2019年05月

2019.5.28 大峰 上谷

2019.5.28 大峰 上谷

奈良県 大峰山脈 吉野川水系 上多古川 上谷〜地蔵谷左俣の遡行記録

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こんにちは、岩瀬琢海(以下、岩瀬た)です。
当初、大台ケ原千石嵓サマーコレクションに登る予定でしたが、雨予報のために計画を変更し、大峰山の上谷に沢登りをしに行きました。

ガイドブックでは初級者向けとのことで、今期3回目の沢となる吉岡さんと、沢の経験がほとんど無い僕とで、自分たちで考えながら登るにはちょうど良いだろうということで雨そぼ降る中意気揚々と遡行していったのですが、できるだけ滝を巻かずに登った結果、思いの外シビれる遡行となりました。

以下、遡行記録です。

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◎メンバー
吉岡(L)
岩瀬た(記)

◎行程概要

・5/27(前夜)
23:00 上谷集落手前駐車地着、就寝

・5/28
5:30 起床
5:50 出発
6:10 入渓
6:45 6m滝にてハーケン練習
9:45 牛呼滝
10:50 二股・植林小屋
12:00 地蔵谷左俣の滝
14:00 滝突破
14:30 詰め上がって登山道に出る
17:00 駐車地 到着・下山完了



◎行程詳細

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駐車地から林道を上がり、林道終わりから杣道を辿り、鉄橋から入渓。

この夏のために買ったモンベルのサワーシューズがジワ〜っと水没していく。気持ち良いのか悪いのかなんとも言えない感覚だ。
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足が浸かるくらいならさして寒くもなく、ジャブジャブ進んでいく。


しばらく行くと、立派な滝が現れた。どうやら遡行図の「6m・3m・10m」の滝の一つ目のようだ。
登れるかどうかじっくり見て、近づいてみるものの、2人してビビる。シャワークライミングだなんて、寒そうだ。

今回は単純に沢登りするのと合わせて、ハーケンでプロテクションを取る練習も目的にしていたので、トップロープを張ってハーケン打つ練習してみようということになる。

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右岸を巻き上がって、太い立木に支点をとって懸垂下降。
ロープの流れどめが欲しかったので、滝の落ち口辺りに試しにハーケンを打ってみる。
想像してたよりもうまくリスに刺さり、
「おぉ〜!これがハーケンか!!なかなか安心感がある!!」
と、いかにも初級沢らしい喜びを得て、落ちどめのヌンチャクをかけて下降。
振り出しに戻り、ジャンケンして、まずは吉岡さんが取り付く。
もう、1歩目からシャワークライミングで、唯一登れそうな場所でもなかなか乗り上がれない。
しばらく奮闘して「寒い、、、」と言いつつ戻ってくる。
次は僕の番。
取り付きの手の届くところにハーケンを打って、クイックドローをかけてA0で1段上がる。
上がったところでハーケン打てる場所を探すけどなかなかうまく刺さらず、寒さで全身が震え出したところでギブアップ。
交代。
吉岡さんも同じところまで行くけれど、全身ブルブルで降りてきて、とりあえずハーケンの使い方もわかったことだし、ここはもう辞めにして次に進みましょうということにする。

さて続いてどんどん登る。
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どの滝がなんの滝かよくわからないまま上がって行ってロープを出すような滝に出くわすと、ハーケンやカムを決めて登って行く。一つナッツを落として、滝壺の中に消えて行ってしまった。あぁ。
ハーケンめちゃ便利だなぁと思いながら登る。

やがて、メインの牛呼滝に到着。
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どうやってあんな大きい穴ができたんでしょうねぇと話しながらしばし鑑賞し、滝の右側を登ることにする。
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リード吉岡さん、無難にプロテクションを取りながら登って行き、僕も後に続く。
割合あっさりと登りきり、おぉこれで大きな滝は終わりかと次に進む。
しかし、この後にビリビリ痺れるような登攀が待っていた。


