2019.5.1-3五竜岳 GⅡ中央稜
北アルプス 後立山連峰 五竜岳の記録

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こんにちは、岩瀬琢海(以下、T.I)です。
五竜岳に行ってきました。
1日目は雨でしたが、2日目の昼頃から空は晴れていて一見すると絶好の登山日和でしたが、吹きすさぶ強風に不安を感じるような天候でした。
天気図を始め各種天気情報を見て最後まで諦めずにチャンスを伺い、実りのある良い山行ができたと思います。

以下、山行記録です。
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◎メンバー
T.I(記)
H.I

◎行程概要

・4/30
22:00 神戸集合出発

・5/1「入山〜BC設営〜トレース付け」
雨のち雪
20℃〜遠見尾根出だし7℃〜BC3℃
時折風有り
5:00 道の駅白馬到着・仮眠
8:00 道の駅白馬出発
9:15 テレキャビン乗車
9:45 地蔵の頭
11:00 小遠見
12:30 大遠見
13:30 西遠見手前BC設営
15:45 トレース付け出発
16:30 G0取付き、折り返し
17:30 BC
20:00 就寝

・5/2「BC〜五竜岳一般道撤退〜BC」
雪・曇りのち晴れ
テント内3℃
稜線上強風
3:00 起床・朝食
4:30 天候待ちで、うたたね
7:30 再び起床
10:30 一般道で五竜岳に向かう
12:50 約2500m地点、撤退
15:00 BC
19:30 就寝

・5/3「BC〜GⅡ中央稜〜BC〜下山」
晴れ
登攀中ルンゼ内ー3℃程度
稜線上風有り
2:30 起床・朝食・天候待ち
4:30 出発
6:00 GⅡ中央稜登攀開始
9:30 稜線に抜ける
12:00 GⅡの頭
12:15 五竜岳山頂
13:30 BC
14:15 BC出発
16:20 テレキャビン乗車
16:40 駐車場・下山完了

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◎行程詳細

・5月1日
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目がさめると、雨のパラつく「道の駅 白馬」でした。
運転席にはH.Iさん。ぐっすり寝ている。
起こさないように外に出て、手を洗うついでに煙草を一服。
昨夜、僕も役に立たねばと思い20日ぶりになるMT車の運転を振り返り、
「SA内でエンスト3回。路上では誰にもクラクション鳴らされずに済んだ。前回よりはギアチェンジもスムースにできた気がする。よし、運転上手くなってる。」
と1人静かに感慨にふける。
見渡す田畑はしっとりと濡れている。
半クラッチの感覚を忘れないようにしよう。

しばらくしてH.Iさんも起き出し、改めて五竜テレキャビンに向けて出発。
前回(4/11-13杓子岳)に引き続き、今回は五竜岳だ。すっかり後立山に魅了されてしまった。

エスカルプラザ白馬五竜の駐車場に着き、準備を整え、スキーヤーやスノーボーダーに紛れてテレキャビンに乗り込む。
滑り行く人の波間を縫ってゲレンデをトボトボ歩き、遠見尾根に取り付く。
しばらく歩いて小遠見を越えると鹿島槍ヶ岳と五竜岳がドーンと目の前に飛び込んでくる。。。はずだったが、どんより雲で半分くらいしか見えない。雨も降ったり止んだり。
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ポツポツと歩みを進める。
やがて今日の目的地にしていた西遠見山の手前の平坦地にて、BC設営。
崩れかけのテン場跡を再利用して、雪ブロックを積み上げて強風に備える。

BC設営後しばし休憩して、やることも無いので明日に備えてG0・GⅡへのトレースをつけに行くことに。

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五竜岳東面の概念図と目の前の光景を見比べて、どの尾根が何の稜なのかも比較的すんなりと頭に入ってきて一安心。
西遠見山を少しトラバースして、傾斜のマシなところをねらって一直線にシラタケ沢まで下降。
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なかなかの高度感の中をH.Iさんがズンズン降りて行く。気後れしないように後を追い、シラタケ沢を渡ってG0の取り付きへ。
尾根と沢に囲まれて、山の中にいるんだな〜と思う。
今日はここまでとして、元来た道を戻る。
風が強くなってきた。明日はどうなることやら。


