2019年05月

台高 黒瀬谷

久しぶりに台高エリアで沢登りしてきました。
日程 令和元年5月17日(前夜発日帰り)
行先 台高 黒瀬谷
メンバー OKD(L 、記)、吉岡、N(会外)

令和二戦目の沢はどこにしようかと思案していたところ友人のN氏から「黒瀬谷行かへん?」と連絡を受け、入渓することとなった。

○行程
7:30 白川公民館P〜8:10 入渓〜8:25 15m滝下〜8:30 15m滝登攀(2P)〜9:55 15m滝上〜10:50 25m滝下〜11:30 撤退開始〜14:10 白川公民館P

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林泉寺横の林道へ入り吊橋を渡ります。まぁまぁの高度感。

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吊橋を渡ってすぐ悪目の斜面をトラバースして入渓。アロハシャツに短パンのN氏。相変わらずパンチきいてますね(笑)

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入渓して間もなく15m滝。

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右の凹角から取り付くもかなりのヌメリクション。
ショルダーで残置のリングにアブミをかける。さらに上の曲がったボルトにタイオフでスリングアブミをセットし、1段目の棚に上がればあとはフリー。
上のテラスっぽいところで木の根とカムでビレイ。

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2P目は吉岡君のリード。左上するバンドを伝って落ち口へ。

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巨木の突き刺さった5m滝はフリーで快適。

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水が冷たいので極力へつる。この滝も左側をフリーで。後続はお助け紐を出した。

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「アカーーン」てなっているところ。水流突破を試みるも、首元から侵入した冷水によってすぐに気持ちをヘシ折られた。

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10mトユ状はステミング突破。この直後、吉岡君はスリップして後続のN氏に藤波辰爾ばりのドロップキックを食らわせ、諸共スライダーで釜まで一直線。
その後のCS滝はカムとハーケンの人工で抜けた。

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2段25m。下段は見るからに悪そうなスラブ。その奥はよくわからないけど「突破した記録もあるしなんとかなるやろ。」とか思いながら観察していると…アロハシャツのN氏が今まで見たことないような振り幅でガタガタと震えながら「寒すぎて吐き気がする。全身が攣る。身体動かん。」と。。。デジャヴ⁈ そらそうですわ〜5月の沢にアロハシャツは季節を先取りしすぎですよ。

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テルモスを持ってなかったので、ソッコーで火を起こし暖をとる。
この先進んでも直後の滝でシャワー浴びてそのままビレイしてたら更に冷えることも考えられ、状況は良くならないと判断し撤退することにした。

撤退は沢通しに下降。懸垂支点は要所要所に打たれていて苦労することはなく、下降するうちにN氏の体温も回復し、無事下山することができた。

シーズン二戦目にして撤退となったが、短いながらも人工も交えての登攀を楽しめた。
残した部分については再度訪れて見てみたいと思えるいい沢でした。

考察
・フリクションはすこぶる悪い(一度大水で洗われてからだと大分違うのかも)。
・亀の子よりステンレスたわしがいい。
・短い区間だがゴルジュで陽射しは当たらず寒い。
・ハーケンは浅効きになる所が多く、荷重をかける際は注意が必要(急激に乗り込んだりすると抜ける)
・湯沸かしが面倒ならテルモスは必携だなと反省。

元年の黒部源流の春山

元年の黒部源流の春山  令和元年 5月3日~5日

岡島×2+娘、浦本

 

5/3(憲法記念日) 快晴

新穂高7:30-鏡平13:00

蒲田川左俣は初めての山域でした。これまで穂高や槍に向かう右俣ばかりであった。笠ヶ岳の穴毛谷の荒々しい景観が広角で間近に迫り、滝谷とはまた違った迫力である。小池新道に入る手前の下抜戸沢付近や奥抜戸沢は巨大なデブリの山となっている。

 昨年の11月に大西さん達と槍ヶ岳に行ったとき、西鎌から鏡平が手の届く様な近くに見え、次は鏡平に泊まって黒部源流の山を登ろうと決めていた。この時期は鏡平の小屋や池は雪の下で、樹々も大半は雪に埋もれており、槍から穂高のパノラマを遮るものが無い。

