沢登り

池郷川上部 単独沢泊

こんにちはOKDです。

パートナーのI君が仕事で行けなくなったため、単独で遡行することにした。

静かな大峰の山を独り占めして堪能できた。

日程:2025年6月21日〜22日

メンバー: OKD


◎1日目

8:00  林道ゲート〜9:00  横手小屋谷出合(入渓)〜13:00 小池宿跡付近(泊)

天気は快晴。

林道ゲートを越えてすぐの顕著な尾根から大又谷へ下ると対岸に石積みが見える。そこからさらに一段上にも石積みがあり、道がついていた。

所々崩壊したりで不明瞭となり、登ったり降りたり次第に暑くなって「早く水に浸かりたいなぁ」と思う頃に横手小屋谷の出合に着いた。入渓。

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悪絶極まりないゴルジュを形成する中部や下部とは違い、上部は巨石とナメの穏やかな渓相。

12m、6mの連続滝は、6mが困難と聞いていたので、左岸のルンゼから巻いた。

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この巻きでの懸垂用にロープを持って来たが、結局使わずに沢床に復帰できた。
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泊適地は随所にあるが、翌日のことも考えて堂ノ谷を越えてしばらく経った平坦地を今宵の宿とすることにした。

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◎2日目

6:00 出発〜7:30 天狗山南側〜9:50 涅槃岳〜11:00 持経宿〜12:00 林道ゲート

天気は薄曇り。

地形図を見るとこの先は平坦な河原歩きっぽい。

今日の下山は長いので、早々に詰め上がることにする。

右岸側の尾根を拾い、1時間半で天狗山の少し南側の大峯奥駈道に合流した。

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持経宿からは白谷池郷林道でゲートまで。合計6時間の詰めと下山は長かったけど、静かな大峰を独り占めしてどっぷりと浸れた山行となりました。

帰りは下北山の「きなりの湯」でさっぱりした後、定番の「里」で食事して帰りました。

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2025.06.07 南紀 相野谷川 中ノ谷

こんにちは、川です。


「内鹿野谷」で沢スイッチが入ってしまってから一週間、興奮冷めやらぬままに南紀の「中ノ谷」を遡行してきました。


今回は沢でのロープワークを練習するため、滝の高巻きでは積極的にロープを出していきました。


以下、記録です。


■メンバー

T口さん(L)、Kさん、川(記)


■主なギア

・ロープ(8mm 50m)


■行程

・08:00 駐車スペース(桐原登山口)より出発

・08:25 中ノ谷橋より入渓

・08:35 落打滝

・10:25 30m滝

・14:00 子ノ泊山頂

・15:00 駐車スペース(桐原登山口)



最寄りの道の駅で前泊し、8時前に駐車スペースに到着。

ちょうど1パーティが出発の準備をしているところだった。沢で他パーティに遭遇するのは珍しいらしい。


計画通り出発し、駐車場から30分ほど林道を歩いて中ノ谷橋より入渓。


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▲いかにも「これから沢始まりますよ!」という感じ、たまらないです。


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▲入渓するとそこは緑の世界。彩度マシマシでも目に優しい。


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▲開始早々に落打滝


高巻きで踏み跡を探すあまり壁にある立派なボルトを見落としてしまい、安定のルーファイ力のなさを披露する。

少し悪い箇所を一段下降すると記録でよく見かける木製梯子が視界に入った。

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240cmのスリング2本を連結して手掛かりに。勉強になります。

それにしてもこの綺麗なラッペルリング、高巻きのいたるところで見かけるけど何なの…
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沢に復帰するとエメラルドグリーンに輝く釜
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トポによると30m滝の高巻きは両岸から巻けると書いてあるけど左岸は難しそうで、簡単そうな右岸側から高巻く。それでも行ったり来たりでルートファインディングがやや難しかった。

沢への復帰で右往左往した末にリーダーが等高線の隙間を縫うような1本の下降路を探し当てたときは興奮した。

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延々と続くナメ。せっかくなのでウォータースライダーをするなどして遊んだ。

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ゴーロかと思えばナメに戻り、涸れたと思いきややっぱりナメ。ナメは終わらない。
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沢の詰めではKさんが先陣を切ってなかなかのペースで高度を上げて行く。着いていくのがやっとだった。


思い返せば、内鹿野谷では源頭部で両太ももが攣ってしまい誤魔化しながら牛歩でゴリ押すという文字通り詰めの甘さが露呈したけど、今回は何とか大丈夫…!


