2017年04月

2017.4.22~23 霞沢岳 西尾根

2017.4.2223 霞沢岳 西尾根 メンバーUI(記)

3月から私事でバタバタしていたが、再びUさんから山のお誘いが来る。
切り替えも必要と割り切って、山に行くことにする。
山域を相談していた時に、ふと霞沢岳が目に留まる。
調べてみると山頂にほぼダイレクトに突き上げる西尾根という冬季初級バリエーションルートがあるではないか!?
Uさんを説き伏せて!?計画を作る。さて山行は如何に・・・

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4
22日(土)

山積みの仕事を切り上げ、山に向かう。
Uさんに殆ど運転して貰い、坂巻温泉へ。トンネルの間に位置するので、思わず行き過ぎてしまう。
3時過ぎに到着し、そのまま車で仮眠。
7時過ぎに起き出して、ゆっくりと準備し、駐車料金を2日分支払って出発する。
既に上高地行のバスが開通しており、バスに触手が動くが甘えを断ち切って!?上高地までトボトボと歩く。
初めて歩く釜トンネル。歩道はあるが、直近を大型観光バスが行き来するので結構怖い。バスが開通する前がベストかな。
釜トンネルを抜けると眩い白銀の世界が広がる。「あ~やっぱり来て良かった!」としみじみ思う。晴れ男!?のUさんに感謝!(笑)
ひんやりとする上高地トンネルを抜けると間もなく砂防事務所の看板が見えてくる。駐車場から約1時間10分の行程。
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看板を右折すると直ぐに取り着きの急斜面の笹藪だ。
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休憩を挟んで急斜面の登りに入る。
1700m付近までは、ひたすら笹藪漕ぎに終始する。しかも急斜面のトレース跡が凍り付いているので始末が悪い。Uさんは慣れない藪漕ぎに苦労していたようだ。
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アイゼンを装着し雪面上の急斜面を登る。傾斜がきつく立木を掴みながら高度を稼ぐ。
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高度1850m付近でやや傾斜が緩くなり、ここから1950m付近のコルまでがテント適地だ。
我々はもう少し先まで行ってみることにする。
右手の尾根と合わさる2000mを越えた辺りの傾斜が最もきつい。
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この辺りで日帰りペア2組みと出会う。見たところ登攀具なしの軽装備だ。
テン場を探しながら進むと2150m付近に何とか一張り張れそうなスペースがあった。じっくりと整地してテントを立てる。
実際ここより上は再び尾根上の傾斜がきつくなりテント適地はあまりなかった。
展望はよくないが樹林帯の木漏れ日の中、テントでのんびりと過ごす。夕食はUさんが担ぎ上げてくれた得意!?のウインナーとエリンギの炒め物&ミートスパゲッティーとスープで満腹MAXに。
翌日のアタックを描きながら、19時前に早々と眠りに着く。

 

◆坂巻温泉08200930砂防事務所看板(尾根取り着き)~1330標高2150m付近泊地

 

423日(日)

0330に起床する。流石に0度以下だが真冬と比べると断然快適である。
Uさんお勧めのトマトソース入り棒ラーメンが冷えた身体に染み渡る。
せっかくなので担ぎ上げた登攀具を装着して出発する。相変わらず急斜面の尾根を登るが荷物が軽い分、スピードが上がる。
標高2,400m付近から徐々に視界が開けてくる。徐々に昇る朝陽に照らされた乗鞍岳、背後の焼岳が美しい。
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前方に黒々とした核心の2500m岩場が見えてくる。雪があればロープを出した方がよさそうだが、今日は岩肌が露出し階段状になっている。
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中間付近の乗越がワンポイントで少々悪い。各々ロープ無しで越える。
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続く短いナイフリッジを越えると徐々に尾根は広がり山頂が少しずつ迫ってくる。
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快晴の空のもと、周囲の白銀の山々を楽しみながら雪面を踏みしめて登る。尾根を登りきると、やや左手にピークが見える。
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そして朝陽を浴びながら初めての霞沢岳頂上へ。2人で握手を交わす。
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頂上は360度の展望で、勿論貸し切り。目の前に奥穂、前穂がドーンと聳え立ち、白山、南アルプス、八ヶ岳までくっきりと見える最高のロケーションだ。
お湯を沸かしてコーヒーを淹れる。無風で音のないピークを満喫しながら暫しボーっとする。
1時間ほど景色を楽しみ、後ろ髪を引かれつつ山頂を後にする。
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帰りの岩場はロープで懸垂する。40mロープだったので、中途半端な懸垂となる。
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テン場まで戻り、一息つく。テントを片付けて下山開始。傾斜がきつい分下りは早い。
尾根を外さないよう慎重に下り、笹藪漕ぎを経て取り着きへ。おかげでアイゼンは泥んこだ。
帰りもバスに触手が伸びかけたが、ぐっと堪えて(笑)徒歩で坂巻温泉まで。
秘湯の熱い温泉に浸りながら、ふと明日のこと思う。あ~また現実世界に戻らなければ・・・(溜息×10)・・・(笑)
帰りは、またしてもUさんが1人で運転を頑張ってくれて無事、帰神。
Uさん、ありがとうございました!!

