2023.2.18 錫杖岳 左ルンゼ

2023.2.18 錫杖岳 前衛峰 北東壁 左ルンゼ の記録

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こんばんは、岩瀬た です。
先々週すっかり魅了された錫杖岳に、今回はOKDさんと日帰りで行ってきました。
ガイドブックの中では最も難易度の低い前衛峰の左ルンゼ。結果はなんと敗退。

前回の雪崩に引き続き、なかなかタダでは帰らせてくれない錫杖岳です。

以下、山行記録です。

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◎メンバー
岩瀬た
OKD


◎行程概要
5:00 中尾高原駐車地 出発
6:30 クリヤの岩舎
7:30 左ルンゼ取付
9:30 グラスホッパー分岐点 左ルンゼ1P目
10:30 下降開始
11:30 取付
14:00 駐車地


◎行程詳細
4:30、眠い目をこすりながら準備して5:00出発。
クリヤ谷のトレースはかなりしっかりしている。
3ルンゼへ伸びるトレースの途中から北東壁側に回り込んで、7:30取り付きに到着。
トイレなどしたかったが傾斜がまぁまぁあって落ち着けなかったので我慢して登ることにする。

出始めは下地が雪なので、ロープは出さなくても良さそうな溝状になった部分を登ってみるが、ザックが邪魔で登りにくかったので荷上げをすることにして空身でトライ。
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(ズリズリ登り。)
登ってみると抜け口が案外悪かったので、荷上げをしてからフォローは一応ビレイして登ってもらう。

その次のピッチもノーロープで上がるが、これまた足場が崩れて若干嫌な感じだったのでロープを放り投げてフォローはビレイ。

そこでグラスホッパーとの分岐点に出た。
左手にグラスホッパーを見て右の滝が左ルンゼの1P目だ。

結氷薄いが繋がっていた。良かった。
ラインは、"1、左側が傾斜が緩いが支点は微妙そうな感じ" "2、正面は立っているが支点は取れそうな感じ"のどちらか選べる感じ。
ここはOKDさんがリード。正面を登るそう。

滝に取り付いて1つ目のスクリューをとって少し登ると左足を乗せてた氷がガバッと大きく剥がれた。
これは焦るだろうと思うも、案外冷静に続けて登って、2つ目のスクリューを打つ。
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(リードOKD)
さらに少し登って「しんどい!!」と言いつつモゾモゾしてると思いきや、グワーと言いつつ落ちた。あー!!残念!!落ち着いてるように見えたし良い感じだったのに!

落ちると同時に、リーシュをつけていたはずのアックスがビレイしている僕の方に飛んできた。
気持ちは「キャッチしてやるぜ!」だったが、身体は正直に避ける体制をとっており、変なポーズでアックスを見送る。
歩いて取りに行けるところでアックスは止まってくれてセーフ。

どうやら、グリップレストの石突にアックステンションをしようとした瞬間に落ちて、墜落の衝撃荷重でグリップレストが折れてしまったようだ。アックスはノミック。
派手に落ちたことと、アックスが壊れたことのダブルパンチでしょんぼりするOKDさん。
ド、ドンマイです、、、、
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(しょんぼりOKD)

なにはともあれ怪我も無くスクリューがバッチリ効いていたので良かったです。

ひとまずアックスを回収して、壊れたアックスで登るのもなんだかなぁということで降りることに。こういう時は素直に降りるに限るのだ。

スクリューを回収するために僕も少しだけ登ってみましたが、正面は普通に結構立ってたので、左側から登った方が良かったかも。
無事にスクリューを回収して、残置の捨て縄など利用しつつ取り付きまで懸垂下降3ピッチ。

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(また来よう)

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(帰りませう)

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(悲しみの前衛峰)

小雪の降る中駐車地まで。

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以上、山行記録でした。

僕もノミックを使っていますが、アックステンションは僕も石突部分にかけていたので、今後は見直そうかなと思います。

OKDさん、また再チャレンジしましょう!!次は左ルンゼがうまく終わったら継続してグラスホッパーもやってみたいです!


2023.2.11-12 御在所岳 2ルンゼ

2023.2.11-12 御在所岳 2ルンゼ の記録

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こんにちは、岩瀬た です。
OKDさんと会外友人がんちゃんと御在所2ルンゼに行ってきました。

本当は大峰で氷瀑調査と思っていたのですが、あいにくの天候が続いたので気持ちの良い結氷は望み薄いだろうということで、これまた望みの薄いながらも氷瀑が無くてもどこかしら登れる御在所岳に変更。
簡単に記録しておこうと思います。

以下、山行記録です。

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◎メンバー
岩瀬た
OKD
がんちゃん


◎行程概要
・2/11
6:20 駐車地出発
7:15 藤内小屋 テント設営
9:00 マイナス滝
10:15 2ルンゼ奥又
13:00 奥又の壁
14:00 奥又の壁のコル(?)
15:30 藤内小屋 テント泊

・2/12
6:00 起床
8:00 下山開始
9:30 駐車地


◎行程詳細
・2/11
凍ってるんかいなと思いながら集合して出発。
OKDさんとがんちゃんは初対面だ。果たして気が合うのかと思いながら運転交代しながら一路鈴鹿へ。

雪のない駐車場で準備をして入山。
ほどなくして藤内小屋に着く。
がんちゃんは藤内小屋に泊まったことがあるらしい。なんと2食付き5700円となかなかリーズナブルなようで、そんなことは全く知らずにテント泊としたことを少し後悔。
まぁでも良い。テントで過ごすのは好きだ。暖かいお布団も好きだけれど。

2ルンゼが凍ってるのかわからなかったので、ダメだった場合は中尾根を登ることにして準備して出発。
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(がんちゃんがドローンを持ってきていたので氷具合の偵察に飛ばすが強風で断念。ドローンおもしろい!)

2時間ほどで2ルンゼ最初の滝のマイナス滝に到着。
結氷薄いがどうにか登れそう。
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(マイナスの滝)

まずはOKDさんがリード。
昨年、OKDさんと長野さんとここに来て、その時もOKDさんがリードしたけれど登れず交代したことがある。そのリベンジマッチだ!(氷結具合は全然違うけれど、、、)

垂直部に差し掛かって少し登るが、やはりだいぶ結氷が薄いのでアンパイをとってチェンジ。残念!
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(もう少しのところでチェンジ!)
「ここ1番は僕に任せろ!」と僕がいかせてもらう。

乗越部分がバランス悪く、岩に乗った氷も足を置くと剥がれたりしたのでスクリューを2本固め打ちして慎重に乗越す。
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(右か左か迷うところだ。左を選択。)
ホッと一息でビレイ点へ。
2人も登ってきて合流。

奥又の滝はだいぶ痩せていたが登れなくはなさそう。
下部はベルグラ登りの良い練習になりそうだ。
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(下部が薄い!)

ここでOKDさんに雪辱を果たしてもらうべく、
「いけそうですよ!傾斜もキツくないし、大丈夫ですよ!」
とリードをオススメするが、結果的に僕がリードをすることになり、改めて壁をじっくり見ると、悪そうに見えてきた。
他人事だとホイホイ勧めることができるが、自分事となるとそうもいかない。不思議なものだ。

そうこうしてるうちに、がんちゃんの知り合いのAさんとRさんがやってきた。噂に聞くタフなギャルのお二人だ。
挨拶をして、結氷悪いねーなどと会話を交わし、飴をいただいた。
ありがとうございました。

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(記念写真)


さて、リラックスしたところでクライミングスタート。
左か正面か選べたが容易そうな正面から行くことにする。

出だしが結氷悪くて叩くとポコポコなる氷に半分しか入らないスクリューで気持ちばかりのプロテクションを取って、壊れるなよぉと思いながらゆっくり壁に立ち込む。
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(慎重に慎重に。)
少し上がって氷が厚くなったところですぐさま2本目。安心できた。
そこからは快適なクライミング。

ここ最近登った氷の中ではかなり柔らかく、柔らかい割にアックスは深く突き刺さらない感じで、こういう氷もあるんだなぁと思いながら登る。
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(出だし以外はウキウキクライミングだ。)

無事終了点に着いてトップロープをセット。
OKDさんとがんちゃんも1本ずつ登る。
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(OKD)

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(がんちゃん)

思いの外早く登れたので、この後どうしようかなぁと相談。
2ルンゼを抜けて登山道に上がるのも良いけれど、滝の右にあるルンゼもなにがあるのかわからず楽しそうだったので行ってみることにする。
(カモシカルンゼだと思っていたけれど、後で調べてみたら違った。奥又の壁を登っていたよう。)

そのルンゼ、出だしは気持ちよく雪を漕いでいく感じだったけれど、岩をのっこす辺りから悪くなってきて、岩壁の基部沿いにトラバースするところからロープを出すことになる。
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(出だしのワクワク感良い感じ)

ここはたまたま先頭だった僕がリードさせてもらう。
トラバースが終わると少し立った凹角。
凹角は良い具合に登れるようになっていて、細い木にランナーを取りつつ登り、登り切ったコルでピッチを切ってOKDさんとがんちゃんを迎える。40mⅢ級くらいのピッチだった。
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(がんちゃん)

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(OKD)
そこからは歩いて進むことができて、ロープを畳んで進むと3ルンゼに向かうトレースに辿り着いた。
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(山頂(なのかな?)が見える)

トレースを下ってテントに戻って今日の行動終了。

夜ご飯にキムチ鍋とチーズリゾットを食べて、気温も全然低く無く快適に眠ることができました。
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(海鮮豚餃子キムチ鍋2回転)

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(チーズリゾット。上手にできました。)


・2/12
この日はどこかでドライの練習でもしようと話していたけれど、2ルンゼと奥又の壁で多少満足していたのと、朝起きると天気もイマイチな感じだったので、朝ごはんを食べて下山としました。

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以上、山行記録です。

今週末はどこも天気が悪そうで、どこ行くか結構迷いましたが近場で登ることができて良かったです。良い山御在所!
サーフィンの格言に、「フィールドに立つことが大事。」というのがあるそうです。

OKDさん、がんちゃん、毎度ありがとうございました!








2023.2.4-5 錫杖岳 3ルンゼ その2



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谷川です.
2023年2月4-5日で,岩瀬さんと錫杖岳の3ルンゼに行ってきました.
時間,装備など詳細は岩瀬さんの記録にあるので,僕は自分が感じたことをそのまま書き連ねます.

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錫杖岳は,漫画「孤高の人」を読んでから憧れの山であった.
北アルプス全山縦走の最後の山で,主人公がフィギュア4も交えたテクニカルなフリーソロで未踏ルートを登っていた.
今回は入門の3ルンゼだけど,それでも憧れの山に取り付けるのは嬉しくもあり,自分の実力が通じるか不安でもあった.

大阪からは5時間ほどのアプローチ.
深夜に槍見温泉周辺の駐車場に到着し,仮眠をとる.
SAエリアのトイレにダウンを忘れ,岩瀬さんをざわつかせるも,結局車内で見つかった.
おっちょこちょい長谷川の2つ名を賜った.

