mt.kinabalu


こんにちは。林です。

今回は、マレーシアにあるキナバル山に登ってきました。初めての海外登山、初めての4000m峰ということもあり、ネットや口コミを参考に手軽に?登れる山として選考しました。

9月初旬に肺炎で寝込んでいたこともあり初めての高度障害に悩まされましたが、無事に登頂して帰ってくることができた。


以下、山行記録参照。

 

◎メンバー 林、芦田、若林(会外友人)

 

◎行程概要(2019.9.169.20

Day1

関空よりクアラルンプール経由でコタキナバル空港へ

コタキナバル市街地散策後、ホテル泊

 

Day2

5:30 起床

6:30  タクシー移動

8:00 パークヘッドクォーター着、ID・メディカルチェック後、登山口へ移動

8:50 ティンポホンゲート(1866m)着、申請後、入山

11:30 ラヤンラヤン(2702m)で昼食

13:30 ラバンラタ(3272m)小屋到着,フリータイム

16:30 夕食

20:00 就寝

 

Day3

2:00 起床・朝食①

2:40  ラバンラタ小屋出発(3272m)

5:03 ローズピーク(4095m)登頂、ご来光待ち

6:00 下山開始

7:40  ラバンラタ小屋(3272m)帰着、朝食②、休憩

9:00 ラバンラタより下山開始

11:10 ティンポホンゲート着

11:30 パークヘッドクォーター着 登頂証明交付

12:00 昼食

13:00 コタキナバル市街地へタクシー移動

14:40 ホテル着、休憩後街中散策

19:00 夕食、ナイトマーケット散策

 

Day4

コタキナバル発、クアラルンプール、台湾桃園空港経由で関空へ

 コタキナバル市内前泊入山

 

◎山行詳細(2019.09.1819

 

キナバルDay1 (2019.09.18

 

6:30コタキナバル市街地よりタクシーでホテル前に迎え

ドライバーは1時間45分くらいで着くよ。と笑顔で話し、ぼくらはハイエースに乗車した。

ハイエースには、僕らのほかに日本人2人が乗車。

海沿いや、朝日に照らされたモスクを眺めながら快適に進んでいく。徐々に建物も少なくなり、郊外にでるとドライバーが豹変したようなあおり運転を繰り広げ、囚われたアジア人の気持ちとなり、震えたが、無事にパークヘッドクォーターにつくことができた。

IMG_6480
IMG_6482

 

8:00 パークヘッドクォーターで入山チェック。

名前、パスポートNo、緊急時連絡先、体調についての確認事項を記載して、入山許可のIDカードを交付される。ここで、今回の同行してくれるガイドとご対面となる(キナバル山はガイド登山が絶対条件)。彼はラシュスといい、1週間に2回のキナバルガイドをこなし7年目の大ベテラン。初の海外登山では安心感しかない。ただ、彼の服装は、Tシャツ、短パン、ワーク〇ンで売っていそうな靴に、ピンクのナップサック。昨日、コタキナバルにも似たような人がいたな。一抹の不安をかかえながら、登山口へ向かうタクシーへ乗車。


IMG_6492
IMG_6496





8:50 タクシーに揺られること15分ほどでティンポホンゲート(1866m)へ到着。ガイドよりルート説明があり、登山者リストへサインして入山。

IMG_6498
IMG_6501

 

登山道は整備されており、枕木が組まれた階段と土道で快適。

道標・休憩地点は約1km0.5km毎に設置されており、立派な東屋に水洗トイレ、ゴミ箱。

レストポイントとなるところには、リスがよってきて、食料を狙っている。

IMG_6508

 

9:20 登山はじめは、曇ってみえなかったキナバルの岩壁を目視。その後、再度樹林帯へ。

 

樹林帯の中は、風は吹かなくても案外涼しく、速乾素材の長袖に長ズボン程度で十分であった。

ラシュスは半そで・半ズボンにピンクのナップサックで快適そうだ。

途中、日本人男性とすれ違い、「山頂は寒かったけど、景色がよくて綺麗でした!頑張って!」と激励され、さわやかな笑顔に鼓舞された。

 
IMG_6530

IMG_6515



11:30ラヤンラヤン(2702m)で昼食

蒸し野菜、炭焼きもも肉、ゆで卵、パン、リンゴ、行動食

ガイドより昼食を早く食べてと、なぜか急かされる。。

 

考えうる理由:

  山行時間短縮

  ぼーっとしていると、飯をリスに奪われるため?

→芦田さんはリスに行動食の襲撃を受ける。

  早く、小屋で寝たい。→途中でよく寝ていた。

IMG_6525

 

1200ラヤンラヤンを過ぎると、土道と枕木階段が減り、歩きやすい花崗岩に変化していく。

 

標高2500mを過ぎても森林限界に入ることなく、サヤサヤの木や日本では見たことがない名前がわからない熱帯植物も豊富にみとめた。あとで他の登山者に聞くと、ウツボカズラ(ビーナス フライ トラップ)もちょこちょこあったようであるが、確認できず。

IMG_6537

 

12:30キナバルの岩壁が近くに。ローズピークは明日以降にしかみられない位置にあるとのこと。

このころ(標高2800m前後)、人生初の高山病の頭痛と、肺炎をみとめていた部位(右中肺野)の疼痛が出現してきた。山小屋まで残り1時間ほどであったことと、食事・水分摂取は十分に可能な状態であったため、登山を継続した。

IMG_6516

 

13:30休憩:7回(小休憩6回、昼食休憩1回)を経て、ラバンラタ(3272m)小屋到着しチェックイン。

ラシュスより夕食、就寝時間、明日の行動について説明があり、フリータイム。

 

詳しい山小屋の特徴は後述。

ぼくらが泊まった部屋は2段ベッドが2組あり4人部屋でした。

あと一人同室者がいると聞いていたので、どんな人かと3人で想像しながら過ごしていると、まさかの日本人!そして、若くて美人な女性で単独行。

後に分かった事実で、最年少7大陸最高峰制覇した南谷真鈴さんでした。

はじめての海外登山で、偉大な人物に会えたことに素直にうれしかった。
IMG_6702
IMG_6551
IMG_6542


 

14:20 部屋で荷物整理と着替えを済ませて、小屋周辺を散策。インスタ映えを狙って、写真を撮りまくる。

小屋に戻って、日の当たる食堂にはテラスも併設されており、雲海と夕日をみながら、ビール(3人で1缶)とおつまみで乾杯。控え目な言葉で表現すると最高でした。

 

そのころ芦田さんが、ずーやんは時差ボケで眠そうだと言っていた。もともと眠そうな顔のため、たいして変わらないようにも思う。林は動くとすぐに息があがって、軽い頭痛がしていた。

IMG_6707
IMG_6663


 

16:30夕食 ビュッフェスタイル

肺炎で寝込んでいる間、アマゾンプライムで多くの山岳映画をみた(春を背負って、劔岳 点の記、メルー、クライマーパタゴニアの彼方へなど)。その中で、映画「岳」の島崎三歩は「大盛りのスパゲッティを食べていてよかった」と話していた。そのおかげで人を背負って降りることができたと。僕は人を救ったりしないけど、自分の体調を悪くしないためには飯をくうことが大事と思って、死ぬほど食べた。ということもあるが、シンプルに山小屋の飯がうますぎた。


IMG_6553


20時就寝

寝る前に南谷さんの人生史とデナリ登頂についてのリアルな話を聞くことができた。

消灯後、みんなの寝息を聞きながら僕はほぼ寝ることができなかった。

高山病の指標には睡眠障害もある(日本では除外されている)。安静にしているにも関わらず、頻脈だ。

僕は、明日無事に登頂できるのか、みんなに迷惑をかけるぐらいならここにとどまろうとも考えていた。

後々、振り返って考えてみると、夕食で食べ過ぎた影響で頻脈となって、それが気になって眠れなかったのかもしれない。

高所環境で、スパイスや食べ過ぎは、あんまりよくないのかもしれない。単細胞であったことを反省した。

 

山行時間4h30m、獲得標高1406m、距離6km

 

 

 

 

キナバルday2 (2019.09.19)

 

トイレや外に風を浴びに行ったりしながら、結局ほとんど眠れず。

夜中、外で一緒に過ごしてくれた若林くんが「のぼりましょう。」と言ってくれた言葉には励まされた。

ただ、その前にいろいろといい話をしてくれていたような気がするが、あまり覚えていない。

 

2:00起床・朝食

15分で朝食をすませろとガイドより説明があったが、うますぎるビュッフェのせいで、10分程時間オーバー。

ガイドは笑顔であったが、たぶん呆れていたと思う。

あんまり眠れなかった割には、体調はいい。

 

ラシュスの恰好が、見違えるような姿になっていた。昨日までは、市街地にいるおっちゃんだったのが、今日は完全に登山家。もはや、かっこいい。ここから先の行程が険しくなることが容易に想像できた。

 

2:40 出発

3:30 出遅れたスタートであったため、ラシュスの焦りか、相当なハイスピード。

最後の方にスタートしたにも関わらず、全てのパーティを置き去りにして、トップでサヤッサヤッハット(3688m)へ。入山時に受け取ったIDカードを提示しなければ、この先登山を継続することができないようになっている。

ここでIDカード提示する意義を知った。

以前、この地域で起きた大規模地震の影響で多数の死者がでて以降、登山者の管理をするための意向措置だそうだ。

僕は自立した登山者となりたいがために、ガイド登山は好きではなかったが、このような対応については賛成だ。自然災害は避けようがないこともあるが、事故を起こさない努力、起こった時のことも含めた行動をすることの大事さを、改めて教えてもらったような気がする。

 

サヤッサヤッハットの上部は、花崗岩の巨大な一枚岩のフェイスを登ることになる。

山頂までのルートには、何キロもの長いFIXロープが張られていた。明らかに今までの登山道とは毛色が変わっている。登山靴で歩くにはフリクションもよく、浮石もなく快適に上ることができたが、雨の日に登るとロープを頼らなければ、相当気持ち悪そうだ。

 

5:03なかなかな斜度に苦しんだが、頭痛もなく集中して登ることができた。

ぐんぐん高度を上げていき、無事にローズピーク(4095m)登頂

ぼくらより、一足早くついた南谷さんと一緒に登頂の喜びをわかちあえた。

IMG_6714

 

強くはないが風が吹いており寒くて防寒着を着用し、岩陰に隠れたりして過ごした。

山頂で、芦田さん持参の酸素飽和度を測定。頭痛はなく、気分も悪くないが、明らかに数字は低く、肺炎の影響は否めない。ずーやんは、毛がボーボーで測れなかった。芦田さん・若林くんは、安定の強さを発揮。


IMG_6721


ラシュスから「ここで朝日がでるのをまとう。」と言われる。

つたない英語を駆使して、寒いし朝日をみずに、モルゲンロートに染まるローズピークを見てみたいと交渉したが、なぜか拒否された。寒さを紛らわすため、いろんなポーズで写真を撮った。

IMG_6726
43687210.64b34e9b59bd4a5241fb34ccb8cdbc4a.19091920
ずーやん朝日待ち


遊んでいる内に、日の出の時刻。しかし、朝日は雲に隠れてみられず。なんとも言えない気持ちになった。ただ、ラシュスは満足そうだ。

IMG_6722

 