しばらく進んで、二俣に出る。
ここで遡行終了する人もいるようだけれど、続けて地蔵谷の左俣に入る。

「まぁあとは詰め上がるだけか。アスカベ平どんなところかな〜!」と思いながら進むと、細く水が流れる10mちょっとの滝に出くわす。
滝前でしばし休憩して、これはどの滝でしょうねえと遡行図を見たりしてから、ノーロープで左岸を上がって、滝の中盤くらいのテラスでロープを出して登攀開始。(写真がありません。。。)

・1P目 30m
リード吉岡、フォロー岩瀬た
水線を直登するかトラバースするか少し迷って、右岸が登りやすそうに見えたので、トラバースにかかる。
2つプロテクションをとったところでトラバースに入ったけれど、なんだかすごく悪そうだ。
良いスタンスに見えてた足は外傾しているようで、手も悪いっぽい。
これヤバイんじゃないか。無理そうなら戻ってきてよ〜とドキドキしてるうちにどうにか対岸までトラバース完了。ふぅ。
ピッチを切れるかと思いきや、壁がもろくて安心できるビレイポイントが作れないそうで、続けて登っていく。
姿が見えなくなってしばらくしたら、真上から
ビレイ解除のコールが聞こえてきた。右岸を登って、どうやらまた左岸に渡ったようだ。
続けて意味深に「ハーケンでしかビレイ点作られへんかったから!」と言われる。
あぁ落ちられないなぁ。と思いながらフォローで僕も登る。
トラバース地点はややランナウトしていて、手も足も悪く、シャワーにさらされながらも慎重に動かさないとズルッと滑って一巻の終わりという感じだ。寒いとか思ってる余裕も無い。
慎重に足を運び、バランスを取りながらどうにか対岸に到着。
「いやこれ悪過ぎるでしょ!」と思わず叫びつつも、よくリードしたなぁと思う。(後に聞くと、単純に戻れなかっただけのようだ。確かに。これは戻れない。)
引き続き右岸を登る。ボロい壁だ。
何箇所か落石しながら、慎重に相方が見えるところまで上がっていって、テラス状の部分で流れを挟んで「なかなかやばかったですねぇ。。。」と話し、リード交代。

・2P目、20m
リード岩瀬た、フォロー吉岡
まだしばし悪場が続きそうだ。今度は僕がリードの番。
目の前のボロい壁に安心できるまでハーケンを打ち込んで、いざ登り始めたら、足が崩れて落ちた。
幸いほとんど離陸していなかったのと、ハーケンがバチ効きしていたので大丈夫だったけど、落ちちゃいけないところで落ちてしまってショック。
気を取り直して登る。
今度はボロい部分に最大限に気を使いながら登って、横リスにハーケンを打ち込み、壁と巨岩に挟まれたチムニーを登って落ち口へ。
平坦地の安心できる太い木でビレイして、フォローを迎え、ニッコリ安心の笑顔。

非常に緊張した登攀でした。


そこから、沢沿いに進んでいくとしばらくして
「伯母谷覗← 平成30年度 川上中学校」
とかかれた真新しい標識に当たり、一般道を降りて駐車地まで戻ってきました。
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下山完了。

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以上、遡行報告でした。

今回は何と言ってもルートファインディングの難しさを痛感させられた山行となりました。
難しいと思って難しいことに取り組むのと、行けそうだと思って難しいことに取り組むのは全然違うとも思いました。

それと、僕は遡行図にまだ慣れていなくて見方もいまいちよくわかってないので、地形図に照らし合わせて読む努力をしないとなぁとも思いました。
登るのに苦労した滝は、おそらく遡行図とは一本違う沢に入っていってしまったのかな?と今になって思います。


この次の日はシオカラ谷に入る予定でしたが、大台ケ原はまだ寒く、思いの外疲れが出たのか、行こう!という気力が湧いてこず中止としたので、もう少し暖かくなったら行こうと思います。

良い勉強になった沢はじめでした!!

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西大台 サンダーボルト 

昨年のサマーコレクションに続き、大台ケ原千石嵓の登攀に行ってきました。
日程 令和元年5月22日(水)〜23日(木)
行先 西大台 サンダーボルト(10P)
メンバー OKD(L、記)、T口

行程
◎22日
16:00 ビジターセンターでレクチャー〜22:00 ビジターセンターP就寝

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行きの高速道路上で環水平アーク。幸先いいぞ!

