2022年08月

イブキ嵓谷 2022/08/27-28(おせんver)〜ドキドキの沢泊デビュー〜

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(サワタビトリオ、全ての核心を終えて)


こんにちは、おせんです!

今回はイブキ嵓谷で、念願の『沢泊』を経験する事が出来ました。
約1年前、服部文祥さんのYouTube『楽園山旅』に憧れて『沢登りがしたいです🤤』と神戸山岳会の門を叩き、この度ようやく『楽園山旅』を叶えることが出来たのです。
楽園というより地獄でしたが、今まで培った登山の総合力を全力で発揮できる、自分にとって筋トレでいうところのオールアウトの様な登山でした。

メンバーは『めざせ!ザクロ谷』のOKDさん、岩瀬た君、そして私の3人。

行程の詳細は岩瀬君が書いているとおりなので、私は私なりに気づいた事を、徒然なるままに書いていこうと思います。

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入渓から少し進むと『アメ止りの淵』
長い淵を泳ぎ進む。
右岸は30mの嵓が覆い被さるように聳り立つ。
手前から左岸を容易に巻くことも出来るものの、奥に見える2段10m滝を見に行く。

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2段10m
行けそうだったので、釜を泳ぎ滝の左側からフリーで突破。

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2段20m『桶側ノ滝』
この奇観を言葉で表現するのは難しい。
まず両岸とも大きく立ち、この写真の撮影地点は、50mの嵓が大きく侵食されて洞窟になっている。
一方向からでは、滝の全貌を掴むことが出来ず、滝の落下地点を確認する為、右側の暗い廊下を泳ぎ進む。

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まるで海溝のよう。

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滝壺のリサーキュレーション、そこから廊下に向かう横方向の強烈な水圧が岩壁に衝突し、更に90度に屈曲する廊下、廊下の突き当たりはエディが出来て、流れがあまりにも複雑で危うく廊下の奥に吸い込まれるところでした。
岩瀬君がテラスの上に居た事で手を借り、引き上げてもらいましたが(命の恩人🙏)肝が冷えました。
見た目は綺麗ですが、まるで地獄の釜か、河童の群れが住んでいるのでは、という程です。
これが泳いで近付かないと分からない洞穴の死角にあり、気付いた時には手遅れで、いつ引き込まれてもおかしくない為、テラスまでも泳いで近づくのは止めた方が良いです。
しかしとても綺麗で、青の洞窟の様でした(見たことないけど)
桶側ノ滝は右岸から、岩瀬君リード。


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先日メルカリで新調したクラシカルバランスライト(4,000円)一発目の荷上げで一気に男前に。
雨蓋に物入れ過ぎたかな?
またこの沢は、岩が脆く鋭利な部分もあって、登攀中、ウェアやザックの至る所が損耗しました。
アー○テリクスなんてもっての外!!

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一見容易そうなナメ滝5m
滝の左から離陸し取り付くも、ホールドスタンス共に乏しく一筋縄でいかない。
釜にフォールし振り出し…

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OKDさんは水流右から奮闘!
色々試行錯誤しましたが、少し寒くなって時間もかかっていたので、ここは大人しく左岸巻き、おせんリード。
ここもボロボロで気持ち悪かったです。

カラハッソウ谷との分岐を左にとり、いよいよイブキ嵓谷へ。

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透明度の高い釜にかかる小滝、その奥に15m滝。
とても清涼な空間でもっと時間をかけて堪能したかったけど先を急ぐ。
ここは左岸のガリーを、おせんがリード。
取り付きは草付きで、その後左上、嵓と大きなフレークの間に身体を入れ、ワイドクラックばりに直上。
その際、ザックがあっては登れないので、その場にデポ、フォローに回収依頼。
スタンスやホールドは動いたり、動きそうだったり、動かないと見せかけて動いたり、結局動いたりと相当脆く悪い。
何とか40mロープいっぱい伸ばしてピッチを切る。
あまりに悪かったので『次は山頂で日の出を見ながらコーヒーを飲む、そんな優しい登山がしたいな』と現実逃避しながらセカンドビレイしました。
嵓とフレークの間にデポしたザックは、フォローの岩瀬君がメインロープに固定し引き上げ、その際、意思の疎通が上手くいかず、手間取りました。
事前に打ち合わせをしておくとか、もっと効率の良いシステムだとか、色々と反省点は多かった。
ただ、自分の中では会心の登攀でした!

