2023年01月

2023.1.28-29 中山尾根 河原奥の氷柱

2023.1.28-29 八ヶ岳 中山尾根 河原奥の氷柱

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こんばんは、岩瀬た です。
今シーズン4回目となる八ヶ岳にまた行ってきました。
今回はいつものメンバーとは少し違い、会外の友人、がんちゃんとアヤちゃんと行ってきました。
2人とは友人の繋がりなどで知り合い、秋に名張でクライミングしてその時に「冬にアイスをしに行こう」となり、今回実行となりました。

がんちゃんは大滝登攀やゴルジュ遡行などの狂ったことをやる沢ヤでありつつアイスやスキーもやっていて、先日に大峰の双門ノ滝をアイスクライミングとして初登したよう。
アヤちゃんは結構最近クライミングを始めて、あれよあれよと5.12台をポンポン落とす狂ったクライミングマシーンと化したクライミングギャル。もといクライミングバム。ここ最近は八ヶ岳に常駐してアイスやアルパインに取り組んでいるよう。

狂った2人と行く山行はどうなるのかと、自然を愛でるのが趣味の善良なサラリーマンの僕は少々不安でしたが、結果、とっても楽しい2日間を過ごすことができました。

以下、山行記録です。

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◎メンバー
岩瀬た
がんちゃん
アヤちゃん


◎行程概要
・1/28
5:30 八ヶ岳山荘駐車地 出発
6:15 やまのこ村
8:30 行者小屋 休憩 準備
9:30 中山乗越
10:20 中山尾根 下部岩壁 取付
13:00 上部岩壁
15:30 上部岩壁終了 トラバースして主稜線へ
16:00 地蔵尾根 下降開始
16:30 行者小屋
19:00 八ヶ岳山荘駐車地 仮眠室泊

・1/29
7:30 起床
8:30 出発
9:00-12:30 河原奥の氷柱
13:00-14:00 角木場(見学)
14:30 八ヶ岳山荘


◎行程詳細
・1/28
5:00、八ヶ岳山荘の駐車場にて全員合流。準備を整えて出発。
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(出発!)

今週の寒波で雪がすごい積もってるかと思っていたが案外そうでもなく、さすが八ヶ岳、いつも通り登山道はしっかりとトレースがついている。
行者小屋にてギアを身につけて中山乗越へ。
上部がガスっていたことと、気温は低く風が強いことも想像できたことに加えて、がんちゃんの調子も芳しくなく、計画変更して赤岳鉱泉でコーヒーを飲む予備計画に切り替えるか迷ったけれど、気合と根性の男がんちゃんが「進む」というので、とりあえず取り付きまで行くことにする。
ちなみにがんちゃんは以前に中山尾根に来たことがあり、最終ピッチを残して撤退しているので今回はその最終ピッチを登りにきたよう。

中山乗越から下部岩壁までトレースが少し残っていて、場所によっては腰高のラッセルがあるくらい。
どうやらアヤちゃんはあまりラッセルをしたことがないようで、はしゃいでいる。
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(ラッセルラッセル)

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(ラッセルラッセル2)

アヤちゃんは沢登りやキャニオニングの経験は結構あり、フリークライミングに関してはこの3人の中でもダントツで力があるのだが、冬のアルパインについては経験もまだ少なく自信があまり無いようで、今回は「フォローで頑張ります!」との意気込みだ。
今シーズンで石尊稜や阿弥陀北西稜なども経験しているようだが、条件の良いトライが多かったよう。
今日はおそらく上部は悪いだろう。悪い場合を想像すると、僕も少しためらわないでもない感じだ。

足の付け根が痛いと言っていたがんちゃんを先頭にラッセルを進め、中山乗越から1時間かからないくらいで取り付きに到着。
もう一度進退どうするか考え、時間的にはまだまだ大丈夫だったのと、晴れてきたので1ピッチ登ってみることにする。
残置ヨシ。クライミング開始!

1ピッチ目、岩瀬た
正面から登ったら普通に悪かった。
ハンガーの無いボルトにスリングをタイオフして、その少し右に0.3のカムも決めたところで早速行き詰まったのでA0。残念!
少し右から登った方が良かったのかも。
出だしを過ぎたらあとは段々で無難に登ってピッチを切る。
アヤちゃんとがんちゃんも上がって来て合流。
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(出だしが悪い!)

やはり出だしが難しかったよう。


2ピッチ目、がんちゃん
凹角になってるとこを行くか、平らなところを行くか迷うところで、
「ここは平らなところの方やったら簡単やで」とがんちゃんがリード。
それほんま?と少し思う感じの、若干苦しそうな体勢で登っていき無事終了点へ。

終了点で合流して、いったんロープを畳んで下部岩壁終了!
案外稜線が近くにあったので、このまま登ることにする。
上部岩壁の基部まで行って少し休憩。
がんちゃんは冷え冷えのコーラを飲んでいて信じられない。コーラは凍らないらしい。
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(休憩)

僕自身寒さに多少は強い自負があったが、彼は比べ物にならないくらい寒さに強い。本人曰く、気持ちの問題とのことだが、もしそれが本当なら尋常じゃない気持ちの強さだ。
昔自転車をやっていたそうだが、その頃に末端の毛細血管が発達したのだろうか。羨ましい。

風が強く、雪煙が舞うと顔が痛いし寒い。晴れているのが救いだ。これでガスってたら2年前にOKDさんとダイさんと行った石尊稜の二の舞いとなるところだ。
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(寒いー)

足が痛いと言っていたがんちゃんは調子上がって来てほっといても大丈夫そうなのでアヤちゃんのフォローだけしつつ、3ピッチ目スタート。

3ピッチ目。岩瀬た。
ここも若干バランシーで少し緊張。細かい足置きもいくつかあったけれど、残置のハーケンが結構たくさんあって精神的には楽だ。
最後は少し立った凹角をチムニー登りで登って終了点へ。
フォローをビレイしていると、後ろからソロの人が登って来た。
バランシーだった部分もノーロープで登ってくる。クレイジーな人を生で見るのは初めてだったので驚いた。

がんちゃんとアヤちゃんも登って来て無事合流。
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(上部岩壁)

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(がんばれがんばれー!)

