2022.4.29-5.1 後立山連邦 五竜岳 G5稜 の記録
こんにちは、岩瀬た、です。
雪シーズンのシメにOKDさんと五竜のG5に行ってきました。
先週に行った白馬主稜の感じから、この暖かい日が続いた後のGWでもまだギリギリ登れるだろうと思って計画実行。
登攀日の前後は雨の予報で、良い情報としては登攀日だけは晴れて気温も低いっぽいということくらい。
果たしてどうなることやら。と思いながら各々仕事やらなんやらで忙しく過ごしながらもどうにか準備を整えることができ、出発。
以下、山行記録です。
---------------------------------------------
◎メンバー
岩瀬た
OKD
◎装備(主な物)
シングルロープ60m
スノーバー 2本
デッドマン 1個
イボイノシシ 2本
ハーケン 4枚
◎行程概要
・4/29 曇り後雨
8:15 テレキャビン乗車
11:15 大遠見の少し先 BC設営 泊
・4/30 晴
2:30起床
4:30 出発
4:50 シラタケ沢へ下降開始
6:00 G5 取付 クライミング開始
13:15 G5左肩稜線 クライミング終了
15:15 五竜岳
17:00 BC 泊
・5/1 雨
2:30 起床
4:15 下山開始
6:15 テレキャビン駅に到着、始発待ち
8:30 駐車地 下山完了
◎行程詳細
・4/29
スキーヤーとボーダーに紛れてテレキャビンの始発に乗り込む。
今日は昼から雨予報なので、良いところまで行ってBCを立ててのんびり過ごすために汗をかきかき遠見尾根を歩く。
3年前に、G2をH.Iさんと登りに行った時もこんな天気だったなぁと思う。懐かしい。G2を登った後に、「いつか行ってみたいな」と思ったG5にトライすべく今日はOKDさんとここを歩いているわけだ。
最近H.Iさんの顔を見ていないけれど元気かな?
明日は良い日になると良いな。
大遠見を過ぎたところでBC設営に入る。
長い時間を過ごすから快適なベースにしようと思って丁寧にブロックを出して整地しているうちに雨が降ってきた。
少しだけ濡れてテントに潜り込んで、酒をチビチビしながらダベり、夕方にOKDさんの豚汁定食を食べて、就寝。
(豚汁定食)
・4/30
2:30に起床。テントの外はなかなかの暴風で、朝ご飯を食べてからしばし風が止むのを待つ。4時過ぎに収まってきたので出発する。
(BC。今回は贅沢に4テンにした。)
(遠見尾根より五竜岳)
遠見尾根からシラタケ沢への下降で雪が悪ければ今回は辞めようと思っていたけれど、良い感じにクラストしていたので「よーし、チャンス到来。」と思いながら取り付きまで一直線に進む。
6:00にようやく取付のルンゼに付いて、雪が緩む前にリッジに出るべく早速クライミング開始。
1ピッチ目は僕のリードで、スノーバー、イボイノシシ、立木を中間支点にしながらルンゼを登る。
(1ピッチ目)
2ピッチ目はOKDさんのリードで雪壁のルンゼをリッジまで抜ける。
(2ピッチ目)
リッジに出てロープをたたんでしばし雪稜歩き。
やはり時期的には少し遅く、キノコ雪の大きいものが無い代わりにシュルンドがたくさん出ている。
足元が崩れないことをチェックしてからスノーブリッジを渡るということを繰り返す。
(シュルンドや雪壁を巻いて進んだ)
D沢からのジャンクションピークの手前でノーロープで藪漕ぎに入るも、意外に立っていて、あと少しで雪上に乗っこせるというところで、頼りにしていたハイマツの根もなんか折れそうなものばかりになってきて、ロープ出すためにいったん降りようと思うも、手も足も悪めの枝を使って登ってきてたのでクライムダウンしずらく降りる気になれず、こんな頼りない根っこではセルフビレイも取れずで、やっちゃったなぁ、やべえぞこれ。と思う。
まぁしょうがない。登ろう。と思って気持ちを落ち着かせてから、頭上の雪を切り崩して乗っ越すためのスペースを作り、有るのか無いのかよくわからないハイマツの枝と雪が絡んだなんとも言えない足場を見極めて、一息に乗り越す。セーフ。
