2019年08月

2019.8.19 吉野川水系銅山川瀬場谷

2019.8.19 吉野川水系銅山川瀬場谷 メンバーT.I、I(記)



7月初旬から計画を立てていたものの、梅雨空で2回流れた瀬場谷。

久し振りに予定の合ったT.I君と愛媛の名渓に挑むことにする。

台風後で水量が多かったが、噂以上の滝が連続する良い沢でした。

 

819日(月)曇り時々雨

深夜、瀬戸大橋を越えて愛媛県に入り、瀬場登山口に車を停め、仮眠する。

明け方、車を叩く雨音に目を覚ます。

昼頃から雨予報だったはずだが・・・やっぱり雨か・・・。

0630セットしておいた目覚ましを合図に準備を始める。

T.I君は、毎度のごとくシートを広げ登攀具等を要領よく準備していく。

その脇で、あれはどこだったかな?と荷物を探りながら準備する自分とは大違いだ。

要領よく準備を始めたT.I君だったが、何故か突然、焦り始める。

訳を聞くと、登攀用ザックを忘れたとのことで、いたくショックを受けている様子。

自慢できる話ではないが、最近、山に行く度、忘れ物など、しょっちゅうである。

そんな慰めも、T.I君にとっては、あまりフォローにならなかったようだ。

寒そうだったので、予定より着込んで0730ころ、出発する。

登山道を少し登り、右岸の斜面を下って入渓する。
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連続する滝にテンションもあがるが、意外と水温が低く着込んで正解だった。

310m滝は、T.I君が登るというので、釜を泳いで左岸でロープを準備する。

近付いてみると思った以上に水量が多く、吹っ飛ばされそうだったので、諦めて右岸を高巻く。
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続く3m滝は、滝の左を登る。
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415m滝は、右岸のルンゼから高巻く。
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小滝を越えて暫く進むと、水取入口、釜を泳いでシャワーを浴びながら越える。
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少し進むと八間滝50mが堂々と姿を現す。
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暫し、堂々たる流れを眺めて、ここも大人しく右岸高巻き。

ガラガラのルンゼを岸壁手前まで詰め上がってから右手にトラバースする。

抜け口を探していると、T.I君が被り気味の岩の割れ目に登路を見出す。

ロープを出してT.I君リードで抜け、斜面を越えると、ドンピシャで滝の落ち口に出た。

毎度、T.I君の確かなルート取りには助けられる。

斜滝5mに果敢に挑むT.I君、自分は滝左手の岩を巻き登る。
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続く3m滝もT.I君は果敢挑むが、水量に圧倒され敗退。
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8m滝は、ロープを出してT.I君が登るが、中段から苦戦していたので、戻って来てもらい、右岸を高巻く。
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4m滝は、滝の裏側を右から左に抜け、滝の左手を登る。抜け口が少しいやらしい。
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310m滝は、左から巻き上がる。
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3
12m滝は左から越えて行く。
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続く連瀑帯を越えて行くと最初の登山道(木橋)が横切る。
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登山道を越えて直ぐの25m滝は、水流の右を越える。
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10m滝(斜滝27m?)は、T.I君がロープを付けて、激流の中を、ハーケン、ボルトナッツ、カムを駆使して越える。

セカンドで登ったが、物凄い水流で、上段では、滝に打たれながらのハーケン回収に苦戦した末、落としてしまい、T.I君には申し訳ないことをした。
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その後は、ナメ滝が出てくる。

岩間6m滝は、右から巻き上がる。
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斜滝4mは、右岸をへつり、左から巻き上がる。
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釜を持った7m滝は、右から巻き上がったが、T.I君は右のクラックを登って越えた。
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斜滝4mを越えると、明るい斜滝15×30m
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ここで小休止を挟み、滝の右を攀じ登る。

20m滝は右岸を高巻く。
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8m滝は水流左を登り、続く斜滝を水流を縫うように越えると2回目の登山道が横切る。
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これを越えると、今までの滝オンパレードとは打って変わって、癒し系のナメが続く。
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ナメ滝22m
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3m,5m,7m
は右から越えて行く。
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その後ナメと穏やかな滝を30分程進むと3回目の登山道が横切る。
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無事、遡行終了点まで辿り着き、T.I君と握手を交わして、ほっと一息つく。

