西穂高  平成23年12月28日~30日


O西、T谷、W(記)


 12月23日から出発の前日までクリスマス寒波により平地でも雪がちらつく程の天候であった。27日の23時にJR住吉駅に集合し目的地の平湯へ向かう。今回の計画は初日に上高地から西穂山荘のテン場まで登り、2日目西穂高岳をピストン、3日目に下山という計画であった。
 平湯温泉バスターミナルに4時に到着後3時間程仮眠をとり8時45分発の中の湯へのバスを待つ。しかし時間になってもバスは来ず乗場店員の10分20分遅れますとの言葉とは裏腹にバスが到着したのはその1時間後であった。中の湯に到着したのは10時で急いで準備をし上高地へと向け出発した。釜トンネルを抜けると雪面が眩しくサングラスを掛けた。昨日までの西高東低の気圧配置が緩み大陸側の高気圧が張り出したお陰で絶好の好天であった。雪山初経験の私に穂高連峰が迎え入れてくれるような気がした。
隘ソ遨るォ・IMG_4525  隘ソ遨るォ・IMG_4515
好天の上高地、田代橋にて(T谷&W)

 帝国ホテル前から田代橋を渡り西穂高山荘方面への登山道に到着した。(1230着)登山道には誰も踏み入った形跡がなく愕然としながらもこれが本当の雪山の登山だとO西リーダーに指導を受ける。確かにこの状況のお陰で雪山でのコースのとり方、ラッセルの方法等を教わることができた。初日はスタートの遅れもあり300m程標高を上げた樹林帯をテン場とした。雪が深く目的地の西穂山荘までには程遠い場所であったが好天の中気持ちの良い登りであった。(1530着)
IMG_1583
深雪をラッセルするT谷さん

 夕食は当番のT谷さん特製のキムチ載せ高級和牛牛丼と厳選された豚汁をおいしく頂いた。2日目は夜明け後7時に出発した。標高を上げるに従い雪は深くなり厳しいラッセルをしいられた。今回ほとんどのラッセルをT谷さんが行ってくれた。本当にたよりになる存在だ。私自身も練習を兼ねてラッセルを行ったがとても登頂へ向けての足しになるものではなかった。
隘ソ遨るォ・IMG_4564
空荷でラッセルするO西リーダー

 2日目も午後遅くになると日本海側低気圧と南岸低気圧の二つ玉低気圧のせいもあり天候が若干悪くなりだした。本日も西穂山荘には到着する事が出来ず焼岳方面との分岐点をテン場とすることになった。500mの標高を上げたのが本日の成果であった。(1610着)
 O西リーダーの鳥釜飯を食べるとテントに風や雪の当たる音が強くなりだした。明日は行動出来るのか不安になりつつも少しでも動くと強気なリーダーに安心する自分がいた。
 (800発)翌朝気温は-14度、意外にも天候は持ち直しつつあった。夜中の内に積もった雪が威圧感をもってルートを塞ぎ私達を圧倒してくる。O西リーダー、T谷さんの協力で雪を掻き分け道を切り開くと程なく西穂山荘が見えた。(910着)一同がほっとした瞬間だった。意外に早く西穂山荘に着いた私達は余分な荷物をデポし西穂独標へと向かうこととした。天候の悪化を予想していた私は下山をする心持でいたため、急いで気持ちを切り替えワカンをアイゼンに履き替えた。(1000発)独標までの距離はそう遠くはないものの2日間の疲労が溜まった為か思うように足が進まない。稜線にでると風も強く体感温度はさらに下がり雪山が初めての私は必死だった。
隘ソ遨るォ・IMG_4586
体力不足でダウンするW
IMG_1610
優しく見守るO西リーダー

 2,3つの偽ピークを越えたあたりで台形の形をした西穂独標が威容な姿で現れた。ここからは、まだ慣れないピッケルを打ち込みITTで訓練したアイゼンを効かせながらの登りとなったが程なく独標へと到着した。(1200着)
隘ソ遨るォ・IMG_4592隘ソ遨るォ・IMG_4608隘ソ遨るォ・IMG_4633



 天候のせいで360度パノラマというわけにはいかなかったが3日間の行程を思い雪山への憧れを一つの形で達成できた事もあり十分な達成感であった。今回の山行を計画していただいたO西リーダー、私の足の遅さに何も言わず合わせて頂いたT谷さんありがとうございました。