登山道に合流するとすぐに子ノ泊山頂。ネズミのバンザイに倣い我々もバンザイ!

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途切れないピンクテープを頼りに登山道を駆け降り、ダイレクトに駐車場に滑り込んだ。


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▲馬酔木(あしび)でタンパク質摂取もお忘れなく


2025.06.01内鹿野谷

【日程】2025年6月1日(日)

【行先】南紀 内鹿野谷

【天候】晴れ

【メンバー】OKD(L)、 岩瀬た(会外)、川、おせん(記)

南紀の内鹿野谷を遡行してきました。

元々、OKDリーダー発案で台高の東ノ川を一泊二日で遡行する計画が、天候不順で中止、天気の良い2日目を日帰りで沢登りをしようと、代案として選んだのが、ここ内鹿野谷。

正直楽しみにしていた沢泊が流れ、特に注目していない沢だったので、期待していませんでした。

結果、アプローチも下山も楽々、エメラルドグリーンの透き通った水流に雰囲気の良い淵や滝、源頭部は少し立ったナメが何百メートルも続く独特な地形でおもしろく、更には白見山からの展望も中々良いもので、期待していなかった分、意外に楽しめて満足のいく沢でした。

また、この日初めて沢登りを経験する川氏は、しっかりした足取りで沢を遡行し、体力も充分、読図や遡行図等の準備も万端で、初めてとは思えない貫禄でした。

滝の登攀について、一ツ落ノ滝の他、名のある滝がいくつかあり、登れそうなら登ろうと登攀具一式持参しましたが、支点を取るのが難しそう等の事情で巻きました。

ロープを出したのは、少し立ってヌメりのあるナメの連瀑帯で、おせんがセミになり、上からロープを投げてもらったのが唯一です。

下山後はいつもの台湾料理店で食事をとり帰神、充実した休日になりました。


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探勝路を辿り入渓

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用水路の様な滑床

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一ツ落ノ滝

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落口より

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長いナメの登り

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白見山からの眺望

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ズリ岩

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もう紫陽花が咲いていました

2024.8.15-18 槍沢ババ平対岸 中央大滝&左俣大滝

槍沢ババ平対岸 中央大滝&左俣大滝 の記録

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日程 2024.8.15〜8.18
メンバー OKD、岩瀬た

某大阪履物系山岳会の書込みで見かけた槍沢ババ平の対岸に掛かる大滝。聞けば沢ヤのバイブル成瀬陽一さん著の「俺は沢ヤだ」に載っているらしい。それならば僕らも登ってみようということで、夏休みを利用して岩瀬た君と登ってきました。

・8月15日
前夜21時。台風の影響で天気予報がコロコロと変わる状況だが、とりあえず行ってみよかと大阪を出発、あかんだな駐車場に2時過ぎに到着した。
しばらく仮眠して上高地行きの始発バスに乗り、いざババ平に向けて上高地を出発。

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(出発進行!1)

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(出発進行!2)

ババ平までは平地だし、どうせ雨が降って濡れるだろうとの理由で岩瀬た君はサンダルに海パン、背中には巨大なザックというスタイルで出発したが、わずか明神館のあたりで足裏に水脹れができて悶絶していた。
ダラダラと長い道のりに飽きてきた頃、ようやく槍沢ロッヂに到着。ここでノマちゃんと再会。元気そうでなにより。

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(久しぶりに再会する、すっかり看板娘になっていたノマちゃんと記念撮影)

ロッヂではシェルパカレーとおつかレモネードをご馳走になり、これまでの疲れも吹っ飛びました。
12時30分頃、ババ平キャンプ場に到着。心配していた雨に当てられることもなくテント設営し、明日の登攀のために取り付きの偵察に出かける。

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(テント良し)

目的の滝は登山道からも明白で、アプローチは30分と掛からなかった。

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(左にかかる滝が左又大滝、中央少し右の滝が中央大滝、その右側が右又。)

今日の晩ご飯は、具材を家に忘れた「具なし豚汁」とアルファ米のおこわ(泣)早々に夕食を済ませ、ウトウトし始めた頃に大粒の雨が降ってきた。明日はどうなることやらと思いながら眠りについた。


