2021.12.29-30 八ヶ岳 石尊稜 の記録
こんばんは、岩瀬た、です。
ダイさんとOKDさんと石尊稜に行って来ました。
元々は29日から31日で中央アルプスの奥三ノ沢に行こうと思っていましたが入山までの気温の推移と天候予測がどうにも良くなさそうだったので、八ヶ岳での集中登山トレーニングに転向。
「1日1本できたら良いけどできるかなぁ。どこ登りましょうね。」と話ながら入山しましたが、予報通り八ヶ岳も天気はあんまり良くなく1日目に石尊稜を登るとなかなか厳しいクライミングになり、今日以上に悪い天気の中で山登りはしたくないなということで2日目にのんびり降りてきました。
つらい状況での経験を積むことができた良い山行でした。
以下、山行記録です。
———————————————————————
◎メンバー
岩瀬た
ダイさん
OKD
◎行程概要
・12/29晴れのち雪
4:00 赤岳山荘駐車地 出発
7:00 行者小屋 テント設営
8:00 出発
11:00 石尊稜下部岩壁取付
16:00 石尊稜の頭
17:00 地蔵尾根の頭 下山開始
17:50 テント
・12/30 くもり時々雪
11:00 テント撤収 出発
12:45 赤岳山荘駐車地
◎行程詳細
・12/29
駐車地から行者小屋へ向かう道中、OKDさんが着ていたインナーが凍ってしまう。行者小屋に着いてOKDさんの様子を伺いつつテントを建てて少し休憩。
着替えたら大丈夫そうだったので、石尊稜に向けて出発。
柳川右又への入り口からトレースがあって、「お、ラッキー!」と思いながら歩みを進めると程なくしてトレースが終わっていて、そこからは交代番子で膝から腰くらいのラッセル。
途中、他に1パーティが来ていたので合流して総勢5人でラッセルをこなす。
取付までの尾根に乗り上げるポイントで各々のパーティが思うライン取りをすることにしてラッセルを共にしたパーティと分かれる。
取り付きには先に到着したので、休憩そこそこに早速クライミング開始。
1ピッチ目のリードは僕がいかせてもらう。
壁にぼちぼち雪が乗っていたので雪かきしつつ氷を落としつつの登攀。
最初はペツルボルトが打ってあって、その後は木でプロテクションをとる。後半に凍ったスラブがあって、プロテクション取っときたいなと思ったけれどハーケンやカムを使える場所を見つけられなかったので、若干ランナウトになりつつ乗り越す。
少し雪壁を登って残置スリングがかかっている木を終了点にして2人を迎える。
まだ10mくらいロープが残ってたので、もう少し先にある木まで行った方が良かったかも。
続きをダイさんに登ってもらって雪稜に出る。
雪稜はロープをしまって歩くけれど相変わらずの膝高の積雪。踏み抜かないように気をつける。
しばし行くと壁に当たり、次はOKDさんのリード。
右と左とどっちにいっても良さそうで、OKDさんは左を選択。
程無くしてビレイ解除のコールの後、ダイさんと僕も後に続き、ロープをしまって雪稜の続きをラッセルする。
岩混じりの雪壁というか立った草付きのようなところに出合って、次はダイさんのリードで越える。
そしたらまた雪稜。このあたりからガスが濃くなっていき、天気が悪くなってくる。
どの辺まで来たんだろうと思ってガイドブックのコピーを見るとまだ雪稜の途中だったようで、思いの外時間がかかってるなと思う。
いよいよ風が強くなって来た。
しばらく歩くとようやく上部岩壁について、僕がリードさせてもらう。
四方八方から風が吹いて、巻き上げられる雪が顔に痛い。
岩の出っ張りにスリングを巻き付けてプロテクションをとりつつ登り、残置ロープのかかった大きめのピナクルを終了点にする。ピナクルで風から逃げれるかと期待していたけれどそれも虚しくあらゆる角度からの風が強い。凍えながらセカンドとサードをビレイ。
僕が登ってる間も待ってる2人は相当寒かったよう。
ビレイしながら次のラインを見ていると、まだもう1ピッチロープ出す必要がありそうで、石尊稜、思ってたより長いなぁと思う。
3人ともが登り終わって、OKDさんが先を見に行くと僕が思ってたのと違う場所に進路を見つけてくれた。
ロープをしまってルンゼを登ると主稜線の登山道に出ることができた。
主稜線は身体が飛ばされる少し手前くらいの風の強さ。気を抜くと本当に飛ばされてしまいそうだ。
風が凌げるところで少し休憩して、地蔵尾根の頭を目指す。
ガスが結構濃くて、進む方向を間違えないように気をつける。
ところどころ鎖が出ていて良かった。