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レクチャー受講。屋久島と肩を並べる多雨地域とのこと。

◎23日
5:30 起床〜6:30 ビジターセンターP出発〜7:00 サンダーボルト取付き〜7:40 登攀開始〜11:40 5P目終了〜16:20 登攀終了〜17:10 ビジターセンターP

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取付きに到着。早速準備に取り掛かる。
今回のロープはシングル60m。

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1P目5.10b(OKDリード)
緩やかなフェイス。アップにはちょうどいい感じ。
快適に登る。

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2P目5.10a(T口リード)
1P目と同じく緩やかなフェイス。ここも快適。
最後の草付き乗越だけちょっと煩い。

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3P目5.9(OKDリード)
昔はガバばかりだったらしく5.9が付いているが、今は途中のガバは無い。上や下へのトラバースで少し緊張感が出てくる。
やたらと草や枝が多く、スタンスにも生えてて滑りそうだし上からも垂れ下がってきるので、それを処理するのに難儀した。

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4P目5.10b(T口リード)
いきなりのかぶり。ちょっと探せばホールドが見つかるが、あまり長く迷ってるとヨレる。
ハングを越せばあとは快適…と思いきやクラック内にまたしても草!

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5P目5.10c(OKDリード)
いよいよ核心。右上した後、左へトラバースからの薄かぶり。
左にトラバースするところが外傾して高度感もありちょっと緊張するが、草もなく全体的にスッキリしたピッチで楽しく登れた。

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5P目終了点で休憩。天気は快晴!暑くてお茶飲みまくり。右下がシオカラ谷の東ノ滝。

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6P目5.9(T口リード)
ここで隣の「サンダーボルト2」と交差するので、ルート間違いに注意。サンダーボルトはスラブを左上。
快適!と思っていたらその後またボーボーの草付き‼︎

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7P目5.9(OKDリード)
このピッチはクラックから凹角になっていくのだが、この辺りからいよいよ草と土がひどくなってきた。
クラックはジャミングがよく効くので難しくは無いが、クラック内は草ボーボーだったり土や枯れ草が溜まっていたりで泥まみれになった。

8P目5.10b(OKDリード)
7P目から続く凹角ルート。
このピッチリードのT口さん「手が攣る、全身が攣る」と訴える。
デジャヴ‼︎つい先日の沢でも「全身が攣る」と誰かが言っていたような。。。流行病の類なのか⁈
ここでリード交代。
凹角にはでかい木が生えていて、とにかく邪魔。こういう時身体が大きいのは損なのか。
7P目と同じく土や枯れ草が溜まってるし、壁も砂ザラザラで触ると落ちてくるしで、まともに上向いて登れない状況。クライミングしてるのか雑草抜きや掃除してるのかわからなくなってきた。
凹角をステミングでこなしてなんとか切り抜けたが、
凹角後もボロボロと崩れる部分がある。一度スタンスが大きく欠けて危うく落ちそうになったが、ホールドがガバだったので助かった。ビレイしてくれてたT口さん曰く「石とかいっぱい落ちてくるし、ビレイ核心でした」とのこと。申し訳ありません。
このピッチで唯一、フォローのT口さんが木の枝に引っかかり敢え無くA0したとのこと。悔しい!
このピッチはしんどかった。しんどすぎて写真撮ってなかった(泣)

9P目5.9(T口リード)
このピッチに関しては前の8ピッチ目がしんどすぎた反動で、難しいところはなかったという以外にほとんど記憶がない。
8P目終了点から少し右に回り込んで直上した木でピッチを切ったのだがそれは間違いで、さらに右に踏み跡っぽいところを進んでから左上すれば10P目のハングした岩の下に出た。このピッチも写真無し(泣泣)