・8月16日「中央大滝」
6時にテント場を出発。天気は薄曇り。今日は三叉に掛かる大滝のうちの中央大滝を登る。3本のなかでは最も傾斜も強く難易度も高そう。
ゆるいスラブを登り、右岸側のテラスでクライミングシューズに履き替えて準備開始。

◎1ピッチ目(OKD)
階段状を登った後、フェイスを右上する。
フェイスは多少ボロくもあったが、探せばホールドもスタンスも豊富だ。ほぼ成瀬さんの「俺は沢ヤだ」のトポ通り。
フェイスを登りきった左上の立木でピッチを切る。
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(1ピッチ目OKD。さぁスタートです。)

◎2ピッチ目(岩瀬た)核心
トポではブッシュを頼りに右上するとあるが…確かにブッシュはあるがどれも心許ない。
わずかに足を乗せられる外傾したスタンスを繋ぎ「楽じゃない凹角」へ至るが、ブッシュのセクションが悪すぎて凹角は「楽じゃないか!」と思えた。ナイスリード!
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(2ピッチ目岩瀬た。ブッシュトラバース結構悪い。)

◎3ピッチ目(OKD)
ブッシュと岩とのコンタクトラインを登る。
プロテクションは灌木で自由に取れる感じ。
特に困難箇所は無かった。
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(3ピッチ目OKD。)

◎4ピッチ目(岩瀬た)
トポでは「右のブッシュに回り込む」とあるが、ちょっと煩さそうなのでそのままコンタクトラインを進むことに。
最後は水流と戯れて落口にドンピシャの爽快なフィナーレだった。
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(4ピッチ目岩瀬た。行ってきます。

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(4ピッチ目、落口。爽快!)


◎下山
事前情報ではトポとは違う右俣大滝の左岸尾根を降りた方がいいのでは?と教えていただいたけれど、しばらく行ったり来たりして、結局右俣大滝を灌木を頼りに懸垂3回で基部に降り立つ。
14時30分テント場へ帰還。
岩瀬た君が担ぎ上げてくれたワインとサラミで祝杯!
早々に酔っ払って明日に備えて就寝 z z Z



・8月17日「左俣大滝」
前日と同じく6時過ぎにテント場を出発する。天気は快晴。左俣大滝は中央大滝に比べると傾斜は緩いが大スラブと水流交えたフェイスで開放的な雰囲気だ。こちらもアプローチは容易。

◎1ピッチ目(OKD)
眼前に広がる大スラブを登る。
ロープは必要なさげに見えたので、安易にサワタビのままフリーソロで取り付くが、ワンポイント微妙な感じで躊躇する。途中でクライミングシューズに履き替え、ロープを下ろしてビレイしてもらうことに。
ハーケン1枚叩き込んで、左岸側ハング下までロープを伸ばした。
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(1ピッチ目OKD。ノーロープで登ったが、ここからロープ出した。)


◎2ピッチ目(岩瀬た)
ハング滝の乗っ越し。
どこから越えようか少し迷ったが、滝身に1番近いブッシュをめがけてカムアブミ2つですんなりと越える。さすが。
回収はお任せあれと、2つ目のアブミを回収してハーネスのギアラックに掛けようとしたその瞬間、痛恨のミス‼︎手から滑り落ち、カムごとアブミを落下させてしまった。。。
とりあえず岩瀬た君が待つビレイポイントまで登り、その旨伝えて帰りに拾おうかと提案するが「今から懸垂で取りに行きましょ」と即却下された。
内心「岩瀬た君が取りに行ってくれないかなぁ」と淡い期待を抱いたが、その期待も「ささ、どうぞ」という乾いた返事に即座に打ち砕かれた。
そらそうよね。落としたんは僕だし責任払いよね。。。
回収しながら、手順が少し雑になっていたなと反省。そそくさと回収し、ちょっとバテたので休憩する。
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(2ピッチ目岩瀬た。)

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(落としたアブミの回収に向かうOKD。)


◎3ピッチ目&4ピッチ目(トポ上の3〜5ピッチ?)
見ると階段状だったので、ロープをたたんで滝の右側を各々フリーで登る。
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(ヨーデルを歌いたくなる景色)

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(落口が見えてきた)


◎5ピッチ目(OKD)核心
水流右側からスタートし、すぐに滝身を横切り右岸側へ、そのままシャワーを浴びながら落口まで。
プロテクションは随所にカム、ハーケンが効くが、水が冷たすぎる。まるで氷水のようで時間をかけると手の感覚が無くなってくるので要注意。
存分に水を浴びて落口に到達。気持ちぇぇ〜‼︎
岩瀬君も水を浴び浴び気持ちよさそうに登ってきた。
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(5ピッチ目OKD。水が冷たい!)