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三俣の本谷側30m
ここから一日目最後の大高巻きが始まる。
その前にヴルクシャーサナで精神統一。

大高巻きを終えて、ようやく幕営地にたどり着く。
随分かかってしまったが、まだ明るい内に野営の準備が出来て良かった。

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担ぎ上げたプレモルを沢水で冷やして

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乾杯して優勝✨

沢でやりたかった事の一つ。
今まで飲んだプレモルの中で、ダントツで一番に美味しかったです。荷物は軽量化の為、シュラフ無し、マットは50㎝+ザック、登攀具はほとんどメンバーのお二人に持っていただきましたが、これだけは外せない!とザックに仕込んでおいて良かったです。すみません🙏

夜は中々の不整地に極小マットとザックを敷き、シュラカバにくるまる。
タープは『晴れてるからいらんやろ〜』との神からのお達しで、夜空の下ごろ寝しているとパラパラと雨が。
雨は強くなったり弱まったり朝まで断続的に降り続け、その間シュラカバの入り口を小さくして、鼻と口だけ出して、耐える。
ほとんど眠れないまま朝を迎える。
4時半起床。
6時半に出発し、ゴーロ帯を抜けると、遂に黒滝が現れる。

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『黒滝』
イブキ嵓谷と言えば黒滝。
落差80mを誇り、三段になって落下。
落ち口からの水が霧となって降り注ぐ。
まるで巨大な遺跡か、無骨な巨像のよう。

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その左に聳り立つは『メオトグエ』
120mの大岩壁は天空を突き、ガスに姿を隠す。

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黒滝登攀
1P目、岩瀬君リード。
黒滝が見える右のルンゼを登り、その後左のフェイスにトラバース、からの直上。

ホールド、スタンス共に乏しく、更に草付きや灌木も根が張っておらずズルズルで激しく悪い。
ここをリードでキッチリキメるメンタルが凄い。
しかし黒滝バックの登攀は映えるな〜

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ちなみにおせんはフォローの際、ルンゼからフェイスへのトラバースでフォール。
一気減りました。


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1P目終了点から、黒滝登攀の可能性を探る岩瀬君『ここの凹角、行けそうですよ!』

俺は今すぐ温泉に行きたいかな( ^ω^ )

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 2P目おせんリード
黒滝から右にトラバースして開始。
前半ホールド乏しく、逆走で悪い。
そこを抜ければ容易なルンゼ、倒木でセルフを取ってビレイ解除。

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3P4P目、岩瀬君リード
ナイスクライミング!!!

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最後の悪所25m滝の高巻きを終えて一息。
荷物切り詰め過ぎて、行動食を切らしてしまいOKDさんに分けてもらう。
ポテトチップスを砕いて、ナッツとドライフルーツを混ぜた行動食、とても美味でした!
次から自分もやってみよう。

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夕陽の中を歩く沢屋二人
中尾から下山する。

一日目11時間行動
二日目15時間行動

自分自身、普段からそこそこ運動しており、体力はあると自負していましたが、結構ハードで完全燃焼でした!

沢経験豊富なOKDさんから沢泊のイロハを教えていただき、岩瀬君からは様々な場面でフォローしてもらいました。
このイブキ嵓谷を完全遡行出来たのは、お二人の力添えがあったからこそで、二人には感謝しかありません😌

ただ、自分の思っていた沢泊とちょっと違ったので、ザクロが終われば、次はちゃんと『楽園山旅』しませんか笑

2022.8.27-28 イブキ嵓谷

2022.8.27-28 大峰山脈 イブキ嵓谷 の記録

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こんにちは、岩瀬た、です。
OKDさんとおせんさんとイブキ嵓谷に行ってきました。

桶側ノ滝をはじめ、美しい景色の続くとっても良い沢でした。
クライミングパートは浮石が多くて気を遣ったり支点がプアになるところもあったりして結構緊張し、体力も必要で、山に来たなー!と思える良い山行ができました。
「目指せザクロ 第5弾イブキ嵓谷」です。

以下、山行記録です。

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◎メンバー
岩瀬た
OKD
おせん


◎行程概要
・8月27日
6:00駐車地
6:30出発
7:00 入渓
7:50 桶側ノ滝
10:30 イブキ嵓谷 分岐
10:50 ゴルジュ入口 巻き
13:30 15m滝シャワー
14:50 三俣
17:30 ゴーロ帯 幕営

・8月28日
6:30 出発
7:00 黒滝
7:20 黒滝右ルンゼ登攀開始
9:00 1ピッチ目終了
9:30 トラバース後、2ピッチ目開始
11:00 3ピッチ目開始
13:30 3ピッチ目後、4ピッチ目開始
15:00 4ピッチ目終了
15:30 25m滝巻き開始
16:30 沢復帰
17:00 尾根に詰め上がり開始
18:00 中尾に出る
21:15 駐車地 下山完了


◎行程詳細

・8月27日
ここ最近、あらゆる事情でなかなか計画通りに遡行できてなかったけれど、今回は目指せザクロメンバー揃ってイブキ嵓に来ることができ、嬉しいなと思いながら駐車地にて準備して出発。

30分ほど林道を歩いて、七面山登山口の堰堤から入渓。
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(入渓!)

