2022年07月

2022.7.16-17 剱岳 早月尾根-室堂

こんにちは。野間です。

716.17日に岩瀬たさんと剱岳に行ってきました。ブログのアップが遅くなりましたが、その記録編です。


今回元々は早月尾根〜剱岳〜池ノ平小屋〜室堂の2泊3日の予定でしたが、2日目の天候が悪かったため早月小屋で一泊し、剱岳山頂から別山尾根ルートで室堂に下山しました。


○コースタイム

7/16 (晴れのち雷雨)

5:40 富山電鉄 上市駅 タクシー乗車

6:40 馬場島 中山登山口 入山

11:30 早月小屋 到着 テント泊


7/17 (曇り,時々,,時々,晴)

2:00起床

3:40 テント撤収、出発

6:50 剱岳山頂 到着

9:50 剣山荘

11:10 剱御前小屋

13:00 みくりヶ池温泉 休憩

14:40 室堂ターミナル バス乗車 下山完了


1日目

電鉄富山駅からの始発電車で下市口駅に向かい、予約していたタクシーに乗車。3日間ほぼ雨予報ではあったが、馬場島に到着しても一切人影がないことに驚いた。準備をして6:40ごろに出発する。登山口横には有名な「試練と憧れ」の碑があった。

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740m(登山口)から2224m(早月小屋)への約1500mアップと、北アルプス三大急登を前にビビっていたが、岩瀬たさんは初めからハイペースで飛ばしていた。私は息を切らして着いていくのがやっとで、それもそろそろ限界がきた頃に、飛ばし過ぎたからゆっくり行こうと言ってもらえて安堵する。その後は1時間に300mのペースで高度を上げた。

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早月尾根は一部で急な木の根の階段や梯子が出てくるので、下りだと怖いだろうが、その分登りはぐんぐんと高度が上がるので気持ち的には楽に登ることができた。

登っているうちに他の登山者も見かけ始めたのだが、トレランで日帰りピストンの方が多く、今の山の主流はトレランなのかもしれないなぁと改めて思った。

11:30頃、約5時間掛けて早月小屋に到着。

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テント場には雪渓が残っていたが、その横の乾いた場所にテントを張ることができた。

小屋で受付をした後は、岩瀬さんにコーラを奢っていただき、優雅な休憩時間を過ごしていたのだが、快晴だった空は一気にガス模様に変わってきてしまった。汗に濡れたシャツを乾かそうと思っていたのに、、なんて思っていると、15:00ごろからは雨が降り始め、夕食時には雷の轟音が鳴り響く大雨になった。私は以前から、夏のアルプスでは午後の雷を恐れて出発時間を深夜にしたりしてきたのだが、大抵ガスが出るだけで、実際に遭遇したのは今回がほぼ初めてだった。特に近くに落ちると、下界よりも無防備な感じがしてかなり怖く、逃げ場のない剱岳の稜線でこんな雷雨に遭遇したら、と想像するだけでゾッとした。

一方岩瀬さんは雷は落ちても死ぬ確率低いらしいよ〜と、あまり怖がっておらず、さすがだなと思った。

次の日も大気は不安定で、天気予報には朝から雷マークが付いていたので、プランとしては早月尾根を引き返すor天気が良ければ北方稜線or別山尾根から室堂へ降りるの3つの選択肢が出たが、結論は出ず、朝の天気を見てから判断しようということになった。


○2日目

2:00起床。起きた時は雨が降っていたが、出発する頃には止んでいた。馬場島へ引き返すのか、剱岳方面へ進むのかの判断は、岩瀬さんはどちらでもいいよと言ってくださったが、早月尾根を濡れた状態で下る方が怖かったので、山頂に行くことにした。

出発後、予報に反して雨が降る気配は一向に無く、空は曇りつつも明るかった。

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2600mを超えたあたりから岩場になっていったが、難しいところはなく、途中雪渓で鎖が埋もれている部分はあったが、固定ロープにプルージックをかけて登ることができた。

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6:50山頂に到着。視界が悪く、その後の天気予報も悪いということで、今回は室堂に降りることにした。登山者の方に祠の前で写真を撮っていただき下山。

