

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 適当な頃合いでアイゼンに履き替え、肩に食い込むザックの重さにあえぎながら雪の急斜面を尾根筋に忠実に登っていく。心地よいほどに静かなブナの原生林を抜けていく。見上げれば穂高ブルーに染まった雲一つない青空がどこまでも続く。真っ白に雪化粧した錫杖岳、笠ケ岳、抜戸岳を背負いながら着実に高度を上げていく。

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 1946mピークで一息入れる。見渡せばテントを十数張りは張れそうな平地が広がっている。しかし我々が目指すのは2350~2400m付近の幕営適地。こんなところで落ち着いてしまうわけにはいかない。ずっと先まで樹林帯が続いているのが見える。

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 1946mピークの奥のなだらかなコルを抜けると西尾根主稜上へ出る。アップダウンを繰り返しながら細く痩せてきた尾根沿いの急登が果てしなく続く。モミの木の間から白銀の西穂高岳のピークが見え隠れしながら少しずつ近づいてくる。

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 15時頃ようやく2343mのコルにたどりつく。先行していた40代男性2人のパーティがテントを設営しているところだった。重いザックを投げ出し、どこにテントを設営するかWさんと頭を突き合わせて相談する。地形図を改めて確認すると30分ほど進んだ先の第1岩峰手前の2400mのコルにテントを張れそうな地形がある。2343mのコルにザックを置いたまま空身で偵察に向かう。23㎏のザックがないとこんなに身体が軽いのか、このまま空へ風船のように舞い上がっていけるかのような錯覚におそわれる。先ほどまでの亀のような重い足取りが嘘のように空身で尾根筋を駆け上がると予想どおり2400mのコルに2人用テントを1~2張りだけ張れる狭いスペースがあり、目の前に第1岩峰がそびえている。お互い迷うことなくここにテントを張ることにした。

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 2人用テントを張り、その近くにトイレを掘り、テントの脇に風よけのブロックを積み上げる。膝を突き合わせて温かい紅茶を回し飲みし、ウィスキーを舐めながらせっせと水を作る。アルファ米にレトルトカレーをかけ、ボイルしたシャウエッセンをほおばりながらカレーライスを掻き込む。シャウエッセンをボイルしたお湯で溶いたクラムチャウダースープを流し込む。アルファ米に入れるお湯の量を間違えておかゆカレーになってしまったが、お腹に入れてしまえば同じだ。満腹になった後はウィスキーを舐めながらよもやま話をしているとだんだん瞼が重くなってき、早々に寝袋に潜り込む。テントの中は暖かく快適で、朝まで夢一つみず爆睡だった。

 

 4時過ぎに目覚め、アルファ米の牛飯とコーンスープの簡単な朝ご飯をすませ、テントを撤収して6時過ぎ出発。見上げると今日も雲一つない青空がどこまでも広がり、風もほとんどない。今日もまた良い一日になるのではと期待が高まる。

 

 ここから先は昨日までの樹林帯の尾根歩きから一転、岩と雪の荒々しい岩稜へと様相が変わる。威圧的なほどに第1岩峰が目の前に高々と聳える。過去の山行記録によると第1岩峰を右へ巻いたり、左へ巻いたり、雪がついているときは第1岩峰を直登した事例もあるようだ。今回は第1岩峰下部にはほとんど雪がついておらず、所々氷柱が垂れ下がっている。
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 我々は前もって打ち合わせたとおり第1岩峰を右へ巻き、岩峰基部近くの急斜面の雪渓を直登する。所々岩が出ているが、ほとんどが雪壁。雪はよく締まっており、アイゼンが良く効く。ロープは不要。
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 雪の急斜面を登り切ると、ジャンクションピークへ向かって延々トラバース。所々前爪で登る箇所があり、ふくらはぎに堪える。もたもたしていると疲れるので駆け上がるように進む。ちょっと止まっては息を整え、足を休める。前をみると雪庇が張り出しており、下をみればどこまでも続く急な斜面。雪の下にハイマツと岩がうっすら見えるところを慎重に進む。
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 ようやく北西尾根との合流地点、ジャンクションピーク。見るからに頼りなげな細い痩せ尾根の上に北西尾根からのトレースが残っている。去年のGWにTさんとI瀬さんがここから登ってきたのだなと、自分たちが登ってきた西尾根と同じく長大な北西尾根を見下ろしながらそんなことを考える。ジャンクションピークの上に小さなコルがあり、テント跡が残っていた。1~2張り分のスペースしかないので早い者勝ちだが、北は双六岳、弓折岳、槍ヶ岳、中岳、南岳が横一列に広がり、南には焼岳、乗鞍岳、御岳山、西には錫杖岳、笠ケ岳、抜戸岳、東には西穂高岳のピーク、ロバの耳、ジャンダルム、その奥に奥穂高岳が畏怖堂々と屹立している。次に来るときは早い時間にここまで上がってテン泊し、絶景を愛でながらゆっくりお酒を飲みたいものだと思った。

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 ジャンクションピークの隣に2837mピークがそそり立つ。右側を巻いて雪稜を進むと第2岩峰が視界に入ってくる。これも岩尾根を右に巻いて岩稜右側の浅いルンゼを直登する。この辺りは岩がボロボロで浮石も多く、気が抜けない。難しさは感じないが、失敗できないので緊張感が続く。ふくらはぎが疲れてくるのが怖い。岩にしっかり乗れる場所を見つけてレストしてはふくらはぎを休め、また登る。繰り返し出てくる小岩峰ごとに急な雪壁の登りがある。雪壁にはピッケルもアイゼンもしっかり刺さる。岩峰に雪がついているところのほうが登りやすい。雪質も柔らかいところや堅いところと様々。劣化したフィックスロープや錆びたワイヤーが所々垂れていたが、雪に埋もれているところも多かった。正しいルートを進めているというとりあえずの指針にはなる。天気に恵まれ、幸いロープを出さずにすんだ。

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 山頂直下の最後の核心部の岩場に差し掛かる。古いロープが垂れていたが、大半が雪に埋まっている。丁寧に足場を確保しながら垂直に切り立ったルンゼをダブルアックスで慎重に体をせり上げる。特に難しさは感じないが、見下ろすと完全に切り立っていて高度感が半端ない。このドキドキ感がたまらない。雪崩の跡が所々に残る西穂沢の雪渓が遥か麓まで伸びている。登攀する足元から崩れ落ちた雪塊が数百メートル垂直に切れ落ちた絶壁を次々落ちていく。わずかなミスも許されない。

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 ルンゼを乗り越えると西穂のピークへの最後の斜面が陽光にきらきら輝いている。そのまま一気にピークへ駆け上がる。

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 西穂高岳山頂。パートナーとがっちり握手する。お互い自然に笑みがこぼれる。雲一つない穂高ブルーの青空がどこまでも冴えわたり、360度の大パノラマが広がる。絶景に圧倒される。山頂は無人で我々だけだった。撮影大会をし、景色を楽しみながら携行食をほおばり、温かい紅茶を味わう。ここから離れるのが惜しい。

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 下山開始。急峻な岩稜に雪の痩せ尾根が続き、独標までは気が抜けない。ロープウェイの時間に確実に間に合うという安心感からか、絶景を十分に味わいながらアップダウンを繰り返しつつ標高を下げていく。

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 ピラミッドピークから独標までの細い尾根を何人もの人が続々こちらへ登ってくる。午前中のロープウェイで上がってきた人たちだろうか。

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 独標。ここまでくると大勢の登山客で賑わっていた。ここでまた少し休憩する。狭い高台に大勢の人がひしめいており、傍のグループの大声が耳に飛び込んでどうにも落ち着かない。先ほどまでいた西穂山頂の静寂が早くも懐かしい。早々に休憩を切り上げて西穂山荘めがけてさらに下る。

 

 丸山を通過し、広くなだらかになってきた斜面を降りると西穂山荘。山荘の前に重いザックを下ろして名物の西穂ラーメンを頂く。味噌味の温かいスープが胃にしみわたる。

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 西穂山荘からロープウェイ駅まではこれでもかというくらい丁寧な案内看板とデポ旗が点々と続く雪道を降りていく。1時間ほどでロープウェイ駅到着。着くとすぐにロープウェイが発車し、15分ほどで新穂高温泉駅到着。新穂高登山指導センターへ下山届を出して温泉に向かう。中崎山荘奥飛騨の湯の開放感満点の露天風呂で2日間の汗を流す。さっぱりした後、体重計に乗ってみるとWさんも私も2日間で2㎏落ちていた。あと4回通えば10㎏は落とせる計算だ。

 