しばらくは綺麗な河原歩きで、さっそく癒される。青みがかった水がすごく綺麗。水は結構冷たい。
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(泳ぐおせんさん、へつるOKDさん)

泳いだりしながら進み、アメ止りの滝を奥から登って、しばし進むと異様な形をした桶側ノ滝に到着。

うまく文字に起こせないけれど、大きく抉れた岩壁の対面の落口から水が滝壺にドドドと注ぎ、そしてその水は岩壁の中の洞窟に流れ込む。他では見たことのない構成をしている。

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(桶側ノ滝)

洞窟を泳ぎ進む。
水は深く透き通った青色をしていて、降り注ぐ光と相まって神秘的。
洞窟内の岩棚に上がると、岩のアーチの中に水が注ぐ滝壺を見ることができて、素晴らしい絵だ。
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(青い水中廊下)

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(桶側ノ滝の釜)

そんなこんなで桶側ノ滝を満喫してから、右岸側壁を登る。出だし少々悪いけれど、少し登ると残置ロープがあってホッとした。ありがく掴んで登る。
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(お助け残置ロープあり)


その後、しばらく進んで本流とイブキ嵓谷の分岐を過ぎるとゴルジュとなって、寒そうな釜を持った2条の滝とその奥にねじれた滝を見る。これは左岸を巻く。
リードおせんさんで、悪かったらザックは置いて行ってフォローが回収して登る約束をして、クライミングスタート。ばっちり抜けていく。

セカンドOKDさん、サード僕で登ったけど、草付きを上がった後にボロボロのルンゼを登らねばならず、どれもこれも乗ったら崩れるんじゃないかとヒヤヒヤ。
悪い上にザック回収がなかなか大変で、当初はザック2つ背負って登るつもりだったけど全然無理で、ザックを自分の手前でロープに固定して、ザックごと引っ張ってもらいながら登ろうとするも意思疎通がうまくいかず引っ張り上げてもらうことができなかった。
結局、ザックを手で持ち上げながら登るのを繰り返してめちゃめちゃしんどかった。
これは作戦ミスだったなぁ。

ようやく巻き終わり、ゴーロをしばらく進んで15m滝をOKDさんがリードし、後続する。
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(唯一直登できた15m滝)

落口は次の滝の釜になっていて、ツルツルでなかなか釜から上がれない。
滝右側のクラックにハーケンが打ってあるのを見つけ、スカイフックをかけてA0で乗り越す。

しばらくして三俣分岐に到着。右から入る沢に進むわけだけれど、滝は登れないので真ん中のルンゼから巻きに入る。
グラをぐるりと巻き上がるも、どの辺まで来てるかいまいちわからず、迷いつつ15mほどの懸垂3回で沢に復帰。結構時間がかかってしまった。

その次に25m滝を巻いたはずだが、これはよく覚えていない。

幕営適地どこかなぁと思いながら進み、なかなかこれといった場所が見つけられず、伏流したゴーロ帯に入りそうだったので、水のあるところまで戻って小マシなところを見つけて幕営。

雨降らない予定だったのでタープも張らずにそれぞれ適当に寝たけれど、夜半に雨が降り、各々シュラフカバーで凌ぎながら寝た。あまり強く降らなくて良かった。
小雨ならタープいらないな。

おせんさんは元々はゴルジュ突破や滝登攀云々では無く、輝く生命を堪能するような沢を求めて山岳会に入ったよう。
しかし、いつのまにか目指せザクロ計画に組み込まれ、病み上がりの体で初めての沢泊をイブキ嵓谷ですることになり、桶側ノ滝の洞窟で溺れかけ、浮石の登攀や巻きを強いられたうえに、新しく買ったZERO POINTのザックは荷上げで速攻破れ、いつ終わるともしれないしんどいゴーロ歩きを経て疲れたのちに、雨をシュラフカバーで凌ぐという、若干哀れな状況になっていました。
とはいえ、なんとビール3缶も担ぎ上げたうえに30Lザックで済ませる余裕っぷりで、流石だという感じでした。強者!!
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(はしゃぐおせんさん)

この記録を書きながら、そんな初めての沢泊は僕だったら絶対嫌だなと、つい思い出しニヤつきしてしまいます。クックック。


・8月28日
未明に起床し、朝ごはんを食べて片付けをして、6:30出発。

しばし伏流したゴーロを歩くと、ドーンと黒滝が登場!
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(黒滝)

いつか、冬に登ってみたい。凍った黒滝の動画を見たことがあるが、登ることを想像するとプルプルふるえてしまう。無数の氷柱が垂れ下がる絵だった。登るラインを間違えられない、ボールドで立体的なクライミングになるはずだ。果たして僕は一生のうちにそれができるようになるのかな。

と思いつつ、右のルンゼから取り付く。
巻き開始、1ピッチ目。
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(1ピッチ目出だし)
ルンゼ途中から左のフェイスに乗り上げ、滝が見える位置をキープしながら登ってみるが、下から見上げた時よりも傾斜が強く、良いスタンスと思ってたところも外傾していてヌメる。
草がついてる割にどれもすぐ抜ける草ばかりで、魂のデッドムーブでやっと掴んだと思った細い木も根っこごと剥がれかける始末。
自分の中の絶望がすぐそこに待ってるのを感じてしまうが、飲まれたら終わりだ。気楽にいかなくちゃ。
「うわやべえ、これはやばい。でも全然大丈夫。落ち着け落ち着け。」とブツブツ言いながらのクライミングとなったけれど、ギリギリのところで安心できる支点がとれたりしたので、まいったなぁ。と思いながらも登ることができた。やれやれだ。
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(グッドロケーション)

緊張の成果もあり、無事に黒滝がよく見えるしっかりした立木で終了点を作ることができ、荷上げをしつつ後続を迎える。
終了点からみると、水線右の凹角も草が生えていて、クラック沿いにもしかしたら登れるんじゃないかとチラッとよぎったけれど、やはりビビったのでやめておく。
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(凹角行けるんじゃないかぁ??)