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下りは岩が濡れていたこともあり、ヒヤッとする場面がいくつかあった。特にカニの横ばいは、高度感もあり、鎖にパスをかけて通過したから良かったものの、一歩滑ったら即座に谷底に消えるような場面だったので非常に怖かった。ハーネスを付けていない登山者の方を何人か見かけたが、どういうことだったのかと疑問が湧くばかりだった。

一服劔に着く頃には晴れ間も見え始め、日差しが暑く感じた。汗を流しながら剣山荘に着くと、手洗い用の沢水がとめどなく流れ、そこで登山者の方が気持ち良さそうに顔を洗っていた。やっぱり水が豊富な小屋は豊かな感じがして、とてもいいなと思った。

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剱御前小屋までは雪渓歩きが続いたが、ステップが丁寧に切られていたのでアイゼンなしで歩くことができた。かなりの距離だったので、整備して下さったであろう周辺の小屋の方の苦労はものすごいものだと思う。

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その後は雷鳥沢キャンプ場を経由して、13:00ごろにみくりが池温泉に到着した。みくりが池温泉はいつか行ってみたいと思っていたが、山の上にあるとは思えないほど快適で、源泉掛け流しのお湯も気持ちよく、カフェのブルーベリーソフトもとても美味しくて大満足だった。カフェではサイフォンコーヒーや氷出しコーヒーもやられていて、お洒落なキッチンが気になりずっと見いってしまった。

思わずゆっくりしてしまい、バスの時間がギリギリになり焦ったが、その後は電車を乗り継ぎ無事帰宅の途に着いた。

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今回は個人的反省が多い登山となった。特に反省すべきは装備の軽量化で、岩場に行く意識がゼロの、縦走気分で来てしまっていた。私の持っている装備は、大学時代から使っているもので、とにかく安い代わりに重くてデカいものばかりである。岩瀬さんからは、まずは45Lのザックを買って、そこにしまえるような装備を揃えた方がいいとアドバイスをもらったので、今後こういった岩場に行く機会には揃えていきたいと思う。

また、水や行動食に関しても学生時代の固定概念に囚われており、水は夏には12L以上は持っていき、行動食は食べ切れないのにカロリー計算した分は持ってくるようにしていた。これは熱中症や低体温症を考えた際には安全サイド傾くが、岩場ではその逆になる。長期山行を行う場合には体のコンディションを維持する上で重要かもしれないが、今回のような12日では、多少削ったとしても体への影響は少ないと予想されるので、次回試してみることにする。


今回は雨予報ではあったものの、行ってみないとわからない、と決行を決めた結果、行動中は雨に降られず快適な山歩きができて良かったと思う。初めての剱岳を早月尾根から行けたことが嬉しかったし、色々と反省を持ち帰ることができて良かった。北方稜線はまたリベンジしたいと思う


おまけ(短い花の季節を楽しめました。)

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雪彦山 温故知新 マルチピッチクライミング

 こんにちは、おせんです。
 
 今回は谷口さんと吉田さん、自分の3人で、雪彦山の『温故知新』でマルチピッチクライミングをしてきました。

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温故知新の終了点にて
令和4年7月28日

前日、谷口さんから雪彦山でマルチのお誘い。
こんな暑い時期に、しかも低山なんて地獄やん…と思いつつも、これもトレーニングと気持ちを切り替えて参加しました🙄
結果、とても楽しかったです!
常に汗だくで熱中症寸前、手汗でホールドがヌルヌルしてヒヤヒヤしましたが、たまに吹く風は涼しくて気持ち良かったし、ビレイ点から眺める景色は夏っぽくて最高でした!!
この日は他にクライマーは居らず、雪彦山を自分達だけで独り占め出来ました。

参考までに、
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1P Ⅳ おせん ちょっと気持ち悪い取り付き

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2P Ⅲ 吉田さん 草付き

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3P Ⅳ? おせん 木を使って離陸したリッジ

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4P Ⅳ 吉田さん チムニー

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5P 5.10a おせん トラバースからの直上

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6P 5.10b おせん 逆くの字クラック

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7P 5.10a 吉田さん 長いピッチ
ちなみに今回、谷口さんはカメラマンでした📷