最後のピーク基部までの登りはロープ出すか迷うくらいな感じだったが、イケイケゴーゴーながんちゃんにロープをつけてもらい一応アヤちゃんは確保して登ってもらうことにする。
僕は先の様子を見ようと先行していたが、登ってる途中、ソロの人がシューっと追いついて来たので少し話すと、どうやら台湾から来たそうで日本語があまり通じず、「ユークレイジーフリーソロ!」とカタコトの英語で話しかけると、「イェーアイムフォース!スィーユーレイター!」と言いながらにっこり笑って、シューッと行ってしまった。4回目ということのよう。

緩傾斜とはいえたぶんこの登りが1番辛かったと思う。強風の中アヤちゃんも気合と根性で登って来た。よく頑張りましたという感じだ。
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(よう頑張った!)

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(ゴーグルつければそんなに寒くない)

がんちゃんはこの目前の最後のピッチを登りに来たのだけれど、風が強くて寒さでどうにかなりそうだったので、ここはグッと堪えてもらってまだ余力があるうちに下山することにする。
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(またいずれ)

意外とこだわらずに下山にかかってくれたので良かった。僕が知っている沢ヤさんはみんなさっぱりしていて安心できる。漢と書いて男である!

ということで、残置ヨシ!下山開始!

気をつけつつ地蔵尾根を降りて行者小屋でゆっくり休憩してから駐車場まで。
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(放心 笑)

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(行者小屋まで戻ってきたら元気出てきた)

最後の稜線歩きの時に半分放心してるように見えたアヤちゃんも元気を取り戻して、結構スピーディーに歩いていく。なんや元気やん!

19:00、八ヶ岳山荘に到着。久しぶりのヘッデン下山で、無事に怪我なく降りてこれました。

その後、アヤちゃんの知り合い多過ぎパワーと八ヶ岳山荘の方達のご厚意に甘えて暖かい場所で美味しいご飯を食べて、仮眠室にて心地よい眠りにつくことができました。最高でした。
ありがとうございました!


・1/29
のんびり起きて、朝ごはんを食べて、今日は美濃戸の周辺でアイス。
前から気になっていたが、いつでも行けると思うと逆に行く機会が無かった河原奥の滝と角木場に行くことにする。
河原奥の滝には先行パーティがいたので、氷柱の方に回ってクライミング開始!
短いけれど案外立っていて、落口は氷が張っておらず砂にアックスを打ち込むことになってまぁまぁ緊張した。
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(この上が緊張)

がんちゃんがドローンで動画を撮ってくれていて、後で見返すと「こんなフォームで登ってたのかー、レストし過ぎやなー」と思うこと多い!
後日きっとがんちゃんねるで映像が見れるはず!

今回はがんちゃんがたくさん写真や動画を撮ってくれました。ありがとう!

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(練習練習!)

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(練習練習!)

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(練習練習!)

僕はカメラ持ってくるの忘れてがんちゃんの写真はあまりなく、申し訳ない、、!!
しばらく登って角木場へ移動。

角木場も満員御礼で、時間もあんまり無かったので見学とする。
僕の中ではめちゃめちゃ有名なI夫妻がいた。
5.13を登る国際山岳医のご夫婦で、僕が山登りを始めただいぶ昔の頃からちっぺさんの記録を読んでいて、すごいなぁと常々思っている人たちだ。同人青鬼に入ってみたいと思ってた時期もあるくらい。
人見知りしてしまってひと言も喋りかけられなかった。笑

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(角木場とかいてカドコバと読むそう)

変態のがんちゃんは手頃な氷でアックスを振る練習をして、ナオコ塾生のアヤちゃんに「アックス握ってる!けつデカい!」などと言われながら嬉しそうに練習していた。ナオコ塾に通ってみたらいいんじゃないか。
ずっと素手だった。信じられん。

ぼちぼち良いところで引き上げて、撤収としました。

下山完了!

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以上、山行記録でした。

今回は初めて一緒に山に入る2人で、山行前は不安に思わないでも無かったけれど、蓋を開けてみれば気の合う2人で楽しく登れて嬉しかったです。それになんだか良い刺激をもらった気もする。
普段一緒に登る神戸山岳会の人たちも相当好きだし信用しているけれど、時にはいつもと違うメンバーに接してみるのも良いなと思える山行でした!

がんちゃん、あやちゃん、ありがとうございました!またどこかでなんかしましょう!


追記
がんちゃんが作った動画が公開されているので、ご興味ある人は是非。


その1
https://youtu.be/nMZbnXrut_Y

その2
https://youtu.be/qgPLx4YdZ0k



北穂高岳 東稜 残雪期アルパインクライミング 北穂沢 バックカントリー 山スキー

北穂高岳 東稜 残雪期アルパインクライミング 北穂沢 バックカントリー 山スキー

山行日
山域、ルート
北穂高岳 東稜 北穂沢
活動内容
残雪期アルパインクライミング バックカントリー 山スキー
メンバー
藤本(L)、三浦(記)