それに、このピッチで時間かかり過ぎた。辺なところを登ってしまい、お二人には申し訳ない。

終了点からトラバースして、「あここが記録に載ってるルンゼだな」という顕著なルンゼを見上げる。
階段状に見えて、2ピッチ目はおせんさんのリード。
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(2ピッチ目おせんさんリード)
少し上がってからモジモジしていて、そんな悪いのかな?と不思議に思っていたけれど、フォローで上がってみると意外にもホールドが少なくて、悪かった。ナイスリード。

3ピッチ目は岩棚からのチムニーで、僕がいかせてもらう。
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(3ピッチ目、左壁の岩棚からチムニーへ。)

出だしが少し悪く、岩棚に上がりづらかったけれど、残置ハーケンがあり、スリングあぶみで乗り上がる。
岩棚は滑っていていやらしい。しかし、水平クラックが走っていてカムがよく効くのであまり恐怖感は無い。
しばし岩棚を進んでチムニーに入る。
ここも、ワンムーブ起こす時にはカムやハーケンでしっかりした支点がとれるので、結構楽しかった。
浮石が多いので落とさないように気をつけつつ登って抜け口まで来たが、40mロープでは理想的な立木に届かなさそうだったので、抜け口からトラバースして右手の太い木を終了点とした。
後続を迎える。

サードで登ったOKDさんにそのままロープをひきづってもらって最後のピッチの取り付きまでいき、4ピッチ目も僕がリードさせてもらう。

これは傾斜も緩く簡単に見えたので中間支点のスリング長をあまりよく考えずにとっていった結果、屈曲でロープが重くなり、抜け口が垂直に立っていて、ちょっと嫌な重さになってしまったので、最後の乗越手前のスペースで終了点を作って2人に上がってきてもらう。
適当なことして申し訳ないと思いながら、最後の乗越も僕がいかせてもらい、ついに安定した場所にたどり着いた。後続を迎える。
黒滝の巻き終了!いやぁ緊張した!

沢に復帰して、次は25m滝の巻きだけれど、これもルーファイうまくいかなかったりで結構時間がかかってしまい、巻き上がった頃には16時になっていた。
元々下山予定を15時にしていたので、あらら、、、と思いながら、携帯に電波入るかなと思って見てみると、運良く電波が入ったので、下山遅れる旨を会に伝える。

沢復帰して、しばし進んでシラビソの倒木が目立ってくるところから尾根に詰め上げ、ついに中尾に出る頃には夕陽がとっても綺麗で、下り出しの藪漕ぎも綺麗な光の中を進むことができました。
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(綺麗な光)

ヘロヘロになりながらヘッデン下山して、21時30分、ようやく駐車地に到着。

下山完了。
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以上、山行記録でした。

イブキ嵓谷、沢登りのいろんな楽しみが詰まっていて、渓相美しく、遡行するにはいわゆる総合力が試される、とても良い沢でした。登れる滝は少なかったので、直登大好きOKDさんは若干口を尖らせる場面もあったような気もしますが、もし次来ることがあったら桶側ノ滝登ってください!笑

登攀も巻きも時間かかったので、良い勉強になりました。登るスピードはかねてからの僕の課題ですが、それ以外にも荷上げの段取り、ピッチの切り方など考えて、もう少し早く進めるようになりたい。

下山が遅くなった(というか計画の時間割が早過ぎた)のは、僕の計画が甘々だったので反省です。

大満足のイブキ嵓谷遡行でした!
OKDさん、おせんさん、ありがとうございました!!
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(桶側ノ滝にて記念撮影)



2022.8.20 池郷川下部ゴルジュ(撤退)

2022.8.20 池郷川 下部 ゴルジュ の記録

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こんにちは、岩瀬た、です。

池郷川下部ゴルジュにOKDさんと行ってきましたがしかし、水量多くゴルジュ内を遡行できなかったのでF3で引き返しました。

また水量少ない頃合いを見計らって行ってみようと思います。

いくつか写真を撮ったので、記録に残しておこうと思います。

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(駐車地からすぐ入渓。ゴルジュ入口までは遊歩道を歩いた方が楽。)

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(河原を歩いたり時々泳いだりしつつ)

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(ゴルジュ入口!いよいよだー!!)