反省点は、せっかく買ったアプローチシューズ(スポルティバTX2)を家に忘れた事(何の為に買ったん…)ワークマンの建さん大活躍。
谷口さんもアプローチシューズ忘れて、クロックス。
事前準備は大事ですね!
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終了点から雪彦山頂上まで登って、そこから一般道を使って下山、途中の沢で身を清めて終了。
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丸一日、目一杯雪彦山に遊んでもらいました。
もっと上手くなって色んなルートをやりたいな、出来ればもう少し涼しい日に🙄

Lone peak / The Open Book

昨夏に単身渡米してはや一年が経とうとしています。
今僕はアメリカ中西部にあるユタ州で大学に通いながら、日々元気に山々を渡り歩いています。
果てない荒野が広がるイメージのあるユタ州ですが、実は3000mから4000mの山々がそびえる全米屈指の山岳県ならぬ山岳州であり、ロッククライミングからハイキング、ロングトレイルにBCまで、幅広いジャンルのアウトドアアクティビティが楽しめる場所なのです。

そんなこんなで山を楽しんできたこの一年、ずっと考えていた山の一つがLone peakのSummit wallでした。Lone peakはユタの州都・ソルトレイクシティの南東に位置する3,432mの山で、その山頂直下に今回のお目当てであるSummit wallが広がっています。この壁の他にもSouth Summit wallやQuestion Mark wallが存在し、下部から見上げると周囲を壁に囲まれた圧巻の光景を目にすることができます。トレイルランニングやバックパッキングでも人気を誇る山ですが、今回はクライミングでチャレンジをしてきましたので、以下山行記録です。 

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日時:2022年7月16日-17日
メンバー:石橋(会友)・J(会外)
ルート:The Open Book (5.7/6P)

今回山行を共にしたJとはFacebookを通して知り合った。アメリカには神戸山岳会のように地域密着型(?)の山岳会というものが存在しない。クライミングやバックパッキングはあくまでも個人でやるもの、という考え方なのかSNSを通してパートナーを見つけるのが主流だ。
“Lone peakをクライミングで登るパートナー募集“の投稿に返信をくれたJはお隣コロラドからラスベガスへ行く最中にユタでクライミングトリップを計画中、との事だった。そこから計画をああでもないこーでもない言いながらMessengerで立てて行くわけだが、その中で“リードは全て君に任せる“との一言。聞けばフリーはやるがアルパインルートは初めてで、カムやナッツは絶賛練習中だぜ!とのこと。少々不安だが元は初対面同士でザイルを組む予定なのだから今更言っても始まらない。もし本当にやばければ途中でもやめようと言い出す覚悟でOKの文字を打った。

初日はSummit wallの手前のキャンプ地までの長い長いトレイルを歩く。
9時に駐車場出発ね!という約束だったので8時半に駐車場へと向かうが、Jから少し遅れるとの連絡が入る。時間通りに行った試しがないのはこの国の常なのでこちらものんびり待つこと1時間。ニッサンのセダンに乗って笑顔で現れたJは挨拶を済ませるとものすごい勢いでザックにテントとシュラフを詰め込んでゆく。これまで数々の山屋が準備をしているところを見てきたが、ダイレクトにテントとシュラフを詰め込む人を見るのは後にも先にも彼だけだろう笑。持ってゆくギアを相談しながら簡単なサンドイッチ(本人曰く。僕は単なるジャムパンだと思うのだが。。。)をこしらえて、駐車場を出るころには10時に差し掛かろうとしていた。
アメリカのジリジリ照りつける太陽に焼かれながら、乾いたトレイルをどんどん歩いてゆく。

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お互いに登ってきた山の話や世間話をしていると時間が経つのが早いのは日本もアメリカも同じ。5時間ほど登るとキャンプ地へと到着した。 この時期ユタは夜9時ごろまで日があるので、余った時間は木陰でアメリカのでっかい蚊にたかられながら昼寝をしたり、ナキウサギを追いかけて遊んだり。8時ごろに夕食を各々取って早々に就寝。

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二日目は6時半にキャンプ地を発つ。岩がゴロゴロした谷を30分強進むと僕らが登るルートの取り付きへと辿り着く。生い茂る草木のないアプローチは見通しが良すぎて迷う余地もない。迷わぬことは良いことなのだが日本の山のアプローチ核心なんてのも今思えば楽しいもんだなあ、なんて思いつつせっせと登攀準備に取り掛かる。