 6テンを張ってメシの準備をしようと、ガソリンコンロに火を点けようとするが、気化したガスが出てこない。ノズルの詰まりかと思ってニードルで突くが貫通しない。分解してガソリン臭い管を口で吹いて詰まり個所を調べると、どうやら本体の火口付近のプレヒート部分の管が詰まっている。無理に使用してガソリンが炎上して火事になっても危ないので、残りのEPIガス2缶で燃料計画を考える。ガス缶2ケを使い切ったら、非常用のメタ1箱でお湯を作ることは可能である。

3泊4日で三俣小屋にベースを置いて、鷲羽と水晶を登る計画である。皆で相談したところ、燃料を心配しながら水晶まで行くのは止めて、ここから鷲羽岳の往復に変更することに変更する。余談であるが、松濤昭の「風雪のビバーク」はラジウス(石油コンロ)の故障が発端である。

ガソリンもガスもヘッドが詰まって使えなくなるかも知れないので、非常用のメタとロウソク、ライターとマッチの携行を奨めます。メタやライターは長期間放ったらかしておくと可燃ガスの気が無くなるので、昔ながらのロウソクとマッチが壊れることも減ることも無く安心。

 そして、コンロは山に行く前に点検すること。今までは山に入る前にガソリンコンロは家で燃焼テストをしていたのに、今回に限って確認しなかった。怠慢をこいた時に限ってトラブルである。

 

5/4(みどりの日) 快晴

鏡平 発4:30-鷲羽岳10:30~11:00-鏡平 帰着17:00

早朝の雪が未だ硬いうちに出来るだけ距離を稼ぐ。三俣蓮華あたりまでは、ひょっとして水晶岳も行けるかも知れないとの楽勝感が沸く。しかし9時頃を過ぎると雪が腐りだしてスピードが出ない。鷲羽から水晶までは楽そうだが、帰路に黒部源流を登り返して更に三俣蓮華を登るのは無理やな、と鷲羽岳を登りながら悟る。

三俣に着いた頃から双六・三俣周辺をヘリが旋回して騒々しくなってきた。まだ山小屋は締まっているので荷揚げのヘリではない。樅沢岳の北面をヘリがホバーリングしている。事故があった様子だ。ヘリはレスキュー隊をデブリの斜面に降ろして、一旦立ち去った。しばらくして再びヘリが飛来し、ホバーリングして直ぐに西鎌尾根を越えて飛び去った。ピックアップできた様だ。

黒部源流は元の静寂に戻った。鷲羽岳の登山者は意外と少なく、頂上は4人の男女のグループだけであった。黒部五郎の方は殆ど人の気配が感じられない。
 天気が崩れる心配も無いので、日暮れるまでにベースキャンプに帰ればよい。

 

5/5(こどもの日) 快晴

鏡平 800 - 新穂高 下山1200

下山はスキーで滑降するので、雪が緩むまでゆっくり出発する。所々バーンで硬いが振子沢で滑りやすい。下るほどデブリが増えるので林道に出る辺りからスキーを脱いで担ぐ。デブリ地帯を抜けたらワサビ平辺りまで再びスキーを履いて平地滑走。

雪が無くなり今シーズンのスキーは終了。山菜採りに商売替えして、コゴミを摘みながら新穂高へ。今度は薬師か黒部五郎にスキーを持って行きたい。
 追記。平湯バスターミナルの温泉は営業中止したのでご注意。 
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 入山          抜戸岳からのデブリ     鏡平への急登を終えて      アタックの朝
 
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 弓折岳付近        鷲羽岳遠望 左が双六岳  三俣蓮華岳から鷲羽へ    黒部川の源

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 鏡平BCを見下ろす    BC撤収         滑降


鈴鹿 東多古知谷&西多古知大滝

令和元年、沢シーズン開幕。
鈴鹿の大滝2本を登攀してきました。

日程 令和元年5月8日(前夜発日帰り)
行先 鈴鹿 御在所岳 東多古知谷&西多古知大滝
メンバー OKD(L、記録)、吉岡

◎ 東多古知谷
前夜、友人2名から連絡を受け偶然同じ谷を遡行するということで我がパーティ含め合計4名が入渓することとなった。
○ 6:00 起床〜7:00 P出発〜7:30 入渓〜7:35 百間滝下〜7:40 百間滝登攀(2ピッチ)〜8:40 百間滝上〜9:30 10m滝〜10:00 表道登山道合流〜11:00表道登山口

