2023.1.7-8 南沢大滝 摩利支天大滝

2023.1.7-8 八ヶ岳 南沢大滝 摩利支天大滝 の記録

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こんばんは、岩瀬た、です。
年も明け、そろそろゴツいアイスをしたくなってきたのでOKDさんと八ヶ岳にアイスをしに行きました。

1日目は南沢大滝、2日目は摩利支天大滝。
以下、山行記録です。

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◎メンバー
岩瀬た
OKD


◎行程概要
・1/7
7:30 やまのこ村駐車場 出発
8:30 南沢大滝 アイスクライミング
14:30 移動開始
15:10 摩利支天沢平坦地 テント泊

・1/8
5:30 起床 朝食 テント撤収
8:00 出発
8:20 前衛滝
8:40 摩利支天大滝 アイスクライミング
13:30 撤収
13:45 泊地 デポ回収 下山開始
15:30 やまのこ村駐車地


◎行程詳細
八ヶ岳では、毎回駐車場に着いてから車を出る瞬間に「さ、さむいー」となるが、今回はそうでも無かった。
準備をして入山。登山道はよく踏み固められていて、街中を歩くのとさして変わらないくらい。今シーズンの雪の少なさが際立つ。
1時間ほどで南沢大滝に到着する。

で、でかいなー。こんなに大きかったっけ??

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(南沢大滝)


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僕は3年前の2019年12月23日に友人のMさんと当時会員で今は北海道に住んでいるツクシくんと、一度ここに来たことがある。
https://www.kac.gr.jp/191224otome/
その時の南沢大滝は雪がたくさん着いていて、下部は傾斜もゆるかった。それでもテンテンで戦々恐々としながら登った記憶がある。
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(3年前の南沢大滝)

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3年の時を経て、以前よりも迫力を増した滝に対峙。
この3年でいろんなところに行ったなぁと思いながらゆっくり準備。
僕の中で今まで1番難しかったアイスは大峰のグランドイリュージョンだが、その時ほどのプレッシャーは感じない。よしよし、やってやるぜ。

十分な量のスクリューを腰に下げてクライミング開始。
大きく見えた滝だが、下半分は傾斜もゆるく順調に強傾斜が始まる基部へ。

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(バーチカルの基部へ)

滝中央の少し右側を登ろうと取り付いたが、登ってみると水飛沫がパラパラ飛んでくるので、中央ど真ん中にラインを変更して登り始める。
ちょうどその頃に、他パーティの人たちが来て、僕が右から左に向かって進んでいたので右側を登ってくれと声をかけられる。
中央を登るつもりと返事して、実質のクライミング開始。
アックスの刃をキンキンに研いできたつもりだが、氷が硬く、打ち込むたびにバリンバリンと壊してしまう。
中間部分は良いところにスクリューが打てず、若干信頼のおけないプロテクションになりつつも、時間をかけて(時間をかけ過ぎながら)ゆっくり確実に登って無事にトップアウト。

今回50mのツインロープで登ったが、30mちょいロープが出てしまったのでロワーダウンできず、OKDさんにはフォローで登ってきてもらう。
OKDさんもノーテンションで抜けて来る。
終了点で合流して、ロープを連結してトップロープでクライミング練習することにして懸垂下降。

無事に3年越しの南沢大滝レッドポイントを喜びつつ、さきほど声をかけて来た他パーティのクライミングを見学する。
その中でリーダー的な存在の人の登りを見て驚愕。というか感動。
聞こえて来る会話から、そろそろ70歳にもなろうかという年齢のようだが、アックスの先端を氷にサクッと突き刺してササッと身軽に足を上げて登って行く。エレガントとはこのことかと思う。終了点にするアバラコフなどもササッと作っていた。
名をAさんというらしい。

自分自身の登りとAさんの登りを比較すると雲泥の差で、Aさんは全くと言っても過言ではないくらい手も足も氷を壊さずに登っていた。
それに比べて僕はアックスを深く突き刺すためにズッコンバッカン氷を壊して登っていたので、なんだか恥ずかしくなってしまった。

「3センチ刺さればガバ」を余裕を持って体現している登りを見て、僕ももっと上手になろうと思いました。
いろいろと話してみたかったが、人見知りが出てしまって何を話しして良いかわからずほとんど声もかけれなかったので、もし次に会うことがあれば話してみたい。
年齢層高めなパーティだったが、楽しそうにクライミングしていて、Aさんとは別の人と少し話たり道具をお借りしたり。
ありがとうございました。

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(トップロードで練習)

昼過ぎに撤収して寝床探し。
摩利支天大滝へのアプローチ途中の平坦な場所にテントを立てて、麻婆豆腐を食べて本日は就寝。

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(今回は会の4テン持ってきた。広くて快適。)

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(ウィンナー入り麻婆豆腐)


・1/8
5:30に起床してゆっくり準備&片付けをし、不要な荷物をデポして摩利支天大滝へ。
アプローチのトレースがしっかりついていたので苦もなく進む。

8mほどの前衛滝をOKDさんのリードで越える。

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(OKDリード)


そして摩利支天大滝下へ。

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(摩利支天大滝)

摩利支天大滝は難しいと聞いていてガイブックで過去の事故についても言及されていたのでまぁまぁ緊張していたが、思いの外小ぶりな滝で、あまり威圧を感じない。アイスは本当にその時の条件次第だなと思う。
昨日の南沢大滝よりかは立っていたけれど、まぁいけそうだなと思って準備&クライミング開始。

取り付いてみると、結構穴ボコでアックスもよくかかる。プロテクションもバッチリだ。

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(摩利支天大滝オンサイトトライ)

あまり深く突き刺さないことを意識しながら登る。
相変わらず時間をかけてしまうが、無事にオンサイトして、こちらは25mで折り返してもロープ長さが足りる高さでした。

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(プロテクション多いかな?)

途中、摩利支天から阿弥陀北西稜に抜けて行くパーティを見送り、何回かトップロープで練習。
OKDさんもノーテンションで登り、上達している。冬山は自分の範疇では無いとOKDさんは言うが、最近、ついにノミックを買ったらしい。ガチだぜこの人は。
OKDさんとどこかに行くのはいつも楽しい。

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(トップロープで練習)

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(北西稜に向かうパーティ)

適当な塩梅で撤収して下山。
デポを回収してよく踏み固められた登山道を駐車地まで。

下山完了。

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以上、山行報告です。

久々にアイスクライミングだという感じの滝を2本登れて良かったです。
僕の課題はなんといってもクライミングスピードの遅さなので、もう少しプロテクションの数を減らし(今は、バーチカルパートではスクリューが足元になったら打つぐらいの間隔。もう少し伸ばしてから打っても良いだろう。)、アックスを突き刺すのも必要にして十分な深さで済ませ、ボコボコ刺しまくらないように登ろうと思います。
あと、足もまだまだで、ついついガンガン蹴ってしまうのでそれも改善したい。

練習練習!!!



2022.12.29-31 奥三ノ沢左俣

2022.12.29-31 中央アルプス 三ノ沢岳 滑川 奥三ノ沢左俣 の記録

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こんにちは、岩瀬た です。
年末山行に奥三ノ沢に行ってきました。
久しぶりの単独行。
2019年に黄蓮谷に行って以来、次に1人で行くのはオクサンだなと思っていて、3年越しに実行に移すことができました。

とはいえ、仕事の忙しさにかまけて体力トレーニングなどできていないまま入山してしまい、なかなかツラい山行となりました。

以下、山行記録です。

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◎メンバー
岩瀬た


◎装備
・8.2mm 50mロープx1
・アイススクリューx11
・テント
・寝袋
・棒ラーメンx1袋、ウィンナーx6、予備食アルファ米x1袋、ミックスナッツ300g、チョコバーx2
・他


◎行程概要

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・12/29
7:30 JR上松駅 到着 タクシー乗車
8:00上松A登山口 準備
8:30 出発
16:30 奥三ノ沢出合 泊

・12/30
4:30 起床
7:00 出発
7:15 F1登攀開始
10:00 F1終了
10:15 F2登攀開始
12:00 F2終了
13:00 雄滝
15:30 ゴルジュ出口滝
16:30 高巻き開始
19:30 右岸尾根上 泊

・12/31
4:30 起床
6:00 出発
12:00 稜線
16:00 稜線分岐
16:30 千畳敷駅


◎行程詳細
・12/28
仕事を納め、挨拶などしながら定時ダッシュで家に帰り上松行きの電車に飛び乗る。新大阪から新幹線に乗って名古屋で下車するはずが、つい寝過ごしてしまい新横浜まで来てしまった。やっちまった!今日中に上松に着くのが無理になった。
車掌さんに相談すると、上松までは日を跨いでも追加料金無しでいけるとのこと。
名古屋まで戻り、中津川までは行けそうだったのでとりあえず中津川まで行き、いったん改札を出て、野宿。

・12/29
中津川駅からまた電車に乗り、7:30ごろに上松駅に着いたら、ちょうどタクシーが来てくれた。おんたけタクシーは電話口では早朝対応してくれなくて8:30予定のはずだったけど、、、年末に朝早くからありがとうございます。

予定より少し早く登山口に着き、東屋で準備して出発。今日は奥三ノ沢F2の上まで行く予定だ。

滑川は砂防堰堤工事が進んでいて、結構奥まで林道が続いている。
最後の堰堤を過ぎたところから入渓となる。
ガイドブックでは奥三ノ沢出合まで4時間と書いてあったが、記録などを見ていると6時間くらいはかかりそう。
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(入渓!)