結局ほとんど寝れず,行動スタート.最初はトレースがあったが,北沢出合からは3ルンゼに向かって斜面をラッセルした.
少し平らなところでテントを張ってデポ.
幕営地から見る前衛壁がおどろおどろしく,本当に登れるのか不安だ.
眠いし,お腹減ったし...

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それでも壁に近づいて3ルンゼの中を見ると行けそうだと感じた.
迫力のある側壁と突き上げるルンゼが最高に格好良い.
テンション上がってきたぜぇぇぇぇぇ!!!

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1ピッチ目,2ピッチ目はラッセルと傾斜の緩い氷であったのでフリーで抜けた(ピッチ数は「新版アイスクライミング」と同様に表記しています).

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3ピッチ目,リードでいかせてもらう.中間部のチョックストーンが結構難しい.2回ほど上り下りしてホールドを探る.
最初はチョックストーン直下のハングから突破しようと考えていたが,ハングから左手のフェース出るところが悪い.
初めから左手のフェースを行った方が良さそう.
左手のフェース上をアックスで探り,1つ1つホールド見つける.徐々に登るイメージを固まってきた.
よし,行ける.
1手目,左手ショート順手で1cmほどのカチにアックスをかけ,足を上げる
2手目,右手ショート逆手で1cmほどのフレークにアックスを横がけしてさらに体を上げる.
3手目,チョックストーンの左側のベルグラに左のアックスを優しく刺す.
4手目,チョックストーンと壁の間に右のアックスを差し込む.これで安心!

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4ピッチ目は岩瀬さんリード.岩穴を登って行く.
楽しい!って言いながら登って行くので見ているこちらも楽しい.
でもフォローでは気が抜けて変なムーブして疲れた.というかベルグラで普通に緊張する.
こんなルートを生き生き楽しく岩瀬さん,流石だ.

5ピッチ目は僕リード.チョックストーンの左の氷を登る.厚い箇所なら10cmほどの厚みがあるし,氷結も良いのであまり怖くはなかった.

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(氷はこんな感じ)

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岩瀬さんが格好良い!アルパインクライマー長谷川!とめっちゃ褒めてくれた.
尊敬する岩瀬さんからそんなふうに褒められると口元が緩む.とても嬉しい.おっちょこちょい長谷川でなくなってよかった!

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チョックストーンを超えると,さらに上にチョックストーンが見えた.6ピッチ目のだろう.
このルート,チョックストーンだらけだな.
ピッチを切ろうか迷いながら,とりあえずチョックストーン直下まで行く.
左手は人工ルート,右手はフリーのルートらしいと思い出す.
右いけそうだな.疲労もないからこのまま行こう.
岩瀬さんには申し訳ないけど,でも登りたいという自分の気持ちを大事にしたかった.
壁を目の前にすると怖いと思うことの方が多いのだけれど,今回はとても楽しい.
恐らくチョックストーンはボルダーチックで,普段のジムの感覚と近いのだろう.
しっかりオブザベして,イメージを固める.
右側のルートは,よく見ると3ピッチ目のフェースより良いホールドが多い.
それを繋ぎながら上がっていき,チョックストーンと壁の間にアックスを差し込んだ.
これで安心,さあ上がろうと顔を上げると粉吹雪が顔面を直撃した.やべ,息できなくなる.
一旦顔を下げ,アックスにぶら下がってレスト.バラクラバを上げる.やり過ごしてから登ろうと思ったが,一向に粉吹雪が止まない.
2回目,待っても仕方ないから正面突破!しかし,目が開けられず押し戻され,もう一度アックスにぶら下がる.
3回目,目をつむりながらエイヤで上がろうとすると,左アックスで刺してた氷雪が壊れた.なんとか岩間のアックスで保持し,またぶら下がってレスト.
岩間のアックスのグリップレストにどんどん雪が積もり固まり,握れなくなってくる.次がラストチャンスかな.
4回目,左のアックスをよく分からないところに刺して正面突破を試みる.やっぱり吹雪がきつい.
これ以上はきついので,右の側壁に垂れるスリングでA0した.そのまま雪壁を登り,灌木で終了点とした.
あーあ,やっちまった.けどA0したポイントを見ると,そこだけ竜巻のように吹雪が滞留していた.
フォローの岩瀬さんもアバババババヤバイヤバイ言いながら登ってきた.

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(竜巻のような吹雪がずっと落ち口に滞留していた.なんとか岩瀬さんが這い上がる)

こんな事もあるんだなあ,ゴーグルはすぐ出せるようにしなきゃなあ.
余裕があったらグラスホッパーも継続したかったが,繋がっていなかったので今回はやめた.
でも下部の岩とベルグラのパートを越えれば登れそう.もっと強かったら行くんだろうな.もっと強くなりたい.
グラスホッパーはやはり格好良いルートだな.いつか絶対登ろう.その時は3ルンゼから継続して登りたい.

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(グラスホッパー左ルート?)

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(グラスホッパー右ルート?の取り付き)

2日目は快晴.青空を突く前衛壁の格好良いことよ!!
見ていると,他の山登ってる場合じゃねえなと思えてくる.
岩瀬さんも通いたい!と連呼している.同じ気持ちなのが嬉しい.1ルンゼも2ルンゼもいつかやろう.

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昨日の夜は30cmほどの降雪があり,本日は快晴.普通なら雪崩を警戒するところである.
しかし,昨日会心の登りができたこと,格好良い壁を目の当たりにして新たな目標ができたこと,仲間も同じ志を抱いており会話に夢中になったことですっかり頭が一杯になり,警戒を怠っていた.
そんな状況で注文の多い料理店を見に北沢を登っていたら,案の定雪崩に飲み込まれた.

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飲み込まれる前の数秒で,あ,これは生きれるやつだと感じた.流量はそれほどでもない.
それでも雪に埋もれながらゴロゴロ横回転で落ちていった.視界は完全に雪で覆われていた.
アックスは絶対離さないと握り直す.
腕で顔を覆いエアーポケットを確保する.
この下何もないよな,
などと考えていたら流れがとまり,起き上がることができた.
「大丈夫ですかーーー!!」まずは叫んだ.辺りを見回すと,上方で岩瀬さんが起き上がっており,安心する.
次の雪崩がないとも限らないので,急いでデブリから離れる.
岩瀬さんと顔を見合わせると,感覚が麻痺っているのかお互い笑いが込み上げる.
不謹慎だが,そうでもしないと,やってしまった,また多くの人を不安にさせてしまう,次に同じことがあったらどうなる?という不安で押し潰されそうであった.
岩瀬さんがいてくれて本当によかった.
幕営地に戻り休んでいると,まさに青天の霹靂,雷のような音が鳴り,1ルンゼで雪崩が起こっていた.
あそこは今朝取りついているパーティがいたが,手こずっていたので1ピッチ目にいるはず,雪崩は最終ピッチ周辺,大丈夫だろう.
そう思ったが,岩瀬さんは安全確認,場合によっては救助のために雪崩装備を持って向かうことを提案した.
確かにもしものことを考えると行くべきだ.この人の判断はいつも的確で,早い.
ダッシュで1ルンゼに向かうと,今朝付けたトレースが完全に埋まっていた.
周囲を見渡すと,1ピッチ目の上部からちょうど懸垂用のロープが垂れてきた.
声をかけると,大丈夫,今日は危ないからやめる,とのこと.
無事で本当によかった.
その後の下山中も,1ルンゼは何度も音を立てて崩れていた.
これはトラウマになりそう...1ルンゼの上部氷柱登っている時なんか,このことを思い出して生きた心地がしないだろうな.

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(中央の白い線が1ルンゼ)

下山中,帰阪中はずっと雪崩対策について話していた.
帰阪後,岩瀬さんからお薦めされた「アルパインクライミング考」を読んでみた.
一番最初の話が雪崩の話で,なんとタイムリーなんだろう.
横山さんたちは池の谷ガリーで雪崩にあったそうだが,その時は焦りで思考が一杯だったらしい.
僕らの場合は興奮で一杯で,警戒を怠っていた.どんな感情にしても,それだけで頭が一杯になることは命取りである.

これから家族もできる.
年を重ねるごとに,仕事でも私生活でも責任は増え,何かあった際に被害を被る人が増える.
冬山を辞めた方が良いのではないか.

そう迷っても,気がつけば山のことを調べている.
妻は,辞めなくても良いのではと言ってくれる.

まだ結論は出ないが,いずれにしても今シーズンはやり抜く.
そこで同じことを繰り返さないよう,他の事故も起こさないよう,準備し,気を引き締めよう.

2023.2.4-5 錫杖岳 3ルンゼ

2023.2.4-5 錫杖岳 3ルンゼ の記録

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こんにちは、岩瀬た です。
今週は谷川くんと錫杖岳に行ってきました。
1日目は3ルンゼ、2日目は他のルートを偵察。

錫杖岳は、横山ジャンボさんの「アルパインクライミング考」にも紹介されていて、この本は僕のフェイバリットでもあるので、その舞台にやってきたと思うと心の底からワクワクしてしまう。

1日目の3ルンゼは、初めてのチリ雪崩を受けまくりながら、谷川くんが難しいピッチを全部こなした。(僕にも残しといて欲しかったなあ!!笑)
2日目の偵察では、昇温甚だしい中で欲を出して冬の"注文の多い料理店"を見てみようと取り付きまで行った結果、雪崩に飲まれてしまいました。
60mほど流されましたが運良く2人とも無事で、反省すると共に、結果的には、良い経験となりました。

以下、山行記録です。

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◎メンバー
谷川
岩瀬た


◎装備
・50mロープ x2
・スクリュー
・カム #0.5〜#3
・その他


◎行程概要
・2/4
4:00 中尾高原口バス停駐車場 出発
6:10 クリヤの岩舎
6:40 1550m地点 テント設営・ギア準備
7:40 出発
8:30 3ルンゼ入口
12:30 3ルンゼトップアウト〜グラスホッパー上部氷柱基部へ
13:30グラスホッパー上部氷柱基部 下降開始
15:00 3ルンゼ入口
15:15 テント場 泊

・2/5
5:00 起床
7:30 偵察出発
8:10 1ルンゼ取り付き
9:10 注文の多い料理店 取り付き 雪崩
9:30 折り返し開始
9:50 テント場 休憩 安否確認出発
10:30 1ルンゼ取り付き 安否確認
11:20テント場 撤収 下山開始
12:30 中尾高原口駐車場


◎行程詳細
・2/4
レンタカーを走らせて一路、錫杖へ。
中尾高原口バス停の駐車地で少し仮眠して4:00出発。

クリヤ谷にはしっかりとトレースがついていた。
錫杖沢の岩小屋に泊まるつもりだったけど、ラッセルに難儀しそうな気がしたので前衛峰手前の傾斜の緩いところにテントを張ることにして樹林帯のラッセル開始。
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(ラッセルラッセル。思いの外沈まない。)

今シーズンよく行った八ヶ岳に比べて当たり前だが雪質や雰囲気が全然違い、あ、なんか山だな。という気分で進む。少し湿って重みのある雪だ。
僕は真冬の北アルプスに来るのは今回が初めてで、経験の少なさを感じる。

1550m地点の良い場所にテントを立てて、7:30、曇った朝にドーンと佇む前衛峰に感動しながら3ルンゼ取り付きに向けて出発。
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(ラッセルラッセル)

8:30ごろに取り付きについて、一息ついた後、ルートに入る。
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(3ルンゼ入口)

良い具合に雪がついていたのでしばらくはフリーで進み、最初のチョックストーンのところからロープを出す。
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(ここはフリーで上がる)

1ピッチ目、谷川リード。
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(1ピッチ目谷川。どこにいるのかよくわからないが、チリ雪崩の中だ。)

チョックストーン部分で結構モジモジしつつ、チリ雪崩の中を乗越していく。
フォローで登ると、ビレイしながら見てた感じよりも悪くて、ベルグラを使いつつジャミングも交えながら思いっきりA0して登ることになった。おぉ谷川くんナイスリードと思う。
チリ雪崩も頻発。ここ以降チョックストーンの乗越しがあるたびにチリ雪がグルグル渦巻いてる中を登ることになる。
落ちてきたチリ雪崩が巻き上げられてゆらゆら揺れる光景はなんとも不思議だ。なんだか少し夢のよう。

2ピッチ目、岩瀬たリード。
いくつか見た記録の中でも印象的な、トンネルくぐりのアトラクション的なピッチ。
出だしは思いの外足場が崩れて難儀したが、立体的で楽しいピッチだった。
背中を壁に当て、氷にアイゼンを当て、おすわりステミングで抜ける。
プロテクションはカムで良い感じにとれた。(ダイさんとヨッシーさんの記録にも書いてあった#3のカムがよく効きました!)
トンネルを抜けて少しラッセルし、洞窟のようになってるところでピッチを切る。風もなく暖かい良い場所だ!