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ガードレール脇の表道登山口から入り、すぐ右へ逸れて沢へ下りていく。

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小滝を越えるとすぐに百間滝に到着。

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右の斜めクラックにジャミングを決め、一段上がった後は左岸側水流沿いを登攀。
水は予想以上に冷たく日陰は寒すぎ。

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途中、ボルトの芯だけ打たれた中間支点でピッチを切り、合計2ピッチで落ち口まで。

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名前も知らない小さくて綺麗な花がたくさん咲いていた。

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10m滝はノーロープで快適に。

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小滝をサクサク越えて。

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あっという間に表道に合流して下山。

◎ 西多古知大滝
東多古知谷の遡行が予定より早く終わったので、隣にある西多古知大滝の登攀をすることに。
○ 11:20 P出発〜11:30 入渓〜11:45 西多古知大滝下〜12:15 西多古知大滝登攀(3ピッチ)〜14:30 西多古知大滝上〜15:40 西多古知大滝下〜16:00 P

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入渓すぐに大滝。
水量は少ないが、確実に東の百間滝より悪そう。

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左岸側から取付き、下部をトラバース

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1ピッチで大テラスまで。テラスの壁には抜けたボルトがぶら下がっていた。カムでビレイ点を構築。

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続いて吉岡君も果敢に。

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2ピッチ目左岸側へのトラバースとボロボロボロの草付きを処理した後、3ピッチ目はちょっとした乗越であとは快適に落ち口まで。

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最後は懸垂2回で滝下に無事帰還。

◎ 考察
○ 東多古知谷(百間滝)
・フリクションは良い
・カムはよく決まる
・残置のハーケンはほぼ腐りかけ
・中間ビレイ点は芯だけのボルト(ナッツのワイヤーで構築)
○ 西多古知大滝(キャメロット1〜3を2セット、マスターカム0〜5)
・フリクションはまずまず(何回かタワシで磨いた)
・クラックやリスは有るには有るが、フレーク状だったりとプロテクションセットにも注意が必要

令和元年の開幕戦ということもあって、ゆるい感じで行く予定でしたが、結果的に大滝2本をフリーで抜けられ大満足でした。
この冬クライミングに専念した成果が出てるのかな。
今年は大滝の数も増やして、もっといろんな沢を見たいと思います。

2019.5.8-9 鹿島槍ヶ岳東尾根

2019.5.8-9 鹿島槍ヶ岳東尾根
北アルプス 後立山連峰 鹿島槍ヶ岳東尾根の山行記録
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こんにちは、岩瀬琢海(以下、岩瀬た)です。
鹿島槍ヶ岳に行って来ました。
積雪期バリエーションクラシックルートの東尾根。
調べれば調べるほど「これなら行けそうだ、行きたいな。」と思うようになり、自分の力量を確認するためにも単独での入山としました。

当日は天気も良く、東尾根からの入山者は自分だけ。
じっくり山登りを楽しむことができました。

以下、山行記録です。
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◎メンバー
岩瀬た

◎行程概要
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・5/7
21:40 大阪梅田 夜行バス出発

・5/8「松本〜大谷原〜第二岩峰基部」

+10℃〜上部–2℃
下部微風、上部度々強風
6:10 松本 到着
6:28 松本→信濃大町 電車
7:39 信濃大町→大谷原 タクシー
8:15 大谷原登山口 到着
9:00 入山
13:00 一ノ沢の頭
14:30 ニノ沢の頭・仮眠
17:00 ニノ沢の頭 出発
18:00 第一岩峰
19:00 第二岩峰基部 テント泊
22:00 就寝