・5月2日

朝早くに起きて、朝食を食べ、外の様子を伺うと、軽く吹雪。
これはもしや沈殿なのかとテンション下がりつつうとうとしていたらどうやら寝てしまったようで、8時前にH.Iさんに再び起こされる。外が明るい。
トイレついでに様子を見ようと外に出る。五竜岳はガスの中で何も見えない。強風が吹く。
どうにも良く無い天気だ。
しばし沈殿。

携帯電波が入ったので天気図を見たり他愛ない話をしつつ過ごしていると、空が見え始めてなんとなく風が弱まったような気がしてきた。
時間的にG0もGⅡも取り付けないし、かといって何もしないのももったい無いので一般道で五竜岳まで行きましょうよとH.Iさんに提案。
H.Iさんは以前に五竜岳に登ってるのでなかなか乗り気になってくれなかったけれど、最終的に了解してくれて、いざ五竜岳へ!
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身体がほぐれて行くのが気持ち良くて、H.Iさんもきっと良い気分だろうと思い、
T.I「どうですか!テンション上がりますねえ!」
と聞くと
H.I「いや、全然。」
と連れない答え。
そうですか〜と思いながらも、僕はワクワク気分で前進。
白岳を越えたあたりから、猛烈な風に煽られる。
うわぁこれはやばいなぁ。と思いつつ、乗り気じゃなかった割にグイグイ進むH.Iさんの後を追って進むも、暴風で耐風姿勢をとる回数が増えて来たので飛ばされる前に引き返すことに。頂上まで行けず残念。
後立山の稜線の西側と東側では風の強さが段違いでした。

BCに戻って、今後の天気予測を見るけれど概ね悪く無い。晴れてるのに依然として北アルプスだけ風が強いもよう。
「このまま何もできずに帰るの嫌だなぁ。明日の感じで無理そうならH.Iさんにせめて雪訓お願いしようかなぁ。」
とか思いながら、ご飯食べて早めに就寝。


・5月3日

2時半起床。テントバタバタ風強し。
再三確認する予報では、少しマシになっていく傾向にあるよう。
朝ごはんを食べて、のんびり風の様子を伺う。
「お、風止んだかな?」
と思うとまたバタバタとテントが揺れる。
今後の風の動向が気になってまんじりともしない時間を過ごす。
今日が下山日なのと雪の状態を考えると、行動開始するならそろそろ判断しないと今が時間的に限界かなというタイミングになって来た。
何回目になるかわからない天気についての会話を交わして、ついに
H.I「取り付きまででも行ってみるかい?」
T.I「行きましょう行きましょう!」
待ってましたとばかりに二つ返事で出発。


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辿り着いたGⅡ中央稜Aルンゼ内は風も無くおだやか。

登攀開始。

1P目、雪壁
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リードT.I、フォローH.I
日が差す寸前の雪のルンゼをガシガシ登る。スノーバーやデッドマンで支点をとりつつ40m程ロープを伸ばして、太いダケカンバでビレイ。

2P目、ハイマツ帯
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リードH.I、フォローT.I
「ここがルートです」と言わんばかりの良い感じに雪が付いたハイマツ帯を登っていく。中間支点も多く取れるようで安心感のあるルートどり。25m程ロープを伸ばして松の木でビレイ。

3P目、 ハイマツ帯
リードT.I、フォローH.I
まだハイマツ帯が続く。
あれ、なんか前調べや遠望して決めてたルートと違って妙にヤブコギが続くなぁ。と思いながら登っていくも、想定してた雪壁に至らずルートロスト。
右も左もハイマツの枝ばかり。時折目に刺さる。
少し開けたところで小さな岩壁にでくわした。
どうしようかと思いつつ、とりあえずピッチを切るために近くに生えていた松の木でビレイ。25mくらいロープを伸ばした。
フォローしてきたH.Iさんとルート間違えてますよね〜としばし作戦会議。
右側は切れ落ちていて、とても進めそうにない。もっと左に本来登るはずのルンゼがあるようだったので、トラバースしてみようということになる。