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10P目5.10b(OKDリード)
このピッチはハングを越えて左に行けば10b、右に行けば11bとのこと。登り始めの頃はダメ元でも11bの方をトライしようと思っていたが、もうドロドロの傷まみれで疲れていたので躊躇なく10bの方へ。
ハングを最後の力を振り絞って乗っ越し、左上する(この左上も妙に緊張した)。
その後はコケコケのスラブを直上したが、一向にボルトが出てこない。
おかしいなと思いながらも緊張しつつ、かなりランナウトしてようやく終了点の大木へ。
フォローの谷口さんが登ってくる途中に右下の方にボルトを発見。完全にルート見落としてたみたいです。
またまた申し訳ありません。

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フォローで上がってきたT口さんとがっちり握手。
やりきった感たっぷり。ありがとうございました!

考察
○撤退用のラッペルステーションは要所にあった(50シングルでも可能か?)
○あまり登られていないのか土、草、木との戦い。
○水は1人2Lでちょうどだった。

サンダーボルトはあまり登られていないのか、草、木、土との格闘や岩も脆くて、隣のサマーコレクションよりもアルパイン要素が強く、純粋な岩登りというものではなかった。
今回、自分が使ったホールド、スタンスに関しては多少は掃除しましたが、まだまだ色んなものが堆積しているので、みなさんもどしどし掃除しながら登って頂いて、スッキリした岩場になればいいなぁと密かに願っています。
最後10P目の11bの方に関してはまた機会があれば行ってみようと思います。

台高 黒瀬谷

久しぶりに台高エリアで沢登りしてきました。
日程 令和元年5月17日(前夜発日帰り)
行先 台高 黒瀬谷
メンバー OKD(L 、記)、吉岡、N(会外)

令和二戦目の沢はどこにしようかと思案していたところ友人のN氏から「黒瀬谷行かへん?」と連絡を受け、入渓することとなった。

○行程
7:30 白川公民館P〜8:10 入渓〜8:25 15m滝下〜8:30 15m滝登攀(2P)〜9:55 15m滝上〜10:50 25m滝下〜11:30 撤退開始〜14:10 白川公民館P

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林泉寺横の林道へ入り吊橋を渡ります。まぁまぁの高度感。

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吊橋を渡ってすぐ悪目の斜面をトラバースして入渓。アロハシャツに短パンのN氏。相変わらずパンチきいてますね(笑)

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入渓して間もなく15m滝。

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右の凹角から取り付くもかなりのヌメリクション。
ショルダーで残置のリングにアブミをかける。さらに上の曲がったボルトにタイオフでスリングアブミをセットし、1段目の棚に上がればあとはフリー。
上のテラスっぽいところで木の根とカムでビレイ。

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2P目は吉岡君のリード。左上するバンドを伝って落ち口へ。

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巨木の突き刺さった5m滝はフリーで快適。

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水が冷たいので極力へつる。この滝も左側をフリーで。後続はお助け紐を出した。

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「アカーーン」てなっているところ。水流突破を試みるも、首元から侵入した冷水によってすぐに気持ちをヘシ折られた。

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10mトユ状はステミング突破。この直後、吉岡君はスリップして後続のN氏に藤波辰爾ばりのドロップキックを食らわせ、諸共スライダーで釜まで一直線。
その後のCS滝はカムとハーケンの人工で抜けた。

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2段25m。下段は見るからに悪そうなスラブ。その奥はよくわからないけど「突破した記録もあるしなんとかなるやろ。」とか思いながら観察していると…アロハシャツのN氏が今まで見たことないような振り幅でガタガタと震えながら「寒すぎて吐き気がする。全身が攣る。身体動かん。」と。。。デジャヴ⁈ そらそうですわ〜5月の沢にアロハシャツは季節を先取りしすぎですよ。

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テルモスを持ってなかったので、ソッコーで火を起こし暖をとる。
この先進んでも直後の滝でシャワー浴びてそのままビレイしてたら更に冷えることも考えられ、状況は良くならないと判断し撤退することにした。

