明神岳 主稜             20231719  A

 

 ちょうど一年前のこの時期に同じメンバーで同じコースを目指したが天候の悪化と

私の靴底剥がれ更には時間の大幅な遅れ等の複合原因で峰で引き返した今回は

そのリベンジとして更に綿密な計画を練り休みを三日に増やして万全の日程で難コースに

再チャレンジすることとする今回は山ップであるとか山何とかに出てくる華しい記録に

惑わされることなく地道に我の体力神戸からの運転距離上高地バスの最終時刻等を

考え二日目に下山を急ぐことなく岳沢小屋泊し三日目に余裕をもって帰神することにする。 

 916仕事の疲れを引きずりながら22時前に伊丹を出発中央自動車道から松本IC

下り沢渡駐車場に午前時過ぎに着く

 917アルピコ上高地バス730発に乗り上高地へ往復¥4200。三連休の上高地は

やはり人が多く今日は三連休二日目なので殆どが上高地散策の観光客だ。8時半明神号尾根

看板を目指し岳沢への道を歩きだす途中上高地から散策がてら岳沢方面に行くという観光

客の女性二人組と色話などをしながら歩くやがて号看板に到着し女性達と別れを告げる

 さあここから1000mの登りだ総水量6Lが方に食い込むしかし他の装備をかなりケチった

ので冬山の装備に比べればそれほどの重さでもない。(重要な装備を忘れてきたことは後で気づく

 今年はやたら暑いので虫が顔にまとわりついて不快だ何度も休憩を挟みながらやっと中間部の

残置ロープのある急な岩場につき慎重に通過するとやがて傾斜も緩みだし植生が低木中心に

なるころに遥かに峰台地が見えてきた私は景色が変わると調子よくどんどん進みたく

なるタイプだが相方はもうそろそろテントを張ろうと主張し意見が合わないので峰手前時間

の辺りで折衷案で適当な天場跡のスペースにアライ天を張ることにする。1345。早く沈し

過ぎてやることもなく仕方ないのでビールなどをちびちびやっていると上からPがハイ松

を漕ぎながら下りてきた早速情報交換してみると明神東稜をラクダのコル一泊で登ったあと

主稜を下山しているとのこと水も不足する中ハードなコースを二日で抜けるとはなかなか尊敬

に値するお互いの健闘を祈りながら見送る情報では上部に1Pが幕営しているとのこと

無理に進みあがっても快適な天場は限られているので情報はよく吟味しなければならない

そうこうするうちにまた人程がハイ松帯を下りてきた情報を聞いてみるとこちらの

の逆コースで初日に岳沢で泊しそこから前穂ー明神と繋げて主稜を一日で下りるという

ロングコースだこちらも老若男女で何故か心の休まるような山岳会Pだったしかし水も不足し

下りの岩場では日没必至と思われるので頑張って下さいと健闘を祈った

 また天場に来る途中では昨夜の時半に上高地を出発し一睡もせずに前穂高から明神を

経由して主稜を下りているという強者にも出会った明神は登り方が自由な楽しい山だ

 長い夕刻も過ぎ飯も食い終えたので日没とともに寝る今回はシュラフも割愛したので

少しは寒かったエアマットも省いたがこれも贅沢品だった省いちゃいけない登攀具を家か車に

置き忘れてきたことがここで判明なんかザックが軽いはずだ反省)。幸いハーネスは

ザックから出てきたのでそれに引っ付いたビナ
枚と豚のしっぽのようなセルフビレイ

ロープがあるのでまあ半マストで懸垂下降はできるだろうと計算する今後はハーネスを忘れた

時に備え、手持ちの装備でハーネスの代用にする方法を研究しておかなければならない

 翌朝、3時起床天気予報は刻と変り晴れなのか曇りなのか雨かいまいちよく分からない

しかし悪化の傾向ではないのであと二日は持つだろうと考える。530。5峰を見上げながら

うんうんと朝から急激に登りやっと懐かしのピッケルに到着する何故か明神にはこの朽ちた

ウッドシャフトのピッケルがよく似合う。4、3峰は顕著ではなく何となく超えて行くが

このあたりにも全部で張りほどはテントスペースがあったしかし快適に張れる寝れるのは

せいぜい天までだろうルートはだいたい岳沢側を巻き忠実に稜線も辿れるがすぐに絶壁

が現れるのでクライムダウンが大変だ結果岳沢側を巻き噂の紫の残置ロープが現れたので

それに導かれながら暫く歩く紫ロープが途切れたあたりで下り方面に巻き下りてしまい

また登り返して正規のルートに戻るやがて突然のように峰の懸垂下降ポイントが現れたので

一ミリの迷いもなくそれにセットして下降を開始するがどうも様子が調べていた記録と違う

おかしいなーと1P下り二本の残置ハーケンに支点を移して進行左側へトラバースしていくと

正規の懸垂ルートの2P目の下降支点に到着どうも我は逆から登るときのコースを斜めに

懸垂してきたようであるまあ下りれたのだから良しとしようということになり辺りを

見回すと腐ったロープやら峰頂上から残置され垂れ下がった50mロープやら荷物梱包用

ロープの端くれやらあらゆるロープゴミが散乱し美観を損なうこと甚だしいしかし誰も拾って