スノーバーでビレイ点を作ってOKDさんにロープを投げて登ってもらう。
ここはもっと早くロープ出しとくべきだった。反省。
ジャンクションピークを無事に抜けて、最後の岩壁手前の岩峰の前で小休止。
(小休止)
この岩峰が、パッと見た感じどこ登れば良いか全然わからない。
左側のハイマツ帯を行くか、正面の露出した岩を登るかの2択まで絞って、とりあえず基部に行く。
基部に残置のビレイ点があって、シュルンドの中に2人が立てるスペースが残っていたので、正面突破することにする。
(残置のビレイ点)
出だしから1段上がったところに立つとギリギリ手が届くところに残置のハーケンが打ってあったので、それを使ってA0でさらに2、3歩上がり、そしたら棚に手が届いたのでマントルで乗り上げる。残置様様だ。
そこでハーケンを打って、薄く被ったキノコ雪を切り崩して頭上にスペースを作り、エイヤとのっこす。
(岩峰は正面から登った)
乗っ越した先のスノーリッジで、スノーバーでビレイ点を作ってOKDさんも登ってもらい、その続きのトラバースを最後の壁の基部まで行ってもらう。
(トラバースOKD)
(良い景色!)
(最後の岩壁)
最後の壁は2ピッチ。
雪壁を登って、頭上に被さる小さな雪庇を不安に思いつつ立木でピッチを切り、少し登ると、これまた残置のハーケンとスリングがあったのでありがたく使ってスラブのトラバースをしてからハイマツの藪漕ぎに入り、屈曲で重くなったロープを全力で引っ張りながら主稜線のすぐ手前のハイマツでビレイ。
OKDさんも無事に登ってきた。
この最後のピッチはスラブの一歩が結構悪く、リードの僕は残置支点を使えたけどフォローは回収してからトラバースに入ることになるのでリードよりも難しい局面だろう。
ここのセカンドビレイも難しかった。相手が見えない状態で重くなったロープでのビレイは、トラバースしている相手の状況がわからずどれくらいの強さでロープを引けば良いのかわからなくて不安だったので、OKDさんがひょっこり顔を出してくれた時にはすごく安心した。悪い局面をひょっこりクリアする漢。それがOKDさんである。
(最後の壁1P目フォローOKD)
稜線の登山道に出て、無事に終えたことを喜んで記念写真を撮ったりししつつ大休憩。
(G5終了!良い天気!)
(疲れましたねー!)
あとはG5の頭、五竜岳本峰をバテバテになりながら登って、白岳をトラバースして遠見尾根に移り、明るいうちにベースキャンプに戻ってくることができました。万歳!
(五竜岳)
(白岳のトラバース)
夜ご飯は僕の番で、麻婆豆腐ラーメン。
思いの外辛い仕上がりになってしまい、ヒーヒー言いながら食べてぐっすり眠りました。
・5/1
2:30起床。
7時ごろから雨の予報だったので、早起きしてせっせと撤収して、予報に反して早く降り出した雨が本降りになる前にテレキャビンの駅に逃げ混む。
(ガスガス下山)
屋根のあるところで荷物の整理をしているうちにスタッフの方が通常よりも早くロビーを開けてくれたので暖かい室内で快適に過ごすことができ、始発の降り便で降りることができました。
五竜テレキャビンのスタッフの方々、ありがとうございました。
8:30駐車地到着。下山完了。
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以上、山行記録でした。
今年の冬の後半戦は天気が悪くて計画していた山になかなか行けずにすっきりしない気分で過ごすことが多かったのですが、先週の白馬主稜と今回の五竜G5で良い山行ができたので、結果的にスッキリした気持ちで雪山をシメることができて良かったです。
OKDさん、毎度のことながらありがとうございました!
次は辛過ぎない麻婆豆腐にリトライします!
さて、フリーと沢に切り替えていくぞ!