 本ルートは、第1岩峰の取付きから山頂直下の緩斜面に出るまでは険しい岩稜帯、急峻な雪稜やオープンバーンの雪壁の連続で気の抜けるところはほとんどなく、緊張感を張り詰めたなかでの持続力が求められる。また雪庇や雪の状態を判断できる氷雪スキルは勿論、アイゼン、ピッケルワーク、重装備を担ぎながら登高を続ける強靭な体力が必要である。バリエーションルートのため入山者は少ないが、滑落事故もしばしば起きており、慎重な行動と判断が求められる中上級者向けのルートであると感じた。深雪でのラッセルが多かったり、天候が不安定なときはかなり手強いルートになると思われた。今回は天候にも恵まれ、雪の状態も安定しており、ラッキーであった。

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 Wさん 楽しい山行ありがとうございました。やっぱりアルパインクライミングは楽しいですね。またこれからも色々なバリエーションルートにチャレンジしましょう。

 

≪コースタイム(超アバウト)≫

330:

午前6時過ぎ:新穂高登山指導センター  午後3時過ぎ:2343mのコル  午後4時過ぎ:2400メートルのコル(泊)

331:

午前6時過ぎ:2400メートルのコル出発  昼前、西穂高岳山頂  午後1時半過ぎ:西穂山荘  午後4時、新穂高ロープウェイの新穂高温泉駅(新穂高登山指導センター)
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2018/3/13 伯耆大山登山 & 雪上訓練

伯耆大山
登山(夏道)&雪上訓練

2018年3月13日(火)
天候 晴
メンバー A井(L)、O西(SL)、T口、T内、I 橋、OKD(記)

今回は雪山初心者も参加ということで、雪上訓練も兼ね伯耆大山へ。
午前0時半にメンバー全員三ノ宮駅に集合し、「さあ出発!」といきたいところが・・・T口さん、まさかの寝坊・・・直接現地に向かうとのことで、残りのメンバーで大山へ向かう。
午前4時ころに駐車場に着き、しばし仮眠、目が覚めるとT口さんの真っ赤なロードスターが横に止まっておりホッと一安心、さっそく準備に取り掛かる。
午前6時40分それぞれ準備を整え気合を入れて出発。
A井リーダーを中心になんだか戦隊もののような後ろ姿。
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夏道登山口から入ってすぐ、連日の陽気で溶けた雪が再び夜中に凍ったのか足元がツルツル滑り、早々にアイゼンを着けることに。
足元もしっかりしてザックも軽くなり、仕切り直していざ出発。
A井リーダーを先頭にフラットキックに心がけながら順調に高度を稼ぐ。
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午前8時40分、6合目避難小屋に到着。
ここで滑落停止訓練。
O西監督の御指導のもと、ピッケルを使ったセルフビレイ、腰がらみでのビレイ、滑落停止方法等、慣れない動作に戸惑いながらも皆積極的に反復練習する。
監督の滑落停止見本はさながら❝蝶のように舞い蜂のように刺す❞といった感じで、ひらりと反転したと思うと一撃必殺でピックを突き刺し、ピタリと停止。
皆一同に「おぉ~」と歓声が上がりました。
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滑落停止訓練を終え再び登山開始。
励ましあいながら最後の登りを越え、1600m付近になると急になだらかな斜面となった。
天気は常に快晴、日本海の水平線まで見渡せた。
海の向こうでは平昌パラリンピックの選手が健闘しているころか。
I 橋君が海に向かって「ヤッホー」と叫ぶ。。。当然返事はない。。。。
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スタートから順調なペースで登り続け、滑落停止訓練にも小一時間を費やしたがほぼ予定通り午前10時40分頂上碑に到着、しばし各々撮影タイム。
偶然通りかかった他の登山者に依頼し、全員集合で写真におさまることができた。
お約束の❝シェー❞させて頂きました。
向こうに見えるのが最高峰の剣が峰、冬季のみ登頂可能だがこの日は気温も高く、この時点で雪も緩んできている。
剣が峰の登頂はまた次の機会ということで。
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撮影会後は弥山避難小屋で軽く腹ごなし。
T内さんのザックからゴボウ天が出てきたのは少々驚きましたが、これがまた絶妙。
汗をかいた体に、優しい塩味が染みました。
その後美しい北壁を眺めながら一気に高度を下げる。
来シーズンは北壁にチャレンジしたいですね。
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午前11時50分、再び6合目避難小屋に到着。
小屋横の雪だまりで雪崩の弱層テスト。
皆で雪を掘り出し、弱層テストの方法をO西監督から教わるも今日の雪はなかなかに強固でうまく層からズレてくれず・・・「雪崩の心配なし!」との結論。
T口さん、PetzlのNewヘルメットかと見紛うようなヘアースタイル、似合ってますYO!!
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最後は阿弥陀堂横の開けた場所で、ビーコンの使用方法を確認。
今回は1台を隠して探索し、トリプルアンテナ、シングルアンテナの性能の違いや使用方法を試してみた。
実際にやってみると、ある程度の範囲は絞ることができるものの残り数メートルの探索が非常に難しく、ゾンデ棒も併用することでいかに早く発見することが重要かを体験することができた。
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午後2時10分下山。
装備を片付け、豪円湯院で汗を流す。
顔が日焼けしていて温泉でピリピリしました。
温泉でサッパリしてから食事し、その後帰路につきました。
帰りの車窓からもかっこいい伯耆大山の姿が見られました。
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今回の山行を計画してくれたA井リーダー、多々指導してくれたO西さん、パーティーの皆さん、有意義で楽しい山行をありがとうございました!!
下界はもう春の陽気、沢シーズン始まりの予感!!
















中央アルプス宝剣岳、八ヶ岳

中央アルプス宝剣岳、八ヶ岳

3/10-11
メンバー:K谷(L)、M田(記)

M田です。今回は中央アルプスの宝剣岳と八ヶ岳に行ってきました。

1日目

9日の夜遅くに神戸を出発した我々は、
菅野台駐車場から始発のバスに乗り、ロープウェーで千畳敷駅に到着。

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驚くべき快晴!


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澄み渡りきった空は黒く見えるって知ってました?


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南アルプスが一望できる。




雪のコンデションは、何日か前の大雨が凍って固くしまった層の上に、
昨夜降った雪が5㎝ほど積もっていて歩きやすかったです。

木曽駒に向かう登山者の列に混じってカールを登り宝剣小屋へ。
カールの急登がふくらはぎの筋肉をいじめてくる。
前日に宝剣岳で滑落した遭難者が出たようで、上空ではヘリが捜索のために飛び回っていました。

宝剣小屋前で一服して登攀用の装備を身に着けいざ宝剣岳へ。


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いざ宝剣岳


取り付き周辺の岩場には薄氷がびっしり張り付いている。マルトーで軽く叩くとパリパリ割れていくので楽しい。

取り付きにつくと頂上をソロで登り終えた人が、我々がこれから登る4mほどの急な雪の斜面をバイルを効かせてクライムダウンしてくる。
ザイルをハーネスに結びながら挨拶と軽い会話を交わす。私がエイトノットを終えると、その人もK谷さんの隣にちょうど下り終えるころで「それでは私はこれで。」といい終えた次の瞬間、目の前からその人が消えた。
足を滑らせ下の斜面へと落ちたのだ。
「ズズズッ」と周りの雪を巻き込みながら滑り落ちていく。
思わず「ああっ」と声が出るがどうすることもできずただ見守ることしかできない。
滑落停止の姿勢をとっているように見えるが無情にも速度は緩まることはない。ゆっくりと、だが着実に下へと落ちていく。
やがて私の手前の岩に視界を遮られ、その人は見えなくなった。「この後どうしようか。駅まで助けを呼びに行くべきだろうか。」などと考えているとK谷さんが「止まった!おーい!大丈夫かー!?」と叫ぶ。「大丈夫でーす!」と返事が返ってくると心底ホッとする。
K谷さんの位置からは全て見えていて、50mほど滑り落ちた後、崖の2m手前のスキージャンプ台のようになっている部分で止まったそうです。本当に助かってよかった!

