三重県、鈴鹿山脈、御在所岳の記録
こんにちは、新人の岩瀬琢海です。
先輩に同性の岩瀬さんがいらっしゃいますので、今回の山行記録では、岩瀬た、と表記します。
パーティ:リーダー吉岡・記録岩瀬琢海(以下、岩瀬た)
当初、小豆島の吉田の岩場フリークライミングと拇岳マルチピッチに行く予定でしたが、会長のアドバイスにより、御在所岳に変更しての山行となりました。
結果、大変有意義な山行になったと思います。
季節外れの台風28号の影響が気になるところでしたが、登攀中は雨風にたたられることも無く、むしろ温帯低気圧のおかげで寒さをあまり感じずに登攀できました。
◎行程
・26日
20:00吉岡さんと合流。
食材の買い物などしつつ、出費を抑える為に下道で御在所岳へ向かう。
・27日 前泊〜一の壁フリークライミング
2:00駐車場(鈴鹿スカイライン・蒼滝近辺)到着。
2:30藤内小屋付近のキャンプ地到着・テント設営
4:00就寝
〜
8:30起床・朝食(パン等)・準備
9:30出発
10:20一の壁基部到着
10:30フリークライミング開始
・コンテスト5.10a(途中まで) 吉岡・岩瀬た
・テンクォーター5.10a 吉岡
・2ルートⅣ 岩瀬た・吉岡
・ダイレクトルートⅤ 2ピッチ 吉岡→岩瀬た
16:00フリークライミング終了・撤収
16:30キャンプ着・夕食(バーベキュー等)
20:00就寝
・28日 前尾根P7〜P2
6:30起床・朝食(雑炊等)・準備
7:30出発
8:15P7基部到着
8:30登攀開始
・P7
蛇の皮5.9NP/25m+15m/T岩瀬た(敗退)F吉岡
トップ岩瀬た。ハンドサイズのクラック進めずカム回収に手間取りながらクライムダウンの後ノーマルルートに逃げ、1つ目のビレイポイントは通過して、2つ目のビレイポイントにて終了。
その後しばし歩き。
・P6
1P目クラックルート5.9NP/10m/T吉岡F岩瀬た
トップ吉岡、力強くねばりの登攀。ビレイポイントに着く。
フォロー岩瀬た、1フォール1テン。
2P目チムニールートⅣ/7m+5m/T岩瀬たF吉岡
トップ岩瀬た。岩に挟まれつつ登攀。チムニールート内奥上部のチョックストンで支点とった後にギチギチと乗っ越し1つ目のビレイポイントは通過して2つ目のビレイポイントにて終了。
フォロー吉岡。登攀の様子見えず。余裕の登攀だったもよう。
その後しばし歩き。
・P5凹角ルート Ⅳ NP/40m/T吉岡F岩瀬た
サクッと終了。安全を優先して5mほどの懸垂下降の後、しばし歩き。
・P4
1P目凹角ルートⅢ/20m/T岩瀬たF吉岡
サクッと終了。
2P目クラックルート5.9NP/10m/T吉岡(敗退)F岩瀬た
トップ吉岡。ハングを乗っ越した後のハンド〜フィンガーサイズのクラックに苦戦。テンションかけつつクライムダウンの後、悔しい表情で凹角ルート右側のクラックのラインに挑むも、途中凹角ルートに逃げてビレイポイントへ。
フォロー岩瀬た。確保されている安心感があったので、フットジャムに乗り込んでどうにかクラックのラインを直上するが、1度ロープをつかんだ。
その後、しばし歩き。
・P3
クラックルートⅤ-(時短のために頂上は避けた)/35m/T岩瀬たF吉岡
サクッと登るが、頂上を避けたためかビレイポイント無く、ピナクルとカムでビレイポイントを作る。
その後しばし歩き。
・P2
ヤグラⅣ+上部ルート/25m+10m/T岩瀬たF吉岡
トップ岩瀬。ツルベの順番でいうと吉岡さんがトップだが、以前に登ったそうで譲ってくれた。
中間支点は核心部に綺麗なぺツルボルトが1つ打たれている以外は全てNP。気持ちの良い登攀ルートだった。
フォロー吉岡。終了点にて笑顔で挨拶。
15:00登攀終了
ヤグラのコル〜前壁ルンゼ〜裏道登山道
16:30キャンプ地到着・撤収
17:30駐車場着
18:00アクアイグニスにて風呂
〜
23:00帰宅
◎所感
・一の壁について
「日本100岩場」を参照しながら登りました。
クライミングゲレンデとなっており、どのラインも中間支点は綺麗なぺツルボルトが打たれているので安心して取り付けます。
ほとんどのラインが30m〜40mです。50mや60mロープではロワーダウンできない可能性があります。今回僕たちは60mシングルを使用しました。
終了点は2つの綺麗なぺツルボルト(+古びたリングボルト)のみで構成されており、チェーンや残置カラビナなどは無く、トップが登ったらセカンドも登って、下降路を歩いて降りるような仕様になっていました。マルチピッチクライミングの基礎トレーニングを意識されたゲレンデのようです。
ダイレクトルートはとても気持ちが良かったので、一の壁に行った際には是非登ってください。
・前尾根について
今回、僕の希望を踏まえた相談により、各ピーク、カムやナッツのナチュラルプロテクションが使える、クライミンググレード5.9以下のルートを事前に調べて取付きました。
しかし、クラッククライミングはフェイスクライミングとは動きが全然違って、ジャミング(特にフットジャム)がうまく決められず、まるで登ることができず敗退の連続となってしまい、一応登りきったものの悔しい結果となりました。
クラッククライミングを勉強して、また来ようと思います。
カムに関しては、キャメロットC4の#0.5〜2が2セットあれば充分だと思います。ナッツも各サイズ使えますが、カムの方が使いどころを多く感じました。
今回のラインどりではマイクロサイズは不要です。
出発時点では予定時間よりも早く登ってキャンプ地に戻り、天気の様子を見つつ兎の耳でクライミング練習するつもりでいましたが、結果的に少し遅れました。
クラッククライミングが全然わかっていなくてクライムダウンなどしていたことが主な原因ではありますが、カムやナッツで中間支点をとるのが遅い(設置箇所の判断、サイズ選びが遅いことに加えて、設置練習を意識して過剰に設置していた)ことと、ビレイポイントでの作業ももっとスピードアップしないとなと思いました。また、各ピークを登った後に歩きがあって、次のピークの取付きでのロープ整理にもいちいち時間がかかってしまっていたように思います。
登攀技術的な反省点は多いです。
しかし、登りながら2人で「ここが難しかった。どうやって登った?」「あそこはこう登ろう」「時間どれくらい?」「チョコレート食べる?」「あ、写真!」などと有意義な会話をしつつ終始楽しく登れたことがとても嬉しかったです。
・キャンプについて
藤内小屋近くの整地されたスペースでキャンプしました。他には兎の耳の近くでもキャンプされていたりするようです。
水場は藤内小屋外に蛇口があるので、それが便利かと思います。北谷川の水は山頂の施設からの汚水が混ざっているそうなので、飲用不可だそうです。
駐車場からキャンプ地まで30分程度なので、各々30キロほど担いで、肉あり野菜あり酒ありお菓子あり焚き火ありの豪勢で快適な夜を過ごせました。
・装備(前尾根登攀時)
◎登攀ライン(前尾根)
以上、山行報告です。
初めてのアップロードなので、うまくいっていると良いなと思います。