2018年12月19日〜21日
長野県 八ヶ岳 裏同心ルンゼ・大同心大滝の記録

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パーティー:
金谷(リーダー)
前田(食料・装備)
岩瀬琢海(記録)

こんばんは、新人の岩瀬琢海(以下岩瀬た)です。
八ヶ岳でアイスクライミングをしてきました。

金谷さんと前田さんの晴れ男コンビに雨男の僕が加わり、出発前は天候にいささかの不安がありましたが、山行日は日を追うごとに文字通りの天晴れという結果となりました。

僕自身は初めてのアイスクライミングで、準備段階で自分自身にいくらか不安がありましたが、金谷リーダーによる事前のアイゼントレーニングや周到な段取り、前田さんの数々のユーモアのおかげで心ゆくまで氷に触れることができ、大変勉強になりました。ありがとうございました。

以下、山行記録です。

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◎行程概要

・12/18 【移動】
23:00 金谷宅集合・出発

・12/19 【移動・裏同心ルンゼ偵察】
気温−4℃〜−12℃
ほぼ無風
概ね良い天気だが昼以降時折降雪有り
4:00 諏訪湖PA 朝食・仮眠
7:00 赤岳山荘P
9:30 鉱泉小屋 到着
休憩
11:15 鉱泉小屋 出発
11:45 裏同心F1アイス練習 開始
13:00 アイス練習 終了
13:30 鉱泉小屋 到着
各自休憩
17:00 大富豪(勝点:金谷0・前田1・岩瀬た1)
18:00 夕飯(ステーキ等)
20:00 就寝

・12/20 【裏同心ルンゼ・ジョウゴ沢F2】
気温−10℃〜−15℃、
下部弱風、上部強風
時折降雪あり
4:00 起床・朝食(カップラーメン等)
6:00 出発
7:00 裏同心ルンゼF1登攀開始
7:30 F2〜F3〜F4
9:50 F5
10:20 登攀終了
10:50 大同心稜 下山開始
12:00 鉱泉小舎 到着
休憩
13:50 鉱泉小舎 出発(前田・岩瀬た)
14:15 ジョウゴ沢F2到着 アイス練習 開始
15:30 アイス練習 終了
16:00 鉱泉小舎 到着
18:00 夕飯(トンカツ卵とじ等)
19:00 大富豪(勝点:金谷3・前田0・岩瀬た3)
21:00 就寝

・12/21 【大同心大滝】
気温−9℃〜−10℃
無風
時折晴れ間有り
6:00 起床・朝食(カップラーメン等)
8:00 鉱泉小舎 出発
9:00 大同心大滝 アイス開始
12:30 アイス終了・下山開始
13:30 鉱泉小屋 到着
14:00 鉱泉小舎 出発
15:30 赤岳山荘P 到着
23:00 帰神



◎行程詳細

・裏同心ルンゼについて

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19日に偵察を兼ねてF1でアイスクライミングの練習をし、20日にルンゼを遡行しました。
19日の昼からサラサラとした質の降雪が断続的に続いており、20日のルンゼ内は膝までのラッセル箇所があったものの、氷はよく締まっていました。

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F1・10m・緩傾斜
リード岩瀬た・セカンド金谷・サード前田
前日にトップロープで練習したピッチで、終了点も残置しておいたのでリードをさせてもらい、無事に通過。

F2・3段40m・傾斜60°〜80°
リード前田・セカンド金谷・サード岩瀬た
前田さんリード。新調した靴とモノポイントアイゼン、アイススクリューの威力を存分に使って無事にトップアウト。
はたから見ていると中間支点の数が少ないような気がしましたが、サードで登ってみると、フリークライミングのゲレンデで核心の手前にボルトが打ってあるような感覚で、なるほど必要なところに必要な分だけ打ってあるんだなぁと思い、勉強になりました。

F3・8m・60°〜80°
リード岩瀬た・セカンド金谷・サード前田
初見の氷のリードをさせてもらいました。俄然やる気が出る。登るラインのヒント(というかほぼ答え)をもらい、満を辞してトライ。
が、しかし、なんと出だし2mくらいでフリーフォールをしてしまう。。。しかも2回連続。
フカフカの新雪が良いクッションになってくれた。
心が折れないうちにトライして、3回目のトライでようやくトップアウト。突き出した頑丈な岩で終了点を作る。

F4・15m・緩傾斜
リード前田・セカンド金谷・サード岩瀬た
ナメ状との前調べでしたが、ほぼ雪で埋まっていた。前田さん難なく通過。
気づいたら終わっていたというイメージ。

F5・10m・60°〜70°
リード金谷・セカンド前田・サード岩瀬た
もしやこの美味しそうなピッチを僕がリードできるのかと思っていると、前田さんが
「どうせリードしたいんでしょう?」
と金谷さんに向けてなかなかの仲良し発言。
ここまで前田さんと僕のために間に入って様子を見てくれていた金谷さんもどうやらマンザラでも無い様子。
結果、最後の滝は金谷さんにリードをお願いする。ダブルでロープをつけているのに流石に素早い。
後に続いてF5を乗っ越すと、うっすらガスのベールに包まれた大同心がドスンと佇んでいました。

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当初ここから大同心南陵に継続する予定でしたが、積雪が想定より多いことと強風のため、今回はここまでとして大同心稜を下りました。