K谷さんが言うには氷や腐った雪など硬さの異なる複数の雪質の層の雪面を新雪がおおっており、アイゼンの先がうまく引っかからなかったため滑落したのではないかとのこと。


自力で登ってこれそうだったので、そのままリードで先へ向かうことに。
目の前にある夏道用の真新しくピカピカの鎖にヌンチャクをかけ登攀を開始する。
さっきの人のことを思い出し、バイルとアイゼンを強く雪面に食い込ませ、しっかりと体重を支えてくれることを確かめて登りきる。登りきってみると20~30mほど歩けば頂上直下の取り付きまで行けるようだ。
60mのロープで来ているので何とかなりそうだと判断して続けてそこまで行く。途中いくつかの地点に夏用の鎖が露出しているのでヌンチャクをかける。これで滑落して崖から落ちる危険もないだろう。

頂上の取り付きにつくと「残り10m!」とのコールが入る。これならいけそうだ。
ビレイする地点を探しながら登ると頂上まで出てしまった。どうやら頂上の下のテラスがもってこいの場所のようだ。
ピナクルと虎ロープで支点を取り、K谷さんをビレイする。あまりいい支点には思えなかったが、ほかに取れそうなところもない。


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ビレイ中。


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山頂に立つK谷さん、本日のベストショット

K谷さんがこっちに来ると「ちょうど1ピッチ!やるねぇ!」とお褒めの言葉をいただいた。そのままK谷さんに頂上に登ってもらい、ビレイを交代し自分も頂上に立つ。「眩しい。めっちゃ今日日焼けする...。」などと思った。ちょうどサギダル尾根側からソロで来ていた人と山頂で出会った。


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頂上より。風が冷たい。


ビレイしていた点に二人で立ち懸垂下降ロープをセットする。サギダルから人もロープを持っており、懸垂下降をするつもりのようだったので、こちらのロープを使わせてあげることに。

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降ります。




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写真で見るほうが高度感ある気がする。


2ピッチでギリギリ最初の取り付きまで足りないくらいでした。
来るときに人が滑落した場所をわずかな距離ながら慎重に降りきり、宝剣小屋前で昼食を食べました。

宝剣小屋から駅に戻るまでにカールを降りる必要があるのですが、バイルをしまってポールで歩いて降りてると高度感や、木曽駒からの下山者が全員ピッケル持っていること、昼食時に話をしていたおばさんがカールで滑落した経験談を語っていたことを思い出したりして、徐々にビビってきてだんだんと女々しい歩き方に...。

かな~り時間をかけてなんとか降りました。高度感へのビビりは克服すべき課題の一つだと分かりました。

1日目の宿泊地は今回も美濃戸高原ロッジにお世話になりました。
毎回おいしいごはんと温かいお風呂をありがとうございます。


2日目

この日はもともと八ヶ岳の南沢大滝でアイスクライミングの予定でしたが、温度が上がりすぎて溶けているという判断から、小同心クラックに行くことに。
天気はこの日も良好で美濃戸口から気持ちのいいトレッキングでスタートします。


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二人とも日ごろの行いが良い晴れ男なので晴れました。



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八ヶ岳は今シーズン5回目ですが、
実は今回生まれて初めてアイスキャンディーと赤岳鉱泉に来ました。
モグリと言われても仕方ない...。


鉱泉小屋から小同心へ向かう道すがら、小同心から撤退するパーティーに出くわしました。
話を聞くところによるとあまり状況がよろしくないとのことで、総合的に判断し大同心大滝の偵察に切り替えることに。

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大滝を登ったつもり(笑)




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大滝は5級ぐらいの難易度とのこと、ここを登れるぐらいにうまくなりたい!
偵察を終えるとちょうど上のほうが曇り空になってきたのでここで下山。

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帰りしなに見えた峰の松目F7とF8、もう大分溶けてるかな。



美濃戸口まで戻るとここからまさかの今日の核心部が始まりました。
凍結した美濃戸林道は轍が深く刻まれて悪路と化しており、
車高が高くないK谷さんのレヴォーグではかなりの酷な道です。

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「ここは6級だ」と言いながら、途中何度か底を擦ってなんとか舗装道までたどり着きました。

今シーズンの八ヶ岳はこれが最後だろう。また次はいつ来れるかな。

2018.2.25 氷ノ山東尾根

2018.2.25 氷ノ山東尾根 メンバーO夫妻、U、I(記)

 

久しく会の山行と冬山にご無沙汰していた今日この頃・・・。

ふと思い立ち、Oさんに急遽お願いして、氷ノ山東尾根計画に参戦させて貰う。

しかし、天気予報は曇り⁉さて雨男、どうなることやら⁉

 

2月25日(日) 曇り時々晴れ

思いのほかスキー場まで時間がかかり、早速、大きく出遅れる。

O夫妻、Uさん、寒い中待たせて申し訳ありませんでした‼

残念ながら、頭上は重苦しい鉛色の曇り空だ。

リフトを二つ乗り継ぎ、ワカンを装着して準備する。

Oさんから、先行するよう言われるが、初見の氷ノ山、勝手がわからず、現在地さえ不明状態⁉

慌てて地図を広げるも、呆れたOさん、スキーで先行し見えなくなってしまう。

後を追って南東から東方向の林道を少し歩くと、東尾根登山口の標石がある。
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ここからは東尾根に乗るまで、樹林帯の急坂をジグザグに登る。

しっかりとした有難いトレースがあって踏み固められており、ワカンも要らない位だ。
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尾根上の避難小屋付近で一息入れてワカンを脱ぎ、以後、つぼ足で登る。
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先行するOさんは、見えなくなる度に要所でちゃんと待っていてくれる。

尾根上は、ガスっていて景色は望めず、トレースを辿りながらトボトボと登る。
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O
さんと「雲海が見えたらいいね。」なんて話していると、標高1,200メートル付近で本当に雲が切れ始め、太陽が顔を出す。
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頭上の枝から溶け落ちた雪が、ダイアモンドダストの様に煌めき、テンションも急上昇だ。

慌てて、日焼け止めクリームを顔に塗りたくる。

森林限界を抜けると、下界には素晴らしい雲海が広がる。自分一人なら、こうはいかなかっただろうな()
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巻雲が浮かぶ青空を目指しながら、続く緩やかな雪稜をトレースに導かれ踏ん張って登ると頂上に到着。
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頂上は、大勢の登山客で賑わっていた。

初めての氷ノ山山頂で記念撮影し、喜びを分かち合う。

避難小屋内が満杯なので、南東側で風を避けながら昼食を摂る。

素晴らしい景色を眺めつつ、Oさんが担ぎ上げてくれた「おでん」を食べて温まる。

春の様な暖かい日差しも加勢し、贅沢な時間を過ごす。

景色を堪能し、昼寝したいところをグッと堪えて下降に移る。

Oさんは、スキーで颯爽と滑り、O夫人は、スノーシューでスタスタと快適に下って行く。
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自分とUさんは、つぼ足で後を追う。

景色に見とれながらトレースを漫然と下っていると、早速、尾根を踏み外す。

Oさんの呼びかけで、軌道修正したが、この後もう一度尾根を間違えそうになる。

地図上の1,394ピーク付近と、標高1,250メートル付近は、右手の尾根に入り込みやすいので注意が必要。

東尾根上の避難小屋に着く頃には再び辺りはガスに包まれ始める。タイミングが良かった。
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一息入れて、樹林帯の急坂を下り、スキー場へ無事帰還。

帰りは、スキー渋滞を避けようと温泉を我慢したのだが、しっかりと渋滞に捕まる。

時折忍び寄る睡魔を堪えながら、温泉に入らなかったことを後悔するのであった・・・。

O夫妻、Uさん、楽しい山行ありがとうございました‼

 

コースタイム:東尾根登山口09200955東尾根避難小屋~1050標高1,150メートル付近~1200氷ノ山頂上12501335標高1,150メートル付近~1400東尾根避難小屋~1425東尾根登山口

平面距離:7km、累積標高(登り)921m、(下り)869m

八ヶ岳 阿弥陀北陵

八ヶ岳 阿弥陀北陵           2018年1月21-22日
                          T内 M田 T(記)

