「大峰 十津川水系 宇無川」       平成24年9月9日 T(記),Y,U


 ネットでたまたま見つけた、宇無川へ行くことにする。何でも、途轍もなく
水が綺麗な所らしい。生憎、前日からの天気予報は曇り時々雨とのことだが、
雨ならテントで宴会でもと言う事でいつものメンバーで前夜に出発する。
 流石に宇無川はちと遠く、国道168号線を土砂崩れを迂回しながら進み、
旭ダムへと林道を登り、中ノ川出合の少し手前に着いたのは午前一時だった。
 林道は次第に荒れてきたので適当な広いところで車を停め、テントを張る。
 テントに入ってからも忙しく、ピザを粉から練って作って焼いたり、ギターを
弾いて歌ったりと大忙しだ。気が付くと午前4時で、今朝(昨朝)は午前5時
起きで仕事だったから、これで23時間も起きている事になる。これはたまらん
ということで、寝ることにする。朝目覚めると7時だった。
 テントを片付けて、もう少し林道を車で上がってみることにする。さらに路面が
荒れて来たのでまた少し広い場所に車を停め、ここからは歩きとする。8時出発。
 30分ほど歩くとついに林道終点となる。ここにも2,3台は車を停められるが
途中で土砂崩れでもあればもう車では脱出できない。林道終点からは宇無川へと
下りる踏みあとがあるのでそれを辿るとしばらくで河原に下り付いた。

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広くて、両側が切り立ったところだ。ゲリラ豪雨でもあれば増水でひとたまりもない。
 ネットでは河原歩きとあったが、その通り、巨岩をかわしながらの河原歩きだった。
 しかし相変わらず両岸が切り立っていて、何となく圧迫感を感じる。水は強烈に透明
で、底まで見えるが足が立たない。
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辺りの巨岩も概ね丸く、増水でだいぶ磨かれているようだ。途中、1箇所左岸にルンゼ
状の谷があり、エスケープできる場所であることを確認する。そのうち、赤滝らしい大き
な100m位の滝が左岸に出現する。Y君のリクエストで各々水垢離を行い、日頃の悪業
を反省し滝に打たれる。
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 私は滝に打たれてかえって煩悩が芽生えてきた。それは生きるための煩悩で
あろうか。と、にわかに一人の沢人が。何でも釣りをするらしい。その人もこの沢は
初めてだそうで、情報交換を行ってから、先に進ませてもらう。やがて胎内くぐりらしい
箇所にきた。股の間をくぐるような面白い地形だ。胎内の下にはエメラルドグリーン
を更に透明にしたような綺麗な水が流れていて、心も洗われそう。胎内の出口は
流れがきついので横から出て、巻く。またしばらく河原を歩くと、昼前になった
ので、大休止とする。今回は雨の予定だったので詳細な地形図も持たず、帰りは
同ルート下降なのでいい加減なものだ。しかし巨岩帯の下降はスリップすると
大怪我となるので大事をとってエスケープ出来そうだったルンゼから林道へ上がる
事にする。さて、昼は相変わらずザル蕎麦。
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流石に飽きてきた。何か趣向を変えねば。
 ビールも飲み、気分も良いところで釣り。しかし大きな魚影はあるがイクラちゃん
に見向きもしない。アブを叩き殺して餌にするが、すぐどっかへ行ってしまった。
 水が綺麗すぎて下から人間様がよく見えているのか・・。
 さて、ここでY君が風邪がぶり返して寒いと言い出し、無理してこじらしてもいけ
ないのでその先の大きな面白い形の滝(二重滝?)を見物してから、引き返す。
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 途中、浅瀬に弱った?尺近いアマゴ君を発見。即刻、軽犯罪法違反で逮捕する。
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 弱っているのでどうしようかと迷ったがこのまま川に帰しても長くは持たないだ
ろう、さすれば、家に持ち帰り美味しく頂くのが供養と、勝手に決めつけ、
沢の幸を頂く。下山のエスケープルンゼはややガレていたが、途中藪こぎも交え
ながら林道にあがり、荒れ果てた林道(もはや林道ではなくなっているが)を車の
デポ地点まで戻る。帰着14時。ああー、綺麗な沢だった。ヒルもいなくてよかったと
言っている矢先、わああーヒルやーというY君の悲鳴が。なんや、ヒルごときで大の
男が・・。ベテランにはヒルもビビッて取り付かんわい。と濡れたスパッツを剥がして
いると、手に大きなヒルがあ! 急いで振り払うとどこかへ飛んでいった。ヒルの
プレゼンスは圧倒的だ。という事は他にもついているはずだ。と、探すともう2匹。
 とりあえず駆除できたとほっとするのも束の間、パンツの後ろにナメクジのような
物が・・。つまんで掘り投げる。夏の最後に陽気な仲間達に出会えて、感謝。

notes: 

  透明度は抜群。之といった滝はあまりない。見て楽しむ滝は多い。何より、
 両岸がビルのように迫っているので常に上空を見ながらエスケープを考えねば
 ならない。(当日は曇り時々雨、時々晴れ)下降は同ルートしかないので増水
 したら帰れない。まあ、一度行けばその美しさには満足できるだろう。