雪のついたゴーロ帯を、飛び石渡渉を何回も挟みながら進む。
できるだけ渡渉せずに行ってやろうと思っていたが、どうしても渡渉せざるをえないことが何回も続いて、そのうち「これ4時間は無理やで。っていうか6時間でも厳しいんちゃうか。となると、F2の上まで行くのも結構厳しいかも。。。」となってきた。
河原歩きはルートファインディングに気を使うし、飛び石渡渉もいちいち緊張する。まぁまぁの水量なので落ちたら笑えない。
それに加えて久々にテン泊装備とクライミングギア一式を背負ったので結構ツラい。トレーニング不足を痛感する。

4時間経った頃から、だんだん帰りたくなってくる。トレーニング不足は気持ちをも弱くするのだ。

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(8時間もかかった河原歩き)

河原歩きにもほとほと疲れ、「この計画は失敗や。出直した方が良いな。情けないけど引き返そうかな。」と思いながら進むと、ちらりと青白い光が見えた。
もう少し進んで滝の全貌を見ると、明らかにF1だ。
GPSで確認すると、ここが奥三ノ沢出合だった。
帰るつもりになってたのに、着いてしまったではないか。嬉しいやら悲しいやら。

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(奥三ノ沢F1)

これから滝を登っても途中で日が暮れてしまうので出合にて泊とする。
明日の自分に期待だ。

・12/30
予定通り4:30に起きるが、若干ビビってたからか準備にいちいち時間をかけてしまい出足が遅れた。
7時出発となる。
早速F1の登攀開始。
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(F1正面から撮影)

滝の中央が傾斜が緩いので、そこを2ピッチで登ることにする。
結氷はまずまず。あまり不安なこともなくスムーズに登ってテラス状部分でピッチを切る。
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(3点で終了点を作って懸垂下降)

いったん懸垂下降で降りると、急にお腹が、、、
急いでハーネスを外し、漏れる寸前で用を足せた。危なかった。
気を取り直して荷物を背負って登り返し。
2ピッチ目も順調に進んで灌木を終了点にする。
懸垂下降して、また荷物を背負って登り返し。

F1が終わるとすぐにF2だ。
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(F2)

中段までフリーで行って、そこからロープを出して1ピッチで抜けることにする。
これも中央のラインで行く。

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(ソロシステムのアンカーポイント)

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(一回登って懸垂下降)

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(登り返し)

F2が終わると小滝を交えながらのラッセル。
小滝は結氷が甘いことが多く、ドボンしないように気をつけて進む。
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(ラッセルラッセル)

そうこうしているうちに二俣。
左が雄滝、右が雌滝。進むのは左だ。
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(左俣の雄滝)

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(右俣の雌滝)

雄滝、ロープ出しても良い高さだが、滝の左側の側壁とのコンタクトラインの傾斜がゆるいのでフリーで取り付くことにする。
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(雄滝)

時間も気になるところだ。できれば日があるうちに稜線まで出たい。稜線まで出れば、ヘッデンでも千畳敷駅まで行けるだろう。

雄滝を抜けて、ゴルジュ帯を延々と膝高のラッセル。出くわす小滝は相変わらず氷の下で水が轟々と流れる音が聞こえる。アックスを突き立てると水がピューと出てくることも何度か。やれやれだ。

そろそろゴルジュ帯が終わるというところで、両岸が狭まった小滝。
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(これを越えればゴルジュ終わるはず)

少し高さがあるが、これもそのまま越えようと思って滝にアックスを突き刺すと、あっさりと氷が崩れてポッカリと大きな穴が空いてしまった。
危ない危ないと思いながら、次は慎重に取り付くが、どんどん氷が崩れて、取り付けなくなってしまった。まじかー。
若干傾斜が緩い側壁の弱点っぽいところから越えようと草付きにアックスを叩き込みながら登るも、中段から上が思いの外難しく、落ちたら笑えない感じになってきて突っ込むこともできず慎重にクライムダウンして元の位置に戻る。
時間はもう16時だ。この滝を越えれないと進むことができない。
ここで引き返すのも正直かなりしんどい。各滝、立木で懸垂下降できれば良いが、そんなに都合良く立木は無かった気がする。貧弱な氷ではアバラコフ懸垂もできればしたく無い。それに出合に着いてもあの河原歩きは修行僧ですらきっと嫌がる苦行だ。
などと進退どうするか考えているうちに16:30になってしまった。おいおい、予定では今日の14:30には千畳敷駅でコーヒー飲みながら一服してるはずやぞ。全然じゃないか。
携帯の電波が入ったので遅くなりそうな旨下山連絡担当してもらっていたOKDさんと家族に連絡する。
もう疲れたし日も暮れるからとりあえずここで泊にするかと思って整地にとりかかるが、足元の雪の下を水が流れてると思うと落ち着くこともできない。
しばし地形図を見て、右岸の尾根に上がり切ったところに平坦地があるのでとりあえずそこまで行くことにする。
尾根に上がったら沢復帰はもう厳しい感じ。残念だが奥三ノ沢の遡行はここで終わり。
とはいえ、遡行の美味しいところは堪能できたのであまり未練も無い。あとは尾根通しに稜線まで出るとしよう。
うまくいけば日をまたぐまでに千畳敷駅までいけるかも。

そこからの高巻きがめちゃくちゃにしんどかった。延々と藪漕ぎの頭高ラッセルだ。
高巻き開始1時間で、今日中に千畳敷駅まで行くことは諦める。えらいこっちゃやで。この山行終わるんかいな。
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(雪と格闘)

少し大袈裟に言うと、しんどくてぶっ倒れそうになりながら(ぶっ倒れたら下まで落ちるので倒れることもできないが)ラッセルを続け、19:30ようやく平坦地に達して泊。
計画を立て直し、OKDさんに連絡。稜線直下、今いる尾根上部のルートファインディングに気をつけてと返信をもらい、予備食に持ってきていたアルファ米を食べて寝る。

・12/31
4:30起床。6時出発。
昨日に引き続き延々ラッセル。
4時間くらいでようやく木が低くなってきて、空が広くなってくる。
それと同時に岩塊が見えてくる。
できるだけ岩塊を避けながら進みたいところではあるが、ラッセルに辟易していたので直登できるところはアックスを岩角に引っ掛けたり草付に刺したりダケカンバやハイマツの枝を掴みながら登る。

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(これは直登)

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(これは基部沿いに右巻き。もう少しで稜線だ!)

