阿弥陀岳南稜 平成28年2月6日ー7日
I瀬、M居、U本、T(記)
恒例行事となりつつある冬の阿弥陀南稜へ、またしても行くことに
する。なんせ休みが二日しか取れないので、他に行くところが思いつかない。
会の共同装備として、M社の4人用テントを購入したので早速
それを使わせてもらう。念のために、従来から使用しているE社の
5人用も車に積んでおく。
前夜22時に伊丹を出発し南諏訪まで高速を走る。舟山十字路には
3時ごろ到着し、急いで仮眠する。翌朝7時起床、8時出発。
(青ガレ)
何回も歩いているはずの道を歩き、旭小屋に到着し、そこから
尾根に上がり、東進する。他のパーティに抜かされたり、追い抜いたり
しながら1,2のコルあたりのテン場に到着する。空きスペースを心配し
たが、雪も多いため合計7~8張りのテント村が最後には出来上がった。
初めて使う4人用テントはやや狭いが、冬山でぎりぎり4人で生活でき
る広さだ。冬用外張りがないと風がスースーしてやや寒い。
鶏塩鍋をつつきながら、焼酎のお湯割りを回し飲む。あー旨い!
そうこうするうち、日も暮れたので寝ることにする。18時。
翌3時起床。夜中は強烈に寒かった。冷凍庫のような寒さだ。
狭いテントで各自荷物をまとめ、装備を身に着けて出発。5時。
P3ガリーの基部まで来てみると、先行パーティが登っていた。
(空気が寒い)
暫く待機した後、登攀開始。締まった雪がべっとりついているので
登りやすい。ロープが要らないくらいだ。合計3ピッチでガリーを
抜け、多少緊張するトラバースなどを交えながらもう1ピッチロープを
出し、平坦なところに出る。そこからは歩いて阿弥陀山頂まで30分ほど。
山頂で登頂の握手を交わし、寒さのため記念撮影は忘れて、下山を開始する。
とにかく寒いのでまったく余裕がない。手足の指先も感覚がなくなって
きている。阿弥陀中央稜は正しいトレースがばっちり付けられていたので、
迷うことなく下山できた。しかし上部は結構急斜面なので注意が必要。
(御小屋尾根遠望)
舟山十字路着。14時。もみの湯によってから帰神。22時解散。
NOTES:
・12月と違い、2月の南稜は雪が付いていて核心のガリーは通過しやす
かった。その代り二日間とも強烈な寒気で、ポケットの中のゼリーや
チーズも皆凍ってしまった。
・手袋は薄手と中厚手を持参したが、厚手でないと2月の寒気には太刀
打ちできなかった。
・靴はM社のアルパインクルーザー3000だったが、底を張り替えて
から微妙にサイズが大きくなり、遊びが大きくなった。+インナー靴下
1枚で丁度か。今までは厚手1枚だったが。
・ここまで寒いと各装備にも気を配らないと簡単に体温が奪われる。
稜線でのコンロなしのツエルトビバークは死に近いだろう。
・昔は邪道と言われた使い捨てカイロも、現在では大変にあり難い装備だ。
凍傷予防にも必須。
・雪山ではほとんどコールが聞こえない。笛も前後のパーティと混信する。
テンションをかけたロープで意思疎通できるまで練度を上げておかねば。
・M社のステラリッジ4は長方形のため4人で寝るときは互い違いに体を
寄せ合うことになる。寝相の悪い人は要注意。縦方向には荷物が置ける。
総合的にはH社の5人用の方が重たいが正方形で4人で使いやすい。
・最初の計画通り3人パーティなら、P3手前で引き返すのが賢明な判断
だったと思われる。皆さん、お疲れさまでした!