2019年02月

2019.2.24~2019.2.26 常念岳東尾根~南東尾根

2019.2.242019.2.26 常念岳東尾根~南東尾根 メンバーHI(記)

  

星野秀樹さんの「雪山放浪記」を読んで、いつか登ってみたいと思っていた冬の常念岳東尾根。

今回は、良きパートナーと春先のような素晴らしい好天に恵まれ、念願の冬常念を満喫できた。
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2
24日(日) 晴れ

天気予報は、目まぐるしく変わる状況だったが、目標を達成すべく安曇野へ向かう。

雪のない須砂渡ダム手前ゲートに到着すると、既に8台ほどの車が路肩に停まっていた。
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準備して久し振りの重荷を背負い、林道を歩き出す。

林道は、日当たりの良い場所は雪がなく、日陰は積雪があり所々凍っている。

東尾根末端部は雪がなかったので、予定通り送電線巡視路入口へ。ゲートから1時間ほど。
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雪のない巡視路を辿り、鉄塔基部から笹藪の左斜面に入る。

200mほど笹藪を漕ぐと、尾根筋のトレースが現れる。

よく踏まれているようで、夏道に雪が積もったような感じだ。

所々にテープがあり、迷うことはないだろう。

標高1328mピークから見える前常念岳は、まだまだ遠い。
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有難いトレースを壺足で辿り、4050分に1回の休憩を挟みながら、順調に高度を稼ぐ。
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標高1,750m付近から再び笹藪が現れ始め、心が折れそうになる。
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トレースがなければ、早々にそうなっていたかもしれない。

何とか踏ん張って登り、7時間少しかかって標高2,178mピークへ到着。

ここは傾斜が緩い樹林帯となっており、テント適地なようで、数張の跡があった。

疲れていたので、そのうちの1つにテントを張る。

テントを張ってから、近くの斜面でHさんと一緒に雪訓をする。

太陽が稜線の陰に隠れ、あっという間に身体が冷えたので、テントに潜り込む。

そこそこの標高なのに春先の様な暖かさで、テント内は超快適だった。

 

コースタイム:ゲート07200820送電線巡視路~1010標高1,328mピーク~1120標高1,600m付近~1315標高1,955mピーク1440標高2,178mピークC1

平面距離:8.17km、累積標高:(登り)1,582m、(下り)226m

 

225日(月) 晴れ

テントから出ると異様な暖かさに驚く。

朝陽を浴びつつテントを片付け、アイゼンを装着し、常念岳へ向け出発する。

一旦コルへ下り、再び登り返す。

この辺りの雪が深く、トレースがなければ苦労させられただろう。

森林限界の標高2,200m付近から一気に眺望が良くなる。
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テントを張るなら、標高2,265mピークまでが適地ではなかろうか。

朝陽を浴びる前常念を見てテンションが上がる。
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雪稜のトレースを辿り、標高2,350mピークで、ストックをピッケルに持ち替える。
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最初の岩稜帯は、ほぼ稜線上を右から巻き気味に登って行く。
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所々、雪質が固い雪面にざらざらの雪が載っているようなスリップし易い状況で悪いため、ピックを刺しながら、慎重に登る。
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最初の岩稜帯を過ぎると、傾斜が緩やかとなり次の岩稜帯が見える。
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前常念直下の岩稜帯は、やや傾斜が落ちるものの所々氷化しており、気が抜けない。
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岩場を縫うように登り、前常念岳に到着。

風は、思ったほど強くなく、常念岳頂上での更なる展望に期待が膨らむ。

避難小屋前にテント跡があったので、有難く使わせて貰うこととし、雪ブロック壁を補強してテントを張る。

一休みして、常念岳に向かう。
快晴の雪稜から見える周囲の景色に、二人とも自然と笑みが零れる。
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標高2,800m付近から待望の槍穂先が見える。
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ここはワンポイントの岩場がある。
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分岐に合流し、氷化した雪面の最後の登りを、アイゼンを効かせながら登る。
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そして、遂に目標であった冬の常念岳頂上に到着。
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最高の天候、最高の景色に、いつまでもそこに居たい心境に駆られる。