・5/9「第二岩峰〜鹿島槍ヶ岳〜西沢〜下山」
曇りのち晴
-6℃〜+10℃
上部強風
3:45 起床(寝坊)・朝食
5:00 テント撤収・出発
6:45 鹿島槍ヶ岳北峰
7:45 鹿島槍ヶ岳南峰
9:30 冷池山荘・休憩
10:00 冷池乗越・西沢下降
11:30 西又出合
13:00 大谷原登山口・下山完了

◎行程詳細
・5/8
バス・電車・タクシーを乗り継ぎようやく大谷原登山口に到着。
今季、後立山は3度目。こんなに来ることになるとは正直思ってなかった。
よーし頑張るぞ。

赤岩尾根への登山道を20分ほど歩き、ピンクテープのあるところから急登のヤブに分け入る。
石楠花や熊笹をかきわけかきわけ、緩傾斜になってきたところで雪がつき始める。
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今季はこの時期にしてはどうやら雪が多い方らしい。天気予報などでも例年より2度ほど低いとのこと。ラッキーだ。
踏み抜きに気をつけつつしばらく歩いて一ノ沢の頭へ。
ここからは雪の乗った松や笹の踏み抜き、痩せたスノーリッジ、雪庇に神経を使う。
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ようやくニノ沢の頭(2177mピーク)に到着。
鹿島槍に続く尾根が見渡せる。
日が昇り気温も高く、進むのを少しためらうような雪の柔らかさ。これでは雪壁登高は不安だ。
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とはいえ、想像通りなのでゆったりした気分でエアーマットを取り出して寝っ転がる。風は穏やかで暖かい。うたた寝。
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1時間ほどたったところで、風が吹き出し寒くなってきたので穴を掘ってスノーブロックで風除けを作り、さらに寝る。今日は少し夜間行予定を組み込んで、"寝られる時に寝とこう作戦"だ。
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17時、今から登る雪壁が日陰になったのでギア類を身につけて出発。
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しばし歩いて緩傾斜の雪壁にとりつく。気温は0度。もう少し下がってて欲しかったけど、まぁ良いだろう。雪もいくぶん締まり始めてるので第一岩峰につくころには安心できる硬さになってるはず。
18時、第一岩峰の基部到着。ー2度。よしよし、良い感じだ。
出だしは簡単な岩登りで、その後に緩い傾斜の雪壁だ。荷物を背負ったままサクッと登る。
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第一岩峰を過ぎ、ダブルアックスでのトラバース混じりの長い雪壁の登高。まぁまぁの斜度。
北俣本谷まで遮る物がないからか、第一岩峰よりも緊張感がある。
雪が締まるのを待って良かった。グズグズだと少し怖そうだ。
第二岩峰までもう少しというところで暗くなり、ヘッドライトでの行動になる。ナイトクルージング。風も強くなってきた。
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19時、ようやく第二岩峰に到着。
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急いでテント場を設営。
思ってたよりも風が強いので、一生懸命床を掘り下げブロックを積み上げる。
1時間半ほどでどうにか安心できるくらいの壁を作ってテントに潜り込み、一息ついて夜ご飯。
さすがにちょっと疲れていて、珍しくあまり食欲が湧かなかったけど、明日のためと思いアルファ米にインスタント豚汁と乾燥野菜を入れたものとカルパスとチョコレートを食べて就寝。結局結構食べてた。