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(F1、左壁を登る)

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(F2、水量少なければ水線直登できるみたい。今回は全く近づけなかった。右岸リッジから巻く。)

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(F3、これも水量少なければ左岸に渡ってトラバースできるよう。)

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(漢の中の漢のOKDさんも「いやこれ無理やろー」。巻いて遡行続けるか少し迷ったけど、ゴルジュを遡行したくて来たので引き返すことにした。)

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(F1の釜に飛び込む。OKDさんは躊躇無く飛び込んだが、僕はめちゃめちゃ躊躇した。飛び込み、思ってたよりビビった。)


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時間あまりまくりなので、ボルダーやロープワークやハンマー投げの練習をして遊びました。


以上です。
結構楽しみにしてたので、残念。
ゴルジュ沢は晴れが続いてないと厳しいな!!



2022.8.13 鞍瀬谷本谷

2022.8.13 愛媛県 鞍瀬谷 の記録

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こんばんは、岩瀬た、です。

OKDさんと愛媛県の鞍瀬谷に行ってきました。
本当は「目指せザクロ第5弾 立合川」の予定だったのですが、台風8号が紀伊半島に直撃するということで四国に転戦。
ちなみに「目指せザクロ第4弾 三ツ嵓谷」も先々週に行く予定だったのですが、これは体調不良で不発となり、僕はごく個人的に前鬼川で茶を濁していました。
2連続計画変更で、なかなかうまくいかないもんだねぇといった具合です。

ということで、今回は改めて「目指せザクロ第4弾 恐怖のオロロ 鞍瀬谷」です。

以下、遡行記録です。
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◎メンバー
OKD
岩瀬た


◎行程概要
5:45 駐車地
6:00 登山道 入口
7:00 松ヶ谷出合(?)
9:20 夫婦滝
16:00 稜線の登山道
19:00 保井野
19:40 駐車地


◎行程詳細
保井野に入る車道が1本道になる手前あたりで駐車し、準備して出発。
ここまでの運転はOKDさんがしてくれて、僕は横で眠りこけていた。すみません!

国土地理院の地図で示されている登山道は入り口が藪になっていて、ほんとにここからスタートなのかなと思いながら入山。
ガイドブックではこの登山道をしばらく歩いて入渓となっていたが、もはや登山道は荒れ果て何箇所も崩落していて歩きづらい。時折それっぽい踏み跡や広い道を辿るが、途中で見失ってしまったので入渓。
まぁガイドブックも20年前の記録なので、いろいろと変わっているのだろう。
荒れている割にハシゴなどかけられていて、良い時期には人も来るのかもしれない。
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(まだ歩きやすい部分)

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(ハシゴ)

歩いて暑かったし登山道も不明瞭だったので入渓。気持ちいいな。
と思っていると、気づけばアブに囲まれていた。

このアブは北陸地方では「オロロ」と呼ばれている、イヨシロオビアブだ。
オロロの習性を事後に調べたが、二酸化炭素や黒系の物、動く物に反応するそうだ。
そして、美味しい食事をするべく噛むのだ。

本当に、いつのまにか気づけばオロロに囲まれていた。最初は「虫多いな」程度だったのが、「え、ちょっとやばくない」に変わり、そして「ぎゃー!」である。暑いけどカッパのフードを被って手でパチパチ叩きながら進む。
ナワバリを離れたら落ち着くはずと信じて時々水に潜ったりして逃げながら遡行を続けるが、結局地図の「鞍瀬渓谷」と書かれた分岐あたりまでずっとたかられてしまった。噛まれまくって痛い。
泳いでオロロ、歩いてオロロ、小滝を越えてもオロロオロロだ。

気づいたら囲まれていたのと同じように、気づいたらオロロはいなくなっており、そして気づいたら特徴的な貝ノ口滝に着いた。どこをどう進んだのか全然覚えてないし、ガイドブックに書かれている滝や支流もわからなかった。
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(こんなところあったっけ。綺麗じゃん。)


貝ノ口滝はパッと見たらまぁ時々見るような綺麗な射滝だが、少し欲張って奥から見ると2段になっており、えぐり取られた岩壁が洞窟のようで、なかなかどうして不思議なカッコいい滝だった。
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(貝ノ口滝)
うまく写真に収められなかったのが残念。

貝ノ口滝を巻くために右岸に入るとまた登山道が続いていて、すぐに夫婦滝に着いた。
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(夫婦滝)

そこでしばし休憩し、夫婦滝を左岸から巻くが、ルーファイに少し難儀する。あっちを来たりこっちを来たりして若干迷いながらも、ちょうど滝の落口に着いて木にスリングをかけてセルフをとりつつ沢に復帰。

そこからしばし歩くと奥夫婦滝だ。
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(奥夫婦滝)

ここでも少し休憩する。
どうもOKDさんの調子が上がらない。病み上がりでなおかつ睡眠不足で息が上がるようだ。
下山するかどうか話し合って、上まで抜けた方が楽なんじゃないかということで遡行を続ける。

