2022.05.17-18【剱岳山スキー】


今シーズン最後の山スキーに、

「剱岳 大脱走ルンゼ」を滑ってきた



この場所に行こうと誰が言い出したのか、
どうやら私みたい ...

「身のほど知らず」とは正に私の事

行くとなれば当然、色々と調べる
どうやら山スキーヤーにとっては一つの目標であり
チャレンジ精神を掻き立てられる
「憧れの崇高なルート」

「岩と雪の殿堂 剱岳」

北アルプスの盟峰 剱岳 (2,999m) の南面を山頂から
平蔵谷まで綺麗に貫く急峻なダイレクトルンゼ
斜度は平均45度、最大50度」と言われる
ミスの許されない クラシックライン
黒々と岩稜を露出した威風堂々とした山容は
威圧感が凄い



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想像するだけで心臓の鼓動が速くなる

いくら準備しても不安が拭えない


以下、山行記録です


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■ メンバー


藤本  (L)(記)          スキー
N      (会外友人) スキー
T       (会外友人) スノーボード     



■ 装備 (主な物)


山スキー  標準装備

登攀具
アックス × 1本
ウィペット × 1本
ポール × 1本
アイゼン 
ハーネス
PAS
スリング (400㎝、240㎝、120㎝) 
無線


■ 行動詳細


1日目  (5月17日) 

  7:00
 立山駅 
  8:30 室堂
11:00 剱御前小舎 (泊) (2,750m)


急ぐ理由はないが始発の
ケーブルカーに乗る
美女平からのバスに揺られながらいつかのワンデイ

「立山駅 ~ 雄山 山スキー 50㎞」を想出す

果てしなく遠かったな

室堂は予報通りの曇天
これまた急ぐ理由はないが剱御前小舎まで
競う様にハイスピードで上がる



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小屋に着き初めて稜線の反対側の剱岳を望めた
肉眼で見ても「大脱走ルンゼ」
ぶっ立ってる!

「ここまで来てしまった ... 」

更に望遠カメラでラインを念入りにチェック
核心部のノドに破断面があるが判断がつかない

気温はさほど低くはないが雪は硬め

「時間があれば別山北面の急斜面を滑るべき」

と某書籍に書かれている通り若者のT氏は滑りに
行き「おかわり」までしたとか

我々おじさん組は色んな理由をつけ意地でも外に
出て行かない (笑)
そして会議!




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「美しい ~」



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富山の水田に夕日が朱色に染まり綺麗


4月下旬から5月の中旬までしか見れないらしい

「砺波平野の散居村」

散居村とは家一軒一軒が広大な耕地を挟んで点在
している集落形態で、日本では他に十勝平野や
出雲平野などでも見る事ができるが、とりわけ
砺波平野の散居村は日本最大級の規模を誇る



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そんな絶景の撮影も若者にまかせる (笑)


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2日目  (5月18日) 

快晴


  3:00
 起床
  4:30 剱御前小舎 (2,750m)
  4:43 日の出
     剱沢 滑降
  5:30 平蔵谷出合 (2,100m)
     インデアンクーロワール
     源次郎尾根
  9:30 剱岳山頂 (2,999m)
10:30 滑降開始
11:30 平蔵谷出合 
(2,100m)
12:00 剱沢 登り返し
14:00 剱御前小舎 
(2,750m)
15:30 室堂 (2,430m)
16:30 最終バス
18:00 立山駅 (駐車地) 
  



眠さと緊張感が入り交じり皆、口数が少ない

薄暗い中、カチカチの剱沢を平蔵谷出合まで滑る
快適とはまず言えない雪
すぐさま太ももに乳酸が溜まりストップ



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「どんどん近づいてくる」

「圧倒されてきた ... 」




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立山の名ガイドとして活躍した「佐伯平蔵」

なかなかな風貌の男

「平蔵谷」の名を残している


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平蔵谷出合 到着


天気は申し分ないが、まだまだ雪は硬い
雪が緩まなければ流石に「大脱走ルンゼ」は
滑れない
帰りの最終バスの時間を意識しながらギリギリまで
雪が緩む時間をかせぎ山頂からのドロップ時間を
調整する
内心、コンディションが揃わない事を願ってる
自分がいた ...

右側の岩壁からの落石に注意しながら中央~
左寄りを登る

下部はデブリと落石が多い

前を行く3人パーティ
(全員、BCガイドでプライベート山行とか)
インデアンクーロワール出合近くまで進んでいる



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青と白のコントラストが眩しい




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山スキーヤーの2人が頼もしく見える

ビビってるのは私だけか?




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右手に見える天狗の鼻の様な顕著な岩峰を挟み

左が 「大脱走ルンゼ」、
右が 「インデアンクーロワール」

どちらからでも登れる

またそれ以外にも平蔵谷を詰めれば
「えびルンゼ」や 平蔵のコルから
「カニのタテバイ」もある

今回は「大脱走ルンゼ」の斜度をまじかに見て
滑降のイメージをしたいのと雪質のチェックが
したかったので「インデアンクーロワール」から
登る事とした



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「大脱走ルンゼ」直下の破断面
深さ3mほどはありそう
絶対落ちるのはNG



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「大脱走ルンゼ」の核心部のノド直下を偵察
壁の様にそそり立つ
雪は繫がっているのかは不明
クライムダウンするにしても滑走からアックスと
アイゼンにモードチェンジできる場所があるのか?

もし出来なければ詰んでしまう ...



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上を見上げればガイドの先行パーティ
かなり傾斜で苦労してそう

それにしても「ぶっ立ってる!」



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我々は「インデアンクーロワール」から

傾斜は「大脱走ルンゼ」よりも寝ており
取付から源次郎尾根の稜線が見えていた
ここからはアックスとウィペットで登攀

予想通り尾根までは楽に乗り上げた



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源次郎尾根の向こうにはドーン!

「八ッ峰」

手前の平坦な部分「熊の岩」(クライマーの適泊地)

「かっこういい!」

いずれ「八ッ峰 
登攀」~「長次郎谷 滑降」でも
やってみたい



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一服してるその細尾根の稜線は両側とも雪が
割れており気持ちが悪い

「長居は無用」



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ここからは「源次郎尾根」を登る
まず現れたのが岩稜の間を抜けるポイント
かなりの高度感の中、フリーで垂直の雪壁を登る
様に見えた
少し悪そうに見え躊躇したが弱点を突き突破
抜けた上部でスタンディングアックスビレイで
確保する



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難所を抜け、急峻な雪稜を登る
雪は予想通り硬すぎず、緩すぎない程度
踏抜きもなく上手くステップを作れる

Nパイセン、トレースありがとう



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頂上をロックオン!
この辺りが滑降ライン

「横から見ると45度は越えてる!」

超絶ビビってる私とは裏腹に若者のT氏は

「これくらい雪が緩めば楽勝~」と豪語

あとNパイセンもゴーサインを出せばもう
行くしかない事に ...



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サミット!

笑顔が引きつってる私

心臓が飛びだしそう ...



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しばし眼下の大展望を満喫して呼吸を整える

ピークで滑走モードに変え
1段下がったテラスに降りる

ここはリーダーの権限で順番を決める

1番 Nパイセン
2番 私
3番 Tパイセン

技量から見ても順当であるし何かあったら助けて
もらわないと

小さいノールを越え左にトラバースしてエントリー



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先行していたガイドパーティが最後の稜線まで
上がってきた

やはり「大脱走ルンゼ」の登りはかなりきつかった
のであろう
若しくは好きこのんで選んだのか?



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しばし躊躇する3人 ...



1番手のNパイセンがドロップ

すかさずジャンプターンを決める! こわ!

つづいて私

そんな決死のワンターンなど私にはでき様もなく
尾根に乗り上げるまでノーターン (笑)


やはり 平均斜度45度

最大50度 」は怖い




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尾根で深呼吸をして、意を決して最初のターン!

「うぉぉぉぉぉー!」

ミスは許されないから超絶に怖い

転んでも止まりそうなザラメに感じるが
信用はできない
また縦溝をドロドロと流れるスラフにも警戒が必要

何となく感覚が分かってきて少し余裕が出てきた

残すは核心部のノド

Nパイセンがスキーで突破
無線で的確な指示をもらう

スキーヤーズライト
→ レフト → ライト
とクレバスに落ちない様に通過

無事に「大脱走ルンゼ」を滑降!

一気に安堵感がこみ上げた


生きてる




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まだ予断を許さない

平蔵谷のデブリとクレバス、落石に注意しながら
出合を目指す

でも先程までと比べると明らかに気は緩んでいる

平蔵谷出合に到着

どんな形であれ安全に降りて来れれば良い

それが「山スキー」


「やったぞー」



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「達成感、はんぱない!」


剱御前小舎まで 650m アップ

2時間ほどの地味な登り返しも清々しい



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総距離 :  16.5㎞

獲得標高: 2,352m


今回のコンディションで行かなければ
絶対に行けない

でも行って本当に良かった

宿題にはならなかったし (笑)


パイセン方、本当にありがとう!