北穂高岳

北穂高岳は北アルプスの3106mの山である。穂高連峰の主稜線上にあり、北穂高岳の北側は、大キレットを経て南岳、中岳、大喰岳、槍ヶ岳へと稜線がつながる。南側の稜線は涸沢岳から奥穂高岳、西穂高岳へと繋がっている。涸沢カールから望める代表的な山の一つであり、岩稜帯が露出した南稜と東稜は涸沢の景色を特徴づける重要な要素である。西の飛騨側は、上高地の名ガイド上條嘉門次が「飛ぶ鳥も通わぬ」と称した滝谷と呼ばれる峻厳な岩壁であり、クライミングの名所となっている。涸沢カールと滝谷に囲われ穂高連峰のアルパインな景観を形成している。

涸沢ヒュッテから見た北穂高岳。右側が東稜、左側が南稜で東稜と南稜の間が北穂沢。
涸沢ヒュッテから見た北穂高岳。右側が東稜、左側が南稜で東稜と南稜の間が北穂沢。

北穂高岳と山スキー

北穂高岳の山スキー/バックカントリーのルートとしては北穂沢1が最もよく滑降されている。涸沢から積雪期の一般道である北穂沢から登頂し、山頂から北穂沢にドロップできる。涸沢からは見ることができない槍ヶ岳の素晴らしい展望が山頂から比較的容易に望めるルートである。その他、北穂は南面や滝谷が度々滑降されている。

北穂高岳東稜

北穂高岳東稜は北穂高小屋から南東方向に伸びる尾根である。頭は北穂小屋、末端は涸沢カール内にある。ゴジラの背と呼ばれる切り立ったナイフリッジの岩稜帯が核心であるものの、難易度は高くなく容易な涸沢からのアプローチもあってバリエーションクライミングの入門ルートとして人気がある。スケール感のある涸沢カールと横尾本谷右俣カール、槍ヶ岳へと続く長大な主稜線の景色を楽しみながら登攀出来ることもこのルートの魅力の一つである。

北穂高岳 東稜 残雪期アルパインクライミング 北穂沢 バックカントリー 山スキーの山行記録

涸沢ヒュッテを出発し、北穂東稜を登攀し北穂に登頂、北穂沢スキー滑降し涸沢ヒュッテ経由で上高地に下山する計画である。当初は北穂の滑降ルートとして南面を計画していたが、雪が少なく岩の露出が多かったので北穂沢滑降とした。

壮絶な工程を終えた前日だったが、涸沢ヒュッテで十分な休養を取れた。0:30に起床し2:00にヘッデンの明かりを頼りにアイゼンで歩き始める。シールは涸沢ヒュッテにデポしていった。

北穂沢の下部を詰めて、ゴルジュの上側から東稜の南側、雪が繋がっているコルから取り付いた。そこそこ斜度があるのでジグを切って登った。稜線に乗り上げるとトレースがくっきりついていたので、自分たちよりも末端側から取り付いたパーティが多いようだ。

北穂東稜の取付き。北穂沢のゴルジュの上から右側の雪のつながっているコルに乗り上げた。
北穂東稜の取付き。北穂沢のゴルジュの上から右側の雪のつながっているコルに乗り上げた。

稜線に乗り上げるごろ、空が白くなり始め周りの景色が見えるようになった。涸沢カール側には2日前に滑降予定だった直登ルンゼ2や過去滑降した吊尾根北面ルンゼ3、前穂北尾根67のコル1がはっきりと見える。振り返ればグラデーションのかかる夜明け空に、こちらも以前に滑降した槍ヶ岳と横尾尾根4が望める。過去の山行を振り返りつつ、今から挑む行程に期待を寄せる印象的な時間だった。岩稜になるゴジラの背に至るまでの北穂東稜は、比較的緩やかな雪稜で景色を楽しみながら歩くことができた。完全に夜が明けてからゴジラの背の取り付きに到着した。

夜が明けるころ東稜に乗り上げた。背景に前穂北尾根が見える。
夜が明けるころ東稜に乗り上げた。背景に前穂北尾根が見える。
夜が明けるころ東稜に乗り上げた。常念岳から日が昇った。
夜が明けるころ東稜に乗り上げた。常念岳から日が昇った。
夜が明けるころ東稜に乗り上げた。常念岳から日が昇った。
夜が明けるころ東稜に乗り上げた。常念岳から日が昇った。
奥穂高岳と前穂高岳。過去滑降した直登ルンゼ、吊尾根北面ルンゼ、前穂北尾根67のコルが見える。
奥穂高岳と前穂高岳。過去滑降した直登ルンゼ、吊尾根北面ルンゼ、前穂北尾根67のコルが見える。
大キレットを経て南岳、横尾尾根、槍ヶ岳。
大キレットを経て南岳、横尾尾根、槍ヶ岳。

1P 藤本

ゴジラの背手前の小さなピナクルを開始点とした。ゴジラの背の左側から取りついてリッジに乗り上げるように登った。最高地点のピナクルでビレイ。ロープが屈曲してコールも届きにくそうなルートなのでピッチを短めにした。

北穂東稜開始点。ゴジラの背手前の小さなピナクルを使った。
北穂東稜開始点。ゴジラの背手前の小さなピナクルを使った。
北穂東稜1Pの終了点でビレイする藤本さん。
北穂東稜1Pの終了点でビレイする藤本さん。
北穂東稜1Pの終了点でビレイする藤本さん。
北穂東稜1Pの終了点でビレイする藤本さん。

2P 三浦

最初は高度感のある岩のリッジをクライムダウン気味に進む。その後岩のリッジの間にある狭い回廊状の雪稜を歩き、雪稜の右側の雪壁にトレースが降り始める地点にあったピナクルでビレイした。背負ったスキーが引っかかり少々動きにくいが、なんとか支点を構築し藤本さんを迎える。