6:00下山開始

朝日がさして、やっと自分たちが歩んできた道のりや景色が、くっきりと見える。

暗闇に隠れていたサウスピーク、セントジョーンズピークなど、見える景色が岩と空しかなかった。

広大な岩の草原と岩峰の数々は、日本では決して見られることのできない景色で鳥肌がたつほどにかっこよかった。

IMG_6731


IMG_6730
ローズピーク


IMG_6728
サウスピーク

それにしても、岩のフェイスの下りは足への負担が大きい。細かく歩を進めて、安全に下山。

 

7:40  ラバンラタ小屋着、2度目の朝食 最後の晩餐ばりにビュッフェを食べまくった。

9:00  ラバンラタより下山開始

11:10 小休憩を3回はさみ、ティンポホンゲート着

11:30 ビジターセンターで登頂証明交付

 

山行時間7h20min、獲得標高823m、下山標高差2229m、距離2.58.5km

 

以上、山行記録。

 

今回、初の海外登山と体調のことが不安でたまらなかったですが、3人の支えもあり無事に楽しく登山をすることができました。ラシュスにチップを渡しそびれる失態を犯してしまいましたが、安心してキナバルを登ることができた。また、山と山がつながっていくように、国境を越えた先でも出会いをもたらしてくれる山の奥深さに感動しました。また、機会があれば、南谷さんとも登りたい。多くの学びをありがとう、キナバル山。

 

 

◎気づきとメモ

●服装について

初日はTシャツか長袖で十分な気温。山小屋から山頂は防寒着、手袋、ビーニーなどあれば安心です。過ごしやすい環境であるが、熱帯高所環境のため、湿度が低く、乾燥しているので、意識的に水分をとることが必要。

 

●食事・行動食について

ガイドから昼食、行動食、水分(500ml)の配布もあり、食事の準備としては少量の行動食と+5001000ml程の水分の用意でいいと思う。そのほかの食事についても、ラバンラタ小屋のおいしいビュッフェで十分。

 

ガイドの特徴

ガイド登山が絶対条件。

今回は、ガイドが先導してくれたが、後ろからついてきてもらうことも可能で、自分のペースで山行をすることも可能。

今回はベテランがついてくれたが、かなり若いガイドも多数いた。

 

●コースについて

整備された(されすぎた?)登山道

短い区間で、休憩所、避難所があり、天井には担架の設置、休憩所・避難所意外にもレスキューポイントの設置が23km毎に認めた。緊急時対応も迅速に対応可能と考えられる。

山頂付近は花崗岩の岩場を歩くため、足への負担が大きい。

雨など濡れているとかなりスリップのリスクありストレスとなる。

 

 

ラバンラタ(3272m)小屋について

受付・食堂

日中はスピーカーから音楽が流れている

小屋限定グッズなどの販売は一切していなかった。ヘリを利用せず、人力での歩荷スタイルのため、食料、水など最低限のものしか売っていなかった。

水や酒、軽食の販売あり。

 

食事

ビュッフェスタイルで種類豊富でとにかくうまい。

生野菜が多い、牛乳が飲める歩荷が豊富だから?

 

部屋の特徴

3200m以上の小屋で2段ベッドの4人部屋

バスタオル配布

充電設備完備

 

そのほか

男女別の水洗トイレ、シャワーあり

外廊下は24時間電気

1日に入山できる人数が150と制限があり、必然的に山小屋に宿泊できる人数にも制限がかかり、食堂やテラス席など含めて比較的ゆったりと過ごすことができる。

 

●メディカル

高所環境では、体調を万全にすることは大事。

スパイスと食べ過ぎはよくない。

AMS(高山病)スコアに照らし合わせて、山行継続について、体調のマネジメントができた。酸素飽和度の数値と体調は相関しないが、あると便利。

 

山行費用、今回は個人交渉のみで行ったため111万前後(通常は1530万程度?)

往復送迎費(ホテルキナバル公園ティンポホンゲート)、ガイド料、山岳保険料、キナバル公園入園料、入山料、ラバンラタ宿泊料、初日の昼弁当と行動食と500mlペットボトル、小屋のご飯(夕食、アタック前ご飯、朝食)、下山後レストランの昼食、登頂証明書

 

2019.9.17 五田刈谷

2019.9.17 五田刈谷
奈良県 大峰山脈 北山川水系 五田刈谷

3FE87071-C638-4897-B136-6F69ACE6D993


こんばんは、岩瀬た、です。
五田刈谷という沢に行ってきました。
地形図で見るとかなり短い距離だったので、すぐに終わるかもなと思いながら入渓しました。
が、河原から始まり、ゴーロ、滝、ナメ、巻き、といろんな要素があって想像してた以上に楽しい沢でした。


以下、山行報告です。

————————————————————

◎メンバー
OKD(L)
吉岡
岩瀬た(記録)


◎装備
ネオプレンジャケット
50mロープ(40mでも大丈夫かも)
30mロープ(荷揚げの補助で使用)
マイクロトラクション(荷揚げで使用)
アッセンダー(荷揚げで使用)
登攀用具


◎行程概要
8:15 林道広場駐車地
8:30 入渓
8:50 8m滝
9:05 2条8m滝
9:40 10m滝
9:50 3段10m滝
12:00 10m滝
12:15 25m滝
14:00 林道、遡行終了
15:30 駐車地、下山完了


◎行程詳細

8:30、五田刈林道をしばらく入ったところの広場になっているところに駐車し、入渓。
綺麗な水の河原。
B3B2BC27-4788-4E45-B01F-D3F51587C36C



すぐに河原は終わって、ゴーロに入る。
F8D64ECB-C71F-4A03-AE40-AD66274A2021



8:45、ゴーロを少し進むと釜を持った2条の小滝。
18B3D3FA-960F-4EE3-B3EE-96D1D368EF4B

へつりを交えて乗越すと、左手に爽やかな滝が。
7F1A2E31-49BC-4947-B8CC-21318D8CBFED



8:50、8m滝はシャワークライミング。水はそれほど冷たく無いのがありがたい!
C17AD287-52DB-4D76-B96F-2A4C15E4C7B5

49F6F271-9166-42B4-B084-534ECA98313F


9:05、2条8m滝も水流の間から取り付いて直登。
2181CDE9-D9A2-4549-8082-A3980608FAF8

564D6128-7AC4-438C-ABB2-08C6C95C7738



巨岩帯を抜けて、
99B0447F-4607-42F5-AA00-859B359CF25B



9:40、10m滝。これは右岸を巻いた。
F7FCE16F-F390-4F24-9D29-EE0A424AC0E7

8C1C0E55-7F43-4C2A-BCD8-B3553A579F81



巻いた先には3段10m滝。
4DA9592E-1E83-45DB-A972-67B05BBB302B

4EFD1C21-EFEE-49D2-A693-F7CC769C3D94

ザックを下ろして空身でロープを出して水流右を登る。
リスが走っているのでプロテクションは取れた。
落ち口の乗越は木の根が張っていてありがたく使う。
92BCC57D-BED8-4E0F-913E-D70C596E681D



そしてまたゴーロ。少し休憩したりする。
4BE0BC22-FF81-4305-AB0F-D5FFEE53C0F5



12:00、ゴーロの10m滝は水に飛ばされないように気をつけつつ登る。
落ち口は若干手がかりが少なめなのでフリクションと思い切りでのっこす。
落ち口以外はホールド多いが、ちょっと狭い。
嵐のようだ。
9C6955BE-118A-4D29-9543-6F6E7CCABFAF

6DEC333D-7AE3-47CF-A6A0-500AF0FBE2CB

3229AA26-5708-496B-874B-F738984DE0FE



その先には25m滝。
水のカーテンのようで綺麗。
7E280F0C-8CD6-4247-BA6C-FD9C88C0B0FA

「まぁこれは巻きだよな。」となんとなく思っていると、OKDさんがまさかの
「ちょっと行ってみる。」
と。
ロープをつけて空身で滝の左壁から登って行ってしまう。
3AA53D61-F316-4AA8-A1CB-DD998DFA407D

EA63AC88-3FAF-49C9-836C-AAFA2372EC3F

続いて僕も空身で登って、荷揚げ。吉岡さんは30mロープでザックが引っかからないように下でカイシャク。
水を吸ったザックにさらに水流の重みも加わって重たい。
最近ゲットしたマイクロトラクションと、アッセンダー(今回はシャント)を使って3分の1システムで荷揚げ。3人分揚げるとひと仕事終えた気分だ。
最後に吉岡さんも登ってきて、ひとここち。


25m滝を超えてしばらく行って、大きく二俣になったところで林道に近づくので、左俣を少し登ってぶつかる堰堤のところで、14:00、遡行終了。


林道をしばらく歩き、小尾根の藪を漕いで、林道に復帰するところで5mほどの懸垂下降。
少し林道を降りると、小さな流れがあったので、最後にバシャっと水浴びして、15:30、駐車地に到着。

下山完了。

————————————————————


以上、遡行報告でした。

滝を登るのはどれもピリッとした感じがあって、巨岩帯のゴーロも迷路みたいで、短い距離の中に面白さがギュッと詰まった沢でした!水も綺麗!!
荷揚げ、なかなか大変だったので、荷揚げのルートファインディングもしないとな、、、と思いました!

OKDさん、吉岡さん、ありがとうございましたー!!



2019.08.29.神崎川本流

2019.08.29.神崎川本流
20651AC2-CB12-47BE-998B-572F9768B942


おはようございます。吉岡です。岩瀬たと神崎川に行ったことを報告します。
タイムスケジュール
6時【起床】→7時【駐車地出発】→8時【取り付き堰堤】→12時【ヒロ沢出合い】→13時【下山開始】→15時【取り付き堰堤】→16時【駐車地着】

前夜、ここ数日天気が悪い日が続いていた。家を出る前に累加雨量を確認。現地で入渓の判断をすることにし、20時に神戸を出発する。1時過ぎ、現地に到着し薄暗い駐車地からヘッドライトを付けて神崎川をのぞき見る。予想していたより水量は落ち着いているようだった。朝に備え入眠。
朝6時に起きる。体は重くまだまだ眠たかったが、ゆっくりと朝食と準備をすまし、7時に出発する。暑い中、沢装備を万全に着込み車道を1時間ほど登る。入渓ポイントを少し過ぎてしまい引き返した。2人ともカッパやネオプレンで蒸れに蒸れて汗だくでした。
FD77C7F8-B59A-43E9-8D6B-953109CB5811

 8時20分に堰堤を越え入渓する。しばらく歩くと水は透明度を増していき美しい。S字形に屈曲した0.5mと1.5mの滝は少し増水しており右岸をへつるように進むがスラブに置く一歩が悪かった。神崎川の白い岩はフリクションが良く、ラバーシューズだとおけるスタンスにフェルトはおけない様子でした。左岸からも取り付いてみるが流れが強く突破できない。お助けスリングを垂らして乗越えました。
859C0CBF-68AB-4A0D-A179-33E10155FC8B