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(水が冷たい!)


◎6ピッチ目
ロープをたたんでナメ状を登り源頭へ。
源頭は岩の隙間から冷水が噴出する不思議な光景で、「北アルプスの天然水や〜」と顔ごと突っ込んでみたが、5秒と我慢できないくらいのキンキンの冷水だった。

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(源流。岩から噴き出している。)

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(北アルプスの天然水。とにかく冷たいがウマい!)


◎下山
これまた事前情報では明瞭で歩いて降りられると聞いていた。確かに「ここを降りるしかないな」というルートで最後のスラブ部分以外はロープを出すことはなかったが、猛烈な薮をモンキーで下るという、決して「歩き」ではない下降路だった。
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(歩きと聞いていたが、思いっきり藪漕ぎ。騙された!やられたー!)

沢ヤのいう「歩き」は通常人が考えるような「歩き」ではないことをここに宣言しておきます。14時テント場へ帰還。


◎撤収〜槍沢ロッヂ
テント場に着くと雨がパラつきだし、次第に大粒の雨に。雨の隙を縫ってビチャビチャに濡れたテントを撤収し、早々に槍沢ロッヂに駆け込む。
最終日のお宿は槍沢ロッヂでご褒美宿泊だ。
お風呂の時間にも間に合った。
3日間の汗を流し、スッキリしたところで生ビールで乾杯!沁みる〜。
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(乾杯!五臓六腑の場所がわかるほどウマい!)

山小屋ではノマちゃんの計らいで、とても快適に過ごさせてもらえた。山小屋宿泊クセになりそう。
晩御飯を食べ、ノマちゃんを交えて近況報告などひとしきり笑い話をした後、明日の下山に備えてフカフカのお布団で眠りについた。


・8月18日「槍沢ロッヂ〜上高地」
朝4時半、フカフカのお布団に後ろ髪を引かれながら起床。天気は快晴。簡単な朝食を済ませて再度ザックの中身を整理し、6時にロッヂを出発。
ノマちゃんも休暇を利用して下山するということで、一緒に下山することに。
食料は全て消費し、荷物は少なくなったはずなのに、水を含んだロープやらテントやらで重量は増したか??ギシギシと肩に食い込むザックに悶絶しながら上高地に到着して11時のバスに乗り込んだ。
高山で恒例のキュルノンチュエに寄ってお土産も購入し、帰路についた。

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(下山後のキュルノンチュエ)



◎あとがき
北アルプスの大滝を2本登れて、とても充実した夏休みを過ごすことができた。
右俣滝も激シャワーで面白そうなので、機会があれば登ってみたい。
ロケーションも素晴らしく、内容も充実しているので皆さん是非登ってみてください。

今回の登攀に向けてアドバイスいただいた某大阪履物系山岳会のSさん、宿泊諸々でとてもよくしてくれたノマちゃん、いつも快くザイルを繋いでくれる岩瀬た君、ありがとうございました!

2024.8.13-14 尾白川ゴルジュ

2024.8.13-14 南アルプス 甲斐駒ヶ岳 尾白川ゴルジュ 上部 下部 の記録

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こんにちは、岩瀬た です。
お盆休み満喫計画第二弾、尾白川ゴルジュに行ってきました。
南アルプス甲斐駒ヶ岳を源流に持ち、黄蓮谷の下流にあたる部分です。

なかなか登攀が難しい沢で、僕はちょっとリード厳しいな、、、というような沢で良い勉強になりました!