北穂東稜2P終了地点からゴジラの背でビレイする藤本さんを振り返る。
北穂東稜2P終了地点からゴジラの背でビレイする藤本さんを振り返る。

3P 藤本

最初は斜度のある雪壁のクライムダウン。アイゼンを蹴り込んで慎重に足場を作って下った。10mほど下ると斜度が緩くなったところにある岩が終了点となった。そこからはロープを解除し雪の斜面をトラバースして再び稜線に乗り上げる。コルでロープをしまいクライミングのピッチは終了。

コルからは北穂小屋めがけて雪壁の登りになる。階段状のトレースがあるので特に難しくない。最後の乗越を超えると急に平らになって北穂小屋が視界に入った。達成感と素晴らしい景色で自然に笑顔になる。藤本さんとグータッチで互いの検討を讃えた。

ロープをしまい北穂小屋に向けて階段状の雪壁を登る。
ロープをしまい北穂小屋に向けて階段状の雪壁を登る。
北穂小屋に到着して記念撮影。
北穂小屋に到着して記念撮影。
北穂小屋に到着して記念撮影。
北穂小屋に到着して記念撮影。

北穂小屋のテラスでたっぷりくつろいだ後、滑降準備をして北穂沢に向かう。デブリが多いが、きれいな雪面を探して滑った。長い滑降ルートで足がパンパンになる頃に涸沢ヒュッテに到着。登ったゴジラの背と滑降した北穂沢を眺めながらコーラで乾杯した。

北穂沢を滑降。
北穂沢を滑降。
北穂沢を滑降。
北穂沢を滑降。
涸沢ヒュッテまで滑降し乾杯。
涸沢ヒュッテまで滑降し乾杯。

涸沢ヒュッテにデポした荷物を回収して、名残惜しさを感じつつ4日間遊んだ穂高連峰から下山開始。涸沢ヒュッテから下はメローな斜面を気持ちよく滑り、本谷橋手前の下りでスキーを脱いでアプローチシューズに履き替えた。

本谷橋からは河童橋に向けて、スキーとブーツとロープの重さにバテ気味になりながらもひたすら歩く。

岳沢登山口まで降りてくると4日間かけて奥穂を経由して同じ場所まで無事戻ってきたことに感慨深くなる。次第に観光客が増えてくると下界に戻った実感が湧いてきた。4日間で経験した壮絶な行程と観光地の穏やかな雰囲気や安堵感を対比して涙が出そうになりつつこの山行を終えた。

河童橋に下山して4日間の山行終了。
河童橋に下山して4日間の山行終了。

関連記録

  1. 北穂沢 前穂北尾根67のコル スキー滑降 2012年4月
  2. 奥穂高岳 南稜 残雪期アルパインクライミング バックカントリー 山スキー 2022年5月
  3. 前穂高岳 吊尾根 北面ルンゼ スキー滑降 2015年5月
  4. 槍ヶ岳~横尾本谷右俣 スキー滑降 2011年5月

2023.1.21-22 摩利支天大滝〜阿弥陀岳北西稜 南沢大滝

2023.1.21-22 摩利支天大滝 阿弥陀岳北西稜 南沢大滝 の記録


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こんにちは、岩瀬た です。
阿弥陀岳の北西稜に行ってきました。
先日OKDさんと行った摩利支天大滝から入って北西稜に繋げる計画。
今回は毎度OKDさんと、谷川くんと小林くんのヤングメンと共に行ってきました。

天気が良く、テンポ良く進めたので計画していたよりも素早く抜けることができて、2日目は南沢大滝でクライミング練習をして、充実しました。

以下、山行報告です。

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◎メンバー
岩瀬た
谷川
OKD
小林


◎装備
・シングルロープ60m x2
・アイススクリュー x8
・カム
・その他カラビナやスリングなど


◎行程概要
・1/21
5:00 やまのこ村駐車場 出発
6:30 摩利支天沢テン泊地 テント設営
7:20 出発
7:45 摩利支天大滝
10:30 北西稜 下部岩壁
11:00 北西稜 上部岩壁
14:10 阿弥陀岳山頂 休憩
15:30 行者小屋
16:00 テント場 泊

・1/22
5:00 起床 朝食 撤収
7:30 出発
8:00 南沢大滝 クライミング
14:20 撤収
15:00 やまのこ村駐車場


◎行程詳細
・1/21
5:00、美濃戸林道の車両通行止めを危惧して早めに出発したが杞憂に終わり、少し早めに入山。
しばし歩いて摩利支天沢出合に着き、少し登ったところでテントを設営し、装備を整えて摩利支天大滝へ。
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(準備)

今回は4人の大所帯なので、あらかじめ登る順番など決めていた。
1、谷川くんがリードで登ってロープをフィックスし、アッセンダー確保で小林くんに登ってもらう。
2、小林くんはそのまま先行して北西稜へと続くラッセル。
3、OKDさんはバックロープをつけて谷川くんにビレイしてもらって上から引っ張り上げてもらい、終了点に着いたらビレイ交代。谷川くんは小林くんの後を追ってラッセル。
4、OKDさんにビレイしてもらって僕も引っ張り上げてもらう。
OKDさんと僕が合流したら、ヤングメンのつけたトレースをラッセル泥棒する、"おんぶに抱っこ計画"だ。
神戸山岳会の諸葛亮孔明ここにありき。


さて谷川くんのリード。
ススっと登っていく。結果、スクリュー4つしか使わずに抜けて行った。

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(谷川リード)

登ってる最中、もう少しプロテクションとったらどうかと声をかけるか少し迷ったが、氷はしっかりしていたし安定して登っていたので見守ることにした。落口ではちゃんと取ってくれたし、バッチリだ。というか、尊敬だ。僕ももう少しスクリューを節約できるようになろう。
やるなヤングメン。

谷川くんが登っている間に、1パーティやってきた。この秋に名張でお世話になったAちゃんパーティ。
事前にお互い来ることがわかっていたので、お久しぶりですと声を掛け合う。

続いて小林くんも登る。
バーチカルも終わろうかというあたりで「うおぉー!!」とか叫びながら気合いのクライミング。
後で聞く話では、途中からなぜかアッセンダーがうまく機能していなくて、落ちられない状態だったようだ。
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(うおぉー!!ヤング小林!!)