撤退は沢通しに下降。懸垂支点は要所要所に打たれていて苦労することはなく、下降するうちにN氏の体温も回復し、無事下山することができた。

シーズン二戦目にして撤退となったが、短いながらも人工も交えての登攀を楽しめた。
残した部分については再度訪れて見てみたいと思えるいい沢でした。

考察
・フリクションはすこぶる悪い(一度大水で洗われてからだと大分違うのかも)。
・亀の子よりステンレスたわしがいい。
・短い区間だがゴルジュで陽射しは当たらず寒い。
・ハーケンは浅効きになる所が多く、荷重をかける際は注意が必要(急激に乗り込んだりすると抜ける)
・湯沸かしが面倒ならテルモスは必携だなと反省。

元年の黒部源流の春山

元年の黒部源流の春山  令和元年 5月3日~5日

岡島×2+娘、浦本

 

5/3(憲法記念日) 快晴

新穂高7:30-鏡平13:00

蒲田川左俣は初めての山域でした。これまで穂高や槍に向かう右俣ばかりであった。笠ヶ岳の穴毛谷の荒々しい景観が広角で間近に迫り、滝谷とはまた違った迫力である。小池新道に入る手前の下抜戸沢付近や奥抜戸沢は巨大なデブリの山となっている。

 昨年の11月に大西さん達と槍ヶ岳に行ったとき、西鎌から鏡平が手の届く様な近くに見え、次は鏡平に泊まって黒部源流の山を登ろうと決めていた。この時期は鏡平の小屋や池は雪の下で、樹々も大半は雪に埋もれており、槍から穂高のパノラマを遮るものが無い。

 6テンを張ってメシの準備をしようと、ガソリンコンロに火を点けようとするが、気化したガスが出てこない。ノズルの詰まりかと思ってニードルで突くが貫通しない。分解してガソリン臭い管を口で吹いて詰まり個所を調べると、どうやら本体の火口付近のプレヒート部分の管が詰まっている。無理に使用してガソリンが炎上して火事になっても危ないので、残りのEPIガス2缶で燃料計画を考える。ガス缶2ケを使い切ったら、非常用のメタ1箱でお湯を作ることは可能である。

3泊4日で三俣小屋にベースを置いて、鷲羽と水晶を登る計画である。皆で相談したところ、燃料を心配しながら水晶まで行くのは止めて、ここから鷲羽岳の往復に変更することに変更する。余談であるが、松濤昭の「風雪のビバーク」はラジウス(石油コンロ)の故障が発端である。

ガソリンもガスもヘッドが詰まって使えなくなるかも知れないので、非常用のメタとロウソク、ライターとマッチの携行を奨めます。メタやライターは長期間放ったらかしておくと可燃ガスの気が無くなるので、昔ながらのロウソクとマッチが壊れることも減ることも無く安心。

 そして、コンロは山に行く前に点検すること。今までは山に入る前にガソリンコンロは家で燃焼テストをしていたのに、今回に限って確認しなかった。怠慢をこいた時に限ってトラブルである。

 

5/4(みどりの日) 快晴

鏡平 発4:30-鷲羽岳10:30~11:00-鏡平 帰着17:00

早朝の雪が未だ硬いうちに出来るだけ距離を稼ぐ。三俣蓮華あたりまでは、ひょっとして水晶岳も行けるかも知れないとの楽勝感が沸く。しかし9時頃を過ぎると雪が腐りだしてスピードが出ない。鷲羽から水晶までは楽そうだが、帰路に黒部源流を登り返して更に三俣蓮華を登るのは無理やな、と鷲羽岳を登りながら悟る。

三俣に着いた頃から双六・三俣周辺をヘリが旋回して騒々しくなってきた。まだ山小屋は締まっているので荷揚げのヘリではない。樅沢岳の北面をヘリがホバーリングしている。事故があった様子だ。ヘリはレスキュー隊をデブリの斜面に降ろして、一旦立ち去った。しばらくして再びヘリが飛来し、ホバーリングして直ぐに西鎌尾根を越えて飛び去った。ピックアップできた様だ。

黒部源流は元の静寂に戻った。鷲羽岳の登山者は意外と少なく、頂上は4人の男女のグループだけであった。黒部五郎の方は殆ど人の気配が感じられない。
 天気が崩れる心配も無いので、日暮れるまでにベースキャンプに帰ればよい。