3ピッチ目、谷川リード
これまたチョックストーンをベルグラ登りだが、岩の隙間に氷が良い感じに張っていて割と安心して支点を取りながら登る。
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(うーんカッコいい!)

チョックストーンを乗越してもなかなかビレイ解除のコールがかからず、なにしてるのかなぁと思いながら洞窟の中で待つ。結構ロープが出て行く。
50mいっぱい伸ばしたところでビレイ解除のコール。
フォローしてみると、ベルグラ登りは案外足場があってスッと行けたが、そのあとしばしのラッセルをはさんでもう一つチョックストーンの乗越しがあって、谷川くんどうやらそこも続けて抜けて行ったよう。
2つ目のチョックストーンは、左に残置支点がいっぱい打ってあり、思わずそこを登りそうなものだけれど、ロープは右を乗越して行っている。
結構被った乗越しで、僕がリードならここでいったんピッチ切ってるなと思い、谷川くんやるなぁと思う。
取りついてみると、これまた案外良いスタンスがあって見た目よりも悪く無かったが、ひょいと体を上げると、抜け口で渦巻くチリ雪崩に襲われる。
「うわ!アバババババ!!見えない!!アババ!ちょっと!やばいってこれ!!全然見えない!!アババ!!」となる。ゴーグルをつけてないことを深く後悔。
チリ雪崩が一度落ちてきては巻き上がって渦巻き溺れてしまいそうな中、被っているので簡単には降りることもままならず、必死のパッチでのっこす。
いやこれリード結構キツかったんちゃうか!?と思いながら登って谷川くんと合流。
そこはもう3ルンゼのコルだった。難しいところのリードは全部谷川くんに持っていかれた!!やられたー!!
でもナイスリード!
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(アバババの後。)

グラスホッパーも見てみようと言うことで少し登って見てみたが下まで繋がっておらず、時間もまぁ降りても良いかという時間だったので氷はまた今度ということにして同ルート下降に移る。
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(グラスホッパーはまた今度)

15:00、4回の懸垂下降で取り付きへ。結構スムーズに降りてこられた。(下降でもアババババは避けられなかった。)

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(下降開始)

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(下降)


テントに戻って待ってましたののんびりタイム。
あまーいミルクティーのウィスキー割を片手に、「腹減った。。。」といつも呟いている谷川くんの作る具沢山キムチ鍋2回転+雑炊でお腹をパンパンに満たして、今日の3ルンゼのことや少し深掘りな各々のことなど話して、パタパタとテントを打つ雪の音を聞きながらあたたかな眠りにつきました。


・2/5
今日はレンタカーを返す都合もあり、いくつかのルートの偵察だけして早め下山のため、のんびり朝ごはんを食べて7:30出発。昨日は曇っていたが今日は雲ひとつない素晴らしい快晴だ!
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(高級テントカミナドーム)

ひとまず2ルンゼと1ルンゼを見に行くことにする。
昨晩は雪が降っていたので夜のうちにトレース埋まっちゃってるかなと思ったが、すでに何パーティか登りに来ているようでトレースはしっかり残っていた。すぐに前衛峰基部に着く。
3ルンゼの入口から基部沿いにラッセルしつつブラブラ。
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(左下からが2ルンゼ、右が3ルンゼ)
極悪非道な2ルンゼを見上げて、いつか行かなくちゃなぁと話しながら、輝く氷柱の1ルンゼへ。

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(1ルンゼ)

1ルンゼの1ピッチ目は氷があるにはあるが薄い。
取り付き凹角の左側の壁をちょうど登り始めたパーティがいて、挨拶しつつ少し見学。
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(1ルンゼ取り付き)

ジッと見てるのも変なので、さらに左に向かって進む。

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(P2が空を突く)

左方カンテの取り付きこのあたりかなぁと以前に夏に来たときのことなど思い出して、せっかくなら注文の多い料理店も見たいと思い、さらに左へ。時間はちょうど9時ごろ。
気持ち良く開けた北沢を、ジブリのもののけ姫に出てくるコダマのような小雪が時おりツーっと転がり落ちて行く中、膝高のラッセルで詰めていく。
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(注文の取り付きへ。この後、雪崩に飲み込まれる。)

雪が眩しくて日焼けも気になる(僕は結構日焼けに弱くて、あんまりやけると熱が出る)のでゴーグルとバラクラバでしっかりガードして登り、ようやく注文の多い料理店の取り付きに到着。
冬のこの壁を見ることができたと嬉しい気持ちでラインを眺めていると、視界の奥、北沢大滝に灰色の煙が舞うのが見えた。

一瞬、ただのチリ雪崩だろうと思ったが、煙の中に大きめの雪がゴロっと顔を覗かせて、ようやく何が起こってるか把握。距離は200mといったところか。

「雪崩れ!やばいやばい!」
とすぐ後ろにいた谷川くんに叫んで、どうしたら良いかわからないけどとりあえず壁に近寄ろうとするも、2、3歩動いたところで壁に向かってもとうてい間に合わないし意味がないことを悟り、どうしようもないが雪崩れに正対して身構える。
飲み込まれる瞬間、「終わったな。」と思った。

1発ドンと突き飛ばされ、前のめりに雪の中をグルングルンと回転し始める。
1回転目は「このまま埋まっちゃうかな。」と他人事のように思う。
2回転目は「案外視界が明るいな。バタつく方が良いのかな。」
3回転目で「なんかまだ埋まってないな。これワンチャン助かるかも。っていうか岩とかにぶつかって身体折れたら嫌だなぁ。」
4回転目で「どうにかして体制を立て直したいな。」
と思いながらもう半回転したら流れの外に吐き出された。
立ち上がって、自分が今どこにいるのか、谷川くんはどこにいるのか若干テンパっていると、
「大丈夫ですかー!!」
と谷川くんの声が聞こえ、どこから聞こえてきたのかわからないままにとりあえず
「大丈夫!!」と叫ぶ。
ぐるっと見回すと僕から20mほど下に真っ白になった谷川くんが立ち上がっていた。
無事だ。良かった。

とりあえず安全なところに移動して、びっくりからの笑いが出てきてお互い無事でギアも無くしてないことを確認。お湯など飲んで一息つく。

雪崩に気づいてから飲まれるまで5秒、流されてたのは15秒くらいだろう。
僕で60mくらい、谷川くんで80mくらい流された。
規模もそんなに大きく無かったからか運良く雪崩の末端に辿り着いてことなきを得たといったところだ。
ゴーグルとバラクラバをしていたからか、流されながらも視界も呼吸もひとまず確保されていて割とよく覚えている。
無事で何よりだ。

一息つくとちょうど偵察折り返しの時間だったので、下山に取り掛かる。
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(樹林帯に逃げ込んで一息。)

1ルンゼを登ってるパーティのビレイヤーに「大丈夫でした?」と聞かれたりして、いやぁヤバかったです。などと答えながら、すごすごとテントに戻る。

テントで一服しながら片付けをしていると、にわかにカミナリのようなバリンバリンという音が響き、前衛峰を見上げると1ルンゼの上部が真っ白な雪煙を上げて崩壊していった。
谷川くんと顔を見合わせて、唖然として崩壊を眺めていたが、さっきの1ルンゼのパーティやばいんじゃないのということで急いで準備して安否確認に向かう。
谷川くん早い早い。全然追いつけなくて情けない気持ちになりながら、いろんなケースを想像しながら登り返す。あれ持ってないな。これ持ってないな。と、なにが代替え品になるか考えながらちょうど30分くらいでようやく1ルンゼ基部にたどり着いたら、懸垂下降で撤退してくるクライマーの姿が見えて、怪我がないか聞いたら大丈夫とのことだったのでホッと胸をなでおろしてまたテントに戻りました。
テントに着いたらまた何回も1ルンゼがバッカンバッカンと音を立てて崩れていく。
まぁさすがにさっきのパーティももう大丈夫だろうということで見にいったりはせず。

11:30、テントを片づけて、元来た道を歩く。
12:30、駐車場に到着。

下山完了。

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以上、山行報告でした。

結果的に、すごく勉強になった今回の山行でした。
思い返しながら記録を書きましたが、当たり前の雪崩インシデントの兆候がいくつもあって、反省です。
谷川くんと、これは今後にちゃんと活かさなとねと話しました。

とはいえ、錫杖岳は魅力に溢れた山だったというのも正直なところです。
3ルンゼは正直結構甘く見ていたけどピリッとするところもあって、「アルパインはこれだな!」と思える場所だったし、下から眺めたいくつものラインはどれもカッコよくて、どれも登ってみたい。今回流された北沢だってもちろん詰めてみたい。
今シーズン続け様に八ヶ岳に行ったように、次からは錫杖岳でもいろんな経験をしてみたいと素直に思える良い山でした。

良くも悪くも貴重な体験ができたと思います。
なにごとも、進むも一手、引くも一手だ。正解は無くとも間違いを踏まないようにしないとな。

谷川くんありがとうございました!



