台高 黒倉又谷 2017年7月23日
満寿居 平井 橘(記)
久しぶりに台高 黒倉又谷に行くことにする。前回行ったときのことは
完全に忘れている。情報では、下山路が迷いやすいということだった。
土曜日の仕事を12時間労働で片づけ、大急ぎで家に帰って飯を食べて
少し仮眠して、伊丹の自宅を出発。3時間ちょっとで本沢川の取り付きに
到着。しかし途中の分岐で間違い三の公川林道に迷い込み、30分ほど
時間をロスする。筏場駐車場には先客パーティの車が停まっていたが、
1時間ほど宴会をさせてもらう。今にも瞼が閉じそうだったが酒の勢いで
なんとかもった。
翌6時起床、7時出発。装備を支度して、黒倉又谷の取り付きを目指して
山道を小一時間ほど歩く。入渓するといきなりの泳ぎだ。まだ心も身体も
準備できていない。しかし巻きもないので仕方なく泳いで3m、2mの滝を
ずるずるとずり上がる。先行2名はすんなりと越えていったが私は身体が
重いのか調子が出ないのか、2mの小滝の乗越に非常に手間取る。
やっとずり上がって先行2名に追いつくと、行く手に8m斜瀑が立ちふさがる。
見た感じ微妙で、前回の記憶もないが、とりあえず登ろうということで
ロープを付けて平井君にリードを託すが、あえなくドボン。これは無理だと
いうことで、次の一手を考えるが、微妙なスタンスで登ってきた3m、2mを
クライムダウンは無理そうなのでショルダーを使って右岸に巻き道を求める。
すると右岸には明瞭な巻き道があった。それを使ってしょっぱなにあった
連瀑帯は全部まとめて乗越す。釜は深く、大物が潜んでそうだ。
暫くするとナメ床が現れ、天気が良いと快適そうだが生憎本日は曇天で
たまにお天道様が顔
を出す程度なのでそれほどの感動はない。やがて5m
斜瀑が現れ、登れそうにないのであっさり右岸を巻き、あとは適当に現れて
くる中小の美しい滝を愛でながら、早く植林小屋は現れないかと期待しながら
うんざりする(?)ほどの滝を越えていく。出発から5時間ほどの12時に
ようやっと植林小屋が現れて、早速遡行を打ち切って飯にする。と、ヤニワに
雨がぽつぽつと降りだし直に本降りとなった。やれやれ、幸いボロボロの
小屋があるのでそちらに避難して雨宿りとする。13時、下山開始。下山は
うまくルートを拾えるよう、各自地形図やGPSなどを準備する。M君は
文明の利器、H君はH大山岳部で鍛えられたコンパスと地形図による現在地
把握で、私は第六感による下山とする。H君の読図力もなかなか素晴らしい。
文明の利器を使わなくてもほぼ正確に現在地が把握できるのには驚いた。
H海道の沢はもっと深いらしい。途中の植林道に少し迷ったがなんとかうまい
具合に踏み跡を拾い、筏場と黒倉又谷の中間あたりの山道に下り着いた。
駐車場着14時30分。入之波温泉で汗を流し、柿の葉寿司を手土産に
神戸へと家路を急いだ。
NOTES:
取り付き早々の厭らしい滝が今回のメインだ。朝一で水泳となるので
ラジオ体操などをして身体を慣らしたい。途中はほとんど高巻きも
なく、美しい滝を愛でながら遡行することができる。下山路は、途中の
枝尾根を拾うあたりでテープ等の道案内が途切れてしまうので、そこか
らは少し迷わされた。