 

5/5(こどもの日) 快晴

鏡平 800 - 新穂高 下山1200

下山はスキーで滑降するので、雪が緩むまでゆっくり出発する。所々バーンで硬いが振子沢で滑りやすい。下るほどデブリが増えるので林道に出る辺りからスキーを脱いで担ぐ。デブリ地帯を抜けたらワサビ平辺りまで再びスキーを履いて平地滑走。

雪が無くなり今シーズンのスキーは終了。山菜採りに商売替えして、コゴミを摘みながら新穂高へ。今度は薬師か黒部五郎にスキーを持って行きたい。
 追記。平湯バスターミナルの温泉は営業中止したのでご注意。 
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 入山          抜戸岳からのデブリ     鏡平への急登を終えて      アタックの朝
 
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 弓折岳付近        鷲羽岳遠望 左が双六岳  三俣蓮華岳から鷲羽へ    黒部川の源

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 鏡平BCを見下ろす    BC撤収         滑降


鈴鹿 東多古知谷&西多古知大滝

令和元年、沢シーズン開幕。
鈴鹿の大滝2本を登攀してきました。

日程 令和元年5月8日(前夜発日帰り)
行先 鈴鹿 御在所岳 東多古知谷&西多古知大滝
メンバー OKD(L、記録)、吉岡

◎ 東多古知谷
前夜、友人2名から連絡を受け偶然同じ谷を遡行するということで我がパーティ含め合計4名が入渓することとなった。
○ 6:00 起床〜7:00 P出発〜7:30 入渓〜7:35 百間滝下〜7:40 百間滝登攀(2ピッチ)〜8:40 百間滝上〜9:30 10m滝〜10:00 表道登山道合流〜11:00表道登山口

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ガードレール脇の表道登山口から入り、すぐ右へ逸れて沢へ下りていく。

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小滝を越えるとすぐに百間滝に到着。

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右の斜めクラックにジャミングを決め、一段上がった後は左岸側水流沿いを登攀。
水は予想以上に冷たく日陰は寒すぎ。

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途中、ボルトの芯だけ打たれた中間支点でピッチを切り、合計2ピッチで落ち口まで。

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名前も知らない小さくて綺麗な花がたくさん咲いていた。

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10m滝はノーロープで快適に。

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小滝をサクサク越えて。

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あっという間に表道に合流して下山。

◎ 西多古知大滝
東多古知谷の遡行が予定より早く終わったので、隣にある西多古知大滝の登攀をすることに。
○ 11:20 P出発〜11:30 入渓〜11:45 西多古知大滝下〜12:15 西多古知大滝登攀(3ピッチ)〜14:30 西多古知大滝上〜15:40 西多古知大滝下〜16:00 P

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入渓すぐに大滝。
水量は少ないが、確実に東の百間滝より悪そう。

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左岸側から取付き、下部をトラバース

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1ピッチで大テラスまで。テラスの壁には抜けたボルトがぶら下がっていた。カムでビレイ点を構築。

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続いて吉岡君も果敢に。

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2ピッチ目左岸側へのトラバースとボロボロボロの草付きを処理した後、3ピッチ目はちょっとした乗越であとは快適に落ち口まで。

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最後は懸垂2回で滝下に無事帰還。

◎ 考察
○ 東多古知谷(百間滝)
・フリクションは良い
・カムはよく決まる
・残置のハーケンはほぼ腐りかけ
・中間ビレイ点は芯だけのボルト(ナッツのワイヤーで構築)
○ 西多古知大滝(キャメロット1〜3を2セット、マスターカム0〜5)
・フリクションはまずまず(何回かタワシで磨いた)
・クラックやリスは有るには有るが、フレーク状だったりとプロテクションセットにも注意が必要

令和元年の開幕戦ということもあって、ゆるい感じで行く予定でしたが、結果的に大滝2本をフリーで抜けられ大満足でした。
この冬クライミングに専念した成果が出てるのかな。
今年は大滝の数も増やして、もっといろんな沢を見たいと思います。
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