2022.05.02-05【穂高BC】

今年のGWは「穂高で山スキー」
満喫しようとかなり欲張った計画を立てた



それが直前4月下旬の大雨の影響により北アルプス、
上高地につながる県道が土砂崩壊により通行止めと
なった
直前の計画変更は時間的に準備が大変で、
この時点では考える気にはならなかった
「お願いします~」
だが懸命の復旧作業により4月29日には開通され
安堵した


山行の概要はこの様なもの

1日目 前穂高岳 (3,090m)
2日目 奥穂高岳 (3,190m) ロープ使用
3日目 涸沢槍  (3,103m)
4日目 北穂高岳 (3,106m) 
ロープ使用

4日間で「3,000m峰」を4回登頂して頂上から
滑降するという内心無謀とも思える計画

今回、同行して頂いた先輩は少し宇宙の方なので
「何でも大丈夫ですよ」と言う
嬉しく、また安心できる懐の深い方だけど ... (笑)

はたして体力的にもつのか?
1日や2日間ならハードな山行は可能だが、
3日目は全力でレストしたがる身体を鼓舞して
乗り切る
4日目は ...
とにかく気持ちを強く保つ事が一番重要
理由を探し諦めようとはしない
成し遂げる方法を冷静に模索して前進する

でも不安が拭えない


以下、山行記録です


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■ メンバー


藤本 (L)(記) (板 グレー、ブーツ 黄色)
三浦       (板 オレンジ、ブーツ オレンジ)

↑ ※ 判別方法


■ 装備 (主な物)


山スキー  標準装備
登攀具
ダブルアックス
アイゼン 
シングルロープ 8.5㎜ 50m
カム C4 #1.0#0.75#0.5#0.4#0.3
ナッツ 
スリング他
無線
総重量 22㎏ (藤本)


■ 行動詳細


1日目 

2:30
 あかんだな駐車場

深夜なのにGWなので次々と車がやってくる
必ず始発バスには乗りたいので何時から順番
待ちをすれば良いのか分からないがとりあえず
寝付けのビールを飲み1時間だけ仮眠
起床、まだ睡魔が ...
朝食のざる蕎麦をかきこむ

4:50 始発バス発 → 5:25 上高地着 (1,500m)

ガスが抜け穂高の稜線が見えて
テンションが上がってきた!

お約束の河童橋でパシャリ


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「例年より雪は少なそう」
遠望してまだこの時点では呑気な事を言ってる


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小一時間ほど夏道を登ってきたがまだ雪は
現れない
天然クーラーの風穴はいつ来ても気付かない
振り返れば霞沢岳、遠くには乗鞍岳が見える

「やっぱり上高地は最高!」

 まだまだ観光客気分


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2時間ほど登り漸く沢筋の雪が繫がってきたので
シールを張る
30分ほどで岳沢小屋がひょっこり現れた
嬉しい誤算
(2,170m)

※ 結局4日間でシールを使用したのはここだけ


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今夜のお宿の岳沢小屋に不要な荷物をデポして
奥明神沢を詰める
午後からは小雪と稜線の風は強めの予報
天気と競争しながら高度を上げて行く

 ↓  (写真)
  左:奥明神沢 右:明神岳に伸びる沢

前日の降雪により踝ほどのラッセル
表面がうっすらパックされていて登りづらいので
グレーに見える雪付きの少ない部分を進む
落石は少なく心配はない 


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かなりの斜度で直登はできない
ひたすらジグを切って上がる
固い雪面がありアイゼンの片側しか刺さらない
ダブルアックスで3点支持をしないと滑落しそう

「初級のアイスクライミングレベルみたい!」

ロッククライミングやアイスクライミングは
やっているので登攀は問題ないが
スキー滑走に難のある私はもうドキドキもの


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遥か上の稜線は風が強くなってきた
と思えば雪も
だが標高を上げて行く

計画では
奥明神沢 ~ ダイレクトルンゼ ~ 前穂高岳
前穂高沢 ~ 岳沢小屋

ダイレクトルンゼの二俣手前で視界が悪くなって
きて天候が好転する気配もなかったのでモード
チェンジして滑降する事に

この時、
「初日から敗退癖がつくのを懸念した」
 事を記憶している


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少し期待した雪はワンターンで悪いと気づく

重い!

スキー板の上にドッサリ雪がのって足かせの様
トップが雪に潜ってターンができない
太腿に乳酸が溜まる~
へっぽこスキーヤーの私には辛すぎる


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小屋に戻り仮眠しようとするが噂通り寒すぎる
夕食まで、持参したバーボン(500ml)を飲み明日
からの期待に胸を膨らませる

スキー集団の猛者、シーハイルの方々もおられ
色々なお話ができた
何か自分は場違いな様に思えた
また共通の友人だらけで世間の狭さを痛感した


2日目 

(訂正 2~3日目)

2:30 起床

4:30 岳沢小屋 (2,170m) 出発

計画では
奥穂高岳南稜 ~ トリコニー ~ 南稜ノ頭 ~
奥穂高岳 ~直登ルンゼ滑降 ~ 涸沢ヒュッテ

この「奥穂高岳南稜」はウェルター・ウェストン
と上條嘉門次が1912年に初登した超クラシック
ルートである

しっかりと堪能しよう

天気は晴れ、風は穏やかだが冷え込む予報

外にはテントが5張りほど
そのうちの若者6人パーティが先に出発した


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若者パーティは右往左往して取付を探している

我々は現場判断で取付こうと決めていた

選択肢は4ヵ所?

① 尾根左側を巻き上がり乗り上げる距離を
少なくする (遠目には弱点なのか判断がつかない)

② 尾根末端から乗り上げる
(簡単そうだが藪漕ぎが長そう)

③尾根右側を巻き上がり乗り上げる距離を
少なくする (遠目には弱点なのか判断がつかない)

④ ③の更に右側から?

結局、③を選択
クライミング要素があり、
藪漕ぎが少なそうだった為


 ↓ 写真 左上

南稜ルートの中間あたりにある「トリコニー」と
呼ばれる存在感のある3つの岩峰を抜けて行く


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雪稜を進める所まで詰めて行く
所々シュルンドが隠れており踏み抜きを警戒する


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1P 藤本リード


柱状節理の壁
無雪期なら高さがあるのだろうが最奥部の
棚を慎重に数段乗り上げ、核心部は高さ3mほど
だがここが悪かった ...
気休め程度の支点を4ヵ所きめ
(ピナクル、極小ナッツ、極小カム)
※ 結果2ヵ所は外れた
カチに左前爪を乗せ、右足はぶら
バランシーな状態で両腕を目いっぱい伸ばし
アックスを岩間の泥に僅かにかけ身体を持ち
上げた
その後は ↓ の様に不細工な馬乗り状態になり
一安心

「焦ったよ~」その①

50m いっぱいまでロープを伸ばし灌木で
ピッチをきった

セカンドビレーのロープに度々テンションが
かかる
フォローの三浦さん、苦労してそう

南稜ルートでロープを出す所が少ないと思って
いたので、朝一から時間をかけ過ぎてしまった

※ ナッツを残置 山を汚して申し訳ありません

※ 残置支点なし


2P 藤本リード


ハイマツを踏み越え雪稜にすぐ出た
ここはフリーで良かった


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「青 と 白」


対面のコブ尾根が美しい!


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しばし雪稜を詰めて行く
けっこう斜度があり数歩で息があがる
ロープ (約2.5㎏) 分の差は大きい
三浦さんに距離を開けられる

気付けば上高地はもう眼下に
霞沢岳と同じくらいの高さ


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隣の雪稜へトラバース
ここも地味に悪い
三浦さんは小気味良く先に抜けた
1,2ヵ所のスタンスとホールドが見つからないと
気持ち悪い
だが分かれば安心


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振り返れば奥明神沢

「スティーーープ」

昨日の雪質で良かった ...
「こんな所を滑れるか~!」


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吊尾根は近くで見ると分からない
やっぱり河童橋からだわ

絶景がつづく!
穂高に包まれてる~!
堪らん!



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明神岳も近くに
高度感が半端ない

だが「トリコニー」が見えてこない


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微かに大雪庇の遥か上部に大岩峰が見えた
右も左も切れ落ちている
ルートはこの雪庇越えしかなさそう


3P 藤本リード


ハイマツでビレーしてもらい 0ピンをとる
その後はひたすらランナウト
壁は垂壁
先行パーティは雪が締まってる時に通過したのか
我々の時には昇温により雪はグサグサになって
いた
前爪を蹴り込んだステップも数回崩壊した
アックスも身体を持ち上げれるほど固くなく
ズズっとずれる
腕がパンプしてきて堪えきれず、気休めの
アックスにPASをかけレストする
落ちれば15mほど下の藪に突っ込み止まるで
あろうが怪我は免れない
時間はもうこれ以上かけてはいられない
アックスで僅かに雪質の固く感じるポイントを
探し両手両足に負荷を分散させ渾身の力で這い
上がった

「焦ったよ~」その②


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雪庇の上を詰め「トリコニーⅠ峰」取付の
ハイマツでビレー


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4P 三浦リード

出だししか見えなかったが「やりますか?」と
聞くと「やりましょう!」と即答
さすが宇宙の方
スルスルとロープが伸びて行く
快調な感じ

フォローで登ったが
「いや~そんなに優しくはない」
きっと痺れたはず
ビレー地点に着くと良い顔をしてた

※ 残置支点なし


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5P 藤本リード

初めは優しい階段状
中間部に凹角のスラブ 
凹角のリスの泥をアックスで掻き出し極小ナッツ
とカム#0.3をきめ右前爪をカチに乗せ
アックスでじわっと身体を上げた

※ 残置支点なし


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6P 三浦リード

顕著な「トリコニーⅠ峰」の雄姿

チムニー手前でピッチをきる

※ 残置支点なし


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※ 積雪期の南稜ルート上ではここが一番良い
  適泊地になりそう

綺麗なスラブが敷き詰められた感じ


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7P 藤本リード


チムニーに突入
板を歩荷して突破できなければ荷揚げが必要


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ズリズリガリガリしながら奥へと入って行けた
数メートル進むと回廊は右へと直角に曲がる
「抜けた」と思ったがその先は切り立った崖
トレースもないし違う
廊下は全て垂壁の壁がそそり立っている
弱点など何もない ...

