W(単独)
昨年三度計画するも悪天の為奥穂山頂までで撤退を余儀なくされた山行でしたが、今年は晴天の中で当日を迎える事が出来ました。一般縦走路最難関と言われるルートですので本当はこの山行を終了してからバリエーションルートにステップアップする為山岳会に入会しようと思っていたのですが、年齢制限があるとの事で課題を残したままの入会となっていました。
27日(金)の仕事終了後20時過ぎに車にて自宅を出発し0時30分には平湯に到着、3時間程仮眠が出来る時間があったのですがなぜか寝つきが悪くほとんど寝れずに出発時間を迎える事となりました。眠眠打破を飲んでなんとか出発。今回乗車した4時50分発の上高地行きのバスはいつもなら全員乗車できるものの、今回は30人程があふれ乗車出来ないような大変な混み具合でした。
5時半上高地を出発。晴天の中、翌日に疲れを残さないペースで快調に歩き2時間後には横尾10時には涸沢に到着。ここで昼食としたのですがあまり喉を通らずソーセージ一本しか食べれず。体調に軽い異変を感じつつも40分程の長い休憩の後ザイテングラート経由で穂高岳山荘へ向け出発。スタート後30分程度してから体調が思わしくなく一気にペースが落ちてしまいました。立ち止まる事が多くなりながらも13時半には穂高岳山荘に到着。しかし頭がガンガンと痛むし気分が悪い。高山病のようだ。今までまともに高山病の症状が出た事がなかったので3000m位では大丈夫なんだろうと思っていたのですが大間違いでした。睡眠不足が効いたのか?
何時間たっても症状が引かず風邪薬を飲んだら効くという噂に掛けて飲んでみるも治らず。天候ならまだしも自己原因で撤退するのは無念すぎるなと思いながらもどうしようもない。手の打ちようがないなと思っていたが、山小屋の暖かい晩御飯を無理矢理にでもかきこんでいると次第に体調が戻りだしました。ダメ押しにホットコーヒーを飲み早めに就寝。翌朝3時半に起きてみると体調は良化していました。万全な天候戻った体調に感謝しながら4時10分まだ夜が明ける前ヘッドライトを付け出発。既に縦走組と思われるいくつかのパーティーが先行してスタートしていました。奥穂へ登る途中からジャンダルムが見える。やっと挑めると思うとなんとも言えない気分でした。ジャンダルム
奥穂山頂を素通りしジャンダルム方面へ。難所と言われる馬の背で早くも大渋滞。先行のグループがロープで確保しながら通過しているとの事。しばし順番を待ち馬の背に取り付く、両側は切れ落ち滑落したら命はないなと思いながらゆっくりと通過する。写真で見るとノーザイルはやっぱり怖い
ロバの耳を難なく通過しジャンダルムへ。見た目はハードだが難しくはないなという感じでした。この縦走路は全体的に浮石が非常に多く、落石をさせない為に大分神経を費やしていたのですが、私の後から来ていたパーティーはよく落石をさせていて、実際私の方にも10cm大の石が2ケ程落ちてきてヒヤリとする場面もありました。逆層スラブ
逆層スラブもこんなものかという感じで間ノ岳、赤石岳を越え西穂高山頂までもう一息という所で『救助隊です、先に通らせて下さい』との声が。西穂側からの登山者が滑落したようで命はあるものの重症のようだ。救助の為そこで30分程通行止め状態となり目前で救助劇が繰り広げられました。救助隊にて救出中
通行止めが解除され被災者が滑落した場所を緊張しながら通過する。程なく西穂山頂へ。無事終わったなという思いでした。昨日にもこのルート上で滑落死亡事故が起きていたとの事でなんともやりきれない思いでした。西穂山頂からピラミッドピーク、西穂独標を通過し12時10分西穂山荘へ到着。西穂山頂からは軽装の登山客で溢れ大賑わいでした。
今回最後に課題として残っていた山行を無事終える事ができホッとすると共に色々な意味で感謝の気持ちでいっぱいになりました。GPSログ
写真で観るとガスがかかって視界が悪かったようですね。