奥夫婦滝も左岸を巻き、良いとこまで進んで懸垂下降で沢復帰。
小滝を交えて進むが、どうも谷が荒れている。
倒木が結構詰まっていて歩きにくいし、最近落ちてきたばかりじゃないのかと思える鋭利な岩がゴロゴロだ。
なんやらかんやらと進んで源頭の雰囲気になってきて、詰め上がる。
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空は見えているのに詰めが意外と長い。
藪を漕いでるのに足元は苔の生えたガラ場で結構崩れるし、たぶん詰め上がる沢を選びミスしてしまって、グラの迷路みたいなところに入ってしまった。
地図には載っていないグラばかりなので、目で見てどうなってるか想像しながらガラガラルンゼを登ったりトラバースを交えたりして、どうにか迷路を切り抜けることができた。
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(詰め)

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(詰め)

稜線近くは立った壁が多く、抜けるのは難儀したけれど目で見るのはなかなか綺麗だ。

グラを抜けて、最後にチョロっと笹藪を漕ぐと登山道にポンと出た。やれやれだ。

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(やっと出たー!)

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(お疲れ様でーす!)

あとはゆっくり登山道を降りて帰って来ました。

と締めたいところだが、そうもいかなかった。

登山道を降り切ってようやく保井野の登山口の車道に出た頃には汗ビシャビシャで、そこにちょうど登山者用(?)のホース付きの蛇口があったので嬉々として水浴びをしていると、またオロロの大群に囲まれてしまった。
なぜだ。さっきまで全然いなかったのに、水浴びした途端にどこから湧いて出てきたんだとオロオロしてしまう。
どんどん増えるので、ぎゃーと思いながら保井野の集落を進むが、オロロは増えるばかり。もう気が狂いそうだ。なんだったらOKDさんは「あー!!!」と叫んだりして若干狂ってきている。
足なんか、僕は黒い短パンとグレーのスパッツを履いていたのだけれど、適当に手で叩くと無数のオロロをまるごと叩き落とせるくらいにたかっていて、痛いやらキモいやらだ。

入山時、オロロは駐車地にはこんなにいなかったことや、保井野の人たちはこんなオロロの大群の中でどうやって生活しているのか不思議に思いながらひたすら叩き続けて駐車地に戻ってくると、オロロはいなくなっていた。
実に不思議だ。なんなんだ。

下山完了。

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今回の遡行はなんといってもアブの恐怖に尽きました。アブ以外ほぼ覚えていないと言っても過言ではありません。

オロロのことをネットで調べると、「アブの生態とその防除法 早川博文」という文献に辿り着いたので、是非検索してみてください。
まぁ結論としては、沢登りではアブはどうすることもできなさそうです。防虫ネット被って明るい色のカッパで全身包んどくくらいしかできなさそう。

入渓時に水辺でアブが多いのはしょうがないとして(しょうがないとは言え、多過ぎたけれど。。。)、下山時、アブが保井野で多く駐車地では少なかったのは、もしかしたら時間帯の問題かもしれません。イヨシロオビアブは19時くらいが活動のピークで、20時くらいから明け方までは落ち着くようです。

2022.8.6-7 川浦渓谷

2022.8.6-7 川浦渓谷 本流 海ノ溝洞

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こんにちは、岩瀬た、です。

泳ぎ沢の練習をするべく、川浦渓谷にダイさんに付き合ってもらい行ってきました。

前日まで東北や北陸で大雨災害がおきており、水の力をニュースで見つつ、奥美濃は多少雨は降りながらもどうにか天気がもったので、1日目は川裏渓谷本流、2日目は海ノ溝洞とする。

結果としては、1日目の本流は核心部手前の幅広滝の水量多く諦めて、2日目は海ノ溝洞のF2を登ってから引き返し、気持ちを切り替えて本流のリベンジ。70mゴルジュを乗り切って疲れたので脱渓し、上流までは抜けなかったという感じでした。

以下、遡行記録です。

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◎メンバー
岩瀬た
ダイさん

◎装備
フローティングロープ25m
ロープ30m
カム#0.1から#1
ハーケン
ライフジャケット


◎行程概要
・8/6 小雨後晴れ
8:40 バイオトイレ駐車地 出発
9:00 板取川キャンプ場 入渓
13:00 幅広滝斜め懸垂支点箇所 脱出,巻き開始
15:00 川浦2号橋 水浴び
16:00 駐車地

・8/7 晴れ
8:00 川浦1号橋近くの林道通行止め箇所 出発
8:05 入渓
8:30 海ノ溝洞 入口
9:00 F2
10:00 引き返し
10:50 本流 斜め懸垂支点
11:20 50mゴルジュ入口
11:30 70mゴルジュ入口
14:30 ゴルジュ突破地点 休憩
15:00 川浦2号橋
15:30 駐車地


◎行程詳細
・8月6日
久しぶりに会うダイさんと最近どんな感じか喋りつつ雨降る高速道路を一路岐阜へ。BGMはご機嫌なヒップホップミュージック。外車にエミネム。
高速出口のコンビニで車中泊。