5/9
3時、目覚ましで一度起きるも二度寝してしまった。痛恨のミス。しかし、風が強くて寝られないかなと思ってた割に全く目を覚ますことなく熟睡できた。
4時前に再び起きて、棒ラーメンを胃に詰め込んで白湯を飲み、急いで準備してテント撤収。もう明るい。
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さて早速第二岩峰だ。
前調べでは、チョックストーンの乗越が被っていて難しいらしい。ロープを出すならここだと思っていた。
ひとまず、問題のチョックストーンの直下まで行く。
なるほど、確かに被っているけど、ホールドも多いし足置くスタンスも問題無さそうだ。
でも荷物を背負って登るのは辛そうだったので、メインロープは出さずバックロープだけ引いて空身で登る。
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チョックストーンを乗っこしたところに残置ハーケンがビシッと打ってあったので、セルフビレイをとって3分の1システムで荷上げ。
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あとは荷物を背負って無難に第二岩峰を乗っ越す。
ここからは雪稜。
右手に北壁の上部を見ながら雪庇に気をつけていくつかピークを越える。
息を切らせながら一歩一歩進んで、ついに鹿島槍北峰に。風が強い。
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一息入れたいけれど、まだ我慢。
南峰の登りが斜度のある雪壁で、締まっているうちに取付きたいところだ。幸い太陽は雲に覆われていて直射日光は当たっていない。まだ気温もさほど高くないし今のうちだ。
強風に巻き上げられる雪煙に顔面をバチバチ打たれながら吊尾根を進み、南峰取り付きへ。
実際に登ってみると、雪壁というよりも岩の中にところどころ雪や氷がついている斜面といった具合だ。方角的にも北面で、日もそんなに当たらないだろう。こんなに急がなくても良かったかもしれない。
アックスとアイゼンを効かせながら登って南峰頂上に。
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ぐるり一周、展望を楽しむ。独り占めだ。
疲れのせいか感動のせいか、はたまた吹き付ける強風のせいか、地球すごいなぁと思って不覚にも少し涙ぐむ。
がしかし、まだ終わってない。距離で言えばまだ半分だ。赤岩尾根取り付きのトラバースも待ってる。西沢の具合はどうか。太陽は雲から顔を覗かせ、いよいよ照りつけてくる。

稜線を歩き、9:30、冷池山荘に到着。
不思議なことにここは風が穏やか。
ギア類をザックにしまって、ようやく座りこんで大休止。
当初ここでテント泊する予定だったけど思ってたよりだいぶ早く着いたので、下山することにする。そうと決まれば善は急げ、雪が緩み切る前に行かなくては。
この、次へ次へと進むのはもうクセだ。ゆっくりすることがどうにも下手くそだ。

道直しの作業に行くのか山荘の人が通りがかったので、赤岩尾根や西沢下降について聞いてみるけど、これといって真新しい情報はなく、やはり自分の目で見て判断となる。

冷池乗越から赤岩尾根へのトラバースに踏み込む。
グズグズ寸前の雪で、若干ビビりながら駆け抜けてホッと一息。
西沢を見下ろすも、さっきのトラバースを思い出すとやめといた方が良さそうだなぁととりあえず赤岩尾根を忠実に下る。しかし赤岩尾根もそんなに良くない。結構急傾斜だ。
西沢に降りられる支谷を「降りたいけど我慢我慢。安全第一。」と思いながら何度か通りすぎるも、4、5番目くらいの箇所で、傾斜も割とゆるやかなところがあったのでちょっと下ってみる。
「ちょっとだけ、ちょっとだけ。ダメそうなら登り返すだけだし。」
と思いながらしばし歩くと、思いの外、雪は緩んでいない。さっきのトラバースとは全然違って、これはいけると踏む。
でもやっぱりなんとなく怖いので雪崩の流心になりそうなところと踏み抜きそうなところを避けて大急ぎでガンガン下る。
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支谷を下りきって本谷に入ると、だいぶ前に雪崩たらしい広いデブリ帯に出くわす。
いろんな形の雪の塊を見て、なんかSF映画みたいだなぁ。と思いながら降りる。
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そしてついに西俣出合に到着。対岸には林道が見える。もうすぐだ。
綺麗な雪解け水がザブザブ流れて行き、爽やかな光景で季節の移ろいを感じさせてくれて、心も和む。
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しかし、ここで大きな誤算に気づく。
あともう少しというところでついに抜け目が出てしまった。万事休す。

対岸まで雪が繋がっていない。
僕は、渡渉が苦手だ。簡単な飛び石ですらちょっと躊躇してしまうくらいだ。

いや〜弱ったなぁ。と思い、飛び石で渡れそうなところを探すも見つからない。
1時間くらいかけてようやく心を決め、1番浅そうなところに目星をつけて、昨年の秋に行った元越谷の遡行や3月の名張の渡渉を必死に思い出す。
「流れが早そうに見えても意外と大丈夫。大丈夫大丈夫。」
と思いながら荷物をまとめていざ入渓。