冬山では異例の暖かさから、1時間程景色を堪能してC2に戻る。
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夜は風もなく快適だったが、なぜか殆ど眠れなかった。

 

コースタイム:C106550745標高2,350mピーク~0945前常念岳~C211101205常念岳13101345C2

平面距離:4.13km、累積標高(登り)759m、(下り)286m

 

226日(火) 晴れ時々雪

さすがにテント内の水は凍っていたが、有難い意味で冬の標高2,600mの寒さではない。

テントから出ると、眼下には素晴らしい雲海が広がっていた。
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雲海から登る朝陽に、テントを片付ける手も自然と止まる。

常念岳に別れを告げ、急斜面の南東尾根を下る。
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岩場を縫うように下るのだが、前述のとおり雪質が悪く傾斜も強いため、かなりの個所をバックステップで下る。
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ここが本ルート中の一番の核心だった。Hさんも、さぞかしシビれたことと思う。

標高2,420m付近で漸く悪場も終わり、一息つく。

ここから森林限界下となり、雪面の踏み抜き地獄が始まる。

暫く単独行者?のトレースを辿って壺足で頑張っていたのだが、たまらず標高2,207mピークでスノーシューとわかんにそれぞれ履き替える。

踏み抜きが少しマシになり、担いで来た甲斐があったというものだ。

三股への分岐と別れ、南東尾根をぐんぐん下る。

少し下ると雲海下に入ったのだが、なぜか雪が降り始め、視界が悪くなる。

標高2,024m手前付近は尾根が広く、二重山稜なのでルートがわかり難い。

コンパスを確認しながら、南東方向に下る尾根に入る。

暫く広い尾根が続いたため、何度もコンパスを合わせながら進む。

標高1,750m付近から尾根は東方向となって狭くなり、辿りやすくなる。

標高1,596mピーク付近から尾根は南東方向となり、この辺りからテープが目立ち始める。
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標高1,450m付近から最後の難所、笹藪の激下りが始まる。
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再びアイゼンに履き替え、雪のない笹藪漕ぎの急下降に四苦八苦しながら南南東方向に下る。

何度もコンパスを合わせたつもりだったが、林道ヘアピンカーブ付近に飛び出した。

ここからの林道歩きが意外に長く、途中までの積雪も相俟って疲れた身体に追い打ちをかける。

ゲートに辿り着いたときには、既に陽が傾きかけていた。

帰りは、直ぐ傍のほりでーゆの快適かつリーズナブルなお風呂で汗を流し、安曇野にてサーモン丼を食べて帰路に着く。

 

 

コースタイム:C206550840標高2,355m0920標高2,207m10350標高2,024m1210標高1,596m1330林道14001500東尾根取り付き~1600林道ゲート

平面距離:11.26km、累積標高(登り)437m、(下り)2,306m

 

雨男の自分にとっては、珍しく⁉3日間とも素晴らしい晴天と春山並の暖かさに恵まれ、本当に幸運だった。

南東尾根は、トレースが下り単独行者のものしかなく、また、長い林道歩き、下部の強烈な笹藪漕ぎ、上部の急峻な登りを考えれば玄人向き?だ。

事実、東尾根の登りでは、下山する単独行者、パーティ等10人ほどとすれ違ったが、南東尾根は誰とも会わなかった。

殆どの登山者は、1日目に東尾根2,200m付近に幕営、2日目に常念岳を往復して同ルートを下山する12日の行程のようだ。まあ、積雪量とトレースの有無にもよるだろうが・・・。
日程調整が難しい中、同行してくれたHさん、ありがとうございました‼

2019.2.23 雪彦山 温故知新

2019.2.23雪彦山 温故知新の記録
姫路市 雪彦山 不行岳 温故知新

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こんにちは、岩瀬琢海(以下岩瀬た)です。
関西では冬の寒さも少しずつゆるみ、所々に春の訪れを感じるようになって来ました。
そんな陽気に誘われて、吉岡さんと雪彦山にマルチピッチをやりに行きました。
しかし、どうやら春夏に向けて気持ちだけが先走っていたようです。山はまだ寒かったです。


