北八ヶ岳                       平成24年6月     T、U


 山を始めた頃から気になっていた北八つへ行く事にする。前夜20時に西宮駅に
集合し、高速を乗り継いで諏訪インターから三井の森、そして桜平の林道終点駐車
場には翌2時頃に到着。早速宴会を行い、急いで寝る。
 朝7時起床。腹ごしらえをして、夏沢鉱泉、オーレン小屋を目指す。小石が多くて
歩き辛い。なんやかんやで夏沢峠に到着11時。しかし突如雹(ひょう)交じりの雨
が降り出した。小屋の軒先で様子を見るが止みそうにないので小屋に入る。中は
避難してきた登山者で一杯だ。ただで雨宿りするのも悪いので、ほっとココアを
注文する。山小屋でのむ熱いココアは非常に旨い。ココア何処だといった感じ。
 元気を取り戻し、雨も小降りとなったので、予定通り硫黄岳を目指して出発する。
1時間ほど登っているうちに次第に晴れてきて、頂上では気持ちのよい天気となった。

DSCF0653山頂までもう少し   DSCF0673 頂上では晴れていたが・・

DSCF0666ポーズを決める同志


 しばらく景色を楽しむが小さな虫が多くてうっとおしい。30分ほどで山頂を辞し、
下山する。夏沢峠に降りた頃、また雨が降り出す。降ったりやんだり晴れたり
忙しい天気だ。本沢温泉へはまた1時間ほどの下りだったが、温泉についた頃
には結構雨脚も強く、テント設営にも苦労する。中へ入ってとりあえず飯を作り、
食べて寛ぐ。まだ時間も早く雨もきついのでとりあえず寝転ぶ。ひと寝入りし、
雨脚も弱まったので露天風呂へ総攻撃をかけることに決定する。武器はランタン、
雨具、ヘッドラ、日本酒、ワイン、ビール、つまみその他だ。暗闇を彷徨う事10分、
温泉に到着。雨も降っているし、時間も遅いのでひっそりと入湯させて頂く。
むむむ、これは良い。目茶(めっさ)硫黄臭い。泉温もばっちりだ(ややぬるいが)。
 これで星が見えればもう思い残す事もないが星は降らずに雨が降って来る。
 人肌に温まったペットボトルの酒を飲み交わし山屋同志の友情を深める(??)。
2時間ほど浸かっているうちに硫黄ガスのせいか気分が悪くなってきた。

DSCF0679昼間の風景

 とにかく硫黄の成分は半端ない。少し寒いが湯船から気合を入れてあがり、
とりあえず裸に雨具を羽織り、テントまで暗闇の中を歩いて戻る。酒と硫黄ガスで
足元はヨタヨタだ。テントに入るとさすが温泉のせいか体がぽかぽかする。
 決死隊で出動して良かった。(大袈裟な)すぐに意識がなくなり、深い夢へと落ちる。
 翌朝7時起床。もうこれといってすることもないので天狗岳によって駐車場に
戻ろうかとも考えたが5時間かかるし、道も上部は雪が残って通行止めらしいので
大人しく夏沢峠から最短距離を帰ることにする。しかしのんびり休憩しながら
歩くのが北八ヶ岳には一番ぴったりしている。がつがつと距離や傾斜を追い求める
山域ではない。のんびり、まったり、ゆっくり、小屋や温泉に寄り道しながら歩くの
がこの辺には向いている。
 12時桜平駐車場に到着。縄文の湯温泉が休館日なので河原の湯に立ち寄る。
400円で安いが少し狭い。強烈な硫黄温泉に比べると物足りないがこれが普通だろう。
 北八つ。人生の終盤近くに訪れるのにふさわしい、ゆったりした美しい森だった。