美しい渓谷をのんびりと進み40mの長瀞はロープを出すことなく問題なく進む。
天狗滝5mへ。ザックを置き、水線際を取り付こうとするが爆流に流され登れそうにない。右岸側が登れそうだったので、何気なくフリーで取り付いてしまう。少しもろい部分もあったが、ホールド、スタンス豊富で登れてしまう。下からロープを投げ荷揚げしようとするが、思ったようには届かなかった。上から400cm+60cmスリングを垂らし荷物を引っ張り上げる。申し訳なかったです。続いて岩瀬さんもフリーで取り付いた。
643E9B00-DD06-4E9E-8306-379157909243

8ADC40CD-5165-46E4-BB8A-CB0EBA242710

 天狗滝を越えてからは淵が2つあったが、水線の突破は難しく小さく右岸を巻いた。
ヒロ沢の出合いに到着し遡行を打ち切る。おのおののんびりと過ごした。清い水が流れ緑と水のコントラストが美しかったです。
CAEDB32F-3DDA-4C1B-AEB8-EA13C8B499C4

下山は堰堤まで沢沿いに下降。5m滝の天狗滝は飛び込むのにかなりの勇気が必要でこの遡行で一番怖かったかもしれません。流れに乗り下山しました。

以上山行報告です。今までの沢は冷たく寒いことも多かったですが、今回は水温も暖かく天気もよかったため、休憩しているとぽかぽか陽気でとても気持ちよかったです。リフレッシュできた遡行でした。

2019.9.2~4 熊野川水系大塔川 黒蔵谷

2019.9.2~4 熊野川水系大塔川 黒蔵谷 メンバーT.II(記)

 

 

当初、T.I君と大きな沢をやろうと、色々と思案して金木戸川小倉谷を予定していた。

コロコロと変わる天気予報に最後まで悩まされたが、北陸方面の悪天予報が決定的となり、リサーチと事前準備を怠らないT.I君が第2案として計画してくれていた関西の名渓、黒蔵谷に転進する。

幸い天候にも恵まれ、沢登りの醍醐味を存分に味わうことができた。

DSCN8937



 

 


9
2日(月)晴れ

途中、仮眠を交えて県道241号線を遡り大塔川林道に入る。

落石跡が多く、普通車では心許ない。

突合の看板がある空きスペースの端に車を停めて準備する。

今回も体力差を勘案して、T.I君に40mロープと食料、タープ等を背負って貰う。

急斜面の杣道を下りて、大塔川に入渓する。

少し遡ると、西から黒蔵谷が合流する。
DSCN8901






黒蔵谷に入ると、清流に朝陽が煌めき、心が躍る。

最初に現れる鮎返滝は、釜を泳いで左に取り付く。
DSCN8909







上部が立っていたので、荷物を下ろしてロープを出し、T.I君リードで越える。

要所にハーケンを打ちつつ登るT.I君は、下から見ていても安定感のある登り。
DSCN8914











荷物をサブロープで荷揚げしてもらい、セカンドでハーケンを回収しつつ越える。

抜け口のスタンスの置き方が難しい。

落ち口の激流を泳ぎ渡り、谷が右に屈曲すると下ノ廊下の始まりだ。

廊下は、太陽の光が降り注ぐ清流が輝き、素晴らしい景観を提供してくれる。
DSCN8923DSCN8929





連続する淵と小滝を泳ぎとヘツリで越えて行く。

22m滝は、左をへつって越える。
DSCN8938







多条ナメ滝かな?
DSCN8940






釜を持った2m滝はパスして右から越える。
DSCN8943






直ぐにナメ4m滝、T.I君は泳いで左から、自分はパスして右を越える。
DSCN8950






標高190m付近の河原で一息入れる。
DSCN8956






直ぐに始まるナメを越えると三連ノ釜を持つ美しい2m滝、左岸をへつって越える。
DSCN8961







これを越えると下ノ廊下が終わり、右手から小滝のかかる出谷が合流する。
DSCN8965






谷は右、左と曲がり、次の中ノ廊下が始まる。

ここも泳ぎとへつり、時に岩登りで越えて行く。
DSCN8978DSCN8985





最初の22m滝は、釜を泳いで滝身左手際を攀じ登る。
DSCN8996DSCN9000






連続する淵を泳いで進み、次の2m滝は、左手を泳ぎながらへつり、滝左の岩の窪みを登って越える。

重荷では辛いところだ。
DSCN9021DSCN9027





細い淵の右岸を越えて進むと洞窟状の5m滝が現れる。これは登れず右岸巻き。
DSCN9033DSCN9035





砂利に埋まった45m淵付近で一息入れて進むと、トポや数々の記録に出てくる26m滝。

荷物を背負ったまま取り付いて感触を確かめたT.I君が、荷物を下ろして再挑戦する。
DSCN9051






すると、あっさり、フリーで抜けてしまう。
DSCN9055






意外といけるのか⁉と勘違いした自分は、荷物を背負ったまま取り付つくも、身体が水面から上がらず、T.I君が垂らしてくれたシュリンゲで敢え無くA0

これを越えて、10分程進むと右から高山谷が合流する。
DSCN9059






少し進んだ廊下の中に現れた6m滝は滑り易い滝身左を登る。
DSCN9064






岩間2m滝は、T.I君にショルダーして貰って越えたが、T.I君は荷物を背負ったまま登ってきた。
DSCN9069






次のCS2mは、大岩の右にある隙間を越えるが、抜け口が被り気味で、荷物を背負っていると苦しい。

しかし、T.I君は荷物を背負ったまま越えてしまい、自分は潔く荷物をT.I君に渡して空荷で越えた。
DSCN9071






時刻は15時をまわり、そろそろテン場を見つけなければならない。

連続する小滝を越えて行くと、大岩が現れ、トポの巨岩の累積帯に到達したことを知る。
DSCN9079DSCN9080






巨岩上部の4m滝を越えて進むと洞窟状のゴルジュとなり、奥に13m滝が現れる。

更に奥には、巨大なカンタロウ滝も見える。
DSCN9088






13m
滝は登れず、トポ通り右岸を高巻くが、結構急斜面の木登りで気が抜けない。

少しトラバースしてルンゼに降りるのだが、下部が切れ落ちていたので、ロープを出して10m程懸垂下降する。

ルンゼを越えて落ち口に降り立つと、直瀑の34mカンタロウ滝に圧倒される。飛沫を浴びているだけで、寒い。
DSCN9095







トポ通り左岸に通じている尾根の踏み跡を辿るが、上がるほど傾斜もきつくなり、木登りも辛くなってくる。

50~60mは登っただろうか。いい加減しんどくなってきた頃に漸く断崖の上部に抜け、脆い岩場を左にトラバースしていくと滝の落ち口らしき沢音が聞こえた。

T.I君先頭で、脆い岩場と急斜面を、木を掴みながら下ると、ぴったり落ち口に出ることができた。

この高巻きに約30分かかった。

時刻は既に1615、トポではまだ廊下帯が続くため、これを越えなければならない。

薄暗くなりつつある廊下帯を進んで行くと、右から美しい第3支流が合流する。

左手奥には釜を持った33m滝がかかる。

T.I君は急流の釜を泳ぎ切って滝右手の岩に上がり、そのままするすると登って越えてしまう。
DSCN9110






自分も続くが、滝右手の岩の手掛かりが掴めず力尽き、急流に押し戻されてしまう。

直ぐにT.I君がロープを投げてくれたので、これを掴み、何とか岩に這い上がることができた。

なお、滝右の岩を登ると上に登らされ、落ち口に降りる足掛かりがないので、ジャンプかズリ落ちることになる。

突破が難しいとあった次の26m滝は、泳いで滝の左にある岩の窪みから越える。
DSCN9121







この先の大岩上(右岸)に砂地上の平らなテント適地を見つけたが、もう少しでトポ上のテント適地に至るということで先に進む。
そして現れたのがトイ状2M斜滝、結構ヌメヌメなうえにトイ状から釜に直噴射流が落ちている。
DSCN9126






滑れば間違いなく空母のカタパルト発射よろしく釜に直噴射落ちである。

流石に幕営前のドボンは遠慮したいので、先ほどのテント適地まで戻ろうと考え始めたが、左岸を登ったT.I君がロープを出してトラバースするというので、立木にセルフを取ってビレイする。

細かいスタンスを拾って、ジワリとトラバースを成功させたT.I君に腰絡み確保して貰い、自分も冷や冷やしながら何とか無事トラバースして滝を越える。なお左岸の噴射口付近にハーケンが打ってあった。

これで核心部は抜けたことになる。

右手から支流が入り、谷が左、右と屈曲した先に漸く河原状のテント適地を見つける。

右岸の一段上がった河原にタープを張り、腰を下ろして一息つく。
DSCN9127






T.I
君が担ぎ上げくれ調理してくれたボリューム満点のマーボー丼で腹を満たし、充実した初日を終える。

夜は心配していた雨も降らず、風も吹かず、寒くもなく、結構、快適に眠れた。

 

コースタイム:駐車地(標高175m08400900鮎返滝~1115支流出合~1340高山谷出合 ~1545カンタロウ滝16151710トイ状斜滝2m1755標高500m付近河原(泊)

平面距離:7.83km、累積標高(登り)1,942m(下り)1,625m

 


9
月3日(火)晴れ後夕立

0530、薄明りに目覚めると隣のT.I君は、疲れが溜まっているのか深い眠りに落ちている。

起こさないように紅茶と朝飯のラーメンを用意する。

T.I君を起こして朝食を食べ、準備してタープを畳み出発する。

直ぐに始まった廊下に朝陽が差し込み、気持ちの良い遡行が始まる。
DSCN9131






実は、ここが上ノ廊下だったことを後で知る。

あまりにも、あっさり越えてしまったので、2人ともそれと気付かなかったのだ。

斜滝8mは、滝右の岩を登って越えたような気がする。

短い廊下を越えると、暫くは単調な河原歩きが続く。

2条小ナメとナメ滝L5mを越えて進むと、斜滝8m(地図上の黒蔵滝)が現れる。
DSCN9142DSCN9145





これを滝左の大岩から巻き登り、次の釜を持った綺麗な斜滝2mは右からへつって越える。
DSCN9152







暫く進むと左から大きい支谷が合流し、ここで一息入れる。

斜滝2mを越えて進むと奥の二俣に到着する。
DSCN9159







我々は、勿論、野竹法師山まで登るので、右手の谷に進む。

ナメ滝1mを越えると徐々に水量が減り始め、崩れやすいガレ場を登ることになる。
DSCN9165






次の分岐を右に進み、ガレ谷を登って行くと、奥に25m滝が見えた。
DSCN9170






手前にある4m滝を越えて25m滝に至る。
DSCN9175DSCN9178











滝の飛沫を浴びてクールダウンし、右岸のガレルンゼを巻き上がって右にトラバースすると、10m滝が姿を現す。
DSCN9185











これは左岸の滑り易い急斜面を、木の枝を掴みなが巻き上がる。

どちらの高巻きも急で滑り易く、結構悪い。

これを越えると同じく滑り易い23m滝、水もそろそろ涸れそうなので、水汲み休憩を挟む。
DSCN9189






次の5m滝は右岸を巻き上がり(この辺りが最後の水場)、一登りで涸滝35mが姿を現した。
DSCN9193DSCN9197






ここから両谷の間の樹林帯を右から巻き上がって行くのだが、最初の木登りが急峻で消耗する。

その後も急な木登りが続き、富士山の登りのように5m登っては一息みたいな感じになってしまう。

沢用のウェアを重ね着しているので、顔から滝のような汗が出てくる。

必死でT.I君の後を追い、高度差約200m1時間程かかって、野竹法師山頂に飛び出す。
DSCN9202







最後は心が折れそうになりながらも、無事、山頂に辿り着き、T.I君と握手を交わす。

山頂は北東面が少し開けた樹林帯に囲まれており、山深さを感じる。

大休憩と着替え、靴の履き替えを挟み、後は長い林道を駐車地まで戻るだけだ。

当初、コルを越えた最初のピークから林道に下れると思っていたのだが、踏み跡がどうも薄いため、その先の標高844mピークまで取りあえず行ってみることにする。

しかし、標高844mピーク東面は、藪の急斜面で、どうも下りる気がしない。

T.I君と相談し、取りあえず尾根上を進み適当なところから、林道に降りことにする。

結局、そのまま藪尾根を東に進み、二つのピークを越えることにしたのだが、アップダウンと藪の激しさと、自分のバテが足枷となり、結構時間を喰ってしまう。
DSCN9216