以下、山行記録です。

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◎メンバー
吉岡
岩瀬た(記録)

◎行程概要
霧雨のち曇り時々晴れ
気温+6℃〜+2℃
岩壁中間部より時折強風

8:30 大曲駐車地 到着、小雨のため待機
10:00 入山
10:30 不行岳基部 到着 登攀開始
15:15 不行岳山頂 到着
15:45 大天井岳山頂 到着
16:30 大曲駐車地 到着 山行終了


◎行程詳細
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雪彦山に向かう道中、晴れ予報にも関わらず山に近づくにつれてパラパラと小雨が降ってくる。
大曲駐車地横の東屋で、
「お、止んだ。」「あれ、また降って来た。」
というのを何回か繰り返して、晴れ間が覗き始めたのでとりあえず取り付きへ。
ロープを出して準備していると細かいあられが降って来たけれど壁は濡れていなかったので登攀開始。

温故知新ルートに取り付くまでに、逆くの字ルートを3ピッチ。

1P目 30m Ⅳ級
トップ吉岡、フォロー岩瀬た
スラブ壁にいくつかバンドが走っていて登るラインは明白だけど、なんだか悪い。うーんと思いながら慎重に登る。中間支点は錆びたリングボルトやハーケンや立木。
立派な終了点でビレイ。

2P目 30m III級
トップ岩瀬た、フォロー吉岡
草付きの急斜面を登った先に踏み跡があり、それをさらに進んでNo3チムニー手前の立木でビレイ。中間支点は全て立木。
極端にロープの流れが悪くなるので踏み跡の前でピッチを切って歩いた方が良かったかもしれない。落石に注意。

3P目 30m Ⅳ級
トップ吉岡、フォロー岩瀬た
チムニー左手の壁をリッジ沿いに登る。
ハーケンやリングボルトあり。しばらく登って北壁バンドを右上。
途中、懸垂支点があって右に立ち木がある。
そこから、スッキリとした左の岩に誘われるが、トポを再確認し、右の立ち木を超えてブッシュへ。ブッシュの先に綺麗なビレイ点がある。

4P目 30m 5.10a
トップ岩瀬た、フォロー吉岡
ここからが温故知新ルート。
キレイなペツルのボルトが打ってあるのでルートもわかりやすいし安心感もある。
逆相気味の壁を逆くの字になっているところまで行って、綺麗なボルトのビレイ点でピッチを切る。
この辺からいよいよ風も強く、寒さが身にしみてきてなんで登ってるのかと思えてくる。
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5P目 15m 5.10b
トップ吉岡、フォロー岩瀬た
逆くの字を乗っ越してから少し登ったところでビレイ。グレードほどには難しいと思う箇所はありませんでした。
ここも中間支点もビレイ点も綺麗なボルト。
良い景色。地蔵岳あったかそうだなぁ。
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6P目 45m 5.10a
トップ岩瀬た、フォロー吉岡
垂壁からスラブに出て、快適な登攀ができるようなピッチでしたが、「あぁ寒い!あぁ早く登り切りたい!」と思いながらの登攀になりました。中間支点も終了点も全て綺麗なボルト。
不行岳の肩に出て、温故知新ルート終了。

懸垂で降りるか少し迷いましたが、雪彦山の頂上(大天井岳の頂上)にまだ行ったことがなかったので頂上経由することに。
三級40m程の岩場を頂上まで行き、立木でビレイ。コンテで大天井岳との鞍部まで。
大天井岳への登り返し、難しい箇所がありA0。ロープを解いて頂上へ。
寒いけれど、やっぱり嬉しいし楽しい。なかなか良いコンビだなと自分たちのことながら思います。
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雪彦山の山頂から、一般道を歩いて駐車地まで戻りました。