 阿弥陀南陵の計画を立て、それを実行すべく出発したが、生憎二日目の
核心部通過で降水確率90%の予報が出ていて、しかもその後には今シーズン
最大の寒波が到来するというあり難くない気象予報が出ているため、どうするべ
かと考えながら現地へ赴く。車中会議で初日の天気が良いうちに登れるルートに
しようということになり、初日に阿弥陀北陵、二日目に地蔵か文三郎を上がって
概念把握をしようという結論に達する。ベースは行者小屋に張ることにする。
 1月20日(土)夜9時過ぎに西宮を出発。美濃戸口に午前3時到着。美濃戸
へと林道を上がるが道が凍ってスタッドレスでは四駆でも上がれず、久しぶりに
チェーンを巻く。駐車場に着いたら即寝て、明日に備える。(睡眠2時間)
 1月21日(日)午前8時出発。南沢を重い装備を担いで登る。途中凍った道で
2回転倒し、アイゼンを付ける。また、この道は陽が差さず、異様に寒い。
 左手と左足が感覚が無くなってきたので張るカイロを借りて付ける。
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11時30分頃、行者小屋に到着。太陽が当たり、八ヶ岳西壁も見渡せて
非常に気分がよい。テントを設営し、ここでアルコールを入れたら今日の行動
打ち切りは確実なので中には入らずに北陵へと出発する。阿弥陀へと向かい、
途中から北陵末端へ向かうトレースがあったのであり難く使わせて頂く。
 1時間ほどで次第に傾斜がきつくなり、第一岩峰の基部に到着する。前回来たのは
20年くらい前なので記憶も薄いが、簡単な岩場を越え、あとは細い雪稜を
少し歩けば頂上だったかなと必死で脳みそから記憶のカスをかき集める。
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 さて、正面に立ちはだかる岩壁は12mほどだがやや立っている。前回はこんな
垂壁を登っていたのかと過去の自分の姿に疑問と感動を覚えながら取り付いてみると
全然身体が上がらない。こんなはずでは、ともがきながら2個目のハーケンに
辿り着くが、その上はクラックがあるがピンが上の方だ。ナッツやカムは置いてきた
ので無理に突破は危険だなあ。しかもメンバーの力と残された時間を考えると
こんなところで時間を使うのは宜しくないと判断してあっさりと降りることにする。
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 クライムダウンして左から巻いてみると、有りました、3級-のルートが。
 しかし左の雪稜を巻くトレースの誘惑とメンバーの足並みに対する不安が
脳裏をよぎり、ここは一番安全なトレースを辿ることにする。ナイフリッジを
横目で見ながら雪稜を上がると次第に傾斜が失われ、頂上に到着。14時。
 記念撮影の後、下山を開始。下山は一般縦走路なので楽勝かと思いきや、
結構傾斜がきつく、ところどころバックステップで降りる。そのうちメンバーの
一人が降りられなくなってきたのでロープを出し確保する。初心者二人を連れての
バリエーションはやや荷が重い。そこでM田君には先に行ってもらい、T内さんのガイド
役に専念する。タイトロープと言われる、ロープを2,3m位に保ちながら常に張り
テンションがかかったら即座に止める方法で下す。やや長い鎖場では20m位を出して
半マストで確保する。状況に応じて繰り出すロープを調整するのが邪魔臭いが、
これも練習のうちだ。ようやっと急斜面を降り終え、中岳沢は雪の量も多くなく
天気も安定しているので最短距離で降りることにする。約1時間でBC着。16時。
 T内さんに水を汲みに行ってもらうが、その時珍事件が発生した。夕食は特製クッパを
頂く。これが又美味しく、食当T内さんの腕は確かだ。その夜は本日の反省やら〇泣かせの
話題やらを酒とともに話し合い、韓国の方のテントの喧しさに耐えながら眠りにつく。
 韓国テントは12時を越えても騒いでいた。有り得ないマナーの悪さだ。
 今回のテントはアライのエアライズ3にICIの冬用外張りと豪華なのでなかなか
暖かかった。
 1月22日(月)朝5時に目覚めると、T内さんが足の小指の調子が悪化したらしく
テントで待機するという。今日は天候悪化も予想されるし、登っても午前中少しだけ
なので、早めに下山しようということになって少し寝てから撤収下山することにする。
 8時30分下山開始。11時美濃戸駐車場着。もみの湯によって汗を流す。
 途中諏訪湖SAで昼飯を食べ道路案内を聞いてみるともうすぐ大雪接近ということで
道路を閉鎖するらしいとのことで慌てて出発する。しかし大寒波につかまり中央道では
雪の中、10年目のスタッドレスで何回も横滑りしながら難儀して神戸まで戻る。
 関ケ原から栗東あたりでもまた雪につかまり難儀する。皆さん、お疲れ様でした!










比良 堂満ルンゼ 中央稜

比良 堂満ルンゼ 中央稜                2018.1.8     
                                            M田 T(記)
 またもや堂満ルンゼだ。近くて雪が多くて良い練習になる。今回のパートナーは若手のM田君。
 やる気があるので頼もしい。 前夜に南比良に着くとあいにくの雨が降っている。テントのフライを
忘れてきたし、濡れるのも嫌なので橋の下の空き地を見つけてそこでにわかホームレスの仲間入り
をする。大阪市内だったら本物のホームレスになりそうで怖い。1時就寝。
 翌6時起床、7時発。天気は晴れ、気温は高い。 1時間ほどで青ガレに到着、1ルンゼを左へ入る。
 30分程で取り付きに到着。先行Pを待って登攀開始。1P目Tリード。 出だしが少し厭らしい。
 年々岩も脆くなっているようだ。 2P目。M田リード。雪をかぶった大岩が厭らしい。今回は左に
回り込まず、先行Pと同じく正面から突破を試みる。 ピンは無く、キャメロットとロックスで取り、途中
泣きが入るもオーバー手袋を外して何とか上部のピンに辿り着き、のっこす。セカンドで登ってみると
やはり難しく、新調したモンベルのフリース手袋2900円が岩になじまず滑るので、常用のウールに
履き替えて何とかのっこす。前回のテムレスといい、今回のフリースと言い、新しいものを試しては
使えずに元に戻る。結局ウールの手袋が一番だ。シュラフの羽毛も然り。3Pは簡単。4Pは上部
チムニーでM田リード。岩の乗り越しと上部チムニーが年々脆くて神経を使う。そこを抜けるとあとは
簡単な雪稜で、ロープを解く。堂満岳へ行ってもよかったが長くて単調なので、今回は1ルンゼを下降
してみることにする。 出だしは急斜面の下降にややビビるが上手く下降するとあっというまに中央稜
取り付きに戻る。あまりに早いので次回はもう一度ピッチを交替して中央稜を2度登ることにしよう。
 ただしルンゼは雪崩の危険性大なのでいつでも降りられるというものではない。14時駐車場着。
 比良トピアで汗を流してから帰神する。M田君、ナチュプロの練習をもう少ししましょう! 立木が
あるのに加重と逆方向のカム1本でのビレイポイントは危な過ぎる!

 

アイスクライミング 八ヶ岳 南沢大滝 峰の松目

アイスクライミング

八ヶ岳 南沢大滝 峰の松目

12/23~24

メンバー:K谷(L)、A田、A井M田(記)

 

こんにちは~!M田です。

今回は人生初のアイスクライミングにチャレンジしました。

 

ボーナスでPetzlのクォークを買ってからというもの、この日をどれだけ心待ちにしたことか

 

1222()の夜にK谷さんの車で神戸を出発。仕事終わりなので車内でぐっすり寝かせてもらいました。

23日朝に美濃戸口の駐車場に着。

春山のような陽気の中、散策路のような道を歩き南沢を遡って、まずは小滝に着くと、小滝は完全には凍り付いておらずあまり良くないコンディション。

すぐさま大滝に移動すると大滝はバッチリ凍っていて、先に登っているパーティーもいる。しばらく場所が空くのを待ってこちらもスタート。(待ち時間がメッチャ寒いのは予想外でした


待ちに待った人生初めてのアイスクライミングですが、第1登はかなり苦戦!バイルの刺さり方が甘いし、アイゼンの蹴り込み方がダメダメ。予想しては居たけど、アイスクライミングってかなり腕が疲れますねK谷さんの指導を受け、A田さん&A井くんや、他のパーティーの方の登り方を見てから登った第2登では、「上手くなった」と褒められる。自分でもかなりマシになったという手応えを感じとても嬉しい。
A井くんは初めてリードに挑戦、とても初めてとは思えないような慣れた感じで登っていく姿には驚かされました。

この日はお昼頃まで登ってのんびり撤収。



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今回が初リードのA井くん、めっちゃうまい。

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真ん中のテラスで支点を取ってトップロープ。

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いざ人生初アイスクライミング!

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A田さんも上手い。

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自画自賛ながら、二登目はいいかんじでした。


登山口まで戻り、この日の宿泊地、美濃戸高原ロッヂへ。ロッヂではこたつ付きのかなり広い部屋を与えられ、晩ご飯まで温泉につかったりこたつで寝たり超まったりしました。

晩ご飯がすき焼きと、これまた豪華で至れり尽くせり。そして晩ご飯後にはお待ちかねのクリスマスイベント、プレゼント交換!自分はK谷さんからpatagoniaのフリスビーとなんちゃってビクトリノックス?のマルチツールをいただきました。大事にします!