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登攀開始7時30分。1ピッチ目はⅢ級の易しいガリーで、2ピッチ目は5.7のフェイスルート。事前の調べではここを繋げて登ったというコメントが多かったので相方と相談して2ピッチ繋げることにした。特に難しい場面もなかったが、予想に反してビレイポイントまでが遠い。相方が持ってきてくれた無線を使って残りのロープ長を何度も確認しながら登ってゆく。ロープ無し!の無線が入った時、ちょうどビレイポイントの小さな小さなテラスに立っていた時にはホッと一安心。にしても70mフルで伸ばすとシングルとはいえ重たかった(汗)。
だが問題はここから。アンカー構築のためのクラックがなんとも細い。。。C4の1番以上の大きさなら安心なのだが入るのはせいぜい0.5。。。仕方がないのでアンカーの荷重分担を考えつつ取れるプロテクションをありったけセットしてゆく。上にも下にも情報にあったようなテラスは今自分が立っている場所のみ。間違えているわけではないと思うのだが。。。この山行中最もいろいろ考えたビレイポイントだった。

3ピッチ目は5.7のチムニーを登る。チムニーとはいうものの、実際にはホールドもスタンスも豊富なのでどちらかといえばフェイスクライミングをしているようだった。このピッチのビレイポイントは広いテラスで明確だ!と情報には書いてあったので頭に入れて登ってゆくと、目の前に一本のハーケンが現れた。 あれ???と嫌な予感がする。このルートの初めから終わりまでの間に残置されているプロテクションは古いハーケンが二つのみ、それも4ピッチ目にあるはずなのだ。明確なテラス、とばかり思ってしまっていたがために本当のビレイポイントをすっぽかしてしまっていたのだ。しかし登ってしまったものは仕方がない。古いハーケンをありがたく使わせてもらって急遽そこにアンカー作ってピッチを切ることにした。登ってきた相方にミスった!と言うと満面の笑みでDon't worry! の一言。心強い。

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4ピッチ目は同じく5.7のクラック。平行に走る2本のクラックをうまい具合に使って登ってゆく。ここまでくるとかなりの高さがあり、振り向くと大パノラマが広がる。眼下にはこれまで歩いてきたトレイルがずっと下の街まで続いていた。ナキウサギの鳴き声が響き渡る谷に太陽の光が差し込んで本当に美しい。このピッチがこのルートの核心だが難なくクリアして上部のテラスまで駆け抜ける。

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テラスは広く快適でプロテクションも十分に取ってアンカーが構築できた。ここでしばらくお昼休憩。

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5ピッチ目はクラックとフェイスの入り混じる壁を登ってルーフを右に抜ける5.7のピッチ。下から見ると手強そうだがホールドがしっかりしていて快適に登れる。残置は前のピッチにある2本だけと聞いていたが、ルーフに下にも一本残置ハーケンが入っていたのでありがたく使わせてもらう。

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ラストのピッチはロープを出すパーティもいるようだがトポでは5.0との表記。実際ロープは必要ない簡単なピッチ。距離も短く、2人で歩いて抜ける。登り切るとそこは尖ったLone peakの頂上だ。

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登頂2時30分。お昼休憩の残りのJお手製サンドイッチを頬張りながら、下山準備。

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下山はノーマルルートの稜線からの予定だったが、別ルートを登ってきたパーティによればQuestion Mark Wallの中腹(そのパーティはBase of the Question Markと言っていたが、位置的には中腹。おそらく解釈の違い)から懸垂で降りた方が早いと聞いて予定変更。本来は2ピッチ70mの懸垂だが、2パーティーそれぞれのシングル合わせて一回で下りることができた。声をかけていただいたことに感謝である。

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キャンプを撤収して長い長い下りを降りる道中も振り返っては離れてゆくLone peakを眺めて余韻に浸る。登りきった山は登る前よりキレイに見える、とかつてこの山に登ったクライマーが言っていた。ほんとにその通りなのだ。また登りに来よう。

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駐車場に戻ったのは夜の8時。クタクタになったが本当に充実感あふれる山行になった。最後にJから「本当に素晴らしいアルパインクライミングだった。一生忘れないぜ!」と言われた時には涙がこぼれそうになってしまった。もちろん自分もこのクライミングとJを忘れることはないだろう。


会友の身にもかかわらず、この山行せっかくだから記録に残してみたら!と提案くださった我が会の委員長に感謝申し上げて、以上を山行記録とさせていただきます!笑
この記録が誰かの役に立つのかは不明ですが、気になった方はぜひユタ州に足をお運びください。いつでもお待ちしております!