標高954mの次のピークを越えて南の尾根を下り、最後に懸垂下降して林道に降り立った頃には、既に時刻は15時をまわっていた。まだ約15キロの林道歩きが残っている。

少しの休憩を挟んで林道を歩き出すが、俄かに黒雲が立ち込めたかと思うと、滝のような夕立が降り始める。

急いでカッパを着て、うんざりしながら下っていると、今度は足元からヤマビルの攻撃が始まる。

この林道のヤマビルの多さは半端ない。

足元のヤマビルを時折、振り落としながら、雨の中、林道を2人で黙々と下る。

2時間程で、漸く雨も小康状態となり、林道が大きく右へカーブして安川大塔川林道へ下り始めた時、何気に対岸に目をやると、斜面が大きく崩れ、岩肌が露出しているのが目に入る。
DSCN9222






まさか林道埋まってないよな、と思いつつ、安川大塔川林道と合流して一息入れてから下って行くと、悪い予想は当たり、林道は大量の土砂に埋まっていた。

最初の山崩れ跡は、ガレ場の崩れやすい落石に注意しつつ何とかトラバースで越えられたが、次の山崩れ跡は、大きく抉れており、下は沢まで切れ落ちている。

トラバースできそうにないので、上か下から越えるしかないが、もう日没は間近である。

T.I君と相談のうえ、沢装備を付けて沢を下ることにして、再装着のうえ河原に降り立つ。

下り始めると直ぐに高い堰堤が現れ、その下には滝と崩壊地が見えた。

暗闇の中、この滝下りはリスクが高い。やむを得ず、河原にタープを張り、もう一晩越すこととする。

しっかり予備日を設定してくれていたT.I君に感謝するとともに、2人で、こういう事態に備えての予備日設定は大事なことだなと再認識する。

夕食はT.I君が用意してくれた珈琲とスパイシーなウィンナー入りカレーで腹を満たす。

翌日、無事、崩壊地を越えられるよう願いながら眠りにつく。

 

コースタイム:標高500m付近河原07100740黒蔵滝~0805二俣0820(標高500m)~0840奥ノ二俣(標高600m0850092025m滝(標高680m)~1030涸滝35m(標高800m)~1140野竹法師山(標高971m12201250小ピーク~1305標高844mピーク~1340標高906mピーク~1435標高854mピーク~1510林道(標高780m15551810林道崩壊地~1930標高470m付近河原(泊)

平面距離:13.28km、累積標高(登り)1,896m(下り)1,922m


 

9月4日(火)晴れ後夕立

心配していた雨も、あれから降らず、風もなく快適な夜だった。

少し早めに起き、紅茶を飲みつつ朝食のスパゲティを食べて準備する。

まずは空荷で偵察に出るが、滝は良い懸垂支点が取れそうになく、道路高さのトラバースもやはりリスクが高い。

相談の上、崩壊地際の立木から斜め懸垂で中間の倒木までトラバース気味に下ることにする。

先ずはT.I君が先行してガラガラと脆い地盤の落石を落としながら、懸垂トラバースしていく。

上手い具合に大きな倒木まで辿り着き、次に自分も同様、落石を落としながらトラバースする。
支点がなさそうだった滝の左岸を見ると、下部は木梯子、上部はフィックスロープが張ってあるのが確認できた。

崩壊地中間部からガレ場をトラバースして上の林道に復帰できそうだったので、偵察に行くとフィックスロープが張ってあるのが見えた。
DSCN9227






それを辿ると、無事、林道に復帰することができ、2人でホッと胸を撫で下ろす。

崩壊地の幅は、約400mといったところだろうか。

また崩壊地が現れないことを祈りながら、一応、沢装備で林道を下ることにする。

次の林道分岐まで来ると昨年の台風20号の影響により通行止めとの標識が立っていた。
DSCN9229






長いクネクネした林道に飽き飽きしつつも、気持ちの良い沢音を聞きながらトボトボと歩く。

いい加減、重荷に肩が痛くなってきたころに、漸く駐車地へ辿り着く。

下ってみれば2時間と少し、昨日あのまま順調に歩けたとしても、到着は20時をまわっていただろう。

河原で冷たい沢水に浸ってクールダウンし、装備を片付けて黒蔵谷を後にする。

途中、十津川温泉の泉湯で汗を流し、昼食を食べて帰路に着く。


コースタイム:標高470m付近河原05500655崩壊地を越えて林道復帰~0920駐車地

平面距離:9.38km、累積標高(登り)882m(下り)1,217m

 

****************************************************************************** 

関西でも指折りの谷と言われるだけあって、素晴らしい景観、泳ぎ、渡渉、登攀、高巻き、そして長い林道歩き?、予想外の崩壊地?等あらゆる要素が詰まった?ボリューム満点の沢だった。

第一候補だった小倉谷に行けなかったのは残念だったが、それを補って余りある沢登りになったと思う。
ヤマビルは、沢沿いは殆ど見かけなかったが、帰りの安川大塔川林道に至る林道には多数生息していた。
林道崩壊地は、一度沢に降りて沢沿いに崩壊地を越えてから林道に復帰するのが早そうだ。

パートナーのT.I君には、仕事が忙しい中、ダブル山行計画作成から諸準備、共同装備の負担までして貰って色々と負担をかけた。T.I君に感謝したい。

2019.8.19 吉野川水系銅山川瀬場谷

2019.8.19 吉野川水系銅山川瀬場谷 メンバーT.I、I(記)



7月初旬から計画を立てていたものの、梅雨空で2回流れた瀬場谷。

久し振りに予定の合ったT.I君と愛媛の名渓に挑むことにする。

台風後で水量が多かったが、噂以上の滝が連続する良い沢でした。

 

819日(月)曇り時々雨

深夜、瀬戸大橋を越えて愛媛県に入り、瀬場登山口に車を停め、仮眠する。

明け方、車を叩く雨音に目を覚ます。

昼頃から雨予報だったはずだが・・・やっぱり雨か・・・。

0630セットしておいた目覚ましを合図に準備を始める。

T.I君は、毎度のごとくシートを広げ登攀具等を要領よく準備していく。

その脇で、あれはどこだったかな?と荷物を探りながら準備する自分とは大違いだ。

要領よく準備を始めたT.I君だったが、何故か突然、焦り始める。

訳を聞くと、登攀用ザックを忘れたとのことで、いたくショックを受けている様子。

自慢できる話ではないが、最近、山に行く度、忘れ物など、しょっちゅうである。

そんな慰めも、T.I君にとっては、あまりフォローにならなかったようだ。

寒そうだったので、予定より着込んで0730ころ、出発する。

登山道を少し登り、右岸の斜面を下って入渓する。
DSCN8710






連続する滝にテンションもあがるが、意外と水温が低く着込んで正解だった。

310m滝は、T.I君が登るというので、釜を泳いで左岸でロープを準備する。

近付いてみると思った以上に水量が多く、吹っ飛ばされそうだったので、諦めて右岸を高巻く。
DSCN8717






続く3m滝は、滝の左を登る。
DSCN8726





415m滝は、右岸のルンゼから高巻く。
DSCN8735






小滝を越えて暫く進むと、水取入口、釜を泳いでシャワーを浴びながら越える。
DSCN8746






少し進むと八間滝50mが堂々と姿を現す。
DSCN8751





暫し、堂々たる流れを眺めて、ここも大人しく右岸高巻き。

ガラガラのルンゼを岸壁手前まで詰め上がってから右手にトラバースする。

抜け口を探していると、T.I君が被り気味の岩の割れ目に登路を見出す。

ロープを出してT.I君リードで抜け、斜面を越えると、ドンピシャで滝の落ち口に出た。

毎度、T.I君の確かなルート取りには助けられる。

斜滝5mに果敢に挑むT.I君、自分は滝左手の岩を巻き登る。
DSCN8764





続く3m滝もT.I君は果敢挑むが、水量に圧倒され敗退。
DSCN8770





8m滝は、ロープを出してT.I君が登るが、中段から苦戦していたので、戻って来てもらい、右岸を高巻く。
DSCN8774





4m滝は、滝の裏側を右から左に抜け、滝の左手を登る。抜け口が少しいやらしい。
DSCN8776





310m滝は、左から巻き上がる。
DSCN8780






3
12m滝は左から越えて行く。
DSCN8789






続く連瀑帯を越えて行くと最初の登山道(木橋)が横切る。
DSCN8793






登山道を越えて直ぐの25m滝は、水流の右を越える。
DSCN8807





10m滝(斜滝27m?)は、T.I君がロープを付けて、激流の中を、ハーケン、ボルトナッツ、カムを駆使して越える。

セカンドで登ったが、物凄い水流で、上段では、滝に打たれながらのハーケン回収に苦戦した末、落としてしまい、T.I君には申し訳ないことをした。
DSCN8812





その後は、ナメ滝が出てくる。

岩間6m滝は、右から巻き上がる。
DSCN8831






斜滝4mは、右岸をへつり、左から巻き上がる。
DSCN8839





釜を持った7m滝は、右から巻き上がったが、T.I君は右のクラックを登って越えた。
DSCN8843





斜滝4mを越えると、明るい斜滝15×30m
DSCN8846






ここで小休止を挟み、滝の右を攀じ登る。

20m滝は右岸を高巻く。
DSCN8850





8m滝は水流左を登り、続く斜滝を水流を縫うように越えると2回目の登山道が横切る。
DSCN8858DSCN8861





これを越えると、今までの滝オンパレードとは打って変わって、癒し系のナメが続く。
DSCN8870






ナメ滝22m
DSCN8879






3m,5m,7m
は右から越えて行く。
DSCN8881DSCN8883






その後ナメと穏やかな滝を30分程進むと3回目の登山道が横切る。
DSCN8887






無事、遡行終了点まで辿り着き、T.I君と握手を交わして、ほっと一息つく。

靴を履き替え、下山開始。

トポでは、下山1時間弱とのことだったが、登山口まで2時間近くかかってしまった。
疲れ切ったオッサンとは対照的に、楽しそうにiPhoneでミュージックを聞きながら、例のシートを広げて装備を片付けるT.I君であった。

温泉が近くになかったので、四国中央市内のラーメン店で腹を満たし、時折、睡魔に襲われながら帰路に着く。

 

コースタイム:駐車地(標高650m07300900八間滝09501040二俣~1110登山道(1回目) ~121010m12301330斜滝15×30m13501415登山道(2回目)~14252条ナメ滝~1505登山道(3回目)(標高1,380m15251710駐車地

平面距離:8.48km、累積標高(登り、下り)1,670m

 

 

トポに書いてあった「まるで沢登りに用にできたような谷」まさしくそんな沢だった。

2回目の登山道を横切るまでは、滝また滝の連続、それ以降は癒し系のナメ。そしてヒルもいない。

関西からは少し遠いが、行ってみる価値は十分にあると思う。

15年前、会に入りたての頃、大先輩達に連れられて登った床鍋谷以来の愛媛の沢登り。

あの時は、遡行後の東赤石山の稜線から見える景色に感動したものだ。

T.I君、毎度ありがとう!次回もよろしく!!