 

2日目は峰の松目へ、A田さんの抜群の記憶力を頼りに難なく氷瀑にたどり着き、F1F2を登りました。K谷さんはこの日は足の具合が良くアイスクライミングに参加、A田さんは昨日のA井くんに続き初めてのリードに挑戦、二人とも本当に上手なので自分もいい刺激になります。私もF2の簡単そうなルートでリードにチャレンジ!アイススクリューを設置する際に両手を使うことにはビビりました。


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ベテランK谷さんは余裕の笑顔

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女ターミネーター?A田さん


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昨日より上手くなったかな???

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阿弥陀岳をバックに記念写真

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帰路へ、今度来るときはもっと奥まで行ってみたい。

 

下山後は樅の湯で赤岳・アイスキャンディに言っていたT口・M下チームと合流、帰りの運転はA井くんががんばってくれたおかげでぐっすり眠ることが出来ました。

 

初めてのアイスクライミングはとても刺激的でワクワクな体験で、ブログを書いている今でもまたアイスクライミングをしたくてウズウズします。

 

またこのメンバーで来られたらいいなと思う楽しい2日間でした。

八ヶ岳 阿弥陀岳中央稜

八ヶ岳 阿弥陀岳中央稜       2017年11月26日ー27日

                    竹内 前田 橘(記)

 毎回手古摺らされる阿弥陀中央稜に、今度は登りでチャレンジする

ことにする。毎回下りでやられるので、登りならもう少しスムーズに

上がれるかもしれない。密かにトレースも期待する。

 土曜日21時半、JR西宮駅に集合し一路高速に乗って諏訪南を目指す。

 インター近くにあるコンビニで最終食料を少し買い足し、林道を舟山

十字路に向けて進む。全然雪がないので不安になるが杞憂だった。

 翌6時起床8時出発。仕事明けなので眠い眠い。林道ゲートをくぐり、

終点までトボトボと歩く。終点が中央稜末端で、右の沢に入るか左に

するか迷うが、大きな字で「左 登り」とあるので、迷うことなく左の

沢に進む。(後で考えるとこれが藪漕ぎのスタートだった)

 次第に傾斜がきつくなり、薄氷で足元も滑るので各自アイゼンと

ピッケルに換装する。小一時間ほど上ると立派な道に出た。この道は

どこから来ているのかとふと疑問に思った。(後でわかるが右の沢から

だった)やたらと「四区」と赤字で書かれた看板や木の幹が多い。

 このペースなら今日中に阿弥陀と赤岳を片づけ、行者小屋迄延ばせるDSCF1486

のではと鳩首会議の結論が出た。(これは甘かった)DSCF1447DSCF1445

 やがて次第に雪が深まり膝位のラッセルとなる。トレースもないので

時間がかかる。2200m位は傾斜もなく、テントが張れそうDSCF1448だが

まだ13時なのでもう少し距離を延ばすことにする。しかし上部は

よいテン場はないはずなので、下手をすると中岳沢をヘッドラで降りる

ことになるかとも考える。そうこうするうちに4テンが二つ張れそうな

枝尾根の頭に到着し、少し風がきついがここより良い場所はなさそうなので

少し偵察に行ったあと、また戻ってテントを設営することにする。

 初冬のサラサラ雪で踏んでも踏んでも雪が固まらずピッケルも刺さらない

ので難儀するがようやく張り終える。(15時)3人がようやくテントの

所定位置に収まり、やっと設営祝いのビールにありつく。雪の混じった

安物ビールがこの世の物とは思えぬほど旨い。またまたアマゴ酒などを

やりながら、今回は黒門市場で仕入れてきた(竹内さん有難う)牡蠣を

ふんだんに入れた特製牡蠣鍋を食す。今までのベスト3に入る美味さで、

夜はおならが出て難儀した。(意味不明)とりあえず18時就寝。 

 あーよく寝たと目を覚ますと24時だった。(いつものパターン)
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 トイレに出て寝なおし、起きると5時だった。若干朝の飯つくりに               蕎麦焼酎が綺麗だ(雲海)

もたつきながら、7時出発。この調子では時間がかかりそうなため、

計画を変更し、御小屋尾根下山は諦めて、テントをデポしたうえで中央稜を

自分たちで付けたトレースを辿って降りることにする。やがて岸壁が現れる。

 多分右に巻くだろうと適当に見当をつけて巻く。やがて急な草付きを

M君が登りだすが、一般道ではなさそうなので引き返す。急なルンゼが

現れ、腰までの吹き溜まりにもがきながらなんとか上まで辿り着くがどうも

またおかしいので取り付き迄戻る。まだ右に巻くが次第に南陵が近づいて

きた。これまたおかしい。このまま南鐐でもと思ったが登攀装備がないので

考え直す。ここでM君が冷静な意見を述べ、なるほどそれはそうだと

納得し、原点に戻って稜を忠実に登り返すと第一岩峰が巻けて第二岩峰が

現れた。これまた右に行ったり左に行ったりしながら最後は左から

巻きあがる。そのうち第3岩峰が現れるが、もう頭が回らず訳が分からん

うちに巻く。(左だったか?)最後に少し藪を突破すると久しぶりに小さな

赤テープが出てきてそこからは明瞭な登山道となった。なんとも世話の焼ける

尾根だ。時間も押し気味なので12時になったら引き返すことにして、

とりあえず阿弥陀頂上を目指す。見えているようでなかなか近づかない。
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 やがてやっと御小屋尾根に斜めに合流し、単独行の変なおじさんと会話を

したりしながら3人そろって頂上を踏む。これ以上ないような快晴だ。
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 12時30分、下山開始。下りは何時間かかるか分からないがとりあえず

雪道で迷うことはない。しかし最後の植林帯で日没になったら森の中で

ややこしいことになりそうなのでテンポを上げる。

 ひいひいの竹ちゃんマンを励ましながらやっとのことで広い河原の道に

出て、ほっとする。(16時半)そこからは道がしっかりしているので

どんどん歩いて最後はヘッドラを点けながら歩いて車のデポ地迄戻る。DSCF1505

(17時半)皆さん、お疲れ様でした。帰りの終電がなくなる恐れがある

ので温泉はカットして神戸まで戻る。(23時半着)

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 NOTES

・久しぶりに地形図とGPSを凝視しながらの歩きとなった。

 地形図だけでは多分現在地の特定は難しいだろう。

 次回はまた違うトレースを付けるかもしれない。

・縦走でも雪山ならシュリンゲ数本とカラビナ数枚は必須。

 メンバー2人がどちらも0には驚いた。(次回から計画書通り持参

 すること)

・ロープを腰に直巻く方法(二重ブーリン等)や、肩がらみ・腰がらみ、

 グリップビレイ、器具なしでの懸垂下降の方法(色々ある)を覚えて

 おくことも必要。臨機応変が肝要。

2017.10.17~22 南アルプス縦走(白峰南嶺(青薙山~広河内岳)~蝙蝠岳)

2017.10.1722 南アルプス縦走(白峰南嶺(青薙山~広河内岳)~蝙蝠岳) メンバーI(記)

 

4年前の大峯奥駆(逆峯)以来となる単独縦走を計画する。

南アルプスでも知る人ぞ知るマイナールート。計画は、白峰南嶺と蝙蝠岳を繋ぐ周遊だ。

いい計画だと思ったが、季節外れの秋雨前線の影響で全行程⁉雨予報となる。

しかし、この機会を逃すと、次に歩けるチャンスがあるかどうか。

悩んだ末、雨歩き覚悟で決行とする。
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10月17日(火)『初日』 雨のち曇り
単独運転だったので、早めに家を出たが、沼平到着が午前7時を過ぎてしまう。

車は勿論、自分の1台だけ。しとしとと雨が降る中、雨具を着て、重い足取りで林道を歩き出す。
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ダム湖終点辺りが、青薙山の取り付きだ。雑草に覆われた階段を登ると、出だしから踏み跡が薄い。
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今にも崩れそうなジグザグの急坂を喘ぎ登ると、石の積み重なった小台地に出る。

ここで、右手の送電線巡視路に誤って入り、鉄塔まで登って漸く間違いに気付く。

雨で下を向いて歩きすぎた。約30分ロスする。小台地を左手に進むのが正解。

急な尾根を登りきると、トラバース道に入り、やがて沢音が聞こえてくる。

池ノ平はテント適地のオアシスだ。窪地にこんこんと水が湧き出している。時間的に所の沢越までが怪しくなったので、ここで水を汲んでおく。
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重いザックを背負い直し、谷間を登り切ると赤崩の縁に出る。足元から切れ落ちている広大な黒い崩壊地は迫力満点だ。畑薙橋付近に大量に堆積している土砂は、ここから流れ出たものだ。
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崩壊地を左手に斜面を登ると赤崩の頭。晴れていれば大パノラマだろうが、雨は止んだものの雲しか見えない。この辺りのルートが、草木が繁殖して判別し難い。よくよく探すと右手に僅かなトレースとピンクテープがある。
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このルート上にある比較的新しいピンクテープは、有難く活用させていただいた。

