2017年05月

西穂高岳 北西尾根 その2

西穂高岳 北西尾根               2017年5月7日ー8日
                                I瀬、T (記)


 南岳西尾根を2泊3日で縦走する予定だったが、私の連休前の詰め込み
過重労働による体調不良のため、代案として1泊2日で西穂高の北西尾根に
変更する。現代はネットがあるため、どんなマイナーなルートでも必ず山行
記録が検索できるので便利になった。

 7日(土)22時、伊丹発。夜の高速をトヨタのコンパクトカーがひた走る。
翌3時過ぎ、新穂高無料駐車場に到着。テントを張って仮眠していたら、ここに
テントを張るなとどこからともなくおっさんが現れてまた去っていった。気色が
悪いので車で寝ていたら、朝方また現れて車のナンバーを控えたから覚えておけよ
てなことを言われて2度びっくりする。どうやら幕営禁止らしい。看板も何も
書いてはいないが・・
 8日(日)GWは今日が最後らしいので人もほとんどいない。7時半出発。
 林道を1時間ほど歩いて穂高平に到着そこから暫くで堰堤のある沢が現れ、
その右岸が北西尾根の末端だった。早速尾根に取り付くが、シャクナゲか根曲がり
竹か分からないがとにかく藪で歩きにくい。根曲がり竹を泳ぐようにかき分け、
やっと2004mのポチに辿り着く。12時。ここまで結構な急登だった。
 そこからはやや傾斜が緩やかになり何回か休憩を挟みながら15時過ぎ、
2450付近に到着。このあたりが一番平坦で景色がよく、テントも張りやすい。
 眼前に広がる抜戸岳~弓折岳~双六岳の景色に見とれながらひたすら水を
作る。景色に見とれすぎて飯の準備が遅くなり気が付いたら日が暮れだしたので
大急ぎで鍋を作って急いで食べる。夜半はやや寒かった。
 9日(月)本日は下山日&西穂登頂日なので忙しい。夜中にシュラフが破れて
中から羽毛が雪のように噴出したので焦る。25年も使っているので寿命か。
 3時半起床。大急ぎでラーメンを食べて5時半出発。春なのですでに明るい。
 出だしからいきなりの急登が始まる。ウォーミングアップしていないので身体に
堪える。しかもなぜかザックが異様に重たい。這松帯を延々とトラバースするが
アイゼンの足も縺れ、非常にパワーを吸い取られる。2時間ほどで西尾根とのJPに到着。
8時。実際にはJPは踏まずに西穂高頂上へと左折した。このあたりからやたらと
巨大雪庇が多くなる。ビル4階建てを横に寝かせたような配置で、雪庇の切れ目が
恐ろしく手前にある。特にコル上が危ない。いつかはズドンと下に落ちるのだろうが、
あんなに巨大なものが落ちたら沢筋は大変なことになりそうだ。這松帯を越え、
雪庇を何とか交わしながら登るとやがて岩稜帯となり稜線が近いことを知らせる。
 快適な岩稜帯であればよいが、この辺りは岩がボロボロで浮石も多い。なんとも
不快な岩稜だ。途中ロープを出すか相談したりしながら結局出すことなく西穂高
頂上に到達する。(9時30分)ピークを踏めたのは嬉しいが、ここまでなんとも
骨の折れる尾根だった。マイナーであることも頷ける。
 さて、頂上で暫くまどろんだ後、重い腰を上げて縦走&下山に取り掛かる。
 一般コースで○印も付けてあるがやはりなかなかにアイゼンでは歩きにくい稜線だ。
 岩が逆相でアイゼンがよく滑る。ピラミッドピーク、独標と越え、やっとほっとできる
登山道になってきた。西穂山荘到着。(12時)人も少なく天気も良く、のんびりと
ザックに残った担ぎ上げすぎた3日分の行動食を軽量化のために食べる。
 ロープウェイ駅到着13時。急いでロープウェイに飛び乗りたったの15分ほどで
下界(と言っても新穂高)に降り着く。このスピード感は堪らない。あとは土産を
少し買って、深山荘の露天風呂で2日間の汗を流し、連休の終わった快適な高速道路を
飛ばして神戸へと戻る。

 NOTES:

 ・下部はアイゼンでの藪漕ぎ、中間部は這い松藪漕ぎ&巨大雪庇(気を付けないと
  知らない間に乗っている)、上部は浮石の多い不安定な岩稜痩せ尾根、とあまり
  快適なルートではない。(これが好きだというI君のような?人もいるが)
  背後のパノラマのような抜戸岳の景色は圧巻。
 ・中間部~上部での滑落はアウトなので、再訪される方は六甲での完璧なアイゼン歩行
  練習が必須。
 ・春でも大変なので冬はもっと大変なことが記録などでもよくわかる。
 ・唯一の希望は細い稜線を頑張れば、ロープウェイというご褒美が待っていてくれる
  こと。これは沁みた。(通年)
 ・西尾根はもう少しましなのか・・・