※写真掲載はJさんに承諾いただいています。

2022.7.24 クラガリ又谷

2022.7.24 大峰 小橡川 クラガリ又谷 の記録

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こんばんは、岩瀬た、です。

毎度おおきにOKDさんと、クラガリ又谷に行ってきました。
「目指せザクロ第3弾」
ということで入渓。
OKDさんは以前に行ったことがあるよう。
入渓点から4つの滝と奥に大滝がみえている沢で、今回は堰堤で打ち切ったので非常に短い区間でしたが、登攀の緊張も相まってめちゃ楽しかったです。


以下、山行記録です。

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◎メンバー
OKD
岩瀬た


◎装備
45mロープ
ハーケン
カム小から中8個
ナッツ1セット


◎行程概要
7:11 駐車地
7:12 入渓
12:45 堰堤
13:20 入渓点近く


◎行程詳細
さて今回のクラガリ又、ザクロに向けての訓練山行としては、僕にとっては、結構緊張するだろうなぁの1つ目。今後これがほぼ毎週9月まで少しずつ難しくなりながら続くと思うとゲッソリした気分になるがまぁしょうがない。やってやるぜ。

駐車地について準備をし、即入渓。入渓点から主な滝は見えるし、入渓に関しては「なんて手軽な沢だ。」という感じ。
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(入渓点より。)


最初の小滝はひょいと越え、2つめの滝はOKDさんがリード。
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(2つ目の滝)
OKDさんはクラガリ又2回目でなおかつ結構良く覚えているようで、ひょうひょうと楽しそう。


2つ目の滝を無難にこなし、3つ目の滝。
僕がいかせてもらう。
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(スタート!)
登る前にOKDさんの「1段上がったら水線行った方が良いで。」の言葉を聞き、少し登って水線のラインを探すが、どこもツルツルそうで全く見えてこない。しかし経験済みのOKDさんの言うことを疑うわけにもいかないので、首を右に傾げたり左に傾げたりして執拗にラインを探す。
残念だが、やはり全く見えてこない。首をどんな角度に傾けても水線の岩はツルツルにしか見えない。
しょうがないので、僕に見えてる直上からのトラバースラインを登ることを伝え、満を辞してちょろっと直上し、トラバースに入る。
このトラバース、悪い!
壁面に生えるコケをこれでもかとむしりとり、ようやく見つけた持ってるのか持ってないのかイマイチ自信の湧かないホールドをつかみつつ足の入れ替えなどしてどうにかトラバースができた。1時間くらいヘバりついていたんじゃないか。
プロテクションはハーケンがよく効いていて安心感があったので、それは良かった。残置のハーケンや捨て縄とカラビナもあった。

滝の落口について、手間取りながらもナッツやらカムやらでビレイポイントを作ってOKDさんを迎える。実は僕は残置のボルトや木以外でビレイポイントを作ったことが無かったので、これは大きな成長だ。
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(ビレイ点から)
OKDさんと合流し話を聞くと、水線はフリクションが効いて意外に登れるらしい。
僕はまだ沢のフリクションを全然信用できていないので、ラインが見えてこなかったわけだ。
僕がトラバースラインに入っていくのを見て、「あらら、、、」と思っていたよう。


次の4つ目の滝はOKDさんが水線直登を試すが水圧に押されて乗り上がれず、左岸のルンゼ巻き。
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(水線は登れず)


そしたらもう大滝だ。
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(大滝)

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(右岸ルンゼから巻き上がる。)

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(落口手前に出て、ロープつけて滝上へ。)

木に残置の捨て縄が巻かれていたのでセルフを取ってボディビレイ。


その次の滝は滝右側を登ることにするけれど、下部がツルツルでうまく乗り上がれない。
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(大滝の次の滝)


ホールド豊富な水ドバドバの水線をパワーで上がって、段になってる部分をトラバースし、そこからは良い感じに滝上へ。楽しいクライミングだ。
そしてここもカムでビレイ点を作る。バッチリだ。
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(パワー)

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(ここからは結構快適)


その次の滝は一見して登れなさそうで、滝の左側は広いスラブになっている。
これは巻きだな。と巻道を目で探していると、OKDさんは「いけるいける」と。
いやいや、ツルツルやないですか!と言っているうちに登り始めてしまった。
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(ちょと待ってくださーい!)