靴を履き替え、下山開始。

トポでは、下山1時間弱とのことだったが、登山口まで2時間近くかかってしまった。
疲れ切ったオッサンとは対照的に、楽しそうにiPhoneでミュージックを聞きながら、例のシートを広げて装備を片付けるT.I君であった。

温泉が近くになかったので、四国中央市内のラーメン店で腹を満たし、時折、睡魔に襲われながら帰路に着く。

 

コースタイム:駐車地(標高650m07300900八間滝09501040二俣~1110登山道(1回目) ~121010m12301330斜滝15×30m13501415登山道(2回目)~14252条ナメ滝~1505登山道(3回目)(標高1,380m15251710駐車地

平面距離:8.48km、累積標高(登り、下り)1,670m

 

 

トポに書いてあった「まるで沢登りに用にできたような谷」まさしくそんな沢だった。

2回目の登山道を横切るまでは、滝また滝の連続、それ以降は癒し系のナメ。そしてヒルもいない。

関西からは少し遠いが、行ってみる価値は十分にあると思う。

15年前、会に入りたての頃、大先輩達に連れられて登った床鍋谷以来の愛媛の沢登り。

あの時は、遡行後の東赤石山の稜線から見える景色に感動したものだ。

T.I君、毎度ありがとう!次回もよろしく!!

2019.8.19 銅山川瀬場谷

2019.8.19 銅山川瀬場谷
愛媛県 赤石山 銅山川 瀬場谷 の遡行記録

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こんばんは、岩瀬た、です。
残雪期の杓子岳と五竜岳ぶりに、Iさんと沢登りに行って来ました。
瀬場谷、滝に次ぐ滝の後に美しいナメ床が広がる、ドラマチックな沢でした。
天気はあまり良くありませんでしたが、登れそうだなと思った滝には取り付いたりしてハーケンワークもできたし、存分に楽しむことができました。


以下、遡行記録です。

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◎メンバー
岩瀬た(L、記録)
I


◎装備(主な物)
40mロープ
20mロープ(予備)
カムc4#0.3-1(ちょいちょい使った)
ボールナッツ1セット(無くてもいいけど使ってみた)
ネオプレンジャケット
水中眼鏡


◎行程概要
・8/19
2:00 駐車地到着・仮眠
6:30 起床・準備
7:30 出発・入渓
9:00 八間滝
12:00 2段10m滝
13:30 斜滝15x30m
14:30 ナメ床
15:30 遡行打ち切り点
17:30 駐車地


◎行程詳細

仕事を終わらせ、姫路にて合流。一路瀬場を目指す。
2:00瀬場に着き、眠る。

6:30起床して、朝ごはんを食べて準備をすると、入渓用のザックを忘れていることに気づく。今まで必須装備の忘れ物なんかしたこと無かったので地味にショックだ。
しょうがないので移動用の65Lのザックに荷物を詰めて入渓。
これが意外と良い具合だった。背面の板を抜いてサイドベルトを締めると中身が少なくても背負いやすい。最近80Lのザックを買ってからは山行では使ってなかったけど、これからは泊まりの沢などで活躍しそう!

7:30、瀬場登山口から入って、傾斜の緩いところから入渓。
いくつかの滝を登ったり小さく巻いたりしつつ、連続する滝と格闘。
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だいたい釜から取り付く。

9:00、ようやく八間滝に到着。
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登攀ラインを考えたりしつつ、上部が難しそうだったので今回は見送ることにして右岸を巻く。
割と高巻きで、途中凹角部分の直登はロープを出して登る。トラバースを交えてほぼぴったり八間滝の落ち口上部に降り立つ。
落ち口は短いながらも急流のゴルジュになっている。
しばし右岸沿いに岩棚を歩いて流れが穏やかになったところで再度入渓。

その後も、ロープ出したりしつつ、直登したり巻いたり。滝また滝だ。
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そうして、ボチボチ昼休憩したいなぁと思ったところで、爽やかな斜瀑に至ったので休憩。昼飯など適当に食べる。
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15分ほど休憩して、斜瀑右側を歩いて越える。

そしてまた滝。
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しばらく進むと、眼前に長いナメ床が。
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ナメ床というのをあんまり見たことありませんでしたが、こんなに綺麗だとは!
癒されつつ、3m・5m・7mの滝を越えて、だんだん水が少なくなってきて、15:30、3度目の登山道が交差したところで遡行打ち切り。

そこから登山道をしばらく歩いて、17:30、駐車地に戻って来ました。

下山完了。

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以上、山行報告でした。

振り返ると、5mから10m前後の滝が多くて遡行中も遡行後に写真を見返しても、どれがどの滝かよくわからないほどです。(僕が把握できてないだけですが、、、)
ロープを出して登る場面も多く、一見して難しそうな滝は巻いて過ごしました。
1泊2日の予定などにして時間に大きく余裕をもたせ、八間滝含め、全ての滝の直登に挑戦してみても楽しそうです。
登り疲れた後に現れるナメ床にも大変癒され、
感動的な沢でした!!