2019.8.19 銅山川瀬場谷

2019.8.19 銅山川瀬場谷
愛媛県 赤石山 銅山川 瀬場谷 の遡行記録

IMG_1185


こんばんは、岩瀬た、です。
残雪期の杓子岳と五竜岳ぶりに、Iさんと沢登りに行って来ました。
瀬場谷、滝に次ぐ滝の後に美しいナメ床が広がる、ドラマチックな沢でした。
天気はあまり良くありませんでしたが、登れそうだなと思った滝には取り付いたりしてハーケンワークもできたし、存分に楽しむことができました。


以下、遡行記録です。

---------------------------------------------

◎メンバー
岩瀬た(L、記録)
I


◎装備(主な物)
40mロープ
20mロープ(予備)
カムc4#0.3-1(ちょいちょい使った)
ボールナッツ1セット(無くてもいいけど使ってみた)
ネオプレンジャケット
水中眼鏡


◎行程概要
・8/19
2:00 駐車地到着・仮眠
6:30 起床・準備
7:30 出発・入渓
9:00 八間滝
12:00 2段10m滝
13:30 斜滝15x30m
14:30 ナメ床
15:30 遡行打ち切り点
17:30 駐車地


◎行程詳細

仕事を終わらせ、姫路にて合流。一路瀬場を目指す。
2:00瀬場に着き、眠る。

6:30起床して、朝ごはんを食べて準備をすると、入渓用のザックを忘れていることに気づく。今まで必須装備の忘れ物なんかしたこと無かったので地味にショックだ。
しょうがないので移動用の65Lのザックに荷物を詰めて入渓。
これが意外と良い具合だった。背面の板を抜いてサイドベルトを締めると中身が少なくても背負いやすい。最近80Lのザックを買ってからは山行では使ってなかったけど、これからは泊まりの沢などで活躍しそう!

7:30、瀬場登山口から入って、傾斜の緩いところから入渓。
いくつかの滝を登ったり小さく巻いたりしつつ、連続する滝と格闘。
IMG_1151

IMG_1176

IMG_1155

だいたい釜から取り付く。

9:00、ようやく八間滝に到着。
IMG_1157

登攀ラインを考えたりしつつ、上部が難しそうだったので今回は見送ることにして右岸を巻く。
割と高巻きで、途中凹角部分の直登はロープを出して登る。トラバースを交えてほぼぴったり八間滝の落ち口上部に降り立つ。
落ち口は短いながらも急流のゴルジュになっている。
しばし右岸沿いに岩棚を歩いて流れが穏やかになったところで再度入渓。

その後も、ロープ出したりしつつ、直登したり巻いたり。滝また滝だ。
IMG_1185

IMG_1165

IMG_1189


そうして、ボチボチ昼休憩したいなぁと思ったところで、爽やかな斜瀑に至ったので休憩。昼飯など適当に食べる。
IMG_1166

15分ほど休憩して、斜瀑右側を歩いて越える。

そしてまた滝。
IMG_1201

IMG_1203


しばらく進むと、眼前に長いナメ床が。
IMG_1204

ナメ床というのをあんまり見たことありませんでしたが、こんなに綺麗だとは!
癒されつつ、3m・5m・7mの滝を越えて、だんだん水が少なくなってきて、15:30、3度目の登山道が交差したところで遡行打ち切り。

そこから登山道をしばらく歩いて、17:30、駐車地に戻って来ました。

下山完了。

---------------------------------------------

以上、山行報告でした。

振り返ると、5mから10m前後の滝が多くて遡行中も遡行後に写真を見返しても、どれがどの滝かよくわからないほどです。(僕が把握できてないだけですが、、、)
ロープを出して登る場面も多く、一見して難しそうな滝は巻いて過ごしました。
1泊2日の予定などにして時間に大きく余裕をもたせ、八間滝含め、全ての滝の直登に挑戦してみても楽しそうです。
登り疲れた後に現れるナメ床にも大変癒され、
感動的な沢でした!!


そして、行きと帰りと結局運転を全てして頂いて、僕は睡魔に耐えきれずほぼ寝ているというあるまじきことになってしまったので、普段から睡眠をもっとちゃんととろうと思いました!!
Iさん、ありがとうございました!!!




由良川源流 ゲロク谷右又

京都北山 由良川源流 ゲロク谷右又    2019年8月4日  T、Y吉、T内(会外)


 前回、図らずも刑部谷をゲロク谷と間違え、源頭部に至るまで気づかなかったこと
に反省し、今度こそはとゲロク谷を目指す。
 前夜11時に須後駐車場に集合し、またもやプチ宴会をして蒸し暑い山奥で寝る。
 朝6時起床。7時発。(ゲロク谷は遠いのでもう1時間出発を早めるべきだった)
 2週間前のことを昨日のことのように感じながら、マンネリ化したトロッコ軌道跡を
トボトボと歩く。やがて刑部谷が現れた。今回は間違いようがない。そこを過ぎて
暫くで、カズラ谷が右から流れ込み、少し奥で右又にとると、そこがゲロク谷だった。
 相変わらず目印も何もないのが嬉しい。ゲロク谷はやや手応えのある滝が連続して
お出迎えしてくれるので、対応に疲れる。6m以上になるとフリーでは落ちられないので
真剣に考えねばならない。滝を触ったり、落ち口で合掌したり、1m上がって敗退、
お後は高巻きと、色々な定番コースを繰り返しながらややこしく、厭らしい地形を左より
巻いて降りると、そのあたりが左右の二股のすぐ上部だった。出だしからやたらと
倒木が多く、滝の風情がかなり損なわれている。おそらく台風被害の為だろう。
 沢登りというよりも、倒木跨ぎ越えだ。右又取り付きに秀麗な7m滝があったので
上からロープを垂らし、安全確保して登るとそれほど難しくはなかった。その後も
綺麗な滝は数多く出てくるのだが、すべてが倒木に挟まれ、興ざめも甚だしい。
 また沢中も不快害虫類が多く、どうもすっきりしない。風の通りも悪いようだ。
 この辺は前回の刑部谷とはえらい違いだ。沢登りでは有名なゲロク谷ではあるが、
台風被害か現在ではあまり快適な沢とは言えなくなってしまっているようだ。水も
やや汚い。途中の巻きも悪く、ロープは4P程出した。T内さんに張り切ってリードして
もらったが、ハーケン打ちも的確で、カムのセットも要領よく、進歩が感じられた。
 ただ、滝の上と下でコールの手順を事前に決めておかなかったので若干手間が
かかった。(コールと笛による)。岩は全体にヌメヌメで、ゴム底の沢靴なら大変
だろうと思われえる。やがて空が見えだし、そこからなかなかに遠く、やっと稜線
枝尾根に着いたのは15時前だったか。途中あまり休憩も出来ず、全体的に忙しなく
虫の多い沢だった。枝尾根を歩くこと約3時間で須後の駐車場に戻り、解散する。

 
NOTES
  技術的にはこちらの方が上だが、谷が荒れた現在ではあまり遡行に解放感
  はない。雰囲気は圧倒的に刑部谷の方が上だった。
  滝を登るには、ハーケンやカム等が要るが、あくまでも自然保護の必要な
  研究山域なので人跡を残すことは避けたい。とはいってもひとたび台風災害
  に見舞われれば、沢の風情も跡形もなく削り取られるので、改めて自然の
  力の物凄さを実感させられた。
  帰って2,3日してもまだ背中のかみ跡が痒い。何の虫だったのだろうか。。

 


由良川源流 刑部谷

京都北山 由良川源流 刑部谷     2019年7月29日  T、Y吉


 京都北山にある、ゲロク谷を登る予定だったが、結果的に一つ手前の刑部谷を登っていた。
 谷を間違えたことは残念ではあるが、刑部谷そのものはこじんまりとはしているものの、
出てくる滝は皆流麗で、巻きもほとんどなく直登でき、遡行する価値のある沢だった。
 7月28日夜、伊丹出発。下道を3時間ほどで、芦生の須後駐車場に到着。車の中で
小宴会をして、1時過ぎに寝る。一晩中エンジンをかけてエアコンを入れていたため
快適ではあるが多少は芦生の空気を汚したかもしれない。
 翌日6時起床、7時出発。トロッコ軌道跡を約1時間ほど歩き、刑部谷と思われる枝沢を
通り過ぎ地図通りにゲロク谷(カズラ谷)が現れたので、迷うことなくゲロク谷に入る。
(と思ってたのは大きな間違いでそこは刑部谷であった)
 Y吉さんが二種類の本からカンニングペーパーをコピーしてくれていたので、あり難く
使わせて頂く。カンニングペーパー通りに次々と小滝が現れ、水も冷たく景色もよく、
何より直登できるのがうれしい。滝の高巻きは危険で全然楽しくない。十数個の滝を
越え、目指す二股の10㎡滝は何処かいなーと進んでいくと、何やら源頭部臭い。
 あれ?沢はこれからのハズ?と思うが向こうに空も見え隠れしている。うーむ、
おかしいということで二人でそれぞれ高度計やGPSで現在地を確認してみると、ほほ
同時に刑部谷の源頭部にいることを確認し、驚きの声をあげる。あちゃー。しかし沢自体は
流麗だし、特に紅葉の季節はそれほど濡れることもなく景色を鑑賞できるハズなので
互いにもう一度来ようということに落ち着く。それと同時に下山路を地形図で確認する。
 この辺りは自然保護林なので、滅多に自然を傷付けるわけにはいかない、と言いうことで
赤テープなども全くない。逆にそれが嬉しい。枝尾根を辿る事約90分でトロッコ軌道に
おり、そこから約60分歩いて須後の駐車場に戻る。14時。時間もあるので美山自然村の
温泉(?)に寄って見たが、台風被害の影響で日帰り入浴の再開は来年春ということで
止む無く第二案の日吉スプリング温泉に立ち寄る。さっぱりと汗を流し、2週間後の
ゲロク谷リベンジを約束して、家路に就く。
 