2023.1.28-29 中山尾根 河原奥の氷柱

2023.1.28-29 八ヶ岳 中山尾根 河原奥の氷柱

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こんばんは、岩瀬た です。
今シーズン4回目となる八ヶ岳にまた行ってきました。
今回はいつものメンバーとは少し違い、会外の友人、がんちゃんとアヤちゃんと行ってきました。
2人とは友人の繋がりなどで知り合い、秋に名張でクライミングしてその時に「冬にアイスをしに行こう」となり、今回実行となりました。

がんちゃんは大滝登攀やゴルジュ遡行などの狂ったことをやる沢ヤでありつつアイスやスキーもやっていて、先日に大峰の双門ノ滝をアイスクライミングとして初登したよう。
アヤちゃんは結構最近クライミングを始めて、あれよあれよと5.12台をポンポン落とす狂ったクライミングマシーンと化したクライミングギャル。もといクライミングバム。ここ最近は八ヶ岳に常駐してアイスやアルパインに取り組んでいるよう。

狂った2人と行く山行はどうなるのかと、自然を愛でるのが趣味の善良なサラリーマンの僕は少々不安でしたが、結果、とっても楽しい2日間を過ごすことができました。

以下、山行記録です。

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◎メンバー
岩瀬た
がんちゃん
アヤちゃん


◎行程概要
・1/28
5:30 八ヶ岳山荘駐車地 出発
6:15 やまのこ村
8:30 行者小屋 休憩 準備
9:30 中山乗越
10:20 中山尾根 下部岩壁 取付
13:00 上部岩壁
15:30 上部岩壁終了 トラバースして主稜線へ
16:00 地蔵尾根 下降開始
16:30 行者小屋
19:00 八ヶ岳山荘駐車地 仮眠室泊

・1/29
7:30 起床
8:30 出発
9:00-12:30 河原奥の氷柱
13:00-14:00 角木場(見学)
14:30 八ヶ岳山荘


◎行程詳細
・1/28
5:00、八ヶ岳山荘の駐車場にて全員合流。準備を整えて出発。
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(出発!)

今週の寒波で雪がすごい積もってるかと思っていたが案外そうでもなく、さすが八ヶ岳、いつも通り登山道はしっかりとトレースがついている。
行者小屋にてギアを身につけて中山乗越へ。
上部がガスっていたことと、気温は低く風が強いことも想像できたことに加えて、がんちゃんの調子も芳しくなく、計画変更して赤岳鉱泉でコーヒーを飲む予備計画に切り替えるか迷ったけれど、気合と根性の男がんちゃんが「進む」というので、とりあえず取り付きまで行くことにする。
ちなみにがんちゃんは以前に中山尾根に来たことがあり、最終ピッチを残して撤退しているので今回はその最終ピッチを登りにきたよう。

中山乗越から下部岩壁までトレースが少し残っていて、場所によっては腰高のラッセルがあるくらい。
どうやらアヤちゃんはあまりラッセルをしたことがないようで、はしゃいでいる。
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(ラッセルラッセル)

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(ラッセルラッセル2)

アヤちゃんは沢登りやキャニオニングの経験は結構あり、フリークライミングに関してはこの3人の中でもダントツで力があるのだが、冬のアルパインについては経験もまだ少なく自信があまり無いようで、今回は「フォローで頑張ります!」との意気込みだ。
今シーズンで石尊稜や阿弥陀北西稜なども経験しているようだが、条件の良いトライが多かったよう。
今日はおそらく上部は悪いだろう。悪い場合を想像すると、僕も少しためらわないでもない感じだ。

足の付け根が痛いと言っていたがんちゃんを先頭にラッセルを進め、中山乗越から1時間かからないくらいで取り付きに到着。
もう一度進退どうするか考え、時間的にはまだまだ大丈夫だったのと、晴れてきたので1ピッチ登ってみることにする。
残置ヨシ。クライミング開始!

1ピッチ目、岩瀬た
正面から登ったら普通に悪かった。
ハンガーの無いボルトにスリングをタイオフして、その少し右に0.3のカムも決めたところで早速行き詰まったのでA0。残念!
少し右から登った方が良かったのかも。
出だしを過ぎたらあとは段々で無難に登ってピッチを切る。
アヤちゃんとがんちゃんも上がって来て合流。
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(出だしが悪い!)

やはり出だしが難しかったよう。


2ピッチ目、がんちゃん
凹角になってるとこを行くか、平らなところを行くか迷うところで、
「ここは平らなところの方やったら簡単やで」とがんちゃんがリード。
それほんま?と少し思う感じの、若干苦しそうな体勢で登っていき無事終了点へ。

終了点で合流して、いったんロープを畳んで下部岩壁終了!
案外稜線が近くにあったので、このまま登ることにする。
上部岩壁の基部まで行って少し休憩。
がんちゃんは冷え冷えのコーラを飲んでいて信じられない。コーラは凍らないらしい。
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(休憩)

僕自身寒さに多少は強い自負があったが、彼は比べ物にならないくらい寒さに強い。本人曰く、気持ちの問題とのことだが、もしそれが本当なら尋常じゃない気持ちの強さだ。
昔自転車をやっていたそうだが、その頃に末端の毛細血管が発達したのだろうか。羨ましい。

風が強く、雪煙が舞うと顔が痛いし寒い。晴れているのが救いだ。これでガスってたら2年前にOKDさんとダイさんと行った石尊稜の二の舞いとなるところだ。
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(寒いー)

足が痛いと言っていたがんちゃんは調子上がって来てほっといても大丈夫そうなのでアヤちゃんのフォローだけしつつ、3ピッチ目スタート。

3ピッチ目。岩瀬た。
ここも若干バランシーで少し緊張。細かい足置きもいくつかあったけれど、残置のハーケンが結構たくさんあって精神的には楽だ。
最後は少し立った凹角をチムニー登りで登って終了点へ。
フォローをビレイしていると、後ろからソロの人が登って来た。
バランシーだった部分もノーロープで登ってくる。クレイジーな人を生で見るのは初めてだったので驚いた。

がんちゃんとアヤちゃんも登って来て無事合流。
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(上部岩壁)

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(がんばれがんばれー!)

最後のピーク基部までの登りはロープ出すか迷うくらいな感じだったが、イケイケゴーゴーながんちゃんにロープをつけてもらい一応アヤちゃんは確保して登ってもらうことにする。
僕は先の様子を見ようと先行していたが、登ってる途中、ソロの人がシューっと追いついて来たので少し話すと、どうやら台湾から来たそうで日本語があまり通じず、「ユークレイジーフリーソロ!」とカタコトの英語で話しかけると、「イェーアイムフォース!スィーユーレイター!」と言いながらにっこり笑って、シューッと行ってしまった。4回目ということのよう。

緩傾斜とはいえたぶんこの登りが1番辛かったと思う。強風の中アヤちゃんも気合と根性で登って来た。よく頑張りましたという感じだ。
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(よう頑張った!)

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(ゴーグルつければそんなに寒くない)

がんちゃんはこの目前の最後のピッチを登りに来たのだけれど、風が強くて寒さでどうにかなりそうだったので、ここはグッと堪えてもらってまだ余力があるうちに下山することにする。
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(またいずれ)

意外とこだわらずに下山にかかってくれたので良かった。僕が知っている沢ヤさんはみんなさっぱりしていて安心できる。漢と書いて男である!

ということで、残置ヨシ!下山開始!

気をつけつつ地蔵尾根を降りて行者小屋でゆっくり休憩してから駐車場まで。
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(放心 笑)

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(行者小屋まで戻ってきたら元気出てきた)

最後の稜線歩きの時に半分放心してるように見えたアヤちゃんも元気を取り戻して、結構スピーディーに歩いていく。なんや元気やん!

19:00、八ヶ岳山荘に到着。久しぶりのヘッデン下山で、無事に怪我なく降りてこれました。

その後、アヤちゃんの知り合い多過ぎパワーと八ヶ岳山荘の方達のご厚意に甘えて暖かい場所で美味しいご飯を食べて、仮眠室にて心地よい眠りにつくことができました。最高でした。
ありがとうございました!


・1/29
のんびり起きて、朝ごはんを食べて、今日は美濃戸の周辺でアイス。
前から気になっていたが、いつでも行けると思うと逆に行く機会が無かった河原奥の滝と角木場に行くことにする。
河原奥の滝には先行パーティがいたので、氷柱の方に回ってクライミング開始!
短いけれど案外立っていて、落口は氷が張っておらず砂にアックスを打ち込むことになってまぁまぁ緊張した。
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(この上が緊張)

がんちゃんがドローンで動画を撮ってくれていて、後で見返すと「こんなフォームで登ってたのかー、レストし過ぎやなー」と思うこと多い!
後日きっとがんちゃんねるで映像が見れるはず!

今回はがんちゃんがたくさん写真や動画を撮ってくれました。ありがとう!

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(練習練習!)

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(練習練習!)

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(練習練習!)

僕はカメラ持ってくるの忘れてがんちゃんの写真はあまりなく、申し訳ない、、!!
しばらく登って角木場へ移動。

角木場も満員御礼で、時間もあんまり無かったので見学とする。
僕の中ではめちゃめちゃ有名なI夫妻がいた。
5.13を登る国際山岳医のご夫婦で、僕が山登りを始めただいぶ昔の頃からちっぺさんの記録を読んでいて、すごいなぁと常々思っている人たちだ。同人青鬼に入ってみたいと思ってた時期もあるくらい。
人見知りしてしまってひと言も喋りかけられなかった。笑

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(角木場とかいてカドコバと読むそう)

変態のがんちゃんは手頃な氷でアックスを振る練習をして、ナオコ塾生のアヤちゃんに「アックス握ってる!けつデカい!」などと言われながら嬉しそうに練習していた。ナオコ塾に通ってみたらいいんじゃないか。
ずっと素手だった。信じられん。

ぼちぼち良いところで引き上げて、撤収としました。

下山完了!

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以上、山行記録でした。

今回は初めて一緒に山に入る2人で、山行前は不安に思わないでも無かったけれど、蓋を開けてみれば気の合う2人で楽しく登れて嬉しかったです。それになんだか良い刺激をもらった気もする。
普段一緒に登る神戸山岳会の人たちも相当好きだし信用しているけれど、時にはいつもと違うメンバーに接してみるのも良いなと思える山行でした!

がんちゃん、あやちゃん、ありがとうございました!またどこかでなんかしましょう!