そして、行きと帰りと結局運転を全てして頂いて、僕は睡魔に耐えきれずほぼ寝ているというあるまじきことになってしまったので、普段から睡眠をもっとちゃんととろうと思いました!!
Iさん、ありがとうございました!!!




由良川源流 ゲロク谷右又

京都北山 由良川源流 ゲロク谷右又    2019年8月4日  T、Y吉、T内(会外)


 前回、図らずも刑部谷をゲロク谷と間違え、源頭部に至るまで気づかなかったこと
に反省し、今度こそはとゲロク谷を目指す。
 前夜11時に須後駐車場に集合し、またもやプチ宴会をして蒸し暑い山奥で寝る。
 朝6時起床。7時発。(ゲロク谷は遠いのでもう1時間出発を早めるべきだった)
 2週間前のことを昨日のことのように感じながら、マンネリ化したトロッコ軌道跡を
トボトボと歩く。やがて刑部谷が現れた。今回は間違いようがない。そこを過ぎて
暫くで、カズラ谷が右から流れ込み、少し奥で右又にとると、そこがゲロク谷だった。
 相変わらず目印も何もないのが嬉しい。ゲロク谷はやや手応えのある滝が連続して
お出迎えしてくれるので、対応に疲れる。6m以上になるとフリーでは落ちられないので
真剣に考えねばならない。滝を触ったり、落ち口で合掌したり、1m上がって敗退、
お後は高巻きと、色々な定番コースを繰り返しながらややこしく、厭らしい地形を左より
巻いて降りると、そのあたりが左右の二股のすぐ上部だった。出だしからやたらと
倒木が多く、滝の風情がかなり損なわれている。おそらく台風被害の為だろう。
 沢登りというよりも、倒木跨ぎ越えだ。右又取り付きに秀麗な7m滝があったので
上からロープを垂らし、安全確保して登るとそれほど難しくはなかった。その後も
綺麗な滝は数多く出てくるのだが、すべてが倒木に挟まれ、興ざめも甚だしい。
 また沢中も不快害虫類が多く、どうもすっきりしない。風の通りも悪いようだ。
 この辺は前回の刑部谷とはえらい違いだ。沢登りでは有名なゲロク谷ではあるが、
台風被害か現在ではあまり快適な沢とは言えなくなってしまっているようだ。水も
やや汚い。途中の巻きも悪く、ロープは4P程出した。T内さんに張り切ってリードして
もらったが、ハーケン打ちも的確で、カムのセットも要領よく、進歩が感じられた。
 ただ、滝の上と下でコールの手順を事前に決めておかなかったので若干手間が
かかった。(コールと笛による)。岩は全体にヌメヌメで、ゴム底の沢靴なら大変
だろうと思われえる。やがて空が見えだし、そこからなかなかに遠く、やっと稜線
枝尾根に着いたのは15時前だったか。途中あまり休憩も出来ず、全体的に忙しなく
虫の多い沢だった。枝尾根を歩くこと約3時間で須後の駐車場に戻り、解散する。

 
NOTES
  技術的にはこちらの方が上だが、谷が荒れた現在ではあまり遡行に解放感
  はない。雰囲気は圧倒的に刑部谷の方が上だった。
  滝を登るには、ハーケンやカム等が要るが、あくまでも自然保護の必要な
  研究山域なので人跡を残すことは避けたい。とはいってもひとたび台風災害
  に見舞われれば、沢の風情も跡形もなく削り取られるので、改めて自然の
  力の物凄さを実感させられた。
  帰って2,3日してもまだ背中のかみ跡が痒い。何の虫だったのだろうか。。

 