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(うおぉヤング小林2)

ナノトラクションを使用していたが、ロープ径は8.9mmなので問題ないはず。セット方向を間違えたわけでは無いようで、ガチガチにロープが凍っていたわけでもないし、何かの拍子にカムが開いた状態になってしまったのかな?
原因はちゃんと見つけとく方が良いです。

雄叫びを上げながらも無事に抜けて良かった。
谷川くんと合流し、計画通りラッセルを先行してもらう。

次はOKDさんの番。OKDさんが登っている間、谷川くんが小林くんにロープがどうのこうのとなにやら声をかけている。
小林くん怪我しないでよぉと思いながら、OKDさんが登るのを見ながら、Aちゃんと話したりしてるうちにOKDさんも滝上に抜けていく。
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(OKD)

続けて僕も登って摩利支天大滝終了。

滝上に出てみると、思ってたよりラッセルは無く、ヤングな2人の姿もなく、ちょっと悪い小滝(この滝でロープ出すかどうか声かけしていたのだろう。)をOKDさんを腰がらみ確保したりして越えてヤングメンを探すが結構先に行っているよう。早いなぁ。

トレースを追ってしばらく進むと、小さなピークに「なぜ、わざわざあんなところを。」と思える強傾斜を登っている2人を見つける。

僕とOKDさんは容易なラインを選んで北西稜に出る。
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(楽して登ろう冬山登山)


下部岩壁が終わったあたりでようやく休憩中のヤングメンに追いつく。
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(早いねー)

イケイケゴーゴーな小林くんを先頭に順調に上部岩壁まで進み、快晴の中気持ちの良い稜線歩きだ。
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(良い天気)

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(太陽も顔を覗かせた)

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(上部岩壁を進む)


上部岩壁、ロープ出そうかというところでビレイして、まずは小林くんのリード。
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(小林リード)
ドームの基部目掛けて登っていき、余裕のリード。
続けて僕が登り、そしてOKDさんも登る。
最後に谷川くんが登ってる間に、次のピッチをスタートする。

ここは僕がいかせてもらう。見た感じ核心ピッチ。"美味しいところはいただきます計画"だ。
神戸山岳会の諸葛亮孔明ここにありき。

谷川くんは以前に北西稜に来たことがあるそうだが、その時はドームの左側を巻くように進んだらしい。
今回はドームの正面右側に切れ込む顕著なチムニーを登ることにした。

このチムニー、ハンドやフィストのジャミングがクラックにバチ効きで、この秋に名張でジャミングの練習をした成果が出た。
しっかりしたハンガーボルトも要所要所に打ってあって安心して登ることができました。

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(ジャミング!)

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(ジャミング!!)

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(ジャミングー!!!

無事に4人ともチムニーを抜けて、ロープをしまって、阿弥陀山頂まで。

最後のビクトリーロードは漢の中の漢OKDさんに先行してもらい、14:10、阿弥陀岳山頂に到着。万歳!!
快晴無風で気持ち良い。
記念写真など撮ってしばし休憩。
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(良い天気!!)

それにしても、阿弥陀如来像が全て露出している。今年は雪が少ないなと思う。
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(雪少ないな)
好条件で登れて良かった。

雪の状態も悪くなかったので中岳沢を下降してテント場まで。
16:00、明るいうちにテント場についてご飯タイム。

今回の食担はOKDさん。
カレー鍋とチーズリゾットだ。(チーズは車に忘れたが。)
OKDさんのカレチーリゾットは美味しいので、機会があれば是非皆さん食べてみてください。

良い山登りができて、お酒を飲んで、結構酔っ払って楽しい夜でした。


・1/22
5:00起床。のんびり準備して7:30撤収、出発。
今日はクライミング練習で南沢大滝。谷川くんと小林くんは初で、僕とOKDさんは2週間ぶり。
この前来た時よりも右側が少し分厚くなっている。

今日も谷川くんのリードでスタート。
「でけぇー!」と言いながらもススっと登って行ってトップロープにしてもらう。
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(谷川リード)

あとは各々練習。
途中、他パーティの人とロープ交換したりして、
楽しく過ごす。
僕は氷を壊さず登ることを意識して取り組みました。
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(練習練習!)


14時ごろに撤収。15時に駐車場に到着。
下山完了。

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以上、山行報告でした。

先週の雨(雪?)でもっと条件悪いかと思っていましたが、想定外に良い条件で楽しく登れたので良かったです。
今年の冬は毎週末天気が良いので気が抜けてしまいそう。

個人的には、今回を皮切りに地獄の冬季クライミングトレーニングが開始されたので、気合入れていこうと思います!
"目指せR4"スタート!



2023.1.7-8 南沢大滝 摩利支天大滝

2023.1.7-8 八ヶ岳 南沢大滝 摩利支天大滝 の記録

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こんばんは、岩瀬た、です。
年も明け、そろそろゴツいアイスをしたくなってきたのでOKDさんと八ヶ岳にアイスをしに行きました。

1日目は南沢大滝、2日目は摩利支天大滝。
以下、山行記録です。

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◎メンバー
岩瀬た
OKD


◎行程概要
・1/7
7:30 やまのこ村駐車場 出発
8:30 南沢大滝 アイスクライミング
14:30 移動開始
15:10 摩利支天沢平坦地 テント泊

・1/8
5:30 起床 朝食 テント撤収
8:00 出発
8:20 前衛滝
8:40 摩利支天大滝 アイスクライミング
13:30 撤収
13:45 泊地 デポ回収 下山開始
15:30 やまのこ村駐車地


◎行程詳細
八ヶ岳では、毎回駐車場に着いてから車を出る瞬間に「さ、さむいー」となるが、今回はそうでも無かった。
準備をして入山。登山道はよく踏み固められていて、街中を歩くのとさして変わらないくらい。今シーズンの雪の少なさが際立つ。
1時間ほどで南沢大滝に到着する。

で、でかいなー。こんなに大きかったっけ??