「灯台下暗し!」

コーナーの岩棚を数メートル登り反対側の岩に
乗り移ると言う事か!
繫がった岩を登る事しか考えてなかった
記録に書いてた「螺旋階段」とはこの事か
納得して笑えた
右足を飛ばしバランスをとりながら対面の岩に
カム#1.0をきめアックスの先を岩に引掛け
勇気を出して身体を引っ張って乗り移った
その後も廊下が続いた
ルーファイミスをして
ロープが屈曲して流れなくなってきたので
ピッチをきった

※ 残置支点なし


AKPY3230
























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8P 藤本リード

雪付きが薄くトレースがない
ルートが分かりづらい
塔状の巨大ピナクルの脇の凹角に残置スリングが
あったが悪そうだったので左側に回り込んだ
するとそこからⅠ峰の頂上へ上がれるこましな
弱点があり這い上がった
そこからはリッジ上を抜けⅡ峰との間のコルに
出てハイマツの根でピッチをきった


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9P 三浦リード


コルの雪は少なく歩けるほど
記録によると雪が多ければロープを出して
トラバースするほどの難所

 ↓ 「トリコニーⅡ峰」

雪稜を登り右側からⅡ峰の上に乗り上げた
錆びた残置ハーケンでビレー

この時すでに時間は日没寸前の 18:30頃

ロープを畳み
夜に備え地獄装備を

後は雪稜を標高400mアップ程度と気軽に
考えていた

「ここまでも長かったけど、

 ここからが一番長かった ...」



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「日の出前」から「日の入」
そして夜に突入

夕焼けが綺麗


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そして星空も綺麗

疲労困憊で思う様に標高をかせげない

雪稜はかなりの傾斜があり4足歩行
しかも雪稜だけではなかった
ワンミスで滑落するミックスの岩稜帯も続く
カムでセルフをとりながら通過して回収する
ロープを持ってもらってる先輩には時に
お助け紐を目いっぱい繋いで垂らす
暗くてルートファインディングも難しい

スキーブーツは重たく前傾角度の制限が少なく
登りづらい
雪稜では直登が難しくジグを切って登る為、
トレースを使えない所もある
スキー板も重たい
前かがみになればトップが雪面や岩にあたり
藪では引っかかる
真っすぐに立てばテールが足やギアにあたる

全て想定内で好きこのんでやってる事なので ...

しかし時間がかかる



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22:10


抜けた!
南稜ノ頭 (3,140m)
最後の一口のホットレモンを飲むほす
ここからは一般登山道


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23:00

奥穂高岳 (3,190m)
とりあえずパシャリ
やっぱいるでしょ

この頃から目が見えづらくなってきた
最近、超時間冷たい風雪に目をさらすと霧が
かかった様に近くの物しか見えなくなる
ヘッデンの灯りを頼りに足元に集中して下山

通常ならここから穂高岳山荘は夏道で30分

GPSではルート上に乗ってるがルートが
分からない
一瞬、間違い尾根に行きかける
際どいトレースを発見してその先は山荘へと
導かれる


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5月4日 1:30

21時間行動

記録写真も、わやくちゃ

時間はかかったものの安全?に目標達成
自分達にしか分からない
小さいグータッチを交わす
(2,983m)

穂高岳山荘の表玄関を入った土間にあるベンチを
拝借して仮眠しようとするが、神経がまだ張り
つめてるのと極寒のせいでなかなか寝付けない
2時間ほどウトウトしてると身支度をする宿泊者
が起きてきた

いくら温かい物を食べて飲んでも身体が寒い

陽も登り外は明るくなってきた
早く涸沢ヒュッテに行きたいが風が強いのと雪の
緩みを待った

早く布団で寝たい!


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3日目 


計画では
涸沢ヒュッテ ~ 穂高岳山荘 ~ 涸沢槍 ~
涸沢槍コル ~ 滝谷D沢滑降 ~ D沢F沢出合 ~
F沢登り返し ~蒲田富士コル ~ 涸沢岳西尾根 ~
涸沢岳 ~ 涸沢槍コル ~ 涸沢ヒュッテ

この疲労でそんな事をでき様もない

11:00

いよいよ滑降
冬道を上がってくる登山者が大勢いる
人的雪崩を誘発させない様に我々は
ザイテングラートの北側の斜面を狙った
先輩がドロップしてスキーカットをした瞬間
湿雪雪崩が発生
雪を落とした後でもフォローは気持ちが悪い


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滑降と言うよりはただただ重たい雪とデブリに
耐え太腿パンパンで落ちてきただけみたいな


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それに対して先輩は攻めてて躍動感がある

格好良い!

あんな滑りに憧れるな


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涸沢ヒュッテ (2,309m) 到着

  これほど美味い
「800円の生ビール」はあるであろうか!?


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都会の涸沢

夕食を挟み9時間爆睡
どれだけ回復させられるかリカバリーに時間を
最大限、費やした


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4日目 

0:30
 起床

2:00 涸沢ヒュッテ (2,309m) 出発

計画では
涸沢ヒュッテ ~ 北穂高岳東稜 ~ 北穂高岳 ~
北穂高沢 滑降 ~ 涸沢ヒュッテ ~ 横尾 ~ 上高地

明るく穏やかな夜
無数のテントが張られたテン場はまだお休み中
標高を上げて行くと涸沢を囲む山々には我々以外に
2人いた
北穂を目指して前を行くソロイストと、
前穂北尾根5・6のコルを目指すソロイスト
灯りでお互いに無言のエールを送っている様


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4:00  (2,820m) に乗り上げた

最後の詰めはかなりの斜度があった


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辺りが白ずんできた


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おはよう、槍


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マジックアワー

「俺、イケてる?」(笑)



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本来計画していた奥穂高岳直登ルンゼが見えた
あれはヤバそう!
よっぽど雪質が良くないと私には無理


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北穂高岳東稜「ゴジラの背」到着

1P 藤本リード

取付手前のピナクルでビレー
登攀準備もここで可能


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リッジの上にはトレースがあるが上がるのは
右のピナクルから乗り移る?
いや悪いでしょ!しかもキレット側の高度感が
半端ない
左側からに決定
良く見ると錆びた残置ハーケンがありカム#0.4
を足して乗り上げた


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この先を先輩にリードして欲しかったので
見通しが良くロープの流れが良さそうな
ピナクルでピッチを切った

※ 残置支点あり

「爽快なクライミング!」

「気持ち良い~!」



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2P 三浦リード


岩と雪のリッジを越えて行く

「北穂 と パイセン」


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3P 藤本リード

雪稜のリッジを直進してクライムダウンも可能
そうだが気持ちが悪い

北面にトレースがあったので信じて辿った
初めは垂壁をアックスとアイゼンを効かせ降りた
フォローを考え2mほど降りたクラックにナッツ
で中間支点をとり核心部のドカ落ち対策をとった


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4日間の集大成

「北穂高岳へのビクトリーロード」

あと標高100mアップ


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パイセン、ひょっこり顔を出す


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ついにやった~!


「槍」をバックにパシャリ

今日は時間的にお釣りがあった (笑)


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「北穂高岳北峰」(3,106m) からドロップ

「岩間を滑降しよう」と勢いづいていたが
いざ頂上から覗き込んだら何も見えずすぐさま
NGマーク (笑)
お付き合い頂いて
結局、先輩は南峰との間のコルから
私はへっぽこなので200mほどクライムダウン
して登山者に影響がない所から滑降
この日も湿雪雪崩が多かった



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「ゴジラの背」をバックに滑降


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ひたすら落ちて行く


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落ちて行く ...


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振り返るとドーン!

本当にここを滑ったのか!

「北穂高スキー場、万歳」

コーラがうみゃい~



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帰る道中、昨年登った屏風岩を眺め思いを馳せる

ただ先を急がねば 
最終バスが
河童橋はまだ遠い
荷物が拷問の様に重い ...




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「一周をした」

壮絶だったがもうすでに良い思い出に変わろうと
している


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16:00 河童橋 着

先輩、お付き合いありがとうございました

「滝谷滑降」の宿題をまた回収しに来ましょね!


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最後に

あくまで個人的な主観と記憶で書き記しており
ますので、自己の責任において充分な計画をして
安全で楽しい山行をして下さい




2022.4.29〜5.1 五竜岳 G5稜

こんにちはOKDです。

GWの休みを利用して岩瀬た君と五竜岳G5稜を登ってきました。

自分でもおかしいくらいに気持ちの揺れがあったり、僕にとって「あぁこれが山だな」と思ったりしたのでダラダラと書き連ねてみました。あくまで個人的な感想です。

詳細は岩瀬た君の記事を参照してください。


429

午前1時半に岩瀬た君の家まで車を走らせる。

夜勤明けで仮眠してからの出発とはいえ身体は重い。

岩瀬た君と運転を交代しながら、午前7時過ぎにゴンドラ乗り場に着いた。

乗場は徐々に行列ができ始め、我々もスキーヤーに紛れて815分始発のゴンドラに乗り込んだ。

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山上駅に着いて空を見上げると、どんよりと曇っている。今日は午後から雨予報。行動を11時までとし、雨にあたられる前にテントに滑り込むことに決めた。

岩瀬た君は小気味良いリズムで高度を上げていく。僕はその後ろでゼェゼェ。

11時までにどこまで行けるかなぁ」などと話しながら、大遠見を過ぎたあたりでタイムリミットになりテント設営を開始した。

僕は「寝れさえすればいいや」と雪を掘って適当に壁になるように積みあげていたが、ふと岩瀬た君を見ると丁寧にブロック状に雪を切り出し、レンガのように積み上げている。こういうところに性格が出るよな。。