12時、ようやく稜線に出た。天気も良い。嬉しい。もしかしたら千畳敷ロープウェイの終電間に合うかも。
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(やっと稜線に出た!三ノ沢岳をバックに。)

しばし休憩して、宝剣岳に続く稜線を目指す。
嬉しい気分になったのも束の間、稜線も結構踏み抜き多く、元々無い体力がどんどん削られていく。想像してた半分以下のペースでしか進めない。
最低コルのあたりからトレースがついていて、まさか四ノ沢から上がってきた人いるのかな?と思ったが、どうやらそうではなく、宝剣岳方面から三ノ沢岳に行こうとしたけど時間切れか何かで引き返した人の踏み跡だった。
昼過ぎからガスも出てきたので、これは助かる!とトレースを必死に追って、最後の方は腹筋か背筋かわからないけど、体幹がどうにかなってるんじゃ無いかと思うような痛みを感じつつ、10歩進んでは膝をついたり座り込んだりするようなペースになりながら、16:30、ようやく千畳敷駅に着きました。

もうロープウェイの終電は終わっていたので、千畳敷ホテルに素泊まりでチェックインして、山行終了。

あったかい風呂に入り、暑いくらいの部屋で紅白歌合戦とゆく年くる年を見ながら眠りに着きました。

・1/1
初日の出を見て、8:55のロープウェイに乗車。

下山完了。

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以上、山行報告です。

1泊2日の計画が、ホテル泊も含めて3泊4日になってしまって結構反省です。これは完璧に事前準備が不足していました。
天気が良かったのは良いことでした。稜線上が悪天だったら疲れていたので結構テンパってたと思います。余力を残して登山しないとなと思う山行でした。

とはいえ、どうにかやり切ることができて良かったです。
いろんな要素のある、2022年の良い締めになる山行でした!

以下、各滝の登攀ライン

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(F1)

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(F2)

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(雄滝)





2022.12.28-30【甲斐駒ヶ岳黄蓮谷右俣 アルパインアイス】

ソロ・アルパインアイス に行ってきた

初めての南アルプス「甲斐駒ヶ岳」の山頂を目指し
日本を代表するクラシックルート「黄蓮谷右俣」に
行ってきた


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このルートは数々の山行記録がある上に、山岳会の
強い先輩が数年前にソロで行った記録もあるので
情報は豊富だ
この界隈では入門ルートと言われているが、
アプローチ、登攀、下降までの行程が長く冬山の
総合力が必要
またアイスのバリエーションルートなので状況が
変わればグレードは一変する
現に先輩が行った時は薄氷、ラッセル、藪漕ぎで
とてつもなく時間を要し想像を絶する山行となった
その様な事になりたくはないが覚悟はしている


今回は今年一年を振返りながら一人旅でと思い
立った
年中、余裕のない忙しい山行ばかりだったので
楽しみだ


■ 12月27日


入山一日前に出発
夜の帳があけるのを見ながら車を走らせる ♫
中央道に入り時折雪を纏った山が見えてくる
無言でグーサインをしている自分
テンションが上がってきた

諏訪湖を過ぎドーン! 八ヶ岳
こんな時間に見た事がない (笑)


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振返れば今回のターゲット?!
なんかヤバそうなやつ...


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まだ明日からの事だと現実逃避して旅を楽しむ

小淵沢「月み亭」のカレーうどん、激旨で
リピート決定! 全てに拘りと愛情を感じた

未明スタートなのでアプローチを迷わない為と
年末なので駐車場が混雑しないかを偵察に行ったが
ガラガラで心配なし
8台のみ (80台収容)


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その後「尾白の湯 べるが」でゆっくり一年の
疲れを癒した
露天は関西で言えば有馬温泉の金泉みたいな
濁り湯♨
八ヶ岳の借景がまた格別!

「道の駅 はくしゅう」麦酒でフル充電して
早目に就寝  18:00


以下、山行記録です

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■ メンバー

藤本 ソロ (記)

■ 装備 (主な登攀具)

※ ソロシステム

ザック (60ℓ)
アックス × 2
ハーネス (シット・チェスト)
ダブルロープ  8.5㎜ × 50m
アイススクリュー
22㎝ × 1本  
17㎝ × 5本   
13㎝ × 2本
ハーケン × 1 
クイックドロー × 3
アルパインヌンチャク (60㎝ × 2、120㎝ × 2)
スリング 120㎝
マイクロトラクション
フィフィ
捨縄


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■ 行動詳細


12月28日

6:00 竹宇駒ケ岳神社 (770m) 入山 

黒戸尾根を登り小一時間で雪が出てきたので
チェーンアイゼンを装着
かなり頑張って軽量化したつもりだがザックが重い
(行動着以外で21㎏)

刃渡りの難所で景色が開ける

「富士山」と「北岳?」


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振返れば「八ヶ岳」がかっこ良い!


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黒戸山の巻道を進むと見えてしまった...


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10:00 五合目小屋跡 幕営地 (2,150m) 到着 
(CT: 5時間40・獲得標高差: + 1,380m)

ゆっくりとアプローチを満喫するつもりがいつもの
癖で足速になってしまった
お陰で腰がやられてかなり痛い
年末なので場所取り合戦を心配していたが
七丈小屋泊の人を含めても一番のりで到着

テントを設営して翌日の「黄蓮谷」までの下降路を
偵察に行く
往復3時間を計画していたが、100m程マーキング
しながら標高を下げ先の見通しがつきそうだった
ので引き返して2時間のお釣り

10数人程、通り過ぎて行ったが誰一人
クライミング目的の様な人はいなかった
テン場には誰も来ない、貸し切りだ
気温は氷点下のはずなのにポカポカ陽気で暑い
くらい、気がつけば2時間程も熟睡していた

実はこの山行、ソロである事には間違いはないが
少しだけ違う
同じ山岳会の仲間に事情があって転戦して
同ルートを同日に行く事になって計画が被った
その別パーティのリーダーには私のソロ計画を邪魔
しないのでと凄く気を遣って配慮して頂いた
いや、、、自分だけの山でもないし近くに
いるだけでも精神的には安心、また想定される
激ラッセルも別パーティであっても協力するもの
なのでソロには間違いない

その別パーティの到着予定時刻 16:00 を過ぎても
来ない、予定変更して来ないのか?
期待が不安になった瞬間に声が聞こえてきた!
少し会話を交え、夕飯は済ませていたので先に
就寝につく 18:00
テントの中で再確認をした

「あくまでもソロ...」


12月29日

3:00 起床 (-12℃)

風が強く厳しく冷え込んだ

ラッセルが厳しく頂上までは抜けられない
奥千丈ノ滝上部までは行けてもそこで敗退して
懸垂で同下降
六丈ノ沢をツボ足で数百メートルも上がるのかと
思うと恐ろしい
それに加えアプローチで痛めた腰が寝がえりを
うつ度に激痛がして目が覚めた

とは言え着々と準備をして戦闘モードに



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5:00 出発

五合目小屋跡の直下のコルから延びる五丈ノ沢を
辿り黄蓮谷 (千丈ノ滝上) を目指す
冬期 2,000mを超す標高のアルプスの山中
暗闇の道なき沢を数百メートルも降りるのは
気持ちの良いものではない


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数日前と思われる薄いトレースがあり助かった
獣の踏跡ではなさそうだ
大きな落差のある数滝も上手く左岸巻きで降りて
いた
釜へは細い枝を掴み下降する緊張の場面もあった


6:00 黄蓮谷出合 (1,720m) 
(獲得標高差: - 430m)
(甲斐駒ヶ岳山頂まで + 1,250m)

予定より1時間も早い

所々凍ってなくて水が流れているのが見える
靴を濡らすと即終了するので注意して渡渉
小滝を左右から巻き進む



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6:30 坊主ノ滝 (50m) 取付

何度も記録で見た滝だ
着いた時はまだ暗闇の中でヘッデンに照らされる
門番の様

2ピッチを想定していたが中段までは右から
上がれそうだったので急いでソロシステムの準備を
して取付いた
クライミングあるある
中段に乗越してから悪かった...
大きなスラブにベルグラすらなく雪が20㎝程
積もってるだけアックスがかからない
呼吸を整え、小さくても良いので信頼できる
岩の粒を探した
一瞬痺れたが少し左にトラバースすると雪が
締まっており一安心
振り返ると下に別パーティ(仲間) が追い付いてきた
少し水の流れる音がするがしっかり氷結した部位に
スクリューで支点を取り、ロープソロの体勢に
何度も練習してきたので迷いはなかった


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ランナーを1ヶ所取り、5m程の立った壁を
乗り換えた
ソロと言えどロープがあればフリーより遥かに安心

※ 左のロープは別パーティ


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傾斜が緩んできた上部に立木があったが50mロープ
では届かない
仕方がない、別パーティと混雑するが隣に支点を
構築した
ロープ半分の位置でFIXさせてスクリューを回収
しながら懸垂下降
残置したザックを担ぎマイクロトラクションで
再登攀 ソロの場合、1往復半を要する
先も長いしなるべくならロープを出したくはない
良く考えれば2本で懸垂しなくてもバーチカルでは
なかったので立木までロープを伸ばして1本で懸垂
しても良かった


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15m滝、その先の二俣を越して右俣に入る
(写真なし)

200m程ナメ滝が続くそうだが埋もれていた


8:30 奥千丈ノ滝 (1,980m) 取付

記録で読んだ階段状と言うほど優しくは
なかったが各々フリーで抜けて行く
但し滑り台の様なこの滝では滑落は許されない



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 ↓ 東北大学山岳部出身
   (最近までバリバリの現役)  ※ 会外
    この人かなり強そう!
   