 NOTES:
  ひっそりと人知れず流れる清流だった。小さな滝でもすべて端正な佇まいで、絵になる。
  ここは別天地の癒し谷といったところか。老人クラブでも楽しめそうだ。
  登攀具は特に不要。ヒル対策は必須。(被害6匹位)。下山は迷いやすいのでGPS
  があると心強い。


2019.8.7-9 北岳バットレス

2019.8.7-9 北岳バットレス
山梨県 南アルプス 北岳バットレス第4尾根 の山行記録

IMG_1077


こんにちは、岩瀬た、です。
北岳バットレスの第4尾根に吉岡さんと行ってきました。

冬のうちから、「この夏は行きたいところたくさん!」と思っていて、昨年12月の時点で今年の9月頃までの大まかな予定を擦り合わせていました。できたこともできていないこともたくさんです。
8月に向けていろいろ調べて最終候補に上がっていたのは、剱岳・前穂北壁・北岳バットレス、でした。
剱岳は、2人の経験値的にはちょっと不安だったのと、どうやら時期的にもう少し早い方が良いらしいということで却下。
前穂北壁は、調べているうちに取付きまでのアプローチが結構悪いみたいだということがわかってきて、計画書も書いてみたけれど最終的に踏ん切りがつかず却下。
北岳バットレスは、アプローチの容易さや計画の立てやすさから、僕らには妥当だろうということに。


以下、山行報告です。

---------------------------------------------


◎メンバー
岩瀬た(記録)
吉岡


◎登攀時装備(主な物)
8.2mmx50mダブルロープx2
クイックドローx4
ヌンチャク60cmx6
ヌンチャク120cmx4
ヌンチャク240cmx2
カム c4#0.75-#3
水各自2L


◎行程概要

・8/6
22:30 神戸 集合・出発

・8/7
晴れ時々雨
5:30 芦安駐車場 到着
5:50 乗り合いタクシー 乗車・出発
6:50 広河原 到着・出発
9:30 白根御池小屋 到着・テント設営
10:30 取付きの偵察に出発
14:00 帰幕・休憩・夕飯(そうめん)・ギア類の準備
17:30 就寝

・8/8
晴れ
3:00 起床・朝食(らーめん)
4:00 白根御池小屋 出発
5:45 北岳バットレス下部岩壁 取付
6:00 登攀開始
9:00 北岳バットレス第4尾根 取付
12:00 北岳バットレス第4尾根 終了
12:30 北岳山頂
15:00 白根御池小屋 着・夕飯(カレーライス)
18:00 就寝

・8/9
晴れ
5:30 起床・朝食(うどん)・テント撤収
7:30 下山開始
9:00 広河原
9:30 バス乗車
10:30 芦安駐車場 下山完了


◎行程詳細

○8/6
各々仕事を終わらせて、出発。

○8/7
運転と睡眠を交代ばんこでするも、僕の運転が伸びず、八ヶ岳PAで少しだけ眠るつもりが1時間ほども寝てしまい、それでも眠気がとれずに吉岡さんが運転を代わってくれて気づいたら芦安駐車場だった。結局僕はあんまり運転していない。ありがとう吉岡さん。

駐車場に着いて始バスまで仮眠するつもりが、乗り合いタクシーの人に声をかけられてボケっとしながら乗り合いタクシーに乗り込む。
予定よりも早く広河原に着くことができて良かった。

6:50広河原で登山届けを提出して、入山。
さすが北岳。平日にもかかわらず結構人いるなぁと思いながら歩いて、大汗をかきはじめた頃合いに北岳がデーンと見える白根御池小屋に着く。
IMG_1091

テントを張って、しばし休憩の後、バットレスの偵察へ。

IMG_1094


10:30、誰か登ってる人いるかな?と思いながら、用意した地形図を見つつ大樺沢を歩く。

余談ですが、今回、取付きを間違えないように国土地理院地図のホームページを利用して、平面図と3D図面を用意しました。
IMG_0932
IMG_0933








会のホームページのメニュー「各種資料」の中に会長が書いてくださった詳しい使い方があります。是非。かなりオススメです。

さて、バットレス沢を過ぎてC沢を確認し、C沢D沢の中間稜の明瞭な踏み跡を辿る。
しばらく藪の中の踏み跡を辿ると、メルヘンなお花畑に出て、同時に北岳バットレスの下部岩壁が眼前に広がって、ウワーッと嬉しさもひとしお。
IMG_1098

下部岩壁直下まで行き、「十字クラック」「ピラミッドフェース」「Dガリー大滝」「第五尾根支稜」、それぞれを概念図と照らし合わせて確認。
今回僕たちが予定している取付きは第五尾根支稜。2010年の第4尾根上部崩壊後からは最もオーソドックスなルートだ。
まだ登っても無いのに感動を噛み締めつつ、続きは明日ということでテントに戻る。
戻る途中で小雨がパラリ。振り返るとバットレスは雲で見え隠れ。

14:00、テントに戻ると同時に雨足が少し強くなったので一眠り。目がさめると雨は上がっていたので、外のベンチで吉岡さんの用意した具沢山そうめんを食べ、明日の準備。
準備が終わってシュラフに入るとまた雨が降ってきたが、夜に一度目がさめ外の様子を伺うと満天の星空。これはおそらく一兆くらいでしょう。知らんけど。
嬉しい気持ちでいっぱいになりながら、また眠りに落ちる。


○8/8
3:00起床。らーめんを食べ、よーし頑張るぞと4:00出発。
取付きに行く途中、緊張のせいなのか珍しくお腹がゆるゆるで何度かキジを打ちに行く。結構タイムロスした。
すまないすまないと思いつつ、下部岩壁が朝日に染まるのを眼前に先行する吉岡さんの後を追い、6:00前に取付きに到着。
IMG_1104

IMG_1052

さっそく準備を整えて、登攀開始。


・1P目 第五尾根支稜
15m、トラバース、リード岩瀬た
顕著なバンドをトラバースして、岩をぐるりと回り込んだところにビレイ点がある。このまま直上してロープを伸ばすか迷ったけれど、出だしからコミュニケーション取れなくなるのも嫌だったのでピッチを切る。アプローチの一部みたいなピッチだった。

・2P目 第五尾根支稜
40m、フェイスからリッジ、リード吉岡
クライミング開始!という感じのピッチで、フェイスを上がって尾根に出てズンズンロープを伸ばした先でビレイ。

・3P目 第五尾根ーDガリー大滝へのつなぎ
50m、歩き、リード岩瀬た
何のことは無い歩きパートでしたが、一応ロープをつけて行く。
Dガリー大滝の手前でピッチを切る。
Dガリー大滝にはロープが垂れていて、「あれ、フィックスロープでも張ってあるのかな?」と思ったら、誰かの忘れ物でした。少し気味が悪いけど、見渡す限りに人が倒れてもいないので、とりあえず吉岡さんを迎える。

・4P目 Dガリー大滝
40m、ルンゼ、リード吉岡
IMG_1055
残置ロープは岩に詰まっていたので、取り除いて下に落としてもらい、隅っこの方にまとめて置いておく。
トントン登って行って、ルンゼの出口のビレイ点でビレイ。

・5P目 横断バンド
30m、歩き、リード岩瀬た
IMG_1056
僕、なんか歩いてばっかりだな、、、と思いながら綺麗な花の咲く横断バンドを灌木帯まで行ってビレイ。

・6P目 横断バンド
15m、歩き、コンテ
灌木帯手前にクラックがあったのでそこを直上するか、さらに灌木帯を進んでC沢に出るかしばし迷う。
予定ではC沢のガレ場を上がる予定だったのでとりあえず少し先の様子を見てみようとコンティニュアスで進むと、
「あ、これたぶんトポ図にある直上ラインだ。」と思える顕著なクラックのラインがあった。

・7P目 横断バンドーハング
45m、クラック、リード岩瀬た
IMG_1084
つるべの順番でいうと吉岡さんがリードの番でしたが、僕は歩いてばかりだったので、
岩瀬た「・・・行っても良い?」
吉岡「やっぱり?笑」
ということで、リードさせてもらう。
出だし幅広のクラックをレイバックで上がり、簡単な階段を上がった後にハンドサイズのクラックがビューっと走る。カムでプロテクションを取りながら登って(残置回収不能のマスターカムがひとつありました)、上がりきったどっかぶりのところのビレイ点でビレイ。

・8P目 ハングー草付き
40m、トラバース,フェイス、リード吉岡
どっかぶりの岩を左右どちらに巻くかしばし迷って、右側を巻く。
少し染み出しあり。階段状のフェイスを登り踏み跡を辿るとビレイポイント。特に問題無く登れる。

・9P目 草付きー4尾根取付き
45m、トラバース,フェイス,ルンゼ、リード岩瀬た
ホールドはたっぷりあるけど結構立ってる壁を登るか、コケっぽい湿ったルンゼを登るか迷う。
薄い踏み跡のようなものがあったのでそれを追って少しトラバースしてみるも、どこに行き着くのかよく分からなかったので踏み跡を追うのはやめて、とりあえず支点になる灌木めがけて登る。
そこからはルンゼに入るしかなさそうだったのでルンゼを登る。
ルンゼを抜け出ると視界が開ける。
写真を見て頭に叩き込んであった4尾根の取付きが見えた。やった。
ロープいっぱいになりそうだったので付近のハイマツでビレイ。
無駄にトラバースせずに、出だしから直上すれば4尾根の取付きまで行けたはずなので、ちょっと反省。
フォローを迎えて4尾根の取付きまでわずかばかり歩く。

・10P目 第4尾根
40m、クラック,スラブ、リード吉岡
IMG_1060
さあ!ついに4尾根が始まる!と気合が入る。
日射がジリジリと照りつけて痛いが、晴れ渡る空と大きな富士が遠くに見えて気分は最高。
リード吉岡、フィストサイズのクラックにカムでプロテクションをとって登って行く。
しばらく登って見えなくなったところでビレイ解除のコール。僕も続けて登る。

・11P目 第4尾根
40m、階段,リッジ、リード岩瀬た
あまりよく覚えていないけれど、ずっと景色が良かった。
リングボルト2本のビレイ点でビレイ。

・12P目 第4尾根
40m、白い岩のクラック、吉岡
特に難しい事もなく、快適なクライミング。
あんまり覚えていない。景色が良かった。

・13P目 第4尾根,マッチ箱
45m、フェイス,リッジ,マッチ箱、リード岩瀬た
IMG_1062
ビレイ点から少し登って、リッジを進むと三角形の壁が現れる。左側にクラックが走っていて、残置ハーケンが何本か打っているので適当な間隔でプロテクションをとりスラブを乗り越す。
乗り越した先は右も左も切れ落ちたすっきりと気持ち良いリッジ。眼前に迫る最後の壁を見ながら進み、マッチ箱のピナクルにあるビレイ点でビレイ。

・14P目 第4尾根,懸垂下降
20m
IMG_1064
マッチ箱のビレイ点のすぐ目の前にある残置のリングボルトに何本も通されたスリングを使って、ロープ一本で懸垂下降。
最初どこに降りたら良いのか迷いましたが、よく見るとすぐ下に次のビレイ点が見えました。

・15P目 第4尾根
30m、コーナー,クラック、リード吉岡
IMG_1065

IMG_1112
ビレイ点右側コーナーを登って、登った先の左側のクラックを行く。難しい箇所も無く、快適なクライミング。照りつける日射で首の裏が痛い!ついでにクライミングシューズで締められたつま先も痛い!