追記
がんちゃんが作った動画が公開されているので、ご興味ある人は是非。


その1
https://youtu.be/nMZbnXrut_Y

その2
https://youtu.be/qgPLx4YdZ0k



北穂高岳 東稜 残雪期アルパインクライミング 北穂沢 バックカントリー 山スキー

北穂高岳 東稜 残雪期アルパインクライミング 北穂沢 バックカントリー 山スキー

山行日
山域、ルート
北穂高岳 東稜 北穂沢
活動内容
残雪期アルパインクライミング バックカントリー 山スキー
メンバー
藤本(L)、三浦(記)

北穂高岳

北穂高岳は北アルプスの3106mの山である。穂高連峰の主稜線上にあり、北穂高岳の北側は、大キレットを経て南岳、中岳、大喰岳、槍ヶ岳へと稜線がつながる。南側の稜線は涸沢岳から奥穂高岳、西穂高岳へと繋がっている。涸沢カールから望める代表的な山の一つであり、岩稜帯が露出した南稜と東稜は涸沢の景色を特徴づける重要な要素である。西の飛騨側は、上高地の名ガイド上條嘉門次が「飛ぶ鳥も通わぬ」と称した滝谷と呼ばれる峻厳な岩壁であり、クライミングの名所となっている。涸沢カールと滝谷に囲われ穂高連峰のアルパインな景観を形成している。

涸沢ヒュッテから見た北穂高岳。右側が東稜、左側が南稜で東稜と南稜の間が北穂沢。
涸沢ヒュッテから見た北穂高岳。右側が東稜、左側が南稜で東稜と南稜の間が北穂沢。

北穂高岳と山スキー

北穂高岳の山スキー/バックカントリーのルートとしては北穂沢1が最もよく滑降されている。涸沢から積雪期の一般道である北穂沢から登頂し、山頂から北穂沢にドロップできる。涸沢からは見ることができない槍ヶ岳の素晴らしい展望が山頂から比較的容易に望めるルートである。その他、北穂は南面や滝谷が度々滑降されている。

北穂高岳東稜

北穂高岳東稜は北穂高小屋から南東方向に伸びる尾根である。頭は北穂小屋、末端は涸沢カール内にある。ゴジラの背と呼ばれる切り立ったナイフリッジの岩稜帯が核心であるものの、難易度は高くなく容易な涸沢からのアプローチもあってバリエーションクライミングの入門ルートとして人気がある。スケール感のある涸沢カールと横尾本谷右俣カール、槍ヶ岳へと続く長大な主稜線の景色を楽しみながら登攀出来ることもこのルートの魅力の一つである。

北穂高岳 東稜 残雪期アルパインクライミング 北穂沢 バックカントリー 山スキーの山行記録

涸沢ヒュッテを出発し、北穂東稜を登攀し北穂に登頂、北穂沢スキー滑降し涸沢ヒュッテ経由で上高地に下山する計画である。当初は北穂の滑降ルートとして南面を計画していたが、雪が少なく岩の露出が多かったので北穂沢滑降とした。

壮絶な工程を終えた前日だったが、涸沢ヒュッテで十分な休養を取れた。0:30に起床し2:00にヘッデンの明かりを頼りにアイゼンで歩き始める。シールは涸沢ヒュッテにデポしていった。

北穂沢の下部を詰めて、ゴルジュの上側から東稜の南側、雪が繋がっているコルから取り付いた。そこそこ斜度があるのでジグを切って登った。稜線に乗り上げるとトレースがくっきりついていたので、自分たちよりも末端側から取り付いたパーティが多いようだ。

北穂東稜の取付き。北穂沢のゴルジュの上から右側の雪のつながっているコルに乗り上げた。
北穂東稜の取付き。北穂沢のゴルジュの上から右側の雪のつながっているコルに乗り上げた。

稜線に乗り上げるごろ、空が白くなり始め周りの景色が見えるようになった。涸沢カール側には2日前に滑降予定だった直登ルンゼ2や過去滑降した吊尾根北面ルンゼ3、前穂北尾根67のコル1がはっきりと見える。振り返ればグラデーションのかかる夜明け空に、こちらも以前に滑降した槍ヶ岳と横尾尾根4が望める。過去の山行を振り返りつつ、今から挑む行程に期待を寄せる印象的な時間だった。岩稜になるゴジラの背に至るまでの北穂東稜は、比較的緩やかな雪稜で景色を楽しみながら歩くことができた。完全に夜が明けてからゴジラの背の取り付きに到着した。

夜が明けるころ東稜に乗り上げた。背景に前穂北尾根が見える。
夜が明けるころ東稜に乗り上げた。背景に前穂北尾根が見える。
夜が明けるころ東稜に乗り上げた。常念岳から日が昇った。
夜が明けるころ東稜に乗り上げた。常念岳から日が昇った。
夜が明けるころ東稜に乗り上げた。常念岳から日が昇った。
夜が明けるころ東稜に乗り上げた。常念岳から日が昇った。
奥穂高岳と前穂高岳。過去滑降した直登ルンゼ、吊尾根北面ルンゼ、前穂北尾根67のコルが見える。
奥穂高岳と前穂高岳。過去滑降した直登ルンゼ、吊尾根北面ルンゼ、前穂北尾根67のコルが見える。
大キレットを経て南岳、横尾尾根、槍ヶ岳。
大キレットを経て南岳、横尾尾根、槍ヶ岳。

1P 藤本

ゴジラの背手前の小さなピナクルを開始点とした。ゴジラの背の左側から取りついてリッジに乗り上げるように登った。最高地点のピナクルでビレイ。ロープが屈曲してコールも届きにくそうなルートなのでピッチを短めにした。

北穂東稜開始点。ゴジラの背手前の小さなピナクルを使った。
北穂東稜開始点。ゴジラの背手前の小さなピナクルを使った。
北穂東稜1Pの終了点でビレイする藤本さん。
北穂東稜1Pの終了点でビレイする藤本さん。
北穂東稜1Pの終了点でビレイする藤本さん。
北穂東稜1Pの終了点でビレイする藤本さん。

2P 三浦

最初は高度感のある岩のリッジをクライムダウン気味に進む。その後岩のリッジの間にある狭い回廊状の雪稜を歩き、雪稜の右側の雪壁にトレースが降り始める地点にあったピナクルでビレイした。背負ったスキーが引っかかり少々動きにくいが、なんとか支点を構築し藤本さんを迎える。

北穂東稜2P終了地点からゴジラの背でビレイする藤本さんを振り返る。
北穂東稜2P終了地点からゴジラの背でビレイする藤本さんを振り返る。

3P 藤本

最初は斜度のある雪壁のクライムダウン。アイゼンを蹴り込んで慎重に足場を作って下った。10mほど下ると斜度が緩くなったところにある岩が終了点となった。そこからはロープを解除し雪の斜面をトラバースして再び稜線に乗り上げる。コルでロープをしまいクライミングのピッチは終了。

コルからは北穂小屋めがけて雪壁の登りになる。階段状のトレースがあるので特に難しくない。最後の乗越を超えると急に平らになって北穂小屋が視界に入った。達成感と素晴らしい景色で自然に笑顔になる。藤本さんとグータッチで互いの検討を讃えた。

ロープをしまい北穂小屋に向けて階段状の雪壁を登る。
ロープをしまい北穂小屋に向けて階段状の雪壁を登る。
北穂小屋に到着して記念撮影。
北穂小屋に到着して記念撮影。
北穂小屋に到着して記念撮影。
北穂小屋に到着して記念撮影。

北穂小屋のテラスでたっぷりくつろいだ後、滑降準備をして北穂沢に向かう。デブリが多いが、きれいな雪面を探して滑った。長い滑降ルートで足がパンパンになる頃に涸沢ヒュッテに到着。登ったゴジラの背と滑降した北穂沢を眺めながらコーラで乾杯した。

北穂沢を滑降。
北穂沢を滑降。
北穂沢を滑降。
北穂沢を滑降。
涸沢ヒュッテまで滑降し乾杯。
涸沢ヒュッテまで滑降し乾杯。

涸沢ヒュッテにデポした荷物を回収して、名残惜しさを感じつつ4日間遊んだ穂高連峰から下山開始。涸沢ヒュッテから下はメローな斜面を気持ちよく滑り、本谷橋手前の下りでスキーを脱いでアプローチシューズに履き替えた。

本谷橋からは河童橋に向けて、スキーとブーツとロープの重さにバテ気味になりながらもひたすら歩く。

岳沢登山口まで降りてくると4日間かけて奥穂を経由して同じ場所まで無事戻ってきたことに感慨深くなる。次第に観光客が増えてくると下界に戻った実感が湧いてきた。4日間で経験した壮絶な行程と観光地の穏やかな雰囲気や安堵感を対比して涙が出そうになりつつこの山行を終えた。

河童橋に下山して4日間の山行終了。
河童橋に下山して4日間の山行終了。

関連記録

  1. 北穂沢 前穂北尾根67のコル スキー滑降 2012年4月
  2. 奥穂高岳 南稜 残雪期アルパインクライミング バックカントリー 山スキー 2022年5月
  3. 前穂高岳 吊尾根 北面ルンゼ スキー滑降 2015年5月
  4. 槍ヶ岳~横尾本谷右俣 スキー滑降 2011年5月

2023.1.21-22 摩利支天大滝〜阿弥陀岳北西稜 南沢大滝

2023.1.21-22 摩利支天大滝 阿弥陀岳北西稜 南沢大滝 の記録


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こんにちは、岩瀬た です。
阿弥陀岳の北西稜に行ってきました。
先日OKDさんと行った摩利支天大滝から入って北西稜に繋げる計画。
今回は毎度OKDさんと、谷川くんと小林くんのヤングメンと共に行ってきました。

天気が良く、テンポ良く進めたので計画していたよりも素早く抜けることができて、2日目は南沢大滝でクライミング練習をして、充実しました。

以下、山行報告です。

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◎メンバー
岩瀬た
谷川
OKD
小林


◎装備
・シングルロープ60m x2
・アイススクリュー x8
・カム
・その他カラビナやスリングなど


◎行程概要
・1/21
5:00 やまのこ村駐車場 出発
6:30 摩利支天沢テン泊地 テント設営
7:20 出発
7:45 摩利支天大滝
10:30 北西稜 下部岩壁
11:00 北西稜 上部岩壁
14:10 阿弥陀岳山頂 休憩
15:30 行者小屋
16:00 テント場 泊

・1/22
5:00 起床 朝食 撤収
7:30 出発
8:00 南沢大滝 クライミング
14:20 撤収
15:00 やまのこ村駐車場


◎行程詳細
・1/21
5:00、美濃戸林道の車両通行止めを危惧して早めに出発したが杞憂に終わり、少し早めに入山。
しばし歩いて摩利支天沢出合に着き、少し登ったところでテントを設営し、装備を整えて摩利支天大滝へ。
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(準備)

今回は4人の大所帯なので、あらかじめ登る順番など決めていた。
1、谷川くんがリードで登ってロープをフィックスし、アッセンダー確保で小林くんに登ってもらう。
2、小林くんはそのまま先行して北西稜へと続くラッセル。
3、OKDさんはバックロープをつけて谷川くんにビレイしてもらって上から引っ張り上げてもらい、終了点に着いたらビレイ交代。谷川くんは小林くんの後を追ってラッセル。
4、OKDさんにビレイしてもらって僕も引っ張り上げてもらう。
OKDさんと僕が合流したら、ヤングメンのつけたトレースをラッセル泥棒する、"おんぶに抱っこ計画"だ。
神戸山岳会の諸葛亮孔明ここにありき。


さて谷川くんのリード。
ススっと登っていく。結果、スクリュー4つしか使わずに抜けて行った。

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(谷川リード)

登ってる最中、もう少しプロテクションとったらどうかと声をかけるか少し迷ったが、氷はしっかりしていたし安定して登っていたので見守ることにした。落口ではちゃんと取ってくれたし、バッチリだ。というか、尊敬だ。僕ももう少しスクリューを節約できるようになろう。
やるなヤングメン。

谷川くんが登っている間に、1パーティやってきた。この秋に名張でお世話になったAちゃんパーティ。
事前にお互い来ることがわかっていたので、お久しぶりですと声を掛け合う。

続いて小林くんも登る。
バーチカルも終わろうかというあたりで「うおぉー!!」とか叫びながら気合いのクライミング。
後で聞く話では、途中からなぜかアッセンダーがうまく機能していなくて、落ちられない状態だったようだ。
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(うおぉー!!ヤング小林!!)

