2020年07月

大峰 岩本谷

大峰 岩本谷    2020年6月24日         S川、橘(記)


 30年前の大峰のエアリアマップには点線で登下降が示される、稲村が岳への
最短ルートである岩本谷へやっと訪れることができた。あり難いことにネットの
普及により、どんな沢でもたいていの所は遡行の記事が出てくる。最早、現地まで
行かずともバーチャルで遡行しているような感覚で、実際に遡行するのは脳内に
刻み込まれた滝の出現状況を実際に体験して追認するような感覚だ。実際、
有名ルートでは誰かの頭に着けたカメラを通して自分も其処を歩いたような錯覚?
に満足できることがあるだろう。文明の発達はもろ刃の功罪を生み出す。
 よくないこととは思いながら、ネットの記事を頭に入れて臨んでしまった。
 前夜10時、JR西宮駅に集合して14年目の古車にザックを押し込んで洞川
渓谷へと車を走らす。ナビに適当に目的地を設定したら、着いたのはモジキ谷の
取り付きで、暗い3桁国道をクロモジ尾の方へ暫く戻る。世界遺産のおかげか、
年々このあたりへ来る道路も整備され、トンネルなどを突っ切って約2時間少しで
来ることができた。30年前なら吉野の辺りから暗い山縁を縫う3桁国道を延々と
崩落の恐怖に怯えながらそこだけで2時間はかかっていた。遠い昔の話だが。
 クロモジ尾の橋の袂に到着し、早速入山前夜祭を行う。話題は尽きることが無い。
 翌5時起床6時半発。久しぶりの沢装束に身を包み、いざ出発。天候は曇り、
時々晴れ。今日一日は持ちそうだ。適当な所から沢に入り、眠さもあり黙々と歩く。
 歩きながらネットで見たような滝が次々と現れ、興ざめする。ネットは便利なのだが。
 スケールは小さいが、あまり人が入っていないためか苔の蒼さは素晴らしい。
 出てくる滝も巻きは全くなく全てノーザイルで直登できる。これは楽しい。
 なんか右足がよく滑るなと見てみたら、6年前に自分でフエルトを貼り直し、
本日の初お披露目となった沢靴のフエルトが知らぬ間に全部剥がれて取れていた。
 アイヤー、アイヤー(北島三郎調で)これからまだ沢は続きそうだし、これは
叶わんと言うことで肩にあったダイニーマのスリングを二本犠牲にし、底のとれた
沢靴に固く巻いて滑り止めとする。2千円分のダイニーマとも今日でお別れかと
嘆くうち、神のお恵みか林業用の細ロープが流木に巻き付いて留まっているのを
発見。早速ナイフをだし、数メートルを頂いてダイニーマの代わりに巻き付ける。
 やれやれこれでまたこの2本のダイニーマに体重を乗せられる。苔むした
沢に癒されること約3時間で源頭部らしき所に到達する。ここから大日キレット
までドンピシャで達するのには若干緊張が強いられるが、S川君の持ってきた
山っぷ?が威力を発揮し、我々の現在地を的確に示してくれる。私の装備した
スマホの地図ロイド?は月末によるデータ容量切れで地理院地図がダウンロード
できず?反応がしなくなってしまった。このあたりよく分からんが月末にスマホ
GPSに頼って登山するのはやや危険だと感じた。
 源頭部で水が無くなってから、傾斜が急に増し、ひーひー言いながら登る。
(ワシだけか?)赤テープがないのはあり難く、自分でルートを探す楽しみが
残されている。(GPSを見ながらではあるが。。)そうこうするうちに
大日の尖塔が見え隠れしだし、やがて遂に直下にあるCSにぶち当たる。この
岩が落ちてきたら大変だが。藪漕ぎ3時間弱でやっと登山道に出、そこから
約20分歩いて稲村岳頂上展望台に着く。何度来ても眺めのよいところだ。
 無粋な立て看板だけが興ざめだが。。(内容はあえて伏せます)
 コーヒーを沸かし、至福の時間を過ごしてから下山に取り掛かる。別の単独の
登山者から岩本谷は降りられますかと尋ねられたが、登りでも文明の利器に
頼ったので、下りなら地図だけでまともに下りるのはかなり大変ではと話す。
 さて、心配したクロモジ尾への下りの分岐点は登山者が増えているためか
明瞭になっており、所どころにある(どうでも良い所に多い)赤テープに導かれ
ながら高度を下げていく。最後、尾根を外れ、進行左側にそれて下りていく箇所が
やや要注意で、見落として真っすぐに行くとすぐ道が薄くなる。後戻りできない人は
要注意だ。やがて林業用の目印テープが多くなり、目出度くクロモジ橋の袂に
下りる。下りは約3時間。午後3時半。汚れた身体(精神はやや清められたが)を
洗い流すため、温泉も考えたが、どうせ入ってもこの暑さではまた汗が吹き出て
来るだろう、ということで帰り道の適当なところより沢に戻り、沐浴とする。
 男同士で良かった良かった。(変な意味と違いますよ) 浮いた温泉代は
各自家人への手土産とする現地名物柿の葉寿司となって、目出度く喜ばれることと
なった。目出度し。目出度し。

 同行のS川君、有難うございました。又行きましょう!