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(南沢大滝)


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僕は3年前の2019年12月23日に友人のMさんと当時会員で今は北海道に住んでいるツクシくんと、一度ここに来たことがある。
https://www.kac.gr.jp/191224otome/
その時の南沢大滝は雪がたくさん着いていて、下部は傾斜もゆるかった。それでもテンテンで戦々恐々としながら登った記憶がある。
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(3年前の南沢大滝)

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3年の時を経て、以前よりも迫力を増した滝に対峙。
この3年でいろんなところに行ったなぁと思いながらゆっくり準備。
僕の中で今まで1番難しかったアイスは大峰のグランドイリュージョンだが、その時ほどのプレッシャーは感じない。よしよし、やってやるぜ。

十分な量のスクリューを腰に下げてクライミング開始。
大きく見えた滝だが、下半分は傾斜もゆるく順調に強傾斜が始まる基部へ。

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(バーチカルの基部へ)

滝中央の少し右側を登ろうと取り付いたが、登ってみると水飛沫がパラパラ飛んでくるので、中央ど真ん中にラインを変更して登り始める。
ちょうどその頃に、他パーティの人たちが来て、僕が右から左に向かって進んでいたので右側を登ってくれと声をかけられる。
中央を登るつもりと返事して、実質のクライミング開始。
アックスの刃をキンキンに研いできたつもりだが、氷が硬く、打ち込むたびにバリンバリンと壊してしまう。
中間部分は良いところにスクリューが打てず、若干信頼のおけないプロテクションになりつつも、時間をかけて(時間をかけ過ぎながら)ゆっくり確実に登って無事にトップアウト。

今回50mのツインロープで登ったが、30mちょいロープが出てしまったのでロワーダウンできず、OKDさんにはフォローで登ってきてもらう。
OKDさんもノーテンションで抜けて来る。
終了点で合流して、ロープを連結してトップロープでクライミング練習することにして懸垂下降。

無事に3年越しの南沢大滝レッドポイントを喜びつつ、さきほど声をかけて来た他パーティのクライミングを見学する。
その中でリーダー的な存在の人の登りを見て驚愕。というか感動。
聞こえて来る会話から、そろそろ70歳にもなろうかという年齢のようだが、アックスの先端を氷にサクッと突き刺してササッと身軽に足を上げて登って行く。エレガントとはこのことかと思う。終了点にするアバラコフなどもササッと作っていた。
名をAさんというらしい。

自分自身の登りとAさんの登りを比較すると雲泥の差で、Aさんは全くと言っても過言ではないくらい手も足も氷を壊さずに登っていた。
それに比べて僕はアックスを深く突き刺すためにズッコンバッカン氷を壊して登っていたので、なんだか恥ずかしくなってしまった。

「3センチ刺さればガバ」を余裕を持って体現している登りを見て、僕ももっと上手になろうと思いました。
いろいろと話してみたかったが、人見知りが出てしまって何を話しして良いかわからずほとんど声もかけれなかったので、もし次に会うことがあれば話してみたい。
年齢層高めなパーティだったが、楽しそうにクライミングしていて、Aさんとは別の人と少し話たり道具をお借りしたり。
ありがとうございました。

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(トップロードで練習)

昼過ぎに撤収して寝床探し。
摩利支天大滝へのアプローチ途中の平坦な場所にテントを立てて、麻婆豆腐を食べて本日は就寝。

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(今回は会の4テン持ってきた。広くて快適。)

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(ウィンナー入り麻婆豆腐)


・1/8
5:30に起床してゆっくり準備&片付けをし、不要な荷物をデポして摩利支天大滝へ。
アプローチのトレースがしっかりついていたので苦もなく進む。

8mほどの前衛滝をOKDさんのリードで越える。

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(OKDリード)


そして摩利支天大滝下へ。

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(摩利支天大滝)

摩利支天大滝は難しいと聞いていてガイブックで過去の事故についても言及されていたのでまぁまぁ緊張していたが、思いの外小ぶりな滝で、あまり威圧を感じない。アイスは本当にその時の条件次第だなと思う。
昨日の南沢大滝よりかは立っていたけれど、まぁいけそうだなと思って準備&クライミング開始。

取り付いてみると、結構穴ボコでアックスもよくかかる。プロテクションもバッチリだ。

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(摩利支天大滝オンサイトトライ)

あまり深く突き刺さないことを意識しながら登る。
相変わらず時間をかけてしまうが、無事にオンサイトして、こちらは25mで折り返してもロープ長さが足りる高さでした。

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(プロテクション多いかな?)

途中、摩利支天から阿弥陀北西稜に抜けて行くパーティを見送り、何回かトップロープで練習。
OKDさんもノーテンションで登り、上達している。冬山は自分の範疇では無いとOKDさんは言うが、最近、ついにノミックを買ったらしい。ガチだぜこの人は。
OKDさんとどこかに行くのはいつも楽しい。

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(トップロープで練習)

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(北西稜に向かうパーティ)

適当な塩梅で撤収して下山。
デポを回収してよく踏み固められた登山道を駐車地まで。

下山完了。

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以上、山行報告です。

久々にアイスクライミングだという感じの滝を2本登れて良かったです。
僕の課題はなんといってもクライミングスピードの遅さなので、もう少しプロテクションの数を減らし(今は、バーチカルパートではスクリューが足元になったら打つぐらいの間隔。もう少し伸ばしてから打っても良いだろう。)、アックスを突き刺すのも必要にして十分な深さで済ませ、ボコボコ刺しまくらないように登ろうと思います。
あと、足もまだまだで、ついついガンガン蹴ってしまうのでそれも改善したい。

練習練習!!!