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(うおぉヤング小林2)

ナノトラクションを使用していたが、ロープ径は8.9mmなので問題ないはず。セット方向を間違えたわけでは無いようで、ガチガチにロープが凍っていたわけでもないし、何かの拍子にカムが開いた状態になってしまったのかな?
原因はちゃんと見つけとく方が良いです。

雄叫びを上げながらも無事に抜けて良かった。
谷川くんと合流し、計画通りラッセルを先行してもらう。

次はOKDさんの番。OKDさんが登っている間、谷川くんが小林くんにロープがどうのこうのとなにやら声をかけている。
小林くん怪我しないでよぉと思いながら、OKDさんが登るのを見ながら、Aちゃんと話したりしてるうちにOKDさんも滝上に抜けていく。
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(OKD)

続けて僕も登って摩利支天大滝終了。

滝上に出てみると、思ってたよりラッセルは無く、ヤングな2人の姿もなく、ちょっと悪い小滝(この滝でロープ出すかどうか声かけしていたのだろう。)をOKDさんを腰がらみ確保したりして越えてヤングメンを探すが結構先に行っているよう。早いなぁ。

トレースを追ってしばらく進むと、小さなピークに「なぜ、わざわざあんなところを。」と思える強傾斜を登っている2人を見つける。

僕とOKDさんは容易なラインを選んで北西稜に出る。
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(楽して登ろう冬山登山)


下部岩壁が終わったあたりでようやく休憩中のヤングメンに追いつく。
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(早いねー)

イケイケゴーゴーな小林くんを先頭に順調に上部岩壁まで進み、快晴の中気持ちの良い稜線歩きだ。
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(良い天気)

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(太陽も顔を覗かせた)

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(上部岩壁を進む)


上部岩壁、ロープ出そうかというところでビレイして、まずは小林くんのリード。
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(小林リード)
ドームの基部目掛けて登っていき、余裕のリード。
続けて僕が登り、そしてOKDさんも登る。
最後に谷川くんが登ってる間に、次のピッチをスタートする。

ここは僕がいかせてもらう。見た感じ核心ピッチ。"美味しいところはいただきます計画"だ。
神戸山岳会の諸葛亮孔明ここにありき。

谷川くんは以前に北西稜に来たことがあるそうだが、その時はドームの左側を巻くように進んだらしい。
今回はドームの正面右側に切れ込む顕著なチムニーを登ることにした。

このチムニー、ハンドやフィストのジャミングがクラックにバチ効きで、この秋に名張でジャミングの練習をした成果が出た。
しっかりしたハンガーボルトも要所要所に打ってあって安心して登ることができました。

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(ジャミング!)

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(ジャミング!!)

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(ジャミングー!!!

無事に4人ともチムニーを抜けて、ロープをしまって、阿弥陀山頂まで。

最後のビクトリーロードは漢の中の漢OKDさんに先行してもらい、14:10、阿弥陀岳山頂に到着。万歳!!
快晴無風で気持ち良い。
記念写真など撮ってしばし休憩。
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(良い天気!!)

それにしても、阿弥陀如来像が全て露出している。今年は雪が少ないなと思う。
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(雪少ないな)
好条件で登れて良かった。

雪の状態も悪くなかったので中岳沢を下降してテント場まで。
16:00、明るいうちにテント場についてご飯タイム。

今回の食担はOKDさん。
カレー鍋とチーズリゾットだ。(チーズは車に忘れたが。)
OKDさんのカレチーリゾットは美味しいので、機会があれば是非皆さん食べてみてください。

良い山登りができて、お酒を飲んで、結構酔っ払って楽しい夜でした。


・1/22
5:00起床。のんびり準備して7:30撤収、出発。
今日はクライミング練習で南沢大滝。谷川くんと小林くんは初で、僕とOKDさんは2週間ぶり。
この前来た時よりも右側が少し分厚くなっている。

今日も谷川くんのリードでスタート。
「でけぇー!」と言いながらもススっと登って行ってトップロープにしてもらう。
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(谷川リード)

あとは各々練習。
途中、他パーティの人とロープ交換したりして、
楽しく過ごす。
僕は氷を壊さず登ることを意識して取り組みました。
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(練習練習!)


14時ごろに撤収。15時に駐車場に到着。
下山完了。

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以上、山行報告でした。

先週の雨(雪?)でもっと条件悪いかと思っていましたが、想定外に良い条件で楽しく登れたので良かったです。
今年の冬は毎週末天気が良いので気が抜けてしまいそう。

個人的には、今回を皮切りに地獄の冬季クライミングトレーニングが開始されたので、気合入れていこうと思います!
"目指せR4"スタート!



2023.1.7-8 南沢大滝 摩利支天大滝

2023.1.7-8 八ヶ岳 南沢大滝 摩利支天大滝 の記録

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こんばんは、岩瀬た、です。
年も明け、そろそろゴツいアイスをしたくなってきたのでOKDさんと八ヶ岳にアイスをしに行きました。

1日目は南沢大滝、2日目は摩利支天大滝。
以下、山行記録です。

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◎メンバー
岩瀬た
OKD


◎行程概要
・1/7
7:30 やまのこ村駐車場 出発
8:30 南沢大滝 アイスクライミング
14:30 移動開始
15:10 摩利支天沢平坦地 テント泊

・1/8
5:30 起床 朝食 テント撤収
8:00 出発
8:20 前衛滝
8:40 摩利支天大滝 アイスクライミング
13:30 撤収
13:45 泊地 デポ回収 下山開始
15:30 やまのこ村駐車地


◎行程詳細
八ヶ岳では、毎回駐車場に着いてから車を出る瞬間に「さ、さむいー」となるが、今回はそうでも無かった。
準備をして入山。登山道はよく踏み固められていて、街中を歩くのとさして変わらないくらい。今シーズンの雪の少なさが際立つ。
1時間ほどで南沢大滝に到着する。

で、でかいなー。こんなに大きかったっけ??

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(南沢大滝)


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僕は3年前の2019年12月23日に友人のMさんと当時会員で今は北海道に住んでいるツクシくんと、一度ここに来たことがある。
https://www.kac.gr.jp/191224otome/
その時の南沢大滝は雪がたくさん着いていて、下部は傾斜もゆるかった。それでもテンテンで戦々恐々としながら登った記憶がある。
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(3年前の南沢大滝)

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3年の時を経て、以前よりも迫力を増した滝に対峙。
この3年でいろんなところに行ったなぁと思いながらゆっくり準備。
僕の中で今まで1番難しかったアイスは大峰のグランドイリュージョンだが、その時ほどのプレッシャーは感じない。よしよし、やってやるぜ。

十分な量のスクリューを腰に下げてクライミング開始。
大きく見えた滝だが、下半分は傾斜もゆるく順調に強傾斜が始まる基部へ。

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(バーチカルの基部へ)

滝中央の少し右側を登ろうと取り付いたが、登ってみると水飛沫がパラパラ飛んでくるので、中央ど真ん中にラインを変更して登り始める。
ちょうどその頃に、他パーティの人たちが来て、僕が右から左に向かって進んでいたので右側を登ってくれと声をかけられる。
中央を登るつもりと返事して、実質のクライミング開始。
アックスの刃をキンキンに研いできたつもりだが、氷が硬く、打ち込むたびにバリンバリンと壊してしまう。
中間部分は良いところにスクリューが打てず、若干信頼のおけないプロテクションになりつつも、時間をかけて(時間をかけ過ぎながら)ゆっくり確実に登って無事にトップアウト。

今回50mのツインロープで登ったが、30mちょいロープが出てしまったのでロワーダウンできず、OKDさんにはフォローで登ってきてもらう。
OKDさんもノーテンションで抜けて来る。
終了点で合流して、ロープを連結してトップロープでクライミング練習することにして懸垂下降。

無事に3年越しの南沢大滝レッドポイントを喜びつつ、さきほど声をかけて来た他パーティのクライミングを見学する。
その中でリーダー的な存在の人の登りを見て驚愕。というか感動。
聞こえて来る会話から、そろそろ70歳にもなろうかという年齢のようだが、アックスの先端を氷にサクッと突き刺してササッと身軽に足を上げて登って行く。エレガントとはこのことかと思う。終了点にするアバラコフなどもササッと作っていた。
名をAさんというらしい。

自分自身の登りとAさんの登りを比較すると雲泥の差で、Aさんは全くと言っても過言ではないくらい手も足も氷を壊さずに登っていた。
それに比べて僕はアックスを深く突き刺すためにズッコンバッカン氷を壊して登っていたので、なんだか恥ずかしくなってしまった。

「3センチ刺さればガバ」を余裕を持って体現している登りを見て、僕ももっと上手になろうと思いました。
いろいろと話してみたかったが、人見知りが出てしまって何を話しして良いかわからずほとんど声もかけれなかったので、もし次に会うことがあれば話してみたい。
年齢層高めなパーティだったが、楽しそうにクライミングしていて、Aさんとは別の人と少し話たり道具をお借りしたり。
ありがとうございました。

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(トップロードで練習)

昼過ぎに撤収して寝床探し。
摩利支天大滝へのアプローチ途中の平坦な場所にテントを立てて、麻婆豆腐を食べて本日は就寝。

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(今回は会の4テン持ってきた。広くて快適。)

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(ウィンナー入り麻婆豆腐)


・1/8
5:30に起床してゆっくり準備&片付けをし、不要な荷物をデポして摩利支天大滝へ。
アプローチのトレースがしっかりついていたので苦もなく進む。

8mほどの前衛滝をOKDさんのリードで越える。

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(OKDリード)


そして摩利支天大滝下へ。

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(摩利支天大滝)

摩利支天大滝は難しいと聞いていてガイブックで過去の事故についても言及されていたのでまぁまぁ緊張していたが、思いの外小ぶりな滝で、あまり威圧を感じない。アイスは本当にその時の条件次第だなと思う。
昨日の南沢大滝よりかは立っていたけれど、まぁいけそうだなと思って準備&クライミング開始。

取り付いてみると、結構穴ボコでアックスもよくかかる。プロテクションもバッチリだ。

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(摩利支天大滝オンサイトトライ)

あまり深く突き刺さないことを意識しながら登る。
相変わらず時間をかけてしまうが、無事にオンサイトして、こちらは25mで折り返してもロープ長さが足りる高さでした。

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(プロテクション多いかな?)

途中、摩利支天から阿弥陀北西稜に抜けて行くパーティを見送り、何回かトップロープで練習。
OKDさんもノーテンションで登り、上達している。冬山は自分の範疇では無いとOKDさんは言うが、最近、ついにノミックを買ったらしい。ガチだぜこの人は。
OKDさんとどこかに行くのはいつも楽しい。

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(トップロープで練習)

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(北西稜に向かうパーティ)

適当な塩梅で撤収して下山。
デポを回収してよく踏み固められた登山道を駐車地まで。

下山完了。

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以上、山行報告です。

久々にアイスクライミングだという感じの滝を2本登れて良かったです。
僕の課題はなんといってもクライミングスピードの遅さなので、もう少しプロテクションの数を減らし(今は、バーチカルパートではスクリューが足元になったら打つぐらいの間隔。もう少し伸ばしてから打っても良いだろう。)、アックスを突き刺すのも必要にして十分な深さで済ませ、ボコボコ刺しまくらないように登ろうと思います。
あと、足もまだまだで、ついついガンガン蹴ってしまうのでそれも改善したい。

練習練習!!!