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以上、山行記録でした。


思ってたよりも寒い中での登攀になってしまい、爪先の感覚も鈍く、ガバホールド以外持ちたくないようなカジカミ具合でしたが、浮石や剥がれそうな岩に注意を払いながら(ルートを通して美味しい位置にもろい岩が度々ありました)、集中力を保って確実に登れたように思います。
登る技術をつけるのはもちろんですが、剥がれそうな岩などに出くわすと、ビレイ中の仮固定や行動不能になったトップ/フォローをレスキューする技術をもっと練習しないとなと思ったりもしました。






2019.2.9-11 錫杖岳アイスクライミング

錫杖岳アイスクライミング 2/9-11
メンバー:丹波山岳会 M(リーダー)、F、Y
     神戸山岳会 前田(記)

こんにちは、前田です。今回は3連休で丹波山岳会の皆さんに錫杖岳に連れて行ってもらいました。写真はないです。
1日目
前泊して錫杖入り、しばらく雪が降っておらず、トレースがバッチリ残っていたため2時間ほど歩いて9時頃岩小屋着。アプローチの途中で見えた錫杖岳はマジ威圧感超ヤベー。中でも、黒い岩肌を割る白い雷光のような1ルンゼの氷瀑がエモい。今回は先行パーティーがいたため岩小屋から少し歩いた所にテント設営。設営後、私はMさんに連れられて1ルンゼへ、FさんとYさんは2ルンゼへ。
1ルンゼ1ピッチ目はWI5ということで、リードをMさんにお任せした。フォローで何度もテンションをかけて登る。核心部はさっぱり足がかりが見つからない上に、幾度も塵雪崩に襲われる。長い時は1分以上もスノーシャワーを浴びせられ精神的に痛めつけられる。2ピッチ目は傾斜の緩い氷瀑と雪田でここはリード。3ピッチ目は4~5mの立った氷瀑、Mさんリードで左側を登る。4ピッチ目は上部2~3mだけ立っている氷瀑で私がリードするも、腕がすでに限界でフォール、その際の落氷でMさんが顔に傷を負ってしまい申し訳ないことをした。リードで抜けられなさそうなのでMさんにリードを交代してもらい4ピッチ目を抜ける。そこで5ピッチ目に挑むと暗くなることに気付き、アバラコフに捨て縄で懸垂し撤退。FさんYさんは2ルンゼで4ピッチ目まで行ったとのこと。午後から雪が降り出す。

2日目
2日目はMさんと3ルンゼに挑む。1ピッチ目を私リードのコンテで抜ける。昨日からしんしんと降り積もった雪がかなりの頻度で浴びせかけられる。2ピッチ目はフォローに回る。氷が薄く核心部でプロテクションが取れず危ない。3ピッチ目はトンネル状のチムニーを抜けるピッチでリードをさせてもらった。なかなか楽しいピッチ。トンネルを抜けたとたんスノーシャワーを浴びせられ、穴に残した足を取られそうになる。4ピッチ目はMさんのリードでアックスのよく刺さる右の壁を登る。4ピッチ目が終わった所で、5ピッチ目のリードは私の番だが何やら難しそうで自信がなく、日が暮れる前に下まで降りるつもりでもあったのでここでリタイアし懸垂で撤退。FさんとYさんと合流し車まで戻る。
3日目
 この日は4人で善五郎の滝に転戦。スノーシューで氷瀑見物に来ている観光客が見守る中、お昼前までアイスクライミングを楽しんだ。

2019.2.12-13 日和佐の岩場

徳島県 美波町 日和佐 阿瀬比ノ鼻
日和佐クライミングの記録


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こんにちは、岩瀬琢海(以下岩瀬た)です。
1泊2日で日和佐の岩場にフリークライミングをしに行きました。
海辺の壁でロケーション抜群。難易度も初級〜中上級まであって抜群。砂岩に削られる指皮の痛みも抜群なクライミング・トリップでした。


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・メンバー
吉岡
金谷
谷口
岩瀬た(記録)



・アプローチについて
神戸から高速道路を使って3時間ほど。
今回、吉岡さんの事前調べによると岩場までのアプローチが若干わかりにくくて少し危ないらしいとのことだったので全員初めて行く場所ということもあり少し調べてから行きました。
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・1日目
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まずは手始めにということで、ひだまりエリアにて金谷さん&吉岡さん、谷口さん&岩瀬た、に分かれて各々登る。