2022.12.29-31 奥三ノ沢左俣

2022.12.29-31 中央アルプス 三ノ沢岳 滑川 奥三ノ沢左俣 の記録

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こんにちは、岩瀬た です。
年末山行に奥三ノ沢に行ってきました。
久しぶりの単独行。
2019年に黄蓮谷に行って以来、次に1人で行くのはオクサンだなと思っていて、3年越しに実行に移すことができました。

とはいえ、仕事の忙しさにかまけて体力トレーニングなどできていないまま入山してしまい、なかなかツラい山行となりました。

以下、山行記録です。

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◎メンバー
岩瀬た


◎装備
・8.2mm 50mロープx1
・アイススクリューx11
・テント
・寝袋
・棒ラーメンx1袋、ウィンナーx6、予備食アルファ米x1袋、ミックスナッツ300g、チョコバーx2
・他


◎行程概要

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・12/29
7:30 JR上松駅 到着 タクシー乗車
8:00上松A登山口 準備
8:30 出発
16:30 奥三ノ沢出合 泊

・12/30
4:30 起床
7:00 出発
7:15 F1登攀開始
10:00 F1終了
10:15 F2登攀開始
12:00 F2終了
13:00 雄滝
15:30 ゴルジュ出口滝
16:30 高巻き開始
19:30 右岸尾根上 泊

・12/31
4:30 起床
6:00 出発
12:00 稜線
16:00 稜線分岐
16:30 千畳敷駅


◎行程詳細
・12/28
仕事を納め、挨拶などしながら定時ダッシュで家に帰り上松行きの電車に飛び乗る。新大阪から新幹線に乗って名古屋で下車するはずが、つい寝過ごしてしまい新横浜まで来てしまった。やっちまった!今日中に上松に着くのが無理になった。
車掌さんに相談すると、上松までは日を跨いでも追加料金無しでいけるとのこと。
名古屋まで戻り、中津川までは行けそうだったのでとりあえず中津川まで行き、いったん改札を出て、野宿。

・12/29
中津川駅からまた電車に乗り、7:30ごろに上松駅に着いたら、ちょうどタクシーが来てくれた。おんたけタクシーは電話口では早朝対応してくれなくて8:30予定のはずだったけど、、、年末に朝早くからありがとうございます。

予定より少し早く登山口に着き、東屋で準備して出発。今日は奥三ノ沢F2の上まで行く予定だ。

滑川は砂防堰堤工事が進んでいて、結構奥まで林道が続いている。
最後の堰堤を過ぎたところから入渓となる。
ガイドブックでは奥三ノ沢出合まで4時間と書いてあったが、記録などを見ていると6時間くらいはかかりそう。
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(入渓!)

雪のついたゴーロ帯を、飛び石渡渉を何回も挟みながら進む。
できるだけ渡渉せずに行ってやろうと思っていたが、どうしても渡渉せざるをえないことが何回も続いて、そのうち「これ4時間は無理やで。っていうか6時間でも厳しいんちゃうか。となると、F2の上まで行くのも結構厳しいかも。。。」となってきた。
河原歩きはルートファインディングに気を使うし、飛び石渡渉もいちいち緊張する。まぁまぁの水量なので落ちたら笑えない。
それに加えて久々にテン泊装備とクライミングギア一式を背負ったので結構ツラい。トレーニング不足を痛感する。

4時間経った頃から、だんだん帰りたくなってくる。トレーニング不足は気持ちをも弱くするのだ。

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(8時間もかかった河原歩き)

河原歩きにもほとほと疲れ、「この計画は失敗や。出直した方が良いな。情けないけど引き返そうかな。」と思いながら進むと、ちらりと青白い光が見えた。
もう少し進んで滝の全貌を見ると、明らかにF1だ。
GPSで確認すると、ここが奥三ノ沢出合だった。
帰るつもりになってたのに、着いてしまったではないか。嬉しいやら悲しいやら。

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(奥三ノ沢F1)

これから滝を登っても途中で日が暮れてしまうので出合にて泊とする。
明日の自分に期待だ。

・12/30
予定通り4:30に起きるが、若干ビビってたからか準備にいちいち時間をかけてしまい出足が遅れた。
7時出発となる。
早速F1の登攀開始。
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(F1正面から撮影)

滝の中央が傾斜が緩いので、そこを2ピッチで登ることにする。
結氷はまずまず。あまり不安なこともなくスムーズに登ってテラス状部分でピッチを切る。
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(3点で終了点を作って懸垂下降)

いったん懸垂下降で降りると、急にお腹が、、、
急いでハーネスを外し、漏れる寸前で用を足せた。危なかった。
気を取り直して荷物を背負って登り返し。
2ピッチ目も順調に進んで灌木を終了点にする。
懸垂下降して、また荷物を背負って登り返し。

F1が終わるとすぐにF2だ。
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(F2)

中段までフリーで行って、そこからロープを出して1ピッチで抜けることにする。
これも中央のラインで行く。

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(ソロシステムのアンカーポイント)

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(一回登って懸垂下降)

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(登り返し)

F2が終わると小滝を交えながらのラッセル。
小滝は結氷が甘いことが多く、ドボンしないように気をつけて進む。
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(ラッセルラッセル)

そうこうしているうちに二俣。
左が雄滝、右が雌滝。進むのは左だ。
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(左俣の雄滝)

