立山山スキー 平成24年11月21日(水)-22日(木) Y山(単独)
今シーズン初の雪山へ行ってきた。富士山山スキー以来、半年ぶりの雪山だ。
今回の山行計画↓
11/21(水)立山駅→室堂→剱御前小舎→剱沢小屋→剱御前小舎→室堂(幕営)
11/22(木)室堂→真砂岳→真砂沢→真砂岳→室堂(幕営)
11/23(金)室堂→一ノ越→雄山→山崎カール→室堂→立山駅
2泊3日の予定を立てたが、予想地上天気図及び高層天気図を見ても天候が持ちそうにない。
当初は23日~25日の3連休を予定していたが、23日以降は天候が悪化、天候が回復するのは25日のみのようだったので、予定を前倒しした。
とりあえず、現地で観天望気で判断し、予報通り天候が悪化するようなら早めに下山することにして決行。
初日は11/20(火)の冬型気圧配置での降雪の影響で、立山駅発の始発便が除雪の為30分ほど遅れた。
昨年の立山山スキーの時も前日が冬型気圧配置で立山駅発の便は除雪で遅れていた。
今年はケーブルカーが運休しており、結局昨年の始発便と30分ほどしか差が無かった。
標高1,000mあたりから積雪が見られ、室堂に到着すると完全に冬山だった。
昨年はまずテント設営した為、アタックザックでの行動開始時間が午後になってしまったので、今回はメインザックをとりあえずデポし、アタックザックで早速行動開始。
まずは剱御前小屋を目指す。
昨日の降雪の為かふかふかのパウダースノーを約半年ぶりのシール登高の感触で楽しみつつ快調にハイクアップしていく。
剱御前小屋までシールで粘ろうとしていたが、ナイフリッジ直下の急登で進退窮まりかけ、急斜面にピッケルを打ち込んで確保を取りつつアイゼン&ピッケルに換装。
稜線に出た時点で12~13m/sほどの強風を受けつつ、慎重にナイフリッジを通過。
気温はマイナス10℃で体感温度はマイナス20℃くらいか。
ナイフリッジの途中で雄山の方を望むと、槍穂高が見られた。移動性高気圧に覆われて展望は最高♪
久々のアイゼン歩行だったが、剱御前小屋に到着。
ふかふかのパウダースノーで気持ちよく滑走♪板を自在にコントロールでき、自分の滑走技術が格段に上がったかのような錯覚に陥る(笑)
剱沢小屋直上あたりまで滑走し、剱岳の雄姿を拝む。
久々にこの位置から剱岳を見たが、やっぱりこの場所から見る剱岳が一番カッコいい気がする。
時間的余裕はたっぷりあるが、早めに引き返すことにし、剱沢をシール登高。
室堂にデポしたメインザックを回収し、雷鳥沢野営場に引き返して幕営。
昨年は室堂で幕営できたが、今年から厳しくなったみたいで室堂では幕営禁止になっていた。
快晴無風の雷鳥沢での幕営は風の音も無く、静まり返っており、時間が止まっているかのような錯覚を覚えた。
日付が変わった未明、風が吹き始める。
テント設営時、無風で雲一つなく穏やかだった為、整地で積雪を1mほど掘り下げてスノーアンカーを4箇所設置したのみで耐風効果が相当低い状態での幕営になってしまった(汗)
時折風にテントを煽られつつも無事朝を迎える。
日が昇る前の5時頃テントの外に出てみると辺り一帯ガスに包まれており、雄山もガスで見えなかった。
今日の山行は無理かなぁと早くも諦めムードになりつつも朝食を取りだらだらと準備していると、いつの間にかガスが晴れて高曇りでまずまずの天候になっていた。
とりあえず今日の行動は天候が持ちそうだと判断し、さっさとテントを撤収。
明日は低気圧に伴う寒冷前線の通過で大荒れの天候になるのはほぼ間違いなさそうで、立山駅~室堂間の高原バスは終日運休になることが容易に予想できる。
下山するなら今日しかあるまいということで、メインザックを担いで室堂に移動。
昨日同様メインザックは室堂にデポし、雄山へ向かう。
室堂で出会ったスキーヤーのおばちゃんに「昨日・今日の日程で入山している」と言うと「運がいいね」って言われたが、予想天気図から判断して日程を変えているので運がいいわけでは全くない。元々の予定だった3連休が天候が悪かった為、天候の良い今回の日程に変更したので当たり前のことだ。
この時期、3,000m級の高山で3日天候が持つことはないようで、結局昨年と同じく1泊2日の行程になってしまった。
昨年保存しておいた山行日の予想地上及び高層天気図を見ると今回とほとんど同じ気圧配置になっていた。立山での実際の天候も2日間とも昨年とほぼ同じだった。
一ノ越に近づくにつれて風速が増し、一ノ越に到着すると15m/s以上の猛烈な風に吹かれる。
気温はマイナス10℃で体感温度は昨日同様マイナス20℃ほど。
昨年も雄山頂上で15m/s以上の強風に吹かれたが、一ノ越の時点で昨年の雄山頂上付近と同様の強風で、完全に気勢を削がれる・・・
ピークハントにこだわる必要もなし、観天望気から判断すると高層の雲の高度が下がってきており、明らかに天候は悪化している。
それに雄山を見上げると強風で地吹雪が見られ、一ノ越以上の強風が吹いていることが予想される。
上部はウィンドクラストでアイスバーンになっていたが、谷合いは比較的いい状態を保った積雪だった。
室堂付近に戻り、このまま下山するのも消化不良なので、室堂へ直接滑降できるピークへ向かう。
国見岳の直ぐ東にある小ピークから最後の一本で今回の山行を終了することにする。
今回最後のシール登高を開始して間も無く、先程まで青空の元にあった雄山頂上がガスに包まれてしまう。やはり天候は悪化し始めている。
その後3,000m付近はガスに覆われてしまい、雄山登頂を諦めた判断に自分で納得。
室堂へ向けてドロップ。太陽がガスで隠されてしまい、雪面の起伏がほとんど見えなくなって滑走に手こずる。近くにいた他のスキーヤーも凹凸が見えないと言っていた。
ゴーグルを外しても起伏が分からず、最後の一本なのにイマイチな滑走で終了・・・
雪質はシャバシャバのザラメ状になっており、昨日の極上パウダーとは比べるべくも無かった。
室堂にデポしたメインザックへ向かって滑走していると、室堂から雄山へ向かってスノーシューで歩いているボーダーが背負っているボードに見覚えが・・・
そのボーダーの元へ滑走していくと、土谷さんだった!向こうもビックリしていたが、なんと三浦さんも後方にいるとのこと(驚)
まさかこんな所で出会うとは・・・世間は狭い(笑)
二人は他の友人と扇沢から本日入山したとのこと。今日一杯滑って、天候の悪化する明日はノンビリ下山するらしい。
立山から入山した僕は今日下山しないと車を回収できなくなるので、二人を見送って下山した。