暫く樹林帯の谷間を縫うように進む。

やがて右手の尾根を登ると、青薙山の急登が始まる。思いのほか、足が前に出ず、どんどん時間だけが過ぎてゆく。この登りで、本日、所の沢越まで到達しないことが決定的となる。

疲れ切ったころに漸く傾斜が緩やかになり、青薙山山頂に到達する。樹林帯に囲まれ展望はないが、周辺は傾斜が緩くテント適地だ。しかし、次の日の行程を考えると少しでも進んでおきたい。
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青笹ルートの分岐を越えると尾根は細くなり、藪っぽくなる。
藪をかき分け進むと2368の次のピークでタイムアップ。秋の日没は早い。あっという間に辺りは暗闇に包まれ、初日が終わった。

 

コースタイム:沼平07500910青薙山取り付き~1205池の平12201315赤崩の頭~1605青薙山16201715小ピーク

平面距離:11.66km、累積標高:(登り)1958m、(下り)586m

水場:池の平

docomo電波:青薙山(何とか入る)


 

1018日(水)『晴天』  晴れのち雨

日出前からヘッドランプを点けて歩き出す。幸い尾根が細く、それほどルートを外す心配もない。

が、僅かなトレースとテープを疎かにすることはできない。少しでも「おかしい」と感じたら、それはルートを外していることを意味する。そう感じたなら、焦らず正しいルートまで一旦戻る。この山脈を歩く上で大事なことだ。

右手から朝日が昇り、雲海の上に富士山が浮かび上がる。何度見ても心打たれる感動の瞬間だ。
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稲又山山頂も樹林帯に囲まれ展望はない。ここから北上する際は、山頂手前を右手に折れ、トレースの判然としない斜面を下る。テープはあるが、見落とし注意。
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倒木を越えて進むと、ルートは尾根沿いにあり、薄いトレースと所々にあるテープを丹念に拾って進む。

小屋跡を越えると斜面が広がりルートがわかり難いが、右手の尾根沿いに下って行くと所の沢越に出た。

荷物を置いて5分程下ると沢の音が聞こえ、水場に着く。沢の南側は、よいテント適地になっており、昨日到達できなかったことが悔やまれた。
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布引山への登りは出だしからルートが判然としない急登だ。一旦コルへ下り、約400メートルの再急登が始まる。ほぼ尾根沿いに登るが、布引大崩れ辺りで一部踏み跡が崩壊している。
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大崩れを越えて樹林帯をジグザグ登り、最後は斜面左手の藪を進む。藪漕ぎにうんざりする頃に老平からの登山道に飛び出した。布引山山頂は直ぐそこだ。樹林帯に囲まれ展望はないが、疲れたので大休止する。
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ここから、これまでとは違い踏み跡が濃くなる。広い山頂部を下って行き、コルから再度200メートル登り返すと二百名山の笊ヶ岳山頂。嬉しいことに360度の展望で、
これが、この山行一番の展望となった。
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山頂から小笊の延長に見える富士山が印象的だ。振り返れば歩いてきた青薙山、稲又山は、綺麗に紅葉している。遙か遠くに間ノ岳も見える。あそこまで歩けるだろうか。日没までに転付峠へと思い、先を急ぐ。

椹島下降点まで一気に200メートル下り、再び這松尾山手前までの登り返し。下降点からの先の稜線も踏み跡は比較的しっかりしている。
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這松尾山付近で、周囲が雲に覆われ始める。既に天気は下り坂だ。ここで富士山も見納めとなった。

上倉沢上部のガレ縁を通過して一登りすると生木割山山頂。立派な標識とテレビアンテがあるが樹林に囲まれ展望はない。既に時間は午後2時だが、転付峠まで4時間と表示されている。やれやれ・・・。
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この先から南アルプスらしい静かで深い樹林帯が続く。辺りは雲が湧き始め、幻想的な雰囲気だ。
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小さいプレート表示のある天上小屋山ピーク(展望なし)を越えると稜線西側のトラバースルートに入る。幅の狭い踏み跡を黙々と歩く。結構長い。

トラバースが終わり、稜線沿いの樹林帯を少し下ると林道に出る。何とか日没前でホッとする。林道だが、草木が立派に繁殖し、法面も所々崩れ石がゴロゴロしているので歩き難い。
転付峠まで急ぐが、あえなく日没となり、ヘッドラのお世話になる。
転付峠直前で突然、濃い霧に覆われ、ヘッドラの光が蒸気に反射して3メートル先の視界もままならなくなる。手探り状態で何とか転付峠標識に到着。
水を汲みに行きたかったが、視界がないうえにルートが濃い笹藪に覆われていたので断念する。

するとポツリと奴が来襲し、疲れた身体に追い打ちをかけるのだった。

 

コースタイム:小ピーク05200615稲又山~0715所の沢越07451010布引山10201155笊ヶ岳12251245椹島下降点~1405這松尾山14201445生木割山~1555天上小屋山~1710林道~1755転付峠

平面距離:17.88km、累積標高(登り)1739m、(下り)2064m

水場:所の沢越、転付峠

docomo電波:布引山、笊ヶ岳、転付峠(良好)

 

1019日(木)『冠雪』  雨(霙)

昨夜から降り始めた雨は、出発になっても止むことなく降り続いた。今日の関東地方は、12月中旬並みの季節外れの寒さとなるとのこと。周囲に雪が積もっていなくてホッとするが・・・。
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暫く水場がないので、サブザックで水を汲みに行く。転付峠標識から笹藪を掻き分け、雨で滑り易い斜面を左手に下って行く。10分程で水場だ。塩ビ管から細い水が流れ出ている。水分不足の身体には有難い。直ぐ傍にテント適地がある。

転付峠に戻り、雨で展望のない林道をトボトボと歩く。予報とおり寒く、冷たい風雨が身体を刺す。
林道は直ぐに草木の繁殖が著しくなり、開通からの時代を感じさせる。この林道もいつかは、草木に埋もれていくのだろう。
途中、木々や落ち葉の上に積雪があるのに気付く。見上げれば雨に霙が混じっている。

林道を50分程進むと、各記録に載っている法面崩壊地に突き当たる。ここは法面上部を迂回する。北上時は迂回ルート終盤の下り斜面が急で崩れている。
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時間程で地図上の広場に到達する。晴れていれば荒川岳と徳右衛門岳のパノラマだが勿論展望ゼロ。
更に1時間程歩いてやっと林道終点の奈良田越に到着。辺りには、古い建設資材等が散乱している。
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ここからの北へ白剥山の急登となる。テープも少なく、濡れた地面と積雪でルートが判別し難い。

ルートを慎重に見極めながら、樹林帯の尾根を登ると白剥山山頂に到着。ここも樹林帯で展望はない。
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このピークの先で右手の谷に迷い込んだり、2重ルートで折り返してしまい、雪面に着いた自分の足跡でハッと気づいたりした。雨で俯き加減で歩くので、どうしても視界が狭まってしまう。

そんな天候に嫌気が差しながらも、深い樹林帯を黙々と高度を稼ぐ。

樹林帯の窪地の先から徐々に藪が激しくなる。怒涛の藪漕ぎの始まりだ。
序盤はシャクナゲの藪と格闘しながら尾根上を進む。
尾根を左に越えると這松帯の露地に出て、漸く雲に見え隠れする笹山南峰を捉える。
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尾根左斜面の這松帯を漕ぎながら、僅かな踏み跡とテープを探しながら進む。ルートを外すと這松地獄が待っている。風雨の中、ただでさえ消耗しているので、それだけは避けたい。水分をたっぷり含んだ這松漕ぎで登山靴は水浸しだ。

ルートは尾根上に戻り、谷間を登って、再び尾根左斜面に出る。うんざりする這松漕ぎと脆い露地を交互に越えて行く。砂利の斜面でルートは直角に右に折れ、広場(テント適地)に出る。そこから左手に一登りで笹山南峰に出た。
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藪漕ぎで全身ずぶ濡れ状態なので、立ち止まると急速に身体が冷えていく。樹林帯の陰で行動食を詰め込む。

ここから先は笹山ダイレクト尾根を利用するハイカーが結構いるので、踏み跡は濃くなる。翌日の天気次第だが、とりあえず白河内岳手前の森林限界まで進むこととする。

展望のない笹山北峰から一旦下り、少々ルートが不明瞭な露岩帯を越える。

その先の濃い這松帯を抜けて、樹林帯を一登りすると白河内岳手前の森林限界台地に出た。
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ここからは暫く吹き曝しの稜線となる。相変わらず、冷たい風雨が西から東に吹き抜けていく。

