頭巾山(とうきんさん) 平成24年3月某日 T、 U
月曜日に休みが取れたので前回、仕事の都合で計画が流れた京都の頭巾山に
再度挑む事にする。メンバーは毎度おなじみのUさん。食料計画は任せて安心。
(いつも多めで余るが・・)
集会終了後、用事で一人JR灘駅で待っている相方を拾い、出発(2130)
地道を飛ばし、途中スーパーで食料を買い足し、名田庄村に着いたのは
午前12時過ぎだった。ほとんど雪がない!。もはや春なのかと思いながら、
林道を車で上がると、今度は雪の壁が狭くて前進できなくなり、バックで
後退し、適当な空き地にテントを張り、宴会とコンサートを開いて賑やかに
入山祭を行う。いい気で行っているうちに午前4時を越え、朝が来ると大変なので
急いで寝ることにする。今日は朝5時起きなので23時間も活動した。
しんどいはずだ。
さて、鳥の声で目を覚ますとあたりは既に明るい。8時起床、9時出発。
いつもながら出だしは遅い。この前は朝から宴会で出発が11時だった。
岳人に怒られそうだ。車のデポ地から、すぐに左の尾根へとラッセルで上がる。
いきなりの登りで朝からしんどい。登れども登れどもなかなか距離が進まない。
いくつかの小ピークを越えた辺りから熊の足跡が出だした。しかも踏んだばかり
のくっきりとしたものだ。熊に会わないよう、声を出しながら登る。
やがて送電線の鉄柱に到着。この辺りが一番踏みあとが多く、縦横無尽に
足跡が錯綜する。そこで我々はこの辺りを「熊牧場」と名づけた。頭巾山から
南東に伸びる、仮称「南東尾根」を詰めるが、途中、複雑な箇所で少し迷う。
赤テープもなく、吹雪かれたら厄介なところだ。やがて831m のジャンクション
に着き、そこから北へ進路を変えて一路山頂を目指す。が、雨が降り出し、
体力とやる気を奪う。
急な下り斜面で滑落の危険を感じ、時間も15時を過ぎたので風の弱い適当な
ところでテン泊とする。この時期、雪はべチャべチャの腐れ雪で参る。
さて、テントを張り終え、またもや宴会とする。しかし楽器がないので静かな
ものだ。明日は晴れたら登頂、雨なら下山することにするが、予報では完全に
雨なので今回も頭巾山は登れそうにない。
21時就寝、よく午前2時、風雨の音で目が覚める。標高830mくらいの
割には日本海側のためか、天候は厳しい山だ。夏でもあまり人が登っていないが
冬になると余程の山好きしか登ってこないようだ。おかげで熊達には楽園と
なっているのだろう。ルートも整備されていないので地形図がないと登れない。
うとうとしながら朝を待ち、午前7時起床、8時過ぎ出発。朝は雪面の氷化を
心配したが、気温は高く、ワカンのみで問題なかった。
また、トレースの消滅も心配したが雨では消える事もなく、下山は全く簡単に
下りられた。しかし相変わらず熊牧場の放し飼いの熊達は朝から餌探しに出かけ
たようであちこちにウン子を撒き散らしながら足跡は縦横無尽だ。
午後12時過ぎ、車のデポ地に到着。昼飯のラーメンを食べ、のんびりと
温泉に立ち寄ってから神戸へと戻った。
notes:
京都北部の山域では、頭巾山はなかなか登りにくい、いい山です。特に
冬は積雪が多く、必ずラッセルになるので日帰りが難しくなります。
今回、笛や声で威嚇しながら上りましたが、一人で静かに登ったら必ず
熊に対面できると思われます。