・16P目 第4尾根
40m、凹角,リッジ,トラバース、リード岩瀬た
IMG_1113
凹角を上がってリッジに出る。リッジの先にはかつての枯れ木のテラスがあり、その名残であろう枯れ木が岩に挟まっている。
そこでピッチを切っても良かったけれど、まだロープに余裕があるので最終ピッチ手前までのナイフリッジのトラバースもやってしまうことにする。
リッジを持ちつつ足は細かなスタンスを拾って、岩の割れ目をピョンと乗越して、最後の城塞チムニー前にあるビレイ点に到着。
ビレイ点はやや傾斜が強く、足を置く場所が極端に狭いのでハンギングビレイとなる。
バチ効きしてるので大丈夫だけれど、錆びたリングボルトやハーケンでハンギング状態になるのは少し嫌だった。というか、これ打つの結構大変だったんでは無いだろうか。ありがたし。などと思う。

・17P目 第4尾根ー終了点
30m、チムニー、リード吉岡
IMG_1066
やっと最後のピッチだ。
薄くかぶったチムニー。残置ハーケンは多め。
適当にプロテクションをとりつつ、窮屈そうだが無難に登って行く。姿が見えなくなってから少ししたらビレイ解除のコール。
フォローで登る。吉岡さんが窮屈なチムニーに僕が入るのはちょっとしんどいので、できるだけ外側を登るようにして無事にビレイ点へ。
IMG_1067


12:00、登攀終了!
終わったー!とハイタッチして、ロープをまとめて靴を履き替えて北岳の山頂までしばし歩く。
山頂には結構人がいたので、お願いして写真を撮ってもらいました。
IMG_1126

それから肩の小屋まで降りて、甲斐駒ヶ岳を眺めて、降りる。

15:00、無事に白根御池小屋のテント場に着いて、ギアをバラして休憩。
ほぼ予定通りに登って降りてこられたのでなかなか満足!

「山で贅沢はしない!」という吉岡さんを尻目に僕は我慢できずに小屋に売ってるビールをいただき、米3合を炊いてカレーライスを食べ、お腹いっぱい良い気分で眠りにつきました。
IMG_1075


○8/9
今日は下山だけなので、目覚ましもセットせずに眠った。夜半に少し遠くで雷がビカビカゴロゴロと鳴っていた。
5:30頃に目が覚め、朝ごはんをのんびり食べてテントを片付けて下山開始。
良い気分で広河原まで降りて、9:30のバスに乗って芦安駐車場へ。
芦安駐車場には日帰り入浴できる銭湯があったので一風呂浴びてアイスを食べて、帰路につきました。

下山完了。

---------------------------------------------

以上、山行報告でした。

夏の目標だった本チャンに行くことができて、嬉しい気持ちでいっぱいです!

出発直前まで天候が不安定で中止するかどうか悩んだりもしましたが、蓋を開けてみればほとんど雨に降られること無く、ただただ楽しい3日間でした。
この一年、僕がしてきたフリークライミングや日帰りの沢登りとはスケールが違い、フィジカル/テクニカルな部分こそ優しかったものの、ルートファインディングなどで頭を使う部分もあったりして、初めて行く夏のアルパインには最適な場所だなと思いました!
しかも、平日というのもあるのか終始僕らの貸切で、好きなペースで登れたのも大変良かったと思います。残置支点も、錆びてるけどバチギギのハーケンやリングボルトが多数ありました。


吉岡さん、毎度毎度ですが、毎度ありがとう!!
少しずつレベルアップして、夏も冬もいろんなアルパインルートに行きたいです!
IMG_1122





剱岳 チンネ左稜線

憧れの剱岳チンネ左稜線のクライミングに行ってきました。
ちょっと長い記録になりますがご勘弁。

日程 令和元年7月22日(月)〜25日(木)
行先 北アルプス剱岳 チンネ左稜線
メンバー A田(L)、T口、ずうやん(マスコット)、OKD(記)

今年の目標としていた剱岳チンネ左稜線。
八ツ峰Ⅵ峰Cフェースも登る予定でしたが、天候によりチンネ左稜線に絞って登攀してきました。

◎行程
○ 21日(日)
19時00分  A田さん宅に集合し、立山駅に向けて出発。途中、雨は降ったり止んだり。
助手席ではT口さんがおもむろにレジ袋から「うどん出汁の素」を取り出し、何やらゴソゴソやっている。
明日は何を食べさせてくれるのか。
ところでT口さんのザックにはレジ袋が満載である。袋in袋どころではない。レジ袋にもこだわりがあるらしく、どの店の袋は丈夫だとか、極小のやつもあるとか、なかなかのデータ量のようだ。

IMG_1093
前日の仕事で睡眠不足だったので養老SAでT口さんと運転を交代。あとは爆睡して目が覚めたら立山駅に着いていた。T口さんありがとうございます。
駐車場脇の空いたスペースにテントを立て、そそくさと就寝。時折雨のパラつく音で目が覚めた。


○ 22日(月)
7時00分  始発ケーブルからバスに乗り継いで室堂へ向かう。出発時には止んでいた雨がまた降ってきた。


IMG_1047
8時30分  室堂着。この時点で土砂降り。。。ずうやんの記念撮影したりターミナルでカッパを着たりしていると雨が止んだ。


IMG_1050
9時00分  ターミナル出発。その後も降ったり止んだりの中を歩く。


IMG_1040
9時30分  雷鳥沢に着。天気予報を確認すると翌23日も昼頃までは雨模様。翌日のクライミングも無理っぽい。この日は熊の岩まで行く予定だったが早々に行動を打ち切り、温泉に入ってのんびりすることにした。山の温泉は最高ですな♨︎


IMG_1107
夕食はT口さん作、鶏肉と野菜たっぷりの汁の少ないうどん。汁は少ないが美味しかった。


○23日(火)
8時00分  雷鳥沢出発。当初の予定を変更してチンネ左稜線だけクライミングすることにしたので、この日の行動は剱沢まで。歩き出すとまた雨が降りだし次第に強まる。

9時30分  剱御前小舎着。雨が強く体も冷えたのでしばらく休憩することにした。明日は晴れ予報やけど岩が乾くんか心配になってきた。


IMG_1113
10時30分  剱沢キャンプ場着。雨の隙を突いてテント設営。昼過ぎになると段々と雲が切れて晴れ間がのぞいてきた。明日の天気は期待できそう!剱の頭が見えてきて、ずうやんもご満悦。

夕食はA田シェフのパイタン鍋でお腹いっぱい。
明日は未明からの行動になるので準備を整える。
18時00分  就寝。


○24日(水)
IMG_1118
いよいよチンネ左稜線クライミング当日。
2時00分  剱沢キャンプ場発。ヘッデンの明かりを頼りに雪渓を下る。


IMG_1121
3時13分  長次郎出合着。アイゼンを締め直し、キツイ長次郎谷の登りへ。熊の岩はまだ見えていない。
ところどころ大き目の落石の痕があり、注意しながら登り始める。


IMG_1125IMG_1130
4時22分  ゼェゼェと息を切らせて熊の岩に到着。ようやく明るくなってきた。
クライミング装備だけでこんなにしんどいのだから、当初の予定通りだと幕営装備一式でこれを登れたのかどうか…。右俣を見上げると心配された雪渓は繋がっているようで一安心。


IMG_1064
5時38分  所々にできたシュルンドを避けながら、池ノ谷乗越に到着。アイゼンを外してガリーを下る準備をする。


IMG_1131IMG_1066
5時51分  池ノ谷乗越発。池ノ谷ガリーを下る。触れた岩全てが崩れて落ちる。落石のフォールラインに入ると危険なので、ここは間隔を詰め詰めで下る。小窓の王がカッコいい。


IMG_1068
6時26分  三ノ窓に到着。少し休憩して再びアイゼン装着。チンネの全景が見えた。快晴!俄然ヤル気が湧いてくる。


IMG_1137
6時53分  三ノ窓出発。雪渓を慎重にトラバース。振り返ると小窓の王。やはりカッコいい。


IMG_1135
7時30分  左稜線取り付き1P目(OKDリード)
壁は前日までの雨でビチョビチョ。ノーロープで一段上のバンドまで上がる。そこから左へトラバースしたが濡れと高度感で気持ち悪い。付近を探すとハーケンが1枚あったのでとりあえずそこでセルフを取り、ロープを下ろして下でビレイしてもらう。
いっぱいまでトラバースし、安定した場所にハーケン2枚とボロいスリングがあったので、ここでピッチを切る。


IMG_1139
8時23分  2P目(T口リード)
トポではやや右上がりのⅢ級50m。順調に伸びていたロープが半分手前で止まる。そこから全然ロープが伸びなくなった。
上で何やらわめいているがコールなのか独り言なのかよくわからない。その都度こちらからも大声で確認することとなった。はじめにシンプルなコールをもっと擦り合わせておくべきだったと反省。
そこから伸びては大休止を繰り返し、ようやくビレイ解除のコール。2ndのA田さんも何やら叫んでいる。これは相当悪いみたい。
フォローで登ると最初は快適なフェースを右上し畳一畳弱のテラスに出た(ハーケン2枚有り)。ロープはそこからさらに右にトラバースするように伸びている。ん?ここから直上じゃないの??どう見てもルートは直上っぽいよ???
仕方がないのでロープの伸びてる右方へ進むが、ここからがクソ悪かった。スタンスは外傾しているうえに雫が滴ってビチャビチャ、ホールドも少ない。残置のハーケンも無くカムでプロテクションを取っている。これほんまにⅢ級?じわじわ進むと今度は直上方向にゲートが壊れたカラビナと古びたテープスリングが数本かかっている。ここ人工ルートなの?
もうわけわからん状態だがスリング掴むのも癪なのでなんとかフリーで抜けようと試みるも、知恵の輪みたくどうにもこうにも回収できないヌンチャクと格闘してるうちに敢え無くA0…。

IMG_1142
そこからもビチャビチャの壁に左半身ドロドロになりながらなんとか終了点へ。
終了点で待っていたリードのT口さんの様子を見ると呼吸が乱れて酸素不足の魚のように口パクパクの放心状態になっていた。こんな所よくリードしたなホンマに。回復するのにだいぶん時間かかりそうな様子。
ふと上を見ると自分たちの右側から取り付いていたソロクライマーさんがいたので聞いてみると「ここ左下カンテルートですよ」とのこと。ルート間違えて合流した右隣のルートが「左下カンテルート」という事はそもそも取付きが間違ってたのか!