まるで人知れず活躍する"関西 滝の美化活動"のようにタワシでゴシゴシと岩を磨きながら登っていく。
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(関西 滝の美化活動)

一心不乱に岩を磨くその後ろ姿はまさに漢である。
し、しょうがねえ、そんな姿を見せられたんじゃあたまらねえ。着いていかせていただきましょう。
とOKDさんの磨いた部分を恐る恐る辿っていくと、不思議なことに滑らない。
なるほど、ツルツルなところも慎重に選んで磨けばフリクションでいけるんだな。3つ目の滝で言っていたこともようやく理解できた。

ほほう。と思ってるうちに堰堤に出くわし、遡行打ち切り。
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(奥に堰堤)

右岸を詰めてモノレール軌道に沿って入渓点近くまで降りました。

下山完了。

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以上、山行記録でした。
ゴルジュ入門と言われる(本当に言われているのか?)クラガリ又。
・即入渓
・ギリギリ登れる滝
・下山すぐ
の3拍子でとても楽しかったです。

ここ最近、仕事終わりにクライミングジムに行ったり走ったりして、良い感じにテンションが上がってきている。なにか目標をセットして、それに向かっていくと仕事含め生活全般に張りが出てきて一生懸命取り組めるので、とても楽しい!!

OKDさん本日もありがとうございましたー!



2022.7.16-17 剱岳 早月尾根-室堂

2022.7.16-17 剱岳 早月尾根 室堂 の記録

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こんにちは、岩瀬た、です。

次の残雪期に、劔尾根R4に行きたいと思っているのですが、これは実は3年前くらいにアイスクライミングを始めてから買った、冬のクライミングのガイドブック「新版 アイスクライミング」に載っているカラー写真がカッコよく、「かっけぇ!いつか行けたらいいなぁ!」と思ってから、何度もその写真を見ているうちに気づけば1つの目標となっているルートです。
そろそろ現実的にトライしても良いんじゃないかと思えるようになってきたので、いっちょ偵察に行ってみるかということで、早月尾根から剱岳を経て池ノ平へ、そして劔沢を通って室堂にぐるりと回る計画をたてる。
小窓の頭あたりから正面にR4や下降路のR2が見えるはずだ。他にもチンネやクレオパトラニードルも間近に見えるはず。
劔沢の雪渓歩きでは、八ツ峰や長次郎谷や源次郎尾根を確認することができるだろう。これらも剱岳でのクライミングエリアの華型なので見ておきたい。
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(剱岳周辺)

今回の山行は、いつのタイミングか失念しましたが、北方稜線に行ってみようと思ってることをノマさんに話したことがあり、ノマさんも興味があったようなので一緒に行くことになりました。
結果としては悪天候を懸念して、早月尾根から室堂に降りる1泊2日となり、悪天候と言いつつ、仮に晴れてたとしても荷物が大きくて結構しんどかっただろうなぁという結果でもあったので、計画をブラッシュアップしてまたそのうち行こうと思います。
縦走はちょこちょこしてるつもりでしたが、思いの外体力が続かないシーンもあったりして、ムムムな結果でもありました。
巷では、"女子供にも容赦ない"と恐れられる私ですが、今回はノマさんに追いつけないシーンがあり、「きっと僕のザックが重いからや。まぁしゃあない。」と思いながら、ザックの重さを手で測ってノマさんのと比べてみると同じような重さだったので、唖然としてしまったことを先に白状しておきます。
鍛えなあかん。

前置きが長くなりましたが、
記録はノマさんが書いてくれるとのことなので、僕は交通手段や金額のメモと簡単な振り返りにしようと思います。

◎交通費、時間
大阪駅から富山駅
約3時間、自由席8,800円
富山駅から富山電鉄上市駅
約30分、610円
上市駅から馬場島登山口 タクシー
約40分、8900円