由良川源流 刑部谷

京都北山 由良川源流 刑部谷     2019年7月29日  T、Y吉


 京都北山にある、ゲロク谷を登る予定だったが、結果的に一つ手前の刑部谷を登っていた。
 谷を間違えたことは残念ではあるが、刑部谷そのものはこじんまりとはしているものの、
出てくる滝は皆流麗で、巻きもほとんどなく直登でき、遡行する価値のある沢だった。
 7月28日夜、伊丹出発。下道を3時間ほどで、芦生の須後駐車場に到着。車の中で
小宴会をして、1時過ぎに寝る。一晩中エンジンをかけてエアコンを入れていたため
快適ではあるが多少は芦生の空気を汚したかもしれない。
 翌日6時起床、7時出発。トロッコ軌道跡を約1時間ほど歩き、刑部谷と思われる枝沢を
通り過ぎ地図通りにゲロク谷(カズラ谷)が現れたので、迷うことなくゲロク谷に入る。
(と思ってたのは大きな間違いでそこは刑部谷であった)
 Y吉さんが二種類の本からカンニングペーパーをコピーしてくれていたので、あり難く
使わせて頂く。カンニングペーパー通りに次々と小滝が現れ、水も冷たく景色もよく、
何より直登できるのがうれしい。滝の高巻きは危険で全然楽しくない。十数個の滝を
越え、目指す二股の10㎡滝は何処かいなーと進んでいくと、何やら源頭部臭い。
 あれ?沢はこれからのハズ?と思うが向こうに空も見え隠れしている。うーむ、
おかしいということで二人でそれぞれ高度計やGPSで現在地を確認してみると、ほほ
同時に刑部谷の源頭部にいることを確認し、驚きの声をあげる。あちゃー。しかし沢自体は
流麗だし、特に紅葉の季節はそれほど濡れることもなく景色を鑑賞できるハズなので
互いにもう一度来ようということに落ち着く。それと同時に下山路を地形図で確認する。
 この辺りは自然保護林なので、滅多に自然を傷付けるわけにはいかない、と言いうことで
赤テープなども全くない。逆にそれが嬉しい。枝尾根を辿る事約90分でトロッコ軌道に
おり、そこから約60分歩いて須後の駐車場に戻る。14時。時間もあるので美山自然村の
温泉(?)に寄って見たが、台風被害の影響で日帰り入浴の再開は来年春ということで
止む無く第二案の日吉スプリング温泉に立ち寄る。さっぱりと汗を流し、2週間後の
ゲロク谷リベンジを約束して、家路に就く。
 
 NOTES:
  ひっそりと人知れず流れる清流だった。小さな滝でもすべて端正な佇まいで、絵になる。
  ここは別天地の癒し谷といったところか。老人クラブでも楽しめそうだ。
  登攀具は特に不要。ヒル対策は必須。(被害6匹位)。下山は迷いやすいのでGPS
  があると心強い。


2019.8.7-9 北岳バットレス

2019.8.7-9 北岳バットレス
山梨県 南アルプス 北岳バットレス第4尾根 の山行記録

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こんにちは、岩瀬た、です。
北岳バットレスの第4尾根に吉岡さんと行ってきました。

冬のうちから、「この夏は行きたいところたくさん!」と思っていて、昨年12月の時点で今年の9月頃までの大まかな予定を擦り合わせていました。できたこともできていないこともたくさんです。
8月に向けていろいろ調べて最終候補に上がっていたのは、剱岳・前穂北壁・北岳バットレス、でした。
剱岳は、2人の経験値的にはちょっと不安だったのと、どうやら時期的にもう少し早い方が良いらしいということで却下。
前穂北壁は、調べているうちに取付きまでのアプローチが結構悪いみたいだということがわかってきて、計画書も書いてみたけれど最終的に踏ん切りがつかず却下。
北岳バットレスは、アプローチの容易さや計画の立てやすさから、僕らには妥当だろうということに。


以下、山行報告です。

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◎メンバー
岩瀬た(記録)
吉岡


◎登攀時装備(主な物)
8.2mmx50mダブルロープx2
クイックドローx4
ヌンチャク60cmx6
ヌンチャク120cmx4
ヌンチャク240cmx2
カム c4#0.75-#3
水各自2L


