八ヶ岳 阿弥陀南稜その2 平成27年2月28日ー3月1日
I瀬、H瀬、I、T(記)
3回目となるが、楽しい阿弥陀南稜へと行く事にする。日程を1週ずらしたにも
拘らず、またもや土曜快晴、日曜雨の予報だ。何でや!。もう1週ずらそうかとも
考えたがメンバーの都合もあるので、予報のずれを神に祈りながら出発する。
前夜西宮22時発、翌朝3時頃、雪と氷の船山十字路に到着。さあ、テントを
張って仮眠しよう!。テントを張り終え、各自寝袋をザックから出すが、何故か
自分のザックから寝袋が出てこない。おや?そんなはずは。。おっと、シュラフは
家のソファに置いたままだった。その上に仕事帰りの服を大急ぎで置いたため、
持ってくるのを忘れてしまった。これは大変だ。2月の八つでシュラフ無しで寝なければ。
とりあえず車の中で寝る。寝ながら色々な作戦を練るがどれも困難だ。
朝6時起床、7時半出発。適当に歩き出すが、そっちは違いますよとI瀬君に注意される。
旭小屋を通り過ぎて立場山へ通じる尾根へと上がり、途中で雪訓などを挟みながら、
立場山から青ガレを通り過ぎ、無名峰を越えてP1とP2の鞍部へ着いたのは15時過ぎだった。
もう1パーティが入っており、情報交換する。我々とほぼ同じだったので安心する。
今日の天気は快晴だったが明日はどうも期待できそうにない。問題は何時ごろから
崩れ始めるかだ。個人的にはシュラフがないので夜の安眠は期待できない。I君から
ダウンのジャケットとパンツを借りる。これでなんとか凌ごう。食当のH瀬さんのお洒落な
献立に舌鼓を打ちながら鍋とラーメンを食べ終え、とりあえず寝る事にする。明日の
天気はどうだろうか。20時就寝。動くと寒いので仮死状態の冬眠の熊のつもりで
なんとか耐え、気が付くと翌2時だった。そこからは尚寒いのでガスランタンなどを
灯しながら寝たり起きたりする。外はどうも雪のようだ。5時起床。外は雪で視界は
100mくらいか。スマホの山の天気サイトなどを確認すると朝6時から既にABCランクの
Cになっており、登山には向いてないらしい。この悪天候の中を新人2名を連れて
南稜を登るのは2週間前にあった遭難と同じ状況になりかねないので中止に決定する。
時折強い風雪が吹く中、下山を開始する。高度を下げると風雪も弱まる。と、
無名峰辺りで昨日の3人パーティに会う。この天気で登るのですかと聞くと上部を
偵察して引き返しますとのことでホッとする。自分で撤退の判断をした状況で他の
パーティは突っ込むとなると、自分の判断が甘いのか他のパーティが無謀なのか、
なかなか忸怩たる気持ちにもなる。しかし山はあくまでも個人の趣味であり撤退しようと
突っ込もうと個人の自由だ。この判断を迫られるのも山の楽しさの一つだろう。
撤退した事により、リベンジのモチベーションも上がり、成長も出来るような気がする。
風の吹き付ける青ガレで再度I君と二人で滑落停止と肩がらみ確保のおさらいを
する。後の二人は寒いとのことで樹林帯の中で見学していた。その後は来た道をとぼとぼと
歩きながら舟山十字路に戻り車に乗ってモミの湯で暖まってから雪と雨の中を神戸
まで戻った。早春に2日の晴れなし。合掌。帰ってザックを整理してみると家に忘れたはずの
カメラが雨蓋から・・・とほほ。象足はよく見える所に置いてあった。合掌。
追記:下山後3日経ってもまだ身体が底冷えする。流石にシュラフ無しは寒かった。