IMG_1232
後で調べると、詳細は判然としないがどうもベルニナルートから取り付き、途中右にルートを逸れて左下カンテ中間ルンゼに合流したっぽい(図の②〜③を繋いだ感じ。写真で見た限り取付きが左稜線とは明らかに違っていた)
結局全ピッチ中このピッチが精神的にも一番キツかった。登攀に2時間半もかかってしまった。

10時55分  3P目(OKDリード)
さて、予定していたルートとは全然違うルートに入ってしまった。どうしたものか思案したが見上げると登りやすそうなルンゼ状が続いている。
このまま登っていけば中央バンド手前で左稜線に復帰できるっぽい。

IMG_1143
順調にロープを伸ばし、ロープ半分過ぎたあたりでピッチを切り後続を迎える。

11時32分  4P目(OKDリード)
よくわからんルンゼ状の4ピッチ目をさらに登る。時間もかなりオーバーしていたので行けるところまで行こうとロープを伸ばすと、左上に左稜線ルートのピナクル群が見えた。ロープいっぱい伸ばしたが届かず、ピナクル群までもう少しという所でピッチを切った。


IMG_1144
12時25分  5P目(T口リード)
先ほどまで放心状態だったT口さんもこの時点で少し回復してきた様子。ここでリードを交代してもらう。
ピナクル群まであと少しだったのでそのままピナクル群も繋げてもらおうと思ったが、裏側に回り込むためにロープの流れが悪くなりそうだったので一旦ピッチを切ることに。
ここで登攀するT口さんをビレーしながら思案。時間はかなりオーバーしている。メンバーの現状や登攀スピードを考えると、登攀を継続してルートを抜けるのは早くても16時、ヘタすると17時を過ぎる可能性も。ここで打ち切り下降することも考えるべきか。
その旨リーダーのA田さんに伝えて相談。メンバーの中で最も剱に精通しているリーダー、熟考したうえで「今日は晴天だしヘッデン行動になるのはおそらく19時過ぎ。17時に登攀終了し長次郎雪渓を慎重にクライムダウンしても明るいうちに熊の岩までは確実に下れる。このまま登攀を続けましょう」と力強い一言。

IMG_1069
そうと決まれば行きましょう!


IMG_1148
12時50分  6P目 ピナクル群(T口リード)
ここは気持ちの良いスカイラインのピッチ。続けてT口さんにリードしてもらう。少し落ち着いたのか今回はかなり慎重にルーファイしている様子。危なげなく登って行く。ナイスリード。

IMG_1073IMG_1079
若干ガスがかかってきたが、ピナクルを上に下に左に右に、縫うように進んでいく。ようやく正規ルートに復帰して安心し、気持ちの良いクライミングだった。

IMG_1082
ロープの流れが悪くなったので、ピナクルで支点を取りピッチを切ってリード交代。


IMG_1157IMG_1158
13時40分  8P目 核心ピッチ(OKDリード)
7P目でピナクルからT5に向かうと、先行するソロクライマーさんに追いついた。ソロだと1往復半の行ったり来たりなのでかなり大変そう。T5手前で一旦ピッチを切り後続の2人を迎える。
そしていよいよ核心ピッチ。継続してリードで行く。ソロクライマーさんが見えなくなるのを待ってスタート。見た感じ2つの小ハングが核心っぽい。荷物を背負った状態で越せるかな…と若干弱気になるが自分が行くしかない!と奮い立たせる。
まず右のカンテ部分をレイバック気味に登ってから、やや左に移動しながらハングを超えていく。
取り付いてみるとホールドもスタンスも明確でハング部分もそれほど難しくはなかった。どちらかというとカンテ部分の方がいやらしい感じだった。

IMG_1022
2ndのA田さんが続く。A田さんも小ハングよりもカンテ部分が難しかったとのこと。

IMG_1165
このピッチはやたらと残置ハーケンが多く、律儀にランナーを取るとたちまち弾切れしてしまう。
各自の判断で適度な間隔で飛ばしながら登る必要があるだろう。ロープいっぱい伸ばしてピッチを切る。

15時00分  9P目(OKDリード)
この先あまり登りはないようだが、延々と続くエッジは終わりが全く見えない。時間も押しているので続けてリードを引き受ける。
このピッチはガスっていたし、さっさと終わらせてしまったのであんまり記憶がない。特に困難なところもなかった。


IMG_1087IMG_1088
15時30分  10P目(A田リード)
いよいよ最後の登り。満を持してリーダーA田さんのリード。登りは力強く、見ていて安心感がある。
長い時間をかけてここまできたが、リーダーの登りを見ていると少し名残惜しい気持ちになった。
しかしこれで終わりかと思っていたが、登ったリーダー曰く、まだ先もエッジ状の岩場が続いているらしい。岩に挟まりロープの流れが悪くなったので、途中でピッチを切った。


IMG_1196
16時10分  チンネ頂上
そのあと11P目をリードで行ったがスタンスも安定しておりプロテクションを取る必要はほぼ無かった。
エッジの間を縫うように水平にロープを伸ばすと、一際飛び出た岩が目に止まった。憧れのチンネの頭だ。ようやく到着した喜びをぐっと抑えて、ビレイ点を構築し後続を迎える。
登ってきたメンバーと共にチンネの頭で喜びを分かち合い記念撮影。達成感に浸る間もそこそこに下山に取り掛かる。

IMG_1168
チンネ頭からすぐ下のコルまで歩いて下ると懸垂支点があり、懸垂2回で池ノ谷ガリーの途中に降り立つ。
ガレガレのガリーを落石を起こさぬよう慎重に登り返す。


IMG_1170
17時37分着  池ノ谷乗越
日没時間はまだ1時間以上先だ。リーダーの読み通り明るいうちに熊の岩まで下れそうだ。


IMG_1171
17時48分  長次郎右俣下降
アイゼンを装着しピッケルを持って雪渓を下りはじめる。ここから先はひたすら雪渓の下りで全く写真を撮ってなかった…。
池ノ谷乗越から熊の岩までは傾斜も強く、一歩ずつ慎重にクライムダウン。過去に落ちた経験がいまだにトラウマになっているのかアイゼンでのクライムダウンは怖い。行きでA田さんとT口さんが「まぁまぁ傾斜キツイですね。落ちたら止まらんですね」と会話していたことが頭をよぎる。やめていらんこと言わんといてホンマに(泣笑)。この下りは僕的には今日一番の恐怖だった。
A田さんはこの傾斜をサクサクと下って、はるか下の熊の岩の横で休憩していた。さすがとしか言いようがない。

19時58分  長次郎出合
ようやく長次郎出合に到着。あとはひたすら剱沢雪渓の登り。
あたりはようやく暗くなったという感じで、登っているうちに星がたくさん見えた。A田さん曰く一兆くらいらしい。知らんけど。天の川まで見えた。これはほんま。
時折の流れ星に励まされながらも歩を進めるが、平蔵谷を過ぎた辺りで完全に電池切れになった。
ここからはただの試練でしかなく、ヘッデンの明かりを頼りに数歩進んでは立ち止まるを繰り返すことになった。なぜか無性に牛乳が飲みたくなり、そればかり考えていた。

22時22分  剱沢テント場着
思いのほか剱沢の登りに時間を費やしてしまい、お二人には迷惑をかけた。冬から夏前までクライミングばかりしてたので、やはり歩く力が落ちているのか。
歩荷トレーニングもマメに続けなければいけないなと痛感した。
この日の行動時間は朝2時に出発し、合計20時間22分の行動となった。もちろん自己新記録。
今晩は僕の食事当番だったが、ここから夕食を作る気力もなく皆早々に寝た。



○25日
IMG_1178
4時30分  起床
周りのテントの音で目が覚める。皆出発準備をしている様子。外を覗くと空が赤く染まって、とても綺麗だった。今日も天気が良さそう。
今日は下山だけなので、しばらくシュラフに包まってゴロゴロしたあと昨夜食べそびれたおでんを作った…までは良かったのだが、シメに投入した冷麦が水分を吸いまくって汁の少なすぎる超絶に粉っぽい冷麦となった。完全な失敗。昨日あれほど飲みたかった牛乳のことはすっかり忘れていた。

7時55分  剱沢テント場発
しばらくのんびりしていると日が昇り、夜露で湿ったテントやギア類も乾いてきたのでパッキングを済ませ出発。

IMG_1183
登山道脇にはチングルマの可憐な花が咲き乱れ、ずうやんも嬉しそうだった。


IMG_1091
8時55分  剱御前小舎着
暫しの休憩。天気も良く、この日が一番剱岳が綺麗に見えた。


IMG_1186
9時08分  剱御前小舎発
雷鳥沢に向けて下る。地獄谷や室堂ターミナルまでスッキリ見えている。素晴らしい景色。

IMG_1011
途中で砂浴びしている雷鳥に出会った。

IMG_1007
雷鳥沢で水分補給して最後の登り返し。ザックの重みと旅の終わりを実感しながら一歩一歩踏みしめる。

IMG_1194
11時25分  みくりが池温泉 休憩  12時15分発
A田さんオススメのソーダフロートとチーズケーキを食べようとみくりが池温泉に寄るも、キッチンが工事中とのことでソーダフロートにはありつけず。
仕方なく各々好みのオーダーをして山上セレブの気分。A田さんはTシャツ、T口さんはピンバッチ、僕は手ぬぐいをお土産に買い、硫黄臭の立ち込める石畳を歩いて12時30分室堂ターミナルに到着となりました。

下山してからは一刻も早く汗を流したかったので、これまたA田さんオススメの氷見市神代温泉に浸かる。ひなびた温泉という言葉がピッタリのとても雰囲気のある温泉だった。
温泉の後は食欲とばかりに次はローカル回転寿司の氷見きときと寿しで皿の塔を築き上げ、お腹いっぱいになって帰路につきました。


◎考察
・ アプローチ含めて体力的な要素が大きい。
・ 取付きやルートの特長はあらかじめよく頭に入れておくこと。覚えきれなければ写真で持つ等。
・ コールはシンプルに。
・ コールが届かない場合の擦り合わせも重要。
・ 単純な登攀スピードだけでなくロープワークはもちろん、終了点での次の準備など細かい部分が大きな差となってくる。とにかくスピードは正義。
・ プロテクションは錆びたハーケンばかりだが比較的しっかりしていた。
・ カムはマイクロ〜♯2までで充分だった。ルートを逸れてからルンゼにかけての間と、核心ピッチ後のクラックで役に立った。
・ チンネからの懸垂はガレているのでロープを出しながらの方が安全だがスムーズにいかなかった。練習が必要。


今回は行動時間20時間超となったが、リーダーの判断も良く皆の力で完登できました。
予想以上に時間オーバーして下りるかどうか迷った時点で、リーダーの「明るいうちに確実に安全圏に下りられる」という一言がなければ、下りることを強く推して完登できなかったのではと思います。
今回、このメンバーで憧れのチンネに登れたことはとても嬉しく、メンバーに深く感謝します。
しかしあれだけしんどかったのに、帰ってきて思い返すとまた行きたくなるのはなんでなのか?
今回、左稜線ルートの下半分も見れてないし、八ツ峰もできなかったのでまた行きましょう。ありがとうございました!


記事検索
月別アーカイブ
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

プロフィール

kobe_alpine

  • ライブドアブログ