もう一人も同山岳部出身
※ もっとヤバい人
 
    非常食に氷砂糖を1㎏も持って行くとか (笑)
    400 kcal / 100g
    4,000 kcal / 1㎏ (1袋)


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※ イメージ


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↓ ※ 奥千丈ノ滝の上部? 何処だろう
自然の造形美が美しい



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全行程を通して薄いトレースがついており雪は
締まっていた足首から時には膝下のツボ足
恐れていた激ラッセルはなかった



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奥ノ滝 手前の小滝
グレード感としたら奥千丈ノ滝同等
別パーティが少しトラブルを起こして渋滞して
いたので私は左の雪稜へ乗り上げたが坊主ノ滝
下段と同じでアックスがかからず気合で抜けた

ソロはギアが重たいので (言い訳) なかなか追い
付けなかったが
ここで漸く先頭に立ちトレースを少しだけ伸ばす
事ができた
若者には勝てん...



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奥ノ滝 (2P)

下段は左から
テラス?からが1P目だが遠目に見ても氷が薄そう
しかも傾斜は寝ているがレストできそうな所がない
上部2P目は左寄りが弱点ぽく見えた
ソロで行くには危険すぎるので右岸巻きで
ハイ松帯の尾根に乗り上げた



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落口のレベルまで上がったが再度本流の沢筋を
詰め上がる理由もないのでそのまま300m程左上
する事にした
稜線はかなりの強風に見えたので地獄装備に
チェンジ
程なくして一般登山道に出た

13:30 (2,870m)

視界はなく寒いが安全地帯
自然と笑みがこぼれる



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頂上まであと100mアップ
ここまで来て爆風で頂上に立てなければ悔いが残る
急げ

14:00 甲斐駒ヶ岳 (2,967m) 山頂

ついに達成!


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下山は可愛い雷鳥が先導してくれた



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15:30 七丈小屋

各々、ご褒美の缶ビールを買った
800 円 / 500 ml 値打ちがある!
ピオレドール賞を受賞した花谷さんとも話ができた



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16:30 五合目小屋跡 幕営地

まさかこの時期に頂上まで抜けてこの時間に
ベースに戻って来れるとは想像もしていなかった
時間が想定できたなら奥ノ滝を攻めても良かった
かな、今だから言えるけど (笑)
悶絶しながら1時間あたり標高100m上げて最長で
20時間行動をも覚悟していたのは事実
この結果は甲斐駒ヶ岳の神様が微笑んでくれたのと
何よりも仲間が近くにいた事につきる


そしてソロらしく一人テントで祝杯をあげた
「ククリ」と言うラム酒
これは先日までネパール遠征に行き
アマダブラムに登頂した信頼できる友人であり
ビレイパートナーからのお土産
達成できたらこの瞬間に開けようと持ってきた
ガラス瓶なので少々重たかったけど (笑)
最高に美味いよ!
ありがとう

19:00 就寝



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12月30日

5:00   起床 (-12℃)
     夜中はかなりの爆風
7:30   下山開始
10:30 竹宇駒ケ岳神社 (駐車地) 到着

※ 別パーティが1時間後にテン場を出発する時、
丁度あの「山野井さん」がアイスクライミングに
来られたらしい!
すれ違ったはずなのに気付かなかった...
あ~お会いしたかったな



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2022年も良い締めくくりとなった


※ 注意
本文は記憶が曖昧な為、ご注意ください


以上








Ama Dablam 11/16-22   吉澤

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4年前、剱岳で出会った友人にある山に誘われました。アマダブラム、ネパールのヒマラヤにある6856mの山で、垂壁の登攀があるため、クライミング の技術が必要で、エベレストより難易度は高いと記述される事もあります。


まず休みが取れないだろう、それに家族も許してくれないだろう。そもそもクライミング初心者の自分にそんな危険な山が登れるのか?

行けない理由はいくらでもありました。


でも何故か心に引っかかる、本当に行く事は不可能なんだろうか?調べる程にアマダブラムの姿に魅了されていき、この山は自分の人生の中で登らなくはいけない山だという気がしてきました。


アマダブラムを登る為には何をしたら良いか。会社への休暇申請、嫁さんの許可、遠征費の貯金、信頼できるガイドへの依頼、技術的なトレーニング、低酸素に対応する為のトレーニング、高所登山に必要なギヤの準備。

一つ一つクリアしていく事で、夢が現実味を帯びてきた矢先に、コロナが始まり2年間渡航すら出来ない状態となります。

そして私をその気にさせた友人は子供が産まれて呆気なくアマダブラムを諦めてしまい、私はソロで行く決断をします。


しかし私が幸運だったのは、山本美雪さんというエベレスト、ローツェ、マナスルを登頂しアマダブラムも登った事のある方が近くにいて、アドバイスを貰えた事と、優秀なガイド、Ashish Gurungを紹介してもらえた事でした。


そして私と同じように2年間コロナのせいでアマダブラムに登れなかった、手塚慧介君と、ネパールで日本語教師をしていた、清水玲子さんに出逢えた事です。


その出会いがなかったら、僕はアマダブラムに登頂出来ていなかったかもしれません。

色々な人との出会い、そして周りの人から沢山の応援をいただいたおかげでネパールに行く事ができました。


ネパールへの渡航期間は34日間、高度順応のため、ゴーキョリ、ロブチェ、ポカルデ、アイランドピークに登り、アマダブラムはワンプッシュで4日間で登頂でき、前後レストとプジャ(祈祷)の日も合わせベースのロッジの滞在が7日間でした。


前置きが長くなりましたが、以下山行記録です。


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装備及び使用ギヤ

前後ダウンスーツ(ヒマラヤンパーカー)

ハードシェル(コズミックパーカ)

ソフトシェル(ライトシェルパーカ)

インナー(トレールアクションパーカ)

高所登山靴(G2 SM)

アイゼン(バサック)

グローブ(ソロイスト)

サブグローブ(テムレス)

シェラフ(オーロラ)

スリーピングマット(アルパインパッド)

リュックサック(バリアント37)

ハーネス(クーロワール)

アッセンダー

セルフ用ロープ 10mm5m

管付きビナ2

アイススクリュー17cm一本

スリング60.120 各一

ゴーグル

サングラス

ヘルメット

ヘッドライト


ダウンスーツ、高所登山靴以外のほとんどのギヤが日本の雪山に行く時と同じで問題ありませんでした。色々無駄な物も持って行きましたが、一番助かったのはのど飴と龍角散ダイレクトで、乾燥していて砂埃も多い為、喉のケアが常に必要でした。


ガイド

リーダー Ashish Gurung

Sujan Gurung

Mandip Gurung

Dipan Gurung


ポーター

Rajin Rabik SummanLakshimi


今回若手ガイドの経験の為という事で日本人3人に対して4人のガイドがついてくれました。

それ以外にもポーターが23人ついてくれ3040kgはある我々の装備を担いでくれました。彼ら無しではこのエクスペディションの成功はあり得なく、感謝の気持ちしかありません。

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11/16 pangboche 3930m

パンボチェよりアマダブラムベースのロッジへ。アマダブラムBCへトレッキング

今回宿泊はロッジで快適でしたが、ベースキャンプも一つの村のようになっていて楽しそうでした。

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11/17 BC4600m

レスト日 アマダブラムロッジにてプジャ。

パンボチェのラマ(僧侶)にきてもらい安全祈願。想像していたよりも本格的で、午前中いっぱいくらいお経をあげていただきました。

午後からは緊急時の為の、酸素ボンベ使い方レクチャー。結局誰も使用せずに済みましたが、重たいのに持って上がってくれたガイドに感謝です。


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11/18 camp1 5795m

アマダブラムロッジよりキャンプ1

キャンプ1直下はガレた岩場ですが、それ以外は危険箇所は特にありません。比較的安定しているがキャンプ1も岩場に無理矢理作ったテン場の為、マットを敷いても大きな岩の突起が気になり熟睡できませんでした。