膝くらいまでの深さで、ビビってるほどには流れも強くなく、大した苦労もせず渡渉できました。ふう。
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そこからは林道をしばらく歩き、13時大谷原登山口に無事到着。

下山完了。

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以上、山行報告でした。


今回、単独での入山をするにあたって、会の役員の方々や、この春の山行を連続で引き受けてくださったH.Iさんにもいろんなアドバイスをもらい大変心配をおかけしましたが、無事に終えることができて良かったです。
また、昨年夏から今までにかけて、フリークライミングやマルチピッチクライミング、ボルダリング、アイスクライミング、年越の低温山行、トラッドクライミング、歩荷トレーニングなど、いろんな人と行った山行で得た経験をうまく活かすことができて、みなさんにありがとうございますと言いたいです!
みなさん、来シーズンはもっとたくさんバリバリ冬山行きたいですね!スキーもしてみたい。

さて、これで僕は今シーズンの雪山は終わりにして、フリー/トラッド/アルパインのクライミングを中心に夏に向けての活動に切り替えようと思います。沢登りの経験も少しずつ積まなくては、、、と思ったり、ビビったり。
引き続きよろしくお願いします!


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2019.5.1~3 五竜岳東面GⅡ中央稜

2019.5.13 五竜岳東面GⅡ中央稜 メンバーT.II(記)

 

 

杓子尾根からの帰り、今季もう一つ冬山をということで五竜岳を思いつく。

次のステップに良さそうなG0稜とGⅡ中央稜の2本立てで計画する。

しかし、またもや後立山の荒れた天候に翻弄される山行となった。
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5月1日(水)曇り時々雨

前回の杓子尾根と同じく低気圧の通過直後の入山となる。

テレキャビンは、往復1,800円也、5日間有効。

テレキャビン終点から地蔵の頭まではスキー場脇を歩く。
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地蔵の頭付近から雨がポツリと降り出す。本降りでないのが不幸中の幸いか。

初めの急登を登り切ると、小遠見山まで雪庇の発達した稜線が続く。

連休前半のトレースが複数付いており、有難く辿らせて貰う。
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視界はそれ程悪くないのだが、目指す五竜岳は霧の中だ。

小遠見山で休憩を挟み、一旦下って中遠見山へ登る。

中遠見山を過ぎると、大きく下って大遠見山へ登り返し。

寝不足おっさんの身体には堪える。
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大遠見山で一息入れていると、一瞬晴れ間も出て、鹿島槍と五竜がドーンと見えた。

ここから傾斜も緩くなり、西遠見山までは何処でもテントが張れそうだ。

我々は、西遠見山手前の平坦地にあったテント跡をお宿とする。

雪ブロックを高く積み上げたが、気温が高く、直ぐにブロックが隙間だらけとなる。

じっくり時間をかけて再整地してテントを設営し、一服する。
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翌日の登攀に備え、トレースを付けに空荷で出かける。

標高2,200mのラインをトラバースしていったのだが、左は結構な急斜面である。

暫くトラバースして、西遠見山から西南西に落ちる下降ラインに見当を付け、一気に100m程下る。

雪が適度に緩く、壺足で歩けるのでいいが、凍ったらバックステップで下りなければ怖い。

白岳沢を急いで横断し、G0稜へ登り返す。

登りのラッセルはT.I君にお任せだが、相変わらず追い付くのが大変だ。

トレースはG0稜取り付きまでとし、テン場まで戻る。

夕食は、T.I君が担ぎ上げてくれた鳥味噌鍋で温まる。

鍋に入れる野菜を小袋に丁寧に小分けして持参するのが如何にもT.I君らしい()

低気圧は通過したが、明日、午前中まで天気が悪く、午後から回復傾向の予報。

前回と同じ傾向の天気図と予報に、ちょっとまずいなと思いつつ眠りに着く。

 

コースタイム:アルプス平駅09150945地蔵の頭~1100小遠見山~1145中遠見山~1230大遠見山~1335標高2,200m付近BC16001645G0稜取付~1715BC

平面距離:6.41km、累積標高:(登り)1,022m、(下り)362m


 

5月2日(木) 雪後晴れ(強風)