ようやく地蔵尾根の頭に着き、降りようとすると無数の雪粒が正面から飛んできて目を開けていられないのでいったん風が避けれるところまで逃げてゴーグルを装着。もっと早くつけとけば良かったな。
暗くなって来ていたのでヘッドライトをつけて地蔵尾根を下降。
降りる方向を間違えたりしつつ、ようやく樹林帯に入った時には生きた心地がしました。
アプローチのラッセルを共にした2人パーティのヘッドライトも稜線にチラッと見えた(と思う)ので、少し気になってましたがどうやら大丈夫そう。この後会うことはありませんでしたが、少し喋りたかったな。
テントにようやく着いて、ギアの片付けもそこそこにOKDさんの用意してくれたカレー鍋&リゾットを食べながらさっきまでのクライミングを振り返って談義する。最高のひと時だ。こんな風に興奮して話ができたのはいつ以来だろう。
この天気ではもう他のルートは今回はいいかなということで話がまとまって、シュラフに潜り込んでぐっすり眠りました。
・12/30
7時ごろにもぞもぞ起きて、ダイさんの用意してくれてた夜用の食事を食べる。朝から豪勢だ。
10時ごろに片付け開始して、お昼に駐車地まで降りて来ました。
下山完了。
———————————————————————
以上、山行記録でした。
前々から行ってみたかった石尊稜、サクッと登るつもりだったけれどラッセルと天候で想像してた5倍くらいに大変な思いをして、やりがいのある良い山行でした。
29日は天気良い想定してたんだけどな。山を少し侮っていました。
上部岩壁からは寒さ・風・雪・時間の状況から焦ってしまってもおかしくありませんでしたが、3人とも終始落ち着いて行動できてひとつひとつの作業を確実にこなしていくことができて良かったです。
八ヶ岳だけでもまだまだたくさん登ってみたいところがあるので、今シーズンのうちにまた来たいと思います。次は阿弥陀北西稜と中山尾根だな。
今回は僕の持ってるカメラが低温に耐えきれずバッテリー落ちしてしまったのと上部では写真を撮る余裕があまり無かったので、ダイさんとOKDさんの写真があまり残せず申し訳ない。記憶にしっかり残して置こうと思います。
お二人とも、ありがとうございました!またお願いします!!
こんばんは、岩瀬た、です。
ダイさんとOKDさんと石尊稜に行って来ました。
元々は29日から31日で中央アルプスの奥三ノ沢に行こうと思っていましたが入山までの気温の推移と天候予測がどうにも良くなさそうだったので、八ヶ岳での集中登山トレーニングに転向。
「1日1本できたら良いけどできるかなぁ。どこ登りましょうね。」と話ながら入山しましたが、予報通り八ヶ岳も天気はあんまり良くなく1日目に石尊稜を登るとなかなか厳しいクライミングになり、今日以上に悪い天気の中で山登りはしたくないなということで2日目にのんびり降りてきました。
つらい状況での経験を積むことができた良い山行でした。
以下、山行記録です。
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◎メンバー
岩瀬た
ダイさん
OKD
◎行程概要
・12/29晴れのち雪
4:00 赤岳山荘駐車地 出発
7:00 行者小屋 テント設営
8:00 出発
11:00 石尊稜下部岩壁取付
16:00 石尊稜の頭
17:00 地蔵尾根の頭 下山開始
17:50 テント
・12/30 くもり時々雪
11:00 テント撤収 出発
12:45 赤岳山荘駐車地
◎行程詳細
・12/29
駐車地から行者小屋へ向かう道中、OKDさんが着ていたインナーが凍ってしまう。行者小屋に着いてOKDさんの様子を伺いつつテントを建てて少し休憩。
着替えたら大丈夫そうだったので、石尊稜に向けて出発。
柳川右又への入り口からトレースがあって、「お、ラッキー!」と思いながら歩みを進めると程なくしてトレースが終わっていて、そこからは交代番子で膝から腰くらいのラッセル。
途中、他に1パーティが来ていたので合流して総勢5人でラッセルをこなす。
取付までの尾根に乗り上げるポイントで各々のパーティが思うライン取りをすることにしてラッセルを共にしたパーティと分かれる。
取り付きには先に到着したので、休憩そこそこに早速クライミング開始。
1ピッチ目のリードは僕がいかせてもらう。
壁にぼちぼち雪が乗っていたので雪かきしつつ氷を落としつつの登攀。
最初はペツルボルトが打ってあって、その後は木でプロテクションをとる。後半に凍ったスラブがあって、プロテクション取っときたいなと思ったけれどハーケンやカムを使える場所を見つけられなかったので、若干ランナウトになりつつ乗り越す。