(今回登ったルート)
(今回登ったルート)
こんにちは、岩瀬た、です。
雪シーズンのシメにOKDさんと五竜のG5に行ってきました。
先週に行った白馬主稜の感じから、この暖かい日が続いた後のGWでもまだギリギリ登れるだろうと思って計画実行。
登攀日の前後は雨の予報で、良い情報としては登攀日だけは晴れて気温も低いっぽいということくらい。
果たしてどうなることやら。と思いながら各々仕事やらなんやらで忙しく過ごしながらもどうにか準備を整えることができ、出発。
以下、山行記録です。
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◎メンバー
岩瀬た
OKD
◎装備(主な物)
シングルロープ60m
スノーバー 2本
デッドマン 1個
イボイノシシ 2本
ハーケン 4枚
◎行程概要
・4/29 曇り後雨
8:15 テレキャビン乗車
11:15 大遠見の少し先 BC設営 泊
・4/30 晴
2:30起床
4:30 出発
4:50 シラタケ沢へ下降開始
6:00 G5 取付 クライミング開始
13:15 G5左肩稜線 クライミング終了
15:15 五竜岳
17:00 BC 泊
・5/1 雨
2:30 起床
4:15 下山開始
6:15 テレキャビン駅に到着、始発待ち
8:30 駐車地 下山完了
◎行程詳細
・4/29
スキーヤーとボーダーに紛れてテレキャビンの始発に乗り込む。
今日は昼から雨予報なので、良いところまで行ってBCを立ててのんびり過ごすために汗をかきかき遠見尾根を歩く。
3年前に、G2をH.Iさんと登りに行った時もこんな天気だったなぁと思う。懐かしい。G2を登った後に、「いつか行ってみたいな」と思ったG5にトライすべく今日はOKDさんとここを歩いているわけだ。
最近H.Iさんの顔を見ていないけれど元気かな?
明日は良い日になると良いな。
大遠見を過ぎたところでBC設営に入る。
長い時間を過ごすから快適なベースにしようと思って丁寧にブロックを出して整地しているうちに雨が降ってきた。
少しだけ濡れてテントに潜り込んで、酒をチビチビしながらダベり、夕方にOKDさんの豚汁定食を食べて、就寝。
(豚汁定食)
・4/30
2:30に起床。テントの外はなかなかの暴風で、朝ご飯を食べてからしばし風が止むのを待つ。4時過ぎに収まってきたので出発する。
(BC。今回は贅沢に4テンにした。)
(遠見尾根より五竜岳)
遠見尾根からシラタケ沢への下降で雪が悪ければ今回は辞めようと思っていたけれど、良い感じにクラストしていたので「よーし、チャンス到来。」と思いながら取り付きまで一直線に進む。
6:00にようやく取付のルンゼに付いて、雪が緩む前にリッジに出るべく早速クライミング開始。
1ピッチ目は僕のリードで、スノーバー、イボイノシシ、立木を中間支点にしながらルンゼを登る。
(1ピッチ目)
2ピッチ目はOKDさんのリードで雪壁のルンゼをリッジまで抜ける。
(2ピッチ目)
リッジに出てロープをたたんでしばし雪稜歩き。
やはり時期的には少し遅く、キノコ雪の大きいものが無い代わりにシュルンドがたくさん出ている。
足元が崩れないことをチェックしてからスノーブリッジを渡るということを繰り返す。
(シュルンドや雪壁を巻いて進んだ)
D沢からのジャンクションピークの手前でノーロープで藪漕ぎに入るも、意外に立っていて、あと少しで雪上に乗っこせるというところで、頼りにしていたハイマツの根もなんか折れそうなものばかりになってきて、ロープ出すためにいったん降りようと思うも、手も足も悪めの枝を使って登ってきてたのでクライムダウンしずらく降りる気になれず、こんな頼りない根っこではセルフビレイも取れずで、やっちゃったなぁ、やべえぞこれ。と思う。
まぁしょうがない。登ろう。と思って気持ちを落ち着かせてから、頭上の雪を切り崩して乗っ越すためのスペースを作り、有るのか無いのかよくわからないハイマツの枝と雪が絡んだなんとも言えない足場を見極めて、一息に乗り越す。セーフ。