駐車地で準備して出発。
入渓は板取川キャンプ場からにした。僕は初めて行く場所のスタート地点は安定したところが好きだ。さぁ始めるぞって感じがする。
入渓点に向かう道中、そういえばダイさんと沢に行くのは初めてだったということに気づく。何回も一緒にいってるような気がしてた。そういえば一緒に山(今回は沢だけど)に行くのは昨年末の石尊稜以来だ。わお。
ダイさんは川浦渓谷本流に一度来たことがある。
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(キャンプ場から入渓)

人のチラホラ見えるキャンプ場から入渓し、しばし泳ぐ。
泳ぎがなかなか捗らないダイさんの「こんなに流れきつなかったで。」とブツブツ言うのを聞きつつ進む。
岸についてるコケを見ると、おおよそ20cmくらいの増水のよう。
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(ダイブ!)

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(ダイブダイブ!)

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(トラバースも交えて)

海ノ溝の入り口は濁った水が渦を巻いていて、明日にはマシになってたら良いなと思いながら通り過ぎて本流を進む。
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(明日は行けたら良いな)

懸垂支点が打ってある岩棚で休憩しつつ、流れに逆らって進まないといけない滝の落口を見る。
壺は真っ白な濁流だ。
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(ちょっと辞めとこうかな)

何回も瞬きをしたり首を左右に傾けたりしたけど、進める感じがしなかったので遡行打ち切り。残念だ。

さて脱出。
進めなくなったのは残念だけど、脱出というシチュエーションに淡い憧れがあったのでこれはこれで少し気持ちも上がる。
ボロいルンゼを登攀して藪に突っ込み、合計3ピッチでようやく安定した尾根に出て、そこからトンネル口を目指してトラバース。
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(ルンゼを登って)

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(やぶ漕いで)

ヒルはまだしもマダニに着かれたら嫌だなぁと思いつつ藪を漕ぎ15mを5回の懸垂下降でちょうどトンネルの上に通ずるルンゼに出て、汗びっしょりだったのでロープをフィックスしてルンゼを下って沢に入ってクールダウン。気持ち良い!
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(暑かったので気持ち良い)

途中から僕も遡行は結構諦めてたので、無事に戻れて良かったと思いながら1日目終了。
ちなみに、わざわざ脱出路を行かずとも、少し下降したら楽に林道に上がれる。

郡上市の台湾料理屋さんで夜ご飯を食べて、スーパーで酒を買って、板取川温泉の道の駅で野宿。机と椅子と屋根があって、気温も丁度良くて快適だった。


・8月7日
8時に川浦1号橋の近くの通行止めのところに駐車して、今日は橋のたもとから入渓。傾斜の緩いところを歩いて、最後は7、8mくらいの懸垂下降。
入渓して、昨日より水量は落ち着いていたのでひとまず海ノ溝に向かう。
入口の滝は左岸から越えて、さぁ始まりだ。
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(始まるぜ!)

F2、ダイさんが滝右側からいってる記録を見たと言うことだったので、フローティングロープをつけて右岸をヘツってから左岸に向けてダイブする作戦にする。
激流に突っ込むようなものだったので緊張したけれど、手を上げたらロープを引っ張ってらう決め事をし、ダイさんを信用してトライ。
なんか足場がある感じがするなぁと思いつつあと少しでどうにかなるんじゃないかと思った3回目のトライで、左足が下降水流に捕まったと思った瞬間に身体ごとひきずり込まれたので、必死の思いで手を上げながら沈む。
その時、やはり必死な時は自動的にゾーンに入るものなのか、ゴーグルごしの視界の端っこで、ダイさんがツルッと滑って水に落ちるのが見えた。
あまりにマンガチックだったので、
「今ここで、それはあかんやつー!」
と思わずニヤッとしながらどうすることもできなかったが、意外とスッと流れから逃げることができ、そうなると次はダイさんのことが心配になる。ダイさんが立ってた場所の少し下も岩だらけで流れが早い場所だった。
僕自身流されるままロープを引っ張り続けて、ダイさんも無事だったことがわかってホッと一安心。
やれやれ、もう辞めとこかなと思いつつしばし休憩して、そういえば左岸ばっかり試してたけど、右岸は試してないなぁということで、ダメ押しでもう一度右岸をそのままヘツる作戦に変更して再トライ。
そしたらなんと、2回目のトライでどうにか滝上に乗り上がることができた。
とはいえ、やばい水圧の中を慎重に良いところまで行かないといけなくて、やっと良いところに着いた時にはロープがギリギリの長さ。
おぉセーフと思いつつ、ハーケン2枚打ってセルフビレイ。
空身で来てたので、荷上げに取り掛かるけれど自分の場所が悪いのと水圧が強すぎるのとで引き上げられない。
引っ張るザックが重すぎて、とりあえずハーケンにザックの荷重移そうとクローブヒッチで固定すると、ハーケンが岩ごと剥がれた。ロープを介してザックは自分と繋がっていたので、やべえと思って渾身の力でザックが流れるのを止める。あろうことか手元でロープが絡まってしまって、流されるザックをひっぱったりしながらどうにか絡まりをほどいてとりあえず荷物を流れに任せると、下の滝まで行ってしまって、また動かなくなる。全力で引っ張る。
もう腕ちぎれそうなんやけどどうしようかなと思ってきたタイミングでダイさんが荷物を回収してくれてことなきを得ました。
こんな調子じゃこの先無理だろうってことで引き返して、本流のリベンジに切り替える。

