2018年10月

南アルプス 鋸岳

南アルプス 鋸岳                 2018年10月14日ー15日 
                            T(L)、Y村


 今年の夏から秋にかけては台風襲来が相次ぎ、なかなか計画通りに行かなかったが、遂に
2日間で鋸尾根を登るときが来た。
 13日(土)茨木発2130。翌未明230に戸台の河原の駐車場に着き、テントで仮眠する。
 前日朝から連続で550キロ位車の運転が続いて頭も身体もおかしくなりそうだ。
 14日(日)630起床。720出発。天気は曇り時々雨。駐車場にはもう一台車が停まっていた。
 戸台川を延々と東の上流へと歩くが、台風の影響か道が寸断されていて非常に歩きにくい。
 河原を延々と歩いて3時間ほどでやっと角兵衛の渡渉ポイントに到着。1100。眠気が酷くて
ほとんど何も覚えていない。転倒2回で足を擦りむく。無事膝下くらいで渡渉でき、そのまま
角兵衛の沢の中の樹林帯を赤テープに導かれながら進む。2時間ほど歩いたがまだ大岩の下の
岩小屋が出てこない。おかしいなあと思いつつも自分の歩みの遅さが原因かと考え、沢を詰めあがる。
 しかし、やがて空が見えてきた。なんかコルのような地形も見える。あれはもしや角兵衛の
コルではなかろうかとの嫌な予感が駆け巡る。水さえあればそこまで行ってテントを張るだけだが
大岩の下で水を汲んで上がる予定なので最早500CC位しかない。うーむ、困った。ザックを
下ろして地形図を開き、GPSで確認するが電池切れでスペアの電池も10年前からザックに入って
いる代物なのですでに粉を吹いている状態で、交換すると早速電池の残量がすでに30%ほどだ。
(教訓:古いスペア電池は定期的に交換しよう!)そうこうするうちにやっとスマホの地図ロイド
君が反応し、現在位置が確定し、300M程登りすぎたようだ。ここで残念ながら本日の行動は
大岩の下の岩小屋でチンに決定する。1時間ほど下降し、大岩の下の岩小屋で目出度くテント
設営。あー人間GPSがいてくれたらなあ・・。。しかし大岩の下から染み出る石清水はなかなか
冷たく、熱い想いも冷やしてくれる。晩飯はY係長のマーボ春雨とアルファ米。キュウリの昆布あえ。
 水の分量を間違えたか、マーボ春雨鍋と、アルファゴッチン米が出来たのはご愛敬。キュウリは
美味だった。食後のコーヒーを飲み終え1750、暗くなってきたので着込んで眠りにつく。
 夜半、虫歯の痛みで目が覚める。山で歯が痛いと眠りが浅くなるので要注意だ。しかし夜が来る
のと同時にテント周りでは深夜の訪問客が次々に来てくれるのでなかなか寝させてくれない。
 中には鼻先でテントを突く不届き物もいたようだ。おそらくここの水場がこのあたりの山域の
唯一の水場と思われるので動物たちも喉が乾くので飲みに来るのだろう。別に人間を襲いに来たの
ではないと思われるので納得して再度眠りにつく。しかし異様に暑く、夏用シュラフでも汗をかく
程だ。シュラフを半分開けて寝る。テントの廻りでは相変わらずカサコソと賑やかい。
 15日300起床。さあ、やっと山に同化できてきた。と思ったら本日は早くも下山日だ。また
嫌な高速道路を6時間もかけて帰らねばならない。早く完全自動運転を実用化してほしい。生きている
間に間に合うだろうか。無理をすれば当初の計画通り鋸尾根の第3高点を越えて熊の穴沢を下降して
駐車場に戻ることも出来たが、帰りの高速道路の運転を考えると山でエネルギーを使い果たす
訳にもいかない。なんせ明日からはまた朝の7時から300キロほどを仕事で走らねばならないのだ。
 ということで、時間を設定し、その時間が来たら引き返すことにして、それを9時とする。
 500出発。暗い、ガラガラの沢を落石を起こしながらなんとか2時間ほどでコルまで上がる。
 テント適地はコルに1張りと、あり難いことにコル手前30分位の所に3人用なら張れる岩陰
のスペースがあった。時間切れの時に有効活用できそうだ。コルまで上がるとそれまでとは打って
変わって風が強く、寒い。手指がしびれてきたので慌ててザックから手袋を穿り出してはめる。
 稜線はそろそろ冬支度のようだ。明瞭な踏み跡をしばらく歩くとあっけなく鋸の第一高点に
到着。写真を撮り、先を目指す。しばらく歩くと鎖の設置された懸垂下降ポイントに到着。
 岩はボロボロで穂高の稜線より悪い。鎖はステンレスで、手袋ではよく滑るので途中で素手で
持って降りる。1か所、足場が悪く緊張させられた。20mほど下りると今度は30mほどの
鎖の登り。これを登り切ると、風穴の「鹿穴」に到着。不思議な地形だが、おそらく風が強くて
穴が出来て、岩も風化が激しいのだろうか。このあたりからY係長の電池が無くなり動きが
鈍くなってきた。鹿穴からなんとか鎖を持って降りたがこれ以上は無理ということで、そこで
待機してもらい、私はその先の複雑な地形を観察しにもう少し先へ足を延ばすことにする。
 なるほど皆が道を間違えるのか、正規のルートの手前から左へ明瞭な踏み跡がついているが
綺麗に絶壁で消えている。そこから戻って暫くルンゼを下りると(150m位か)赤テープに
導かれて左尾根にわたり、そこから樹林帯を通って先の稜線へと続く道が見えた。ホワイト
アウトや新雪時には結構トラップに嵌まらされそうな地形だ。さすがにここではGPSもお手上げだ。
 900が来たので鹿穴まで戻り、登り返しと下り返しでは確保用にロープを出しながら、なんとか
 第一高点まで戻る。天気予報と違い、800位から雪が舞いだし、景色も何も見えなくなってきた。
 もう山は冬の始まりだ。向こうに見える北岳の山頂も白い。昨夜は暑くて眠れなかったが。秋は難しい。
 角兵衛のコルまで戻り、またガれ場を下りてどんどん高度を下げる。気温はどんどん上がり、秋に
戻った。大岩の下のテント着12時。そこから角兵衛の沢を所どころ迷いながら降りて、渡渉点
到着14時。疲れた足を引き釣りながら歩くこと3時間、1700に駐車場帰着。温泉に寄っていると
帰りの電車が危ないということでカットしてひたすら休憩1回で6時間の運転で茨木着2230。
 解散。お疲れ様でした!!