日本でのテント泊と同じように90cmのスリーピングマットと同じ長さのエアマットしか持っていかなかったのですが。ヒマラヤにはせめて150cmのフォームマットにすれば良かったと後悔です。

そして目の前に広がるアマダブラムの大パノラマでテンション上がって眠れないので、今回あまり活躍していないGoProのナイトラプラスで夜のアマダブラムを撮影しました。

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11/19 camp2 5980m

キャンプ1からキャンプ2

いよいよゴジラの背のような岩場を歩き、難所のイエロータワーへ。基本フィックスロープが張られている為、安全は確保されているのですが、切れかけているヤツもあるので一番信頼できそうなロープにアッセンダーをかけて登っていきます。

イエロータワーはフリーなら5.9くらいかと思いますが、高所登山靴をはいてグローブしていたらなかなか難しく、核心はアッセンダーを腕力で上げて抜けてしまいました。

それ以外の箇所は穂高や剱岳の鎖場とそんなに変わらない感じで高度感はありますが、ちゃんと探せばホールドもあるし足場もあります。

キャンプ2はほとんど平らな場所がなく、テントの1/4くらいは宙に浮いている状態。

スペースがないので仕方無いのですか、排泄物の匂いも酷く、心休まる場所とは言えませんでした。

この日の為に買い揃えたダウンスーツを着込み、夜の出発に備えて仮眠します。

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11/20

summit day 6856m

キャンプ2〜キャンプ3〜サミット〜キャンプ1

前日の22:00頃アイゼンを装着してキャンプ2を出発。暗くてあまり印象に残らなかったのですが、グレートクーロワールとマッシュルームリッジという難所も一歩ずつ確実に進んでいき、問題なく通過できました。

しかしロブチエ、アイランドピークでは感じなかった身体の倦怠感、前日あまりうまく眠れなかったせいもあり足取りも重く、眠い。そしてなんだか頭が痛く吐き気も少しする。これが高度障害か?

キャンプ3に、1:00頃辿り着き、風も強かった為3時間程待機。熟睡はできませんでさたが、身体を横に出来ただけでも少し体力を回復出来たと思います。

4:00頃、あまり風は弱まってはいないけれど再出発。風が強く寒い。ダウンスーツの下に薄いダウンパンツを履いて来なかった事を後悔。そして気分の悪さが改善した代わりに今度は睡魔が襲ってくる。5歩進む度に息を整える為に立ち止まらなくてはいけず、立ち止まると寝てしまいそうになる。

深呼吸を意識して積極的に酸素を吸い込んでも10歩も進めない。

ガイドのスーザンにピークはまだ?と3回目くらいに聞いた時、最後の緩い雪稜を登っている所でした。


6:45アマダブラムサミット

ピークに目印的な建造物はなく、雪に埋もれかけているタルチョが唯一の印で、そこまで登ってくると倒れ混み10分くらい寝てしまった。感動の前に疲労がピークに達し涙は出てきませんでした。

僕が起き上がるのを待っててくれたスーザンと抱き合い、写真を撮ったけれど、全然実感が湧かない。30分くらい待つとチームのメンバーが続々と上がって来て、健闘を讃えあいました。

今回初めてアマダブラムに登頂したマンディップの涙を見てようやく凍ってしまった僕の感情も溶けてきて目頭が熱くなる。

山頂には1時間くらいいて、GoProでもっと沢山の写真や動画を撮りたかったのですが、寒さと疲労でバッテリーを交換するのもめんどうで、少ししか撮影できませんでした。

下りはひたすらフィックスロープを懸垂下降。傾斜の緩い所はシェルパズラッペルというカラビナ2枚をぎゅっと握って抵抗をつくる下降方法で下山します。

疲れているけれど、ここにゆっくり休める場所はない為、早く降りなくてはいけません。

キャンプ2まで降りて来た時はよっぽど寝てしまいたかったのですが、ここにも食糧はデボしていない為、予備体力を完全に使い切ってキャンプ1へ。

陽が沈む前に辿り着きましたが、その日の行動時間は18時間にもなりました。

ネパールに来る前に、大峰奥崖道を寝ないで歩いたおかげで耐えられたかもしれません、大さんありがとう。

長い長い1日だった。アルファ米を流し込み熟睡。多少背中痛くても本当に疲れていたら眠れるものです。

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11/21キャンプ1よりベースロッジへ

C1から1時間もあるけば岩稜帯も終わり、歩き安い登山道に、ビクトリーロードです。

ロッジに着いたら早速サミットのお祝い。


サウニーが出してくれるヤクのステーキやチキンのチリソース炒めのような料理、どれも勝利の味がして美味しかった。

浴びるほど飲もうと思っていたビールは、胃が疲れているのかそんなに飲めず、念願のククリラムをゆっくりいただきました。

アルコールが入ると自然にダンスがはじまります、音楽に合わせてストーブの周りを延々と踊り歩く。山頂に立った時は感じなかった感情が溢れ出し、自然と涙がぼろぼろ出てくる。

達成感というは絶景を前にして感じるものじゃなく、暖かいストーブの前でビールを飲みながら感じる物のようです。

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11/22 1日レストし11/23下山開始

帰り道は高度を落として行くだけだからあっという間です。

予定していた5ピークの登山以外でも、ルクラやナムチェの街並みを歩くのはとても楽しかったし、エヴェレスト街道は非常に綺麗に整備されていて、ヒマラヤの高峰を沢山見る事もできたのでトレッキングだけでも十分に楽しむ事が出来るなと思いました。

毎日食べたダルバートも場所によって、おかずのタルカリにも個性があり、ダルスープの味も違っていて面白かったです。

そして今回記録には書けなかったのですが旅の途中までネパール人のRashila、Tilasha、Parshadとも一緒にトレッキングや登山をする事が出来て、色々な事を学ばせてもらいました。

初めてのネパールでこんなにもサティ(友達)が出来て本当にラッキーだったと思います。

次に来る時はもう少しネパール語を勉強していけば、もっとコミュニケーションが楽しめるのかなと思います。


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さぁ次はどの山に登ろうかな?カッコいい山を沢山見過ぎて、なかなか次の目標が定まりませんが、また面白い事したいと思います。

長い文章を最後まで読んでいただきありがとうございました!











2022.12.11 峰の松目沢(F2まで)

2022.12.11 八ヶ岳 峰の松目沢 南東沢 F2 の記録

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こんばんは、岩瀬た です。
御嶽の次の日は八ヶ岳に移動して峰の松目沢に行きました。
御嶽からの移動に時間がかかったのもあって普通に疲れていたことと、思いのほか人が入っていて順番待ちが長そうというのもあったので早々にトップアウトは辞めてF2で遊びました。
記録というほどの記録ではありませんが、以下山行記録です。

---------------------------------------------

◎メンバー
谷川
長野
小林
岩瀬た

◎行程概要
5:40 八ヶ岳山荘 駐車地 出発
6:20 美濃戸山荘
7:45 峰の松目沢出合手前 準備
8:50 F2
11:30 下山開始
13:20 美濃戸山荘
14:00 八ヶ岳山荘 駐車地


◎行程詳細
御嶽からの道のりは結構長かった。
道中、ハルピンラーメン本店で夜ご飯を食べて、真夜中に八ヶ岳山荘に着。
仮眠室にて寝る。1人2000円。快適だ。初めて仮眠室利用したが、これは今後も使おうと思う。
4:30に起床して5:30頃出発。
休憩を挟みつつえっちらおっちら歩いて8時ごろに峰の松目沢出合に到着。
少し歩いて早速F1に10人ほど人がいた。あらら結構混んでるなぁと思いつつ、結氷はしてることを嬉しく思う。

先行パーティーが抜けるのを少し待って、ロープ出して登るか迷った結果、出さずに各々フリーで適当に越える。
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F2でも順番待ちに。ぼちぼち凍っていたので、ここにトップロープを張ってクライミング練習とする。

谷川くんは右側から、僕は左側から登る。
落口あたりは結氷が弱く、スクリューを打っても意味ない感じだった。

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ごくごく短いバーチカル部分や、ハングを登ってみたり。
谷川くんが「アックスが3ミリ刺さればガバ」と友人なのか師匠なのかからの受け売り格言を言い放ったので、それを信じてベルグラに引っ掛けてハングを乗っこす練習などしてみました。
リードでハングに突っ込むようなことは僕にはできない気がするけれど、ベルグラを登る機会はやがてやってくるだろうから、その時のために少し真面目に練習をした。

各々2、3本登って、今日は早く帰りましょうということでササっと降りる。

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14時、八ヶ岳山荘にて駐車場代を払うと、コーヒー無料券を人数分もらった。
駐車場代が800円で、コーヒーは1杯500円なので、儲けた。感動。
美味しいコーヒーだった。

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以上山行記録です。
エリアの違うところに移動して登るのは結構大変だな!と思った1日でした。
峰の松目沢はまた改めて登りにこようと思います。

2日間、めちゃめちゃ登ったというわけではないけれど、結構筋肉痛です。良いアイス初めでした。

谷川くん、2日間の計画ありがとうございました!!