◎行程概要

・8/6
22:30 神戸 集合・出発

・8/7
晴れ時々雨
5:30 芦安駐車場 到着
5:50 乗り合いタクシー 乗車・出発
6:50 広河原 到着・出発
9:30 白根御池小屋 到着・テント設営
10:30 取付きの偵察に出発
14:00 帰幕・休憩・夕飯(そうめん)・ギア類の準備
17:30 就寝

・8/8
晴れ
3:00 起床・朝食(らーめん)
4:00 白根御池小屋 出発
5:45 北岳バットレス下部岩壁 取付
6:00 登攀開始
9:00 北岳バットレス第4尾根 取付
12:00 北岳バットレス第4尾根 終了
12:30 北岳山頂
15:00 白根御池小屋 着・夕飯(カレーライス)
18:00 就寝

・8/9
晴れ
5:30 起床・朝食(うどん)・テント撤収
7:30 下山開始
9:00 広河原
9:30 バス乗車
10:30 芦安駐車場 下山完了


◎行程詳細

○8/6
各々仕事を終わらせて、出発。

○8/7
運転と睡眠を交代ばんこでするも、僕の運転が伸びず、八ヶ岳PAで少しだけ眠るつもりが1時間ほども寝てしまい、それでも眠気がとれずに吉岡さんが運転を代わってくれて気づいたら芦安駐車場だった。結局僕はあんまり運転していない。ありがとう吉岡さん。

駐車場に着いて始バスまで仮眠するつもりが、乗り合いタクシーの人に声をかけられてボケっとしながら乗り合いタクシーに乗り込む。
予定よりも早く広河原に着くことができて良かった。

6:50広河原で登山届けを提出して、入山。
さすが北岳。平日にもかかわらず結構人いるなぁと思いながら歩いて、大汗をかきはじめた頃合いに北岳がデーンと見える白根御池小屋に着く。
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テントを張って、しばし休憩の後、バットレスの偵察へ。

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10:30、誰か登ってる人いるかな?と思いながら、用意した地形図を見つつ大樺沢を歩く。

余談ですが、今回、取付きを間違えないように国土地理院地図のホームページを利用して、平面図と3D図面を用意しました。
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会のホームページのメニュー「各種資料」の中に会長が書いてくださった詳しい使い方があります。是非。かなりオススメです。

さて、バットレス沢を過ぎてC沢を確認し、C沢D沢の中間稜の明瞭な踏み跡を辿る。
しばらく藪の中の踏み跡を辿ると、メルヘンなお花畑に出て、同時に北岳バットレスの下部岩壁が眼前に広がって、ウワーッと嬉しさもひとしお。
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下部岩壁直下まで行き、「十字クラック」「ピラミッドフェース」「Dガリー大滝」「第五尾根支稜」、それぞれを概念図と照らし合わせて確認。
今回僕たちが予定している取付きは第五尾根支稜。2010年の第4尾根上部崩壊後からは最もオーソドックスなルートだ。
まだ登っても無いのに感動を噛み締めつつ、続きは明日ということでテントに戻る。
戻る途中で小雨がパラリ。振り返るとバットレスは雲で見え隠れ。

14:00、テントに戻ると同時に雨足が少し強くなったので一眠り。目がさめると雨は上がっていたので、外のベンチで吉岡さんの用意した具沢山そうめんを食べ、明日の準備。
準備が終わってシュラフに入るとまた雨が降ってきたが、夜に一度目がさめ外の様子を伺うと満天の星空。これはおそらく一兆くらいでしょう。知らんけど。
嬉しい気持ちでいっぱいになりながら、また眠りに落ちる。


○8/8
3:00起床。らーめんを食べ、よーし頑張るぞと4:00出発。
取付きに行く途中、緊張のせいなのか珍しくお腹がゆるゆるで何度かキジを打ちに行く。結構タイムロスした。
すまないすまないと思いつつ、下部岩壁が朝日に染まるのを眼前に先行する吉岡さんの後を追い、6:00前に取付きに到着。
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さっそく準備を整えて、登攀開始。


・1P目 第五尾根支稜
15m、トラバース、リード岩瀬た
顕著なバンドをトラバースして、岩をぐるりと回り込んだところにビレイ点がある。このまま直上してロープを伸ばすか迷ったけれど、出だしからコミュニケーション取れなくなるのも嫌だったのでピッチを切る。アプローチの一部みたいなピッチだった。

・2P目 第五尾根支稜
40m、フェイスからリッジ、リード吉岡
クライミング開始!という感じのピッチで、フェイスを上がって尾根に出てズンズンロープを伸ばした先でビレイ。