昨日諦めた滝は水位が下がっていてどうにかなりそう。
よっしゃと懸垂下降して滝の落口へ。
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(昨日よりは水量減っている)

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(斜め懸垂というか、懸垂して段沿いに降りる感じ。)

ムム、水位が下がったといえどもまだ結構水圧あるなと思いながら、ギリギリのところに良い足場があり、壁沿いに思い切って泳げばいけそうだったので頑張って泳いで無事に通過する。
良いところにクラックがあったのでカムをキメて一旦落ち着く。
さてダイさんの番だが、ダイさんは出発直後にズルズル滑って流心の方に引き寄せられた。どうにか立ってるけど諦めモード。
「ロープ切り離すわ!」と割とあっさりと諦めロープを外したけど、すぐ後ろは釜で、まぁ落ちても大丈夫だろうということで僕も出発したけど、できれば落ちるのは避けたい。
まだ諦めるのは早いやんということで、壁沿いに進めば絶対いけると説得して、もう一度ロープをつけてもらい、慎重に進んで無事に合流できた。

いやぁ良かったと喜びつつ、50mのゴルジュはダイさんに先行してもらい、僕は引っ張ってもらう。快適!
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(ダイさんに先行してもらう)

そして次の70mゴルジュ。
ゴルジュはなんか若干波打っていて、どうにか抜けられればと思いながら必死で泳いで進むけれど、わずかにゴルジュがすぼまっているところの流れが早くて突破できない。
左岸の棚に上がって何度かダイブして試みるも無理だったので一旦引き返して作戦会議。
ダイさんが以前来た時はトップは左岸の棚を少しトラバースしたハズということで、「えぇあそこ行くの」と思いながらトライしてみる。
タワシでスタンスをこすってハイステップからのマントル返しワンムーブで上がったものの出した手がヌメヌメでゼロフリクション。バランシーになりつつどうにかマントルを返しきって棚に立つ。
やったぜと思いながら少し進んで、段を降りないといけないところで少し困ったが、残置のハーケンがあったのでそれにスリングを引っ掛けて手がかりにして降りる。残地ハーケン様様だ。
良いクラックがあるところでビレイ。
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(クラックでビレイ)

ダイさんは引っ張り泳ぎで突破(僕から見える位置に来た頃にはダイさんは全く泳いでおらず、ただ引っ張られるに任せた体制だった。見えるところまでは必死で泳いだらしいが、僕はいまだに疑っている!!!)してもらい、合流。

その次のピッチも同じように僕は棚をトラバースで進んで、また良いクラックがあるところでビレイ。
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(天気良し!)

棚のトラバースはちょいちょい悪かったけれど、落ちても出だしまで流されるだけだったので気は楽だ。
このピッチはダイさんにも棚に上がってきてもらわねばならず、うまく上がってこれるかなと心配したけれど、慎重にヌメるスラブを上がってきて、無事に合流。流石。ホッと一安心。

さぁ、ついにゴルジュ出口。
目の前には白濁した釜を挟んでゆったりできる場所が見えている。
段を降りて激流の真横を通っていかねばならない。
ここにも残地ハーケンが打ってあって、同じような人いるんだなと思いながらありがたく使わせてもらう。
捨て縄要らないだろうと車に置いてきたが、痛恨のミス判断。ダイさんのプルージックコードを犠牲にして懸垂下降。ダイさんありがとうございます。

何箇所かプロテクションを取って手がかりにしつつ、懸垂下降したロープをプロテクションにかけながら進んでようやっと出口を通過する。はぁ緊張した。
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(落ちたくない)

ダイさんも無事に通過して、岩棚の上でゆっくり休憩。70m進むのに実に3時間もかかった。

もうお腹いっぱいだったので、岩棚から左岸の木登りをして林道に出て遡行終了としました。
やれやれ疲れた。

同じく川浦渓谷本流にトライしに来たという楽しげなパーティが橋の上で声をかけてくれて、ワイワイ喋ったりしました。ありがとうございました!

しばし歩いて駐車地へ。
下山完了。

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今回はやはり前日までの雨の影響を甘く見ていたということに尽きます。
本流も海ノ溝も途中で終わってしまったので、また1週間くらい晴れが続いたらリトライしたいなと思います。

やりきらなかったのは残念だったけど、泳ぎもヘツリもめちゃめちゃ良い練習になったので、それはすごく良かったです。次はもっと綺麗な川浦渓谷を楽しみたいなと思います。

ダイさんお付き合いいただきありがとうございました!!!
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