谷口・岩瀬たチーム。
1本目"フィッシュダンス5.10a"でウォーミングアップして、さっそく"二人のアイランド5.11a"にとりかかる。ランナウトしてることは見てすぐにわかるけど、「いける」と踏んで果敢にトライする谷口さん。
シビれるクライミングができたようです。

一方、金谷・吉岡チーム。
行きの道中、金谷さんは「なんだか体調いまいちでなぁ。先に宿行っとこうかなぁ。」とか言ってましたが、岩場に着けばいの一番にひだまりエリアのどのラインを登るか見に行っていたような気がします、、、笑

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各課題の詳細は書きませんが、1つだけ。
実は「二人のアイランド」は5ピン目が打たれていた岩が2015年頃に崩落していたらしく、実力が無かったり手に取った岩がさらに崩壊すれば7〜10mほどのグランドフォールをするので注意です。
今回、岩が剥がれたりしなくて良かった・・・

ある程度ひだまりエリアを登ったところでドーム内に移動。
谷口さんは甌穴群を観察。僕はラビリンス、吉岡さんはサウダージを触って、明日もあることだしということで宿へ。

弘陽荘という民宿に泊まりました。朝夕食事付き¥6,500。
ご夫婦でされている民宿で、夕飯時におかわり自由のご飯が足りなくなってしまい、自分たちの夕食だったであろう豆ご飯を出してくれたりして、ホンワカする宿でした。また行きたいです◎



・2日目
吉岡さんと僕は"ラビリンス5.10d"。谷口さんは"甌穴群5.11d"、金谷さんは日向ぼっこ。じゃ無くて、甌穴群に取り組む谷口さんと組む。

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ラビリンス5.10dチーム。
アプローチで温まった身体でさっそくラビリンス開始。
ムーブも解決し、レストをはさみつつ交代で登って、吉岡さんは指を切って出血しながらも二人してRP。
スッキリ爽快でした。
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そして甌穴群5.11dチーム。
ラビリンスの隣のラインだったので、聞こえてくるうめき声からして難儀してるなぁと思ってましたが、、、
お昼休憩をはさんで、甌穴群チームは谷口さんの悔しそうな顔とともにひだまりエリアに移動していきました。
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引き続きラビリンスチームは、昨日吉岡さんがサウダージ5.12b/cに残置したカラビナの回収にトライ。
5.12b/cという今の僕らには手の届かないグレードを触って打ちのめされてみたいという吉岡さんはなかなかドMだなぁと思ったりしつつ、取りかかる。
3ピン目に吉岡さんのカラビナ、4ピン目に残置のカラビナがあったので、その残置カラビナをとりあえずのゴールに。
吉岡さん、3ピン目を越えて行き、ゲートが錆びてなかなか開かない4ピン目のカラビナに微妙な体制でどうにかクリップ。ギア回収成功。
12b/cはやっぱムズイゼと思いながらも、割と良い気分で素直に荷物をまとめる。
ひだまりエリアに行くと、ちょうど金谷さんが"のぼれタイヤキくん5.10c"を登って降りて来たところでした。

お菓子を片手にクライミング見学と洒落込む。
岩壁にしがみつくクライマーとその向こうに広がる海。降り注ぐ陽光と頬をなでる風。
あぁこのままずっとここに居たいなぁ。

と思えるほどには暖かくは無かったですが(風が結構強かった)、谷口さんもタイヤキくんをRPし、荷物をまとめて帰路につきました。

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・成果

金谷さん
幸せな海亀5.8 FL
のぼれタイヤキくん5.10c RP
フィッシュダンス5.10a FL
潮騒エクスタシー5.10b FL
カノープス5.10b FL
甌穴群5.11d 2ピン目まで

谷口さん
フィッシュダンス5.10a OS
ニ人のアイランド5.11a 2テントップアウト
潮騒エクスタシー5.10b TR回収
甌穴群5.11d 2ピン目まで
のぼれタイヤキくん5.10c RP