童話「三匹の子豚」だとこの後どうなるんだっけ。

そうこうしているうちに雨がポツポツと降ってきて、ペグダウンする頃にはまぁまぁ雨に濡れてしまった。

「巧遅より拙速を尊ぶ」という言葉を再確認。

今日の行動はここまで。本来なら明日のためにトレースを付けに行きたいところだが、この雨では仕方ない。豚汁とかやくご飯で早めの晩飯とする。

今日中にトレースを付けられていないので、明日はできるだけ早めに出発したいなぁと思いながら天気予報を見ると午前4時頃まで雨が残る模様。

最悪明日は中止で撤退かな。そんなことを考えながら「やってやる」という気持ちと「早々に下山できる理由ができたならそれはそれでいいな」という、登山前特有のナーバスな気持ちの中で揺れながら、バタバタと風に煽られるテントの音を子守唄に眠りについた。


430

2時半起床。テントは未だ風で煽られている。

岩瀬た君がテントの隙間から外の様子を伺う。「粉雪が舞ってますね。」やれやれ。今日は早々に下山して温泉コースか。

出発のタイムリミットを6時に決める。朝飯のうどんを食べながら天気予報と睨めっこを続けた。

朝飯後、岩瀬た君がルーティンワークの一服をつきにテントの外に出た。「めっちゃ晴れてますよ!星も綺麗です!」やれやれ。これは山の神さんが行けと言っているに違いない。覚悟を決めるとするか。


準備を整えてテントの外に出ると、空が白み始めていた。薄明かりに浮かぶ五竜岳が美しい。

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4時半出発。

西遠見の少し手前からシラタケ沢へ向けて下降する。

正面には圧倒的な雪壁、眼下には幾筋もの雪崩の跡が見える沢。覚悟を決めたつもりだったが「えらいところに来てしもたなぁ」と若干の弱気が顔を出す。

雪崩の恐怖に慄きながらA沢〜C沢までトラバースを続け、ようやくG5稜取り付きのルンゼに着いた。

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1ピッチ目リードは岩瀬た君。

「初っ端は緊張するなぁ」などと言いながらも、終始落ち着いて支点を取りながら雪壁を登っていく。

僕も後に続く。

日の当たる部分は雪が緩み始めているが、アイゼンで蹴り込めばしっかりとステップがきれたし、アックスもしっかり効いた。ホッと一安心。


続く2ピッチ目は僕のリード。

左側に回り込んでさらにルンゼの雪壁を登り、リッジまで。傾斜はきついが1ピッチ目を終えて体もほぐれていたし、スムーズにこなせた。

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リッジに出ると傾斜が緩まったのでロープを畳む。

しばらくは雪稜歩きだがシュルンドを右へ左へ避けながら、雪壁を右や左へ巻きながらを繰り返し途中で何度もルートを見失いそうになる。

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そうこうしているうちにD沢からのジャンクションピーク手前まで来て壁が立ってきた。

壁はハイマツ帯となっていて、ロープは「いらないだろう」ということになり藪漕ぎの開始。

進むにつれ壁が徐々に立ってきて藪も深い。

おかげでとことん喘ぐこととなった。こういう時は身体の大きさが仇となる。

しばらく藪を漕ぐと岩瀬た君の進みが止まった。どうしたのかと問うと「ここからちょっと悪いです。枝もグラグラします」とか。なんとか越えることができて上からロープを垂らしてもらい後に続いたが確かにその部分は枝も半分腐っててグラグラしていた。

藪漕ぎでもがいた後の緊張する局面。「もっと早くロープ出すべきやったね」とお互い反省。この山行中、自分はこのピッチが一番疲れた。

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ジャンクションピークを超えると有名なキノコ雪の岩峰が目の前に。

雪はだいぶ溶けてキノコの様相は無く、尖塔のようだった。

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しばらく休憩しながらどうやって越えるかを相談する。記録では左に懸垂下降して裏から登り返したり、右側をトラバースしたり、さまざま。

しかし目の前の尖塔は事前に見たどの記録よりも雪のつき方は少ない。左のハイマツを辿ってトラバースか、露岩部分を直登の2択に思えた。

近づいてみると基部にハーケン2枚のビレイ点があり、1段上がったところにも残置のハーケンがあったので「これは直登だな」と意見も一致した。迷った時は直登が一番スッキリしていいのだ。


キノコ雪1ピッチ目は岩瀬た君のリード。

左の岩に薄くへばりついた氷にアイゼンの前爪を慎重にかけて体を持ち上げる。さらにもう一段細かいスタンスに乗り上がり、残置のハーケンにスリングをかけた。ナイス。それを使ってA0、マントル返しで棚に乗り上げ、ハーケン1枚を打ち足して尖塔の向こうに乗り越した。

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続く僕。

岩瀬た君が一歩目で使った氷にマネして足をかけたが氷はあっけなく塊となって落ちた。幸い右手はガバで左足一歩目だったのでズリっとなってスタートに戻っただけだが。さてどうするかと思案してよく観察すると、氷の剥がれた岩に細かいスタンスがあることに気づく。そこにアイゼンの前爪をかけてソロリと立ち上がると岩瀬た君がかけてくれたスリングに手が届いた。モノポイント万歳。

その後は岩瀬た君と同じように登ったが、身長とリーチがあるおかげで上の棚やいいホールドに上手い具合に手が届き、意外にすんなりと越えることができた。ありがとうお母さん。

 

キノコ雪2ピッチ目(岩稜基部までのトラバース)僕のリード。

尖塔を乗っ越した先は雪がこんもりと付いたスノーリッジが岩稜基部まで続いている。右も左も傾斜はかなりのもので、右側にあってはどこから雪庇状になっているかも想像がつかない。

スノーバーを刺してみたものの効いている手応えは無く、気色悪いことこの上ない。

あまり右に寄り過ぎないように気をつけながら、雪が比較的締まっていそうな部分を選んでカニ歩きで進みなんとか岩稜基部に到達した。

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キノコ雪を越えてトレースを振り返ると、キノコ雪手前で歩いていたところは巨大な雪庇の上だった。南無三!


そしてとうとう最後の岩稜帯である。

1ピッチ目は段々となった雪と岩のミックスだが、2ピッチ目のルート取りが僕には見えてこない。

雪の眩しさで目が疲れたのか、はたまた山に圧倒されているのか、どうも遠近感が掴みづらく岩壁のスケールがよくわからないのだ。

岩瀬た君にそのことを話すと「僕はバッチリ見えてますよ!任せてください」との返事。

頼もしい漢である。

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1ピッチ目(岩瀬たリード)

1ピッチ目は岩と雪のミックスで、雪が段々になっていて先が見えづらいルートだった。

下から見ていると左に寄った方が傾斜が緩くなっているように見えたが、岩瀬た君は果敢に正面の雪壁に向かって行って「ここ悪いですよ」とか言ってる。

岩瀬た君に「左の方がいいんじゃないの?」と声をかけたら「左ですか〜?」と半信半疑だったがすぐに「左正解でしたー!」と返事が返ってきた。おい!見えてないじゃないか!

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2ピッチ目(岩瀬たリード)

壁が立ってくる直下の灌木でビレイ点を構築する。

近づいてみるとようやく壁のスケールがわかって、ルートとしては右の草付きを右上トラバースか左のルンゼからハイマツ漕ぎの2択に思えた。

頭上に垂れ下がる雪庇の下で岩瀬た君と相談すると「ここはルンゼからのハイマツ漕ぎですね!」と即答。どうやら登山大系にも載ってるスタンダードなルートらしい。

灌木を利用して1段上がり露岩を少し登ったところで「残置ハーケンがありますよ!」と声がかかる。ちょっと一安心。

しかしそこからのトラバースがスラブ岩でスタンスに乏しく、頭上にはグズグズの雪が被っていてアックスも効かないようである。さすがの岩瀬た君も「悪いですね」と一歩を踏み出すのに躊躇している。

最後は残置ハーケンにスリングをかけて、A 0で両腕いっぱい伸ばして左の露出した岩のホールドを取り、ハイマツ帯に飛び込んだ。

ん?その作戦、フォローで回収の僕使われへんやん?

その後もハイマツ漕ぎで屈曲したロープに苦労している様子で、なかなかロープが延びない。そうこうしているうちにビレイ点は日陰で寒くなってきた。が、以前に行った石尊稜よりは全然マシか。やっててよかった石尊稜。

しばらくしてビレイ解除のコール。60mロープは半分も出ておらず、ロープアップもさぞしんどかったろう。

続く僕。心配していたトラバースポイント。

残置ハーケンにかけたスリングを回収し、どうするかと思案。テムレスの上からでも第一関節がかかるカチを右手で取り、左足アイゼンのモノポイントをスラブ岩の窪みに慎重に乗せる。

そのまま左にトラバースしようとしたがどうにもバランスが悪い。悪いなぁと思いながら一旦ぐっと下に沈み込むと右手のカチがよく効いたので、そのままのバランスでゆっくり左足に体重を移すと左奥のハイマツに手が届いた。クライミングやっててよかった。やったぜ!リーチの勝利!ありがとうお父さん。

一安心して先を見るとハイマツの枝を上下に縫うようにロープが延びている。これはロープ重かっただろうな。グチャグチャになりながらハイマツを漕いでいると動物になった気分で、山と一体になれた気がしてきた。そして最後の一踏ん張り、ハイマツ帯をグイと乗り上げると稜線に飛び出した。


稜線では岩瀬た君が満面の笑みで迎えてくれた。

やったぜ!生きて帰ってきたぜ!

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13時半、これにてG5稜の登攀は終了!