・3P目 第五尾根ーDガリー大滝へのつなぎ
50m、歩き、リード岩瀬た
何のことは無い歩きパートでしたが、一応ロープをつけて行く。
Dガリー大滝の手前でピッチを切る。
Dガリー大滝にはロープが垂れていて、「あれ、フィックスロープでも張ってあるのかな?」と思ったら、誰かの忘れ物でした。少し気味が悪いけど、見渡す限りに人が倒れてもいないので、とりあえず吉岡さんを迎える。

・4P目 Dガリー大滝
40m、ルンゼ、リード吉岡
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残置ロープは岩に詰まっていたので、取り除いて下に落としてもらい、隅っこの方にまとめて置いておく。
トントン登って行って、ルンゼの出口のビレイ点でビレイ。

・5P目 横断バンド
30m、歩き、リード岩瀬た
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僕、なんか歩いてばっかりだな、、、と思いながら綺麗な花の咲く横断バンドを灌木帯まで行ってビレイ。

・6P目 横断バンド
15m、歩き、コンテ
灌木帯手前にクラックがあったのでそこを直上するか、さらに灌木帯を進んでC沢に出るかしばし迷う。
予定ではC沢のガレ場を上がる予定だったのでとりあえず少し先の様子を見てみようとコンティニュアスで進むと、
「あ、これたぶんトポ図にある直上ラインだ。」と思える顕著なクラックのラインがあった。

・7P目 横断バンドーハング
45m、クラック、リード岩瀬た
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つるべの順番でいうと吉岡さんがリードの番でしたが、僕は歩いてばかりだったので、
岩瀬た「・・・行っても良い?」
吉岡「やっぱり?笑」
ということで、リードさせてもらう。
出だし幅広のクラックをレイバックで上がり、簡単な階段を上がった後にハンドサイズのクラックがビューっと走る。カムでプロテクションを取りながら登って(残置回収不能のマスターカムがひとつありました)、上がりきったどっかぶりのところのビレイ点でビレイ。

・8P目 ハングー草付き
40m、トラバース,フェイス、リード吉岡
どっかぶりの岩を左右どちらに巻くかしばし迷って、右側を巻く。
少し染み出しあり。階段状のフェイスを登り踏み跡を辿るとビレイポイント。特に問題無く登れる。

・9P目 草付きー4尾根取付き
45m、トラバース,フェイス,ルンゼ、リード岩瀬た
ホールドはたっぷりあるけど結構立ってる壁を登るか、コケっぽい湿ったルンゼを登るか迷う。
薄い踏み跡のようなものがあったのでそれを追って少しトラバースしてみるも、どこに行き着くのかよく分からなかったので踏み跡を追うのはやめて、とりあえず支点になる灌木めがけて登る。
そこからはルンゼに入るしかなさそうだったのでルンゼを登る。
ルンゼを抜け出ると視界が開ける。
写真を見て頭に叩き込んであった4尾根の取付きが見えた。やった。
ロープいっぱいになりそうだったので付近のハイマツでビレイ。
無駄にトラバースせずに、出だしから直上すれば4尾根の取付きまで行けたはずなので、ちょっと反省。
フォローを迎えて4尾根の取付きまでわずかばかり歩く。

・10P目 第4尾根
40m、クラック,スラブ、リード吉岡
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さあ!ついに4尾根が始まる!と気合が入る。
日射がジリジリと照りつけて痛いが、晴れ渡る空と大きな富士が遠くに見えて気分は最高。
リード吉岡、フィストサイズのクラックにカムでプロテクションをとって登って行く。
しばらく登って見えなくなったところでビレイ解除のコール。僕も続けて登る。

・11P目 第4尾根
40m、階段,リッジ、リード岩瀬た
あまりよく覚えていないけれど、ずっと景色が良かった。
リングボルト2本のビレイ点でビレイ。

・12P目 第4尾根
40m、白い岩のクラック、吉岡
特に難しい事もなく、快適なクライミング。
あんまり覚えていない。景色が良かった。

・13P目 第4尾根,マッチ箱
45m、フェイス,リッジ,マッチ箱、リード岩瀬た
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ビレイ点から少し登って、リッジを進むと三角形の壁が現れる。左側にクラックが走っていて、残置ハーケンが何本か打っているので適当な間隔でプロテクションをとりスラブを乗り越す。
乗り越した先は右も左も切れ落ちたすっきりと気持ち良いリッジ。眼前に迫る最後の壁を見ながら進み、マッチ箱のピナクルにあるビレイ点でビレイ。