少し雪壁を登って残置スリングがかかっている木を終了点にして2人を迎える。
まだ10mくらいロープが残ってたので、もう少し先にある木まで行った方が良かったかも。
続きをダイさんに登ってもらって雪稜に出る。
雪稜はロープをしまって歩くけれど相変わらずの膝高の積雪。踏み抜かないように気をつける。
しばし行くと壁に当たり、次はOKDさんのリード。
右と左とどっちにいっても良さそうで、OKDさんは左を選択。
程無くしてビレイ解除のコールの後、ダイさんと僕も後に続き、ロープをしまって雪稜の続きをラッセルする。
岩混じりの雪壁というか立った草付きのようなところに出合って、次はダイさんのリードで越える。
そしたらまた雪稜。このあたりからガスが濃くなっていき、天気が悪くなってくる。
どの辺まで来たんだろうと思ってガイドブックのコピーを見るとまだ雪稜の途中だったようで、思いの外時間がかかってるなと思う。
いよいよ風が強くなって来た。
しばらく歩くとようやく上部岩壁について、僕がリードさせてもらう。
四方八方から風が吹いて、巻き上げられる雪が顔に痛い。
岩の出っ張りにスリングを巻き付けてプロテクションをとりつつ登り、残置ロープのかかった大きめのピナクルを終了点にする。ピナクルで風から逃げれるかと期待していたけれどそれも虚しくあらゆる角度からの風が強い。凍えながらセカンドとサードをビレイ。
僕が登ってる間も待ってる2人は相当寒かったよう。
ビレイしながら次のラインを見ていると、まだもう1ピッチロープ出す必要がありそうで、石尊稜、思ってたより長いなぁと思う。
3人ともが登り終わって、OKDさんが先を見に行くと僕が思ってたのと違う場所に進路を見つけてくれた。
ロープをしまってルンゼを登ると主稜線の登山道に出ることができた。
主稜線は身体が飛ばされる少し手前くらいの風の強さ。気を抜くと本当に飛ばされてしまいそうだ。
風が凌げるところで少し休憩して、地蔵尾根の頭を目指す。
ガスが結構濃くて、進む方向を間違えないように気をつける。
ところどころ鎖が出ていて良かった。
ようやく地蔵尾根の頭に着き、降りようとすると無数の雪粒が正面から飛んできて目を開けていられないのでいったん風が避けれるところまで逃げてゴーグルを装着。もっと早くつけとけば良かったな。
暗くなって来ていたのでヘッドライトをつけて地蔵尾根を下降。
降りる方向を間違えたりしつつ、ようやく樹林帯に入った時には生きた心地がしました。
アプローチのラッセルを共にした2人パーティのヘッドライトも稜線にチラッと見えた(と思う)ので、少し気になってましたがどうやら大丈夫そう。この後会うことはありませんでしたが、少し喋りたかったな。
テントにようやく着いて、ギアの片付けもそこそこにOKDさんの用意してくれたカレー鍋&リゾットを食べながらさっきまでのクライミングを振り返って談義する。最高のひと時だ。こんな風に興奮して話ができたのはいつ以来だろう。
この天気ではもう他のルートは今回はいいかなということで話がまとまって、シュラフに潜り込んでぐっすり眠りました。
・12/30
7時ごろにもぞもぞ起きて、ダイさんの用意してくれてた夜用の食事を食べる。朝から豪勢だ。
10時ごろに片付け開始して、お昼に駐車地まで降りて来ました。
下山完了。
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以上、山行記録でした。
前々から行ってみたかった石尊稜、サクッと登るつもりだったけれどラッセルと天候で想像してた5倍くらいに大変な思いをして、やりがいのある良い山行でした。
29日は天気良い想定してたんだけどな。山を少し侮っていました。
上部岩壁からは寒さ・風・雪・時間の状況から焦ってしまってもおかしくありませんでしたが、3人とも終始落ち着いて行動できてひとつひとつの作業を確実にこなしていくことができて良かったです。
八ヶ岳だけでもまだまだたくさん登ってみたいところがあるので、今シーズンのうちにまた来たいと思います。次は阿弥陀北西稜と中山尾根だな。
今回は僕の持ってるカメラが低温に耐えきれずバッテリー落ちしてしまったのと上部では写真を撮る余裕があまり無かったので、ダイさんとOKDさんの写真があまり残せず申し訳ない。記憶にしっかり残して置こうと思います。
お二人とも、ありがとうございました!またお願いします!!