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・ジョウゴ沢について

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20日の裏同心ルンゼを終わらせて小屋に戻る道中、まだ時間もあるので予定には無かったジョウゴ沢も見にいってみようということになりました。とはいえ若干疲労もしていたので、一旦小屋に戻って休憩をはさむことに。
金谷さんは以前に行ったことがあるそうで、門限16時で2人で見に行ってごらんと留守番(?)をしてくれたので、お言葉に甘えて前田さんと2人でジョウゴ沢におもむきました。
ざっくりと沢の概念を頭に入れて、乙女の滝を目指して歩くと、立派なF2に出くわし、そこで交代番子で登って、門限が迫ってきたので乙女の滝は次回にとって、小屋に戻りました。
F2は凍結が不完全で、氷の下に水が流れているのが見えるような状態だったので、そこをよけつつ登りました。



・大同心大滝について

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21日は当初の予定では小同心クラックに行く予定でしたが、壁に雪が多い可能性があることを踏まえて、乙女の滝か大同心大滝に挑戦してみるという代替案が出ました。
結果、大同心大滝に決まり、そこで個人的に精神面での良い経験を積むことができました。

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小屋から大同心大滝まで、膝までのラッセル。倒木なども以前よりも増えているとのこと。
1時間ほどで基部に辿り着き、見上げる滝はなかなかの迫力。蒼氷と登攀欲。しかし金谷さん曰く、まだ少し細いとのこと。
ジャンケンの結果前田さんがまずリード。3分の1くらいを確実に登ってピッチを切る。後に続くと、やはりスクリューの設置箇所が良い場所・距離間で打ってあって参考になる。
続いて岩瀬た。出だしの傾斜の緩い部分をこなし、スクリュー2本分登ったところから垂直になった。そこからさらに2本分登り、前腕がパンプしてたまらずテンションの後ロワーダウン。
金谷さんにバトンタッチ。ダブルロープ状態でスイスイと登って行き、前田さんに繋がっている方のロープの支点をとったところで、ロワーダウンしてくれとの要求。どうしたのかなと思っていると、登攀ラインのすぐ右を滴っていた水の飛沫がサングラスについてどんどん凍って前が見えなくなったとのこと。
前田さんにバトンタッチ。ジリジリと登り、滝全体の3分の2くらいまでロープを伸ばしたところでテンション。ロワーダウン。
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交代2周目に入るところで、金谷さんが僕らにはまだ難しいと思ったのか「どうする、辞めとくか?」と。
まだ登りたかったので、「いえ、行きます!」と青春の一コマのようなセリフで返す。
改めて、登り始める。現状の最高到達点まで行くともう前腕がパンパンだ。テンションを交えながら、ジリジリとさらにスクリュー2本分ロープを伸ばし一息ついたところでフォールしてしまった。金谷さんがガッチリビレイしてくれて、ほとんど落ちなかったので、僕もこういうビレイできるようになろうと思いました。
このフォールでスイッチが入り、残り5mほどのバーチカルアイスに腕をパンパンにパンプさせ、支点を取る余裕が無いことからくる恐怖心を抑え込み、「いつ手が開いてもおかしく無いけどとにかく確実に次の一挙手一投足。」と思いながら無心で登る。
ついに辿り着いた落ち口の氷に渾身の力を込めてバイルのピックを深く打ち込んだ瞬間、心の底から安堵感と嬉しさが湧いてきました。

残置されていたカラビナにロープを通し、ロワーダウン。その後2回の懸垂下降をして、チームでの完登を喜び合い、トップアウトできた興奮を噛み締めながら、元来た道を小屋まで下りました。

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・ロープの凍結について

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今回の山行中、基本的に前田さんが新しいロープをつけて、岩瀬たが古いロープ、金谷さんは両方つけていた。
この2本のロープ、新旧の差が顕著に表れていて、新しい方は全く雪も着かず濡れても凍結しなかったのに比べて、若干毛羽立った古い方のロープは雪がつかないようにロープバッグを使うなどして気遣っていてもガチガチに固まってしまいビレイ機の中を通らないようなことになりかね無い状態でした。
ビレイ機を通らないのはさすがに危ないという金谷さんの判断で、大同心大滝登攀時は古い方のロープは途中で使うのを辞めて新しいロープを交代で付け替えて登りました。


・小屋泊まりについて

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今回は赤岳鉱泉小屋での宿泊で、夕食も小屋の夕食をとりました。
夕食は1泊目がステーキ!2泊目がカツ卵とじ!
部屋は個室でベッド、ストーブまであり、贅沢を通り越して豪勢で快適な夜をすごすことができました。
それなりの金額はかかりますし、「山に入ってそんな贅沢をするなんて!!」という声が聞こえて来そうですが、正直に、幸せな癒しの時間を過ごすことができました。
また、持参したトランプやワインで優雅な遊戯時間を過ごすこともできました。

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今回、会に入って初めての雪山でありアイスクライミングも初めてで、出発前は迷惑かけてしまわないか少々不安もあり緊張していましたが、金谷さんと前田さんの親子のような開けっぴろげな会話や垣間見える気遣いを見ているうちに僕もなんだか和んで来て、山行自体に集中することができ、とても楽しかったです。

計画していた大同心南陵や小同心クラックにこそ行けませんでしたが、帰りの道すがら、今回の経験やこれからするであろう経験をベースに計画を立てて改めて挑みたいなと、木々の間から見える八ヶ岳の青空とドスンと佇む白い大同心を見て思いました。

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