以下、山行記録です。
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◎メンバー
岩瀬た
野田(会外友人)

◎装備(主なもの)
・ライフジャケット
・カム0.1-2サイズを2セット、3,4を1セット
・ハーケン,アングル各種
・ボールナッツ
・アブミ各自2個
・ロープ40m x1、50mx1(1本は懸垂用)

◎行程概要
・8/13 尾白川ゴルジュ上部
4:15 矢立石登山口駐車場 出発
6:00 不動滝上部 入渓
17:30 13m滝(最後の滝)上
19:25 矢立石登山口駐車場

・8/14 尾白川ゴルジュ下部
6:40 尾白川渓谷駐車場 出発
6:55 入渓
11:55 不動滝上 懸垂下降開始
14:25 尾白川渓谷駐車場


◎行程詳細
今回は会外友人の野田さんに誘われての遡行。
最近は休みの日程が合わず会う機会もあまり無かったが、野田さんはいつの間にか5.13を登り、無尽蔵の体力を持ち、経験値も僕とは段違いなので、パートナーどころか果たして着いていけるのか不安に思いながら、兵庫川西で待ち合わせ。
合流して野田さんの車に乗り込むと、なんと僕の夜ごはんと翌日の朝ごはんを用意してくれていた。
鰻丼や唐揚げ、おにぎりやバナナをパクパクいただいて大変美味しいごはんでありがたかったわけだが、今思うと、これは孫子の兵法でいうところの、「温情」にあたる作戦だったのではないだろうか。
そして、移動しつつご飯食べつつ、今回の上部と下部の分け方や最近の山行への取り組みなどの話をする。これらの話の内容は孫子でいうところの「軍律」に近かったのではなかろうか。(やや曲解しているが。)

とにかく、気付かぬうちに、もう何があろうとも深い谷底まで将軍に着いていく兵士の心境に持って行かれていたのであった。

(後日聞いた話では、温情ではなく、集合場所や時間の変更などで気を遣っていただいていたよう。次回からはどうぞ気を遣わず!でも鰻丼美味しかったです。)


・8/13
駐車地を出発して、黙々と林道を歩く。しばらくすると不動滝への分岐の看板が出てくるのでそこから降りて行き、何回かルートファインディングと藪漕ぎをしたのちに不動滝の上に降り立つ。
目の前には大きな釜を持つチョックストン滝だ。

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(CS10m滝)

最初から巻きたくなるような滝だが、水線右のクラックをエイドで行く。リードは野田さん。
今回、"渓谷登攀"の遡行図を参考にしながら登ったが、そこにはこの滝は「7mCS」とかかれていた。しかしどうやら当時とは水流が変わったようで、10mCS滝になっていた。
野田さんは滝右側の壁を登って、滝壺間近に飛び込み見事クラックに取り付く。1発だ。ひゅー!
じりじりとアブミ掛け替えで上がっていきチョックストンの上に消えていった。

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(滝の右壁を使って飛び込む)

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(安定のリード。野田さん)

僕も続いて取り付き、いやぁ始まっちゃったなぁと思いながらアブミをかけかけ登って合流。

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(よっこいしょういち)

次のピッチも引き続き野田さんリードで登ってもらう。
激しい水流に押されながら僕もフォロー。ミスったら水流に飲まれて溺れるんじゃないかとビビったが、フォローのことも考慮したプロテクションを取ってくれてるのでビビりつつ安心だ。

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(トラバースからの乗越し)

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(フォロー少し緊張)

フォローを意識したライン取り・プロテクション配置は、リードする人の当然必要なスキルで、僕も意識していることだが、切羽詰まっているとそうもいかないのが事実だ。フォローの力量を信じて登ってしまうことはある意味では美学だが、基本的には避けた方が良いことだろう。できぬならリードすべきではない。
僕も強くありたいものである。


さて、その先もステミングとジャンプで乗り越えたり高巻きしたりしつつ進んで、現れたのはちょっとしたスラブを交えた滝。

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(上半分のスラブが悪い)

これがかなり悪く、例の如く野田さんリードで登ったが、フォローで行くと、スラブ部分が全くツルツルで、おまけに体重をかけたアブミのハーケンがグラつく浅打ち。(リスが浅くて難儀したとのこと。)
グラついた時には結構焦った。しかし、すぐ近くに手がかり用のカムがセットされていたので、ありがたいを通り越して感動した。
野田さんよくこんなところ登ったなと思いながら、必死でユマーリングで後に続く。


そしてついに辿り着いた最後の滝。
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(最後の滝)