全身ずぶ濡れの辛い一日となった。

 

コースタイム:転付峠05100520水場~転付峠05450625乗越~0740広場~0850奈良田越09101020白剥山~1230樹林帯の窪地~1350笹山南峰14151420笹山北峰~1525白河内岳手前

平面距離:13.49km、累積標高(登り)1646m、(下り)863m

水場:転付峠
docomo電波:笹山南峰、白河内岳手前(良好)


1020日(金)『疲労』  雨

雨は断続的に降り続いていたが、昼頃から明日の午前中までは一旦止むとの予報。台風も本土接近が23日以降とのことだったので、予定通り進むことにする。

暗いうちから歩き始めたが、白河内岳南面は広い。少し進むと暗闇でルートを失った。ここは迂闊に進むと這松漕ぎで大変なことになる。2年前のそれを思い出す。おまけに雨の日出特有の濃い霧が辺りを包み、ライトが反射して方向が定まらなくなる。ここは落ち着きと慎重さが必要だ。

幸い南斜面のど真ん中を進めばいいことは分かっていたので、這松帯を慎重に躱しながらガレ場を登ると上手い具合に山頂に出た。ここから先は吹き曝しの稜線となり、西から吹き抜けていく風雨が強くなる。

広大な山頂を右手に下り稜線沿いを大籠岳へ進む。西からの風雨をもろに受け、左半身が凍える。

大籠岳直前は濃い這松帯なので、斜面右手の稜線沿いから下り、低い這松帯を抜ける。

大籠岳から稜線の西側の踏み跡を北上し、2772ピークを越えたあたりで、漸く雨が小降りとなる。
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稜線西側斜面のルートを外さないように下る。

緩い登りからルートは左に直角に曲がり、広河内岳への急登が始まる。
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稜線沿いをジグザグに登ると小ピーク。冬仕様が始まった雷鳥ファミリーがウロウロしていた。
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小ピークから右手の稜線沿いを登ると広河内岳山頂に着いた。風が強く、とても休める状態ではない。写真だけ撮って進む。
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ここから先は一般登山道だ。

一旦大門沢下降点まで下り、稜線の東側陰で、少し行動食を補給する。

ここから農鳥岳までは稜線東側斜面の登りなので、若干風が和らいだのが有難かった。

農鳥岳山頂東面の陰で再度エネルギーを補給し、西農鳥岳へのトラバースに入る。
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予想通り風がきつく、雨が降ってないのが不幸中の幸いだった。濡れたガレ場のトラバースと登りは思いのほか時間がかかる。

西農鳥岳を越えて視界の効かない急坂を下って行くと突然、農鳥小屋が現れた。人気のない小屋を過ぎて三国平へのトラバース道分岐手前で一息つく。すると雲が切れ始め、少しだけ周囲が見えるようになった。

一休みして西の間ノ岳斜面に見え始めたトラバース道に進もうとしたが、情けないことに記憶違いで分岐がわからず、行ったり来たりを繰り返し、大幅にタイムをロスする。悪い思い込みの典型だった。

何とかトラバース道に辿り着き、農鳥沢を越えて登り切った頃には、疲労感満載となっていた。
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農鳥沢を越えると起伏は少なくなるが、トラバース道は延々と長い。
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三国沢の水場で一休みしてからも長く感じた。

三国平に着く頃、再び辺りは雲に覆われポツリと雨が降り始める。

電波が入ったので天候をチェックすると、台風21号の本土接近が早まり、明後日から暴風雨予報。しかも、その影響で前線が活発化して明日の朝から雨が降り出し、大雨とのこと。蝙蝠岳を越えての下山を急がなくてはならない。

さっさと下って熊ノ平に着きたかったが、既に足取りが重い。残念ながら、雨の中、雪投沢まで3時間かけて歩く気力が湧かなかった。ここは切り替えが必要と割り切る。今日は思い切って早く休み、明日超早出で頑張るしかない。

10年振りの熊ノ平は、水も豊富で変わらずオアシスであった。


コースタイム:白河内岳手前04550535白河内岳~0620大籠岳~0750広河内岳~0815大門沢下降点~0915農鳥岳09251005西農鳥岳~1045トラバース分岐手前11051210農鳥沢~1300三国沢~1350三国平~1420熊ノ平

平面距離:12.08km、累積標高(登り)1144m、(下り)1329m

水場:三国沢、熊ノ平
docomo電波:農鳥岳、トラバース分岐付近、三国平(良好)、熊ノ平(なし)


1021日(土)『核心』  曇りのち雨

深夜零時に起きて、午前1時に出発。幸い雨は止んでおり、直ぐに降りそうでもない。暗闇の樹林帯をヘッドラ頼りに黙々と進む。

1時間半ほどで小岩峰に到着。10年前は、朝日に照らされた周囲の稜線に感動したものだが、今日は周囲のぼんやりとした稜線が見えるか見えないかだ。

2542のコルで一休みし、見覚えのある北荒川岳の登りにとりかかる。登りの最後は変わらずの這松帯で、漕いで行くと見晴しのいいはずの頂上に出た。正面の暗闇に塩見岳の山容がぼんやりと浮かび上がる。

エネルギーを補給して崩壊地の縁を進んでいくと、例の日出前の濃い霧に包まれる。ライトが反射して視界が効かない。広いガレ場でルートを失うとはツイてない。記憶を頼りにガレの縁をゆっくりと進んでいくと、旧テン場の白い小屋が現れた。何とかルートを外さずに済んだ。

ここからは再び踏み跡を辿る。一般道の割に藪が煩く、葉に着いた雨露でどんどん身体が湿っていく。日出を迎えたが、塩見岳からいかにも降り出しそうな雲が越えて来る。吹き曝しの稜線で悪天に捕まるのだけは避けたい。

雪投沢から、北俣岳分岐への急なガレ尾根を急いで登る。しかし、登りで遂に雨が降り出す。天気は早くも下り坂だ。
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ガレ尾根の上部は急峻だ。登ると足元から崩れていくので消耗する。踏ん張って登り、6時過ぎに北俣岳分岐へ到着。雷鳥ファミリーがウロウロしているのを見て少し心が和む。

残念だが、塩見岳は割愛して先を急ぐ。細い岩尾根を慎重に越えると北俣岳。標識はない。
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ここから晴れていれば気持ちがいいであろう広大な砂利の稜線を蝙蝠岳に向かって進んでいく。雲の切れ間から時折、蝙蝠岳が見え隠れするのが救いか。
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広大な稜線を下り切ると、蝙蝠岳への登りに入る。頂上まではいくつもの肩を越えて行く。頂上と思って越える度に、落胆することを繰り返す。しかもルートを這松が覆い尽くしているので、掻き分けながら進まざるを得ず、頭の先から爪先まで全身ずぶ濡れとなる。これには正直参った。

偽ピーク?に落胆すること数回、やっと這松も低くなり、次かと期待して登っていくと二本の標柱が見えた。
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ここが蝙蝠岳のピークだった。
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振り返れば鎧兜のような塩見岳、南西には不気味な雲に覆われた悪沢岳が見えた。この天候で、これだけ見えただけでもラッキーだった。
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一時、感慨に耽った後、蝙蝠岳に別れを告げ、下降に移る。

ガレの斜面を右手に下って行く。地図では踏み跡なしとなっているが、所々にケルンが積まれている。踏み跡は蝙蝠岳北面よりも濃いと感じた。尚も這松帯の稜線を下って行くとガレ縁の四郎作ノ頭に到着。

徐々に雨脚が強まってきたが、ここから左手の森林限界下に入る。安全圏に入ったので、後は少々天候が悪くなろうとも何とかなる。踏み跡はしっかりしているが、ここからやたらと倒木が多くなる。
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濡れて蒸れ、擦れた両足は腫れあがり、下る度に痛む。しかし二軒小屋まで延々と1200メートルの下り坂なので泣き言は言っていられない。幻想的な南アらしい深い森が唯一の慰めだ。

樹林帯を下り2581ピークを右から回り込むと、再び徳右衛門岳への登りが始まる。徳右衛門岳は少し上空が開けた樹林帯に囲まれたピークで、展望はない。小さなプレートに徳右衛門岳とあった。
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少し先で雨を避けながら、登山靴を脱ぐと両足は悲惨な状態だった。これだけ濡れていては、テーピングも無意味だ。靴下を絞り、気合を入れて下る。