2022.12.29-31 奥三ノ沢左俣

2022.12.29-31 中央アルプス 三ノ沢岳 滑川 奥三ノ沢左俣 の記録

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こんにちは、岩瀬た です。
年末山行に奥三ノ沢に行ってきました。
久しぶりの単独行。
2019年に黄蓮谷に行って以来、次に1人で行くのはオクサンだなと思っていて、3年越しに実行に移すことができました。

とはいえ、仕事の忙しさにかまけて体力トレーニングなどできていないまま入山してしまい、なかなかツラい山行となりました。

以下、山行記録です。

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◎メンバー
岩瀬た


◎装備
・8.2mm 50mロープx1
・アイススクリューx11
・テント
・寝袋
・棒ラーメンx1袋、ウィンナーx6、予備食アルファ米x1袋、ミックスナッツ300g、チョコバーx2
・他


◎行程概要

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・12/29
7:30 JR上松駅 到着 タクシー乗車
8:00上松A登山口 準備
8:30 出発
16:30 奥三ノ沢出合 泊

・12/30
4:30 起床
7:00 出発
7:15 F1登攀開始
10:00 F1終了
10:15 F2登攀開始
12:00 F2終了
13:00 雄滝
15:30 ゴルジュ出口滝
16:30 高巻き開始
19:30 右岸尾根上 泊

・12/31
4:30 起床
6:00 出発
12:00 稜線
16:00 稜線分岐
16:30 千畳敷駅


◎行程詳細
・12/28
仕事を納め、挨拶などしながら定時ダッシュで家に帰り上松行きの電車に飛び乗る。新大阪から新幹線に乗って名古屋で下車するはずが、つい寝過ごしてしまい新横浜まで来てしまった。やっちまった!今日中に上松に着くのが無理になった。
車掌さんに相談すると、上松までは日を跨いでも追加料金無しでいけるとのこと。
名古屋まで戻り、中津川までは行けそうだったのでとりあえず中津川まで行き、いったん改札を出て、野宿。

・12/29
中津川駅からまた電車に乗り、7:30ごろに上松駅に着いたら、ちょうどタクシーが来てくれた。おんたけタクシーは電話口では早朝対応してくれなくて8:30予定のはずだったけど、、、年末に朝早くからありがとうございます。

予定より少し早く登山口に着き、東屋で準備して出発。今日は奥三ノ沢F2の上まで行く予定だ。

滑川は砂防堰堤工事が進んでいて、結構奥まで林道が続いている。
最後の堰堤を過ぎたところから入渓となる。
ガイドブックでは奥三ノ沢出合まで4時間と書いてあったが、記録などを見ていると6時間くらいはかかりそう。
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(入渓!)

雪のついたゴーロ帯を、飛び石渡渉を何回も挟みながら進む。
できるだけ渡渉せずに行ってやろうと思っていたが、どうしても渡渉せざるをえないことが何回も続いて、そのうち「これ4時間は無理やで。っていうか6時間でも厳しいんちゃうか。となると、F2の上まで行くのも結構厳しいかも。。。」となってきた。
河原歩きはルートファインディングに気を使うし、飛び石渡渉もいちいち緊張する。まぁまぁの水量なので落ちたら笑えない。
それに加えて久々にテン泊装備とクライミングギア一式を背負ったので結構ツラい。トレーニング不足を痛感する。

4時間経った頃から、だんだん帰りたくなってくる。トレーニング不足は気持ちをも弱くするのだ。

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(8時間もかかった河原歩き)

河原歩きにもほとほと疲れ、「この計画は失敗や。出直した方が良いな。情けないけど引き返そうかな。」と思いながら進むと、ちらりと青白い光が見えた。
もう少し進んで滝の全貌を見ると、明らかにF1だ。
GPSで確認すると、ここが奥三ノ沢出合だった。
帰るつもりになってたのに、着いてしまったではないか。嬉しいやら悲しいやら。

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(奥三ノ沢F1)

これから滝を登っても途中で日が暮れてしまうので出合にて泊とする。
明日の自分に期待だ。

・12/30
予定通り4:30に起きるが、若干ビビってたからか準備にいちいち時間をかけてしまい出足が遅れた。
7時出発となる。
早速F1の登攀開始。
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(F1正面から撮影)

滝の中央が傾斜が緩いので、そこを2ピッチで登ることにする。
結氷はまずまず。あまり不安なこともなくスムーズに登ってテラス状部分でピッチを切る。
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(3点で終了点を作って懸垂下降)

いったん懸垂下降で降りると、急にお腹が、、、
急いでハーネスを外し、漏れる寸前で用を足せた。危なかった。
気を取り直して荷物を背負って登り返し。
2ピッチ目も順調に進んで灌木を終了点にする。
懸垂下降して、また荷物を背負って登り返し。

F1が終わるとすぐにF2だ。
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(F2)

中段までフリーで行って、そこからロープを出して1ピッチで抜けることにする。
これも中央のラインで行く。

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(ソロシステムのアンカーポイント)

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(一回登って懸垂下降)

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(登り返し)

F2が終わると小滝を交えながらのラッセル。
小滝は結氷が甘いことが多く、ドボンしないように気をつけて進む。
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(ラッセルラッセル)

そうこうしているうちに二俣。
左が雄滝、右が雌滝。進むのは左だ。
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(左俣の雄滝)

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(右俣の雌滝)

雄滝、ロープ出しても良い高さだが、滝の左側の側壁とのコンタクトラインの傾斜がゆるいのでフリーで取り付くことにする。
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(雄滝)

時間も気になるところだ。できれば日があるうちに稜線まで出たい。稜線まで出れば、ヘッデンでも千畳敷駅まで行けるだろう。

雄滝を抜けて、ゴルジュ帯を延々と膝高のラッセル。出くわす小滝は相変わらず氷の下で水が轟々と流れる音が聞こえる。アックスを突き立てると水がピューと出てくることも何度か。やれやれだ。

そろそろゴルジュ帯が終わるというところで、両岸が狭まった小滝。
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(これを越えればゴルジュ終わるはず)

少し高さがあるが、これもそのまま越えようと思って滝にアックスを突き刺すと、あっさりと氷が崩れてポッカリと大きな穴が空いてしまった。
危ない危ないと思いながら、次は慎重に取り付くが、どんどん氷が崩れて、取り付けなくなってしまった。まじかー。
若干傾斜が緩い側壁の弱点っぽいところから越えようと草付きにアックスを叩き込みながら登るも、中段から上が思いの外難しく、落ちたら笑えない感じになってきて突っ込むこともできず慎重にクライムダウンして元の位置に戻る。
時間はもう16時だ。この滝を越えれないと進むことができない。
ここで引き返すのも正直かなりしんどい。各滝、立木で懸垂下降できれば良いが、そんなに都合良く立木は無かった気がする。貧弱な氷ではアバラコフ懸垂もできればしたく無い。それに出合に着いてもあの河原歩きは修行僧ですらきっと嫌がる苦行だ。
などと進退どうするか考えているうちに16:30になってしまった。おいおい、予定では今日の14:30には千畳敷駅でコーヒー飲みながら一服してるはずやぞ。全然じゃないか。
携帯の電波が入ったので遅くなりそうな旨下山連絡担当してもらっていたOKDさんと家族に連絡する。
もう疲れたし日も暮れるからとりあえずここで泊にするかと思って整地にとりかかるが、足元の雪の下を水が流れてると思うと落ち着くこともできない。
しばし地形図を見て、右岸の尾根に上がり切ったところに平坦地があるのでとりあえずそこまで行くことにする。
尾根に上がったら沢復帰はもう厳しい感じ。残念だが奥三ノ沢の遡行はここで終わり。
とはいえ、遡行の美味しいところは堪能できたのであまり未練も無い。あとは尾根通しに稜線まで出るとしよう。
うまくいけば日をまたぐまでに千畳敷駅までいけるかも。

そこからの高巻きがめちゃくちゃにしんどかった。延々と藪漕ぎの頭高ラッセルだ。
高巻き開始1時間で、今日中に千畳敷駅まで行くことは諦める。えらいこっちゃやで。この山行終わるんかいな。
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(雪と格闘)

少し大袈裟に言うと、しんどくてぶっ倒れそうになりながら(ぶっ倒れたら下まで落ちるので倒れることもできないが)ラッセルを続け、19:30ようやく平坦地に達して泊。
計画を立て直し、OKDさんに連絡。稜線直下、今いる尾根上部のルートファインディングに気をつけてと返信をもらい、予備食に持ってきていたアルファ米を食べて寝る。

・12/31
4:30起床。6時出発。
昨日に引き続き延々ラッセル。
4時間くらいでようやく木が低くなってきて、空が広くなってくる。
それと同時に岩塊が見えてくる。
できるだけ岩塊を避けながら進みたいところではあるが、ラッセルに辟易していたので直登できるところはアックスを岩角に引っ掛けたり草付に刺したりダケカンバやハイマツの枝を掴みながら登る。

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(これは直登)

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(これは基部沿いに右巻き。もう少しで稜線だ!)

12時、ようやく稜線に出た。天気も良い。嬉しい。もしかしたら千畳敷ロープウェイの終電間に合うかも。
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(やっと稜線に出た!三ノ沢岳をバックに。)

しばし休憩して、宝剣岳に続く稜線を目指す。
嬉しい気分になったのも束の間、稜線も結構踏み抜き多く、元々無い体力がどんどん削られていく。想像してた半分以下のペースでしか進めない。
最低コルのあたりからトレースがついていて、まさか四ノ沢から上がってきた人いるのかな?と思ったが、どうやらそうではなく、宝剣岳方面から三ノ沢岳に行こうとしたけど時間切れか何かで引き返した人の踏み跡だった。
昼過ぎからガスも出てきたので、これは助かる!とトレースを必死に追って、最後の方は腹筋か背筋かわからないけど、体幹がどうにかなってるんじゃ無いかと思うような痛みを感じつつ、10歩進んでは膝をついたり座り込んだりするようなペースになりながら、16:30、ようやく千畳敷駅に着きました。

もうロープウェイの終電は終わっていたので、千畳敷ホテルに素泊まりでチェックインして、山行終了。

あったかい風呂に入り、暑いくらいの部屋で紅白歌合戦とゆく年くる年を見ながら眠りに着きました。

・1/1
初日の出を見て、8:55のロープウェイに乗車。

下山完了。

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以上、山行報告です。

1泊2日の計画が、ホテル泊も含めて3泊4日になってしまって結構反省です。これは完璧に事前準備が不足していました。
天気が良かったのは良いことでした。稜線上が悪天だったら疲れていたので結構テンパってたと思います。余力を残して登山しないとなと思う山行でした。

とはいえ、どうにかやり切ることができて良かったです。
いろんな要素のある、2022年の良い締めになる山行でした!