登攀が終わると充実感に満たされ、またチャレンジしたくなる。今朝のナーバスな気持ちからの振り幅が大きすぎる。山行の中で目まぐるしく変わるメンタル。それを制御し、自分を見つめ直し、また新たな自分を発見する。これが山なのだ。

あとはテントまでの意外に長い帰路を歩き、岩瀬た君特製の意外に辛い麻婆麺をヒーヒー言いながら貴重な雪山の水を大量に消費しつつ食べ、勝利の晩餐会を楽しんだ。


〈あとがき〉

この冬は岩瀬た君と多くの山行を共にした。

雪山をあまり知らない僕にとっては、少し背伸びした山行もあったように思う。

しかし、雪山の経験を着実に積んできた彼からパートナーとして声をかけられた事は素直に嬉しかったし、行くと返事したからにはなんとしてもルートを抜け切るのが僕の最低限の使命だと思いチャレンジしてきた。

結果、自分の雪山のスキルも上げることができ、大峰の氷瀑も初登し、今回の山行によっていい形で冬山を終えることができた。

この冬、充実した山行ができたのも彼のおかげと言っても過言ではない。

「どこに登るか」よりも「誰と登るか」の意味を実感した冬でもあった。

冬が終わると沢のシーズン。クライミングのスキルも上げながら夏を迎えたい。ありがとう!

2022.4.29-5.1 五竜岳GV稜

2022.4.29-5.1 後立山連邦 五竜岳 G5稜 の記録

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こんにちは、岩瀬た、です。
雪シーズンのシメにOKDさんと五竜のG5に行ってきました。

先週に行った白馬主稜の感じから、この暖かい日が続いた後のGWでもまだギリギリ登れるだろうと思って計画実行。
登攀日の前後は雨の予報で、良い情報としては登攀日だけは晴れて気温も低いっぽいということくらい。
果たしてどうなることやら。と思いながら各々仕事やらなんやらで忙しく過ごしながらもどうにか準備を整えることができ、出発。

以下、山行記録です。

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◎メンバー
岩瀬た
OKD


◎装備(主な物)
シングルロープ60m
スノーバー 2本
デッドマン 1個
イボイノシシ 2本
ハーケン 4枚


◎行程概要
・4/29 曇り後雨
8:15 テレキャビン乗車
11:15 大遠見の少し先 BC設営 泊

・4/30 晴
2:30起床
4:30 出発
4:50 シラタケ沢へ下降開始
6:00 G5 取付 クライミング開始
13:15 G5左肩稜線 クライミング終了
15:15 五竜岳
17:00 BC 泊

・5/1 雨
2:30 起床
4:15 下山開始
6:15 テレキャビン駅に到着、始発待ち
8:30 駐車地 下山完了


◎行程詳細
・4/29
スキーヤーとボーダーに紛れてテレキャビンの始発に乗り込む。
今日は昼から雨予報なので、良いところまで行ってBCを立ててのんびり過ごすために汗をかきかき遠見尾根を歩く。
3年前に、G2をH.Iさんと登りに行った時もこんな天気だったなぁと思う。懐かしい。G2を登った後に、「いつか行ってみたいな」と思ったG5にトライすべく今日はOKDさんとここを歩いているわけだ。
最近H.Iさんの顔を見ていないけれど元気かな?
明日は良い日になると良いな。

大遠見を過ぎたところでBC設営に入る。
長い時間を過ごすから快適なベースにしようと思って丁寧にブロックを出して整地しているうちに雨が降ってきた。
少しだけ濡れてテントに潜り込んで、酒をチビチビしながらダベり、夕方にOKDさんの豚汁定食を食べて、就寝。
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(豚汁定食)


・4/30
2:30に起床。テントの外はなかなかの暴風で、朝ご飯を食べてからしばし風が止むのを待つ。4時過ぎに収まってきたので出発する。
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(BC。今回は贅沢に4テンにした。)

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(遠見尾根より五竜岳)

遠見尾根からシラタケ沢への下降で雪が悪ければ今回は辞めようと思っていたけれど、良い感じにクラストしていたので「よーし、チャンス到来。」と思いながら取り付きまで一直線に進む。
6:00にようやく取付のルンゼに付いて、雪が緩む前にリッジに出るべく早速クライミング開始。

1ピッチ目は僕のリードで、スノーバー、イボイノシシ、立木を中間支点にしながらルンゼを登る。
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(1ピッチ目)

2ピッチ目はOKDさんのリードで雪壁のルンゼをリッジまで抜ける。
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(2ピッチ目)

リッジに出てロープをたたんでしばし雪稜歩き。
やはり時期的には少し遅く、キノコ雪の大きいものが無い代わりにシュルンドがたくさん出ている。
足元が崩れないことをチェックしてからスノーブリッジを渡るということを繰り返す。
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(シュルンドや雪壁を巻いて進んだ)


D沢からのジャンクションピークの手前でノーロープで藪漕ぎに入るも、意外に立っていて、あと少しで雪上に乗っこせるというところで、頼りにしていたハイマツの根もなんか折れそうなものばかりになってきて、ロープ出すためにいったん降りようと思うも、手も足も悪めの枝を使って登ってきてたのでクライムダウンしずらく降りる気になれず、こんな頼りない根っこではセルフビレイも取れずで、やっちゃったなぁ、やべえぞこれ。と思う。
まぁしょうがない。登ろう。と思って気持ちを落ち着かせてから、頭上の雪を切り崩して乗っ越すためのスペースを作り、有るのか無いのかよくわからないハイマツの枝と雪が絡んだなんとも言えない足場を見極めて、一息に乗り越す。セーフ。
スノーバーでビレイ点を作ってOKDさんにロープを投げて登ってもらう。
ここはもっと早くロープ出しとくべきだった。反省。

ジャンクションピークを無事に抜けて、最後の岩壁手前の岩峰の前で小休止。
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(小休止)

この岩峰が、パッと見た感じどこ登れば良いか全然わからない。
左側のハイマツ帯を行くか、正面の露出した岩を登るかの2択まで絞って、とりあえず基部に行く。
基部に残置のビレイ点があって、シュルンドの中に2人が立てるスペースが残っていたので、正面突破することにする。
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(残置のビレイ点)

出だしから1段上がったところに立つとギリギリ手が届くところに残置のハーケンが打ってあったので、それを使ってA0でさらに2、3歩上がり、そしたら棚に手が届いたのでマントルで乗り上げる。残置様様だ。
そこでハーケンを打って、薄く被ったキノコ雪を切り崩して頭上にスペースを作り、エイヤとのっこす。
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(岩峰は正面から登った)

乗っ越した先のスノーリッジで、スノーバーでビレイ点を作ってOKDさんも登ってもらい、その続きのトラバースを最後の壁の基部まで行ってもらう。
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(トラバースOKD)

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(良い景色!)

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(最後の岩壁)

最後の壁は2ピッチ。
雪壁を登って、頭上に被さる小さな雪庇を不安に思いつつ立木でピッチを切り、少し登ると、これまた残置のハーケンとスリングがあったのでありがたく使ってスラブのトラバースをしてからハイマツの藪漕ぎに入り、屈曲で重くなったロープを全力で引っ張りながら主稜線のすぐ手前のハイマツでビレイ。

OKDさんも無事に登ってきた。
この最後のピッチはスラブの一歩が結構悪く、リードの僕は残置支点を使えたけどフォローは回収してからトラバースに入ることになるのでリードよりも難しい局面だろう。
ここのセカンドビレイも難しかった。相手が見えない状態で重くなったロープでのビレイは、トラバースしている相手の状況がわからずどれくらいの強さでロープを引けば良いのかわからなくて不安だったので、OKDさんがひょっこり顔を出してくれた時にはすごく安心した。悪い局面をひょっこりクリアする漢。それがOKDさんである。
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(最後の壁1P目フォローOKD)

稜線の登山道に出て、無事に終えたことを喜んで記念写真を撮ったりししつつ大休憩。
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(G5終了!良い天気!)

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(疲れましたねー!)

あとはG5の頭、五竜岳本峰をバテバテになりながら登って、白岳をトラバースして遠見尾根に移り、明るいうちにベースキャンプに戻ってくることができました。万歳!
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(五竜岳)

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(白岳のトラバース)

夜ご飯は僕の番で、麻婆豆腐ラーメン。
思いの外辛い仕上がりになってしまい、ヒーヒー言いながら食べてぐっすり眠りました。


・5/1
2:30起床。
7時ごろから雨の予報だったので、早起きしてせっせと撤収して、予報に反して早く降り出した雨が本降りになる前にテレキャビンの駅に逃げ混む。
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(ガスガス下山)

屋根のあるところで荷物の整理をしているうちにスタッフの方が通常よりも早くロビーを開けてくれたので暖かい室内で快適に過ごすことができ、始発の降り便で降りることができました。
五竜テレキャビンのスタッフの方々、ありがとうございました。

8:30駐車地到着。下山完了。

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以上、山行記録でした。


今年の冬の後半戦は天気が悪くて計画していた山になかなか行けずにすっきりしない気分で過ごすことが多かったのですが、先週の白馬主稜と今回の五竜G5で良い山行ができたので、結果的にスッキリした気持ちで雪山をシメることができて良かったです。
OKDさん、毎度のことながらありがとうございました!
次は辛過ぎない麻婆豆腐にリトライします!

さて、フリーと沢に切り替えていくぞ!