一度の休憩を挟み、長い尾根の樹林帯を時に滑って転びながら、がむしゃらに高度を下げる。やがて尾根は急峻になり木の根を掴みながらの下りとなる。右手の大井川西俣の沢音が近くなったころ、中部電力管理棟に飛び出す。雨は相変わらず降り続いていたが、周囲の尾根は立派に紅葉していて綺麗だった。
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ここから一下りのはずだったが、この下りが最も悪かった。急な細い尾根上で、苔が生えた滑り易い石、下り方向に伸びる木の根が多く、その上に濡れた落ち葉が積み重なり、滑らずに歩く方が難しい。

しかし、この急斜面で転ぶ訳にはいかない。慎重に一歩一歩下るしかない。最後の核心を下り切り、林道に辿り着いてホッとする。ここから蝙蝠岳へ登るとなると、いきなり萎えそうだ。

二軒小屋まで林道を歩いていると入山日以来の人に出会う。二軒小屋の宿泊者だった。30分程で小屋に到着。
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当初は、テント泊後、翌日、林道約20キロを8時間かけて歩いて沼平まで戻る予定だった。しかし、明日は既に台風接近により大雨予報。それを気遣ってくれた受付のお姉さんが、小屋は素泊り可能で、それなら宿泊者扱いとなり、二軒小屋から畑薙ダムまで車で送って貰えると教えてくれる。ここまでの行程と明日の天気を考えれば、林道歩きに拘る必要はない。ここは素直に素泊まりとさせて貰う。

少々値は張ったが、荷物を乾かせ、何より風呂に入れ、暖かい布団で眠れたのは有難かった。

ベッドで山行の余韻に浸りつつ、激しくなる雨音を聞きながら、受付のお姉さんと小屋に感謝するのであった。

コースタイム:熊ノ平01100240小岩峰~0425北荒川岳04300535雪投沢~0610北俣岳分岐~0635北俣岳~0810蝙蝠岳08250900四郎作ノ頭~1030徳右衛門岳~1255中部電力管理棟~1410登山口(林道)~1445二軒小屋

平面距離:20.15km、累積標高(登り)1599m、(下り)2780m

水場:二軒小屋

Docomo電波:北俣岳分岐、蝙蝠岳(まずまず)、二軒小屋(なし)

 


10
22日(日)『台風』  大雨

6時少し前に起きて、小屋のテラスで朝食を摂る。雨は、昨日より激しさを増している。

雨が降っていなければ、最高のロケーションだが、台風が相手では仕方ない。

いつか、この山行を振り返る歳になった時、この小屋に泊まってみたいなと思った。

送迎の車を待っていると、今後の雨で林道の状態が悪くなると予想されることから出発が早まるという。

小屋の宿泊者7人に交じり、四駆のバンに載って椹島に向かう。各沢から流れ出した水で、既に林道は川の様になっていた。

椹島には宿泊者はおらず、同じ車で畑薙第一ダム向け出発する。長い林道を車で揺られながら、歩きじゃなくて良かったとしみじみ思った。

沼平のゲートで下ろしてもらい、ポツンと停まる愛車へ。下山連絡したかったが、二軒小屋から沼平にかけては電波が入らない。

せっかくなので白樺荘に寄って温泉に入り昼食を摂る。柔らかいぬめりのある泉質で、さっぱりできた。

暫く車で走り、田代付近でスマホをチェックすると会長から着信ありの表示。折り返し下山連絡を入れる。

ご心配かけて、すみませんでした。

帰りの高速では、大型台風の猛烈な暴風雨の洗礼を浴びまくるが、何とか無事帰宅できた。

雨山行の〆が「台風」とは・・・、自分の「雨男」全開⁉ぶりに哀しくなるのであった・・・(完)


中央アルプス 南木曽山

中央アルプス 南木曽山(なぎそやま)     平成29年10月27日ー28日

                          Y村、T内、T(記)

  金曜夜発で念願の(?)安平路山に行く予定だったが、先週土日の21号に続き、今週土日にも律儀にも台風22号が日本列島を縦断してくれそうな気圧配置だ。予報を聞いても大雨なのか曇りなのか気象予報士さえ判断できないような台風君のおかげで山に行く判断も付きかねる。

 とりあえず出発してラジオの天気予報を注聴するがどうも日曜日が一番荒れそうなので、安平路に登るには林道を最奥部まで車で詰めなければならず、途中で山崩れでもあれば万事休すだ。
登山道に限れば別に問題はないが)

 協議の結果、手前にある南木曽山ならば登山口と頂上にも避難小屋があり、林道も短いので300名山でもあるし、こちらに変更しようということになる。しかし携帯は圏外で変更の連絡はつかなかった。夜中の1時過ぎ、登山口に到着。まだ雨は降っていないのでテントでも良かったがせっかく快適な小屋もあるので使わせて頂く。朝までに数台の車が来たようだが、皆台風接近の予報のためか帰ってしまった。我々は土砂降りでも行く。槍が降ったら中止だが。
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 しかし朝、目が覚めると結構雨が降っていた。くじけそうになるが、合羽を着こんで出発する。雨は降ったりやんだりの連続で訳のわからん天気だ。

 コース図では山頂まで4時間くらいなのでそう焦らずに登る。この山は珍しく入山と下山が周回コースで一方通行に決められており、時計回りに歩くことになっている。何故そうなっているかは周回してみて何となく分かった。登りも下りも木製の梯子場が多く、これをすれ違うにはかなり時間のロスが発生するのでそれを避けるためだろう。結局山で出会ったのは昨日に頂上避難小屋で泊まって下りてきた夫婦2名のみだった。
 水場は金名水というのが下の方にあるだけなので、各自2Lを余分に担ぎ上げる。何回か休憩を挟み、約4時間半で山頂避難小屋に到着。いつになっても小屋が目の前に現れた時はホッとするというかなんとも安堵した気持ちになる。そこで鍵でもかかっていたら、雨の中ツエルトで3人固まって震えながら一晩過ごすことになるので天国と地獄の差だ。
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変なポーズを決めるY係長


 

さて、小屋の中は広くテントなら4つは張れそうだ。暫くしても他のパーティも来ないので、貸し切りとなる。あとはもう酒を飲むしかやることがない。これは至福の時間だ。甘酒の日本酒割り、焼きアナゴ入り熱燗、リンゴ、何を食べたか思い出せないくらいで最後に牛すき焼きとなったがもうお腹も満腹といったところだ。カロリーオーバーで血糖値が怖い。

 18時おやすみ。あーよく寝たと目が覚めたら22時だった。

 一晩中悪夢にうなされながら次に目覚めるとすでに朝食のラーメンの準備をしてくれている。うーんこれは楽ちん。ワシは食べるのが仕事だ。今まで、テントで雑用係として水を作っていたのが嘘のようだ。朝からビールを胃に流し込み、ほろ酔い気分で下山を開始する。(マネしないように)
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雨の階段下りは大変
おっととっと

 しかし台風のせいかやや風がきつい。昨夜はラジオを聴きながら寝たが、ヤナーチェクの弦楽四重奏だけが感動できた。山ではクラシックに限る。それも器楽独奏曲よりも四重奏やオーケストラがよい。なぜかと考えてみたが、山々にある木や葉、風や太陽、雨や鳥や星や虫や動物達の色々な単体が組み合わされて自然ができている。そこに流れるのはアコースティックな弦楽曲だ。スメタナ、ドボルザーク、チャイコフスキー、シベリウス、コダーイ、ヤナーチェク、フォーレ、サン・サーンス、シューマン、シューベルト、・・挙げだしたらきりがない。しかしラジオから流れるのはポップな電気音楽と雑談程度のディスクジョッキーばかりでうんざりする。 (閑話休題)

 さて、棒ラーメンもおいしく頂き、雨の中意を決して下山を開始する。予定行動時間は3時間半。下りは延々と木製の梯子が続き、踏み外して大けがをしないように慎重に下りる。11時、最後に男滝と女滝を鑑賞して無事誰もいない駐車場に到着。本降りの雨の中、小屋がなければ荷物の整理も大変だが、有り難い避難小屋の中でゆっくりと荷物整理をする。岐阜県さん、有難う。途中、しなびた温泉を発見し入湯。弱アルカリ性のさわやかなお湯だった。やや狭いが、檜風呂もよかった。帰りは本格的に台風がやってきて、土砂降りの雨の高速を慎重に運転して神戸まで戻る。途中事故現場遭遇。

 参加の皆さん、お疲れ様でした。天気の悪い時は本当に山小屋はあり難いですね。それにしても毎月毎週雨ばっかり。うんざりです。しかも翌日から晴天続き。なんじゃこら。。。(完)

 

 

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