最近、どうも山での眠りが浅い。

夜半過ぎから、再び雨が降り出したと思ったらどうも様子が違う。

テントを流れ落ちる音から雪だとわかる。

0300に起きて外を確認すると、あられ雪が降り積もり、強風で視界も悪い。

塩ラーメンを食べて様子を伺うも、状況は変わらず沈殿ムードが漂う。

いつの間にか雪山は厳冬期シュラフでしか眠れないと言っていたT.I君が着の身着のままで爆睡している。

思わずツッコミたくなったが、我慢する()

だが、しまいには2人とも再びシュラフを出して本気寝モードとなる。

うとうとしていると雪が止み太陽が顔を出したのだが、変わって猛烈な強風が吹き荒れる。

爆睡するT.I君を起こして様子を伺うが、風が強過ぎて外に出るのも億劫な気持ちになる。

再びうとうとしていると、いつの間にかヤル気モードに切り替わったT.I君が、登山道で五竜岳でも行こうと誘う。

全然!?乗り気じゃなかったが、T.I君の熱意に押され渋々テントを出る。

雪で埋まったトレースを辿り、西遠見山に登ると強風で身体がよろめく。
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先行ラッセルするT.I君は、元気一杯で白岳への急登を登って行く。

トラバースルートの雪崩を警戒し、白岳へ直登して雪庇を越えると、爆風がお出迎え。
厳冬期なら、短時間で低体温症に陥れるレベルだ。
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凍てつく強風に雪は飛ばされ、所々氷化した登山道をよろめきながら進む。

しかし爆風が吹き抜けていく標高2,550m付近でギブアップ。
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斜面の雪質も安定してそうだったので、帰りは山荘からのトラバースルートを選択して下る。
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夕食は、もはや定番となったおでんとうどんで満腹になるが、2人とも明日の天候が気がかり。

明日も風が強い予報であり、全く登れず敗退も頭をよぎる。

爆風が収まっていたら、何れかの稜に取り付こうということで就寝する。

 

コースタイム:BC11001115西遠見山~1230白岳~1250標高2,550m1355西遠見山~1410BC

平面距離:3.56km、累積標高(登り)510m(下り)510m

 


5
月3日(金) 晴れ(強風)

0230に目覚めると、星空が綺麗に見えるが爆風は変わらず、やっぱりダメかと諦めムードが漂う。

カレーラーメンを食べて暫く待機。

すると、心なしか、強風が吹く間隔が広がり、収まる傾向が見え始める。

登れるリミットタイムが近づき、決断するなら今しかない。

T.I君にGⅡ中央稜の話を振ると、行きましょう!との回答。

これで自分の腹も決まる。

例え時間がかかっても、2人でGⅡ中央稜を登り切り、今日中に無事、下山するのだ。

素早く準備してGⅡ中央稜向け出発する。

一昨日付けたトレースはすっかり降雪で埋まり、例の急斜面は氷化していたので、バックステップで慎重に下る。

俄然ヤル気のT.I君は、ズンズン進んで行く。

更に2つの沢をトラバースして急斜面を登り、見当を付けていたAルンゼへ。
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雪の切れ目に気休めのハーケンを打ち、T.I君リードで登攀開始。

雪壁に適度な間隔スノーバーを打ち込みながら、約40m登った所の灌木でビレイ。

次のピッチは這松帯を右上すると2人とも思い込んでいたのだが、早過ぎた。

更に雪壁を左上すべき所を下部の這松帯を右上してしまう。

25m程延ばし灌木でビレイするが、どうも這松帯が切れる気配がない。

次のピッチは更に藪が濃くなり、所々傾斜も強く、よくこんな所登ったなと思える悪場で消耗する。

ここで右に寄り過ぎたと判断し、T.I君が被った岩を気合いで乗り越え左にトラバースして行く。

声が届かないのとロープが重くなったので、一旦短くピッチを切り、更にトラバースを続ける。

リードするT.I君から稜線まで少しです!との声が入り、ホッとする。

雪庇下のT.I君を越えて、雪壁と這松帯のコーナーを右上して行くと強風が吹き抜ける稜線に出た。

這松帯を一登りし、雪の付いた緩傾斜地で漸く一息入れる。

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続く急な這松帯を藪漕ぎしながら登るが、途中から嫌気が差し、左の雪壁にルートを取る。
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T.I君が急斜面で用足しをしている間に、急な雪壁と這松帯を繋ぎ、浮石の多い岩稜帯に出る。