・14P目 第4尾根,懸垂下降
20m
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マッチ箱のビレイ点のすぐ目の前にある残置のリングボルトに何本も通されたスリングを使って、ロープ一本で懸垂下降。
最初どこに降りたら良いのか迷いましたが、よく見るとすぐ下に次のビレイ点が見えました。

・15P目 第4尾根
30m、コーナー,クラック、リード吉岡
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ビレイ点右側コーナーを登って、登った先の左側のクラックを行く。難しい箇所も無く、快適なクライミング。照りつける日射で首の裏が痛い!ついでにクライミングシューズで締められたつま先も痛い!

・16P目 第4尾根
40m、凹角,リッジ,トラバース、リード岩瀬た
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凹角を上がってリッジに出る。リッジの先にはかつての枯れ木のテラスがあり、その名残であろう枯れ木が岩に挟まっている。
そこでピッチを切っても良かったけれど、まだロープに余裕があるので最終ピッチ手前までのナイフリッジのトラバースもやってしまうことにする。
リッジを持ちつつ足は細かなスタンスを拾って、岩の割れ目をピョンと乗越して、最後の城塞チムニー前にあるビレイ点に到着。
ビレイ点はやや傾斜が強く、足を置く場所が極端に狭いのでハンギングビレイとなる。
バチ効きしてるので大丈夫だけれど、錆びたリングボルトやハーケンでハンギング状態になるのは少し嫌だった。というか、これ打つの結構大変だったんでは無いだろうか。ありがたし。などと思う。

・17P目 第4尾根ー終了点
30m、チムニー、リード吉岡
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やっと最後のピッチだ。
薄くかぶったチムニー。残置ハーケンは多め。
適当にプロテクションをとりつつ、窮屈そうだが無難に登って行く。姿が見えなくなってから少ししたらビレイ解除のコール。
フォローで登る。吉岡さんが窮屈なチムニーに僕が入るのはちょっとしんどいので、できるだけ外側を登るようにして無事にビレイ点へ。
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12:00、登攀終了!
終わったー!とハイタッチして、ロープをまとめて靴を履き替えて北岳の山頂までしばし歩く。
山頂には結構人がいたので、お願いして写真を撮ってもらいました。
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それから肩の小屋まで降りて、甲斐駒ヶ岳を眺めて、降りる。

15:00、無事に白根御池小屋のテント場に着いて、ギアをバラして休憩。
ほぼ予定通りに登って降りてこられたのでなかなか満足!

「山で贅沢はしない!」という吉岡さんを尻目に僕は我慢できずに小屋に売ってるビールをいただき、米3合を炊いてカレーライスを食べ、お腹いっぱい良い気分で眠りにつきました。
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○8/9
今日は下山だけなので、目覚ましもセットせずに眠った。夜半に少し遠くで雷がビカビカゴロゴロと鳴っていた。
5:30頃に目が覚め、朝ごはんをのんびり食べてテントを片付けて下山開始。
良い気分で広河原まで降りて、9:30のバスに乗って芦安駐車場へ。
芦安駐車場には日帰り入浴できる銭湯があったので一風呂浴びてアイスを食べて、帰路につきました。

下山完了。

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以上、山行報告でした。

夏の目標だった本チャンに行くことができて、嬉しい気持ちでいっぱいです!

出発直前まで天候が不安定で中止するかどうか悩んだりもしましたが、蓋を開けてみればほとんど雨に降られること無く、ただただ楽しい3日間でした。
この一年、僕がしてきたフリークライミングや日帰りの沢登りとはスケールが違い、フィジカル/テクニカルな部分こそ優しかったものの、ルートファインディングなどで頭を使う部分もあったりして、初めて行く夏のアルパインには最適な場所だなと思いました!
しかも、平日というのもあるのか終始僕らの貸切で、好きなペースで登れたのも大変良かったと思います。残置支点も、錆びてるけどバチギギのハーケンやリングボルトが多数ありました。


吉岡さん、毎度毎度ですが、毎度ありがとう!!
少しずつレベルアップして、夏も冬もいろんなアルパインルートに行きたいです!
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