以下、各滝の登攀ライン

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(F1)

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(F2)

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(雄滝)





2022.12.28-30【甲斐駒ヶ岳黄蓮谷右俣 アルパインアイス】

ソロ・アルパインアイス に行ってきた

初めての南アルプス「甲斐駒ヶ岳」の山頂を目指し
日本を代表するクラシックルート「黄蓮谷右俣」に
行ってきた


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このルートは数々の山行記録がある上に、山岳会の
強い先輩が数年前にソロで行った記録もあるので
情報は豊富だ
この界隈では入門ルートと言われているが、
アプローチ、登攀、下降までの行程が長く冬山の
総合力が必要
またアイスのバリエーションルートなので状況が
変わればグレードは一変する
現に先輩が行った時は薄氷、ラッセル、藪漕ぎで
とてつもなく時間を要し想像を絶する山行となった
その様な事になりたくはないが覚悟はしている


今回は今年一年を振返りながら一人旅でと思い
立った
年中、余裕のない忙しい山行ばかりだったので
楽しみだ


■ 12月27日


入山一日前に出発
夜の帳があけるのを見ながら車を走らせる ♫
中央道に入り時折雪を纏った山が見えてくる
無言でグーサインをしている自分
テンションが上がってきた

諏訪湖を過ぎドーン! 八ヶ岳
こんな時間に見た事がない (笑)


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振返れば今回のターゲット?!
なんかヤバそうなやつ...


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まだ明日からの事だと現実逃避して旅を楽しむ

小淵沢「月み亭」のカレーうどん、激旨で
リピート決定! 全てに拘りと愛情を感じた

未明スタートなのでアプローチを迷わない為と
年末なので駐車場が混雑しないかを偵察に行ったが
ガラガラで心配なし
8台のみ (80台収容)


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その後「尾白の湯 べるが」でゆっくり一年の
疲れを癒した
露天は関西で言えば有馬温泉の金泉みたいな
濁り湯♨
八ヶ岳の借景がまた格別!

「道の駅 はくしゅう」麦酒でフル充電して
早目に就寝  18:00


以下、山行記録です

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■ メンバー

藤本 ソロ (記)

■ 装備 (主な登攀具)

※ ソロシステム

ザック (60ℓ)
アックス × 2
ハーネス (シット・チェスト)
ダブルロープ  8.5㎜ × 50m
アイススクリュー
22㎝ × 1本  
17㎝ × 5本   
13㎝ × 2本
ハーケン × 1 
クイックドロー × 3
アルパインヌンチャク (60㎝ × 2、120㎝ × 2)
スリング 120㎝
マイクロトラクション
フィフィ
捨縄


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■ 行動詳細


12月28日

6:00 竹宇駒ケ岳神社 (770m) 入山 

黒戸尾根を登り小一時間で雪が出てきたので
チェーンアイゼンを装着
かなり頑張って軽量化したつもりだがザックが重い
(行動着以外で21㎏)

刃渡りの難所で景色が開ける

「富士山」と「北岳?」


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振返れば「八ヶ岳」がかっこ良い!


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黒戸山の巻道を進むと見えてしまった...


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10:00 五合目小屋跡 幕営地 (2,150m) 到着 
(CT: 5時間40・獲得標高差: + 1,380m)

ゆっくりとアプローチを満喫するつもりがいつもの
癖で足速になってしまった
お陰で腰がやられてかなり痛い
年末なので場所取り合戦を心配していたが
七丈小屋泊の人を含めても一番のりで到着

テントを設営して翌日の「黄蓮谷」までの下降路を
偵察に行く
往復3時間を計画していたが、100m程マーキング
しながら標高を下げ先の見通しがつきそうだった
ので引き返して2時間のお釣り

10数人程、通り過ぎて行ったが誰一人
クライミング目的の様な人はいなかった
テン場には誰も来ない、貸し切りだ
気温は氷点下のはずなのにポカポカ陽気で暑い
くらい、気がつけば2時間程も熟睡していた

実はこの山行、ソロである事には間違いはないが
少しだけ違う
同じ山岳会の仲間に事情があって転戦して
同ルートを同日に行く事になって計画が被った
その別パーティのリーダーには私のソロ計画を邪魔
しないのでと凄く気を遣って配慮して頂いた
いや、、、自分だけの山でもないし近くに
いるだけでも精神的には安心、また想定される
激ラッセルも別パーティであっても協力するもの
なのでソロには間違いない

その別パーティの到着予定時刻 16:00 を過ぎても
来ない、予定変更して来ないのか?
期待が不安になった瞬間に声が聞こえてきた!
少し会話を交え、夕飯は済ませていたので先に
就寝につく 18:00
テントの中で再確認をした

「あくまでもソロ...」


12月29日

3:00 起床 (-12℃)

風が強く厳しく冷え込んだ

ラッセルが厳しく頂上までは抜けられない
奥千丈ノ滝上部までは行けてもそこで敗退して
懸垂で同下降
六丈ノ沢をツボ足で数百メートルも上がるのかと
思うと恐ろしい
それに加えアプローチで痛めた腰が寝がえりを
うつ度に激痛がして目が覚めた

とは言え着々と準備をして戦闘モードに



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5:00 出発

五合目小屋跡の直下のコルから延びる五丈ノ沢を
辿り黄蓮谷 (千丈ノ滝上) を目指す
冬期 2,000mを超す標高のアルプスの山中
暗闇の道なき沢を数百メートルも降りるのは
気持ちの良いものではない


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数日前と思われる薄いトレースがあり助かった
獣の踏跡ではなさそうだ
大きな落差のある数滝も上手く左岸巻きで降りて
いた
釜へは細い枝を掴み下降する緊張の場面もあった


6:00 黄蓮谷出合 (1,720m) 
(獲得標高差: - 430m)
(甲斐駒ヶ岳山頂まで + 1,250m)

予定より1時間も早い

所々凍ってなくて水が流れているのが見える
靴を濡らすと即終了するので注意して渡渉
小滝を左右から巻き進む



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6:30 坊主ノ滝 (50m) 取付

何度も記録で見た滝だ
着いた時はまだ暗闇の中でヘッデンに照らされる
門番の様

2ピッチを想定していたが中段までは右から
上がれそうだったので急いでソロシステムの準備を
して取付いた
クライミングあるある
中段に乗越してから悪かった...
大きなスラブにベルグラすらなく雪が20㎝程
積もってるだけアックスがかからない
呼吸を整え、小さくても良いので信頼できる
岩の粒を探した
一瞬痺れたが少し左にトラバースすると雪が
締まっており一安心
振り返ると下に別パーティ(仲間) が追い付いてきた
少し水の流れる音がするがしっかり氷結した部位に
スクリューで支点を取り、ロープソロの体勢に
何度も練習してきたので迷いはなかった


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ランナーを1ヶ所取り、5m程の立った壁を
乗り換えた
ソロと言えどロープがあればフリーより遥かに安心

※ 左のロープは別パーティ


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傾斜が緩んできた上部に立木があったが50mロープ
では届かない
仕方がない、別パーティと混雑するが隣に支点を
構築した
ロープ半分の位置でFIXさせてスクリューを回収
しながら懸垂下降
残置したザックを担ぎマイクロトラクションで
再登攀 ソロの場合、1往復半を要する
先も長いしなるべくならロープを出したくはない
良く考えれば2本で懸垂しなくてもバーチカルでは
なかったので立木までロープを伸ばして1本で懸垂
しても良かった


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15m滝、その先の二俣を越して右俣に入る
(写真なし)

200m程ナメ滝が続くそうだが埋もれていた


8:30 奥千丈ノ滝 (1,980m) 取付

記録で読んだ階段状と言うほど優しくは
なかったが各々フリーで抜けて行く
但し滑り台の様なこの滝では滑落は許されない



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 ↓ 東北大学山岳部出身
   (最近までバリバリの現役)  ※ 会外
    この人かなり強そう!
   
もう一人も同山岳部出身
※ もっとヤバい人
 
    非常食に氷砂糖を1㎏も持って行くとか (笑)
    400 kcal / 100g
    4,000 kcal / 1㎏ (1袋)


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※ イメージ


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↓ ※ 奥千丈ノ滝の上部? 何処だろう
自然の造形美が美しい



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全行程を通して薄いトレースがついており雪は
締まっていた足首から時には膝下のツボ足
恐れていた激ラッセルはなかった



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奥ノ滝 手前の小滝
グレード感としたら奥千丈ノ滝同等
別パーティが少しトラブルを起こして渋滞して
いたので私は左の雪稜へ乗り上げたが坊主ノ滝
下段と同じでアックスがかからず気合で抜けた

ソロはギアが重たいので (言い訳) なかなか追い
付けなかったが
ここで漸く先頭に立ちトレースを少しだけ伸ばす
事ができた
若者には勝てん...



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奥ノ滝 (2P)

下段は左から
テラス?からが1P目だが遠目に見ても氷が薄そう
しかも傾斜は寝ているがレストできそうな所がない
上部2P目は左寄りが弱点ぽく見えた
ソロで行くには危険すぎるので右岸巻きで
ハイ松帯の尾根に乗り上げた



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落口のレベルまで上がったが再度本流の沢筋を
詰め上がる理由もないのでそのまま300m程左上
する事にした
稜線はかなりの強風に見えたので地獄装備に
チェンジ
程なくして一般登山道に出た

13:30 (2,870m)

視界はなく寒いが安全地帯
自然と笑みがこぼれる



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頂上まであと100mアップ
ここまで来て爆風で頂上に立てなければ悔いが残る
急げ

14:00 甲斐駒ヶ岳 (2,967m) 山頂

ついに達成!


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下山は可愛い雷鳥が先導してくれた



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15:30 七丈小屋

各々、ご褒美の缶ビールを買った
800 円 / 500 ml 値打ちがある!
ピオレドール賞を受賞した花谷さんとも話ができた



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16:30 五合目小屋跡 幕営地

まさかこの時期に頂上まで抜けてこの時間に
ベースに戻って来れるとは想像もしていなかった
時間が想定できたなら奥ノ滝を攻めても良かった
かな、今だから言えるけど (笑)
悶絶しながら1時間あたり標高100m上げて最長で
20時間行動をも覚悟していたのは事実
この結果は甲斐駒ヶ岳の神様が微笑んでくれたのと
何よりも仲間が近くにいた事につきる


そしてソロらしく一人テントで祝杯をあげた
「ククリ」と言うラム酒
これは先日までネパール遠征に行き
アマダブラムに登頂した信頼できる友人であり
ビレイパートナーからのお土産
達成できたらこの瞬間に開けようと持ってきた
ガラス瓶なので少々重たかったけど (笑)
最高に美味いよ!
ありがとう

19:00 就寝



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12月30日

5:00   起床 (-12℃)
     夜中はかなりの爆風
7:30   下山開始
10:30 竹宇駒ケ岳神社 (駐車地) 到着

※ 別パーティが1時間後にテン場を出発する時、
丁度あの「山野井さん」がアイスクライミングに
来られたらしい!
すれ違ったはずなのに気付かなかった...
あ~お会いしたかったな



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2022年も良い締めくくりとなった


※ 注意
本文は記憶が曖昧な為、ご注意ください


以上








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