吉岡さん
幸せな海亀5.8 OS
のぼれタイヤキくん5.10c 1フォール1テントップアウト
フィッシュダンス5.10a OS
潮騒エクスタシー5.10b OS
カノープス5.10b OS
ラビリンス5.10d RP
サウダージ5.12b/c 4ピン目まで

岩瀬た
フィッシュダンス5.10a FL
ニ人のアイランド5.11a 4ピン目まで
潮騒エクスタシー 5.10b OS
ラビリンス5.10d RP
サウダージ5.12b/c 3ピン目まで


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「ここを登ろう」
と決めて取りつく瞬間は、それが長い歩きの山でも、ボルトルートのフリークライミングでも、全く同じ意気込みだなぁとふと感じた日和佐でした。

今回登りたかったけど登れなかったり、宿題となってしまった課題がそれぞれ数多くあると思うので、また行きましょう!!
明日にでも行きたい。。。けれどグッとこらえてもっと鍛えてからにしよう。

金谷さん、車の運転、ずっとして頂いてありがとうございました!
そして、今回の日和佐を計画してくれた岡田さん、まさかの直前で予定が変わって行けなくなったのに宿の手配までして頂き、ありがとうございました!また一緒に行きましょう!!!
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2019.2.5 堂満岳第一ルンゼ中央稜ルート

2019.2.5
滋賀県 比良山地 堂満岳
堂満岳第一ルンゼ中央稜ルートの記録

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こんにちは、岩瀬琢海(以下岩瀬た)です。
堂満ルンゼに行ってきました。
この山行の前後2、3日の天候の予報が不安定だったので大丈夫かなぁと思っていましたが、当日の天気は良く存分に楽しむことができました。



以下、山行報告です。

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◎メンバー
竹内(リーダー)
岩瀬た(記録)


◎行程概要
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・2/4
21:30 JR比良駅 到着
22:30 イン谷口を過ぎた広場到着・テント設営
23:00 就寝

・2/5
曇りのち晴れ
気温 ー2℃〜+5℃
所により微風
5:30 起床・朝食
6:40 出発
7:50 第一ルンゼ取付の堰堤 到着
8:20 中央稜取付 到着
12:00 中央稜終了・休憩
13:20 堂満岳頂上
14:00 金糞峠
15:00 テント場 到着・休憩・撤収
17:00 JR比良駅 到着 山行終了

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◎行程詳細

・堂満岳第一ルンゼ中央稜について
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イン谷口からの登山道の道すがら、左手に2つ連続して堰堤があるところから入山。
すぐに3つ目の堰堤があり、先に進みフィックスロープが張られている小滝を越え、支谷に入らないように右岸沿いに進むと中央稜の取付きに到着。
堰堤より先は若干トレースが残っていて、膝〜場所によっては腰まで踏み抜きつつのアプローチとなりました。
中央稜取り付きからロープを出して、登攀開始。
1ピッチ目、25m
トップ竹内、フォロー岩瀬た
出だしにⅢ級程度の岩があり、それを乗っ越して岩と雪をしばらく進む。立木でビレイ。
2ピッチ目、40m
トップ岩瀬た、フォロー竹内
岩と雪をつないで、立木とピナクルでビレイ。
3ピッチ目、30m
トップ竹内、フォロー岩瀬た
リッジ。リッジ終わりで雪面を歩き正面の立木でビレイ。
4ピッチ目、25m
トップ岩瀬た、フォロー竹内
ビレイ点を直上して進んだ先の、岩のもろそうなせまいガリーに入るか、少しトラバースして雪稜のガリーに入るか迷って、直上を選択。チムニー手前の立木でビレイ
5ピッチ目、20m
トップ岩瀬た、フォロー竹内
チムニー。落石に注意を払い、ちょうど良い間隔で生えた立木に中間支点をとりつつ登る。Ⅲ級程度。
チムニーを抜けて10m程歩いて松の木とピナクルでビレイ。
6ピッチ目、25m
トップ竹内、フォロー岩瀬た
このピッチから先は竹内さんもまだ歩いたことがないらしく、リードをしたいとのことでお任せしてみる。難なく通過。立木でビレイ。
7ピッチ目、25m
トップ竹内、フォロー岩瀬た
続けて竹内さんのリード。階段状になっている岩と草付きに雪がちらほら。難なく通過し、立木でビレイ。
あとは歩きで行けるようだったので、ここでロープをしまい、踏み跡を辿ると雪の小広い広場に出ました。中央稜の登攀終了。