 追記:ヒルは見かけなかった。魚影も見当たらず(残念)。

 

7/17 万ヶ谷 沢登り

2020/7/17 万ヶ谷 沢登り(例会)

こんにちは。M本です。今回は、月1の例会として、万ヶ谷に沢登りにいってきました!

メンバー:T口(リーダー)、A田、O西、T中、I瀬、S川、M本

9:30 入渓
15:00 遡行終了
16:00 駐車場

今回はかなりの大所帯だそうで、ワイワイとした山行になりました。
入渓地点のそうめん滝はそこそこの水量だ。
集合写真をとり、いざ出発!
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そうめん滝は左側を歩きます。水はそこそこ冷たく、気持ちがよい。しばらくすると、3段50m。T口さんリード、流石やなぁ..。
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フィックスを張り、順に登ります。前回、初の沢デビューしたときに全てフォールしたため足が信用できず、マゴマゴしてしまいました。早く慣れたい所です。今回沢デビューのT中さん、スムーズに登っています。適応力高くね?!と内心思っていました。誰も落ちることなく通過しました。
この後はなだらかな沢が続きます。
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果敢に突っ込むA田さん。今回は妙にアグレッシブらしいです。
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最後の20mは水量が多く巻きました。
その後しばらく歩き、遡行は終了。
時間があまり、焚き火の練習もしました。
かりんとうを炙ると、肉の味がするそうです。ぼくにはよくわかりませんでしたが..。
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その後、登山道に合流し、下山しました。
終始ワイワイとした山行となりました。
天気もよく、涼しかったです。
また、このような山行があると楽しいかなと思います。

以上、山行報告でした!


2020.6.29 大峰 ナメラ谷

2020.6.29 大峰 ナメラ谷
大峰山脈 十津川水系 舟ノ川 入谷 ナメラ谷 の記録


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こんにちは、岩瀬た、です。
大峰山脈のナメラ谷に行ってきました。
僕にとっては今年の沢初めの山行でして、「やはり沢初めは、誰が何と言おうと大峰に限るな。」と思っているので、無事に(上部で少し難儀したけど)行くことができて良かったです。

以下、山行記録です。

————————————————————

◎メンバー
岩瀬た(L、記録)
H
OKD


◎装備
30mロープx2
カムC4#0.75〜2
ハーケン
アッセンダー
その他沢装備


◎行程概要

・6/28
前泊

・6/29 晴れ時々曇り 前日降雨無し
6:30 入谷林道ゲート
7:40 ナメラ谷出合 入渓
7:50 3段15m滝
8:10 10x15m斜滝
8:35 大ゴルジュ入口 20m滝
9:30 12m滝
10:20 懸垂後、沢復帰 左岸巻きへ移る
11:40 大ゴルジュ出口、休憩
13:40 謎の滝、ルートミス?
14:40 トップリ尾根を経て登山道へ
16:00 頂仙岳近くから下山開始
19:00 駐車地、下山完了


◎行程詳細

・6/28
前夜、神戸にてOKDさんが迎えに来てくれて(いつも本当にありがとうございます)、国道168号線を進む。
笛吹童子ことHさんが最近手に入れたリコーダーで奏でる「A WHOLE NEW WORLD」を聴きながら猿谷ダム近くで眠りに着く。

・6/29
5時起床。朝ごはんを食べ、準備して、入谷林道を車止めゲートまで。
意気揚々と出発。
何を喋ったか覚えていないけれど、くだらない話をしながら1時間少し林道を歩いて、広場になってるところから緩傾斜を降りて、ナメラ谷の出合に到着。ギアを整えて入渓。
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最初の仄暗い3段15mは釜を泳いで取り付いてみるも、3段目が悪そうなので巻くことに。っていうか思ってたよりも水めっちゃ冷たくて寒い.。
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巻き上がって、いくつか軽快に小滝を越える。
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ほどなくして、ジェット水流の10x15mの斜滝に出くわす。
一目見て僕は巻く気満々だったので巻道を探してると、OKDさんがサクサクと直登。続いてHさんもサクサク。
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えぇ〜いけるかなぁ。。。と思いながら取り付いてみると、思いのほかフリクションも悪くなくて、ビビりつつステミング突破。やれやれ。ロープ出してもらうか一瞬迷ったけど、登ってみれば楽しい直登だ。仮に滑っても身体を強打しつつ釜にドボンなので、まぁ、変な体勢で落ちなければどうにか大丈夫だろう。