室堂から美女平、立山駅経由で富山駅
約1時間、4350円


◎時間
・7/16 晴れのち雷雨
5:40 富山電鉄 上市駅 タクシー乗車
6:30 馬場島 中山登山口 入山
11:50 早月小屋 到着 テント泊

・7/17 曇り,時々,雨,時々,晴
2:00起床
3:40 テント撤収、出発
6:50 剱岳山頂 到着
9:50 剣山荘
11:10 剱御前小屋
13:00 みくりヶ池温泉 休憩
14:40 室堂ターミナル バス乗車 下山完了


◎次のためのメモ
・ザックはコンパクトにする。
今回は、僕が65L、ノマさんが70L+10Lのザックだったが、剱の稜線を軽快に歩くためには45L程度のザックにしたほうがよさそう。
計画段階で、夜ご飯を鍋などでパーっとしたものにする計画を立てていた。とっても美味しかったので嬉しい晩御飯だったけれど、振り返ってみるとやはり鍋系は3人以上かベースを張れる時向けかもしれない。食事は贅沢は諦めて軽量化に全フリしたほうが良いだろう。フリーズドライとジェットボイルだけで良い。小屋の喫茶も使う計画で良いかもしれない。
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(晩御飯、豚汁。必要なものは鍋、水、ガス、バーナー、具、個人用コッヘル、ハシスプーン。美味しかった、ありがとう!)

住居は天気が良いならツェルトでいいだろう。
今回はノマさんのカミナドームはめちゃ快適だった。カミナドーム最高!
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(カミナドームにツェルトを被せた。)

3000m級の夏山の温度感を忘れていたけれど、ドライで風が凌げればテント内は夜間でもそこまで寒くなかった。シュラフを厚めにするか防寒着を厚めにするかは人それぞれな感じ。完全な晴予報じゃ無い限り着替えは削れない。

・水
早月尾根は水が汲めないので担ぎ上げる必要がある。
その他の場所は水場がある。

・天気
北方稜線を行く日は初見では晴れじゃないと怖いだろう。
そのほかの日は雨でもまぁどうにかできると思う。とはいえ、剱岳山頂から室堂までの一般登山道も濡れている状態ではまぁまぁ怖かったし、小雨だったので大丈夫だったけれど土砂降りだったらまた少し印象は変わっていただろう。
雷は要注意。いわゆる「大気が不安定」な時は入山しないのが無難(当たり前か!)。
今回、早月小屋でテント泊した夜、小窓尾根方面に何回も落ちる音がした。もはや気にしても手遅れだったのでそのままテントで夜ご飯を食べていたけれど、その判断が妥当だったかどうかは微妙。
天候予測は、やはり難しい。僕はどっちかというと多少天気が悪くても歩き山行などでは行け行けゴーゴーで突っ込むタイプ。その時の実際の雲行きをこの目で見て、一線は越えないようにだけしている。明らかに雨風が強ければ辞める。特に風。
しかし、「誰かと一緒」または「誰かに教える」となると天気の読み方は少し変わる。無論山登りは安全第一なので、予報が良くない時は辞めとくべきと言うけれど、実際のところどこまでの悪天候に耐えられるかは人それぞれなので、それを加味すると判断に非常に迷う。一緒に行く人が怖がらずに動けるかどうか、行けたとして楽しめるのかどうか。
判断を理詰めするには自分自身の理解が足りて無いので勉強が必要だし、勉強したことを忘れず正確に記憶しておかなくてはならない。記憶力に難ありの僕なので、普段SCWやwindyなどを見て判断して、その結果と照らし合わせて記録していくのは大事なことのように思う。ほとんどの場合行ってしまえばどんな予測だったかは忘れている。それをどうにか改善したいけれど、、、良い方法を考えて実施することから始めなければならない。
日頃からのコミュニケーションとメンバーで踏んだ山行経験によってもどんな天気で行くか行かないかは変わってくるだろう。

・雪渓
年によるとは思うけれど、7月はやはり随所に雪渓あり。8月後半、9月が妥当な感じ。
とはいえ、雪渓があることで水を担ぐ必要性が変わってくる。今回は早月小屋のテント場にはたっぷり雪が残っていたので、水は行動分だけでも良かった。


以上です。
ノマさん、2日間ありがとうございましたー!
僕は勉強になった2日間でしたが、ノマさんはどうだったでしょうか???

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