2022.12.10 御嶽山 幻の大滝

2022.12.10 御嶽山 幻の大滝 の記録

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こんにちは、岩瀬た です。
先週は冬初めでしたが、今回はアイス初めに御嶽に行ってきました。
1日目は御嶽で、2日目は八ヶ岳という日帰り2連続の計画の1日目。
御嶽は天気が良く風も強くなく、the dayのクライミングとなり、大変気持ちよかったです。

以下、山行記録です。

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◎メンバー
谷川
長野
小林
岩瀬た


◎行程概要
7:30 濁河温泉 駐車地 出発
10:30 飛騨頂上 到着、休憩、準備
12:00 幻の大滝 取り付き
15:00 幻の大滝 上
15:30 飛騨頂上 下山開始
17:30 駐車地


◎行程詳細
とある日、谷川くんが「御嶽でアイスできるらしい」と言うので調べてみると 幻の大滝 というたいそうな名前の滝がヒットした。
御嶽の四ノ池から落ちる滝。
Ⅲ〜Ⅳ級程度で、シーズン初っ端のアイスにはピッタリな感じだ。
今年は例年よりも冷え込むのが1週間程度遅く、どんな状況かなぁと思う。
長野さんに車を出してもらい、男4人でどこの学生山岳部かという感じのギュウギュウ具合。荷物と人を合わせてギリギリジャストフィット。登山口の濁河温泉までひた走る。
運転交代しながら、意外によく眠れた。ジャストフィットがベリーグッド。

僕は御嶽山に登るのは初めて。
アプローチからしばらくは硫黄の匂いが立ち込めて、温泉入りたいなぁなどと思いながら、ワクワクしつつ登る。
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(良い天気!)

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(五ノ池と御嶽)

樹林帯を抜けて、気持ちの良い稜線の小屋でクライミング装備を整えて、四ノ池から落ちる滝の左岸をハイマツ漕ぎを交えつつ歩いて降りていき、滝の基部にピッタリ到着。
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(幻の大滝全景)

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(滝の基部)

滝は3段になっていて、傾斜は緩いが結構大きい。
日が当たる部分はまだ氷が薄そうだが、日陰部分はプロテクションもしっかりとれそう。良い感じだ。
4人なので2パーティに分かれる。
谷川長野ペアと岩瀬た小林ペアだ。

小林くんは最近山岳会に入ってきて、駒形岩や名張で一緒にフリーをしたが、プロミネンスをオンサイトするという実力の持ち主。アイスの経験はまだそんなにないようだったので、僕が教えられるようなことは少ないけれど、これまで僕が教えてもらったことや経験を伝えつつ登ることにする。

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(基部から1段目までは各々フリーで。)

先行して1段目の右側を谷川長野ペアが登り始める。
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(1段目を登る谷川くん)

僕と小林くんは左側を登ることにする。
1ピッチ目は僕がリードする。
短いバーチカルを含んだピッチで、昨シーズンのことを思い出しながらの爽快なピッチだった。10mほどのクライミングの後、緩傾斜を40mほどロープを伸ばして2段目の基部から少し離れた左側でピッチを切る。
小林くんも問題無くフォロー。
登ってる途中、左岸から結構大きめの石ころが取り付き手前の滝の基部にたびたびゴロゴロ落ちていっていた。30分ほど準備が遅れてたら直撃してたかもしれないので、季節の変わり目は要注意だなと気も引き締まる。


2ピッチ目は10mほどの階段状。
バーチカルがサクッと抜けれたしリードしてみてもいいんじゃないかなと思い、小林くんにリードやってみるか聞いてみるとやるというので、スクリューの打ち方やアックスの振り方、蹴り込み方、終了点の作り方を再確認して、登るラインを確認して、絶対落ちないでなと声をかけて見送る。
2段目の基部までのトラバースをこなし、滝に取り付く。確実に登りながらいい感じでスルスルとロープを伸ばして見えなくなって、ビレイ解除のコール。
ばっちり。
山はやっぱりツルベが良い。
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(登るラインを見極める小林くん)

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(2段目をリードする小林くん)

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(長谷川長野ペアは2段目長野さんリード その1)

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(長谷川長野ペアは2段目長野さんリード その2)


3ピッチ目も10m程度の階段状で、僕がいかせてもらう。
谷川長野ペアは先にトップアウトしていて、落口にて合流。立木の終了点を貸してもらう。
ほどなくして小林くんもあがってきて幻の大滝のクライミング終了!万歳!
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(3段目リード岩瀬た)

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(トップアウト!)


景色も良く、非常に気持ちの良いクライミングでした。

飛騨頂上の小屋まで戻ってギアを整理して下山開始。
久しぶりのアイスで疲れたのか、登ってきた時よりもやたら長く感じながら駐車地まで。

下山完了。
---------------------------------------------

以上、山行記録でした。

気持ちよかったなぁの一言に尽きる、楽しい1日を過ごすことができました。
今年の冬も良く冷えて欲しい!と切に思います!



2022.12.3-4 大同心南稜

2022.12.3-4 八ヶ岳 大同心南稜 の記録

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こんにちは、岩瀬た、です。

冬初めに八ヶ岳の大同心南稜に行ってきました。
雪は全くついておらず、最終ピッチのドームは風が強くて吹っ飛ばされるかと思いましたが、良い練習になったと思います。

以下、山行記録です。

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◎メンバー
岩瀬た
OKD
谷川


◎行程概要
・12/3
6:00 やまのこ村 駐車場 出発
7:30 赤岳鉱泉 テント設営
8:30 出発
10:00 大同心南稜 取付
10:30 1ピッチ目終了
11:20 2ピッチ目終了
11:30 3ピッチ目終了
14:00 コルから下降開始
14:30 大同心南稜取付
15:45 赤岳鉱泉 テント泊

・12/4
散歩して下山


◎行程詳細
・12/3
6時に駐車地を出発して、赤岳鉱泉でテント設営&休憩。
しばし休憩したのちに大同心稜を歩く。雪は無し。
10時に大同心南稜の取り付きに到着。壁に雪無し。風強い。

1ピッチ目は谷川くんリード。
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(谷川くんリード)

以前に来たことがあるらしい。40mほどロープを伸ばしてなんなく抜けて、セカンドOKDさん、同時登攀でサード岩瀬た。
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(セカンドOKD)

ビレイ点に着く直前に、ビレイ点から何かが落ちてきて、痛くはないが直撃し、「なんか落ちてきたでー!気をつけてよー!」と声かける。
後に、この落下物が谷川くんのスマホだとわかる。

2ピッチ目はOKDさんリード。
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(OKDリード)

スルスル登って行って20mほどでピッチを切る。セカンド岩瀬た、サード谷川。ここも快適なクライミング。だがしかし風が強い。

3ピッチはドームの基部までのトラバースで、引き続きOKDさんに先行してもらう。
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(基部までトラバース)

ドームの基部で少し休憩して、先ほどの落下物が谷川くんのスマホだったことがわかり、落胆する。落とし物は悲しい。帰りに探してみることにする。

気を取り直してドームのクライミング開始。リード岩瀬た。
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(1つめのハング)

Ⅳ級A1のルートだが、あわよくばフリーで抜けてやろうと思いながらトライ。雪や氷は全くついていなく、アイゼンアックスでのフリークライミングの様相。
1つ目のハングは乗っこせたが、その後はテンテンになり、結局スリングあぶみ。
風で吹っ飛ばされそうになって壁にしがみつくので精一杯。ムーブどころじゃないようなクライミングとなってしまった。
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(ロープが風で煽られる煽られる)

スリングあぶみに乗り込んだら風に煽られて「ありゃー」とブラブラ振られてしまった。
這々の態で終了点に着き、セカンドのOKDさんを迎え、そしてサード谷川くんを迎える。
なんと谷川くんエイドせずにフリーで抜けてきた。結構悪かったと思うけど、すごいなー!!