NOTES:
 晩秋に二日で鋸縦走はややしんどかった。遥かに見える甲斐駒の姿は美しく登高意欲をそそられる。
 三日をかけて登り、最後はバスに揺られて安楽に麓まで戻る、やはりこれがよさそうだ。
 

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大峰 下多古川から大所山

大峰 下多古川から大所山  

2018年10月8日(祝) 曇のち晴   岡島父・母・娘

林道終点6:30出発 稜線1341m標高点の南コル12:10-大所山14:40-林道終点16:00下山

 下多古川は沢登りの入門ルートでアプローチも近くポピュラーな沢なのだが、実は初めての沢であった。沢から何処につなげようか計画を練っていると、左岸の尾根に大所山までトレールがありブナ林が美しいとの情報。大所山は地理院地図では無名峰で、この計画を考えるまでは名前も知らなかった山であった。

源流まで詰め左岸尾根を大所山まで辿る長い行程なので、琵琶滝の上までは遊歩道を使って先を急ぐ事とした。沢の記録は多くの報告があるので詳細は省くが、琵琶の滝、中の滝以外にも立派な滝がある。標高1150m二股の手前に、トンネルの様に岩盤を穿って洞窟の奥から滝が流れ出ている様な不思議な斜瀑があった。左岸から巻いてその滝上に行ってみると沢の水が川底に吸込まれている。何かの地変で沢底の栓が抜けてしまった様子だ。

二股から上流は一変して明るいブナ林の緩やかな流れとなり一夜を明かしたくなる源流地帯。次は新緑の時季に泊まりに来よう。

やぶ漕ぎ無しで尾根に上がり北北東へと大所山への尾根を歩く。所どころシャクナゲの藪が覆っているが微かな踏み跡とマーキングを追って行けばよい。途中岩場のトラバースがあり足場が崩れ易いので念のため細引きロープで確保してクライムダウンした。大所山付近は明瞭な登山道となり安心して歩ける。

初めての下多古川はコンパクトにまとまった美しい沢と静かな山頂を味わえる山行でした。

 中の滝          木葉イラズノ淵      大所山(1345m)            白鬚岳(正面)と大台(右奥)
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