山行日 平成30年9月19-20日
登山地 小川山廻り目平周辺の岩峰
山行形態 フリークライミング (山荘泊)
メンバー (L)金谷 前田
天候 晴時々曇 15℃前後
秋霜の雨の隙間を縫って、静かな小川山でトラッドクライミングを楽しみました。
「2人が行くと必ず晴れる」ジンクス健在でした。
午前9時金峰山荘到着。寝不足と長距離移動で体調最悪。
9月19日 {屋根岩2峰セレクションバリエーション 5.9 7P }
山荘に挨拶後、第一目標の「屋根岩2峰」へ。
10時35分登攀開始、「つるべ」で登る。
今日も数百キロの運転の末取り付きに到着。
1ピッチ目のクラックと2ピッチ目のスラブ、その上に「蜘蛛の糸」が見える。
今日のために#5のカムを買いました。
ⅠP 5.7 20m リード金谷
前傾壁左のクラックをジャミングとレイバックで右上し、途中からフェースを直上。OS。
1ピッチ目余裕のOS
ⅡP 5.8 20m リード前田
小さな粒子を拾う緻密なスラブをランアウトに耐えて快調に登っていく。
2ピッチ目、ランアウトに緊張
ⅢP Ⅳ 20m リード金谷
チョックストーン奥の脆いチムニーをバックアンド二―で登る。RP。
ⅣP 5.8 20m リード前田
不整形なハンドサイズのクラックにカムを2つセットして左上するところが難いようだ。
その上もスタンス細かくテンションが入る。 このピッチのリードは50分間粘りに粘る。
4ピッチ目、苦戦
ⅤP 5.6 15m リード金谷
のっぺりした壁を直上し、左のカンテを横切り木の根の詰まった凹角を少し下る。RP。
ⅥP 5.7 15m リード前田
ハング下のクラックをアンダーハンドで高度感抜群のトラバースをする名物ピッチ。
前田君少し下ってから左へトラバースし、快調にロープを伸ばしていく。
恐怖心が自信を上回るとヤバイピッチだ。しかも今日は雨水が染み出している。
ヒロシ君復活のRP。
ⅦP 5.9 20m リード金谷
このルートの核心。
まず垂れ下がった大きな舌のような岩を両手で挟んで左のクラックへ移動。
被った複雑な構造のクラックをハンドジャムで耐えて#4と#3をセット。
不安定なジャムで2m上がり、クラック奥のカチをひっかけ更に1mレイバックで上がる。
カムをセットしたいが幅が合わずセットできない。
ジャムがロックできず上腕の深指屈筋が悲鳴を上げだした。止まっていられない。
効きの悪いジャムでさらに1m上がり、腕を一杯伸ばして何とか#5を突っ込む。
甘いホールドでレイバックするが、突っ張った右足のミウラーが滑りドローを握ってしまう。
OSならず‥。思考を整理しこのすべてのホールドが決まらない五次元方程式の解を求める。
落ち着いて集中力を高めパワーを全開にして、10mランアウトして登り切った。
木の幹にビレイした後も激しい息切れで暫くコールできなかった。
ヒロシ君がフォローできるか心配したが、「手持ちのカムを足してエイドにしました。」と、
良い判断で登ってくれました。
エッジのない小川山のクラックは馴れないとグレード以上に困難‥吉田のスーパーDCよりも!
13時クライミング終了。所要2時間25分。
休憩後ロックシューズのまま取付きまで下り遅い昼食を摂っていると、ラッぺルで若い男女の
パーティが降りてきた。南稜を登っていたパーティだ。
姫路の高校OBで同級生とのこと。二人はとても感じがいい。ヒロシ君も姫路出、世間は狭い。
彼らの話では南稜は思った通りかなりワイルドだったようだ。
クライミングシューズで下山、足が痛くて泣いてる。
9月20日 {八幡沢左岸スラブ}
昼から雨の予報なので、マラ岩から近場の八幡沢左岸スラブに変更する。
岩壁中央のブラックアンドホワイトルート5.10aをまずヒロシ君がトライする。
下半部はマイクロチップのフェース、上半部は極小スタンスのスラブのルート。
小川山スラブに慣れないと10c位に感じる所。
途中リタイアし、私と交替する。
20年以上前にOS,RPと全て一撃しているが、今回取付きでスリップする。
気を取り直しムーブを変えて2撃する。
小雨が降りそうになってきたのでリードは終了し、八幡沢出合ボルダー「ビクター」で
昼頃、車に戻ると同時にフロントガラスに雨粒が当たりだしたので、帰路に着いた。
体調不良とロックシューズの故障で余り良いパフォーマンスが出来なかったが、悪い中でも
静かな小川山の秋を楽しめました。
金峰山荘は部屋も清潔で料理も美味しく量も半端なく浴衣やお風呂セットも付いていて、
何回でも入浴できます。 寝る前にもゆったりと。
料金も安く、クライミングに集中するにはテン泊よりも合理的でした。
ただ食べ過ぎでハーネス装着が困難になりましたが‥。