しばしゴーロを進んで、20m滝。
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一目見て僕はまたも巻く気満々だったので、OKDさんが直登する気にならないうちにリードを買って出て右岸を小さく巻き上がる。
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この日の僕の最初で最後のリードだったけど、ぼちぼち緊張感のある良い巻きだった。

沢に復帰して、次は12m滝。
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一目見て僕はまたまた巻く気満々だったけど、OKDさんがロープを出して取り付いた。やられた。
ツルツルのスラブ面を、大きな倒木を利用して突破していく。
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回収フォローできる自信も湧いてこなかったので、Hさんにラストをお願いして、セカンドで上がる。
いけるかな。。。と思いつつ取り付いてみると、案の定スラブ面はツルツルで、倒木を必死に掴んでどうにか登る。やれやれ。
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続いてHさんも登って、普通に上がってきてた。
そのままリード交代で、Hさんが滝の先まで。
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いくつかの滝を掛けるゴルジュを横目に、懸垂やら高巻きやらをして、明るい場所でしばし休憩。
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大峰の沢っぽい(気がする)、綺麗なゴーロと時折現れる滝を各々登ったり巻いたりしながら進む。
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遡行図の10m滝かと思わせる滝に出くわす。
シャワーだし寒そうなので、例によって一目見て僕は巻く気満々だったけど、またもOKDさんがロープを出して取り付いた。やられた。
(後日談では、Hさんと僕の「はよ行きーな」というオーラを感じて忖度してそれぞれの滝に取り付いていたらしい。。。いや、そんなオーラ出して無いですよ!笑)
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上部の悪そうな箇所を登って、落ち口へ。
続いてHさんも登る。ムーブを思いっきり真似しながら僕も登れて、嬉しい気分でいっぱい。

これで悪場は終わりだな!と思ってたら、また10mクラスの滝にぶつかる。
「あれ〜、さっきのって10m滝じゃなかったんかなぁ?」
と言いつつ、謎の滝の横に走るゴルジュ状になってる箇所を進むと、結構ボロボロ。
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迷った挙句巻くことにする。
そこからだんだんと現在地に不安が出てきたので、この辺でやめとくことにして右手の尾根めがけて詰め上がる。

なんやかんやと悪い急登を経て、背の低いクマザサの茂るなだらかで気持ちの良い尾根に出た。予定よりも遅くなってしまった。
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地図とGPSとで現在地を把握。予定とは違うところに詰め上がってしまったよう。
あのまま沢を進んでもたぶん変な感じだっただろうし、どこかで沢筋を間違えたようだ。もしくは渓相が大きく変わっていたか。
沢登りは楽しい。

運良く電波が入ったので、下山が予定より遅れそうな旨連絡して、尾根伝いに登山道まで。
頂仙岳の横から下山開始。

ところどころ尾根が派生していて気を抜いたら迷いそうだったので、3人それぞれ地形図とコンパスを見ながら「そっち合ってます?こっちの尾根ちゃいますか。」「いや、その先結構立ってるで。この方向で合ってるで。」などと相談しつつ、時折GPSを確認して、降りる。
無事に林道まで降りてきて、ブラブラと他愛無い話をしながら駐車地まで戻りました。


下山完了。

————————————————————

以上、山行報告でした。

計画当初は、「そんなに難しく無いけど、“山登りしてるな!!”みたいな沢登りしよう。」と思っていて、安心しながらも緊張して、僕的にがっつり滝に向かい、巻きも詰めも下山もぼちぼち頭を使ったし、良い山行ができました。
夏だな〜!と思います!!

Hさん、OKDさん、ありがとうございました!またお願いします◎


余談ですが、ロストアローのホームページにトラッドクライマーのヘイゼル・フィンドレイの記事が載っていて、基本的にはスポーツクライミングの感覚に沿って書かれていますが、スポーツクライミングの枠を外れて、トラッドやアルパインや、仕事にも応用できる内容でしたので、リンクを貼っとこうと思います。
是非読んでみてください◎

ヘイゼル・フィンドレイ メンタルトレーニングシリーズ:PART1 - 身体の動くままに登らせよう
https://www.lostarrow.co.jp/blackdiamond/stories/EX2020_BD_hazel_findlay_mental_training_part_1.html

ヘイゼル・フィンドレイ メンタルトレーニングシリーズ:PART2ーフローの謎を解く
https://www.lostarrow.co.jp/blackdiamond/stories/EX2020_BD_hazel_findlay_mental_training_part_2.html

ヘイゼル・フィンドレイ メンタルトレーニングシリーズ:PART3ーより強いメンタルを手に入れるには
https://www.lostarrow.co.jp/blackdiamond/stories/EX2020_BD_hazel_findlay_mental_training_part_3.html


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