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(右俣の雌滝)

雄滝、ロープ出しても良い高さだが、滝の左側の側壁とのコンタクトラインの傾斜がゆるいのでフリーで取り付くことにする。
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(雄滝)

時間も気になるところだ。できれば日があるうちに稜線まで出たい。稜線まで出れば、ヘッデンでも千畳敷駅まで行けるだろう。

雄滝を抜けて、ゴルジュ帯を延々と膝高のラッセル。出くわす小滝は相変わらず氷の下で水が轟々と流れる音が聞こえる。アックスを突き立てると水がピューと出てくることも何度か。やれやれだ。

そろそろゴルジュ帯が終わるというところで、両岸が狭まった小滝。
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(これを越えればゴルジュ終わるはず)

少し高さがあるが、これもそのまま越えようと思って滝にアックスを突き刺すと、あっさりと氷が崩れてポッカリと大きな穴が空いてしまった。
危ない危ないと思いながら、次は慎重に取り付くが、どんどん氷が崩れて、取り付けなくなってしまった。まじかー。
若干傾斜が緩い側壁の弱点っぽいところから越えようと草付きにアックスを叩き込みながら登るも、中段から上が思いの外難しく、落ちたら笑えない感じになってきて突っ込むこともできず慎重にクライムダウンして元の位置に戻る。
時間はもう16時だ。この滝を越えれないと進むことができない。
ここで引き返すのも正直かなりしんどい。各滝、立木で懸垂下降できれば良いが、そんなに都合良く立木は無かった気がする。貧弱な氷ではアバラコフ懸垂もできればしたく無い。それに出合に着いてもあの河原歩きは修行僧ですらきっと嫌がる苦行だ。
などと進退どうするか考えているうちに16:30になってしまった。おいおい、予定では今日の14:30には千畳敷駅でコーヒー飲みながら一服してるはずやぞ。全然じゃないか。
携帯の電波が入ったので遅くなりそうな旨下山連絡担当してもらっていたOKDさんと家族に連絡する。
もう疲れたし日も暮れるからとりあえずここで泊にするかと思って整地にとりかかるが、足元の雪の下を水が流れてると思うと落ち着くこともできない。
しばし地形図を見て、右岸の尾根に上がり切ったところに平坦地があるのでとりあえずそこまで行くことにする。
尾根に上がったら沢復帰はもう厳しい感じ。残念だが奥三ノ沢の遡行はここで終わり。
とはいえ、遡行の美味しいところは堪能できたのであまり未練も無い。あとは尾根通しに稜線まで出るとしよう。
うまくいけば日をまたぐまでに千畳敷駅までいけるかも。

そこからの高巻きがめちゃくちゃにしんどかった。延々と藪漕ぎの頭高ラッセルだ。
高巻き開始1時間で、今日中に千畳敷駅まで行くことは諦める。えらいこっちゃやで。この山行終わるんかいな。
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(雪と格闘)

少し大袈裟に言うと、しんどくてぶっ倒れそうになりながら(ぶっ倒れたら下まで落ちるので倒れることもできないが)ラッセルを続け、19:30ようやく平坦地に達して泊。
計画を立て直し、OKDさんに連絡。稜線直下、今いる尾根上部のルートファインディングに気をつけてと返信をもらい、予備食に持ってきていたアルファ米を食べて寝る。

・12/31
4:30起床。6時出発。
昨日に引き続き延々ラッセル。
4時間くらいでようやく木が低くなってきて、空が広くなってくる。
それと同時に岩塊が見えてくる。
できるだけ岩塊を避けながら進みたいところではあるが、ラッセルに辟易していたので直登できるところはアックスを岩角に引っ掛けたり草付に刺したりダケカンバやハイマツの枝を掴みながら登る。

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(これは直登)

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(これは基部沿いに右巻き。もう少しで稜線だ!)

12時、ようやく稜線に出た。天気も良い。嬉しい。もしかしたら千畳敷ロープウェイの終電間に合うかも。
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(やっと稜線に出た!三ノ沢岳をバックに。)

しばし休憩して、宝剣岳に続く稜線を目指す。
嬉しい気分になったのも束の間、稜線も結構踏み抜き多く、元々無い体力がどんどん削られていく。想像してた半分以下のペースでしか進めない。
最低コルのあたりからトレースがついていて、まさか四ノ沢から上がってきた人いるのかな?と思ったが、どうやらそうではなく、宝剣岳方面から三ノ沢岳に行こうとしたけど時間切れか何かで引き返した人の踏み跡だった。
昼過ぎからガスも出てきたので、これは助かる!とトレースを必死に追って、最後の方は腹筋か背筋かわからないけど、体幹がどうにかなってるんじゃ無いかと思うような痛みを感じつつ、10歩進んでは膝をついたり座り込んだりするようなペースになりながら、16:30、ようやく千畳敷駅に着きました。

もうロープウェイの終電は終わっていたので、千畳敷ホテルに素泊まりでチェックインして、山行終了。

あったかい風呂に入り、暑いくらいの部屋で紅白歌合戦とゆく年くる年を見ながら眠りに着きました。

・1/1
初日の出を見て、8:55のロープウェイに乗車。

下山完了。

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以上、山行報告です。

1泊2日の計画が、ホテル泊も含めて3泊4日になってしまって結構反省です。これは完璧に事前準備が不足していました。
天気が良かったのは良いことでした。稜線上が悪天だったら疲れていたので結構テンパってたと思います。余力を残して登山しないとなと思う山行でした。

とはいえ、どうにかやり切ることができて良かったです。
いろんな要素のある、2022年の良い締めになる山行でした!

以下、各滝の登攀ライン

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(F1)

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(F2)

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(雄滝)





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