 

◆テン場04500550標高2500m岩場~0635霞沢岳07300845テン場09501125取り着き11401245坂巻温泉

荒島岳

荒島岳                    2017年4月9日

                           M田、T(記)

 

 土日をかけて、雪洞泊で経ヶ岳に行く予定だったが、うっとおしい

低気圧が居座り、雨が止まないので最新の天気予報とにらめっこした挙句、

天気の回復しそうな日曜日に前夜発日帰りで荒島岳に目的地を変更する。

 単独ならテントを担いで経ヶ岳に突入したかもしれないが同行のM田君は

雪山泊の経験がないそうなので無理はできない。雨の名神~北陸道を愛車

ジムニーでひた走るがお尻が振られて非常に怖いので80キロで大人しく

巡行する。4時間かけてやっと勝原スキー場跡に到着するが相変わらず

霧吹きでかけられたように小雨が降っており、テンションが下がる。明日も

雨なら温泉でも入って帰ろうということにしてビールを飲んで寝る。

 翌朝目を覚ますとなんとか雨も止んで、これは行くしかない。8時出発。

 スキー場跡の石のゴロゴロした道を歩いて登る。1時間ほどで最終リフト

跡に到着。なかなか雪は出てこず、代わりに泥道が出てきて靴がドロドロだ。

 そうこうするうちに今日唯一の入山先行パーティが引き返してきたので

道でも間違えたのかと話を聞くと、泥道でテンションも上がらないので今日は

これで引き返して温泉でも入って帰りますとのことで、我々もますます下がる。

 雨が強まったら引き返すことにして尚も進むとシャクナゲ平に到着し、この

辺りより雪も出てきて、我々の汚れた心を白く清めてくれる。(私だけか?)

 雰囲気のよいブナ林をキツツキと鶯の奏でる二重奏を聞きながら登ると

あー春ハズカームと叫ばずにはいられない。しかし相変わらず空は不安定で

視界が突然開けたり一瞬でガスの帳が下りたりと目まぐるしく変わる。

 途中人間の足跡に混じって熊の足跡も見えだしたので鈴やガチャの音を

鳴らしながら進む。なんせ山中我々だけなので心細い。そのうちに餅が壁と

呼ばれる鎖場にかかり、雨で溶けだした雪が不安定なため難儀して登る。

 急坂を過ぎたら上はどんなんやったかなーと進むとますますガスが深まり

何も見えなくなる。何も見えないが地面と雪庇の切れ目が左側に延々と続くの

で用心して進む。振り返ると緩い斜面が270度くらいに広がり、ホワイト

アウト時のこの山の難しさが理解できる。何度か通うと土地勘もつくが、

前回は初めてでしかもニュースで言う爆弾低気圧通過中の吹雪の中を必死で

下山したことが記憶に蘇る。あの日は我々が下りた6時間後あたりにバリエ
ーションから登ってきた2名の若者が山頂付近で疲労凍死した。やはり冬の
荒島岳は舐められない山だ。今回も雪道と雪庇の間は短い所で1.5m位しか
ない
から間違って踏み抜いたら終わりだ。さてそんなこんなで何とか頂上には12時
30分位に着き、山の神様に登頂のお礼と下山の安全を祈願して、腹ごしらえ
をしてから下山にかかる。
今回はトレースも残っているので慎重に歩いて降りる。
 前回は頂上の向こう側で雪洞泊の後、1mほど積もった新雪と吹雪の中を
初めての山域に迷いながら降り、何度か枝尾根に乗りかけて肝を冷やしたものだ。

 今回は二度目で気温も高いので比較的余裕があった。しかし雪庇の踏み抜き

には神経を使う。餅が壁の腐った雪に手こずりながら、ようやっとシャクナゲ

平に到着。大休止する。なんやかんや言ってもやはりガスの中ではGPSは

絶大な威力を発揮する。安全のためには使わない手はないだろう。

 午後を過ぎ、回復するはずの天気がますます重苦しく真っ暗になってきた

中を、雪と泥にまみれながら勝原スキー場跡に戻り、途中フキノトウを採って

帰る。疲れた身体で運転する愛車がまた疲れを倍増させ、疲労困憊して2人で
運転交代をしながら21時過ぎ、やっとのことで西宮まで戻ってきた。

 今度はベンツかロールスロイスで行こう。レクサスも。

 冬の荒島岳は何度訪れても飽きない、いい山だった。その名の由来か、

天気が荒れる程、登りごたえがあるように思う.

 

 

 

 

 

 

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