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(今回登ったルート)

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(今回登ったルート)






2022/04/28 安曇川水系 明王谷口ノ深谷 遡行記録

山行日  2022年4月26日(火) 日帰り 曇りのち雨
遡行対象 安曇川水系 明王谷口ノ深谷
活動内容 沢登り
メンバー 谷口(L)、藤本、SMB(記録)
行程   7:30 駐車地
     8:30 明王谷入渓
     15:30 遡行終了
     16:30 駐車地

〜前置き〜
 こんにちは、SMBです。
 私事ですが、先日フリー課題でようやく5.11をRPする事ができ、また体重も3kg減少し83㎏台とプロレスラー体型からクライマー体型に半歩近づく事ができました。
 しかし、今シーズン2本目の沢登り、減量のおかげか身体が鳥の様に軽く、遡行終了後の下山は調子に乗って参考タイム1h45mのところ、トレランの要領で1時間弱で駆け下り、見事半月板を損傷してしまいました。
 沢登り後のトレランは負荷が高過ぎるのと、体重83kgは決して鳥の様に軽くはなかったようです。

以下、遡行記録です。

〜アプローチ〜
 今回は神戸から比較的近場にある比良の沢だった為、前泊なしの日帰り遡行でした。
 ただ、登山あるあるで、前日は興奮してほとんど眠れず。
 谷口リーダー、藤本さんをそれぞれピックアップして、坊村の葛川市民センターに車を駐車、準備をして出発。
 明王谷から入渓。
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〜明王谷〜
 入渓して少しするとニノ滝が現れる。
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 ニノ滝は水流右を登った。
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 次に三ノ滝。
 中々勢いのある水流で、夏なら喜んで飛び込むところ。
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 今回は我慢して高巻き。
 途中の水場でありがたく給水。

〜口ノ深谷〜
 口ノ深谷は林道途中の橋の手前から入る。
 ちょっとしたゴルジュの先にある滝。
 ここはロープを出して、残置ハーケンのある右壁を登る。
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 しばらく進むと13mの滝が現れる。 
 ここは左岸のガリーを登るが枯葉と粘土が堆積してズリ落ちそうなのでロープを出して。
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 その後雪塊が現れるも、藤本さんの犠牲により無事に通過。
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 小滝やゴーロ帯を乗り越えて、最後に現れたのがこの谷最大の15m滝(写真なし)
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 ただ、この時点で横なぶりの雨に加え時間もおしていたので手前のガリーを登り、少し進んで遡行終了。

〜下降〜
 遡行終了点からわさび峠に進路をとる。
 尾根に出てからは、暗くなる前に下山しようと急足に。
 ここで『いつになく身体が軽いし、少しトレランしたいな』という自分の悪い癖が出てしまう。
 また人ひとりいない快適な下り道であったことから、自分が先頭を走りどんどんペースを上げて遡行終了点から1時間弱で下山。
 この時は身体に一切異常なく、心地よい疲労感とともに、途中トンカツを食べて帰路に就く。

〜総括〜
 今回経験豊富な谷口リーダー、藤本さんとご一緒出来たことで、多くの学びがありました。
 また初めての4月の沢でしたがこの日は然程寒くもなく、悪天も沢にはあまり影響はありませんでしたが、もっと状況が悪くなった場合の事などを想定して今後の山行に活かしたいです。
 しかし、冒頭でも述べた様に、膝を故障してしまったことで少しの間、山や沢から離れることを余儀なくされそうです。
 夏までに治るといいなと希望を持って、腐らずに出来ることから頑張ろうと思います。
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2022.4.23-24【白馬主稜】



こんにちは。野間です。
OKDさん、岩瀬た さんと白馬主稜に行ってきました。私は雪のバリエーションルートデビューです。

◎1日目
4:00 二股ゲート
6:00 猿倉 
7:00 白馬尻
9:00 降雨予報のため半雪洞作成(1800m)→寒すぎてテントに変更
14:30再出発
15:30 8峰
17:30 6峰
18:00 幕営地(2350m付近 56のコル?)

◎2日目
3:30 起床
5:00撤収出発
7:20 山頂直下
7:50 白馬岳山頂 8:15
10:20 白馬尻
11:30 猿倉 12:10
13:40 二股ゲート

2:30に二股ゲートに到着し、1時間仮眠を取って出発。
猿倉までの林道に雪は無く、登山口から付いていた。ただしワカンがいるような感じでは無かったので木の枝にデポ。

白馬尻に着くと先行パーティが見えた。また山頂付近にはガスが出始め、10:00ごろから雨が降り出す予報だったので、それまでに停滞しようと決めて尾根に取り付く。太陽がジリジリ暑く、斜度も急なところが続いたので結構キツかった。
また、途中いくつもシュルンドがあり、どうか崩れませんようにと願って登った。
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9:00ごろ、標高1800mを越えたところの斜面で停滞用の半雪洞を作ることにしたのだが、作ってみると3人には狭く、かつ隙間から風が入って寒かったのでやっぱりテントを立てた。
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この時、テントの素晴らしさを再発見。暖かいし広いし、全てが囲まれて安心感があるし。とにかく最高だった。停滞中雨はあまり降らなかったようだが、少し眠れて回復した。

再出発する頃にはスカッとした快晴が広がっていた。稜線に上がると、日も翳り始めて行動しやすく、気持ちのいい稜線歩きを楽しんだ。
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基本的に怖いところは無かったが、6峰は雪が緩く、ロープを出して登った。スノーバー、デッドマンで支点を作る場面を見れて勉強になった。
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6峰が終わった時点でお腹も空いてきたので、少し進んだところの適地にテントを張った。

夜ご飯はOKDさんのカレー鍋と追いチーズリゾット。ペミカンのようにバターで炒めた肉、キャベツやキノコ、他にも沢山の具と、鍋キューブとカレールーを入れたもので、すごく美味しかった。その後のチーズリゾットも最高だった。私はいつも鍋をするときは生野菜を持ってきて、火を入れるのに時間がかかっていたので、今度から参考にさせてもらおうと思う。

2日目の朝は5:00出発で、丁度日の出とモルゲンロートの絶景を見ることができた。
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出発後は美しい稜線歩きが続く。
風も無く、雪も締まっており絶好のコンディションだったので、快適に通過できた。
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最後の雪壁は斜度60度ということだったが、いつもクライミングしているような壁くらいの緊張感があった。表面の雪はシャリシャリだったが、下の層にはあまり刺さらず、前爪で登っていったので、ふくらはぎがつりそうになり、精神的な弱さも相まって、ひたすら自分を上にあげることに精一杯だった。

そしてやっとのことで登り終わるとそこは頂上で、見たことのある石標識と、立山の山並みが広がっていて嬉しくなった。
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少し休憩してから、下りは大雪渓の単調な斜面をひたすら降り続けた。岩瀬さんはシリセードを上手く使ってすごい速さで降りて行った。
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11:30ごろ猿倉に下りるが、デポしたはずのワカンが見つからず捜索。いくら探しても見つかることはなかった。。
ショックを受けながらゲートまでの林道を下っていると路肩に蕗のとうを発見。一気にテンションが上がり元気になった。
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また、岩瀬さんが猿倉から裸足で歩き始めるという実験をされていて、おすすめされたので、途中少しだけやってみたがすぐにリタイア。私は小石が食い込んで耐えられなかったが、岩瀬さん曰く、それは暫くすると慣れるし、なにより無駄な力を靴に分散させることなく歩ける所が良いとのこと。
そんなこんなで、ゲートに着いて山行終了。
下山後は温泉入って、蕎麦を食べ、岡田さんおすすめのおやき屋さんでお土産を買い無事帰路についた。

今回は、はじめての経験ばかりだったが、特に印象的だったのは最後の雪壁だった。とにかく余裕が無くて、早く終わってくれ〜と思いつつ、OKDさん、岩瀬さん初め、これよりもっと厳しいところで登り続けるアルパインクライマー達は本当にすごい!と心から思った瞬間だった。
また、今回天候が不安定だったにもかかわらず、天気を上手く読んで行動したことで、安全にかつ快適に登れたことはすごく勉強になった。
そして何より、ばっちり頭の記憶に残る美しい稜線歩きができたことが嬉しかった。
OKDさん、岩瀬さん、ご一緒させていただきありがとうございました!

2022.04.19-21【黒部川源流域釣行BC】

以前、「黒部川上ノ廊下」を3日間で遡行した



黒部湖~下、上の黒ビンガ~奥ノ廊下~薬師沢小屋
~赤木沢~赤木岳~北ノ俣岳~太郎平小屋~折立

今までで一番、
体力的にそして精神的にきつい山行だった

その道中で見た黒部川源流域はまさに
「沢ヤの聖地」、リアル天国だった


今回、そこへ「幻の大イワナ」
狙いに行った!?



以下、山行記録です


———————————————————————


■ メンバー


藤本 (L)
寺岡 (会外)


■ 装備 (主な物)


山スキー  標準装備
フローティングロープ 25m (渡渉・雪庇突破用)
ポリ袋 0.05㎜ (渡渉用)
1晩目の宴会食 (鍋、食材 2㎏)

スキー板、ブーツ、ウエアを除いて
合計 17㎏


■ 行動詳細


1日目 

3:00
 駐車地 (岐阜県飛騨市神岡町和佐府)

1時間仮眠

去年のGWには北ノ俣岳登山口 (飛越トンネル) 手前
まで行けたが、今年は大量のデブリによりかなり
手前からのスタートを余儀なくされた

4:00 スタート


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1ッ目のデブリを越えれば雪は繫がっていたので
シール登行できた


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6:00 北ノ俣岳登山口 (飛越トンネル) 

ここからは少しショートカット


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寺地山

漸くここで立山連峰を一望できる

目指す北ノ俣岳は近い様で果てしなく遠い


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流石に睡眠1時間ほどでは眠い!
10分程で急速充電


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15:00 北ノ俣岳ピーク

赤木平に幕営する予定だったが風の心配がなかった
ので稜線にテントを張った

寄せ鍋 最高に美味い!!!
頑張って持ってきて良かった...


(議論)

当初の計画では
稜線を辿り薬師岳ピーク~中央カールを落とし
~薬師沢右俣~薬師沢三俣まで標高差900mを一気に
滑走する計画だったが、薬師岳ピークからドロップ
する時間帯の雪の緩み具合や登り返しの全体行程を
考えたら無理があると考え計画を変更


薬師沢左俣を滑走して黒部川源流域へ釣り山行


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ほぼ満月、月夜が明るい

19:00 就寝


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2日目 

4:30
 起床

リカバリー、不完全... 腰が痛い

でもやりますか!