2017.5.7~8 西穂高岳 北西尾根

2017.5.78 西穂高岳 北西尾根 メンバーTI(記)


GW
後半の休みが合ったTさんと、久し振りに山に行くことに。
ちょっとしたアクシデントで、直前に自分が希望していた西穂高北西尾根へ計画変更となる。
しかし、Tさんに作成してもらった計画書を見て、自分が西穂高西尾根を北西尾根と誤ってTさんに伝えていたことに気付く・・・申し訳ないです。(反省)
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5
7日(日)

3時過ぎに新穂高駐車場へ到着し、仮眠をとる。さすがに5月に入り寒さも和らいでいる。
出発直前までワカンを持っていくかで迷ったが、何とかなるだろうという希望的観測⁉が勝り、置いていくことにする。
右俣林道は、雪解けでほぼ夏道。ショートカットルートの入り口を見落としたため、林道をトボトボと歩く。
取り付きの柳谷まで約1時間半。一休みして柳谷を越えた尾根末端から取り着く。
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速攻で笹藪漕ぎの歓迎を受ける。先月の霞沢岳西尾根の笹藪漕ぎが可愛く思えるほど⁉のしんどさだ。
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時折出てくる赤テープとTリーダーに導かれながら、ゆっくりと高度を稼ぐ。高度200m毎に約1回の休憩を挟む。
標高1,800m付近でアイゼンを着ける。ここから標高2,000m付近までの強傾斜と笹藪漕ぎが堪える。
標高2,000m付近で北側の尾根と合流し、やや傾斜が緩くなる。
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雪も出てきて少し登り易くなるが、目指すテン場は未だ先だ。
15時前に目指す標高2,400m付近テント適地へ到着する。
Tリーダーが台地上の絶景⁉適地を見つけてくれたので、そこでテントを設営する。
見渡せば絶景の銀世界だが、強い日差しと照り返しが半端ない。
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そんな日差しを物ともせず、テント外にマイ特等席をこしらえて景色を楽しむTリーダーは流石だ。
夕食はTリーダーが担ぎ上げてくれたうどんスープ鍋。バランスの取れた食材で満腹となる。
美しい夕陽が笠ヶ岳に隠れると、とたんに寒くなり、早々にシュラフに包まるZzz・・・。

 

新穂高駐車場0700~0850柳谷取り着き~1220標高2,000m付近~1450標高2,450mテン場

 

58日(月)
午前3時半に起床する。昨日の残り鍋で棒ラーメンを作り、準備して出発する。
直ぐ上の岩稜を右に回り込むと、尾根は細くなり急峻になる。
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所々、這松を漕ぎながら雪壁を登る。この辺りが第一岩峰だろうか。
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雪壁を登ると左は切れ落ちたリッジになり、右側の這松帯を漕ぎながら登る。
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JP
ピークが近づくと北側に雪庇が現れ始め、切れ目に注意しながら慎重に進む。
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JP
のコルは、積雪期はテントが張れるかもしれないが、この時期は雪庇の切れ目が出ていて厳しい。
この先の岩峰は右の這松帯を回り込み、第2岩峰前のコルへ。
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第2岩峰は右から巻き登る。所々ある浮石に気を遣う。
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第2岩峰を登りきると西穂山頂は目の前だ。
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しかし山頂直下の岩稜が行く手を阻む。左は切れ落ちており、正面は被り気味なので、右にルートを取る。張り出した岩を慎重に乗っ越すと、岩稜右のルンゼにトレースが見えた。
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このルンゼ内の雪が強風で固い氷に変わっており、少し緊張させられる。
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最後に氷化したリッジを少し登ると西穂山頂に着いた。
Tリーダーと握手を交わす。結局、ロープは使わずだった。
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快晴だが風が強い。自然と鼻水が滴り落ちる寒さだ。
エネルギーを補給しながら360度の展望を楽しみ下山開始。
独標を越えるまでは気が抜けない。雪壁と岩稜帯を慎重に下る。
DSCN4207DSCN4211




を越えた辺りでアイゼンを脱ぎ、緊張感からやっと解放される。西穂小屋までは半分以上夏道だ。
西穂小屋前で大休止させて貰い、ロープウェイ駅まで駆け下りる。半袖に短パン、スニーカー姿の外人さんが登っているのにはビックリだ。
駅に着いたら、タイミングよくロープウェイが発車し、あっという間に新穂高に到着。下山届を出して温泉に向かう。
深山荘の内湯で汗を流し、開放感満点の露天風呂でゆっくりと疲れを癒す。あーまた明日から仕事か~(溜息)
Tリーダー、藪漕ぎ尾根に付き合っていただき、ありがとうございました!今度は冬期に西尾根リベンジしましょう!(笑)

 

標高2,450mテン場0530~0655JP~07302岩峰~0845西穂高岳09051045独標~1150西穂高山荘12301310西穂高口駅~1330新穂高温泉駅~1355新穂高駐車場

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