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・堂満岳頂上までのラッセルについて
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中央稜の頭の小広場から頂上までトレースがありましたが、それでもところどころ膝〜腰まで踏み抜くラッセルでした。
交代番子でラッセルするつもりでしたが、「ギャッ」とか「ウワァ」とか言いながらも根性と気合で竹内さんがほとんど先頭でラッセルし、交代したのは1回だけ。
強いなぁと思いながら僕は後ろをついていくだけの1時間半でした。竹内さん、ありがとうございます!
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・雪崩について
山行日の2日前から神戸では雨が降ったり止んだり。気温も高い。
神戸のこの雨は比良では雪になっていてルンゼは雪で埋め尽くされてるかもしれないなぁと思ったりしながら当日を迎え、比良駅に着くと全く雪が無く登山口のテント場もほぼ無雪でした。
登山道に入ると雪が出始めましたが、ルンゼ取り付きまでの一般道のトレースは硬く、降雪の影も薄い。どうやら昨日までは雪ではなく雨だったもよう。
第一ルンゼの堰堤から腐った雪を掻き分け、ある程度雪崩れた跡を確認し、それでも気温の上昇に伴う雪崩の可能性を考えながら竹内さんの示す道の通りにラッセル。
中央稜に取り付けば雪崩の危険性も皆無に思われ、雪稜のリッジ部分はここ数日降ったであろう雨によって適度に削がれて程よく締まりバイルもよく効く。
ワクワク登っているうちに中央稜が終わり、しばし休憩。
時間もまだ余裕のある範囲内。
よし、今回の目標であった堂満岳の頂上まで行きましょうと、目に見えて深そうな稜線樹林帯のラッセルをこなし、無事に頂上に到着。眩しく日が当たり、風も弱く清々しい気分。
一息ついて、さてでは降りましょうと一般道を歩くと、おそらく第2ルンゼの抜け口にあたるであろう箇所に崩壊寸前の雪庇を見る。
下山の道中にも今日雪崩れたであろう箇所が一箇所あり、僕は雪崩の可能性やイメージについて無知だなと反省するような気持ちになりました。
雪の状態を見る目をつけるのと合わせて、もっと地形図を読み込むようにしようと思います。

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以上、山行報告でした。


今回、僕は初めてのアルパインクライミングで、なおかつお誘い頂いた竹内さんとは初めての山行ということもあり事前の計画段階では入門者向けのルートで情報豊富といえども雪崩のことやこの2人でのトータルの能力などを考えると未知の要素が大きく正直不安で少しナーバスになっていました。
しかし、当日を迎えて顔を合わせて話をしていると僕がこっそり懸念していた考え方や取り組み方のすれ違いも埋まっていき、結果、人間的なストレスの無い良い山行となったので、メールなどのやりとりだけじゃなくて顔を合わせてのコミュニケーションは非常に大事なんだなと改めて思いました!

また、余談ですが、中央稜での登攀はロープの流れを考慮した中間支点もとって、各々もっとロープを伸ばせばピッチ数も少なくなり、より素早い行動ができたのだろうと思います。
スポーツ的なクライミングと違って、自由にルートどりができる(登りたいルートの弱点を探って登れる)アルパインクライミングではシステム面での効率的な素早い登攀をすることが最重要なことのうちの1つに入ると思うので、次回はそれを課題に工夫してみようと思います。


竹内さん、ありがとうございました!!!
お互い早く車に乗れるようになって、良いカーライフを送れるようになったら良いなと思います!が、たまには電車で登山口に行くのも良いなとも思います!

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