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8:00 

雪が緩むのを待ち
北ノ俣岳ピークからドロップ

と言うほどスティープではないが (笑)


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「カリッ カリッ カリッ... 」


転倒すれば谷底まで滑落するのは間違いない

赤木平を目指す


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辺り一面、自分達だけ、貸し切り!

ノートラック


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空が青すぎる!

俺、イケてる (笑)


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薬師岳を見ながら左俣を落として行く!

ニヤニヤが止まらない


いつまでもこの時間を味わいたい



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本来、滑りたかった薬師岳右俣

いつかはリベンジ!



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ナチュラルパイプを標高差 600m 


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9:00 天国に到着 

薬師沢三俣
右俣、左俣、中俣の分岐

僅かにスノーブリッジで雪が繫がっており渡渉せず
に渡れた

渡渉するにしても水量が少ないので安全に渡れそう

右俣下部は雪が割れており尾根に乗りあげる必要が
ありそうだが、かなり下まで滑走は楽しめそう


良い情報収集ができた



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素晴らしい景色が連続する!


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深い釜が点在する

雰囲気はバツグン

間違いなく釣れそう


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アタリがない...

おかしい?



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待たれると釣りつらい (笑)

悔しいが 納竿... 


イワナくん、大きくなって待ってておくれ


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登返し 650m

地味に長くきつい

振り返ると薬師岳


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地獄の様に暑い雪原、

「まさに砂漠」

干からびる寸前だった

果てしなく遠くに見える稜線のテン場



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15:00 テントに帰還


(議論)

当初の計画では
3日目、黒部五郎岳ピーク~ウマ沢滑走~北ノ俣岳
~駐車地 の予定だったが予報が悪くなってきた為
早めの下山に決定



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イワナのムニエルを作る為に持ってきた
オリーブ油と調味料は、残り物の鶏肉に使う
はめになった

注意: テントの中で炒め物をすると油だらけに
なります(笑)



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3日目 

4:30
 起床

7:00 下山開始

ピークから滑走
上部は予断を許さないカリカリの急斜面
直ぐ太ももに乳酸が溜まるがこらえるしかない

寺地山手前のコルまで大斜面はつづく
デコボコのガチガチ斜面
拷問地獄

ヒャッホー!

その後は永遠にアップダウンの密林帯を攻める


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11:00 北ノ俣岳登山口 (飛越トンネル) 


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林道脇で気配が...

熊の親子がこっちを見てる!

やめてくれ...


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デブリを乗り越える


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するとこんな事に


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林道のアスファルト上の雪をギリギリまで
繋いで滑り


12:00 駐車地 (岐阜県飛騨市神岡町和佐府)


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来年こそは収集できた情報をもとに
薬師岳 か 黒部五郎岳ピーク から狙いたいな




以上、山行記録でした





2022.04.17 栂谷

2022418日 栂谷

 

こんにちは!初投稿です、矢野です。

OKDさん、SMBさん、岩瀬た さんと和歌山の栂谷へ行ってきました。

みなさんは今年の沢はじめ、私は初の沢登り。ついでにKACでの初山行でした。

 

以下、記録です。

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メンバー

SMB(L)

OKD

岩瀬た

矢野(記録)

 

行動概要

6:40   駐車場出発

6:50   入渓

7:40   ヤケベ嵓

11:00  三俣

13:00  烏帽子山山頂

14:20 俵石

15:00 駐車場

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前の晩に集合、SMBさんの運転で現地へ。

宿泊適地で朝を迎え、いざ入渓ポイントの栂の平橋へ。

入渓



 




遡行開始。
1







4月の沢は寒いよー、とさんざん 言われていたので心配していたけど、水温はそれほど低くない。なーんだ、などと思っていたら1つ目のナメ滝でさっそく苔に足を取られ腰まで沢につかる。さ、さむ!

 

ナメでは足裏全体を使って歩くといいよー、などとアドバイスいただきながら進む。なるほど。

ゴーロ帯とナメ滝が交互に出てくる。
ダウンロード (1)







抜けていくと大釜が。
大釜











 

ながーいナメ滝がつづきます。約300メートルあるそう。これは足を滑らせたら下までウォータースライダーですね。もう少し暖かくなったら滑って泳いでしたら楽しそう。

 

最後は急登を詰め上がって稜線へ。登りきったら烏帽子岩という巨岩にたどり着く。岩には頼りないハシゴと鎖がかかっていて、上に登れる。
2







那智の山々と熊野灘が一望できます。景色を見ながらしばしゆっくり。
3







烏帽子岩から山頂までは5分ほど。関西百名山の一つだそうですが、烏帽子山山頂はほぼ眺望なし。景色は烏帽子岩で堪能するのがよさそうです。
ダウンロード











 

下山開始。フェルトの沢靴が滑る滑る。

次からはアプローチシューズを持参することを誓いました。

 

無事下山。お疲れさまでした。

帰りに奈良名物の柿の葉寿司屋さんに。人生初柿の葉寿司おいしかったです。

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私事ですが、これまでパーティ登山の経験がほぼなく、自分のペースで自分の登れる範囲の山に登る、というスタイルでした。今回経験豊富な皆さんに同行させていただいて、学ぶことばかり、とても楽しく充実した山行でした。本当にありがとうございました。

自分だけでは行けない場所に挑戦したり、他の人の活動から刺激を受けたり。会に所属することでしか得られないこと、経験できないことがたくさんあるかと思います。これからどうぞよろしくお願いします!


2022.04.09-10 鹿島槍ヶ岳北壁偵察


4/9-10に鹿島槍ヶ岳北壁の偵察に行ってきました.
本当はカクネ里のスキー滑降もしたかったのですが,シートラーゲンで天狗尾根を登るのが辛すぎて,泣く泣く1600m地点にデポ.
その後の天狗尾根上や北壁主稜までのトラバースも,終始気温が高く陽光からも逃げられなく,雪がグサグサで厳しい山行でした.
以下に報告の詳細を示します.
なお,主目的はアプローチの偵察であるため,ルート上の注意点等も可能な限り示そうと思います.

4/9
10:30 大谷原(1070m) 入山
12:00 アラ沢出合(1143m)
14:00 スキーデポ(1600m)
15:30 第一クーロワール取付き(2120m)
16:30 第二クーロワール取付き(2270m)
17:30 天狗の鼻(2326m)

4/10
05:15 起床
06:00 出発
09:00 蝶型ルンゼ手前 引き返し開始
10:00 天狗鼻 到着
11:30 下山開始
15:30 アラ沢出合
17:15 大谷原駐車場 下山

4/9 無風快晴
入山は7:30の予定であったが,色々あって3時間も遅れてしまった.
具体的には間違って大冷沢を,西俣出合まで行ってしまって引き返した.
初っ端から盛大にミスってしまった.
言い訳をすると,正規と思われる登山道の入り口が土砂崩れで道とは思えない状態になっていた(にしても方角で気付け…).
駐車場まで戻ると,丁度天狗尾根から下山したと言う男女2人に出会った.
雪の状態が悪く,第一クーロワールで引き返してきたとのこと.それでも2パーティとすれ違ったらしい.
時間的にも雪の状態的にも天狗鼻まで行けないかもしれないが,取りあえず入山した.
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アラ沢出合までは計3回の徒渉を要した.
どの徒渉も水かさは深くても脛の下部くらいで,足場を選べば踝くらい.
徒渉用の袋は持参しているが,スキーブーツであるのでそのまま徒渉した.
アラ沢出合手前の堰からは結構悪い巻き道となる.登山道ではあるが,雪があると沢に落ちる方向に傾斜が出てくる.シートラーゲンなのでバランスも悪く,灌木を掴みながら慎重に通過した.
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アラ沢はデブリだらけ,所々穴が開いており,冷たい水流が覗いていた.
尾根に取り付こうと言うところでスマホが無いことに気が付いた.結局アラ沢出合に落ちていたから良かったが,これによって更に1時間ほどロスしてしまう.

取付きからは急な登りが300mほど続く.ここで体力を大幅に削られた.スキーを担いでいたのはもちろんだが,割りと速いペースで登ってしまったため,枝尾根に合流した頃にはバテバテであった.
枝尾根からはスキーを履ける傾斜になったが,雪が腐ってきて斜登行をしていると表層ごと落ちそうになる.これは危険と判断して,シートラーゲンを継続することにした.
当然ペースは上がらない.これでは天狗鼻に行けないし,天狗鼻まで行けないならスキーがあっても滑るところがない.ということで1600m地点でデポすることにした.折角歩荷したのに…

そんなこんなでなんとか第一クーロワールに到着.
見た感じ意外と行けそう.
確かに雪壁の真ん中は割れていて2段になっているが,厚みはあるし地面とも接しているから落ちないだろう.ダガーポジション,ノーロープで登った.1ヶ所だけ立った雪壁がある.

第二クーロワールは200mほど.
上部に先行パーティを捉えた.
最初は第一クーロワール手前で敗退かもと思っていたが,ここまで来たら天狗鼻まで行ける.
ここも1ヶ所だけ灌木を掴んで登る悪い箇所があるのみで,ノーロープで登った.

計画の1時間遅れほどで天狗鼻に着いた.丁度日の入りくらい.山ではこの薄明の中に居るのが最も感動的な時間だと思う.
浸りたいが,疲労であまりそれどころでなかった.先行者にトレースの礼を言い,ツェルトを張って腰を下ろす.アラ沢出合からのハイペースな登りが効いてる.天狗鼻までは長いので,ゆっくり行って体力を温存した方が良いな.
疲労で胃が食糧を受け付けなかったが,山では食事も仕事の一つと自分に言い聞かせ,無理矢理捩じ込んだ.
天狗鼻には北壁に行くパーティと,北俣本谷を滑るパーティがいた.ここまでスキーを担いできたパーティがいるとは驚きであった.見たところ,自分のスキーの半分くらいの重さだし...と心の中で思いつつも,若干悔しい.
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4/10 無風快晴
目が覚めると丁度日の出であった.昨日と同様雪がグサグサだったら偵察も諦めて引き返そうと思っていたが,少し締まっている.これならいける.手早く準備を済ませて出発した.北壁のパーティは起床時にはもういなかった.