ここは右の岩稜帯にトレースがあったようだ。
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一息ついていると、悲しいかな、あっという間に追い付かれる。
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再び這松帯が始まり、途中で右の雪壁にルートを取る。
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これを抜けると左から広大な岩礫のザレ場が広がる左稜が合流する。

登るとガラガラと崩れるザレ場に気を遣いながら右上し、続く這松帯の急斜面を登る。

這松帯を越えて雪壁を辿ると待望のGⅡの頭が見えた。

岩峰の右に付いた雪壁を登り、細いリッジを右にトラバースすると最後の約20mの雪壁へ。
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左下は急な雪壁が切れ落ちていたが、時間も押しているので、ダブルアックスで這い上がる。

そして無事稜線へ到達し、T.I君とガッチリ握手する。

既に時刻は1200で、下山時間と体力を考えると自分は頂上を踏んでいる暇はなさそうだ。

まだまだ余裕のあるT.I君に頂上を勧め、自分はゆっくり下山を開始する。

GⅡ直下の斜面トラバースは強風で氷化しており、バックステップで慎重に下る。

山荘前で一息ついていると、山頂からT.I君が下り始めるのが見え、あっという間に悪場を通過して近づいてくる。
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悪場通過を見届け、下山の白岳トラバースに入る。
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トラバースを終えて急斜面を下っていると、いつの間にかT.I君に追い付かれる。

ついさっきまで、山荘前で休んでいるのが見えていたのに、走って下りてきたと言う。

予定では、テン場付近で追い付かれる筈だったのだが・・・やれやれだ。

登ってくる沢山の登山者と擦れ違いながら、ヨレヨレでテン場に戻る。

付近は一大テント村が出来上がっていた。

一息ついて、急いでテントを片付けるが既に時刻は1420

どう頑張っても1600最終のテレキャビンに間に合いそうにないが、どうもT.I君は諦めていないようだ。

ズンズン先を歩き、おっさんに無言の圧力⁉をかけてくる、もっと早く歩けよ!と・・・。
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どうせ間に合わないからと中遠見山で休憩を挟んでも、未だ諦めていないらしい。

トボトボと小遠見山からの稜線を下っていると、先行するT.I君がスマホを見ながら嬉しそうな声で、最終1630ですから間に合いそうですよ!と叫ぶ。

お、この距離なら間に合うかも⁉と残り僅かな気力を振り絞って急いで下ると、嬉しいことに最終前に滑り込みセーフ。

ゴンドラに揺られ、楽チンであっという間に下界の駐車場へ到着。

帰りは近くの白馬竜神温泉で汗を流し、途中、梓川SAで夕食を食べ、眠い目を擦りながら運転して帰神。

今回は眠気に勝てず、やむを得ず⁉T.I君に帰りも運転していただきました()
 

コースタイム:BC04350540GⅡ中央稜Aルンゼ取付~0910GⅡ中央稜上~1150GⅡの頭横~1225五竜山荘~1320BC14201435大遠見山~1510中遠見山~1533小遠見山トラバース~1620アルプス平駅

平面距離:10.5km、累積標高(登り)990m、(下り)1,500m

 

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大陸からの寒気が入った時の後立山の天候の厳しさは相変わらず。

完全敗退で虚しく下山となるところだった。

しかし、天候とタイミングを見極め、無事、目標であったGⅡ中央稜を越えることができて本当に良かったと思う。

GⅡ中央稜上は雪が殆どなく這松の藪が凄かったので、もう少し雪のある時期が適期だろう。

同日G0稜を登ったパーティの話では、同じく藪尾根だったとのこと。

T.I君にはルートミスと体力差で若干足を引っ張った形となり申し訳ないことをした。

T.I君ありがとう!また懲りずに次回もよろしく!
備忘画像です。今後の参考まで。
五竜岳G2中央稜

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