大同心の頭で記念撮影などして、コルから下降。
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(大同心の頭にて。記念撮影。)

僕は先行して懸垂下降で降りたけど、結果的に懸垂せずとも降りれそうだったのでOKDさんと谷川くんは歩いて降りてきました。

南稜の取付あたりで谷川くんのスマホを探す。
なかなか厳しいだろうなぁと思っていたら、漢の中の漢OKDさんが鷹のような目であたりを一瞥し、「あった」と見つける。流石である。
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(スマホ発見)

無事スマホ見つかって(電源が入らなかったけれど、、、)、最終ピッチをどうやってフリーで抜けたのかなど話したりしながら赤岳鉱泉まで降りて、宴会。
カレー鍋とカレーチーズリゾット。カレチーだ。美味しい。肉無かったけど。肉忘れても美味しいのがカレチーの良いところだ!谷川くん準備ありがとう。
良い感じに楽しく酔っ払って就寝。


・12/4
4時に起床して味噌チーズラーメン。ミソチーだ。ウィンナー入り。ばっちりだぜ。
今日は小同心クラックに行こうと、昨日と同じ大同心稜を登るが、道を間違えて変なところから大同心稜に上がる。藪漕ぎやグラの隙間を登ったりして結構時間ロス。
OKDさんもペース上がらないようだったので、まぁ久しぶりの山だしなということで、残念だが小同心はとりやめにしてスゴスゴとテントまで戻ってきて赤岳鉱泉の自炊室でヌクヌクとコーヒー飲んだりして団欒。
小屋の掃除の時間になったので、テントを片付けて下山。

今回、日陰以外は雪は無かったが、聞こえてくる話を聞くに、氷はボチボチ張ってきているよう。来週も来る予定なので楽しみだ。

駐車地に着き、J&Nで風呂&お昼ご飯して帰路につきました。

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以上、山行記録でした。

この秋、名張でクラッククライミングを頑張っていて、少し成果も出たので山で活かせるかと楽しみにしていましたが、ハングの乗越がうまくできなかったことに加えて思わぬ強風にも太刀打ちできず、必死のパッチで登り切るという結果になってしまって少し残念。かっこよくフリーで抜けたかったなぁ!
強風にさらされる中でクライミングする良い経験になりました。
雪がついてたらもっと悪いだろうと思うので、また来て登りたいです。次は雲稜ルートで上がってみようかな?

さて冬が始まるので、体力トレーニングやアックス素振り筋トレなどもちゃんとして、今シーズンも良い山を登りたいです!!




Mt.Rainier Disappointment Cleaver

2022.08.19 - 20

ヨセミテに別れを告げて次に向かうは北へ1400km。カナダ国境に近いレーニア山へと向かう。

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果てしないアメリカの大地。照りつける太陽。
寄り道しながら徐々に北へ北へと走ること4日。8月18日、いよいよマウントレーニア国立公園に入る。

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この日はレンジャーステーションで入山許可を得たり、買い出しをしたりと諸々の準備を済ませ、近くのキャンプ場で早めの眠りにつく。夜の森で銃声が鳴り響くのもこの国ではよくあることだ。

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翌朝8時半にParadiseの駐車場から山へ向かって歩き出す。
山へと続く階段にはジョン・ミューアの残した格言が。

“...the most luxuriant and the most extravagantly beautiful of all alpine gardens I ever behold in all my mountain-top wanderings."
「これまでの私の冒険の中で、最も豊かで飛びっきり美しい 高山の庭園である...」
なんてワクワクする言葉なのだろう。

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道中にはたくさんの動物がいる。ライチョウにジリス、 シカにマーモット。
確かにここには高山のパラダイスがある!

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最後の小川で水を補給するとそこから先は長い長い雪の斜面がつづく。
まだ曇りでよかった。日が差していたらレジ横のファミチキみたいになっていたかも。

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13時、Camp Muirに到着。
氷河の端っこにテントを張ってほっと一息。
最近のOURブームであるツナマヨサンドを頬張ってお昼寝ターイムZZZ

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目が覚めると日は西の空へと傾き始めていた。どうやら数時間は寝ていたようだ。
NPSのレンジャーが登山許可の確認にやって来た。テントまで一度来てくれたらしいが昼寝していたのでソッとしておいてくれたそうだ、ありがたや。
明日の天気やクレバスの状況も丁寧に教えてくれる。なんて親切なんだろう。

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夕飯はインスタントのカトマンズカレー。 林プロはこの1ヶ月で完璧な湯量を体得したそうだ。
20時就寝。

0時45分起床。周りのテントが騒がしくてその前から何度も目が覚めてしまう。
テン場で静かにする。シンプルなことだけど、これが徹底されてる日本ってほんとに素晴らしい。。。

朝食はいつものオートミールをココアで流し込む。JMT中はこれでスイッチが入った、と林さんのパートナーが話していたけど、いつしか僕の体もそうなっていたようだ。やる気がどんどん湧いてくる。

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2時。テントを出ていざサミットプッシュ。
テン場を出るとすぐにヒドゥンクレバスが何本も走っている。久しぶりの氷河だが、歩き出せばシャモニー仕込みの氷河の歩き方が蘇ってくる。どこを見るのか、何を気をつけるのか。大切なのは観察力と直観、そしてスピード。フランスの氷河で叱られ続けたことも今では大切な経験だ。

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 氷河をトラバースして尾根を乗っ越し、また氷河を登る。テントが何張りか張ってある場所を越えると斜度が増してアイスフォールを抜けるトラバース。頭上に迫っているのは一軒家ほどの大きさがあるセラック。これらは常にゆっくりと動いていて、その僅かな動きも見逃してはならない。急足で進みながら、セラックの形を頭に叩き込みながら、クレバスを飛び越えながら。この忙しさ、これこそが氷河歩きの面白さだ。しばらく岩のリッジを登ると今度は上部の氷河に出る。ここから斜度はさらにキツくなるが、これを越えればサミットだ。徐々に風とガスが出てくるが、トレースはしっかりしているので安心。

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途中クレバスを渡る渋滞もあったが、7時に山頂付近に到達した。ホワイトアウトの為、本来の山頂へ向かうのは危険と判断。早々に下りに取り掛かる。

団体登山のグループがクレバスの通過に時間がかかってなかなか進まない。普通は後続に道を譲るだとか、一声かけるとかするもんだと思うが団体を率いるガイドはなんの配慮もない。それどころかクライアントに指示を出すこともない。なんのためのガイドであろうか。ロープをつけて後を追うだけなど赤子でも出来る。
「なぜロープを結び合うのか」かつて僕に沢山のことを与えてくれた師匠の言葉が頭によぎった。
シンプルだけど安全のために本当に必要な問いだ。

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しばらく降りるとガスは次第に取れてきた。見上げると凄い勢いで山の上を雲が流れてゆく。 危ない雲だが、なんて美しい雲なんだろう。クレバスも、セラックも、言葉が出ないほど美しい。危ないけれど、僕は氷河という場所が大好きだ。

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Camp Muirには11時着。テントを撤収してきた道を引き返す。

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 頑張ってシリセードを試みるもうまく滑れず。結局走る。

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14時半、駐車場着。

久しぶりの氷河の山でなんだかすっごく懐かしい気持ちになれた良い山でした。また来年登りに来たいな、渋滞は勘弁だけど。
途中いろんな中古ギアショップで装備を揃えてまで一緒に登ってくれた林さんに感謝です♪

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下山後はシアトルの街で海鮮を食う。
テーブルの上でカニを叩き割って食べる豪快な食事。危うく脳みそがスパークするところでした。