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主稜へのアプローチは2つある.1つは天狗鼻からトラバースで行くルート,もう1つはくの字雪渓からカクネ里に降りて,登り返すルート.今回は最短距離に思える前者で行くことにした.
トラバース開始点はトレースがあったが,すぐ消えた.永遠と雪壁に蹴りと正拳突きを繰り返す.

トラバースを開始すると,カクネ里に北壁のパーティが見えた.一旦降りるルートを選んだようだ.
結論としては,一旦降りる方が良いと思う.トラバースは時間も短縮できないし,精神的にも疲れるし,ルートファインディングも求められる.これは行く前から判明していたことだが,実際にやってみると結構しんどく,降りた方がよかったな...という気分になる.

北壁と言いつつ実際は北東に向いているので,朝から日が直撃する.アプローチは日の出前からした方が良い.
トラバース中から,谷に雪崩の音が何度も鳴り響いて,その度に進退を悩まされた.
雪が次第に緩んできて緊張感も増してくる.ステップは崩れないか?アックスは効いているか?落ちたらどうなるか?雪崩はないか?一歩ずつ自問自答しながら進んだ.
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2時間ほどトラバースすると,蝶型ルンゼ手前で一段と急な雪壁が出てきた.雪も腐ってきているので,ロープを出して通過した.ゲレンデ以外でのロープソロは初めてであったので緊張したが,まあまあ上手くできたと思う.しかし,終了点で9時とタイムアップ.引き返すこととした.
氷のリボンも,岩に隠れて見ることはできなかった.

天狗鼻まで,カクネ里に降りることも考えたが,くの字雪渓の登りがしんどいし,雪崩が怖いのでトラバースを引き返すことにした.
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トレースはしっかりあるがアイゼンに雪が団子になって来るので気は抜けなかった.
天狗鼻に着いてから,幕営装備の撤収と朝飯を摂った.北壁のパーティのコールが聞こえる.どうやら上手いこと登っているようだ.
パートナーがいても取り付くのを躊躇う条件だが,それでも登っている人がいると悔しくなってくる.
来シーズンこそは…!!

下山開始.
雪がグサグサで,尾根も細いので不安定な歩きとなる.ストックは必携だと思った.
ダガーポジションも必要な箇所があるので,ストックとアックスを持ち替えながら下る.ウィペットがあれば楽だと思う.
下山中も谷には雪崩の音が鳴り続け,足元も崩しながらの歩行となり気が抜けなかった.
第二クーロワールはクライムダウンで,第一クーロワールは一回の懸垂下降,アラ沢出合手前で三回の懸垂下降を要した.アラ沢出合に降りる斜面は,スキーを背負っていたこともあるが,単純に非常に滑りやすい状態であった.
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以上です.
ミスが多く,偵察も満足にできず,端から見れば情けない山行だと思うので,正直記録を書くのが恥ずかしいです.
しかし,慣れないソロで鹿島槍でもが気苦しんだことで気付かされる点も多く,個人的には非常に実りの多い山行でした.
1人だとなんか,複数人の時とはリズムが違う感じがしますね.普段しないミスをしたり,どんどんペースが上がってしまいます.

大山北壁弥山尾根東稜 残雪期アルパインクライミング、行者谷 山スキー

2022年4月2日
大山北壁弥山尾根東稜 残雪期アルパインクライミング、行者谷 山スキー
メンバー L藤本、三浦

大山 (伯耆大山) は鳥取県の1729mの山で中国地方の最高峰である。西側は富士山のような優美な円錐形の山容を持ち、伯耆富士とも呼ばれる。一方で大山北壁は荒々しい岩稜と岩壁をまとい、北アルプスのような峻厳な姿を見せる。深田久弥は著書の「日本百名山」の中で北壁を、剃刀の刃のように鋭い頂稜からなだれ落ちている、と表現している。そのような大山北壁には多くのクライミングルートと山スキールートが引かれており、西日本を代表するクライミングと山スキーのエリアの一つになっている。

LINE_ALBUM_大山_220409_34大山北壁 4月の弥山尾根は雪がほとんどなかった。


弥山尾根は元谷から弥山の三角点に向けて北壁をダイレクトに突き上げる尾根である。東稜と西稜がありどちらも代表的な冬季入門のバリエーションルートである。

今回は大山北壁弥山尾根東稜を登攀し、行者谷をスキー滑降した。

3月に天狗沢を登った藤本さんから声をかけていただき計画が始まった。ロープを使って登攀しスキー滑降したいという互いの趣向が一致し、大山弥山尾根を登攀し、状況次第で弥山沢か別山沢をスキー滑降する計画とした。とはいえ、私はクライミングに数年のブランクがあったので、まずは藤本さんや会員の方々に付き合っていただき、岩場やクライミングジムで練習して山行に備えた。

大山寺橋駐車場に深夜到着後、仮眠してから朝5時行動開始。まずは大神山神社まで雪のない参道をスキーブーツで歩く。大神山神社の登山口からは雪があったのでシールで登行したが、木道や階段があったり雪が切れていたりして、結局元谷までほとんど板を担いで歩いた。

堰堤を越えて元谷に出ると、大山北壁が見えた。雪はかなり減っていて雪稜を想像していた弥山尾根にも雪はほとんど付いていなかった。弥山沢も落石に覆われていて滑降不可。他は先行に1パーティのみ、4月の大山北壁は賞味期限切れか。

元谷上部まで登って登攀準備をしていると、県警ヘリを含む2〜3機のヘリが大山北側を旋回し始めた。そのうちの1機が近づいてきて、乗員2名がこちらに向けて腕でバツ印をして別山沢方面を指差している。別山沢が見える尾根に登ってみると、ホイストを出して収容しているようだ。後で知ったが2名が滑落事故で亡くなったそうだ。ご冥福をお祈りします。

尾根から別山沢をみると雪が割れており、滑降できそうもない。さっきのバツ印は別山沢が滑降できないという意味か。ということで、滑降目標は行者谷とした。

気を取り直して弥山尾根取り付きに近づいて行くと、落石が次々と飛んできた。雪のクラックに隠れて落石をやり過ごし、スキをみて急いで取り付きの雪壁を登った。

1P 藤本

ロープを出して灌木で支点をとって登攀開始。ロープがいっぱい伸びたところでビレイ解除の声。雪の切れ目のキワを登っていった。


LINE_ALBUM_大山_220409_5大山北壁弥山尾根東稜 1P終了点


2P 三浦

そのままリード。雪の上端まで登ると2〜3mの崖が出現した。右岸の傾斜は緩いが、藪地獄。崖か藪か迷ったが、藤本さんのオススメに従いなんとか藪を抜けた。

LINE_ALBUM_大山_220409_6大山北壁弥山尾根東稜 2P開始点

3P 藤本、4P 三浦

雪のついた小さい沢状の地形。灌木で支点を取りつつ進む。喉が渇いたので雪を食べてやり過ごす。

5P 藤本

浮石で覆われた雪のない尾根まで。

6P 藤本

尾根を乗っこして左側の雪のある沢へ。支点が無さそうということでリードを代わってもらう。グサグサの雪で登りにくい。

7P 三浦から藤本

そのまま沢を登るトレースがうっすらある。しかし沢の左岸の尾根に乗り上げた方がその後の傾斜はゆるいようだ。とはいえ乗り上げるまでの傾斜はキツく酷い藪なので、短いピッチをきってリード交代。フォローで登るが藪地獄で傾斜も立っていた。枝を掴みながらなんとか身体を持ち上げて進む。ここが一番きつかった。

LINE_ALBUM_大山_220409_24大山北壁弥山尾根東稜 7P 右側の尾根の乗り上げの藪が核心。

8P 三浦

2〜3mで藪を抜けたと思ったら甘かった。急登と藪は続く。ロープ残り10mまで藪が続いた後、やっと藪を抜けて開けた尾根に出た。稜線も近くに見える。ピナクルで支点を取る。





LINE_ALBUM_大山_220409_18大山北壁弥山尾根東稜 8P終了点。やっと藪を抜けた。

9P 藤本

浮石と藪のやせ尾根を抜けて、小さい雪のコルまで。やっとゴールが見えてきた。

10P 三浦、11P 藤本

フリーでも行ける雪の斜面だが一応スタカットで。ロープいっぱい伸ばしてついに夏道に出た。グータッチして互いの健闘を讃え、ロープを解除した。

夏道を歩いて、弥山山頂避難小屋で喉の渇きと空腹を癒しつつ滑走準備をした。雪が切れているので木道を七合目あたりまで歩いて下ってから板を装着した。

LINE_ALBUM_大山_220409_41稜線に出て夏道を弥山山頂避難小屋まで歩く。

行者谷はカリカリ。横滑りと斜滑降でなんとか高度を落としていく。元谷まで降りると雪は緩んでいた。ギリギリ日没前に堰堤まで降りることができた。

堰堤からザックに板を固定してヘッデンつけて、歩いて19時駐車場着に下山。

所感

ロープを使って登攀する山スキーは以前からやりたいと思っていたが、機会に恵まれずできずにいた。今回は強力なリーダーに恵まれ実現できた。山岳会ならではの山行だと思う。

4月の大山北壁は賞味期限切れのようだ。

カメラを忘れてしまったため写真がほとんど撮れなかった。

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