回収して下りる登るほどの余裕はないのだろうも同様だった

 2峰を懸垂で下りて乗っこし暫く岩峰を登るとやがて峰すなわち明神岳頂上にめでたく登頂

1000。幸い天気も良く視界もよい山頂にそこを示す証拠品のようなものは見当たらず

この渋さが堪らない山名看板などなくても充分だそこが明神なのは明神に行ったものなら分かる

 さて暫く山頂で寛いだあと今日は時間に余裕があるなと思うのも束の間明神から前穂まで

が意外と遠く悪い次第にガスも出だしガスに巻かれるとすぐルートを見失う晴れるのを

待ってはルートを見つけ方向の検討をつけて進む奥明神沢のコルへはクライムダウンで下りる

最後の地上4m程が浮石だらけで悪く何故か懸垂におあつらえな支点も有るので再度ロープ

で懸垂する奥明神沢の下り口をちらっと見るがやはり無雪期は岩の屑沢で積極的に下りる気は

しない所だ。 奇岩や屑岩や浮石あらゆる岩石をそこに集めたのではないかと思われるルートを

上り下り巻いているうちにようやく前方に前穂らしきものが見えてきた

 しかしその前にこれまた記録にあった通り次第に紀美子平へと左に逸れるしっかりした踏み跡

に乗ってしまいなんか様子がおかしいのでGPSにお伺いを立ててみるとやはり紀美子さんの

方へ向いていたどうするか迷うがまだ傷は浅いので岩の迷路を直角に稜線に上がりなおす

 さて前穂には1230頃到着完全にガスの中で展望は得られず代わりにやたらと人が多い

ソロの人も目立つジャイアントな前穂に久しぶりに来られたのは嬉しいが別に前穂に登る

ことが今回の目標ではない北尾根から登ってくると流石に嬉しいが何となくアウェイ感を

感じながら写真を撮ってもらったりあちこちに積み上げられた気味の悪い意味不明なケルン

に違和感を感じながら前穂を後にする明神には残されていた浮石君たちが全部撤去されていて

印も有るので大変に歩きやすいしかしたまに浮石があるので油断は禁物ださて30分ほどで

紀美子平に到着

 ここから分岐して重太郎新道だこれが一般道かというような危険個所が上部に数か所有り

 滑ると大怪我の箇所もあったのでせめてロープか鎖はつけるべきだろうと思った

重太郎上部のクサリ場やよく滑るハシゴ場なんの防止策もない断崖上のクライムダウン等を

こなしやっと休憩するが地図を見るとまだ1/4ほどしか進んでおらず尾根の長さを感じる

 やがて傾斜も緩み何か無理矢理取り付けた感のあった重太郎新道の下部をとぼとぼと歩くうち

やっと岳沢小屋の赤い屋根が見えだすが見えてからもなかなかの長さだった尾根の下りでは

必死で歩いたにも拘わらず後ろから来た登山者に全て追い付かれ道を譲るという情けない現実に

直面し相方と二人お互いに歳やなあと慰めあう昔は逆だったがいつからかこうなった。。

 1600 やっとのことで岳沢小屋に到着し、14000円也を支払って夕食と布団と朝食を

勝ち取る私は10年ぶりくらいの山小屋泊だったので興奮したが、600円でビールを購入し

心を鎮めるこの至福のビールを味わえない相方は可哀そうだがサイダーで乾杯だ

 テントと違いビールを飲み終えるとまた何もやることが無くなったので小屋をうろうろして

時間を潰す連休最終日だが小屋は満員だコロナが怖い何故か外国の人も多いさて1800

念願の夕食にありつくカレーバイキングというおしゃれなスタイルで上品で美味しい料理だ

混むかと思ったがうまく人もばらけお代わり回でお腹いっぱいでご馳走さんとなる

 飯が終わるとまたテントと違って何もやることがないのでもう寝るしかない。20時就寝

鈴虫や興梠の鳴き声なら風情もあって良く寝られるのだがそこは男30人ほどの合宿雑魚寝場

いびきがうるさくて寝られやしない耳栓が小屋寝の必需品であることを思い出すが既に遅かった

 結局テントのほうが私の性に合う暴風雨ならまた別だがそもそも思い返せばこの30年来

家でもシュラフと銀マットで寝ている毎日がキャンプだ。(()

 さて翌日時には人がごそごそと動く気配で目が覚めそれでも頑張って寝るが時には

仕方なく起きる小屋特製の朝飯弁当をチンし味噌汁で頂くあー快適テントなら棒ラーメン

で大戦争でも起こりかねないところだ

 早立ちの皆さんを見送りは朝からもう帰るだけなのでゆっくりと小屋で過ごした後

こ等をのんびりしてから一路上高地へと下山を開始。2年かかりで達成した有意義な山行が

終わった

 相方の谷さんお疲れさまでしたそしてありがとうございました人生を山と共に歩める

友に感謝! また亡くなった仲間達の想い出を語りに山へ行きましょう!

 

 notes

     今や山小屋でのスマホ充電器はマストアイテムこれからは小屋泊りの時は持参しよう。耳栓も。

  行程を通じてスマホの電波はよく入ったドコモ

  水は酒類を含めて約6Lを担いだ。二日目小屋へ着いたときは残0.5L消費量は天気によるが二日目の 
  
ビバークとなると厳しい

  ネットの記録は速攻登山の記録が多いがそれを鵜呑みにするとエライ目に会うということがよく分かった