そしていよいよ最後の山、Grand Tetonを目指します。 

Yosemite Climbing HigherCathdralSpire-Regularroute5.9

2022.08.14

ヨセミテで過ごす最終日をどこを登ろうかとパートナーの石橋君と考えていた。

いろいろな文献や口コミがある中で、ベストな選択をしたい。という思いもあった。

その中で、MiddleCathdralRockを登った時に見えた尖った岩塔が気になっていたため、そのことについて調べることにした。

調べていくと、面白いことがわかってきた。

それは、ヨセミテで一番最初に登られたエイドルートであったということだ。

ヨセミテのクライミング史におけるファーストオリジンともいえるものに出会えた。

候補となるルートもあったが、僕らにとっては、このルートを選択することに迷う余地もなかった。

以下、山行記録。

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4:45 起床
カラフルなシリアルを温めたアーモンドミルクと一緒に食べてみた。やはり、カラフルなシリアルは、あんまり口に合わない。温かいココアでお口直し。

5:30 Camp4出発
テントを撤収し出発する

6:00 駐車地
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アプローチはおよそ60~90分。
踏み後のようなものもあったが、ガリーや、藪もでてきて、はっきりしたアプローチは分からなかった。が、見えている特徴的な岩塔に向かって突き進むのみ!
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7:20 とりつき
ひたすらに突き進むこと80分で無事にアプローチを完了。蚊の大群に出くわして精神的に疲れたが、すぐに登る準備。
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7:30 1P 5.5 林
スラブから凹角に入る。ハンドジャムがよく効く。
立木でピッチを切る。
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7:50 2P 5.9+ 石橋
凹角沿いに残置のピトンが連打されている(歴史を感じる)。抜け口がかなり悪い。どこが5.9やねんと思う程に悪い。抜け口にある残置のDMMナッツを使いエイドで抜ける。右の終了点にかけたが、左側にトラバースした場所にかけると継続しやすかったかもしれない。
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9:35 3P 5.7 林
左へトラバースし、左上しながら回り込むとチムニーがある。チムニー内は快適。乗っ越すと、広いテラスに立木があり、そこでピッチをきる。立木に蟻が群がっていた。石橋くんも余裕で上がってくる。
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10:20 4P 5.9 石橋
左上しつつ登っていくが、そのまま左上するオリジナルルートはライン不明瞭。
登りやすそうなバリエーションで抜ける。結果的に5P目に継続しやすいラインどりだった。
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11:00 5P 5.9 林
クラックを直上して、左にトラバースするフェイス。足がきれて落ちそうになるが耐える。
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11:30 TopOut
エルキャピタンを眺めつつ、写真撮影。適度な疲労感。
頂上においてあったSummit Memoに登頂記録を残す。

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12:15 下山開始
谷風が吹いて、ロープが流される。
あー流されたなー。と思いつつ、岩塔の影が谷に転写されて綺麗だった。
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3回の懸垂下降でとりつきに到着。

13:15  取りつき到着
14:00  駐車地到着 
振り返るとHigherCathdralSpire(中央岩塔2つの右側)が見えた。
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◎ギア
ダブルロープ60m×2
ナッツ、トライカム1セット
カム #0.4-2 2セット、#1のみ×3
スリング多め


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最初は、何気なくみえた景色の一部だったが、HigherCathdralSpireは純粋に心に残る姿だった。

当時の人がどんな思いでこのルートを登ったのかは知る由もないが、純粋に「登りたい!」という思いだけでもシンクロしていたことに関しては、クライマーとして誇らしく思えた。

コロナのこともあり、3年越しでヨセミテ入りを果たしたが、仕事を辞めてからでないと行くことができなかった僕にとっては、結構ハードルの高い山行であった。

それでも、その価値があったと思える経験と思考の変化を与えてくれた自然や文化に感謝したい。

また行きます!

みなさんも是非行ってみてください!

クライマー天国は、YOSEMITEにあり!

Yosemite climbing HalfDome SnakeDike 5.7R

2022.08.11‐12

前日にNutCrackerを午前中に終わらせて、昼からハーフドーム ビックウォールの許可証を取得するためにウィルダネスセンターに行った。

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センターにつくと、ID確認、ベア缶の携帯についての質問だけがあり、特に支払いなどはなかった。
その後、ギアの整理をして、17:30にHappyIslesから入山し、19:30 LittleYosemiteValleyまであがった。

HappyIslesは、JMTのスタート地点であり、JMTを出発まで何日間も過ごしたキャンプ地に1か月後に再度戻ってくるとは思わなかったため、生意気にも古巣に戻ってきたという感じがしてならなかった。
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あそこを登るのかと気持ちが高鳴る。

夕食でクスクス、ココア、ウイスキーを飲む。
翌朝の水分を確保するために川に水を汲みに行って、就寝。


3:15 起床

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3:50 出発

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6:15 とりつき到着
先行パーティがいたので、しばらく準備をしながら待つ。
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6:30 1P 5.7 40m 林
快適なフェイス、フレークガバのクラックを直上
アンダーガバのクラックを左にトラバースすると、真っすぐに伸びたクラックに導かれるように登る。
終了点は足元のクラックでセットしたが、割と近くにしっかりした終了点が設置してあった。

7:30 2P 5.7 B1 20m 石橋
右へトラバースしていくと、フェイスに入るところで、支点がとれないためか、1本だけボルトがあった。
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7:50 3P 5.7R 50m 林

手のないスラブを左へトラバース。グレードが辛すぎる。緊張感のあるピッチであった。
その後、ダイクに入っていくと快適になるがランナウトがすごい。
途中の終了点は無視して中間支点として使い高度を延ばす。

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8:30 4P 5.4R 50m 石橋
ダイクを快適に登っていくが、50m登って中間支点は1本のみ。
最大で25mのランナウト。こりゃすごいな。

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9:00 5P 5.4R 50m 林
50mボルトなしだが、ダイクの小さく盛り上がった形状の岩にスリングを巻いて登っていく。
支点のとらせ方がおもしろい。どこでピッチをきるか迷った。
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9:40 6P 5.4R 50m 石橋
途中の終了点を中間支点替わりに1本とって、相変わらず25mおきのランナウト。

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10:20 7P 20m 林
フレークを右上し、そのまま右にトラバース
1番カムをきめてフレーク左のダイクに移動して、ダイクに沿って登る。
終了点はないためカムできめる。
トポと形状が異なるが、そこでピッチをきる。

11:15 8P 25m 石橋
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アンダークラックを使って左へトラバース。
そこから凹角に伸びるフレークに沿って登る。

11:50 9P 55m 林
faceがねてきて快適。重なるように大岩がいくつもある。途中には身長の高さ以上の大溝もあり、大溝に降りて、上がる場所もあった。探検をしているみたいなルート。おもしろい。もはやどこでピッチをきるか迷う。
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12:20 10P 55m石橋
そろそろロープをまとめるか迷う。立ち木がある場所までは伸ばすことにした。
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12:40 11P 50m林
立木を越えた辺りでピッチをきる。ほぼ歩き。

12:50 3rd class slab
トポ上で1000ft(300m程)をクライミングシューズで登る。
ここが一番しんどい。
割と近くで山火事が起きていた。怖い、怖い。
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13:10 TopOut
無事にトップアウトする。観光客からねぎらいの言葉をもらう。
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山頂で記念撮影して、小休憩して、下山はケーブルトレイルを降りる。

15:20 Little Yosemite Valley着
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15:30 川で水浴び、昼食、昼寝

17:00 Little Yosemite Valley発

19:30 Happy Iles駐車地着

20:00 CurryVillege [TheDeck]
どうしてもピザが食べたくて、薄暗くなる頃にカリービレッジに到着。
ヨセミテのピザ専門店!!
そこで注文したのは、「ハーフドームのラージサイズ」!!
最高の日に、最高の食事をくらう!
コーラとアイスを食べる。
これを食べるまでがハーフドーム!!
このハーフドームは、結構しんどかった。二人で食べるには、でかすぎた。
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21:30 Camp4 就寝
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●ギア
カム1セット(0.5~2番)
クイックドロー5本
スリング多め

登るまではカム1セットで足りるんかな?と半信半疑だったが、
登ってみて、とれる場所がないから持って行っても仕方がない。
ランナウトを楽しんで登るくらいイかれたモチベーションで登ってください。笑




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