僕はここまでほとんど活躍していなかったので、いっちょやったろかいと最後の滝の取り付きまでの泳ぎにトライ。
ザーッと泳いで、シュッと発射して、グッとクラックに手を入れて、グイーっと身体を棚まで上げる。
日頃の運動不足が祟って、グイーっと上がるところで上がり切れずに落ちかけたが、心の炎を全開に燃やしてどうにか上がりきり、成すべきことの体裁を保てた。
良かった。

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(棚に上がるのはギリギリだったが、まぁ余裕だね。)

ビレイ点構築にたっぷり時間を使って、得意顔で、少し疲れが見えてきた(と思う。実際はたぶん余裕のよっちゃん顔。)野田さんを引っ張り上げる。ふっふっふ。持ちつ持たれつの関係が成立したぜ。

やるべきことはやったので、あとはお任せして清々しい気分でビレイに徹する。
ここ突破しないと僕ら沢から出られませんよー!
なんてお気楽なエールを送りながら、無事に突破していく野田さんを見送り、ビレイ解除のコール。フォローで僕も登り始める。

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(難しいところはお願いします!)

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(最後の水流がキツい)

が、これがまた悪いのである。
出だし直上は容易なのだが、岩の下をトラバースするところは、なんか何もないところをアブミを頼りにギリギリのトラバースで、最後は水流に突っ込んで立ち上がらねばならぬ。
やれやれだ。

最後の滝を終えると沢は平凡になり、少し休憩してから日暮れの林道を駐車地までとぼとぼ。
なかなか難しかったなぁ。これは僕はリードではよぉ登らんかったかもしれん。
と思ったりしながら、次の日へ。



・8/14
さあ今日は尾白川ゴルジュ下部だ!
記録によると、まぁまぁすぐ終わるみたい!嬉しい!ちゃっちゃと終わらせて、早よ帰って酒でも飲みたいぜ!
と、すっかり僕も落ちぶれたものだが、まぁ良いでしょう。

尾白川駐車場にて準備して、黒戸尾根にいたる橋から入渓。
基本的に滝は登れるものが少なく、巻道は遊歩道沿いというなんとも言えない行程で多少ダレてしまったが、ダレついでに、昨日からの疲労があまりに辛くなった瞬間があって、「僕、今日ダメかもしれません、、、」と弱音を吐いてしまう始末。
弱音を吐きつつ進んで、結局まともに登れた滝は最後の不動滝だけである。
なんでぃ!あんまりゴルジュ感も無いし、そないやないかい!と思う。
とはいえ、一応言っておくと、各滝や淵は一見の価値があるので、やはり行くべき場所ではある。

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(美しい千ヶ淵)

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(綺麗)

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(ピースピース)

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(泳ぐ)

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(浮かぶ)


さて不動滝。
なかなかの迫力で、ここは野田さんどうぞ。という感じだ。
なんたって僕は昨日の最後の滝の取り付きまでをリードしたからな。持ちつ持たれつの関係が成立している。

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(不動滝に到着)


野田さんは時おりモゾモゾしつつもスイスイーと抜けて行く。最後の抜けは、昨日同様水流に突撃だ。
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(ぼちぼちボロい)

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(落口はまぁまぁ水の勢い強い)

なーんだ簡単なんだと思いながら登ると、案外ボロくて意外に緊張。リングボルトが複数打たれていて何度か助けられる。
落口は結構悪かった。
こういうのを僕もスッスと登れるようになりたい。
強くありたいものである。

不動滝からは同沢下降の懸垂で釜に降り立ち、不動滝を見に来た人と少し喋ったりしながら休憩し、あとは遊歩道を通って駐車地まで。

下山完了。
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以上、山行報告でした。

今回は、特に初日が想像してたよりも難しい登攀が多く、久しぶりの長時間行動で、良い勉強になったなぁと思う沢でした。
あと、運動不足なんだけど、、、とか思いながら来る場所じゃねえな。とも思ったのでちょっぴり反省です。

しかし!
これで僕は竹宇駒ヶ岳神社から甲斐駒ヶ岳山頂までの沢筋を、累計で全遡行できたので結構嬉しいです!!
ふっふっふ!!
野田さん、ありがとうございました!!日を合わせてまたどこか行きましょう!!


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