スノーバーでビレイ点を作ってOKDさんにロープを投げて登ってもらう。
ここはもっと早くロープ出しとくべきだった。反省。
ジャンクションピークを無事に抜けて、最後の岩壁手前の岩峰の前で小休止。
(小休止)
この岩峰が、パッと見た感じどこ登れば良いか全然わからない。
左側のハイマツ帯を行くか、正面の露出した岩を登るかの2択まで絞って、とりあえず基部に行く。
基部に残置のビレイ点があって、シュルンドの中に2人が立てるスペースが残っていたので、正面突破することにする。
(残置のビレイ点)
出だしから1段上がったところに立つとギリギリ手が届くところに残置のハーケンが打ってあったので、それを使ってA0でさらに2、3歩上がり、そしたら棚に手が届いたのでマントルで乗り上げる。残置様様だ。
そこでハーケンを打って、薄く被ったキノコ雪を切り崩して頭上にスペースを作り、エイヤとのっこす。
(岩峰は正面から登った)
乗っ越した先のスノーリッジで、スノーバーでビレイ点を作ってOKDさんも登ってもらい、その続きのトラバースを最後の壁の基部まで行ってもらう。
(トラバースOKD)
(良い景色!)
(最後の岩壁)
最後の壁は2ピッチ。
雪壁を登って、頭上に被さる小さな雪庇を不安に思いつつ立木でピッチを切り、少し登ると、これまた残置のハーケンとスリングがあったのでありがたく使ってスラブのトラバースをしてからハイマツの藪漕ぎに入り、屈曲で重くなったロープを全力で引っ張りながら主稜線のすぐ手前のハイマツでビレイ。
OKDさんも無事に登ってきた。
この最後のピッチはスラブの一歩が結構悪く、リードの僕は残置支点を使えたけどフォローは回収してからトラバースに入ることになるのでリードよりも難しい局面だろう。
ここのセカンドビレイも難しかった。相手が見えない状態で重くなったロープでのビレイは、トラバースしている相手の状況がわからずどれくらいの強さでロープを引けば良いのかわからなくて不安だったので、OKDさんがひょっこり顔を出してくれた時にはすごく安心した。悪い局面をひょっこりクリアする漢。それがOKDさんである。
(最後の壁1P目フォローOKD)
稜線の登山道に出て、無事に終えたことを喜んで記念写真を撮ったりししつつ大休憩。
(G5終了!良い天気!)
(疲れましたねー!)
あとはG5の頭、五竜岳本峰をバテバテになりながら登って、白岳をトラバースして遠見尾根に移り、明るいうちにベースキャンプに戻ってくることができました。万歳!
(五竜岳)
(白岳のトラバース)
夜ご飯は僕の番で、麻婆豆腐ラーメン。
思いの外辛い仕上がりになってしまい、ヒーヒー言いながら食べてぐっすり眠りました。
・5/1
2:30起床。
7時ごろから雨の予報だったので、早起きしてせっせと撤収して、予報に反して早く降り出した雨が本降りになる前にテレキャビンの駅に逃げ混む。
(ガスガス下山)
屋根のあるところで荷物の整理をしているうちにスタッフの方が通常よりも早くロビーを開けてくれたので暖かい室内で快適に過ごすことができ、始発の降り便で降りることができました。
五竜テレキャビンのスタッフの方々、ありがとうございました。
8:30駐車地到着。下山完了。
---------------------------------------------
以上、山行記録でした。
今年の冬の後半戦は天気が悪くて計画していた山になかなか行けずにすっきりしない気分で過ごすことが多かったのですが、先週の白馬主稜と今回の五竜G5で良い山行ができたので、結果的にスッキリした気持ちで雪山をシメることができて良かったです。
OKDさん、毎度のことながらありがとうございました!
次は辛過ぎない麻婆豆腐にリトライします!
さて、フリーと沢に切り替えていくぞ!
(今回登ったルート)
(今回登ったルート)