4P目、岩・ハイマツ
リードT.I、フォローH.I
ピッチを切った目の前にある岩に直上できる登攀ラインが見えたので、続けてリードさせてもらう。
凹角状になった部分に入り込んで、自慢のノミックを草付きに刺して乗っこそうとしたらブチっとピックが抜けかけて「おっとっと!」と思いながらもバランスを取り直し乗っこす。ムーブの引き出しとそれに付随するパワーは大事だなと地味に思う。
乗っこした先は少しは良いように見えていたけど、思ってたよりも立ったハイマツ帯で、無理やり枝をねじ伏せながらトラバース。
15m程トラバースしたところで小さな雪のスペースがあったのでピッチを切る。
ハイマツでビレイ。

5P目、ハイマツ・雪壁
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リードT.I、フォローH.I
さらにトラバース。屈曲したロープの重みに耐えながらハイマツ地獄を進む。
落ちてもハイマツに絡まって落ちようがないから安心だけど、どうにも辛いなと思い始めたところで緩傾斜の雪壁に抜け出る。稜線も見えた。やった。
20m程しか伸ばしてないのにギンギンに重くなったロープに耐えかねて、稜線手前でハイマツの根を掘り出してビレイ。

6P目、ハイマツ・雪壁
リードH.I、フォローT.I
小さな雪庇状になった雪壁に向かって左上し、雪壁沿いに登って、ロープを10m程伸ばし稜線にでたところの松の木でビレイ。

登攀終了。

抜けることができましたね〜!と喜びながら、ロープをしまって少し休憩。

その後もしばらくハイマツこぎと、ガレ、雪壁、ベルグラと、いろんなパターンの登りがある稜線を辿ってGⅡの頭に無事到着。
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途中、ロープを出すか少し迷って、いやそれほどでも無いなと思いつつ登ったらやっぱりロープ出した方が良かったかな、、、と思うような箇所があった。
安全管理は難しい。
安全を優先するのは当たり前だけど、安全を優先すると場合によっては別の安全が失われる可能性があることを考える。
そんなジレンマを思いながらGⅡの頭でガッチリと握手。
(今回はそんなシビアな状況でも無かったし、その後の会話を思い出すと、ロープ出すべきだったと反省です。)

H.I「せっかくやし山頂行ってきたら?おれゆっくり降りとくし。」
ということで、ここで分かれてH.Iさんは下山開始。僕は山頂に向かう。
思いの外立った雪壁に息を切らせながら登り、五竜岳山頂の標識でぐるり一回転して景色を楽しむ。
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「鹿島槍カッコいいな〜」とか「やっぱりいつか劔だな」と思いながらそそくさと山頂を後にして、ダッシュでH.Iさんの後を追う。
風は強いが思ってたよりもマシだった。
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西遠見山あたりで追いつき、無事BCに帰還。
一服して、晴れ渡る五竜を眺めながらテント撤収。下山開始。
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テレキャビンに間に合うかどうかギリギリの時間で、もはや間に合わす気の無いH.Iさんに
T.I「行けますよ行けますよ!」
と無理くり(無理させてごめんなさい!!笑)歩いて、営業停止10分前にテレキャビン乗車。
下山完了。

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以上、山行報告でした。

今回、登攀に関してはもちろん勉強になること多く、うまくいって良かったなと思いますが、天候予測に多くの時間を割いたことが印象深いです。
天気図だけでなく、上空の寒気の流れ込みや地形による空気の流れの変化を直に感じることができて面白かったです。
五竜岳の雪のつき具合や、他山行記録など調べてると、どうも4月中くらいがベストシーズンなんじゃないかと思ったりもするので、また来たいと思います。
次はGⅣGⅤ中間稜やGⅤにも取り付いてみたいなと思います!


H.Iさん、今回もありがとうございました!
恵那峡〜梓川、黒丸〜吹田までの運転はお任せください!!!そして徐々に距離を伸ばして、安眠を提供できるように精進します!

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